JP2005171446A - 揮発性有害物質を遮断する壁紙 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、壁面の木質系基材等の下地材を結合する接着剤や、特に壁紙等を貼る際に使用される接着剤から遊離するモノマー、残留溶剤、化学物質などの揮発性有害物質を遮断する機能を有する、経済性に優れた壁紙を提供することを目的とする。
【解決手段】紙基材上に、少なくとも無機酸化物からなる蒸着薄膜層を設けてなるガスバリア材の該蒸着薄膜層の上に、ポリ塩化ビニルもしくは発泡ポリ塩化ビニルからなる表面材を形成したことを特徴とする揮発性有害物質を遮断する壁紙である。
【選択図】図1

Description

本発明は、建築物の内装用に使用される壁紙に関し、壁面の木質系基材等の下地材を結合する接着剤や、特に壁紙を貼る際に使用される接着剤から遊離するモノマー、残留溶剤、化学物質などの揮発性有害物質を遮断する壁紙に関する。
ライフスタイルの変化や暮らしの質の向上とともに、最近の日本の住宅は、その使用建材、構工法の改良によって、ますます住宅の気密化、断熱化性能を高め、西欧型の閉鎖性の高い住宅スタイルに移行してきた。日本の風土は、西欧と異なり高温多湿であり、西欧型の住宅をそのまま導入することには問題がある。旧来の和風建築の自然換気回数が2〜3回/時間であったのに比較し、高度に断熱・気密化された住宅では、0.25/時間まで自然換気の回数が減少している。日本人は、1日の約80%を住宅やオフィスビル等で過ごしており、このような断熱・気密化された住宅で、適切な換気がされない場合、建材や開放型の暖房機器等から発生する有害化学物質(ホルムアルデヒドや揮発性有機化学物質(TVOC)等)の濃縮、室内湿度の上昇、結露等の問題が生じ、さらに、ダニ、カビ、ハウスダスト等のアレルゲンの増加が顕著となる。その結果、気管支喘息、気管支炎、過敏性肺炎、鼻炎、皮膚炎等のアレルギー疾患も年々増加する傾向にあり、実際に日本人の約1/3が何らかのアレルギーに悩まされ、また、上記化学物質により約1/10の日本人が化学物質過敏症、シックハウス症候群が話題になっている。
住宅の気密性が高くなるにつれ、室内にたまる建材の化学物質、なかでもホルムアルデヒドが原因とされている。ホルムアルデヒドは、床、家具などに使う合板や壁紙の接着剤に使われてきている。そこで、ホルムアルデヒドを使用しない接着剤の開発や、住宅業界におけるホルムアルデヒドの自主規制などが検討されている。しかしながら、既存の住宅においては、室内の換気以外に有効な対策がないのが現状である。今日、建築物の天井、壁、床などには多様な材料が使われており、それら自体および施工のための接着剤などには各種の揮発性物質が含まれている。そして、前記のように住宅の高気密化とともに、日本人のライフスタイルの変化により、温度の高い昼間、住宅が無人となるなどにより、各種の揮発性有機化合物が建材から室内空気中に揮散し、大気汚染の原因となる。
そのため、上記の建材等から発生するホルムアルデヒドやTVOC低減のため、居住空間において、下地材や天井、壁、床材の他、施工時に使用する接着材や塗料等をノンホルムアルデヒドや低TVOC発散の材料にシフトする傾向にある。
特に、壁紙は、壁面の下地材の表面に貼合せて使用されており、これらの壁面の下地材を構成する基材は、一般的に木材合板、木質繊維板、パーチクルボード等の木質系基材、石膏ボード、石膏スラグボード等の石膏系基材、パルプセメント板、石綿スレート板、石綿セメント板、木片セメント板等の繊維セメント板、GRCおよびコンクリート等である。ところが、壁紙を貼り合わせる下地材の中には、ホルムアルデヒドを発生させる材料が用いられているものが多く存在する。例えば、木質系基材は接着剤によって結合されており、この接着剤としては接着性能やコストの点から尿素系、メラミン系あるいはフェノール系樹脂の接着剤を用いることが多い。ところが、これらの接着剤には遊離のホルムアルデヒドが含まれており、また、樹脂の分解によってホルムアルデヒドが遊離してくる。従って、このような木質系基材に壁紙をそのまま貼合せるとホルムアルデヒドは強い刺激臭、いわゆるホルマリン臭を有する有毒物質であり、上記の木質系基材はこのホルムアルデヒドを放出し、衛生環境を損なうことになる。また、壁面の下地材に壁紙を貼合せるときに用いられる接着剤にも、接着剤の安定剤、防腐剤としてホルムアルデヒドが含まれてい
るものがあり、これらの接着剤を用いた場合にも、ホルムアルデヒドが空気中に放出され、同じく室内等の衛生環境を損なうという問題もあった。
本発明は、上記の住宅環境の問題に鑑みてなされたものであり、壁面の木質系基材等の下地材を結合する接着剤や、特に壁紙等を貼る際に使用される接着剤から遊離するモノマー、残留溶剤、化学物質などの揮発性有害物質を遮断する機能を有する、経済性に優れた壁紙を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、すなわち、
請求項1に係る発明は、紙基材上に、少なくとも無機酸化物からなる蒸着薄膜層を設けてなるガスバリア材の該蒸着薄膜層の上に、ポリ塩化ビニルもしくは発泡ポリ塩化ビニルからなる表面材を形成したことを特徴とする揮発性有害物質を遮断する壁紙である。
請求項2に係る発明は、
紙基材上に、無機酸化物からなる蒸着薄膜層、ガスバリア性被膜層を順次積層して設けてなるガスバリア材の該ガスバリア性被膜層上に、ポリ塩化ビニルもしくは発泡ポリ塩化ビニルからなる表面材を形成したことを特徴とする揮発性有害物質を遮断する壁紙である。
請求項3に係る発明は、
前記無機酸化物が、酸化珪素、酸化アルミニウムのいずれか、もしくはそれらの混合物であることを特徴とする請求項1または2記載の有害揮発性物質を遮断する壁紙である。
請求項4に係る発明は、
前記ガスバリア性被膜層が、水溶性高分子と1種以上の金属アルコキシドまたはその加水分解物を含む水溶液あるいは水/アルコール混合溶液を塗布し、加熱乾燥してなるガスバリア性被膜層であることを特徴とする請求項2または3記載の揮発性有害物質を遮断する壁紙である。
請求項5に係る発明は、
前記金属アルコキシドが、テトラエトキシシランまたはトリイソプロポキシアルミニウム、もしくはそれらの混合物であることを特徴とする請求項4記載の有害揮発性物質を遮断する壁紙である。
請求項6に係る発明は、
前記水溶性高分子が、ポリビニルアルコールであることを特徴とする請求項4または5記載の揮発性有害物質を遮断する壁紙である。
請求項7に係る発明は、
前記紙基材と無機酸化物からなる蒸着薄膜層との間に、アンカー層が設けられていること特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の揮発性有害物質を遮断する壁紙である。
請求項8に係る発明は、
前記アンカー層が、メラミン樹脂、アルキッド樹脂、ポリフェノール樹脂、アクリル樹脂のいずれかもしくは2種以上の混合樹脂からなること特徴とする請求項7記載の揮発性有害物質を遮断する壁紙である。
本発明の壁紙は、ガスバリア材を構成することで、建築物の内部空間において最も広い面積を占める壁面に壁紙を施工する時に使用される接着剤から遊離するモノマー、残留溶剤、化学物質などの揮発性有害物質を効果的に遮断するものであるから、室内の大気中への揮発性有害物質の放散を防止可能とする、経済性に優れた壁紙を提供することができる。
本発明の壁紙に使用するガスバリア材は、アルムニウム箔並のガスバリア性を有することで、アルミニウム箔を使用する必要がない。アルムニウム箔を使用した場合の廃棄の際不燃物として処理して、焼却工程で熔融したアルミインゴットが炉底にたまって炉を傷めるという問題を回避した環境配慮型の壁紙として好適に使用される。
以下、本発明の好ましい一実施形態としての壁紙について図面を参照して説明する。図1は、本発明の壁紙の一例を示す断面図である。
図1に示すように、本発明の一実施例としての壁紙10は、紙基材1上に、無機酸化物からなる蒸着薄膜層2、ガスバリア性被膜層3を順次積層して設けてなるガスバリア材4の該ガスバリア性被膜層3上に、接着剤層5を介して、ポリ塩化ビニルもしくは発泡ポリ塩化ビニルからなる表面材6を形成した構成からなる壁紙である。このように構成したことで、壁面の木質系基材等の下地材を結合する接着剤や、特に壁紙等の施工のための接着剤から遊離するモノマー、残留溶剤、化学物質などの揮発性有害物質を遮断する機能を有することを特徴とするものである。
本発明で用いられる紙基材1としては、パルプを所定のフリーネスとなるように叩解し、パルプスラリーを調製し、これを抄造して得られる。坪量が30〜100g/m2の範囲が望ましい。
本発明で使用するパルプとしては、種々のパルプを使用することができる。例えば、針葉樹未晒クラフトパルプ(NUKP)、針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)、広葉樹未晒クラフトパルプ(LUKP)、広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)、針葉樹晒サルファイトパルプ(NBSP)等の木材パルプと、サーモメカニカルパルプ(TMP)や砕木パルプ(GP)等の高収率パルプのいずれかを単独又は複合して使用することができる。また木材パルプに限らず、麻、こうぞ等のじん皮繊維、竹、わら、バガス、ケナフ等の非木材パルプも配合することもできる。さらに用途に応じて、アクリル繊維、レーヨン繊維、フェノール繊維、ポリアミド繊維、ポリエチレン繊維等の有機繊維、ガラス繊維、炭素繊維、アルミナ繊維等の無機繊維等、各種の繊維を混抄することも可能である。
パルプスラリーにはその他に、各種のアニオン性、ノニオン性、カチオン性あるいは両性の歩留まり向上剤、紙力増強剤、サイズ剤等が適宜選択して使用される。具体的には、紙力増強剤、歩留まり向上剤として、ポリアクリルアミド系のカチオン性、ノニオン性、アニオン性及び両性の樹脂、ポリエチレンイミン及びその誘導体、ポリエチレンオキサイド、ポリアミン、ポリアミド、ポリアミドポリアミン及びその誘導体、カチオン性及び両性澱粉、酸化澱粉、カルボキシメチル化澱粉、植物ガム、ポリビニルアルコール、尿素ホルマリン樹脂、メラミンホルマリン樹脂、親水性のポリマー粒子等の有機系化合物、及び硫酸バンド、アルミナゾル、塩基性硫酸アルミニウム、塩基性塩化アルミニウム、塩基性ポリ水酸化アルミニウム等のアルミ化合物、更に硫酸第一鉄、塩化第一鉄あるいはコロイダルシリカ、ベントナイト等の無機系化合物等を組み合わせて使用することができる。
サイズ剤としては、酸性抄紙用のロジン系サイズ剤、石油樹脂系サイズ剤、中性抄紙用にアルキルケテンダイマー系サイズ剤、アルケニル無水コハク酸系サイズ剤等の各種サイズ剤を挙げることができる。
これら以外には、一般には公知であるが填料も混合することが出来る。例えばタルク、カオリン、焼成カオリン、クレー、ケイソウ土、重質炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、二酸化チタン、硫酸マグネシウム、シリカ、アルミノ硅酸塩、ベントナイト等の鉱物質填料やポリスチレン粒子、尿素ホルマリン樹脂粒子等の有機合成填料等が挙げられる。更に、染料、pH調整剤、スライムコントロール剤、消泡剤、粘剤等の抄紙用添加助剤も用途に応じて使用できる。
上記の紙基材の無機酸化物からなる蒸着薄膜層2を形成する面に、必要に応じて適宜、アンカー層を設けることができる。
上記のアンカー層を構成する樹脂としては、メラミン樹脂、アルキッド樹脂、ポリフェノール樹脂、アクリル樹脂のいずれかもしくは2種以上の混合樹脂を挙げることができる。
本発明における無機酸化物からなる蒸着薄膜層2は、酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化錫、酸化マグネシウム、あるいはそれらの混合物などの無機酸化物の蒸着膜からなり、透明性を有し、ガスバリア性を有する層であればよい。
蒸着薄膜層の厚さは、用いられる無機化合物の種類・構成により最適条件が異なるが、一般的には5〜300nmの範囲内であることが望ましく、その値は適宜選択される。ただし膜厚が5nm未満であると均一な膜が得られないことや膜厚が十分ではないことがあり、ガスバリア材としての機能を十分に果たすことができない場合がある。また膜厚が300nmを越える場合は薄膜にフレキシビリティを保持させることができず、成膜後に折り曲げ、引っ張りなどの外的要因により、薄膜に亀裂を生じるおそれがある。好ましくは、20〜80nmの範囲にあることである。
無機酸化物からなる蒸着薄膜層2を紙基材層1上に形成する方法としては種々在り、通常の真空蒸着法により形成することができるが、その他の薄膜形成方法であるスパッタリング法やイオンプレーティング法、プラズマ気相成長法(CVD)などを用いることもできる。但し生産性を考慮すれば、現時点では真空蒸着法が最も優れている。真空蒸着法による真空蒸着装置の加熱手段としては電子線加熱方式や抵抗加熱方式、誘導加熱方式とすることが好ましく、薄膜と基材の密着成及び薄膜の緻密性を向上させるために、プラズマアシスト法やイオンビームアシスト法を用いることも可能である。また、蒸着膜の透明性を上げるために蒸着の際、酸素ガスなど吹き込んだりする反応蒸着を行っても一向に構わない。
本発明におけるガスバリア性被膜層3は、無機酸化物からなる蒸着薄膜層2上に設けられ、アルミニウム箔並の高いガスバリア性を付与するために設けられるものであり、水溶性高分子と、1種以上の金属アルコキシドまたはそのカス分解を含む水溶液あるいは水/アルコール混合溶液を主剤とするコーティング剤からなる。水溶性高分子を水系(水あるいは水/アルコール混合)溶媒で溶解させた溶液に金属アルコキシドを直接、あるいは予め加水分解させるなど処理を行ったものを混合したものを溶液とする。この溶液を無機化酸化物からなる蒸着薄膜層2にコーティング後、加熱乾燥して形成したものである。コーティング剤に含まれる各成分についてさらに詳細に説明する。
本発明でコーティング剤に用いられる水溶性高分子は、ポリビニルアルコール、ポリビ
ニルピロリドン、デンプン、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸ナトリウムなどが挙げられる。特にポリビニルアルコール(以下、PVAとする)を本発明の積層体のコーティング剤に用いた場合にガスバリア性が最も優れる。ここでいうPVAは、一般にポリ酢酸ビニルをけん化して得られるもので、酢酸基が数十%残存している、いわゆる部分けん化PVAから酢酸基が数%しか残存していない完全PVAまでを含み、特に限定されるものではない。
また、金属アルコキシドは、一般式M(OR)n(M:Si,Ti,Al,Zr等の金属、R:CH3,C25等のアルキル基)で表せるものである。具体的には、テトラエトキシシラン〔Si(OC254〕、トリイソプロポキシアルミニウム〔Al(O−2’−C373〕が挙げられる。中でも、テトラエトキシシラン、トリイソプロポキシアルミニウムが加水分解後、水系の溶媒中において比較的安定であるので好ましい。
上述した各成分を単独又はいくつかを組み合わせてコーティング剤に加えることができ、さらにコーティング剤のガスバリア性を損なわない範囲で、イソシアネート化合物、シランカップリング剤、或いは分散剤、安定化剤、粘度調整剤、着色剤などの公知の添加剤を加えることができる。
例えば、コーティング剤に加えられるイソシアネート化合物は、その分子中に2個以上のイソシアネート基(NCO基)を有するものであり、例えばトリレンジイソシアネート(以下TDI)、トリフェニルメタントリイソシアネート(以下TTI)、テトラメチルキシレンジイソシアネート(以下TMXDI)などのモノマー類と、これらの重合体、誘導体などがある。
コーティング剤の塗布方法には、通常用いられるディッピング法、ロールコーティング法、スクリーン印刷法、スプレー法などの従来公知の手段を用いることができる。被膜の厚さは、コーティング剤の種類や加工条件によって異なるが、乾燥後の厚さが0.01μm以上あれば良いが、厚さが50μm以上では膜にクラックが生じやすくなるため、0.01〜50μmの範囲であることが好ましい。
本発明で用いられる表面材6としては、ポリ塩化ビニルもしくは発泡ポリ塩化ビニルなどを挙げることができる。
本発明の壁紙は、ガスバリア材4の上に、表面材6を接着剤層を介して貼着したもので、この際に使用する接着剤5としては、特に限定されないが、酢酸ビニル系樹脂からなるものが一般的であり、接着剤にワックスを含有させることで、壁紙施工時のオープンタイムを長くすることも可能である。
なお、本発明の壁紙において、表面材には、通常、絵柄印刷層が付される。絵柄印刷層は、全面ベタ刷りのベタインキ層と、例えば、木目、石目、天然皮革の表面柄、布目、抽象柄等を表現する絵柄インキ層が付することができる。インキのビヒクルとしては公知のものが使用でき、例えばアクリル系、塩化ビニル系、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩素化ポリオレフィン、ニトロセルロース、ウレタン系等の樹脂系からなる単体又は複数の混合体に必要に応じて、ホルムアルデヒド捕捉剤、顔料、染料等の着色剤、体質顔料、溶剤等を適宜混合したものを用いることが出来る。
絵柄印刷層の上、すなわち、壁紙の最表面には、壁紙に防炎性、耐摩耗性、耐擦傷性、耐汚染性等の物性を付与することを目的として、透明樹脂からなる表面保護層を形成することもできる。この透明樹脂からなる表面保護層に使用される樹脂としては、水性アクリル系エマルジョン樹脂が好ましく用いられる。
上記表面保護層に添加される防炎剤としては、一般的に使用される水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等の無機質材が使用できるが、前記の樹脂中に難燃性を持たせるため、自己消火性を有する水酸化アルミニウムが好ましく、かかる難燃剤の使用量としては、アクリル系樹脂100重量部に対して30〜200重量部程度であることが望ましい。また表面保護層6を形成するのには、グラビアコート、ロールコート、リバースコート、ナイフコート等、公知の方法を任意に用いて行えば良いものである。
さらに、本発明の壁紙には、複雑で、立体的で豊かな表現をもった模様を付与することもできる。特殊の設備を必要とせずに、通常の壁紙の印刷機、加熱発泡炉、絞付け装置などの製造装置を用いて製造することができる。
表面材としての発泡性ポリ塩化ビニル層の表面に発泡性抑制材により模様を印刷するか、着色した発泡性抑制材により模様を印刷するか、または発泡性抑制材による印刷と印刷インキによる印刷とを組み合わせて模様を印刷した後、前記発泡性ポリ塩化ビニル層を加熱発泡させ、この模様印刷が施されている部分は発泡が抑制された凹部となし、一方、模様印刷が施されていない部分は凸部となし、次いで、当該加熱発泡された凸部に絞付けを行い、絞付け模様を付与するか、または、発泡性ポリ塩化ビニル層の表面に発泡性抑制材により模様を印刷するか、着色した発泡性抑制材により模様を印刷するかまたは発泡性抑制材による印刷と印刷インキによる印刷とを組み合わせて模様を印刷した後、前記発泡性ポリ塩化ビニル層を発泡の程度を抑えて加熱発泡させ、この模様印刷が施されている部分は発泡が抑制された凹部となし、一方、模様印刷が施されていない部分は発泡の程度が抑止された凸部となし、次いで、この凸部に絞付けを行い絞付け模様を付けた後、再び加熱発泡を行い、前記模様印刷が施されていない部分を完全に発泡させて立体模様を形成することができる。
使用される発泡性抑制材は、発泡性ポリ塩化ビニル層中のアゾジカルボンアミド等の発泡剤の分解温度を上昇させ、発泡を抑制させる発泡性抑制剤よりなり、発泡性抑制剤の例としては、有機カルボン酸、有機カルボン酸のハライド化物、有機カルボン酸の無水物が挙げられる。有機カルボン酸の具体例としては、マレイン酸、フマル酸、アジピン酸、フタル酸、シュウ酸、トリメリット酸などを挙げることができる。有機カルボン酸のハライド化物の具体例としては、当該有機カルボン酸の塩化物などを挙げることができる。有機カルボン酸の無水物の具体例としては、マレイン酸無水物、トリメリット酸無水物などを挙げることができる。本発明においては、前記機能を有するものであれば、その他塩酸、サリチル酸などの広くは酸を使用することができ、また、多価アルコールあるいはケトン、環状アミンなども使用することができる。当該発泡性抑制剤は、発泡剤の種類に応じて適宜選択することができる。発泡性抑制材としては、発泡性抑制剤をメチルエチルケトンなどに希釈したものを使用することができる。発泡性抑制材は、着色したものとすることが好ましい。発泡性抑制剤をメチルエチルケトンなどに希釈したものに顔料などの着色剤を添加することにより構成できる。印刷インキと発泡性抑制剤とを混合することによっても構成でき、当該印刷組成物とすることが、作業性などを考慮すると好ましい。印刷インキは、グラビヤ印刷などその版式如何によりその組成も異なるが、例えば、天然または合成樹脂を低沸点溶剤に溶解した展色剤に顔料を加えることにより得ることができる。当該印刷インキに上記発泡性抑制剤を添加することにより着色した発泡性抑制材が得られる。その具体例には、塩化ビニルービニルアセテート共重合体などの合成樹脂をメチルエチルケトンなどの低沸点溶剤に溶解させた展色剤に顔料を加え、さらに、上記発泡性抑制剤としての無水マレイン酸を添加してなるものが例示される。当該印刷組成物には、リン酸トリクレジルなどの可塑剤などを添加することができる。
上記発泡前の発泡性ポリ塩化ビニル層表面に、透明な発泡性抑制材を、各種印刷形式に
て印刷して模様を印刷するかまたは着色した発泡性抑制剤を同様に各種印刷形式にて印刷して模様を印刷する。当該印刷形式には、グラビヤ印刷、スクリーン印刷などの版式を用いることができる。印刷は、一色だけでなく、数色の重ね印刷でもよい。発泡性抑制材による印刷と印刷インキによる印刷とを組み合わせて模様を印刷することができる。
模様印刷後の加熱発泡は、例えば、加熱炉により行われ、模様印刷が施されている部分は殆んど発泡せず凹部となり、一方、当該模様印刷が施されていない部分は加熱発泡され凸部となる。次いで、絞付けロール(エンボスロール)などにより絞付けを行い、絞付け模様を付すと、加熱発泡された凸部に絞付け模様が付される。発泡抑制による凹部模様と絞付け模様が付された凸部模様とで、複雑で、立体的で豊かな表現をもった模様が、特殊の設備を必要とせずに、通常の壁紙の印刷機、加熱発泡炉、絞付け装置などの製造装置を用いて製造することができ、着色した発泡性抑制剤の使用および発泡性抑制材による印刷と印刷インキによる印刷との組み合わせにより、谷染効果も表現でき、さらに、複雑で、立体的で豊かな表現をもった模様が具現できる。
壁面の木質系基材等の下地材を結合する接着剤や、特に壁紙を貼る際に使用する接着剤から遊離するモノマー残留溶剤、化学物質などの揮発性有害物質を遮断する壁紙として使用される。
本発明の一実施例としての壁紙の構成を示す断面図である。
符号の説明
1・・・紙基材層
2・・・無機酸化物からなる蒸着薄膜層
3・・・ガスバリア性被膜層
4・・・ガスバリアー材
5・・・接着剤層
6・・・表面材
10・・・壁紙

Claims (8)

  1. 紙基材上に、少なくとも無機酸化物からなる蒸着薄膜層を設けてなるガスバリア材の該蒸着層薄膜の上に、ポリ塩化ビニルもしくは発泡ポリ塩化ビニルからなる表面材を形成したことを特徴とする揮発性有害物質を遮断する壁紙。
  2. 紙基材上に、無機酸化物からなる蒸着薄膜層、ガスバリア性被膜層を順次積層して設けてなるガスバリア材の該ガスバリア性被膜層上に、ポリ塩化ビニルもしくは発泡ポリ塩化ビニルからなる表面材を形成したことを特徴とする揮発性有害物質を遮断する壁紙。
  3. 前記無機酸化物が、酸化珪素、酸化アルミニウムのいずれか、もしくはそれらの混合物であることを特徴とする請求項1または2記載の揮発性有害物質を遮断する壁紙。
  4. 前記ガスバリア性被膜層が、水溶性高分子と1種以上の金属アルコキシドまたはその加水分解物を含む水溶液あるいは水/アルコール混合溶液を塗布し、加熱乾燥してなるガスバリア性被膜層であることを特徴とする請求項2または3記載の揮発性有害物質を遮断する壁紙。
  5. 前記金属アルコキシドが、テトラエトキシシランまたはトリイソプロポキシアルミニウム、もしくはそれらの混合物であることを特徴とする請求項4記載の揮発性有害物質を遮断する壁紙。
  6. 前記水溶性高分子が、ポリビニルアルコールであることを特徴とする請求項4または5記載の揮発性有害物質を遮断する壁紙。
  7. 前記紙基材と無機酸化物からなる蒸着薄膜層との間に、アンカー層が設けられていること特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の揮発性有害物質を遮断する壁紙。
  8. 前記アンカー層が、メラミン樹脂、アルキッド樹脂、ポリフェノール樹脂、アクリル樹脂のいずれか、もしくは2種以上の混合樹脂からなること特徴とする請求項7記載の揮発性有害物質を遮断する壁紙。
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