JP2019167683A - 建築材料用紙製バリア材料 - Google Patents

建築材料用紙製バリア材料 Download PDF

Info

Publication number
JP2019167683A
JP2019167683A JP2018054200A JP2018054200A JP2019167683A JP 2019167683 A JP2019167683 A JP 2019167683A JP 2018054200 A JP2018054200 A JP 2018054200A JP 2018054200 A JP2018054200 A JP 2018054200A JP 2019167683 A JP2019167683 A JP 2019167683A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
paper
coating layer
barrier
water vapor
building
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2018054200A
Other languages
English (en)
Inventor
岡本 匡史
Tadashi Okamoto
匡史 岡本
有理 大石
Yuri OISHI
有理 大石
宮嶋 昭夫
Akio Miyajima
昭夫 宮嶋
加藤 正嗣
Masatsugu Kato
正嗣 加藤
眞紀 畠田
Masanori Hatada
眞紀 畠田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Paper Industries Co Ltd
Jujo Paper Co Ltd
Original Assignee
Nippon Paper Industries Co Ltd
Jujo Paper Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Paper Industries Co Ltd, Jujo Paper Co Ltd filed Critical Nippon Paper Industries Co Ltd
Priority to JP2018054200A priority Critical patent/JP2019167683A/ja
Publication of JP2019167683A publication Critical patent/JP2019167683A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Paper (AREA)
  • Building Environments (AREA)
  • Securing Of Glass Panes Or The Like (AREA)
  • Cabinets, Racks, Or The Like Of Rigid Construction (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)

Abstract

【課題】木材、合板、繊維板、床板、合成板、断熱材など建造物に用いる建築材料や建築材料の面材、戸、ドア、窓、扉、襖などの建具、壁紙用の原紙などとして、住宅、建具、家具、建造物などに好適に用いられ、優れたガスバリア性と水蒸気バリア性を併せ持ち、環境負荷が少ない建築材料用紙製バリア材料を提供する。【解決手段】紙基材上にバリア塗工層を有することを特徴とする建築材料用紙製バリア材料。前記紙基材の密度が1.0g/cm3以下であり、JIS P8122:2004に規定されるステキヒト法によるサイズ度が8秒以上であることが好ましい。【選択図】なし

Description

本発明は、木材、合板、繊維板、床板、合成板、断熱材など建造物に用いる建築材料や、建築材料の面材、戸、ドア、窓、扉、襖などの建具、壁紙用の原紙などとして、住宅、建具、家具、建造物などに好適に用いられる、建築材料用紙製バリア材料に関する。
室内扉、キッチン扉、収納扉、襖などの建具は、空気中の水分(湿気)や温度により使用中に徐々に反りが発生してしまうことがあった。そこで反りを防止するために、建具の面材などに、防湿性能を有するシートや金属箔などを貼り合せるなどしたものが使用されている。
また、建築材料には揮発性の有機化合物が使用されているものがあり、残留した揮発性有機化合物が壁紙などを透過して室内に侵入し、シックハウス症候群を引き起こすことが指摘されている。そのため、結露防止などのための防湿性(水蒸気バリア性)に加えて、ガスバリア性を有する壁紙も求められている。
これらの課題を解決するため、防湿性のある熱可塑性樹脂を使用する(特許文献1など)、金属などの無機化合物を蒸着した層を設ける(特許文献2など)、エポキシ樹脂から形成されるバリア塗工層を設ける(特許文献3など)などの方法が開示されている。
特開平11−010604号公報 特開2005−349783号公報 特開2006−231664号公報
しかしながら、これらはサステナブルな原料ではなく、また、焼却処理では残渣や二酸化炭素排出の問題が、埋め立てた処理では生分解性がないため海洋ごみの原因となり、環境負荷が大きいという問題があった。
そこで、本発明は、木材、合板、繊維板、床板、合成板、断熱材など建造物に用いる建築材料や建築材料の面材、戸、ドア、窓、扉、襖などの建具、壁紙用の原紙などとして、住宅、建具、家具、建造物などに好適に用いられ、優れたガスバリア性と水蒸気バリア性を併せ持ち、環境負荷が少ない建築材料用紙製バリア材料を提供することを目的とする。
本発明は、以下の〔1〕〜〔9〕を提供するものである。
〔1〕紙基材上にバリア塗工層を有することを特徴とする建築材料用紙製バリア材料。
〔2〕前記紙基材の密度が1.0g/cm以下であり、JIS P8122:2004に規定されるステキヒト法によるサイズ度が8秒以上であることを特徴とする〔1〕に記載の建築材料用紙製バリア材料。
〔3〕前記バリア塗工層が2つ以上の塗工層から構成され、少なくとも1つの塗工層が水蒸気バリア性を有する水蒸気バリア塗工層であり、少なくとも1つの塗工層がガスバリア性を有するガスバリア塗工層であることを特徴とする〔1〕又は〔2〕に記載の建築材料用紙製バリア材料。
〔4〕前記建築材料用紙製バリア材料の少なくとも一方の面上に、さらに生分解性を有する保護層を有することを特徴とする〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の建築材料用紙製バリア材料。
〔5〕〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載の建築材料用紙製バリア材料を使用した建築材料。
〔6〕〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載の建築材料用紙製バリア材料を使用した建築材料用面材。
〔7〕〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載の建築材料用紙製バリア材料を使用した建具。
〔8〕〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載の建築材料用紙製バリア材料を使用した家具。
〔9〕〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載の建築材料用紙製バリア材料を使用した壁紙。
本発明によれば、優れたガスバリア性と水蒸気バリア性を併せ持つ建築材料用紙製バリア材料を提供することができる。ガスバリア性により建築材料中の残留揮発性ガス成分など、様々な気体の放出を抑制することができ、水蒸気バリア性により大気中の湿気の建築材料への影響を抑え、そりや結露などの問題を防止することができるため、建築材料や建築材料の面材、戸、ドア、窓、扉、襖などの建具、壁紙用の原紙などとして、住宅、建具、家具、建造物などに好適に用いられる。
さらに、本発明の建築材料用紙製バリア材料は、主成分がサステナブルな原料であるバイオマス素材の紙であるため、カーボンニュートラルの考えから、化石資源由来のフィルムに比べて、製造から廃棄までの二酸化炭素の排出量を削減でき、かつ生分解性を有するため廃棄時も環境汚染を引き起こす可能性が低い。また、フィルムを使用していないため、離解性が良好であり、古紙として容易にリサイクル可能である。
本発明は、紙基材上にバリア塗工層を有することを特徴とする建築材料用紙製バリア材料に関するものである。
バリア塗工層は、ガスバリア性および水蒸気バリア性を有する1層であってもよく、ガスバリア性を有するガスバリア層と水蒸気バリア性を有する水蒸気バリア層が別々の層である複数層であってもよいが、ガスバリア性を有するガスバリア層と水蒸気バリア性を有する水蒸気バリア層が別々の層であった方が好ましい。
バリア塗工層は、主として水を媒体とする塗工液を各種の塗工装置で塗工し、乾燥することにより形成することができる。
(紙基材)
本発明において紙基材とは、主としてパルプからなるシートであり、填料、各種助剤を含んでもよい。
パルプとしては、広葉樹漂白クラフトパルプ(LBKP)、針葉樹漂白クラフトパルプ(NBKP)、広葉樹未漂白クラフトパルプ(LUKP)、針葉樹未漂白パルプ(NUKP)、サルファイトパルプなどの化学パルプ、ストーングラインドパルプ、サーモメカニカルパルプなどの機械パルプ、脱墨パルプ、古紙パルプなどの木材繊維、ケナフ、竹、麻などから得られた非木材繊維、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂繊維、ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィン系樹脂繊維、ナイロン等のポリアミド系樹脂繊維、ポリ塩化ビニル等の含ハロゲン系樹脂繊維等の合成繊維などを用いることができ、適宜配合して用いることが可能である。
これらの中でも、建築材料は長期間の耐久性を要求されるため、建築材料用としての強度を担保することが容易となる針葉樹パルプを用いることが好ましい。紙基材の全パルプに対する針葉樹パルプの配合割合は、20重量%以上であることが好ましく、50重量%以上であることがより好ましい。
填料としては、ホワイトカーボン、タルク、カオリン、クレー、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、酸化チタン、ゼオライト、合成樹脂填料等の公知の填料を使用することができる。また、硫酸バンドや各種のアニオン性、カチオン性、ノニオン性あるいは、両性の歩留まり向上剤、濾水性向上剤、紙力増強剤や内添サイズ剤等の抄紙用内添助剤を必要に応じて使用することができる。さらに、染料、蛍光増白剤、pH調整剤、消泡剤、ピッチコントロール剤、スライムコントロール剤等も必要に応じて添加することができる。
紙基材の製造(抄紙)方法は特に限定されるものではなく、公知の長網フォーマーマシン、オントップハイブリッドフォーマーマシン、ギャップフォーマーマシン、ヤンキーマシン等を用いて、酸性抄紙、中性抄紙、アルカリ抄紙方式で抄紙して紙基材を製造することができる。また、紙基材は1層であってもよく、2層以上の多層で構成されていてもよい。
さらに、紙基材の表面を各種薬剤で処理することが可能である。使用される薬剤としては、酸化澱粉、ヒドロキシエチルエーテル化澱粉、酵素変性澱粉、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール、表面サイズ剤、耐水化剤、保水剤、増粘剤、滑剤などを例示することができ、これらを単独あるいは2種類以上を混合して用いることができる。
さらに、これらの各種薬剤と顔料を併用してもよい。顔料としてはカオリン、クレー、エンジニアードカオリン、デラミネーテッドクレー、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、マイカ、タルク、二酸化チタン、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、酸化亜鉛、珪酸、珪酸塩、コロイダルシリカ、サチンホワイトなどの無機顔料および密実型、中空型、またはコアーシェル型などの有機顔料などを単独または2種類以上混合して使用することができる。
紙基材の表面処理の方法は特に限定されるものではないが、ロッドメタリングサイズプレス、ポンド式サイズプレス、ゲートロールコーター、スプレーコーター、ブレードコーター、カーテンコーターなど公知の塗工装置を用いることができる。
この様にして得られる紙基材としては、上質紙、中質紙、塗工紙、片艶紙、クラフト紙、片艶クラフト紙、晒クラフト紙、グラシン紙、板紙、白板紙、ライナーなどの各種公知のものが例示可能である。
本発明の紙基材の坪量は、建築材料用として用いることができる坪量であればいずれでもよいが、一般的には30g/m〜600g/m程度であり、80g/m〜200g/mのものが用いられることが多い。
本発明の紙基材の密度は、1.0g/cm以下であることが好ましい。密度の範囲(下限)については、技術的に実現できる範囲であれば特に限定されないが、通常0.2g/cm以上であり、0.4g/cm以上が好ましい。また、0.9g/cm以下が好ましい。密度が低いと嵩高になり、クッション性が向上するため、衝撃などが加わることが多い建築材料に適している。
本発明の紙基材のJIS P8122:2004に規定されるステキヒト法によるサイズ度は、8秒以上であることが好ましく、10秒以上であることがより好ましい。
ステキヒト法によるサイズ度は水溶液の浸透性を測定するものであり、本発明では、主として水を媒体とする塗工液を紙基材に塗工した時に、塗工液中の水が紙層に浸透する時間(塗工液中の水以外が紙基材上にとどまる時間)が長い方が好ましい。
紙基材のサイズ度は、サイズ剤などを紙基材の抄紙工程で内添する、抄紙後に塗工(外添)するなどにより調整することができる。サイズ剤としては、ロジンサイズ剤、エマルジョンサイズ剤、合成系サイズ剤、アルキルケテンダイマー(AKD)、アルケニルコハク酸無水物(ASA)、スチレン−マレイン酸系共重合体樹脂、スチレン−アクリル酸系共重合体樹脂などの各種公知のものが例示可能である。
本発明の紙基材は、主として水を媒体とする塗工液を塗工するため、紙基材が水に濡れた時の強度が弱いと塗工中に断紙が発生しやすい。本発明では、紙基材のJIS P8135:1998に規定される縦方向の湿潤引張強さが300N/m以上であることが好ましい。
(バリア塗工層)
本発明のバリア塗工層は、ガスバリア性および水蒸気バリア性を有する1層であってもよく、ガスバリア性を有するガスバリア層と水蒸気バリア性を有する水蒸気バリア層が別々の層である複数層であってもよい。ガスバリア性および水蒸気バリア性を有する1層である場合は、後述する水蒸気バリア性樹脂、水溶性高分子、水分散性高分子、顔料などを混合して塗工液を調製し、紙基材上に塗工、乾燥してバリア塗工層を形成すればよい。また、ガスバリア性を有するガスバリア層と水蒸気バリア性を有する水蒸気バリア層が別々の層である複数層である場合は、紙基材上に塗工層を形成する順番は、水蒸気バリア塗工層、ガスバリア塗工層の順とすることが好ましい。
水蒸気バリア塗工層、ガスバリア塗工層をこの順に有する建築材料用紙製バリア材料が優れた水蒸気バリア性およびガスバリア性を併せ持つ理由は次のように推測される。
ガスバリア塗工層に用いられるガスバリア性を有する樹脂としては、下記に例示するように水溶性高分子や水分散性高分子などの高分子が一般的であり、紙基材上にガスバリア塗工層、水蒸気バリア塗工層をこの順に設けた場合、紙基材中の水分や紙基材を経由して浸透する空気中の水分などにより、水溶性高分子や水分散性高分子などの高分子を含有するガスバリア塗工層が劣化しやすい。同様に、紙基材上に水蒸気バリア性樹脂と水溶性高分子や水分散性高分子などの高分子を混合したバリア塗工層を設けた場合も、紙基材中の水分や空気中の水分などにより、水溶性高分子や水分散性高分子などの高分子を含有するバリア塗工層が劣化しやすい。
一方、紙基材上に、耐水性の良好な樹脂を含有する水蒸気バリア塗工層、ガスバリア塗工層をこの順に有することにより、水蒸気バリア塗工層が紙基材中の水分などによるガスバリア塗工層への影響(劣化)を効果的に抑制することができる。このため、特に水蒸気バリア塗工層、ガスバリア塗工層をこの順に有する建築材料用紙製バリア材料は、良好な水蒸気バリア性およびガスバリア性を有する。
(水蒸気バリア塗工層)
本発明において、水蒸気バリア塗工層に含有させる水蒸気バリア性樹脂としては、水溶性または水分散性の水系樹脂であり、スチレン・ブタジエン系、スチレン・アクリル系、エチレン・酢酸ビニル系、パラフィン(WAX)系、ポリエステル樹脂、ブタジエン・メチルメタクリレート系、酢酸ビニル・ブチルアクリレート系等の各種共重合体、無水マレイン酸共重合体、アクリル酸・メチルメタクリレート系共重合体等の合成接着剤、またはそれらのパラフィン(WAX)配合合成接着剤等を単独あるいは2種類以上混合して使用することができる。本発明においては、2種類以上混合して使用することが好ましい。
なお、水蒸気バリア性に問題がない程度であれば、完全ケン化ポリビニルアルコール、部分ケン化ポリビニルアルコール、エチレン共重合ポリビニルアルコールなどのポリビニルアルコール類、カゼイン、大豆タンパク、合成タンパクなどのタンパク質類、酸化澱粉、カチオン化澱粉、尿素リン酸エステル化澱粉、ヒドロキシエチルエーテル化澱粉などの澱粉類、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース誘導体、ポリビニルピロリドン、アルギン酸ナトリウムなどの水溶性高分子を、上記水蒸気バリア性樹脂と併用することも可能である。
本発明において、水蒸気バリア塗工層に顔料を含有させることは、水蒸気バリア塗工層とガスバリア塗工層を有する構成において、水蒸気バリア塗工層とガスバリア塗工層の密着性の点から好ましい。
顔料としてはカオリン、クレー、エンジニアードカオリン、デラミネーテッドクレー、マイカ、タルク、二酸化チタン、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、酸化亜鉛、珪酸、珪酸塩、コロイダルシリカ、サチンホワイトなどの無機顔料および密実型、中空型、またはコアーシェル型などの有機顔料などを単独または2種類以上混合して使用することができる。
これらの顔料の中でも、水蒸気バリア性の向上と、ガスバリア塗工層の浸透抑制の両方の観点から、形状が扁平なカオリン、タルク、クレー、マイカなどの無機顔料が好ましく、カオリン、マイカがより好ましい。また、体積50%平均粒子径(D50)(以下、「平均粒子径」とも言う。)が5μm以上且つアスペクト比が10以上の無機顔料を単独または2種類以上混合して使用することが好ましい。使用する無機顔料の平均粒子径またはアスペクト比が上記範囲より小さいと、水蒸気バリア塗工層中を水蒸気が迂回する回数が減少し、移動する距離が短くなるため、結果として水蒸気バリア性の改善効果が小さくなることがある。
水蒸気バリア塗工層に顔料を含有させる場合、顔料の配合量は、乾燥重量で顔料100重量部に対して、水蒸気バリア性樹脂と水溶性高分子の合計で10重量部以上250重量部以下の範囲で使用されることが好ましく、より好ましくは水蒸気バリア性樹脂と水溶性高分子の合計で30重量部以上200重量部以下である。
本発明において、水蒸気バリア塗工層に多価金属塩などに代表される架橋剤を添加することができる。架橋剤は水蒸気バリア塗工層に含有される水蒸気バリア性樹脂や水溶性高分子と架橋反応を起こすため、水蒸気バリア塗工層内の結合の数(架橋点)が増加する。つまり、水蒸気バリア塗工層が緻密な構造となり、良好な水蒸気バリア性を発現することができる。
本発明において、架橋剤の種類としては特に限定されるものではなく、水蒸気バリア塗工層に含有される水蒸気バリア性樹脂や水溶性高分子の種類に合わせて、多価金属塩(銅、亜鉛、銀、鉄、カリウム、ナトリウム、ジルコニウム、アルミニウム、カルシウム、バリウム、マグネシウム、チタンなどの多価金属と、炭酸イオン、硫酸イオン、硝酸イオン、燐酸イオン、珪酸イオン、窒素酸化物、ホウ素酸化物などのイオン性物質が結合した化合物)、アミン化合物、アミド化合物、アルデヒド化合物、ヒドロキシ酸など適宜選択して使用することが可能である。なお、架橋効果発現の観点から、多価金属塩を使用することが好ましく、カリウムミョウバンを使用することがより好ましい。
架橋剤の配合量については、塗工可能な塗料濃度や塗料粘度の範囲内であれば特に限定されることなく配合することができるが、好ましくは顔料100重量部に対して、架橋剤が1重量部以上10重量部以下であり、より好ましくは3重量部以上5重量部以下である。1重量部未満であると架橋剤の添加効果が十分に得られないことがある。また、10重量部より多いと塗料の粘度上昇が著しくなり、塗工が困難となることがある。
本発明において、水蒸気バリア塗工層用塗料に架橋剤を添加する場合、アンモニアなどの極性溶媒に架橋剤を溶解させてから塗料へ添加することが好ましい。架橋剤を極性溶媒に溶解させると架橋剤と極性溶媒で結合を作るため、塗料へ添加しても直ちには水蒸気バリア性樹脂や水溶性高分子との架橋反応が起こらないため、塗料の増粘を抑制することができる。その場合、紙基材への塗工後に乾燥することにより極性溶媒成分が揮発し、水蒸気バリア性樹脂や水溶性高分子との架橋反応が起こり、緻密な水蒸気バリア塗工層が形成されると推測される。
本発明において、水蒸気バリア性を向上させるために、水蒸気バリア塗工層に撥水剤を含有させることもできる。撥水剤としては、アルカン化合物を主体とするパラフィン系撥水剤、カルナバやラノインなどの動植物由来の天然油脂系撥水剤、シリコーンまたはシリコーン化合物を含有するシリコーン含有系撥水剤、フッ素化合物を含有するフッ素含有系撥水剤など例示することができる。これらの中では、水蒸気バリア性能発現の観点からパラフィン系撥水剤を使用することが好ましい。また、これらの撥水剤を単独あるいは2種類以上混合して使用することができる。
本発明において、撥水剤の配合量は特に限定されるものではないが、撥水剤の配合量は、乾燥重量で水蒸気バリア性樹脂と水溶性高分子の合計100重量部に対して、撥水剤が1重量部以上100重量部以下であることが好ましい。撥水剤の配合量が1重量部未満であると、水蒸気バリア性の向上効果が十分に得られない可能性がある。一方、100重量部を超えた場合には、水蒸気バリア塗工層上にガスバリア塗工層を設ける場合にガスバリア塗工層が均一に形成し難くなるため、ガスバリア性が低下する可能性がある。
また、本発明において、水蒸気バリア性の向上、及びガスバリア塗工層との密着性から、水蒸気バリア塗工層表面の濡れ張力としては10mN/m以上60mN/m以下とすることができ、15mN/m以上50mN/m以下であれば、より効果が発揮される。
本発明において、水蒸気バリア塗工層には、上記した水蒸気バリア性樹脂、水溶性高分子、顔料、架橋剤、撥水剤の他、分散剤、増粘剤、保水剤、消泡剤、耐水化剤、染料、蛍光染料等の通常使用される各種助剤を使用することができる。
(ガスバリア塗工層)
本発明において、ガスバリア塗工層は、水溶性高分子や水分散性高分子などの高分子を含有することができる。
本発明において、ガスバリア塗工層に使用される水溶性高分子としては、完全ケン化ポリビニルアルコール、部分ケン化ポリビニルアルコール、エチレン共重合ポリビニルアルコールなどのポリビニルアルコール類、カゼイン、大豆タンパク、合成タンパクなどのタンパク質類、酸化澱粉、カチオン化澱粉、尿素リン酸エステル化澱粉、ヒドロキシエチルエーテル化澱粉などの澱粉類、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース誘導体、ポリビニルピロリドン、アルギン酸ナトリウムなどを例示することができる。
これらの中では、ガスバリア性の点から、ポリビニルアルコール類、セルロース誘導体が好ましく、ポリビニルアルコール類がさらに好ましい
また、ガスバリア塗工層に使用される水分散性高分子としては、ポリ塩化ビニリデン、エチレン酢酸ビニル系樹脂、変性ポリオレフィン系樹脂などを例示することができる。
本発明において、ガスバリア塗工層に顔料を含有させることは、ガスバリア性の向上の点から好ましい。ガスバリア塗工層に使用される顔料としては、カオリン、クレー、エンジニアードカオリン、デラミネーテッドクレー、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、マイカ、タルク、二酸化チタン、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、酸化亜鉛、珪酸、珪酸塩、コロイダルシリカ、サチンホワイトなどの無機顔料および密実型、中空型、またはコアーシェル型などの有機顔料などを単独または2種類以上混合して使用することができる。
これらの中では、ガスバリア性の点からカオリン、タルク、クレー、マイカなどの扁平な無機顔料を使用することが好ましく、カオリン、マイカがより好ましい。平均粒子径が3μm以上且つアスペクト比が10以上の扁平な無機顔料を使用することがより好ましく、平均粒子径が5μm以上且つアスペクト比が30以上の扁平な無機顔料を使用することがさらに好ましい。
ガスバリア塗工層に顔料を含有させた場合、酸素などのガスは顔料を迂回して通過する。このため、顔料を含有していない水溶性高分子や水分散性高分子などの高分子からなるガスバリア塗工層と比較して高湿度雰囲気下における優れたガスバリア性を有する。
本発明において、平均粒子径が5μm以上且つアスペクト比が10以上の無機顔料を含有するガスバリア塗工層に、さらに平均粒子径が5μm以下の顔料を含有させることができる。平均粒子径が5μm以下の顔料を併用することにより、平均粒子径が5μm以上且つアスペクト比が10以上の無機顔料により形成されたガスバリア塗工層中の空隙を減少させることができるため、さらに優れたガスバリア性が発現する。つまり、ガスバリア塗工層に平均粒子径の異なる顔料を含有させた場合、ガスバリア塗工層中で大きな平均粒子径の無機顔料により形成される空隙に小さな平均粒子径の顔料が充填された状態となり、酸素などのガスは顔料を迂回して通過するため、異なる平均粒子径の顔料を含有していないガスバリア塗工層と比較して、高いガスバリア性を有するものと推測される。
本発明において、平均粒子径が5μm以上且つアスペクト比が10以上の無機顔料と、平均粒子径が5μm以下の顔料を併用する場合、平均粒子径が5μm以上且つアスペクト比が10以上の無機顔料と、平均粒子径が5μm以下の顔料の配合比率は、乾燥重量で、50/50〜99/1とすることができる。平均粒子径が5μm以上且つアスペクト比が10以上の無機顔料の配合比率が上記範囲より少ないと、酸素などのガスがガスバリア塗工層中を迂回する回数が減少し、移動する距離が短くなるため、ガスバリア性の改善効果が小さくなることがある。一方、上記範囲より多いと、ガスバリア塗工層中の大きな平均粒子径の無機顔料が形成する空隙を平均粒子径が5μm以下の顔料で十分に埋めることができないため、ガスバリア性のさらなる向上は見られない。
本発明において、平均粒子径が5μm以上且つアスペクト比が10以上の無機顔料と併用する平均粒子径が5μm以下の顔料としては、カオリン、クレー、エンジニアードカオリン、デラミネーテッドクレー、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、タルク、二酸化チタン、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、酸化亜鉛、珪酸、珪酸塩、コロイダルシリカ、サチンホワイトなどの無機顔料および密実型、中空型、またはコアーシェル型などの有機顔料などを単独または2種類以上混合して使用することができる。これらの顔料の中では、重質炭酸カルシウムを使用することが好ましい。
本発明において、ガスバリア塗工層に顔料を含有させる場合、顔料と水溶性高分子及び水分散性高分子の配合比率は、乾燥重量で、(水溶性高分子と水分散性高分子の合計)/顔料=1/100〜1000/100であることが好ましい。顔料の比率が上記範囲外であると、ガスバリア性の改善効果が小さくなることがある。
なお、本発明において、顔料を水溶性高分子、水分散性高分子中に配合する際に、顔料がスラリー化したものを添加し混合することが好ましい。
本発明において、ガスバリア塗工層に多価金属塩などに代表される架橋剤を添加することができる。架橋剤はガスバリア塗工層に含有される水溶性高分子や水分散性高分子などの高分子と架橋反応を起こすため、ガスバリア塗工層内の結合の数(架橋点)が増加する。つまり、ガスバリア塗工層が緻密な構造となり、良好なガスバリア性を発現することができる。
本発明において、架橋剤の種類としては特に限定されるものではなく、ガスバリア塗工層に含有される水溶性高分子や水分散性高分子などの高分子の種類に合わせて、多価金属塩(銅、亜鉛、銀、鉄、カリウム、ナトリウム、ジルコニウム、アルミニウム、カルシウム、バリウム、マグネシウム、チタンなどの多価金属と、炭酸イオン、硫酸イオン、硝酸イオン、燐酸イオン、珪酸イオン、窒素酸化物、ホウ素酸化物などのイオン性物質が結合した化合物)、アミン化合物、アミド化合物、アルデヒド化合物、ヒドロキシ酸など適宜選択して使用することが可能である。なお、架橋効果発現の観点から、多価金属塩を使用することが好ましく、カリウムミョウバンを使用することがより好ましい。
架橋剤の配合量については、塗工可能な塗料濃度や塗料粘度の範囲内であれば特に限定されることなく配合することができるが、好ましくは顔料100重量部に対して、架橋剤が1重量部以上10重量部以下であり、より好ましくは3重量部以上5重量部以下である。1重量部未満であると架橋剤の添加効果が十分に得られないことがある。また、10重量部より多いと塗料の粘度上昇が著しくなり、塗工が困難となることがある。
本発明において、水蒸気バリア塗工層との密着性を向上させるため、ガスバリア塗工層中に界面活性剤を含有させることができる。界面活性剤のイオン性は制限されるものはなく、陰イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン性界面活性剤のいずれの種類でも単独もしくは2種類以上を組み合わせて使用することができる。
また、具体的な種類としては、シリコーン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、アルコール系界面活性剤、アセチレン基を有するアセチレン系界面活性剤、アセチレン基と2つの水酸基を有するアセチレンジオール系界面活性剤、アルキル基とスルホン酸を有するアルキルスルホン酸系界面活性剤、エステル系界面活性剤、アミド系界面活性剤、アミン系界面活性剤、アルキルエーテル系界面活性剤、フェニルエーテル系界面活性剤、硫酸エステル系界面活性剤、フェノール系界面活性剤などを例示することができる。
これらの中では塗料のレベリング性の向上効果が大きい、アセチレンジオール系界面活性剤を使用することが好ましい。なお、塗料のレベリング性が向上すると、ガスバリア塗工層の均一性が向上するため、ガスバリア性が向上する。
本発明において、水蒸気バリア塗工層との密着性の観点から、ガスバリア塗工層用塗料の表面張力を、10mN/m以上60mN/m以下に調整することができ、より効果を発揮させるには、15mN/m以上50mN/m以下に調整することが好ましい。
また、水蒸気バリア塗工層表面の濡れ張力に対して、ガスバリア塗工層用塗料の表面張力を±20mN/mとすることが、水蒸気バリア塗工層とガスバリア塗工層との密着性の観点から好ましい。
本発明において、ガスバリア塗工層には、上記した水溶性高分子、水分散性高分子、顔料、架橋剤、界面活性剤の他、分散剤、増粘剤、保水剤、消泡剤、耐水化剤、染料、蛍光染料等の通常使用される各種助剤を使用することができる。
(バリア塗工層の塗工)
本発明において、バリア塗工層の塗工方法については特に限定されるものではなく、公知の塗工装置及び塗工系で塗工することができる。例えば、塗工装置としてはブレードコーター、バーコーター、ロールコーター、エアナイフコーター、リバースロールコーター、カーテンコーター、スプレーコーター、サイズプレスコーター、ゲートロールコーターなどが挙げられる。また、塗工系としては、主として水を媒体とする水系塗工が好ましい。
バリア塗工層を乾燥させる手法としては、例えば、蒸気加熱ヒーター、ガスヒーター、赤外線ヒーター、電気ヒーター、熱風加熱ヒーター、マイクロウェーブ、シリンダードライヤー等の通常の方法が用いられる。
本発明において、ガスバリア性および水蒸気バリア性を有する1層のバリア塗工層とする場合は、バリア塗工層の塗工量は、乾燥重量で3g/m以上50g/m以下とすることが好ましく、5g/m以上40g/m以下とすることがより好ましく、7g/m以上20g/m以下とすることがさらに好ましい。
本発明において、ガスバリア性を有するガスバリア層と水蒸気バリア性を有する水蒸気バリア層を別々の層とする場合は、水蒸気バリア塗工層の塗工量は、乾燥重量で3g/m以上50g/m以下とすることが好ましく、5g/m以上40g/m以下とすることがより好ましく、7g/m以上20g/m以下とすることがさらに好ましい。水蒸気バリア塗工層の塗工量が3g/m未満であると、紙基材を塗工液が完全に被覆することが困難となり、十分な水蒸気バリア性が得られなくなることや、ガスバリア塗工層が紙基材にまで浸透して、十分なガスバリア性が得られなくなることがある。一方、50g/mより多いと、塗工時の乾燥負荷が大きくなる。
なお、本発明において、水蒸気バリア塗工層は1層であってもよく、2層以上の多層で構成してもよい。水蒸気バリア塗工層を2層以上の多層で構成する場合は、全ての水蒸気バリア塗工層を合計した塗工量を上記範囲とすることが好ましい。
また、ガスバリア塗工層の塗工量は、乾燥重量で0.2g/m以上20g/m以下とすることが好ましい。ガスバリア塗工層の塗工量が0.2g/m未満であると、均一なガスバリア塗工層を形成することが困難であるため、十分なガスバリア性が得られなくなることがある。一方、20g/mより多いと、塗工時の乾燥負荷が大きくなる。
なお、本発明において、ガスバリア塗工層は1層であってもよく、2層以上の多層で構成してもよい。ガスバリア塗工層を2層以上の多層で構成する場合は、全てのガスバリア塗工層を合計した塗工量を上記範囲とすることが好ましい。
(保護層)
本発明の建築材料用紙製バリア材料の少なくとも一方の面上に、さらに保護層を有してもよい。保護層は、空気中の水分や、バリア塗工層の擦過、割れなどによる建築材料用紙製バリア材料の水蒸気バリア塗工層、ガスバリア塗工層への影響(劣化)を防ぐと共に、建築材料用紙製バリア材料に更なる水蒸気バリア性、ガスバリア性を付与する、あるいは耐油性、耐溶剤性、耐熱性、耐摩耗性、耐衝撃性、耐光性、耐水性などを付与することができる。また、保護層が樹脂層である場合は、ヒートシール性を付与することもできる。
保護層は、建築材料用紙製バリア材料の両面に設けることもできるが、少なくともバリア塗工層の面上に有することが好ましい。さらに、紙基材上に、水蒸気バリア塗工層、ガスバリア塗工層をこの順に有する建築材料用紙製バリア材料のガスバリア塗工層上に、保護層を有することが、空気中の水分などによる水蒸気バリア塗工層およびガスバリア塗工層への影響(劣化)を防ぐために好ましい。
保護層としては、樹脂層、紙層、金属箔等が挙げられ、これらの中で樹脂層が好ましい。但し、生分解性が求められる用途の場合は、保護層に用いるものは生分解性樹脂など生分解性を有しているものが好ましい。
(樹脂層)
樹脂層の樹脂としては、ポリエステル、ポリビニルアルコール、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリメチルペンテン、ポリ塩化ビニル、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン、アクリロニトリル・スチレン、ポリメチルメタアクリル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアミド(ナイロン)、ポリアセタール、ポリカーボネート等の化石資源由来樹脂、ポリ乳酸(PLA)、エステル化澱粉、酢酸セルロース、ポリブチレンサクシネート(PBS)、ポリブチレンサクシネートアジペート(PBSA)、バイオポリエチレン、バイオポリエチレンテレフタレート、バイオポリウレタン等の生物由来樹脂を含むことができる。
なお、生物由来樹脂とは、原料として再生可能な有機資源由来の物質を含み,化学的または生物学的に合成することにより得られる、数平均分子量(Mn)1,000以上の高分子材料をいう。
また、化石資源由来樹脂、および、生物由来樹脂として、ポリ乳酸(PLA)、エステル化澱粉、酢酸セルロース、ポリブチレンサクシネート(PBS)、ポリブチレンサクシネートアジペート(PBSA)等の生分解性を有する樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド(ナイロン)、バイオポリエチレン等の生分解性を有さない樹脂のいずれを用いることができる。
なお、生分解性樹脂とは、微生物の働きにより、分子レベルまで分解され、最終的には二酸化炭素と水となって自然界へと循環していく性質の樹脂をいう。
本発明において、樹脂層としては樹脂ラミネート層が好ましい。樹脂ラミネート層としては、押し出しラミネート層や、バリアフィルム、蒸着フィルム等のフィルム貼合層を挙げることができる。
樹脂ラミネート層が押し出しラミネート層の場合は、建築材料用紙製バリア材料の少なくとも一方の面上に、上記した各種樹脂を押し出しラミネート法により樹脂ラミネート層として積層する。また、樹脂ラミネート層がフィルム貼合層の場合は、建築材料用紙製バリア材料の少なくとも一方の面上に、上記した各種樹脂製のフィルムをドライラミネート法、サンドラミネート法等により樹脂ラミネート層として貼合する。
本発明において、フィルム貼合層に使用するフィルムとしては、上記した各種樹脂製のフィルムが挙げられる。これらのフィルムの中では、ポリビニルアルコール、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリ塩化ビニリデン、ポリアクリロニトリル等の樹脂を主成分としたフィルム、上記した各種樹脂製のフィルムにこれらポリビニルアルコール等の樹脂をコーティングしたフィルム、上記した各種樹脂製のフィルムにアルミニウム等の各種金属からなる金属箔を貼合したフィルム、上記した各種樹脂製のフィルムにアルミニウム等の各種金属、または酸化珪素や酸化アルミニウム等の無機酸化物を蒸着させた蒸着フィルム等のバリアフィルムが好ましく、蒸着フィルムがより好ましい。目的に応じてこれらのフィルムを1層または複数層を貼合して使用することができる。
(バリア性)
本発明の建築材料用紙製バリア材料は、下記のバリア性を有することが好ましい。なお、下記バリア性の値は、上記した保護層を形成していない状態で測定した値である。本発明の建築材料用紙製バリア材料は、各種フィルムや金属箔を用いずとも優良なバリア性を有している。
(1)温度40±0.5℃、相対湿度90±2%における水蒸気透過度が200g/m・day以下
(2)温度:23℃、相対湿度0%における酸素透過度が5ml/m・day・atm以下
さらに好ましくは、下記のバリア性を有する。
(3)温度40±0.5℃、相対湿度90±2%における水蒸気透過度が50g/m・day以下
(4)温度:23℃、相対湿度0%における酸素透過度が3ml/m・day・atm以下
本発明の建築用紙製バリア材料は、優れたガスバリア性と水蒸気バリア性を併せ持ち、ガスバリア性により建築材料中の残留揮発性ガス成分など、様々な気体の放出を抑制することができ、水蒸気バリア性により大気中の湿気の建築材料への影響を抑え、そりや結露などの問題を防止することができるため、建築材料や建築材料の面材、戸、ドア、窓、扉、襖などの建具、壁紙用の原紙などとして、住宅、建具、家具、建造物などに好適に用いることが可能である。
以下に実施例を挙げて、本発明を具体的に説明するが、本発明は、もちろんこれらの例に限定される物ではない。なお、特に断らない限り、例中の部および%は、それぞれ重量部、重量%を示す。なお、得られた建築材料用紙製バリア材料について以下に示す様な評価法に基づいて試験を行った。
(評価方法)
(1)水蒸気透過度(水蒸気バリア性):温度40±0.5℃、相対湿度90±2%の条件下で、透湿度測定器(Dr.Lyssy社製、L80−4000)を用いて測定した。なお、保護層を形成させていない建築材料用紙製バリア材料を用いて測定した。
(2)酸素透過度(ガスバリア性):MOCON社製、OX−TRAN2/21を使用し、23℃−0%RH条件(乾燥下)にて測定した。なお、保護層を形成させていない建築材料用紙製バリア材料を用いて測定した。
(3)密度(g/cm):JIS P8118:2014に準拠して測定した。
(4)サイズ度(秒):JIS P8122:2004に準拠して測定した。
(5)縦方向の湿潤引張強さ:JIS P8135:1998に準拠して測定した。
(6)表面張力(mN/m):自動表面張力計(協和界面科学社製、DY−300)を用いて、23℃条件で測定した。
(7)濡れ張力(mN/m):濡れ張力試験用混合液(株式会社和光純薬製、ぬれ張力試験用混合液)を用いて、JIS K 6768に記載の通り試験を行い、濡れ張力を測定した。
(8)離解性:試料を1cm×1cm角の小片に切断し、試料濃度が2重量%となるように液温60℃の水酸化ナトリウムの2重量%水溶液に浸漬させ、Tappi標準離解機にて20分離解処理したときの、水溶液中への離解の程度を評価した。
[評価基準]
○:パルプ繊維が分散しており、離解性が良好
×:パルプ繊維の塊や結束が残っており、離解性が不良
[実施例1]
(紙基材の作製)
カナダ式標準ろ水度(CSF)360mlの針葉樹未漂白パルプ(NUKP)100重量部を原料パルプとした。この原料パルプを長網抄紙機で抄紙し、坪量120g/mの未晒クラフト紙を得た。次いで、得られた未晒クラフト紙に固形分濃度2%に調製したポリビニルアルコール(クラレ社製、PVA117)を、両面合計で1.0g/m塗工、乾燥し、坪量121g/mの紙基材を得た。得られた紙基材の密度は、0.70g/cmであり、サイズ度は50秒であり、縦方向の湿潤引張強さは1200N/mであった。
(水蒸気バリア塗工層用塗工液A1の調製)
エンジニアードカオリン(イメリス社製、バリサーフHX、平均粒子径9.0μm、アスペクト比80−100)に分散剤としてポリアクリル酸ソーダを添加し(対顔料0.2%)、セリエミキサーで分散して固形分濃度55%のカオリンスラリーを調製した。得られたカオリンスラリー中に、顔料100部(固形分)に対し水蒸気バリア性樹脂としてスチレン・ブタジエン系ラテックス(日本ゼオン社製、PNT7868)を100部(固形分)となるように配合し、固形分濃度50%の水蒸気バリア塗工層用塗工液A1を得た。
(ガスバリア塗工層用塗工液B1の調製)
ポリビニルアルコール(クラレ社製、PVA117)水溶液を固形分濃度10%となるよう調製し、ガスバリア塗工層用塗工液B1を得た。なお、このガスバリア塗工層用塗工液の表面張力は48mN/mであった。
(建築材料用紙製バリア材料の作製)
得られた紙基材上に、水蒸気バリア塗工層用塗工液A1を乾燥重量で塗工量12g/mとなるよう塗工速度300m/minでブレードコーターを用いて片面塗工、乾燥した後、その上にガスバリア塗工層用塗工液B1を乾燥重量で塗工量2.0g/mとなるよう塗工速度300m/minでロールコーターを用いて片面塗工し、建築材料用紙製バリア材料を得た。なお、この建築用紙製バリア材料の水蒸気バリア塗工層表面の濡れ張力は45mN/mであった。
[実施例2]
(水蒸気バリア塗工層用塗工液A2の調製)
エンジニアードカオリン(イメリス社製、バリサーフHX、平均粒子径9.0μm、アスペクト比80−100)に分散剤としてポリアクリル酸ソーダを添加し(対顔料0.2%)、セリエミキサーで分散して固形分濃度60%のカオリンスラリーを調製した。得られたカオリンスラリー中に、顔料100部(固形分)に対し水蒸気バリア性樹脂としてスチレン・アクリル系共重合体エマルジョン(サイデン化学社製、X−511−374E)を100部(固形分)となるように配合し、固形分濃度45%の水蒸気バリア塗工層用塗工液A2を得た。
(ガスバリア塗工層用塗工液B2の調製)
ポリビニルアルコール(クラレ社製、PVA117)水溶液を固形分濃度12%となるよう調製し、ガスバリア塗工層用塗工液B2を得た。なお、このガスバリア塗工層用塗工液の表面張力は35mN/mであった。
(建築材料用紙製バリア材料の作製)
水蒸気バリア塗工層用塗工液A1に替えて水蒸気バリア塗工層用塗工液A2を使用し、ガスバリア塗工層用塗工液B1に替えてガスバリア塗工層用塗工液B2を使用した以外は、実施例1と同様にして建築材料用紙製バリア材料を得た。なお、この建築用紙製バリア材料の水蒸気バリア塗工層表面の濡れ張力は35mN/mであった。
Figure 2019167683
表1に示されるように、実施例1〜2の建築用紙製バリア材料は、優れたガスバリア性と水蒸気バリア性を併せ持ち、ガスバリア性により建築材料中の残留揮発性ガス成分など、様々な気体の放出を抑制することができ、水蒸気バリア性により大気中の湿気の建築材料への影響を抑え、そりや結露などの問題を防止することができるため、建築材料や建築材料の面材、戸、ドア、窓、扉、襖などの建具、壁紙用の原紙などとして、住宅、建具、家具、建造物などに好適に用いることが可能である。
さらに、主成分がサステナブルな原料であるバイオマス素材の紙であるため、カーボンニュートラルの考えから、化石資源由来のフィルムに比べて、製造から廃棄までの二酸化炭素の排出量を削減でき、かつ生分解性を有するため廃棄時も環境汚染を引き起こす可能性が低い。また、フィルムを使用していないため、離解性が良好であり、古紙として容易にリサイクル可能である。

Claims (9)

  1. 紙基材上にバリア塗工層を有することを特徴とする建築材料用紙製バリア材料。
  2. 前記紙基材の密度が1.0g/cm以下であり、JIS P8122:2004に規定されるステキヒト法によるサイズ度が8秒以上であることを特徴とする請求項1に記載の建築材料用紙製バリア材料。
  3. 前記バリア塗工層が2つ以上の塗工層から構成され、少なくとも1つの塗工層が水蒸気バリア性を有する水蒸気バリア塗工層であり、少なくとも1つの塗工層がガスバリア性を有するガスバリア塗工層であることを特徴とする請求項1又は2に記載の建築材料用紙製バリア材料。
  4. 前記建築材料用紙製バリア材料の少なくとも一方の面上に、さらに生分解性を有する保護層を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の建築材料用紙製バリア材料。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の建築材料用紙製バリア材料を使用した建築材料。
  6. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の建築材料用紙製バリア材料を使用した建築材料用面材。
  7. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の建築材料用紙製バリア材料を使用した建具。
  8. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の建築材料用紙製バリア材料を使用した家具。
  9. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の建築材料用紙製バリア材料を使用した壁紙。
JP2018054200A 2018-03-22 2018-03-22 建築材料用紙製バリア材料 Pending JP2019167683A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018054200A JP2019167683A (ja) 2018-03-22 2018-03-22 建築材料用紙製バリア材料

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018054200A JP2019167683A (ja) 2018-03-22 2018-03-22 建築材料用紙製バリア材料

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2019167683A true JP2019167683A (ja) 2019-10-03

Family

ID=68107178

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018054200A Pending JP2019167683A (ja) 2018-03-22 2018-03-22 建築材料用紙製バリア材料

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2019167683A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN112429977A (zh) * 2020-11-25 2021-03-02 山西凯迪建材有限公司 一种自组装阻燃外墙保温材料的制备方法
JP6958757B1 (ja) * 2020-12-28 2021-11-02 王子ホールディングス株式会社 蒸着紙用原紙および蒸着紙
JP6958758B1 (ja) * 2020-12-28 2021-11-02 王子ホールディングス株式会社 蒸着紙用原紙および蒸着紙
JP6958756B1 (ja) * 2020-12-28 2021-11-02 王子ホールディングス株式会社 蒸着紙用原紙および蒸着紙
WO2022145233A1 (ja) * 2020-12-28 2022-07-07 王子ホールディングス株式会社 蒸着紙用原紙および蒸着紙
CN115584659A (zh) * 2022-09-30 2023-01-10 中国制浆造纸研究院有限公司 一种高阻隔性保鲜材料及其制备方法

Citations (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003291296A (ja) * 2002-04-04 2003-10-14 Ishida Co Ltd 積層材料
JP2005171446A (ja) * 2003-12-15 2005-06-30 Toppan Printing Co Ltd 揮発性有害物質を遮断する壁紙
JP2005349783A (ja) * 2004-06-14 2005-12-22 Toppan Printing Co Ltd ガスバリア性を有する防湿化粧シート、化粧材、及び建具
JP2006231664A (ja) * 2005-02-24 2006-09-07 Mitsubishi Gas Chem Co Inc 建材用積層体
US20080003384A1 (en) * 2006-06-29 2008-01-03 Polymer Ventures, Inc. Multi-layer coatings to increase water and grease resistance of porous materials and materials having such protection
JP2009263848A (ja) * 2008-03-31 2009-11-12 Nippon Paper Industries Co Ltd 製紙用添加剤及びそれを含有する紙
JP2010150852A (ja) * 2008-12-26 2010-07-08 Daio Paper Corp 床材用含浸紙
JP2010275647A (ja) * 2009-05-27 2010-12-09 Oji Paper Co Ltd 非フッ素系耐油紙
JP2011208323A (ja) * 2010-03-30 2011-10-20 Nippon Paper Industries Co Ltd 壁紙用裏打ち紙及びそれを用いた壁紙
JP2014009413A (ja) * 2012-06-29 2014-01-20 Nippon Paper Industries Co Ltd 紙製バリア包装材料
JP2016027793A (ja) * 2014-07-08 2016-02-25 大王製紙株式会社 ファイブラスケーシング用紙素材、その製造方法、ファイブラスケーシング及びその製造方法
WO2017170462A1 (ja) * 2016-03-28 2017-10-05 日本製紙株式会社 紙製バリア材料
JP2018001540A (ja) * 2016-06-30 2018-01-11 Dic株式会社 建材用シート

Patent Citations (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003291296A (ja) * 2002-04-04 2003-10-14 Ishida Co Ltd 積層材料
JP2005171446A (ja) * 2003-12-15 2005-06-30 Toppan Printing Co Ltd 揮発性有害物質を遮断する壁紙
JP2005349783A (ja) * 2004-06-14 2005-12-22 Toppan Printing Co Ltd ガスバリア性を有する防湿化粧シート、化粧材、及び建具
JP2006231664A (ja) * 2005-02-24 2006-09-07 Mitsubishi Gas Chem Co Inc 建材用積層体
US20080003384A1 (en) * 2006-06-29 2008-01-03 Polymer Ventures, Inc. Multi-layer coatings to increase water and grease resistance of porous materials and materials having such protection
JP2009263848A (ja) * 2008-03-31 2009-11-12 Nippon Paper Industries Co Ltd 製紙用添加剤及びそれを含有する紙
JP2010150852A (ja) * 2008-12-26 2010-07-08 Daio Paper Corp 床材用含浸紙
JP2010275647A (ja) * 2009-05-27 2010-12-09 Oji Paper Co Ltd 非フッ素系耐油紙
JP2011208323A (ja) * 2010-03-30 2011-10-20 Nippon Paper Industries Co Ltd 壁紙用裏打ち紙及びそれを用いた壁紙
JP2014009413A (ja) * 2012-06-29 2014-01-20 Nippon Paper Industries Co Ltd 紙製バリア包装材料
JP2016027793A (ja) * 2014-07-08 2016-02-25 大王製紙株式会社 ファイブラスケーシング用紙素材、その製造方法、ファイブラスケーシング及びその製造方法
WO2017170462A1 (ja) * 2016-03-28 2017-10-05 日本製紙株式会社 紙製バリア材料
JP2018001540A (ja) * 2016-06-30 2018-01-11 Dic株式会社 建材用シート

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN112429977A (zh) * 2020-11-25 2021-03-02 山西凯迪建材有限公司 一种自组装阻燃外墙保温材料的制备方法
JP6958757B1 (ja) * 2020-12-28 2021-11-02 王子ホールディングス株式会社 蒸着紙用原紙および蒸着紙
JP6958758B1 (ja) * 2020-12-28 2021-11-02 王子ホールディングス株式会社 蒸着紙用原紙および蒸着紙
JP6958756B1 (ja) * 2020-12-28 2021-11-02 王子ホールディングス株式会社 蒸着紙用原紙および蒸着紙
WO2022145233A1 (ja) * 2020-12-28 2022-07-07 王子ホールディングス株式会社 蒸着紙用原紙および蒸着紙
JP2022104488A (ja) * 2020-12-28 2022-07-08 王子ホールディングス株式会社 蒸着紙用原紙および蒸着紙
JP2022104489A (ja) * 2020-12-28 2022-07-08 王子ホールディングス株式会社 蒸着紙用原紙および蒸着紙
JP2022104490A (ja) * 2020-12-28 2022-07-08 王子ホールディングス株式会社 蒸着紙用原紙および蒸着紙
CN115584659A (zh) * 2022-09-30 2023-01-10 中国制浆造纸研究院有限公司 一种高阻隔性保鲜材料及其制备方法
CN115584659B (zh) * 2022-09-30 2024-04-26 中国制浆造纸研究院有限公司 一种高阻隔性保鲜材料及其制备方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6479228B2 (ja) 紙製バリア材料
TWI765101B (zh) 阻障素材
JP2019167683A (ja) 建築材料用紙製バリア材料
JP6234654B1 (ja) 紙製バリア材料
JP5331265B1 (ja) 紙製バリア包装材料
WO2019189229A1 (ja) 紙製バリア材料
JP6236329B2 (ja) 紙製バリア包装材料
JP6205828B2 (ja) 紙製バリア包装材料
JP2014173201A (ja) 紙製バリア包装材料
TWI811322B (zh) 紙製阻障材料
JP2019183370A (ja) 紙製バリア材料
JP2016068363A (ja) 煙草用包装材料
JP2019173259A (ja) 紙製バリア材料
JP2020157641A (ja) 紙製バリア材料
JP6492600B2 (ja) 紙製バリア包材材料
JP2014180758A (ja) 紙製バリア包装材料
JP2013176949A (ja) 紙製バリア包装材料及びその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
RD01 Notification of change of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421

Effective date: 20190326

RD01 Notification of change of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421

Effective date: 20190508

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20200908

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210615

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20210616

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210816

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20211228

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20220225

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20220705