JP2009203562A - 剥離用工程紙基材 - Google Patents

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Abstract

【課題】 本発明は、特に炭素繊維等強化繊維のプリプレグ用途に使用される剥離用工程紙基材において、基材上に設けられた防浸層に特定の天然層状顔料と有機フッ素化合物を含有することにより、特に剥離剤の耐溶剤性と繰り返し使用時の寸法安定性が良好で、更に加熱成型時の耐熱性に優れているという剥離用工程紙基材を提供するものである。
【解決手段】 基材の少なくとも片面に防浸層を設けた剥離用工程紙基材において、該防浸層がアスペクト比90以上の天然層状顔料と特定の有機フッ素化合物を含有することを特徴とする剥離用工程紙基材。該防浸層の固形分塗工量が1.0〜5.0g/m2であることが好ましい。
【選択図】 なし

Description

本発明は剥離用工程紙基材に関するもので、詳しくはプリプレグ用途の剥離用工程紙基紙に関するものであり、特にシリコーン等剥離剤塗工時の耐溶剤性に優れ、且つ寸法・形状安定性が良好な剥離用工程紙基材に関するものである。
炭素繊維等の各種強化繊維を補強材とする複合材料は、軽量で強度及び弾性率に優れていることから、ゴルフシャフト、テニスラケット、釣竿等のスポーツやレジャー用品、または航空機部材として幅広く利用されている。これらの複合材料は、一般に、強化繊維にマトリックス樹脂を含浸させたプリプレグという半製品を材料とし、前記プリプレグを所望の形状に整えた後、加熱成形して所定の形状に成型される。このプリプレグには、形状保持や貯蔵、輸送に適するように工程紙が使用される。
上記目的の剥離用工程紙は、トルエン、ヘキサン等の有機溶剤で希釈されたシリコーン樹脂等の剥離剤を基材に塗工して製造されている。このため、基材に対する要求特性としては、シリコーン樹脂が非常に高価であるため、少量のシリコーン塗工液を均一に塗工し得る事、つまり、シリコーン塗工液の浸透を極力抑制することが重要である。また、プリプレグ用途としては高温の加熱成型に耐え得るような耐熱性が必要であり、また、プリプレグ材と剥離用工程紙が貯蔵時に両者の間で浮き剥がれが無い様、湿度に対する寸法安定性を持つ基材が望まれてきている。
これまで、耐溶剤性を有する基材としては、グラシン紙タイプ、水系樹脂コート紙タイプ、クレーコート紙タイプ等が提案されている。
グラシン紙タイプは、原料のパルプを極度に叩解し、カレンダー処理等によって繊維間結合を強固にしたものであるが、一般の紙に比べ製造コストが掛かり、離解再生が困難であり、また湿度変化に対する寸法安定性が悪いという欠点があった。
水系樹脂コート紙タイプとしては、澱粉、ポリビニルアルコール等の水溶性高分子、或いはスチレン・ブタジエンラテックス、アクリル・スチレン共重合体等の疎水性樹脂エマルジョンを単独でまたは2種以上を混合して原紙基材表面にクリアー塗工したものが提案されている(例えば、特許文献1〜3参照)。しかしながら、樹脂のみを単独で5g/m2程度の少ない量を塗工しても原紙表面の繊維を充分に被覆することができず、繊維間の空隙にクレーター状の凹部ができるため、シリコーン層の剥離性能が低下する上、この凹部に剥離層が浸透するためコストアップの一因となる欠点があった。また、10g/m2以上の量を塗工すれば、原紙基材を充分に被覆できるが、抄紙機と一体になったオンマシン塗工の場合、塗工液を塗工した後の原紙基材がドラムドライヤーと接触するため、塗工面の乾燥が不十分な状態であると、ドラム上に塗膜が取られたり、ドライヤーカンバスを汚すという欠点があった。特に、塗工層のベタツキが高い場合には汚れが発生しやすい。従って、剥離紙用工程紙基材のように、塗工面に空隙を持たない連続皮膜が必要とされる場合には、バインダー成分が高配合となりべたつき易くなるので、オンマシン塗工には不適当であった。一方、オフマシン塗工であると、作業が煩雑で、そのもの自体がコストアップの原因となっている。
また、クレーコート紙タイプでは、顔料と樹脂バインダーを塗工したものなど、多くの特許が開示されている(例えば、特許文献4〜7参照)。しかし、顔料と樹脂バインダーを塗工する場合には、通常10g/m2程度の塗工量で表面の被覆性は充分であるものの、特に顔料/バインダー比が大きいものは、形成された塗工層に微小な空隙が形成され、溶剤が塗工層、更には紙層に進入するので、使用するシリコーン量が増加し、コストアップの原因となっている。なお、一例として、クレーコートのバインダーとしてスチレン・ブタジエン共重合体と澱粉を用いることにより有機溶剤に対するバリア性を得られることが提案されている(特許文献8参照)。しかしながらこの場合にも、顔料とバインダーの比が100/10〜100/30と顔料の割合が高いためバリア性が十分でないという欠点があった。
更に、上記顔料にマイカを使用し、その上に特定の樹脂層を設け、湿度バリア性を持たせた積層体の特許も開示されている(例えば、特許文献9)。しかし、この手法では、吸湿性の対策は施されているが耐溶剤性能は未だ不十分であり、且つ二層塗工のため生産性の点でも不利となっている。また、合成マイカのバリア層を設けた特許も開示されている(例えば、特許文献10)が、該合成マイカは水膨潤性であるため、非膨潤性の天然マイカに比べ湿度に対する寸法変化が大きく、繰り返しの使用には適さない。
このように、剥離用工程紙基材において耐溶剤性の改良は充分と言えるものではなく、更に寸法安定性や耐熱性の特性を併せ持つ基材としては、これまで満足するものがなかった。
特開平4−2900号公報 特開平4−327300号公報 特開平10−1895号公報 特開平4−213377号公報 特開平7−97797号公報 特開平8−144198号公報 特開平10−131094号公報 特開平6−264038号公報 特開平6−184997号公報 特開平6−200500号公報
以上のような状況に鑑み、本発明は、特に炭素繊維等強化繊維のプリプレグ用途に使用される剥離用工程紙基材において、耐溶剤性に優れ、且つ寸法安定性が良好な基材を提供することにある。
本発明者は、上記の課題について鋭意研究を重ねた結果、特定のアスペクト比を持つ天然層状顔料、及び耐水・耐油剤として有機性フッ素化合物を含有する防浸層を剥離用工程紙基材上に設けることによって、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明の剥離用工程紙基材は、基材の少なくとも片面に防浸層を設けた剥離用工程紙基材において、該防浸層がアスペクト比90以上である天然層状顔料と有機フッ素化合物を含有することを特徴とする。
また、該基材上に設けられた固形分塗工量が片面あたり乾燥質量で1.0〜5.0g/m2であることが好ましい。
本発明によれば、プリプレグ用途の剥離用工程紙基材において、特にシリコーン剥離剤塗工時の耐溶剤性に優れ、且つ寸法安定性が良好な剥離用工程紙基材を提供することが可能となる。
以下、本発明の剥離用工程紙基材について、詳細に説明する。
本発明の剥離用工程紙基材は、特定の素材を基材上の防浸層に含有させることで、優れた耐溶剤性と寸法安定性を両立させた剥離用工程紙基材である。本発明者は、特にプリプレグ用途の剥離用工程紙基材に求められる剥離層塗工時の耐溶剤性と繰り返し使用特性に影響する寸法安定性を改善する目的で鋭意研究を重ねた結果、防浸層として天然由来の層状顔料及び有機フッ素化合物を基材上に塗工することが最も有効で安価な手段であることを見出した。
本発明の防浸層の構成要素としては、天然層状顔料、有機フッ素化合物及びバインダーが挙げられる。
通常、天然由来の層状顔料とは、板状の結晶性物質が層状構造を有した無機化合物であり、具体的な例としてはマイカ、タルク、デラミクレー等が挙げられるが、本発明における高アスペクト比を持つ層状顔料としてはマイカが最も有効である。この場合のアスペクト比とは粒子直径と厚みの比率で、測定方法としては電子顕微鏡等により測定したものが好ましい。高アスペクト比の顔料は、塗工表面の平滑性が得られ易く、塗工層の細孔が少なく且つ小さいため、被覆性が向上するという特徴がある。よって、アスペクト比が90以上であると、この被覆特性を十分満足しており本発明には好適である。一方、アスペクト比が90未満であると塗工面に対して一定の被覆性を得るには、より多くの塗工量が必要であり、仮に被覆が十分であっても平滑性が不十分な場合があり、塗工層の細孔も多い。平滑性が不十分であると、シリコーン樹脂等剥離剤の塗工量が不必要に過剰となり易く、且つ浸み込み量も多くなってしまう。
尚、マイカ類の中でも天然のマスコバイト(白雲母「KAl2(AlSi310)(OH)2」)、及びセリサイト(絹雲母)が性能及びコストの点で好適である。因みに天然マイカのコストは合成マイカの約10分の1であり、安価な基材を提供するには天然マイカの使用が有利となる。よって、防浸層に用いられる層状顔料としてはアスペクト比90以上の天然マイカが好ましく、本発明の特徴である寸法安定性が良好で、耐溶剤性にも優れ、特にトルエン等の溶剤の浸透を著しく抑制できる。また、これら層状顔料は天然の無機顔料であるため耐熱性能(約150℃)の点では十分と言える。
本発明における有機フッ素化合物としては、フッ素化カチオン性ポリマー剤が挙げられる。具体的にはHERCULES社製のimPress FP100または同FP200が好適である。添加量としては、防浸層液中に固形分として0.1〜0.5質量%(対天然層状顔料比)含有するのが好ましい。本発明の有機フッ素化合物の耐水・耐油性能は、天然マイカの高被覆性との相乗作用により最大の効果を発揮するが、0.1質量%より少ないと十分な耐水・耐油性能が得られず、一方0.5質量%より多いと性能は頭打ちとなり、コスト増となる。
本発明のようにアスペクト比の高い層状顔料と耐水・耐油剤としての有機フッ素化合物を併用することは、寸法安定性と耐溶剤性を大いに向上させ得る。その理由としては、防浸層の塗層表面に層状顔料が扁平状に並ぶと同時に、その隙間に有機フッ素化合物が位置し、この二つの構成により強固に溶剤をバリアし、更に、水分の吸脱湿も抑制するため寸法安定性も増すものと考えられる。よって、本発明の層状顔料と有機フッ素化合物を各単独使用した場合には、前述の効果は不十分なものと言える。
本発明に用いるバインダーとしては、例えばポリビニルアルコール系樹脂、アクリル系樹脂、ポリウレタン樹脂、スチレン−ブタジエン共重合樹脂、その他ビニル系樹脂、アミド系樹脂、デンプン、カゼイン、ポリエチレンオキサイド等を単独あるいは2種以上組み合わせて使用できる。但し、プリプレグ用途の剥離用工程紙基材においては耐熱性を要求され、また耐溶剤性の観点から、ポリビニルアルコール系樹脂、或いはスチレン−ブタジエン共重合樹脂が好ましい。
本発明における防浸層は、基材上に片面あたり固形分質量として1.0〜5.0g/m2塗工されることが好ましい。本発明の高アスペクト比の天然層状顔料を使用することにより、上記塗工量でも十分な原紙被覆性が得られている。しかしながら、塗工量が1.0g/m2未満であると基材表面の被覆が不十分となり、剥離剤の浸透抑制効果が得られ難く、寸法安定性にも不利となる。また、5.0g/m2を超えると効果が飽和する他、原材料費のコスト増、及び乾燥負荷が大きくなるため塗工速度が低下し生産性が低下する傾向にある。
基材に防浸層を設ける方法としては、例えば、従来公知のエアナイフコーター、カーテンコーター、ダイコーター、ブレードコーター、ゲートロールコーター、バーコーター、ロッドコーター、ロールコーター、ビルブレードコーター、ショートドエルブレードコーター、キャストコーター、サイズプレスなどの各種装置をオンマシン或いはオフマシンで用いることができるが、生産性の点からはオンマシンコーターが好ましい。また、塗工後には、マシンカレンダー、TGカレンダー、スーパーカレンダー、ソフトカレンダーなどのカレンダー装置を用いて仕上げることも可能である。
本発明で使用される基材としては、木材パルプ系または植物パルプ系繊維を主原料とした坪量50〜400g/m2の原紙が挙げられる。具体的には、剥離用工程紙の用途により、その範囲から好適な坪量の原紙を選択するのが良いが、通常は坪量80〜150g/m2の原紙が用いられる。パルプの種類としては、LBKP、NBKPなどの化学パルプ、GP、TMP、CTMP、CMP、CGPなどの機械パルプ、DIPなどの古紙パルプなどの木材パルプ、さらに、ケナフ、バガス、竹、コットンなどの非木材パルプも使用でき、必要に応じて、合成繊維やガラス繊維を混抄しても良い。該基材は、これらパルプに従来公知の顔料を主成分としてバインダーおよびサイズ剤や定着剤、歩留まり向上剤、カチオン化剤、紙力増強剤などの各種添加剤を1種以上用いて混合し、長網抄紙機、円網抄紙機、ツインワイヤー抄紙機などの各種装置で製造されるが、更に基材に澱粉、ポリビニルアルコールなどでのサイズプレスやアンカーコート層を設けたり、それらの上にコート層を設けたアート紙、コート紙、キャストコート紙などの塗工紙を使用しても良い。この様な支持体および塗工紙に、そのまま本発明に係る防浸層を設けても良いし、平坦化をコントロールする目的で、マシンカレンダー、TGカレンダー、ソフトカレンダーなどのカレンダー装置を使用しても良い。
本発明において、防浸層は、基材上に2層以上設けることが可能である。天然層状顔料と有機フッ素化合物を含有する層を2層以上設けても良いし、天然層状顔料と有機フッ素化合物を含有する層の下(より基材に近い位置)に他の材料で構成する防浸層を設けても良い。結果的に、天然層状顔料と有機フッ素化合物を含有する層を含有する層を最上層に配置することが、本発明の効果を最も良く発現できる方法である。
以下に、本発明の実施例を挙げて説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。また、実施例において示す「部」および「%」は、特に明示しない限り質量部および質量%を示す。
(実施例1)
<基材の作製>
濾水度450mlCSFのLBKP70部、濾水度450mlCSFのNBKP30部から成る木材パルプ100部に、軽質炭酸カルシウム/重質炭酸カルシウム/タルクの比率が30/35/35の顔料5部、アルキルケテンダイマー0.1部、市販カチオン系アクリルアミド0.03部、カチオン化澱粉1.0部、硫酸バンド0.5部を添加調成後、長網抄紙機を用いて坪量105g/m2で抄造し、市販酸化澱粉をインクラインドサイズプレスで乾燥付着質量5g/m2となるように乾燥して基材を得た。
<防浸層液の調製>
防浸層の塗工液は、層状顔料として天然マイカのマスコバイト(商品名:MICA POWDER SYA−41R、平均粒子径43μm、アスペクト比90、(株)山口雲母工業所製)100部、ポリアクリル酸系分散剤(商品名:アロンT40、東亜合成(株)製)0.5部を水200部に添加し、T.K.ホモミキサーで分散し、これにバインダーとして10%PVA(商品名:117、(株)クラレ)を30部、有機フッ素化合物(商品名:imPress FP100、HERCULES社製)を0.1部加えて調製した。この塗工液の最終固形分濃度は20%であった。
<防浸層液の塗工>
前記塗工液をバーコーターで片面あたり固形分塗工量2.0g/m2となるように基材上に両面塗工、乾燥して実施例1の剥離用工程紙基材を得た。
(実施例2)
実施例1において、天然層状顔料をMICA POWDER SYA−21R(平均粒子径27μm、アスペクト比90、(株)山口雲母工業所製)に変更した以外は実施例1と全て同様にして実施例2の剥離用工程紙基材を得た。
(実施例3)
実施例1において、有機フッ素化合物FP100の添加量を0.5部に変更した以外は実施例1と全て同様にして実施例3の剥離用工程紙基材を得た。
(実施例4)
実施例1において、有機フッ素化合物FP100の添加量を0.05部に変更した以外は実施例1と全て同様にして実施例4の剥離用工程紙基材を得た。
(実施例5)
実施例1において、防浸層の塗工量を0.5g/m2に変更した以外は実施例1と全て同様にして実施例5の剥離用工程紙基材を得た。
(実施例6)
実施例1において、防浸層の塗工量を1.0g/m2に変更した以外は実施例1と全て同様にして実施例6の剥離用工程紙基材を得た。
(実施例7)
実施例1において、防浸層の塗工量を5.0g/m2に変更にした以外は実施例1と全て同様にして実施例7の剥離用工程紙を得た。
(実施例8)
実施例1において、防浸層の塗工量を7.0g/m2に変更にした以外は実施例1と全て同様にして実施例8の剥離用工程紙基材を得た。
(比較例1)
実施例1において、防浸層中の有機フッ素化合物を未使用にした以外は実施例1と全て同様にして比較例1の剥離用工程紙基材を得た。
(比較例2)
実施例1において、防浸層中の顔料を未使用にした以外は実施例1と全て同様にして比較例2の剥離用工程紙基材を得た。
(比較例3)
実施例1において、天然層状顔料をMICA POWDER A−21(平均粒子径22μm、アスペクト比70、(株)山口雲母工業所製)に変更した以外は実施例1と全て同様にして比較例3の剥離用工程紙基材を得た。
(比較例4)
実施例1において、天然層状顔料をタルクFK500S(平均粒子径10μm、アスペクト比45、(株)山口雲母工業所製)に変更した以外は実施例1と全て同様にして比較例4の剥離用工程紙基材を得た。
(比較例5)
実施例1において、天然層状顔料をデラミクレーNUCLAY(平均粒子径3.5μm、アスペクト比20、ENGELHARD社製)に変更した以外は実施例1と全て同様にして比較例5の剥離用工程紙基材を得た。
実施例1〜8及び比較例1〜5の剥離用工程紙基材の評価結果を表1に示す。尚、表1中の評価項目は以下の方法で評価した。
<耐溶剤性の評価>
上記各剥離用工程紙基材に溶剤系染料のオイルレッド0.3%含有トルエンを25cm×20cmの範囲に塗布し、5秒後にガーゼにて完全に拭き取った。直後、斑点状のピンホールを観察してトルエンの浸透度を以下の基準で評価した。
レベル5:ピンホール状の浸透が殆どみられない。
レベル4:ピンホール状の浸透が数個発生。
レベル3:ピンホール状の浸透が数十個発生。
レベル2:ピンホール状の浸透が無数に発生。
レベル1:ピンホール状の浸透が面状に発生。
ただし、本発明においてはレベル4以上を発明の対象とした。
<寸法安定性の評価>
上記各剥離用工程紙基材から20cm×20cmの試験片を作製し、この時の寸法をAとした。該試験片を40℃、85%RHに調湿された部屋に24時間放置した後、寸法を測定しこれをBとし、その変化率を下記の式で算出し、縦横各寸法変化率の大きい方を以下の基準で判定した。
寸法変化率(%)={((寸法B)−(寸法A))÷(寸法A)}×100
レベル5:寸法変化率0.3%未満。
レベル4:寸法変化率0.3%以上、0.5%未満。
レベル3:寸法変化率0.5%以上、1%未満。
レベル2:寸法変化率1%以上、3%未満。
レベル1:寸法変化率3%以上。
ただし、本発明においてはレベル4以上を発明の対象とした。
Figure 2009203562
表1から、防浸層にアスペクト比90以上の天然マイカと特定の有機フッ素化合物を含有する実施例1〜4の剥離用工程紙基材は、良好な耐溶剤性と寸法安定性を示していることが判る。また、実施例5〜8では防浸層の塗工量を変化させているが、塗工量が1.0〜5.0g/m2で良好な性能を示していることが判る。一方、比較例1のように、天然マイカの単独使用であると耐溶剤性にやや劣り、逆に比較例2のように有機フッ素化合物の単独使用であると寸法安定性が著しく劣る。また、比較例3〜5のように、アスペクト比の低い顔料を使用すると耐溶剤性の低下、及び寸法安定性の悪化がみられる。
以上説明した様に、基材の少なくとも片面に防浸層を設けた剥離用工程紙基材において、該防浸層にアスペクト比90以上の天然層状顔料と有機フッ素化合物を含有すると、特にシリコーン等剥離剤塗工時の耐溶剤性に優れ、且つ寸法安定性が良好で、更に加熱成型時の耐熱性に有利な剥離用工程紙基材を提供することが可能となる。また、該防浸層の塗工量が特定の範囲であることで、より効果的に、本発明の特性を向上することができる。
本発明により得られたプリプレグ用途の剥離用工程紙基材は、シリコーン等剥離剤塗工時の耐溶剤性に優れ、且つ寸法・形状安定性が良好で、更に加熱成型時の耐熱性に優れているという特徴を有しており、従来品に比べ商品価値を一層高めることになる。

Claims (2)

  1. 基材の少なくとも片面に防浸層を設けた剥離用工程紙基材において、該防浸層がアスペクト比90以上の天然層状顔料と有機フッ素化合物を含有することを特徴とする剥離用工程紙基材。
  2. 該防浸層の固形分塗工量が1.0〜5.0g/m2である請求項1記載の剥離用工程紙基材。
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