JP2009024379A - シックハウス防止フィルム - Google Patents

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【課題】建築物に用いられる化学物質が室内に流入するのを遮断すると共に、部屋の空気の清浄効果の高いシックハウス防止フィルムを提供する。
【解決手段】本発明のシックハウス防止フィルム1は、ロール状に巻かれることが可能な長尺の樹脂フィルム10と、前記樹脂フィルム10の第1面F1の全面に形成され気体の通過を阻止する金属製の蒸着膜11と、前記樹脂フィルム10における前記第1面F1とは反対側の第2面F2に形成された吸着層14と、前記蒸着膜11の面に形成された粘着層12とを備えていることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、建築物に用いるシックハウス防止フィルムに関するものである。
近年、シックハウスによる健康被害が増加している。シックハウスとは、建材や、接着剤、塗料などに含まれる化学物質や、ハウスダスト、ダニ、カビなどにより、体が刺激を受け、アレルギー症状や喘息などの健康を生じるものである。
ところで、ハウスダストやダニ、カビなどは室内の清掃により取り除くことが可能であるが、建材や塗料などに含まれる化学物質は、空気中に揮発製物質として放出されるため、前記化学物質を吸着するための壁紙材などが提案されている(特許文献1および2参照)。
特開2005−307565公報(要約、図1) 特開2004−162185公報(要約、図1)
特許文献1では、建材として用いる石膏ボードに炭を練り混んだものを用いている。しかし、既存の建築物の壁等を前記石膏ボードに取り換えるのには、多大な費用と労力を要する。
そこで、特許文献2では、既存の建築物の壁面や天井面に活性炭シートを用いた壁紙を貼付することで、化学物質を前記活性炭シートに吸着させることが提案されている。
しかし、活性炭シートには、壁面や、天井、床から流出する化学物質を遮断する効果がないので、部屋の空気の十分な清浄効果が得にくい。
したがって、本発明の目的は、建材に用いられる化学物質が室内に流入するのを遮断すると共に、部屋の空気の清浄効果の高いシックハウス防止フィルムを提供することである。
前記目的を達成するために、本発明のシックハウス防止フィルムは、ロール状に巻かれることが可能な長尺の樹脂フィルムと、前記樹脂フィルムの第1面の全面に形成され気体の通過を阻止する金属製の蒸着膜と、前記樹脂フィルムにおける前記第1面とは反対側の第2面に形成され化学物質を吸着する吸着層と、前記蒸着膜の面に形成された粘着層とを備えている。
本第1発明のシックハウス防止フィルムは、金属製の蒸着膜が形成された第1面を天井や壁、床面側になるように、吸着層が形成された第2面が室内側になるように配置する。
本第1発明のシックハウス防止フィルムを天井や壁、床面などに貼付することにより、金属製の蒸着膜が建材から流出する化学物質の室内への流入を遮断すると共に、反対側(室内側)に設けた吸着層により当該室内のハウスダストや化学物質が吸着される。したがって、室内の空気の清浄化が図られ、シックハウスを防止することができる。
また、既存の建築物の天井や、壁、床面などに本シックハウス防止フィルムを貼付することができるので、施工が著しく簡便である。
なお、前記「蒸着膜」に用いる金属としては、たとえば、アルミニウムなどを用いることができる。
また、「吸着層」には、たとえば、活性炭や炭の粉末などを用いることができる。前記炭としては、たとえば、建築廃材などから生成した炭を用いてもよい。かかる場合には、リサイクル化が促進されて環境破壊を低減させることができる。
さらに、「粘着層」には、自然素材から作成した種々の粘着剤を用いることができる。前記粘着層としては、たとえば、両面テープなどを用いてもよい。
本発明において、前記吸着層は前記第2面における前記樹脂フィルムの長手方向に沿った一方の側縁部を除く概ね全面に形成されており、前記側縁部において前記樹脂フィルムの第2面が露出しているのが好ましい。
かかる態様によれば、露出した側縁部に、隣接するシックハウス防止フィルムの粘着層を貼付することで、隣り合うシックハウス防止フィルム同士の蒸着膜を重ね貼りすることができる。
ここで、前記吸着層には活性炭や炭の粉末などが用いられているので、隣り合うシックハウス防止フィルム同士を重ね貼りする際、前記吸着層に隣のシックハウス防止フィルムの粘着層を用いて貼着するのは難しい。そこで、前記樹脂フィルムの露出した側縁部を設けることで、該露出した側縁部に隣り合うシックハウス防止フィルムの粘着層を貼着することにより、シックハウス防止フィルム同士を隙間無く配設することができる。したがって、化学物質の遮断性能が著しく向上する。
本発明において、前記粘着層は前記側縁部にのみ設けられているのが好ましい。
かかる態様によれば、粘着層を側縁部にのみ設けることで、粘着層に用いる粘着剤の量を少くすることができる。
本第2発明のシックハウス防止フィルムは、ロール状に巻かれることが可能な長尺の樹脂フィルムと、前記樹脂フィルムの第1面の全面に形成され気体の通過を阻止する金属製の蒸着膜と、前記樹脂フィルムにおける前記第1面とは反対側の第2面の一部に形成され化学物質を吸着する吸着層と、前記樹脂フィルムの第2面の残部に形成された粘着層とを備えている。
本第2発明のシックハウス防止フィルムは、吸着層および粘着層が形成された第2面を天井や壁、床面側になるように、金属製の蒸着膜が形成された第1面が室内側になるように配置する。
本第2発明のシックハウス防止フィルムを天井や壁、床面などに貼付することにより、建材から発生する化学物質を前記吸着層が吸着すると共に、反対側(室内側)に設けた金属製の蒸着膜により当該化学物質の室内への流入を遮断することができる。したがって、建材から発生する化学物質の室内への流入を遮断して、該室内の空気の清浄化を図り得る。
また、吸着層と粘着層とが同じ第2面に形成されているので、図4Cに示すように、壁や床面などに本シックハウス防止フィルムを複数層に重ね貼りすることも可能となり、より効果的に前記化学物質の室内への流入を遮断することができる。
本発明において、前記吸着層は前記第2面における前記樹脂フィルムの長手方向に沿った一方の側縁部を除く概ね全面に形成されており、前記粘着層は前記側縁部にのみ設けられていてもよい。
かかる場合には、一方の側縁部に粘着層を設けることにより、隣り合うシックハウス防止フィルム同士を重ね貼りすることができると共に、吸着層が形成される面積を大きく設定することができる。
本発明の前記シックハウス防止フィルムは、たとえば、天井材、壁材および床下材などに用いることができる。
以下、本発明の一実施形態を図面にしたがって説明する。
なお、以下の説明で用いる図面では、発明の内容を分かり易くするために、シックハウス防止フィルムの厚さを拡大して描いている。
図1〜図3は実施例1を示す。
図1に示すように、シックハウス防止フィルム1は、長手方向Xに延びる長尺のフィルムであり、ロール状に巻かれることが可能である。シックハウス防止フィルム1の幅方向Wの長さは、施工性を考慮して、たとえば、60cm〜120cm程度に設定されているのが好ましい。
シックハウス防止フィルム1は、ロール状に巻かれることが可能な長手方向Xに延びる長尺の樹脂フィルム10を備えている。
図2Aに示すように、前記樹脂フィルム10の第1面(一方の面)F1の全面には、気体の通過を阻止する金属製の蒸着膜11が形成されている。前記蒸着膜11としては、たとえば、アルミを蒸着して形成したものを用いることができる。
前記蒸着膜11の幅方向Wの両側縁部S1,S2には、粘着剤が塗布された粘着層12が形成されており、前記粘着層12の蒸着膜11とは反対側の面には、剥離紙13が貼着されている。したがって、前記粘着層12は、樹脂フィルム10の側縁部S1,S2にのみ設けられている。
なお、粘着層12には自然素材を用いた粘着剤を採用するのが好ましい。粘着層12としては、たとえば、蒸着膜11に両面テープの粘着面を貼付したものを用いてもよい。
一方、前記樹脂フィルム10における第1面F1とは反対側の第2面F2には、化学物質を吸収する吸着層14が形成されている。前記吸着層14は、たとえば、炭粉などから形成されている。前記炭粉は、所定の層になるように、水溶性の糊などで固めたものを用いることができる。前記炭粉としては、たとえば、活性炭や、竹炭、建築廃材などから作成した炭を破砕したものなどを用いることができる。
なお、吸着層14には不織布に炭粉を詰めたものを用いてもよい。たとえば、樹脂フィルム10に図示しない不織布を貼付し、該不織布と樹脂フィルム10との間に炭粉を封入したものであってもよい。かかる場合には、炭粉の偏りを防止するために、樹脂フィルム10に前記不織布を格子状に貼付し、該格子間に形成された複数の空間内に炭粉を封入するようにしてもよい。
前記吸着層14は、フィルムFの長手方向Xに沿った一方の側縁部S1を除く概ね全面に形成されている。前記側縁部S1には、前記粘着層12の幅W1と概ね同じか若干幅広の部分にわたって、樹脂フィルム10の前記第2面F2が露出された被貼着部15が形成されている。
施工方法:
天井や壁に用いる場合;
図1のシックハウス防止フィルム1を天井や壁2(図2B)に施工するには、まず、ロール状に巻かれたシックハウス防止フィルム1の剥離紙13を剥がしながら、図2Bの左側の二点鎖線で示すように、既存の天井(または壁紙)2に該シックハウス防止フィルム1の両端の粘着層12を貼着させると共に、前記天井(壁)2の長さに合わせて所定の長さにカットする。
なお、予め所定の長さに切断したシックハウス防止フィルム1を用いてもよい。また、壁面に施工する場合には、既存の壁紙を剥がした後に、シックハウス防止フィルム1を壁に貼付してもよい。
その後、前記シックハウス防止フィルム1の前記吸着層14が形成されていない前記被貼着部15に、図2Bの実線で示す次のシックハウス防止フィルム1の剥離紙13(図2A)を剥がしながら前記貼付済のシックハウス防止フィルム1の被貼着部15に次のシックハウス防止フィルム1の粘着層12を貼着させる。一方、次のシックハウス防止フィルム1の他方の粘着層12を天井(壁)2に貼着させると共に、所定の長さにカットする。
貼付済のシックハウス防止フィルム1に次のシックハウス防止フィルム1を貼付する作業を繰り返しながら、図3に示すように、天井(壁)2に、隣り合うシックハウス防止フィルム1の側縁部S1,S2同士が重なるように貼着し、天井(壁)2全面にシックハウス防止フィルム1を配置する。
なお、前記シックハウス防止フィルム1を天井に施工する場合には、該シックハウス防止フィルム1の落下防止のために、粘着層12を樹脂フィルム10の両側縁部S1,S2以外の蒸着膜11に設け、天井にしっかりとシックハウス防止フィルム1を貼付するようにしてもよい。
床面に用いる場合;
図1のシックハウス防止フィルム1を図2Cに示す床面4などに施工するには、まず、ロール状に巻かれたシックハウス防止フィルム1の剥離紙13(図2A)を剥がしながら、図2Cの左側の二点鎖線で示すように、床面4に該シックハウス防止フィルム1の両端の粘着層12を貼着させると共に、前記床面4の長さに合わせて、シックハウス防止フィルム1を所定の長さにカットする。
その後、前記シックハウス防止フィルム1の前記吸着層14が形成されていない前記被貼着部15に、図2Cの実線で示す次のシックハウス防止フィルム1の剥離紙13(図2A)を剥がしながら、前記貼付済のシックハウス防止フィルム1の被貼着部15に次のシックハウス防止フィルム1の粘着層12を貼着させる。同時に、次のシックハウス防止フィルム1の他方の粘着層12は床面4に貼着させ、当該次のシックハウス防止フィルム1を所定の長さにカットする。
貼付済のシックハウス防止フィルム1に次のシックハウス防止フィルム1を貼付する作業を繰り返しながら、図3に示すように、床面4に、隣り合うシックハウス防止フィルム1の側縁部S1,S2同士が重なるように貼着し、床面4全面にシックハウス防止フィルム1を配置する。
図2Cに示す前記床面4全体にシックハウス防止フィルム1を貼付した後、シックハウス防止フィルム1の上から畳5やカーペットなどを配置する。
図4Aおよび図4Bは実施例2を示す。
図4Aに示すように、シックハウス防止フィルム1Aは、樹脂フィルム10を備えており、該樹脂フィルム10の第1面(図4Bの天井(壁)2または床面4に接する面)F1の全面には、気体の通過を阻止する金属製の蒸着膜11が形成されている。
一方、前記樹脂フィルム10における第1面F1とは反対側の第2面F2には、たとえば、炭粉からなる吸着層14が形成されている。前記吸着層14は、フィルムFの長手方向X(図1)に沿った両端の側縁部S1,S2を除く概ね全面に形成されている。前記両側縁部S1,S2、すなわち、第2面F2の吸着層14が形成されていない残部には、粘着層12が形成されている。前記粘着層12には、樹脂フィルム10とは反対側の面に剥離紙13が貼付されている。
その他の構成は、実施例1と同様であり、同一部分または相当部分に同一符号を付してその説明を省略する。
施工方法:
図4Aのシックハウス防止フィルム1Aを、図4Bに示す天井(壁)2または床面4に施工するには、まず、シックハウス防止フィルム1の剥離紙13(図4A)を剥がしながら、図4Bの左側の二点鎖線で示すように、シックハウス防止フィルム1Aを吸着層14が形成された第2面F2が天井(壁)2または床面4側になるように該天井(壁)2や床面4に貼付し、所定の長さにカットする。
その後、実線で示す次のシックハウス防止フィルム1Aの剥離紙13(図4A)を剥がしながら、当該次のシックハウス防止フィルム1Aの一方の側縁部S2の粘着層12が、貼付済のシックハウス防止フィルム1Aの蒸着膜11の側縁部S1に重なるように次のシックハウス防止フィルム1Aを貼着させる。同時に、前記次のシックハウス防止フィルム1Aの他方の側縁部S1を天井(壁)2または床面4に貼着する。その後、シックハウス防止フィルム1Aを所定の長さにカットする。
貼付済のシックハウス防止フィルム1に次のシックハウス防止フィルム1を貼付する作業を繰り返しながら、天井(壁)2や床面4に、隣り合うシックハウス防止フィルム1Aが重なるように貼着する。
図4Cは、前記シックハウス防止フィルム1Aを2重に重ね貼りした状態を示す。
図4Cの実線で示す貼着済のシックハウス防止フィルム1Aの第1面F1側の蒸着膜11に、図4Cの二点鎖線で示すシックハウス防止フィルム1Aを前述の施工方法で貼着する。
なお、化学物質の流出量やシックハウス防止フィルム1Aの遮断状態に応じて、シックハウス防止フィルム1Aを3重以上に重ね貼りしてもよい。
本発明は、特に、天井や、壁、床面など既存の建築物に対してシックハウスを防止するために用いるシックハウス防止フィルムに適用することができる。
本発明の実施例1にかかるシックハウス防止フィルムを示す概略斜視図である。 図2Aは図1におけるIIA-IIA 概略断面図、図2Bおよび図2Cはシックハウス防止フィルムの施工方法の一例を示す概略横断面図である。 シックハウス防止フィルムの施工方法の一例を示す概略正面図である 図4Aは本発明の実施例2にかかるシックハウス防止フィルムを示す概略横断面図、図4Bおよび図4Cは施工方法を示す概略横断面図である。
符号の説明
1,1A:シックハウス防止フィルム
10:樹脂フィルム
11:蒸着膜
12:粘着層
14:吸着層
F1:第1面
F2:第2面

Claims (8)

  1. ロール状に巻かれることが可能な長尺の樹脂フィルムと、
    前記樹脂フィルムの第1面の全面に形成され気体の通過を阻止する金属製の蒸着膜と、
    前記樹脂フィルムにおける前記第1面とは反対側の第2面に形成され化学物質を吸着する吸着層と、
    前記蒸着膜の面に形成された粘着層とを備えたシックハウス防止フィルム。
  2. 請求項1において、前記吸着層は前記第2面における前記樹脂フィルムの長手方向に沿った一方の側縁部を除く概ね全面に形成されており、前記側縁部において前記樹脂フィルムの第2面が露出しているシックハウス防止フィルム。
  3. 請求項2において、前記粘着層は前記側縁部にのみ設けられているシックハウス防止フィルム。
  4. ロール状に巻かれることが可能な長尺の樹脂フィルムと、
    前記樹脂フィルムの第1面の全面に形成され気体の通過を阻止する金属製の蒸着膜と、
    前記樹脂フィルムにおける前記第1面とは反対側の第2面の一部に形成され化学物質を吸着する吸着層と、
    前記樹脂フィルムの第2面の残部に形成された粘着層とを備えたシックハウス防止フィルム。
  5. 請求項1において、前記吸着層は前記第2面における前記樹脂フィルムの長手方向に沿った一方の側縁部を除く概ね全面に形成されており、前記粘着層は前記側縁部にのみ設けられているシックハウス防止フィルム。
  6. 請求項1ないし5のいずれか1項において、前記シックハウス防止フィルムが天井材であるシックハウス防止フィルム。
  7. 請求項1ないし5のいずれか1項において、前記シックハウス防止フィルムが壁材であるシックハウス防止フィルム。
  8. 請求項1ないし5のいずれか1項において、前記シックハウス防止フィルムが床下材であるシックハウス防止フィルム。
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