JP2006030800A - 電子写真用転写シート及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 優れた耐ヒビ割れ性、耐傷性、耐水性及び耐接着性を有する電子写真用転写シート及び該電子写真用転写シートの製造方法の提供。
【解決手段】 第1支持体と該第1支持体上に少なくとも透明保護層及び受像層をこの順に有する転写型受像シートと、第2支持体と該第2支持体上に少なくとも接着層を有する剥離型接着シートとからなり、画像形成後の受像層におけるトナー画像面上に、前記剥離型接着シートにおける接着層面を有する電子写真用転写シートである。該透明保護層における引掻き硬度が9kg/mm以上である態様、該透明保護層が架橋型ポリマーを含有する態様などが好ましい。
【選択図】 なし

Description

本発明は、優れた耐ヒビ割れ性、耐傷性、耐水性及び耐接着性を有する電子写真用転写シート及び該電子写真用転写シートの製造方法に関する。
従来より、電子写真方式により転写型受像シートに形成したトナー画像を、種々の被転写体に転写する方法が提案されている(特許文献1〜3参照)。例えば、転写型受像シートの受像層上にトナー画像を形成し、該トナー画像面上に剥離型接着シートにおける接着層を加熱加圧処理し、支持体を剥離して接着層を有する電子写真用転写シートを形成する。この電子写真用転写シートを被転写体に押圧し、転写型受像シートの支持体を剥離して受像層とトナー画像面と接着層を共に被転写体に転写する方法が提案されている。
しかし、前記電子写真用転写シートには、(1)被転写体に重ね押圧転写する際に、トナー画像を形成した転写型受像シート及び被転写体の少なくともいずれかを高温加熱したり、あるいは溶剤で湿らせたりする必要があり、工程が煩雑になるとともに、画像が微妙にずれたりすることがある。
この場合、電子写真による画像形成では、定着部で受像層表面に対し瞬間的にトナーを溶融定着させるため、トナー及び受像層におけるバインダー樹脂はシャープメルト性のある熱可塑性樹脂を使用している。このシャープメルト性実現のためには比較的分子量の低い樹脂を用いることとなり、このような樹脂で形成した画像は破断伸びが小さく、曲げヒビ割れが生じ易く、また引掻き傷が付きやすいという欠点がある。
また、画像形成後に転写シートを重ねて保存したり、他の物体と接して置いた場合、特にそれが高温条件(トナー及び受像層のバインダー樹脂のガラス転移温度(Tg)付近以上)では、シート間接着や他の物体との接着故障が生じることがある。
また、(2)貼り付けた転写シートは、屋外、水回り、移動体(車等)、梱包材等の様々な過酷な条件下で使用されるので、耐傷性及び耐接着性が必要となる。また、(3)転写シートを被転写体に重ねて押圧する際に、転写型受像シートを屈曲させつつ押圧するため、トナー画像層に曲げ歪が加わりヒビ割れが生じたり、また貼り付ける対象が曲面や凹凸形状の場合、転写型受像シート自体が屈曲するため、トナー画像層に曲げ歪が加わり曲げヒビ割れが生じる。また、(4)転写型受像シートとして貼り付ける部分を切り取る際にも、切断部に剪断応力が加わり、トナー画像部に切断ヒビ割れが生じることがあり、特に耐ヒビ割れ性が求められる。
また、電子写真用転写シート及び電子写真受像シートに共通する課題として、(5)転写型受像シートの静電気特性(SR、VR)が適切ではない場合、トナー飛散、トナー転写率の低下等のトナー転写性異常が生じる。また、(6)受像層に対してトナーが十分に埋め込まれず、多少の凹凸が残ると、画質、特に粒状性、シャープネスが低下したり、分布が生じるという問題がある。
したがって電子写真用転写シートにおいては、工程が煩雑にならず、転写性及びトナー画像の画質(粒状性、シャープネス)向上を図り、優れた耐ヒビ割れ性、耐傷性、耐水性及び耐接着性を有する電子写真用転写シートの速やかな提供が望まれているのが現状である。
特開平10−326027号公報 特開2001−63292号公報 特開2000−296663号公報
本発明は、かかる現状に鑑みてなされたものであり、従来における前記諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、優れた耐ヒビ割れ性、耐傷性、耐水性及び耐接着性を有し、屋外、水回り、移動体(車等)、梱包材等の様々な用途に幅広く用いることができる電子写真用転写シート及び該電子写真用転写シートの製造方法を提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
<1> 第1支持体と該第1支持体上に少なくとも透明保護層及び受像層をこの順に有する転写型受像シートと、第2支持体と該第2支持体上に少なくとも接着層を有する剥離型接着シートとからなり、画像形成後の受像層におけるトナー画像面上に、前記剥離型接着シートにおける接着層面を有することを特徴とする電子写真用転写シートである。
<2> 透明保護層における引掻き硬度が9kg/mm以上である前記<1>に記載の電子写真用転写シートである。
<3> 透明保護層が架橋型ポリマーを含有する前記<1>から<2>のいずれかに記載の電子写真用転写シートである。
<4> 架橋型ポリマーが自己架橋型ポリマーであり、該自己架橋型ポリマーが、メチロール基、アルコキシメチル基、カルボキシル基、エポキシ基、ヒドロキシル基、アミド基、メチロール化アクリルアミド基及びビニル基から選択される少なくとも1つの基を有するポリマーである前記<3>に記載の電子写真用転写シートである。
<5> 透明保護層の膜厚が、1〜120μmである前記<1>から<4>のいずれかに記載の電子写真用転写シートである。
<6> 電子写真用転写シートを被転写体に転写した際に、透明保護層が最表面となる前記<1>から<5>のいずれかに記載の電子写真用転写シートである。
<7> 受像層における表面電気抵抗(SR)が、10℃で15%RH及び28℃で85%RHのいずれでも1.0×10〜5.0×1014Ω/cmである前記<1>から<6>のいずれかに記載の電子写真用転写シートである。
<8> 受像層がポリマーを含有し、該ポリマーの流動開始温度(Tfb)が85〜120℃であり、かつ〔1/2法温度(T1/2)−Tfb〕が45℃以下である前記<1>から<7>のいずれかに記載の電子写真用転写シートである。
<9> 接着層が熱可塑性樹脂を含有し、該熱可塑性樹脂のガラス転移温度(Tg)が50℃以下である前記<1>から<8>のいずれかに記載の電子写真用転写シートである。
<10> 接着層が、無機微粒子及び有機微粒子の少なくともいずれかを含有する前記<1>から<9>のいずれかに記載の電子写真用転写シートである。
<11> 接着層が、着色顔料及び着色染料の少なくともいずれかを含有する前記<1>から<10>のいずれかに記載の電子写真用転写シートである。
<12> 転写型受像シートが、第1支持体と、該第1支持体上に、第1剥離層、透明保護層、及び受像層をこの順に有する前記<1>から<11>のいずれかに記載の電子写真用転写シートである。
<13> 接着層の表面に剥離性保護層を有する前記<1>から<12>のいずれかに記載の電子写真用転写シートである。
<14> 剥離型接着シートが、第2支持体と、該第2支持体上に、第2剥離層、接着層、及び剥離性保護層をこの順に有する前記<1>から<13>のいずれかに記載の電子写真用転写シートである。
<15> 切断予定線としてミシン目を有する前記<1>から<14>のいずれかに記載の電子写真用転写シートである。
<16> 第1支持体と該第1支持体上に少なくとも受像層及び透明保護層をこの順に有する転写型受像シートを作製する転写型受像シート作製工程と、第2支持体と該第2支持体上に少なくとも接着層を有する剥離型接着シートを作製する剥離型接着シート作製工程と、画像形成後の受像層におけるトナー画像面と、前記剥離型接着シートにおける接着層面とを貼り合わせて電子写真用転写シートを形成する電子写真用転写シート形成工程とを含むことを特徴とする電子写真用転写シートの製造方法である。
<17> 画像形成後の受像層におけるトナー画像面と前記剥離型接着シートにおける接着層面とを貼り合わせた後、ミシン目加工を行う前記<16>に記載の電子写真用転写シートの製造方法である。
本発明の電子写真用転写シートは、第1支持体と該第1支持体上に少なくとも透明保護層及び受像層をこの順に有する転写型受像シートと、第2支持体と該第2支持体上に少なくとも接着層を有する剥離型接着シートとからなり、画像形成後の受像層におけるトナー画像面上に、前記剥離型接着シートにおける接着層面を有する。該本発明の電子写真用転写シートにおいては、第1支持体と受像層の間に透明保護層を設けることによって、耐傷性、耐水性、及び耐接着性に優れ、曲面や凹凸形状を有する被転写体に貼り付けた際におけるトナー画像層のヒビ割れの発生を防止でき、耐接着性に優れ、高画質な画像を有する電子写真用転写シートを提供できる。
本発明の電子写真用転写シートの製造方法は、第1支持体と該第1支持体上に少なくとも受像層及び透明保護層をこの順に有する転写型受像シートを作製する転写型受像シート作製工程と、第2支持体と該第2支持体上に少なくとも接着層を有する剥離型接着シートを作製する剥離型接着シート作製工程と、画像形成後の受像層におけるトナー画像面と、前記剥離型接着シートにおける接着層面とを貼り合わせて電子写真用転写シートを形成する電子写真用転写シート形成工程とを含む。該本発明の電子写真用転写シートの製造方法においては、本発明の前記電子写真用転写シートを効率よく、安価に製造することができる。
本発明によると、従来における諸問題を解決でき、耐ヒビ割れ性、耐傷性、耐水性及び耐接着性に優れ、屋外、水回り、移動体(車等)、梱包材等の様々な用途に幅広く用いることができる電子写真用転写シート及び該電子写真用転写シートの製造方法を提供できる。
(電子写真用転写シート)
本発明の電子写真用転写シートは、第1支持体と該第1支持体上に少なくとも透明保護層及び受像層をこの順に有する転写型受像シートと、第2支持体と該第2支持体上に少なくとも接着層を有する剥離型接着シートとからなり、画像形成後の受像層におけるトナー画像面上に、前記剥離型接着シートにおける接着層面を有してなり、更に必要に応じてその他の層を有してなる。
<転写型受像シート>
前記転写型受像シートは、上述したように、第1支持体と、該第1支持体上に少なくとも透明保護層及び受像層をこの順に有してなり、第1剥離層、更に必要に応じてその他の層を有してなる。これらの各層は単層構造であってもよいし、積層構造であってもよい。
ここで、図1は、本発明の転写型受像シート10の一例を示す概略断面図であり、この転写型受像シート10は、第1支持体1上に、第1離型層2、透明保護層3、及び受像層4がこの順に積層されている。また、図2は、図1の転写型受像シートを画像形成した後の状態を示し、受像層4の表面にトナー8が埋め込まれ、トナー画像が形成されている。
〔第1支持体〕
前記第1支持体としては、特に制限はなく、電子写真用転写シートの支持体として公知のものの中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、例えば、原紙、合成紙、合成樹脂シート、コート紙、ラミネート紙、等が挙げられる。これらの支持体は、単層構成でもよく、2層以上の積層構成でもよい。
−原紙−
前記原紙としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、具体的には、上質紙、例えば、日本写真学会編「写真工学の基礎−銀塩写真編−」、株式会社コロナ社刊(昭和54年)(223)〜(224)頁記載の紙等が好適なものとして挙げられる。
前記原紙としては、支持体に使用されるものとして公知の材料であれば特に制限なく、目的に応じて各種の材料から適宜選択することができ、例えば、針葉樹、広葉樹等の天然パルプ、該天然パルプと合成パルプの混合物等が挙げられる。
前記原紙の原料として使用できるパルプとしては、原紙の表面平滑性、剛性及び寸法安定性(カール性)を同時にバランス良く、かつ十分なレベルにまで向上させる点から、広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)が望ましいが、針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)、広葉樹サルファイトパルプ(LBSP)等を使用することもできる。
前記パルプの叩解には、ビータ、リファイナー等を使用できる。
前記パルプのカナダ標準濾水度は、抄紙工程において紙の収縮を制御できるため、200〜440mlC.S.F.がより好ましく、250〜380mlC.S.F.が更に好ましい。
前記パルプを叩解した後に得られるパルプスラリー(以下、「パルプ紙料」と称することがある)には、更に必要に応じて、各種添加剤、例えば、填料、乾燥紙力増強剤、サイズ剤、湿潤紙力増強剤、定着剤、pH調整剤、その他の薬剤などが添加される。
前記填料としては、例えば、炭酸カルシウム、クレー、カオリン、白土、タルク、酸化チタン、珪藻土、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、等が挙げられる。
前記乾燥紙力増強剤としては、例えば、カチオン化澱粉、カチオン化ポリアクリルアミド、アニオン化ポリアクリルアミド、両性ポリアクリルアミド、カルボキシ変性ポリビニルアルコール、等が挙げられる。
前記サイズ剤としては、例えば、脂肪酸塩、ロジン、マレイン化ロジン等のロジン誘導体、パラフィンワックス等、更には、アルキルケテンダイマー、アルケニル無水琥珀酸(ASA)、エポキシ化脂肪酸アミド等の高級脂肪酸を含有する化合物、などが挙げられる。
前記湿潤紙力増強剤としては、例えば、ポリアミンポリアミドエピクロロヒドリン、メラミン樹脂、尿素樹脂、エポキシ化ポリアミド樹脂、等が挙げられる。
前記定着剤としては、例えば、硫酸アルミニウム、塩化アルミニウム等の多価金属塩、カチオン化澱粉等のカチオン性ポリマー、等が挙げられる。
前記pH調整剤としては、例えば、苛性ソーダ、炭酸ソーダ、等が挙げられる。
前記その他の薬剤としては、例えば、消泡剤、染料、スライムコントロール剤、蛍光増白剤、等が挙げられる。
更に必要に応じて、柔軟化剤等を添加することもできる。前記柔軟化剤としては、例えば、新・紙加工便覧(紙薬タイム社編)554〜555頁(1980年発行)等に記載のものを用いることができる。
これら各種添加剤等は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。また、これら各種添加剤等の前記パルプ紙料中への添加量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、通常0.1〜1.0質量%が好ましい。
前記パルプスラリーには、更に必要に応じて、前記各種添加剤等を含有させたパルプ紙料を手抄紙機、長網抄紙機、丸網抄紙機、ツインワイヤーマシン、コンビネーションマシンなどの抄紙機を用いて抄紙し、その後乾燥して原紙を作製する。また、所望により前記乾燥の前後のいずれかに表面サイズ処理を実施することができる。
前記表面サイズ処理に使用される処理液は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、水溶性高分子化合物、耐水性物質、顔料、染料、蛍光増白剤、等が含まれていてもよい。
前記水溶性高分子化合物としては、例えば、カチオン化澱粉、ポリビニルアルコール、カルボキシ変性ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、セルロースサルフェート、ゼラチン、カゼイン、ポリアクリル酸ナトリウム、スチレン−無水マレイン酸共重合体ナトリウム塩、ポリスチレンスルホン酸ナトリウム、等が挙げられる。
前記耐水性物質としては、例えば、スチレン−ブタジエン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリエチレン、塩化ビニリデン共重合体等のラテックス・エマルジョン類、ポリアミドポリアミンエピクロルヒドリン、等が挙げられる。
前記顔料としては、例えば、炭酸カルシウム、クレー、カオリン、タルク、硫酸バリウム、酸化チタン、等が挙げられる。
前記原紙は、剛性及び寸法安定性(カール性)の向上を図る点で、縦方向ヤング率(Ea)と横方向ヤング率(Eb)の比(Ea/Eb)が1.5〜2.0の範囲にあることが好ましい。Ea/Eb値が1.5未満、或いは2.0を超える範囲では、感熱記録材料の剛性や、カール性が悪くなり易く、搬送時の走行性に支障をきたすことになるため、好ましくない。
一般に、紙の「こし」は、叩解の様式の相違に基づいて異なることが分かっており、叩解後、抄紙してなる紙が持つ弾性力(率)を紙の「こし」の程度を表す重要な因子として用いることができる。特に、紙が持つ粘弾性体の物性を示す動的弾性率と密度との関係を利用し、これに超音波振動素子を使って紙中を伝播する音速を測定することにより、紙の弾性率を下記の式より求めることができる。
E=ρc(1−n
但し、前記数式において、Eは、動的弾性率を意味する。ρは密度を意味する。cは、紙中の音速を意味する。nは、ポアソン比を意味する。
また、通常の紙の場合、n=0.2程度であるため、下記の式で計算しても大差なく、算出することができる。
E=ρc
即ち、紙の密度、音速を測定することができれば、容易に弾性率を求めることができる。上式において、音速を測定する場合には、ソニックテスターSST−110型(野村商事(株)製)等の公知の各種機器を用いることができる。
前記原紙には、表面に所望の中心線平均粗さを付与するために、例えば、特開昭58−68037号公報に記載されているように、繊維長分布(例えば、24メッシュスクリーン残留分と、42メッシュスクリーン残留分との合計が、例えば、20〜45質量%であり、かつ24メッシュスクリーン残留分が5質量%以下)のパルプ繊維を使用するのが好ましい。また、マシンカレンダー及びスーパーカレンダー等で熱及び圧力を加えて表面処理することにより、中心線平均粗さを調整することができる。
前記原紙の厚みは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選定することができ、通常、30〜500μmが好ましく、50〜300μmがより好ましく、100〜250μmが更に好ましい。前記原紙の坪量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選定することができ、例えば、50〜250g/mが好ましく、100〜200g/mがより好ましい。
−合成紙−
前記合成紙は、セルロース以外のポリマー繊維を主成分とする紙であり、前記ポリマー繊維としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン繊維、などが挙げられる。
−合成樹脂シート(フィルム)−
前記合成樹脂シート(フィルム)としては、合成樹脂をシート状に成形したもの等が挙げられ、例えば、ポリプロピレンフィルム、延伸ポリエチレンフィルム、延伸ポリプロピレンフィルム、ポリエステルフィルム、延伸ポリエステルフィルム、ナイロンフィルム等が挙げられる。また、延伸により白色にしたフィルム、白色顔料を含む白色フィルムなどを用いることもできる。
−コート紙−
前記コート紙は、原紙等の基体に、各種の樹脂を片面及び両面の少なくともいずれかに塗工した紙であり、用途に応じて、塗工量が異なる。このようなコート紙としては、例えば、アート紙、キャストコート紙、ヤンキー紙等が挙げられる。
前記原紙等の表面に塗工する樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、熱可塑性樹脂が好適である。該熱可塑性樹脂としては、(1)ポリオレフィン系樹脂、(2)ポリスチレン系樹脂、(3)アクリル系樹脂、(4)ポリ酢酸ビニル又はその誘導体、(5)ポリアミド系樹脂、(6)ポリエステル樹脂、(7)ポリカーボネート樹脂、(8)ポリエーテル樹脂(又はアセタール樹脂)、(9)その他の樹脂、などが挙げられる。これら熱可塑性樹脂は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用しても構わない。
前記(1)のポリオレフィン系樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂、エチレン、プロピレン等のオレフィンと他のビニルモノマーとの共重合樹脂、などが挙げられる。オレフィンと他のビニルモノマーとの共重合樹脂としては、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アクリル酸やメタクリル酸との共重合体であるアイオノマー樹脂などが挙げられる。なお、ポリオレフィン樹脂の誘導体としては、塩素化ポリエチレン、クロルスルホン化ポリエチレンなどが挙げられる。
前記(2)のポリスチレン系樹脂としては、例えば、ポリスチレン樹脂、スチレン−イソブチレン共重合体、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS樹脂)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)、ポリスチレン−無水マレイン酸樹脂などが挙げられる。
前記(3)のアクリル系樹脂としては、例えば、ポリアクリル酸又はそのエステル類、ポリメタアクリル酸又はそのエステル類、ポリアクリロニトリル、ポリアクリルアミドなどが挙げられる。前記ポリアクリル酸エステル類及びポリメタアクリル酸エステル類はエステル基の種類により特性が大きく異なる。また、他のモノマー(例えばアクリル酸、メタクリル酸、スチレン、酢酸ビニル等)との共重合体も挙げられる。前記ポリアクリロニトリルは単独重合物としてよりも上記AS樹脂、ABS樹脂の共重合体として用いることが多い。
前記(4)のポリ酢酸ビニル又はその誘導体としては、例えば、ポリ酢酸ビニル、ポリ酢酸ビニルをケン化することにより得られるポリビニルアルコール、ポリビニルアルコールをアルデヒド(例えば、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ブチルアルデヒド等)と反応させて得られるポリビニルアセタール樹脂などが挙げられる。
前記(5)のポリアミド系樹脂はジアミンと二塩基酸との重縮合体であり、6−ナイロン、6,6−ナイロンなどが挙げられる。
前記(6)のポリエステル樹脂は、アルコールと酸の重縮合体であり、各々の組み合わせにより特性が大きく異なる。芳香族系二塩基酸と二価アルコールからなる汎用樹脂ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどが挙げられる。
前記(7)のポリカーボネート樹脂としては、ビスフェノールAとホスゲンから得られるポリ炭酸エステルが一般的である。
前記(8)のポリエーテル樹脂(又はアセタール樹脂)としては、例えば、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド等のポリエーテル樹脂、開環重合系としてポリオキシメチレン等のアセタール樹脂などが挙げられる。
前記(9)のその他樹脂として重付加系のポリウレタン樹脂などが挙げられる。
なお、前記熱可塑性樹脂には、更に必要に応じて、増白剤、導電剤、填料、酸化チタン、群青、カーボンブラック等の顔料や染料等を含有させておくことができる。
−ラミネート紙−
前記ラミネート紙は、原紙等の基体に、各種の樹脂、ゴム又は高分子シート又はフィルム等のラミネート材料をラミネートした紙である。前記ラミネート材料としては、例えば、ポリオレフィン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリメタクリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリイミド樹脂、トリアセチルセルロース等が挙げられる。これらの樹脂は、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記ポリオレフィン樹脂は、一般に低密度ポリエチレン樹脂を用いて形成することが多いが、支持体の耐熱性を向上させるために、ポリプロピレン、ポリプロピレンとポリエチレンとのブレンド、高密度ポリエチレン、高密度ポリエチレンと低密度ポリエチレンとのブレンド等を用いるのが好ましい。特に、コストや、ラミネート適性等の点から、高密度ポリエチレンと低密度ポリエチレンとのブレンドを用いるのが最も好ましい。
前記高密度ポリエチレンと、前記低密度ポリエチレンとの混合比率(質量比)は1/9〜9/1が好ましく、2/8〜8/2がより好ましく、3/7〜7/3が更に好ましい。該原紙の両面に熱可塑性樹脂層を形成する場合、原紙の裏面は、例えば、高密度ポリエチレン、あるいは高密度ポリエチレンと低密度ポリエチレンとのブレンドを用いて形成されるのが好ましい。前記ポリエチレンの分子量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、メルトインデックスが、高密度ポリエチレン及び低密度ポリエチレンのいずれについても、1.0〜40g/10分の間のものであって、押出し適性を有するものが好ましい。
なお、これらのシート又はフィルムには、白色反射性を与える処理を行ってもよい。このような処理方法としては、例えば、これらのシート又はフィルム中に酸化チタン等の顔料を配合する方法が挙げられる。
前記第1支持体の厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、25〜300μmが好ましく、50〜260μmがより好ましく、75〜220μmが更に好ましい。
〔第1離型層〕
前記第1支持体上には、電子写真用転写シートを被転写体に転写した際に第1支持体を剥がれ易くするため、第1剥離層が設けられることが好ましい。
前記第1剥離層は、少なくとも剥離剤を含み、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。
前記剥離剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、エマルジョン型、溶剤型又は無溶剤型のシリコーン樹脂、フッ素樹脂、アミノアルキド樹脂、ポリエステル樹脂、等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、剥離力、安全性、公害面及びコスト等の観点から、無溶剤型の付加反応型シリコーンが好適である。
前記その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、硬化触媒、各種添加剤などが挙げられる。
前記第1剥離層の形成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記第1支持体上に前記剥離層用塗布液を塗布する方法などが挙げられる。
前記塗布方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ブレード塗布法、エアナイフ塗布法、グラビア塗布法、ロールコーテイング塗布法、スプレー塗布法、ディップ塗布法、バー塗布法、エクストルージョン塗布法、スピン塗布法、などが挙げられる。
前記剥離層用塗布液の付着量としては、固形分で0.4〜3.0g/mが好ましく、0.5〜2.0g/mがより好ましい。前記付着量が0.4g/m未満であると、十分な剥離性が得られないことがあり、3.0g/mを超えると、剥離性が軽くなりすぎて転写シートの運搬時、保管時に第1支持体の剥がれが生じることがある。
〔透明保護層〕
前記透明保護層は、ポリマーを少なくとも含み、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。
前記ポリマーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、エチレンと、酢酸ビニル、アクリル酸、アクリル酸エステル、マレイン酸等との共重合体;非晶性ポリエステル、天然ゴム、イソプレンゴム、ニトリルゴム、エチレンプロピレンゴム等の各種合成ゴム;アルキルアクリレート重合体、ポリエチレン(高密度、中密度、低密度)、ポリプロピレン、二軸延伸ポリプロピレン、結晶性共重合ポリオレフィン等のポリオレフィン樹脂;ポリ乳酸、ポリ酪酸、ポリブチレンサクシネート等の脂肪族ポリエステル又はこれらの共重合体;アタクチックポリスチレン、アセテート、ポリ塩化ビニル、ABS樹脂、などが挙げられる。
これらの中でも、低密度ポリエチレン(LDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、ポリプロピレン(PP)、二軸延伸ポリプロピレン〔PP(OPP)〕、エチレンと他のモノマーとを共重合させたポリエチレン共重合体及びポリプロピレン樹脂のいずれかが好ましい。前記他のモノマーとしては、例えば、酢酸ビニル、アクリル酸、メタクリル酸、メチルアクリレート、メチルメタアクリレート、エチルアクリレート、エチルメタアクリレート、などが挙げられる。
また、前記エチレンと他のモノマーとを共重合させたポリエチレン共重合体としては、例えば、リニアローデンシティポリエチレン(LLDPE)、エチレン・酢酸ビニルコポリマー(EVA)、エチレン・アクリル酸コポリマー(EAA)、エチレン・メタアクリル酸コポリマー(EMAA)、エチレン・メチルアクリレートコポリマー(EMA)、エチレン・エチルアクリレートコポリマー(EEA)、エチレン・メチルメタアクリレートコポリマー(EMMA)、アイオノマー、などが挙げられる。
また、前記透明保護層におけるポリマーとしては、架橋型ポリマーを用いることが好ましく、架橋型ポリマーとしては、自己架橋型ポリマーが好ましい。該自己架橋型ポリマーとしては、例えば、メチロール基、アルコキシメチル基、カルボキシル基、エポキシ基、ヒドロキシル基、アミド基、メチロール化アクリルアミド基及びビニル基から選択される少なくとも1つの基を有するポリマーが特に好ましい。
なお、前記透明保護層には、前記ポリマー以外の成分として、各種安定剤、各種充填剤、その他の混合可能成分を任意の割合で含有させることができる。
前記透明保護層の形成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ウエット塗布、ドライ塗布、ラミネート法などが挙げられる。
前記透明保護層の厚みは、1〜120μmが好ましく、10〜100μmがより好ましく、15〜70μmが更に好ましい。前記厚みが薄すぎると、耐傷性及び耐ヒビ割れ性が低下することがあり、厚すぎると、転写シートの剛性が大きくなり、貼り付けにくくなってしまうことがある。
前記透明保護層における引掻き硬度は、9kg/mm以上が好ましく、12kg/mm以上がより好ましい。前記引掻き硬度が9kg/mm未満であると、こすり傷が付きやすく、外観故障が生じることがある。
ここで、前記引掻き硬度は、例えば、透明保護層試料について、表面性試験機(新東科学株式会社製、HEIDON−14S)を用い、引掻針として先端Rが0.01mmである円錐ダイヤモンド針で、荷重10kg、円錐ダイヤモンド針の移動速度0.5mm/sec、移動距離10mmの条件で引掻き傷をつけ、顕微鏡で引掻傷の幅d(mm)を測定し、下記数式1から引掻き硬度を計算することができる。
<数式1>
引掻き硬度=0.01/d(kg/mm
〔受像層〕
前記受像層は、カラートナーや黒トナーを受容し、画像を形成するための層である。該受像層は、転写工程にて、(静)電気、圧力等にて現像ドラム或いは中間転写体より画像を形成するトナーを受容し、定着工程にて熱、圧力等にて固定化する機能を有する。
前記受像層における表面電気抵抗(SR)は、10℃で15%RH及び28℃で85%RHのいずれでも1.0×10〜5.0×1014Ω/cmが好ましく、1.0×1010〜5.0×1013Ω/cmがより好ましい。
前記表面電気抵抗(SR)が1.0×10未満であると、トナー転写性が低下することがあり、5.0×1014Ω/cmを超えると帯電によるシート間接着が生じて走行性が低下することがある。
ここで、前記表面電気抵抗(SR)の測定は、JIS K 6911に準拠し、サンプルを10℃で15%RHの条件及び28℃で85%RHの条件に8時間以上調湿し、同じ環境下で、アドバンテスト(株)製のR8340を使用し、印加電圧100Vの条件で、通電して1分間経過した後に測定する。
前記受像層におけるポリマーはシャープメルト性を有することが好ましく、下記の流動開始温度(Tfb)及び〔1/2法温度(T1/2)−Tfb〕の条件を満たすことが好ましい。
前記受像層用ポリマーにおける流動開始温度(Tfb)は、85〜120℃が好ましく、90〜115℃がより好ましい。
前記Tfbが85℃未満であると、シート間での接着故障やオフセットが生じやすくなることがあり、120℃を超えると、画質、特に光沢や粒状性、シャープネスが低下することがある。
ここで、前記流動開始温度とは、例えば、特開平9−171265号公報に記載されているような高化式フローテスターを用いて、ポリマーの可塑曲線(図8参照)を作成し、このポリマーの可塑曲線から流動開始温度を決定することができる。具体的には、0.5〜5gの試料を前記高化式フローテスターに導入する。試料の上には、該試料に対して4.9〜5×10Paの一定圧力がかかるように加圧体を載せる。ここで、例えば、5℃/分の昇温速度で試料を加熱し、前記加圧体の降下量と温度の相関関係を示すポリマー可塑曲線を得る(図8参照)。図8中、試料の熱膨張によって加圧体がわずかに上昇した後、再び、加圧体が降下し始める温度が流動開始温度(Tfb)である。
なお、図8中、ABは、ポリマーの軟化領域を表す。Tsは、軟化温度を表す。BCは、停止領域を表す。CDEは、流動領域を表す。更に、詳細な流動開始温度の測定方法については、高分子材料試験法(高分子工学講座14、364〜369頁、高分子学会編集、株式会社地人書館、昭和38年発行)に「流出開始温度」として記載されている。
前記〔1/2法温度(T1/2)−Tfb〕は、45℃以下が好ましく、42℃以下がより好ましい。
前記〔1/2法温度(T1/2)−Tfb〕が、45℃を超えると、画質及びオフセットの両立する定着温度領域が狭くなり、不安定になることがある。
ここで、前記1/2法温度(T1/2)は、例えば、特開平9−171265号公報に記載されているような高化式フローテスターを使用し、特定の条件の下で、所定の押出加重を加えながら、初期設定温度(例えば、50℃)で余熱時間(例えば、300秒)に、所定の等速昇温速度で昇温した時の各温度における流出開始時と終了時のピストンストローク差の2分の1となる温度である。
前記受像層の厚みは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、1〜50μmが好ましく、3〜15μmがより好ましい。
前記受像層は、ポリマーを少なくとも含有し、必要に応じて受像層の熱力学的特性を改良する目的で添加される各種添加剤、例えば、離型剤、可塑剤、着色剤、フィラー、架橋剤、帯電制御剤、乳化剤、分散剤等を含有する。
−ポリマー−
前記ポリマーとしては、上記物性を満たすものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、前記支持体のコート紙における(1)〜(9)の樹脂、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用しても構わない。これらの中でも、特にトナーの埋め込みの点から凝集エネルギーの大きいスチレン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂が好適に用いられる。
前記ポリマーとしては、トナーに用いられているポリマーに比べて分子量が大きいものが好ましい。ただし、該分子量は前記トナーに用いられている熱可塑性樹脂と、前記受像層におけるポリマー脂との熱力学的特性の関係によっては、必ずしも前述の分子量の関係が好ましいとは限らない。例えば、前記トナーに用いられている熱可塑性樹脂より、前記受像層におけるポリマーの軟化温度の方が高い場合、分子量は同等か、前記受像層におけるポリマーの方が小さいことが好ましい場合がある。
前記受像層のポリマーとして、同一組成の樹脂であって互いに平均分子量が異なるものの混合物を用いるのも好ましい。また、前記トナーに用いられている熱可塑性樹脂の分子量との関係としては、特開平8−334915号公報に開示されている関係が好ましい。
前記受像層の熱可塑性樹脂の分子量分布としては、前記トナーに用いられている熱可塑性樹脂の分子量分布よりも広いのが好ましい。
前記受像層のポリマーとしては、特開平5−127413号公報、特開平8−194394号公報、特開平8−334915号公報、特開平8−334916号公報、特開平9−171265号公報、特開平10−221877号公報等に開示されている物性を満足するものが好ましい。
前記受像層用ポリマーとしては、(i)塗布乾燥工程での有機溶剤の排出がなく、環境適性、作業適性に優れている。(ii)ワックス等の離型剤は、室温では溶剤に溶解し難いものが多く、使用に際して予め溶媒(水、有機溶剤)に分散することが多い。また、水分散形態の方が安定で、かつ、製造工程適性に優れる。更に、水系塗布の方が塗布乾燥の過程でワックスが表面にブリーディングし易く、離型剤の効果(耐オフセット性、耐接着性等)が得やすい。という理由から、水分散性ポリマー及び水溶性ポリマー等の水系の樹脂が好適に用いられる。
前記水系の樹脂としては、水分散性ポリマー及び水溶性ポリマーのいずれかであれば、その組成、結合構造、分子構造、分子量、分子量分布、形態などについて特に制限するものではなく、目的に応じて適宜選択することができ、前記ポリマーの水系化基としては、例えば、スルホン酸基、水酸基、カルボン酸基、アミノ基、アミド基、エーテル基等が挙げられる。
前記水分散性ポリマーとしては、例えば、前記コート紙の(1)〜(9)の熱可塑性樹脂を水分散した樹脂、エマルジョン、これらの共重合体、混合物、及びカチオン変性物の中から適宜選択し、2種以上を組み合わせることができる。
前記水分散性ポリマーは、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。該市販品としては、例えば、ポリエステル系の水分散性ポリマーとしては、東洋紡績株式会社製のバイロナールシリーズ、高松油脂株式会社製のペスレジンAシリーズ、花王株式会社製のタフトンUEシリーズ、日本合成化学工業株式会社製のポリエスターWRシリーズ、ユニチカ株式会社製のエリエールシリーズ等が挙げられる。アクリル系の水分散性ポリマーとしては、星光化学工業株式会社製のハイロスXE、KE、PEシリーズ、日本純薬株式会社製のジュリマーETシリーズ等が挙げられる。
前記水分散性エマルジョンとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、水分散性ポリウレタンエマルジョン、水分散性ポリエステルエマルジョン、クロロプレン系エマルジョン、スチレン−ブタジエン系エマルジョン、ニトリル−ブタジエン系エマルジョン、ブタジエン系エマルジョン、塩化ビニル系エマルジョン、ビニルピリジン−スチレン−ブタジエン系エマルジョン、ポリブテン系エマルジョン、ポリエチレン系エマルジョン、酢酸ビニル系エマルジョン、エチレン−酢酸ビニル系エマルジョン、塩化ビニリデン系エマルジョン、メチルメタクリレート−ブタジエン系エマルジョン等が挙げられる。これらの中でも、水分散性ポリエステルエマルジョンが特に好ましい。
前記水分散性ポリエステルエマルジョンとしては、自己分散型水系ポリエステルエマルジョンであることが好ましく、これらの中でも、カルボキシル基含有自己分散型水系ポリエステル樹脂エマルジョンが特に好ましい。ここで、前記自己自己分散型水系ポリエステルエマルジョンとは、乳化剤等を用いることなく、水系溶媒中に自己分散し得るポリエステル樹脂を含む水系エマルジョンを意味する。また、前記カルボキシル基含有自己分散型水系ポリエステル樹脂エマルジョンとは、親水性基としてカルボキシル基を含有し、水系溶媒中に自己分散し得るポリエステル樹脂を含む水系エマルジョンを意味する。
前記自己分散型の水分散性ポリエステルエマルジョンとしては、下記(1)〜(4)の特性を満たすものが好ましい。これは、界面活性剤を使用しない自己分散型なので、高湿雰囲気でも吸湿性が低く、水分による軟化点低下が少なく、定着時のオフセット発生、保存時のシート間接着故障の発生を抑制できる。また、水系であるため環境性、作業性に優れている。更に、凝集エネルギーが高い分子構造をとりやすいポリエステル樹脂を用いているので、保存環境では十分な硬度を有しながら、電子写真の定着工程では低弾性(低粘性)の溶融状態となり、トナーが受像層に埋め込まれて十分な高画質が達成可能となる。
(1)数平均分子量(Mn)は、5000〜10000が好ましく、5000〜7000がより好ましい。
(2)分子量分布(重量平均分子量/数平均分子量)は、4以下が好ましく、Mw/Mn≦3がより好ましい。
(3)ガラス転移温度(Tg)は、40〜100℃が好ましく、50〜80℃がより好ましい。
(4)体積平均粒子径は、20〜200nmが好ましく、40〜150mmがより好ましい。
前記水分散性エマルジョンの前記受像層における含有量は、10〜90質量%が好ましく、10〜70質量%がより好ましい。
前記水溶性ポリマーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよく、例えば、ポリビニルアルコール、カルボキシ変性ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、セルロースサルフェート、ポリエチレンオキサイド、ゼラチン、カチオン化澱粉、カゼイン、ポリアクリル酸ナトリウム、スチレン−無水マレイン酸共重合体ナトリウム、ポリスチレンスルホン酸ナトリウム、等が挙げられるが、これらの中でも、ポリエチレンオキサイドが好ましい。
前記水溶性ポリマーの市販品としては、水溶性ポリエステルとして瓦応化学工業株式会社製の各種プラスコート、大日本インキ化学工業株式会社製のファインテックスESシリーズ、水溶性アクリルとして日本純薬株式会社製のジュリマーATシリーズ、大日本インキ化学工業製ファインテックス6161、K−96;星光化学工業株式会社製のハイロスNL−1189、BH−997L等が挙げられる。
また、前記水溶性ポリマーとしては、リサーチ・ディスクロージャー17,643号の26頁、リサーチ・ディスクロージャー18,716号の651頁、リサーチ・ディスクロージャー307,105号の873〜874頁、及び特開昭64−13546号公報に記載されたものが挙げられる。
前記水溶性ポリマーの前記受像層における含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、0.5〜2g/mが好ましい。
前記熱可塑性樹脂は、他のポリマー材料と併用することもできるが、その場合、他のポリマー材料よりも、一般に含有量は多くなるように使用される。
前記受像層用ポリマーの、前記受像層における含有量は、10質量%以上が好ましく、30質量%以上がより好ましく、50質量%以上が更に好ましく、50〜90質量%が特に好ましい。
−離型剤−
前記離型剤は、前記受像層のオフセットを防ぐため、前記受像層に配合される。本発明で使用される離型剤は、定着温度において加熱・融解し、前記受像層表面に析出して受像層表面に偏在し、更に、冷却・固化されることによって受像層表面に離型剤材料の層を形成するものであれば、その種類は特に限定はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記離型剤としては、シリコーン化合物、フッ素化合物、ワックス及びマット剤から選択される少なくとも1種が挙げられる。
前記離型剤としては、例えば、幸書房「改訂 ワックスの性質と応用」、日刊工業新聞社発行のシリコーンハンドブック記載の化合物を用いることができる。また、特公昭59−38581号、特公平4−32380号、特許第2838498号、特許第2949558号、特開昭50−117433号、特開昭52−52640号、特開昭57−148755号、特開昭61−62056号、特開昭61−62057号、特開昭61−118760号、特開平2−42451号、特開平3−41465号、特開平4−212175号、特開平4−214570号、特開平4−263267号、特開平5−34966号、特開平5−119514号、特開平6−59502号、特開平6−161150号、特開平6−175396号、特開平6−219040号、特開平6−230600号、特開平6−295093号、特開平7−36210号、特開平7−43940号、特開平7−56387号、特開平7−56390号、特開平7−64335号、特開平7−199681号、特開平7−223362号、特開平7−287413号、特開平8−184992号、特開平8−227180号、特開平8−248671号、特開平8−248799号、特開平8−248801号、特開平8−278663号、特開平9−152739号、特開平9−160278号、特開平9−185181号、特開平9−319139号、特開平9−319143号、特開平10−20549号、特開平10−48889号、特開平10−198069号、特開平10−207116号、特開平11−2917号、特開平11−44969号、特開平11−65156号、特開平11−73049号、特開平11−194542号の各公報に記載のトナーに用いられているシリコーン系化合物、フッ素化合物又はワックスも好ましく用いることができる。また、これら化合物を複数組み合わせて使用することもできる。
前記シリコーン系化合物としては、例えば、シリコーンオイル、シリコーンゴム、シリコーン微粒子、シリコーン変性樹脂、反応性シリコーン化合物などが挙げられる。
前記シリコーンオイルとしては、例えば、無変性シリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイル、カルボキシ変性シリコーンオイル、カルビノール変性シリコーンオイル、ビニル変性シリコーンオイル、エポキシ変性シリコーンオイル、ポリエーテル変性シリコーンオイル、シラノール変性シリコーンオイル、メタクリル変性シリコーンオイル、メルカプト変性シリコーンオイル、アルコール変性シリコーンオイル、アルキル変性シリコーンオイル、フッ素変性シリコーンオイルなどが挙げられる。
前記シリコーン変性樹脂としては、例えば、オレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、ビニル樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、フェノキシ樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、スチレン−アクリル樹脂、又はこれらの共重合樹脂をシリコーン変性した樹脂等が挙げられる。
前記フッ素化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、フッ素オイル、フッ素ゴム、フッ素変性樹脂、フッ素スルホン酸化合物、フルオロスルホン酸、フッ素酸化合物又はその塩、無機フッ化物などが挙げられる。
前記ワックスとしては、天然ワックスと合成ワックスに大別することができる。
前記天然ワックスとしては、植物系ワックス、動物系ワックス、鉱物系ワックス及び石油ワックスから選択される少なくともいずれかが好ましく、これらの中でも、植物系ワックスが特に好ましい。前記天然ワックスとしては、特に、前記受像層用ポリマーとして水系樹脂を用いた場合の相溶性等の点で、水分散型ワックスが好ましい。
前記植物系ワックスとしては、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、市販品であってもよいし、適宜合成したものであってもよい。該植物系ワックスとしては、例えば、カルナバワックス、ヒマシ油、ナタネ油、大豆油、木ろう、綿ろう、ライスワックス、サトウキビワックス、キャンデリラワックス、ジャパンワックス、ホホバ油等が挙げられる。
前記カルナバワックスの市販品としては、例えば、日本精鑞株式会社製のEMUSTAR−0413、中京油脂株式会社製のセロゾール524等が挙げられる。前記ヒマシ油の市販品としては、伊藤製油株式会社製の精製ヒマシ油等が挙げられる。
これらの中でも、特に、耐オフセット性、耐接着性、通紙性、光沢感が優れ、ひび割れが生じ難く、高画質の画像を形成可能な電子写真用受像シートを提供可能である点で、融点が70〜95℃のカルナバワックスが特に好ましい。
前記動物系ワックスとしては、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、蜜蝋、ラノリン、鯨蝋、ステ蝋(鯨油)、羊毛蝋等が挙げられる。
前記鉱物系ワックスとしては、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、市販品であってもよいし、適宜合成したものであってもよい。例えば、モンタンワックス、モンタン系エステルワックス、オゾケライト、セレシン等が挙げられる。
これらの中でも、特に、耐オフセット性、耐接着性、通紙性、光沢感が優れ、ひび割れが生じ難く、高画質の画像を形成可能な電子写真用受像シートを提供可能である点で、融点が70〜95℃のモンタンワックスが特に好ましい。
前記石油ワックスとしては、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、市販品であってもよいし、適宜合成したものであってもよい。例えば、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ペトロラタムなどが挙げられる。
前記天然ワックスの前記受像層における含有量は、0.1〜4g/mが好ましく、0.2〜2g/mがより好ましい。
前記含有量が0.1g/m未満であると、耐オフセット性、耐接着性が特に不充分となることがあり、4g/mを超えると、ワックス量が多過ぎ、形成される画像の画質が劣ることがある。
前記天然ワックスの融点(℃)としては、特に、耐オフセット性、及び、通紙性の点から70〜95℃が好ましく、75〜90℃がより好ましい。
前記合成ワックスは、合成炭化水素、変性ワックス、水素化ワックス、その他の油脂系合成ワックスに分類される。これらワックスは、前記受像層の熱可塑性樹脂として水系の熱可塑性樹脂を用いた場合の相溶性等の点で水分散型ワックスが好ましい。
前記合成炭化水素としては、例えば、フィッシャートロプシュワックス、ポリエチレンワックス、などが挙げられる。
前記油脂系合成ワックスとしては、例えば、酸アミド化合物(例えばステアリン酸アミド等)、酸イミド化合物(例えば無水フタル酸イミド等)、などが挙げられる。
前記変性ワックスとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アミン変性ワックス、アクリル酸変性ワックス、フッ素変性ワックス、オレフィン変性ワックス、ウレタン型ワックス、アルコール型ワックスなどが挙げられる。
前記水素化ワックスとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、硬化ひまし油、ヒマシ油誘導体、ステアリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ベヘニン酸、セバシン酸、ウンデシレン酸、ヘプチル酸、マレイン酸、高度マレイン化油、などが挙げられる。
前記離型剤の融点(℃)としては、特に耐オフセット性、及び、通紙性の点で、70〜95℃が好ましく、75〜90℃がより好ましい。
なお、本発明の受像層に添加される離型剤としては、これらの誘導体、酸化物、精製品、混合物を用いることもできる。また、これらは、反応性の置換基を有していてもよい。
前記離型剤の含有量は、前記受像層の質量を基準として0.1〜10質量%が好ましく、0.3〜8.0質量%がより好ましく、0.5〜5.0質量%が更に好ましい。
前記含有量が0.1質量%未満であると、耐オフセット性及び耐接着性が不十分となることがあり、10質量%を超えると、離型剤の量が多すぎて形成される画像の画質が低下することがある。
−可塑剤−
前記可塑剤としては、特に制限はなく、公知の樹脂用の可塑剤を目的に応じて適宜選択することができる。該可塑剤は、前記トナーを定着する時の熱又は圧力によって、前記受像層が流動又は柔軟化するのを調整する機能を有する。
前記可塑剤としては、「化学便覧」(日本化学会編、丸善)、「可塑剤−その理論と応用−」(村井孝一編著、幸書房)、「可塑剤の研究 上」「可塑剤の研究 下」(高分子化学協会編)、「便覧 ゴム・プラスチック配合薬品」(ラバーダイジェスト社編)等を参考にして選択することができる。
前記可塑剤としては、高沸点有機溶剤や熱溶剤等として記載されているものもあるが、例えば、特開昭59−83154号、特開昭59−178451号、特開昭59−178453号、特開昭59−178454号、特開昭59−178455号、特開昭59−178457号、特開昭62−174754号、特開昭62−245253号、特開昭61−209444号、特開昭61−200538号、特開昭62−8145号、特開昭62−9348号、特開昭62−30247号、特開昭62−136646号、特開平2−235694号等の各公報に記載されているようなエステル類(例えば、フタル酸エステル類、リン酸エステル類、脂肪酸エステル類、アビエチン酸エステル類、アジピン酸エステル類、セバシン酸エステル類、アゼライン酸エステル類、安息香酸エステル類、酪酸エステル類、エポキシ化脂肪酸エステル類、グリコール酸エステル類、プロピオン酸エステル類、トリメリット酸エステル類、クエン酸エステル類、スルホン酸エステル類、カルボン酸エステル類、コハク酸エステル類、マレイン酸エステル類、フマル酸エステル類、フタル酸エステル類、ステアリン酸エステル類等)、アミド類(例えば、脂肪酸アミド類、スルホアミド類等)、エーテル類、アルコール類、ラクトン類、ポリエチレンオキシ類等の化合物が挙げられる。
これら可塑剤は、樹脂に混合して使用することができる。
更に前記可塑剤としては、比較的低分子量のポリマーを用いることができる。該可塑剤の分子量としては、可塑化されるべきバインダー樹脂の分子量より低いものが好ましく、分子量は15000以下が好ましく、5000以下がより好ましい。また、ポリマー可塑剤の場合、可塑化されるべきバインダー樹脂と同種のポリマーであるのが好ましい。例えば、ポリエステル樹脂の可塑化には、低分子量のポリエステルが好ましい。更にオリゴマーも可塑剤として用いることができる。
上記に挙げた化合物以外にも市販品としては、例えば、アデカサイザーPN−170、PN−1430(いずれも旭電化工業株式会社製)、PARAPLEX−G−25、G−30、G−40(いずれもC.P.HALL社製)、エステルガム8L−JA、エステルR−95、ペンタリン4851、FK115、4820、830、ルイゾール28−JA、ピコラスチックA75、ピコテックスLC、クリスタレックス3085(いずれも理化ハーキュレス社製)等が挙げられる。
前記可塑剤は、トナー粒子が前記受像層に埋め込まれる際に生じる応力や歪み(弾性力や粘性等の物理的な歪み、分子やバインダー主鎖やペンダント部分等の物質収支による歪みなど)を緩和するために任意に使用することができる。
前記可塑剤は、前記受像層中において、ミクロに分散された状態でもよいし、海島状にミクロに相分離した状態でもよいし、バインダー等の他の成分と充分に混合溶解した状態でもよい。
前記可塑剤の、前記受像層における含有量は、0.001〜90質量%が好ましく、0.1〜60質量%がより好ましく、1〜40質量%が更に好ましい。
前記可塑剤は、スベリ性(摩擦力低下による搬送性向上)の調整や、定着部オフセット(定着部へのトナーや層の剥離)の改良、カールバランスの調整、帯電調整(トナー静電像の形成)等の目的で使用してもよい。
−着色剤−
前記着色剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、蛍光増白剤、白色顔料、有色顔料、染料等が挙げられる。
前記蛍光増白剤は、近紫外部に吸収を持ち、400〜500nmに蛍光を発する公知の化合物であれば特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、K.VeenRataraman編“The Chemistry of Synthetic Dyes”V巻8章に記載されている化合物などが好適に挙げられる。前記蛍光増白剤としては、市販品であってもよいし、適宜合成したものであってもよく、例えば、スチルベン系化合物、クマリン系化合物、ビフェニル系化合物、ベンゾオキサゾリン系化合物、ナフタルイミド系化合物、ピラゾリン系化合物、カルボスチリル系化合物等が挙げられる。該市販品としては、例えばホワイトフルファーPSN、PHR、HCS、PCS、B(いずれも住友化学株式会社製)、UVITEX−OB(Ciba−Geigy社製)等が挙げられる。
前記白色顔料としては、特に制限はなく、公知のものの中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、酸化チタン、炭酸カルシウム等の無機顔料を用いることができる。
前記有色顔料としては、特に制限はなく、公知のものの中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、特開昭63−44653号公報等に記載されている各種顔料、アゾ顔料、多環式顔料、縮合多環式顔料、レーキ顔料、カーボンブラック等が挙げられる。
前記アゾ顔料としては、例えば、アゾレーキ(例えばカーミン6B、レッド2B等)、不溶性アゾ顔料(例えばモノアゾイエロー、ジスアゾイエロー、ピラゾロオレンジ、バルカンオレンジ等)、縮合アゾ系顔料(例えばクロモフタルイエロー、クロモフタルレッド)等が挙げられる。
前記多環式顔料としては、例えば、フタロシアニン系顔料では、銅フタロシアニンブルー、銅フタロシアニングリーン等が挙げられる。
前記縮合多環式顔料としては、ジオキサジン系顔料(ジオキサジンバイオレット等)、イソインドリノン系顔料(イソインドリノンイエロー等)、スレン系顔料、ペリレン系顔料、ペリノン系顔料、チオインジゴ系顔料、等が挙げられる。
前記レーキ顔料としては、例えば、マラカイトグリーン、ローダミンB、ローダミンG、ビクトリアブルーB等が挙げられる。
前記無機顔料としては、例えば、酸化物(例えば、二酸化チタン、ベンガラ等)硫酸塩(例えば、沈降性硫酸バリウム等)、炭酸塩(例えば、沈降性炭酸カルシウム等)、硅酸塩(例えば、含水硅酸塩、無水硅酸塩等)、金属粉(例えば、アルミニウム粉、ブロンズ粉、亜鉛末、黄鉛、紺青)、などが挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記染料としては、特に制限はなく、公知のものの中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アントラキノン系化合物、アゾ系化合物等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
水不溶性染料としては、例えば、建染染料、分散染料、油溶性染料、などが挙げられる。前記建染染料としては、例えばC.I.Vatヴァイオレット1、C.I.Vatヴァイオレット2、C.I.Vatヴァイオレット9、C.I.Vatヴァイオレット13,C.I.Vatヴァイオレット21、C.I.Vatブルー1、C.I.Vatブルー3、C.I.Vatブルー4、C.I.Vatブルー6、C.I.Vatブルー14、C.I.Vatブルー20、C.I.Vatブルー35等が挙げられる。前記分散染料としては、例えばC.I.ディスパーズヴァイオレット1、C.I.ディスパーズヴァイオレット4、C.I.ディスパーズヴァイオレット10、C.I.ディスパーズブルー3、C.I.ディスパーズブルー7、C.I.ディスパーズブルー58等が挙げられる。前記油溶性染料としては、例えばC.I.ソルベントヴァイオレット13、C.I.ソルベントヴァイオレット14、C.I.ソルベントヴァイオレット21、C.I.ソルベントヴァイオレット27、C.I.ソルベントブルー11、C.I.ソルベントブルー12、C.I.ソルベントブルー25、C.I.ソルベントブルー55、等が挙げられる。
なお、銀塩写真で用いられているカラードカプラーも好適に使用することができる。
前記着色剤の、前記受像層における含有量は、0.1〜8g/mが好ましく、0.5〜5g/mがより好ましい。
前記着色剤の含有量が0.1g/m未満であると、受像層における光透過率が高くなることがあり、8g/mを超えると、ヒビ割れ、耐接着等の取り扱い性に劣ることがある。
また、前記着色剤の中でも、顔料の添加量は、前記受像層を構成する熱可塑性樹脂の質量に基づいて40質量%以下が好ましく、30質量%以下がより好ましく、20質量%以下が更に好ましい。
前記フィラーとしては、有機又は無機のフィラーが挙げられ、バインダー樹脂用の補強剤や、充填剤、強化材として公知のものが用いることができる。該フィラーとしては、「便覧 ゴム・プラスチック配合薬品」(ラバーダイジェスト社編)、「新版 プラスチック配合剤 基礎と応用」(大成社)、「フィラーハンドブック」(大成社)等を参考にして選択することができる。
また、前記フィラーとしては、無機フィラー又は無機顔料を用いることができる。前記無機フィラー又は無機顔料としては、例えば、シリカ、アルミナ、二酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、雲母状酸化鉄、鉛白、酸化鉛、酸化コバルト、ストロンチウムクロメート、モリブデン系顔料、スメクタイト、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、炭酸カルシウム、ムライト等が挙げられる。これらの中でも、特に、シリカ、アルミナが好ましい。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。また前記フィラーとしては、粒径の小さいものが好ましい。粒径が大きいと、受像層の表面が粗面化し易い。
前記シリカには、球状シリカと無定形シリカが含まれる。該シリカは、乾式法、湿式法又はエアロゲル法により合成できる。疎水性シリカ粒子の表面を、トリメチルシリル基又はシリコーンで表面処理してもよい。前記シリカとしては、コロイド状シリカが好ましい。なお、前記シリカは、多孔質であるのが好ましい。
前記アルミナには、無水アルミナ及びアルミナ水和物が含まれる。前記無水アルミナの結晶型としては、α、β、γ、δ、ζ、η、θ、κ、ρ又はχを用いることができ、無水アルミナよりもアルミナ水和物の方が好ましい。前記アルミナ水和物としては、一水和物又は三水和物を用いることできる。前記一水和物には、擬ベーマイト、ベーマイト及びダイアスポアが含まれる。前記三水和物には、ジブサイト及びバイヤライトが含まれる。前記アルミナは、多孔質のものが好ましい。
前記アルミナ水和物は、アルミニウム塩溶液にアンモニアを加えて沈澱させるゾルゲル法又はアルミン酸アルカリを加水分解する方法により合成できる。前記無水アルミナは、アルミナ水和物を加熱により脱水することで得ることができる。
前記フィラーの添加量は、前記受像層のバインダーの乾燥質量100質量部に対し5〜2000質量部が好ましい。
前記架橋剤は、前記受像層の保存安定性や熱可塑性等を調整するために配合することができる。該架橋剤としては、反応基としてエポキシ基、イソシアネート基、アルデヒド基、活性ハロゲン基、活性メチレン基、アセチレン基、その他公知の反応基を2個以上分子内に有する化合物が用いられる。
前記架橋剤としては、これとは別に、水素結合、イオン結合、配位結合等により結合を形成することが可能な基を2個以上有する化合物も用いることができる。
前記架橋剤としては、例えば、樹脂用のカップリング剤、硬化剤、重合剤、重合促進剤、凝固剤、造膜剤、造膜助剤等として公知の化合物を用いることができる。前記カップリング剤としては、例えば、クロロシラン類、ビニルシラン類、エポキシシラン類、アミノシラン類、アルコキシアルミニウムキレート類、チタネートカップリング剤等が挙げられる他、「便覧 ゴム・プラスチック配合薬品」(ラバーダイジェスト社編)等に挙げられた公知のものを用いることができる。
本発明の受像層には、トナーの転写や付着等を調整したり、前記受像層の帯電接着を防止するために、帯電調整剤を含有させることが好ましい。
前記帯電調整剤としては、特に制限はなく、従来から公知の各種帯電調整剤を目的に応じて適宜使用することができ、例えば、カチオン界面活性剤、アニオン系界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン系界面活性剤等の界面活性剤等の他、高分子電解質、導電性金属酸化物等を使用できる。具体的には、第4級アンモニウム塩、ポリアミン誘導体、カチオン変性ポリメチルメタクリレート、カチオン変性ポリスチレン等のカチオン系帯電防止剤、アルキルホスフェート、アニオン系ポリマー等のアニオン系帯電防止剤、脂肪酸エステル、ポリエチレンオキサイド等のノニオン系帯電防止剤が挙げられる。
なお、トナーが負電荷を有する場合には、受像層に配合される帯電調整剤としては、例えば、カチオンやノニオンが好ましい。
前記導電性金属酸化物としては、例えば、ZnO、TiO、SnO、Al、In、SiO、MgO、BaO、MoO等を挙げることができる。これらは、1種単独で使用しても良く、2種以上を併用してもよい。また、前記導電性金属酸化物は、異種元素を更に含有(ドーピング)させてもよく、例えば、ZnOに対して、Al、In等、TiOに対してNb、Ta等、SnOに対しては、Sb、Nb、ハロゲン元素等を含有(ドーピング)させることができる。
−その他の添加剤−
本発明の受像層に使用され得る材料には、出力画像の安定性改良や前記受像層自身の安定性改良のため各種添加剤を含めることができる。前記添加剤としては、種々の公知の酸化防止剤、老化防止剤、劣化防止剤、オゾン劣化防止剤、紫外線吸収剤、金属錯体、光安定剤、防腐剤、防かび剤、等が挙げられる。
前記酸化防止剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、クロマン化合物、クマラン化合物、フェノール化合物(例、ヒンダードフェノール)、ハイドロキノン誘導体、ヒンダードアミン誘導体、スピロインダン化合物が挙げられる。なお、前記酸化防止剤については、特開昭61−159644号公報等に記載されている。
前記老化防止剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、「便覧 ゴム・プラスチック配合薬品 改訂第2版」(1993年、ラバーダイジェスト社)p76〜121に記載のものが挙げられる。
前記紫外線吸収剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ベンゾトリアゾール化合物(米国特許第3533794号明細書参照)、4−チアゾリドン化合物(米国特許第3352681号明細書参照)、ベンゾフェノン化合物(特開昭46−2784号公報参照)、及び紫外線吸収ポリマー(特開昭62−260152号公報参照)が挙げられる。
前記金属錯体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、米国特許第4241155号明細書、米国特許第4245018号明細書、米国特許第4254195号明細書、特開昭61−88256号公報、特開昭62−174741号公報、特開昭63−199248号公報、特開平1−75568号公報、特開平1−74272号公報に記載されているものが適当である。
また、「便覧 ゴム・プラスチック配合薬品 改訂第2版」(1993年、ラバーダイジェスト社)p122〜137に記載の紫外線吸収剤、光安定剤も好適に使用することができる。
<剥離型接着シート>
前記剥離型接着シートは、上述したように、第2支持体と、該第2支持体上に少なくとも接着層を有してなり、第2剥離層、剥離性保護層、更に必要に応じてその他の層を有してなる。これらの各層は単層構造であってもよいし、積層構造であってもよい。
ここで、図3は、本発明の剥離型接着シート20の一例を示す概略断面図であり、この剥離型接着シート20は、第2支持体7上に、第2離型層6、接着層5、及び剥離性保護層9がこの順に積層されている。そして、剥離型接着シート20の剥離性保護層9を剥がして、接着層を転写型受像シートの画像形成後の受像層に接着させて、図4に示すような転写シートを作製できる。
〔第2支持体〕
前記第2支持体としては、前記転写型受像シートにおける第1支持体と同様のものを用いることができ、これらの中でも、上質紙、中質紙、樹脂フィルムを用いることが好適である。前記樹脂フィルムの材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネート、ポリプロピレン、ポリイミド、ポリスチレン、ポリプロピレン、延伸ポリエチレン、延伸ポリプロピレン、ポリエステル、延伸ポリエステル、ナイロン、などが挙げられる。該樹脂フィルムには、各種添加剤を配合してもよい。
前記第2支持体の厚みは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、25〜300μmが好ましい。
〔第2剥離層〕
前記第2支持体上には、電子写真用転写シートから第2支持体を剥がれ易くするため、第2剥離層が設けられることが好ましい。
前記第2剥離層としては、前記転写型受像シートにおける第1剥離層と同様のものを用いることができる。
前記第2剥離層の厚みは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、0.5〜5.0μmが好ましい。
〔接着層〕
前記接着層は、熱可塑性樹脂を少なくとも含んでなり、更に必要に応じてその他の成分を含んでなる。
前記熱可塑性樹脂としては、接着性を有する熱可塑性樹脂であれば特に制限はなく、公知のものの中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アクリル系、スチレン系、塩化ビニル系、酢酸ビニル系、ポリエステル系、ポリウレタン系、ポリオレフィン系、エポキシ系、シリコーン系、などが挙げられる。
前記接着層は、無機微粒子及び有機微粒子の少なくともいずれかを含有することが、接着層を不透明化して被転写体に対する隠蔽効果を発揮させる点で好ましい。
前記無機微粒子としては、例えば、マグネタイト、フェライト、酸化セリウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウム、タルク、タルサイト類、窒化珪素、炭化珪素、窒化チタン、シリカ、アルミナなどが挙げられる。
前記有機微粒子としては、例えば、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、ベンゾグアナミン系樹脂、メラミン系樹脂などが挙げられる。
前記接着層は、着色顔料及び着色染料の少なくともいずれかを含有させることにより、一部又は全部を着色することが、電子写真用転写シートにおける背景色を目的や好みに応じて変化させることができる点で好ましい。
前記着色顔料としては、例えば、カオリンクレー、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、サチンホワイト、二酸化チタン、焼成クレー、酸化亜鉛、硫酸バリウム、タルク、コロイダルシリカ等の無機顔料;ポリスチレン、ポリメチルスチレン等のスチレン系樹脂;ポリメタクリル酸メチル、ポリアクリロニトリル等のアクリル系樹脂の他;ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート等の有機顔料などが挙げられる。
前記着色染料としては、例えば、ニグロシン、ベンジジンイエロー、キナクリドン、ローダミンB、フタロシアニンブルーなどが挙げられる。
前記接着剤層における熱可塑性樹脂のガラス転移温度(Tg)は、50℃以下が好ましく、40℃以下がより好ましい。前記ガラス転移温度が50℃を超えると、曲げヒビ割れや切断時のヒビ割れが発生することがある。
前記接着剤層の厚みは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、1〜50μmが好ましく、3〜25μmがより好ましく、10〜20μmが特に好ましい。前記厚みが1μm未満であると、転写する被転写体の形状にもよるが、接着力が低くなることがあり、また、曲げヒビ割れや破断時のヒビ割れが発生しやすくなる。一方、前記厚みが50μmを超えると、転写した後で位置ズレが生じることがある。
〔剥離性保護層〕
前記剥離性保護層は、電子写真用転写シートの受像層以外への接着層の接着を防止し、剥離性接着シートの取り扱い性を向上させるために、接着層の上に設けることが好ましい。
前記剥離性保護層は、少なくとも樹脂を含有し、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。該樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂等のポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ナイロン、ポリカーボネート、などが挙げられる。
前記剥離性保護層は、接着層との離型性を向上させる目的で、離型剤を含有することが好ましい。前記離型剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選定することができるが、例えば、シリコーンオイル、ポリエチレンワックス、カルナバワックス、シリコーン粒子、ポリエチレンワックス粒子、等が挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて添加することができる。
前記剥離性保護層における離型剤の含有量は、0.05〜20質量%が好ましく、0.5〜5質量%がより好ましい。
前記剥離性保護層の厚みは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、通常40μm以下が好ましい。
本発明の電子写真用転写シートは、前記転写型受像シートと、前記剥離型接着シートとからなり、画像形成後の受像層におけるトナー画像面上に、前記剥離型接着シートにおける接着層面を有する。
ここで、図5は、本発明の電子写真用転写シート30の一例を示す概略断面図であり、この電子写真用転写シート30は、第1支持体1上に、第1離型層2、透明保護層3、受像層4、及び接着層5がこの順に積層されてなる。前記受像層4にはトナー画像が反対画像として形成されている。
そして、図5に示す電子写真用転写シート30は、図6に示すように、被転写体6の表面に接着層5を介して貼り付けられる。その後、図7に示すように、第1支持体及び第1離型層を剥がすことにより、透明保護層3が最表面となり被転写体6の表面に電子写真画像が転写される。
前記被転写体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、冷凍食品、商品の陳列棚に用いられる棚、車、建物、水回り、ガラスケース、カード、ディスク、ディスクカートリッジ、テープカセット、フレキシブルディスク(FD)、MD、CD、DVD−RAM、携帯電話、スーツケース等のバッグ類、ヘルメットや靴等、文房具類などが挙げられる。
本発明の電子写真用転写シートは、ミシン目加工による切断予定線を有するものが好ましい。前記「切断予定線」とは、該切断予定線に沿って切断することによって所望の大きさ、形状のラベルを切り出すことができる仮想線を意味する。
該切断予定線は、公知のミシン目加工により、転写シートの表または裏のいずれか片面に有していても、転写シートを貫通して形成されてもよい。また、切断予定線の形成は画像記録前又は画像記録後のいずれでもよいが、切断によるひび割れの間隔や長さを抑制できる点で画像記録後が好ましい。
(電子写真用転写シートの製造方法)
本発明の電子写真用転写シートの製造方法は、転写型受像シート作製工程と、剥離型接着シート作製工程と、電子写真用転写シート形成工程とを含んでなり、更に必要に応じてその他の工程を含んでなる。
−転写型受像シート作製工程−
前記転写型受像シート作製工程は、第1支持体と該第1支持体上に少なくとも受像層及び透明保護層をこの順に有する転写型受像シートを作製する工程である。
前記転写型受像シートにおける第1支持体、受像層、及び透明保護層、更に第1剥離層については、上述した通りである。
−剥離型接着シート作製工程−
前記剥離型接着シートは、第2支持体と該第2支持体上に少なくとも接着層を有する剥離型接着シートを作製する工程である。
前記剥離型接着シートにおける第2支持体、及び接着層、更に第2剥離層、剥離性保護層については、上述した通りである。
−電子写真用転写シート形成工程−
前記電子写真用転写シート形成工程は、画像形成後の受像層におけるトナー画像面と、前記剥離型接着シートにおける接着層面とを貼り合わせて電子写真用転写シートを形成する工程である。
前記貼り合わせ方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ウエット塗布、ドライ塗布、ラミネート法などが挙げられるが、効率性、利便性、低コストの観点から、ラミネート法が好適である。ラミネート法は、画像形成後の受像層におけるトナー画像面と、前記剥離型接着シートにおける接着層面とを重ね合わせて加熱加圧処理することが好ましい。前記加熱加圧処理の条件としては、温度20〜100℃、ローラ圧1〜50kgf/cm、速度1〜50mm/secが好ましい。
前記画像形成方法としては、転写型受像シートの受像層にトナー画像を形成することができるものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、通常の電子写真方法で使用される方法、例えば、現像ローラ上に形成したトナー画像を転写型受像シートに転写する直接転写方式、或いは中間転写ベルト等に一次転写した後、転写型受像シートに転写する中間転写ベルト方式がある。環境安定性及び高画質化の面から、中間転写ベルト方式が好ましくは使用される。
そして、画像形成後の受像層におけるトナー画像面と前記剥離型接着シートにおける接着層面とを貼り合わせた後にミシン目加工が行われる。
本発明の電子写真用転写シートの製造方法によれば、優れた耐ヒビ割れ性、耐傷性、及び耐接着性を有する本発明の前記電子写真用転写シートを効率よく、安価に製造することができる。
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明は、下記実施例に何ら限定されるものではない。
(実施例1)
(1)転写型受像シートの作製
−剥離層付きセパレータの作製−
厚み70μm(坪量52g/m)の上質紙からなるセパレータ基紙の片面にポリビニルアルコール水溶液を塗布し、乾燥させて目止め層を形成した。シリコーン系樹脂(東レシリコーン株式会社製、SRX−211)100質量部とシリコーン系樹脂(東レシリコーン株式会社製、SRX−212)0.6質量部との混合樹脂の3質量%トルエン液を、前記目止め層上に、乾燥後の厚みが1μmとなるようにワイヤーコーターにて塗布し、120℃にて2分間乾燥させた。以上により、剥離層付きセパレータを作製した。
−透明保護層の作製−
下記組成の透明保護層塗布液を調製し、前記剥離層付きセパレータ上に、乾燥後の膜厚が25μmとなるように塗布し、120℃にて1分間乾燥させて透明保護層を形成した。
<透明保護層塗布液Aの組成>
・水・・・500質量部
・アクリル−スチレン共重合体(固形分濃度:48質量%、大同化成工業株式会社製、ビニゾールMC−106)・・・300質量部
・シリカ(日本アエロジル株式会社製、アエロジル#200)・・・30質量部
・硬化剤としてのエポキシ樹脂(長瀬産業株式会社製、デナコールEX−832)・・・30質量部
−受像層の作製−
下記組成の受像層塗布液を、前記透明保護層上に、乾燥後の厚みが7μmとなるように塗布し、乾燥させて受像層を形成した。
<受像層用塗布液の組成>
・水分散ポリエステル樹脂(ユニチカ株式会社製、エリーテルKZA−1449)・・・100質量部
・離型剤(カルナバワックス、中京油脂(株)製、セロゾール524)・・・5質量部
・界面活性剤(日本油脂(株)製、ラピゾールD−337、固形分10質量%)・・・8質量部
・帯電防止剤(日本油脂社製、ラピゾールA−90、分子量=445.58)・・・7質量部
(2)剥離型接着シートの作製
−剥離層付きセパレータの作製−
厚み70μm(坪量52g/m)の上質紙からなるセパレータ基紙の片面にポリビニルアルコール水溶液を塗布し、乾燥させて目止め層を形成した。シリコーン系樹脂(東レシリコーン株式会社製、SRX−211)100質量部とシリコーン系樹脂(東レシリコーン株式会社製、SRX−212)0.6質量部との混合樹脂の3質量%トルエン液を、前記目止め層上に、乾燥後の厚みが1μmとなるようにワイヤーコーターにて塗布し、120℃にて2分間乾燥させた。以上により、剥離層付きセパレータを作製した。
−接着層の作製−
下記組成の接着層用塗布液を、前記剥離層付きセパレータ上に、乾燥後の厚みが15μmとなるように塗布し、120℃にて1分間乾燥させて透明保護層を形成した。
<接着層用塗布液Aの組成>
・NBRラテックス(日本ゼオン株式会社製、ニポールSX−1503、ガラス転移温度:−20℃)・・・100質量部
・界面活性剤(日本油脂株式会社製、ラピゾールD−337、固形分=8質量%)・・・8質量部
・白色顔料水分散液〔TiO(タイぺークR780−2(石原産業株式会社製))及び高分子分散剤による水分散液〕・・・7.5質量部、
・イオン交換水・・・50質量部
−剥離保護膜の作製−
前記接着層上に、厚み25μmの二軸延伸ポリプロピレンフィルム(東レ株式会社製、トレファン−2578)を貼り合わせて剥離保護膜を形成した。
<トナー画像の形成及び転写シートの作製>
(1)転写型受像シートへのトナー画像の形成
葉書サイズに切断した転写型受像シートを、カラーレーザープリンター(富士ゼロックス株式会社製、DCC−400)を用いて、受像層面にトナー画像を形成した。
(2)電子写真用転写シートの作製
予め、剥離型接着シートにおける剥離保護膜を剥がしておき、転写型受像シートにおけるトナー画像面に剥離型接着シートの接着層面が対向するように配置し、下記条件でラミネートして電子写真用転写シートを作製した。
〔ラミネート条件〕
温度:70℃
ローラ圧:15kgf/cm
速度:8mm/sec
(3)被転写体への転写
作製した転写シートにおける剥離型接着シート側のセパレーターを剥がした後、接着層面を被転写体としての厚み180μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレート(PET)に対向するように載置し、プレス機により下記転写条件で転写シートを貼り合わせた。
〔転写条件〕
温度:70℃
ローラー圧:15kgf/cm
時間:10秒
次に、転写シートを被転写体に転写した後、転写型受像シート側のセパレーターを剥離した。その結果、透明保護層が最表面となって被転写体には貼り付けられた。
(比較例1)
実施例1において、転写型受像シートにおける透明保護層を形成しない以外は、実施例1と同様にして、電子写真用転写シートを作製した。
(実施例2)
実施例1において、転写型受像シートにおける透明保護層の膜厚を125μmとした以外は、実施例1と同様にして、電子写真用転写シートを作製した。
(実施例3)
実施例1において、転写型受像シートにおける透明保護層の膜厚を0.5μmとした以外は、実施例1と同様にして、電子写真用転写シートを作製した。
(実施例4)
実施例1において、転写型受像シートにおける透明保護層塗布液の組成を以下のように変更した以外は、実施例1と同様にして、電子写真用転写シートを作製した。
<透明保護層塗布液Bの組成>
・水・・・500質量部
・自己架橋型アクリル共重合体(固形分濃度:47質量%、BASFディスパージョン株式会社製、アクロナールYJ−2800)・・・300質量部
・シリカ(日本アエロジル株式会社製、アエロジル#200)・・・30質量部
(実施例5)
実施例1において、転写型受像シートにおける透明保護層塗布液の組成を以下のように変更した以外は、実施例1と同様にして、電子写真用転写シートを作製した。
<透明保護層塗布液Cの組成>
・水・・・500質量部
・自己架橋型エチレン−酢酸ビニル−アクリル共重合体(固形分濃度:50質量%、昭和高分子株式会社製、ポリゾールEF−250)・・・300質量部
・シリカ(日本アエロジル株式会社製、アエロジル#200)・・・30質量部
(実施例6)
実施例1において、転写型受像シートにおける透明保護層塗布液の組成を以下のように変更した以外は、実施例1と同様にして、電子写真用転写シートを作製した。
<透明保護層塗布液Dの組成>
・水・・・500質量部
・エチレン−酢酸ビニル−アクリル共重合体(固形分濃度:45質量%、昭和高分子株式会社製、ポリゾールEF−421)・・・300質量部
(実施例7)
実施例1において、剥離型接着シートにおける接着層塗布液の組成を以下のように変更した以外は、実施例1と同様にして、電子写真用転写シートを作製した。
<接着層用塗布液Bの組成>
・アクリルラテックス(星光化学工業株式会社製、ハイロスHE−1335、ガラス転移温度:15℃)・・・100質量部
・ポリエチレンオキサイド(明成化学工業株式会社製、アルコックスR1000)・・・16質量部
・界面活性剤(日本油脂株式会社製、ラピゾールD−337、固形分=8質量%)・・・8質量部
・白色顔料水分散液〔TiO(タイぺークR780−2(石原産業株式会社製))及び高分子分散剤による水分散液〕・・・7.5質量部、
・イオン交換水・・・50質量部
(実施例8)
実施例1において、剥離型接着シートにおける接着層塗布液の組成を以下のように変更した以外は、実施例1と同様にして、電子写真用転写シートを作製した。
<接着層用塗布液Cの組成>
・NBRラテックス(日本ゼオン株式会社製、ニポールSX−1503、ガラス転移温度:−20℃)・・・100質量部
・ポリエチレンオキサイド(明成化学工業株式会社製、アルコックスR1000)・・・16質量部
・界面活性剤(日本油脂株式会社製、ラピゾールD−337、固形分=8質量%)・・・8質量部
・白色顔料水分散液〔TiO(タイぺークR780−2(石原産業株式会社製))及び高分子分散剤による水分散液〕・・・7.5質量部、
・イオン交換水・・・50質量部
(実施例9)
実施例1において、剥離型接着シートにおける接着層塗布液の組成を以下のように変更した以外は、実施例1と同様にして、電子写真用転写シートを作製した。
<接着層用塗布液Dの組成>
・アクリルラテックス(星光化学工業株式会社製、XE−48、ガラス転移温度:57℃)・・・100質量部
・界面活性剤(日本油脂株式会社製、ラピゾールD−337、固形分=8質量%)・・・8質量部
・白色顔料水分散液〔TiO(タイぺークR780−2(石原産業株式会社製))及び高分子分散剤による水分散液〕・・・7.5質量部、
・イオン交換水・・・50質量部
(実施例10)
実施例1において、剥離型接着シートにおける接着層塗布液の組成を以下のように変更した以外は、実施例1と同様にして、電子写真用転写シートを作製した。
<接着層用塗布液Eの組成>
・アクリルラテックス(星光化学工業株式会社製、XE−18、ガラス転移温度:75℃)・・・100質量部
・界面活性剤(日本油脂株式会社製、ラピゾールD−337、固形分=8質量%)・・・8質量部
・白色顔料水分散液〔TiO、タイぺークR780−2(石原産業株式会社製)及び高分子分散剤による水分散液〕・・・7.5質量部、
・イオン交換水・・・50質量部
(実施例11)
実施例1において、転写型受像シートにおける透受像層用塗布液の組成を以下のように変更した以外は、実施例1と同様にして、電子写真用転写シートを作製した。
<受像層用塗布液の組成>
・水分散ポリエステル樹脂(ユニチカ株式会社製、エリーテルKZA−7049)・・・100質量部
・離型剤(カルナバワックス、中京油脂(株)製、セロゾール524)・・・5質量部
・界面活性剤(日本油脂株式会社製、ラピゾールD−337、固形分10質量%)・・・8質量部
・帯電防止剤(日本油脂株式会社製、ラピゾールA−90、分子量=445.58)・・・7質量部
(実施例12)
実施例1において、転写型受像シートにおける透受像層用塗布液の組成を以下のように変更した以外は、実施例1と同様にして、電子写真用転写シートを作製した。
<受像層用塗布液の組成>
・水系アクリル樹脂(星光化学工業株式会社製、BH−997L)・・・100質量部
・離型剤(カルナバワックス、中京油脂(株)製、セロゾール524)・・・5質量部
・界面活性剤(日本油脂(株)製、ラピゾールD−337、固形分10質量%)・・・8質量部
・帯電防止剤(日本油脂社製、ラピゾールA−90、分子量=445.58)・・・7質量部
(実施例13)
実施例1において、転写型受像シートにおける透受像層用塗布液の組成を以下のように変更した以外は、実施例1と同様にして、電子写真用転写シートを作製した。
<受像層用塗布液の組成>
・水系(コア/セル)アクリル樹脂(星光化学工業株式会社製、HE−1335(XE−35))・・・100質量部
・離型剤(カルナバワックス、中京油脂(株)製、セロゾール524)・・・5質量部
・界面活性剤(日本油脂(株)製、ラピゾールD−337、固形分10質量%)・・・8質量部
・帯電防止剤(日本油脂社製、ラピゾールA−90、分子量=445.58)・・・7質量部
(実施例14)
実施例1において、剥離型接着シートにおける接着層塗布液の組成を以下のように変更した以外は、実施例1と同様にして、電子写真用転写シートを作製した。
<接着層用塗布液の組成>
・NBRラテックス(日本ゼオン株式会社製、ニポールSX−1503、ガラス転移温度:−20℃)・・・100質量部
・界面活性剤(日本油脂株式会社製、ラピゾールD−337、固形分=8質量%)・・・8質量部
・白色顔料水分散液〔TiO(タイぺークR780−2(石原産業株式会社製))及び高分子分散剤による水分散液〕・・・7.5質量部、
・イオン交換水・・・50質量部
・分散染料(Miketon Fast Scarlet B、三井化学株式会社製)・・・50質量部
次に、実施例1〜14及び比較例1の各サンプルについて、以下のようにして、受像層の表面電気抵抗(SR)、Tfb、T1/2(1/2法軟化点)、及び引掻き硬度を測定した。結果を表1〜表3に示す。
<表面電気抵抗(SR)の測定方法>
各電子写真用転写シートの受像層表面における表面電気抵抗(SR)を、10℃で15%RHの条件と28℃で85%RHの条件でそれぞれ電気抵抗計(TR−8601、アドバンテスト(株)製)を用いて測定した。
<Tfb(流動開始温度)の測定>
流動開始温度は、例えば、特開平9−171265号公報に記載されているような高化式フローテスターを用いて、ポリマーの可塑曲線を作成し、この曲線から流動開始温度を決定することができる。具体的には、0.5〜5gの試料を前記高化式フローテスターに導入する。試料の上には、該試料に対して4.9〜5×10Paの一定圧力がかかるように加圧体を載せる。ここで、例えば、5℃/分の昇温速度で試料を加熱し、前記加圧体の降下量と温度の相関関係を示すポリマー可塑曲線を得る(図8参照)。図8中、試料の熱膨張によって加圧体がわずかに上昇した後、再び、加圧体が降下し始める温度が流動開始温度(Tfb)である。
なお、図8中、ABは、ポリマーの軟化領域を表す。Tsは、軟化温度を表す。BCは、停止領域を表す。CDEは、流動領域を表す。更に、詳細な流動開始温度の測定方法については、高分子材料試験法(高分子工学講座14、364〜369頁、高分子学会編集、株式会社地人書館、昭和38年発行)に「流出開始温度」として記載されている。
<T1/2(1/2法軟化点)の測定>
T1/2(1/2法軟化点)は、例えば、特開平9−171265号公報に記載されているような高化式フローテスターを使用し、特定の条件の下で、所定の押出加重を加えながら、初期設定温度(例えば、50℃)で余熱時間(例えば、300秒)に、所定の等速昇温速度で昇温した時の各温度における流出開始時と終了時のピストンストローク差の2分の1となる温度を求めた。
<引掻き硬度の測定>
各保護層試料について、表面性試験機(新東科学株式会社製、HEIDON−14S)を用い、引掻針として先端Rが0.01mmである円錐ダイヤモンド針で、荷重10kg、円錐ダイヤモンド針の移動速度0.5mm/sec、移動距離10mmの条件で引掻き傷をつけ、顕微鏡で引掻傷の幅d(mm)を測定し、下記数式1から引掻き硬度を計算した。
<数式1>
引掻き硬度=0.01/d(kg/mm
なお、試料としては保護層のフィルムをそのまま用いた。
本発明においては、引掻き硬度は9kg/mm以上が好ましい。
Figure 2006030800
Figure 2006030800
Figure 2006030800
次に、得られた実施例1〜14及び比較例1の電子写真用転写シートについて、以下のようにして、トナー転写効率、耐接着性、曲げヒビ割れ性、切断時のヒビ割れ性、布擦り試験、粒状性(トナー画質)及び耐水性を評価した。結果を表4に示す。
<トナー転写効率>
黒ベタ画像上の転写されたトナー質量と、二次転写前の中間転写ベルト上のトナー像の質量とを測定し、下記数式2より転写効率を算出し、下記基準により評価した。
<数式2>
トナー転写効率=(転写されたトナー質量)/(二次転写前の中間転写ベルト上のトナー像の質量)
〔評価基準〕
×:転写効率が0.85未満
△:転写効率が0.85以上0.95未満
○:転写効率が0.95以上
<耐接着性>
各電子写真用転写シートを、40℃−80%RHにて24時間保存した後、電子写真用転写シート同士の受像層を対向させて重ね合わせ、3.5cm四方、500gの荷重を加え、同一環境下で7日間設置した後、サンプルを引き離す際の状態を、下記評価基準により評価した。なお、本発明においては、「2以下」が実用上許容されるレベルである。
〔評価基準〕
1・・・剥離音、接着跡共に無し。
2・・・軽微な剥離音又は接着跡が残る。
3・・・接着跡が1/4未満である
4・・・1/4〜1/2未満が接着している。
5・・・1/2以上が接着している。
<曲げヒビ割れの評価>
各電子写真用転写シートに対し、前記画像形成装置を用いて、黒色の最大濃度で均一10cm四方の画像を絵出しした後、10℃−15%RH環境に1日間放置した。その後、直径1cm、2cm、3cm、4cm、及び5cmの丸棒を用意し、電子写真用転写シートのセパレータを剥離した後、粘着剤層を丸棒の表面に当接させて押圧しつつ、大径の棒から小径の棒に各々貼り付け、ヒビが発生しなかった最小径を記録した。なお、本発明においては、「3以下」が実用上許容されるレベルである。
<切断時のヒビ割れの評価>
各電子写真用転写シートについて、ミシン目加工による切断予定線に沿って切断した際におけるトナー画像層表面のヒビ割れの発生具合を下記基準により評価した。
〔評価基準〕
○・・・トナー画像層表面にヒビ割れの発生なく、きれいに切断された。
△・・・トナー画像層表面にヒビ割れが少し発生した。
×・・・トナー画像層表面にヒビ割れが発生した。
<布擦り試験>
テープで固定した5cmの各サンプルの上に綿帆布かなきん3号を載せて、垂直荷重1kg、ストローク幅23mm、速度20mm/sec、往復200回摩耗後、目視にて下記基準により評価した。なお、本発明においては、布擦り試験の結果は3以上が好ましい。
〔評価基準〕
1・・・傷が明瞭に観察され、白化する。
2・・・傷が明瞭に観察される。
3・・・傷がわずかに観察される。
4・・・傷が観察されない。
<粒状性(トナー画質)>
測定サンプルは、被転写体へ転写した後の画像である。シアン、マゼンタ、イエローの入力画像信号をともに50%で一定にした5cm×5cmの大きさのグレー画像を作製した。20人の評価者を対象として、目視評価により粒状性の程度を下記5段階で評価した。
〔評価基準〕
1・・・非常に悪い
2・・・悪い
3・・・普通
4・・・良い
5・・・非常に良い
更に、評点を平均して、下記基準で評価した。
〔評価基準〕
×:平均値が2.0未満の場合
△:平均値が2.0以上3.5未満の場合
○:平均値が3.5以上の場合
<耐水性の評価>
評価用サンプルは被転写体へ転写した後の画像を温水60℃に保たれた水槽内に24時間静置した後、サンプルを取り出し、画像表面を目視で下記基準により評価した。
〔評価基準〕
○:変化なし
△:僅かに荒れが見られる
×:はっきりとした荒れが見られる。
Figure 2006030800
本発明の電子写真用転写シートは、受像層のヒビ割れの発生を効果的に防止でき、耐水性、耐接着性に優れ、例えば、冷凍食品、商品の陳列棚に用いられる棚、車、建物、水回り、ガラスケース、カード、ディスク、ディスクカートリッジ、テープカセット、フレキシブルディスク(FD)、MD、CD、DVD−RAM、携帯電話、スーツケース等のバッグ類、ヘルメットや靴等、文房具類などに幅広く用いることができる。
図1は、本発明の転写型受像シートの一例を示す概略断面図である。 図2は、画像形成後の本発明の転写型受像シートの一例を示す概略断面図である。 図3は、本発明の剥離型接着シートの一例を示す概略断面図である。 図4は、本発明の転写型受像シートと剥離型接着シートを接着した状態を示す概略断面図である。 図5は、本発明の電子写真用転写シートの一例を示す概略断面図である。 図6は、本発明の電子写真用転写シートを被転写体に転写した状態を示す概略断面図である。 図7は、本発明の電子写真用転写シートを被転写体に転写し、支持体を剥離した状態を示す概略断面図である。 図8は、高化式フローテスターを用いて測定した加圧体の降下量と温度との関係を示すポリマー可塑曲線である。
符号の説明
1 第1支持体
2 第1剥離層
3 透明保護層
4 受像層
5 接着層
6 第2剥離層
7 第2支持体
8 トナー
9 剥離性保護層
10 転写型受像シート
20 剥離型接着シート
30 電子写真用転写シート

Claims (17)

  1. 第1支持体と該第1支持体上に少なくとも透明保護層及び受像層をこの順に有する転写型受像シートと、第2支持体と該第2支持体上に少なくとも接着層を有する剥離型接着シートとからなり、画像形成後の受像層におけるトナー画像面上に、前記剥離型接着シートにおける接着層面を有することを特徴とする電子写真用転写シート。
  2. 透明保護層における引掻き硬度が9kg/mm以上である請求項1に記載の電子写真用転写シート。
  3. 透明保護層が架橋型ポリマーを含有する請求項1から2のいずれかに記載の電子写真用転写シート。
  4. 架橋型ポリマーが自己架橋型ポリマーであり、該自己架橋型ポリマーが、メチロール基、アルコキシメチル基、カルボキシル基、エポキシ基、ヒドロキシル基、アミド基、メチロール化アクリルアミド基及びビニル基から選択される少なくとも1つの基を有するポリマーである請求項3に記載の電子写真用転写シート。
  5. 透明保護層の膜厚が、1〜120μmである請求項1から4のいずれかに記載の電子写真用転写シート。
  6. 電子写真用転写シートを被転写体に転写した際に、透明保護層が最表面となる請求項1から5のいずれかに記載の電子写真用転写シート。
  7. 受像層における表面電気抵抗(SR)が、10℃で15%RH及び28℃で85%RHのいずれでも1.0×10〜5.0×1014Ω/cmである請求項1から6のいずれかに記載の電子写真用転写シート。
  8. 受像層がポリマーを含有し、該ポリマーの流動開始温度(Tfb)が85〜120℃であり、かつ〔1/2法温度(T1/2)−Tfb〕が45℃以下である請求項1から7のいずれかに記載の電子写真用転写シート。
  9. 接着層が熱可塑性樹脂を含有し、該熱可塑性樹脂のガラス転移温度(Tg)が50℃以下である請求項1から8のいずれかに記載の電子写真用転写シート。
  10. 接着層が、無機微粒子及び有機微粒子の少なくともいずれかを含有する請求項1から9のいずれかに記載の電子写真用転写シート。
  11. 接着層が、着色顔料及び着色染料の少なくともいずれかを含有する請求項1から10のいずれかに記載の電子写真用転写シート。
  12. 転写型受像シートが、第1支持体と、該第1支持体上に、第1剥離層、透明保護層、及び受像層をこの順に有する請求項1から11のいずれかに記載の電子写真用転写シート。
  13. 接着層の表面に剥離性保護層を有する請求項1から12のいずれかに記載の電子写真用転写シート。
  14. 剥離型接着シートが、第2支持体と、該第2支持体上に、第2剥離層、接着層、及び剥離性保護層をこの順に有する請求項1から13のいずれかに記載の電子写真用転写シート。
  15. 切断予定線としてミシン目を有する請求項1から14のいずれかに記載の電子写真用転写シート。
  16. 第1支持体と該第1支持体上に少なくとも受像層及び透明保護層をこの順に有する転写型受像シートを作製する転写型受像シート作製工程と、第2支持体と該第2支持体上に少なくとも接着層を有する剥離型接着シートを作製する剥離型接着シート作製工程と、画像形成後の受像層におけるトナー画像面と、前記剥離型接着シートにおける接着層面とを貼り合わせて電子写真用転写シートを形成する電子写真用転写シート形成工程とを含むことを特徴とする電子写真用転写シートの製造方法。
  17. 画像形成後の受像層におけるトナー画像面と前記剥離型接着シートにおける接着層面とを貼り合わせた後、ミシン目加工を行う請求項16に記載の電子写真用転写シートの製造方法。
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