JP2007171843A - 画像記録材料 - Google Patents

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重久 玉川
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朝 村井
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Abstract

【課題】画像の鮮明度に優れ、巻きぐせカールの発生を防止でき、おもて面とうら面との耐接着性が良好である画像記録材料の提供。
【解決手段】紙と該紙の両面にポリマー被覆層とを有する支持体と、該支持体上に少なくとも画像記録層とを有してなり、画像記録材料におけるISO 9895に基づくMD方向の圧縮強度が、3.5〜5.5N/mである画像記録材料である。該画像記録層におけるISO 8791−4に基づくPPS粗さが、3〜6μmである態様、画像記録層を設ける側の面と反対側の面におけるポリマー被覆層が粗面加工され、該粗面のPPS粗さが、2μm以上である態様、紙の画像記録層を設ける側の面におけるPPS粗さが、3μm以下である態様などが好ましい。
【選択図】なし

Description

本発明は、電子写真材料、感熱材料、昇華転写材料、熱転写材料、銀塩写真材料、及びインクジェット記録材料等に好適に用いられる画像記録材料に関する。
電子写真材料、感熱材料、昇華転写材料、熱転写材料、銀塩写真材料、及びインクジェット記録材料等の各種画像記録材料について、長尺のシートを芯に巻いたロール形態、及び一定サイズのシートに裁断されたシート形態の2つのタイプが存在するが、使いやすさ、価格等の点からロール形態がより多く使用されている。
このようなロール形態の画像記録材料には、巻きぐせカールが生じるという不具合がある。これは、芯にペーパーが巻き付けられることにより起こるカールであり、ロール形態には程度の差こそあれ、必ずと言ってよいほど発生するものである。このような巻きぐせカールが発生すると、例えば、自動搬送機で搬送する場合に搬送トラブルを起こし易く、製版工程における作業効率の低下につながるという問題がある。
このようなロール形態の画像記録材料における巻きぐせカールの発生を防止するため、種々の手段が検討されている(例えば特許文献1、特許文献2、特許文献3、及び特許文献4参照)。
しかし、これら先行技術においても、画像の鮮明度に優れ、巻きぐせカールの発生を防止でき、おもて面とうら面との耐接着性が良好である各種画像記録材料は、未だ提供されていないのが現状である。
特開平7−89232号公報 特開平7−128787号公報 特開平7−228399号公報 特開2000−118144号公報
本発明は、従来における前記諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、画像の鮮明度に優れ、巻きぐせカールの発生を防止でき、おもて面とうら面との耐接着性が良好であり、フルカラー画像や写真画像等の高画像プリントを行う場合であっても、高画質、高光沢性、高平滑性の高品質画像プリントを得ることができる画像記録材料を提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
<1> 紙と該紙の両面にポリマー被覆層とを有する支持体と、該支持体上に少なくとも画像記録層と、を有する画像記録材料であって、
前記画像記録材料におけるISO 9895に基づくMD方向の圧縮強度が、3.5〜5.5N/mであることを特徴とする画像記録材料である。
<2> 圧縮強度が、4〜5N/mである前記<1>に記載の画像記録材料である。
<3> 画像記録層におけるISO 8791−4に基づくPPS粗さが、3〜6μmである前記<1>から<2>のいずれかに記載の画像記録材料である。
<4> 支持体の画像記録層を設ける側の面と反対側の面におけるポリマー被覆層が粗面加工され、該粗面におけるISO 8791−4に基づくPPS粗さが、2μm以上である前記<1>から<3>のいずれかに記載の画像記録材料である。
<5> 紙の画像記録層を設ける側の面のISO 8791−4に基づくPPS粗さが、3μm以下である前記<1>から<4>のいずれかに記載の画像記録材料である。
<6> 画像記録材料が、ロール形態で画像記録装置に供給される前記<1>から<5>のいずれかに記載の画像記録材料である。
<7> 電子写真材料、感熱材料、昇華転写材料、熱転写材料、銀塩写真材料、及びインクジェット記録材料から選択されるいずれかである前記<1>から<6>のいずれかに記載の画像記録材料である。
<8> 電子写真材料である前記<7>に記載の画像記録材料である。
本発明の画像記録材料は、紙と該紙の両面にポリマー被覆層とを有する支持体と、該支持体上に少なくとも画像記録層と、を有してなり、
前記画像記録材料におけるISO 9895に基づくMD方向の圧縮強度が、3.5〜5.5N/mであるので、画像の鮮明度に優れ、巻きぐせカールの発生を防止でき、おもて面とうら面との耐接着性が良好であり、フルカラー画像や写真画像等の高画像プリントを行う場合であっても、高画質、高光沢性、高平滑性の高品質画像プリントを得ることができる。
本発明によると、従来における前記問題を解決でき、画像の鮮明度に優れ、巻きぐせカールの発生を防止でき、おもて面とうら面との耐接着性が良好であり、フルカラー画像や写真画像等の高画像プリントを行う場合であっても、高画質、高光沢性、高平滑性の高品質画像プリントを得ることができる画像記録材料を提供することができる。
本発明の画像記録材料は、紙と該紙の両面にポリマー被覆層とを有する支持体と、該支持体上に少なくとも画像記録層と、を有してなり、更に、必要に応じてその他の層を有してなる。
前記画像記録材料は、ISO 9895に基づくMD方向の圧縮強度が、3.5〜5.5N/mであり、4〜5N/mが好ましい。前記圧縮強度が3.5N/m未満であると、画像記録材料の剛性が低下し、ペラペラ感が強くなってしまうことがあり、5.5N/mを超えると、画像記録材料の巻きぐせカール性が悪化してしまうことがある。
ここで、前記MD方向とは、抄紙の流れ方向(縦方向)を意味し、該MD方向の圧縮強度は、ショートスパンテスト(ISO 9895:1989)に基づいて測定することができ、例えば、Lorentzen&Wettre社製の圧縮強度測定器 STFIを用いて測定することができる。
前記圧縮強度の調整方法としては、種々の方法が挙げられるが、具体的には以下のとおりである。
例えば、原紙の坪量を好ましくは100〜200g/m、より好ましくは120〜160g/m、更に好ましくは130〜150g/mに調整する。合わせて、原紙の密度を好ましくは0.90〜1.15g/cm、より好ましくは0.95〜1.05g/cmに調整する方法がある。
また、パルプとして、広葉樹クラフトパルプ(LBKP)を70質量%以上含み、濾水度が250〜360mlCSFのものを用いる方法がある。
また、添加薬品として、その理由は不明であるが、紙力剤と柔軟化剤を併用することが効果的である。前記紙力剤としては、例えばカチオンスターチ、ポリアクリルアミドが好ましく、該紙力剤の添加量は0.5〜2.5質量%が好ましい。前記柔軟化剤としては、例えば、新紙加工便覧(紙薬タイム社編)554〜555頁(1980年発行)等に記載のものが用いられるが、エポキシ化脂肪酸アミドや脂肪酸ジアミド塩が好ましい。なお、紙力剤と柔軟化剤との比(紙力剤量/柔軟化剤量)は20〜0.5が好ましく、10〜2がより好ましい。
また、抄紙機として、例えば、長網抄紙機、円網抄紙機、コンビネーション抄紙機などが用いることが効果的であり、特に長網抄紙機が好ましく、紙料の吐出速度(J)とワイヤー速度(W)との比(J/W)を0.90〜1.10が好ましく、0.94〜1.05がより好ましい。
また、乾燥として、水分量が40〜55%の状態でプレスドライ処理することが効果的である。
また、前記画像記録層におけるISO 8791−4に基づくPPS粗さは、3〜6μmが好ましい。前記PPS粗さが3μm未満であると、画像記録材料のおもて面とうら面との耐接着性が不良となることがあり、6μmを超えると、画像記録材料の光沢感が低下することがある。
ここで、前記PPS粗さは、パーカープリントサーフを用いた表面粗さを意味し、ISO 8791−4:1992(E)に基づいて測定することができ、例えば、Lorentzen&Wettre社製のPPS測定器を用いて測定することができる。
前記画像記録層におけるPPS粗さの調整方法としては、例えば、平均粒子径5〜25μm、好ましくは10〜20μmのマット剤を画像記録層中に、0.1〜1.0質量%含有させて調整する。前記マット剤としては、有機ポリマーが好ましく、該有機ポリマーとしては、例えば、ポリスチレン、尿素樹脂、メラミン樹脂、ポリメチルメタアクリレート(PMMA)などが挙げられ、これらの中でも、ポリメチルメタアクリレートが特に好ましい。
また、前記支持体の画像記録層を設ける側の面と反対側の面(うら面)におけるポリマー被覆層が粗面加工され、該粗面のISO 8791−4に基づくPPS粗さが、2μm以上であることが好ましい。前記PPS粗さが2μm未満であると、支持体でのおもて面とうら面との耐接着性が悪化することがある。
ここで、前記PPS粗さは、パーカープリントサーフを用いた表面粗さを意味し、ISO 8791−4:1992(E)に基づいて測定することができ、例えば、Lorentzen&Wettre社製のPPS測定器を用いて測定することができる。
前記うら面のPPS粗さの調整方法としては、例えば、ポリマー被覆層を被覆時のラミネーターのチルロールとして、目的とする粗さを有するチルロールを選定する。すなわち、サンドブラスト法等によって表面粗さ(Rz)が、5〜12μmに粗面化されたチルロールを用いて調整することができる。
前記ポリマー被覆層の粗面加工としては、例えば、マット面加工、セミマット面加工、微細マット面加工、エンボス面加工、ラスタ面加工、及びこれらの組み合わせから選択される少なくとも1種が好適である。
前記粗面加工のうち、マット面、セミマット面、又は微細マット面は、両面のポリマー被覆層における最表面に粗面化処理(マット処理)を施した部材(例えば、ローラ、ベルトなど)を押し付ける方法などにより行われる。マット処理を施す方法としては、例えば、サンドブラスト、熱圧延加工、プラズマイオン加工などが挙げられる。
前記エンボス面は、エンボス処理により得られる。エッチング又は凹凸模様を彫り込んだエンボスローラを用いて圧延することにより行われる。
また、前記紙の画像記録層を設ける側の面におけるISO 8791−4に基づくPPS粗さは、3μm以下であることが好ましい。前記PPS粗さが3μmを超えると、画像記録材料の画像ムラが悪化することがある。
ここで、前記PPS粗さは、パーカープリントサーフを用いた表面粗さを意味し、ISO 8791−4:1992(E)に基づいて測定することができ、例えば、Lorentzen&Wettre社製のPPS測定器を用いて測定することができる。
前記紙の画像記録層を設ける側の面のPPS粗さの調整方法としては、前記圧縮強度の調整方法に加えて、例えば、表面温度110℃以上、好ましくは200℃以上の金属ロールを有するカレンダーによる表面処理を行い調整する。前記カレンダーは金属ロールの反対側に樹脂ロールを有するソフトカレンダー(ニップ幅の広いシューカレンダーも含む)を用い、ニップ圧としては、100〜600kN/mが好ましく、170〜500kN/mがより好ましい。なお、カレンダー処理後の紙の密度は、0.9〜1.1g/cmが好ましく、0.95〜1.05g/cmがより好ましい。
本発明の画像記録材料は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、ロール形態で画像記録装置に供給されることが好ましい。本発明の画像記録材料は、画像を設ける側の面を外面にして巻かれたロール形態であっても、画像の鮮明度に優れ、巻きぐせカールの発生を防止でき、おもて面とうら面との耐接着性が良好である。
<支持体>
前記支持体は、紙と、該紙の両面にポリマー被覆層とを有してなり、更に必要に応じてその他の構成を有してなる。
−紙−
前記紙としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、具体的には、上質紙、例えば、日本写真学会編「写真工学の基礎−銀塩写真編−」、株式会社コロナ社刊(昭和54年)(223)〜(224)頁記載の紙等が好適なものとして挙げられる。
前記紙の原料として使用できるパルプとしては、紙の平面性及び寸法安定性等を同時にバランス良く、かつ十分なレベルにまで向上させる点から、前記広葉樹パルプが好ましいが、前記針葉樹パルプ等を使用することもできる。
前記広葉樹パルプとしては、例えば、広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)、広葉樹サルファイトパルプ(LBSP)等が挙げられるが、これらの中でも、広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)が好ましい。
前記紙に対する前記広葉樹パルプの含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、50質量%以上が好ましく、60質量%以上がより好ましく、75質量%以上が更に好ましい。
前記針葉樹パルプとしては、例えば針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)等が挙げられる。
前記パルプの平均繊維長は、0.6〜0.7mmが好ましい。
前記パルプの叩解には、ビータやリファイナー等を使用できる。前記パルプを叩解した後に得られるパルプスラリー(以下、「パルプ紙料」と称することがある)には、更に必要に応じて、各種添加剤を添加することができる。該添加剤としては、例えば填料、乾燥紙力増強剤、サイズ剤、湿潤紙力増強剤、定着剤、pH調整剤、その他の薬剤などが挙げられる。
前記填料としては、例えば炭酸カルシウム、クレイ、カオリン、白土、タルク、酸化チタン、珪藻土、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムなどが挙げられる。
前記乾燥紙力増強剤としては、例えばカチオン化澱粉、カチオン化ポリアクリルアミド、アニオン化ポリアクリルアミド、両性ポリアクリルアミド、カルボキシ変性ポリビニルアルコールなどが挙げられる。
前記サイズ剤としては、例えば脂肪酸塩、ロジン、マレイン化ロジン等のロジン誘導体;パラフィンワックス、アルキルケテンダイマー、アルケニル無水琥珀酸(ASA)、エポキシ化脂肪酸アミド等の高級脂肪酸を含有する化合物などが挙げられる。
前記湿潤紙力増強剤としては、例えばポリアミンポリアミドエピクロロヒドリン、メラミン樹脂、尿素樹脂、エポキシ化ポリアミド樹脂などが挙げられる。
前記定着剤としては、例えば、硫酸アルミニウム、塩化アルミニウム等の多価金属塩、カチオン化澱粉等のカチオン性ポリマーなどが挙げられる。
前記pH調整剤としては、例えば苛性ソーダ、炭酸ソーダ、などが挙げられる。
前記その他の薬剤としては、例えば消泡剤、染料、スライムコントロール剤、蛍光増白剤、などが挙げられる。
更に必要に応じて、柔軟化剤等を添加することもできる。前記柔軟化剤としては、例えば新・紙加工便覧(紙薬タイム社編)554〜555頁(1980年発行)等に記載のものを用いることができる。
これら各種添加剤等は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。また、これら各種添加剤等の前記パルプ紙料中への添加量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、通常0.1〜1.0質量%が好ましい。
前記パルプスラリーには、更に必要に応じて、前記各種添加剤等を含有させたパルプ紙料を手抄紙機、長網抄紙機、丸網抄紙機、ツインワイヤーマシン、コンビネーションマシンなどの抄紙機を用いて抄紙する。
この抄紙工程における、パルプ含有液の速度(J)と、ワイヤー速度(W)との比(J/W比)は0.9〜1.1が好ましく、0.94〜1.05がより好ましい。
抄紙工程を終了した後、乾燥して紙を作製する。また、所望により前記乾燥の前後のいずれかに表面サイズ処理を実施することができる。
前記表面サイズ処理に使用される表面サイズ処理液は、例えば、アルカリ金属塩及びアルカリ土類金属塩の少なくともいずれかの金属塩、水溶性高分子化合物、蛍光増白剤、耐水性物質、顔料、染料、などが含有されている。
前記アルカリ金属塩及びアルカリ土類金属塩の少なくともいずれかの金属塩としては、上述した通りのものを使用することができる。
前記水溶性高分子化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選定することができ、例えば、ポリビニルアルコール、カルボキシ変性ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、セルロースサルフェート、ポリエチレンオキサイド、ゼラチン、カチオン化澱粉、カゼイン、ポリアクリル酸ナトリウム、スチレン−無水マレイン酸共重合体ナトリウム塩、ポリスチレンスルホン酸ナトリウム、などが挙げられ、これらの中でも、ポリビニルアルコール、カルボキシ変性ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、セルロースサルフェート、ポリエチレンオキサイド、ゼラチンが好ましく、特にポリビニルアルコール(PVA)がより好ましい。
なお、前記水溶性高分子化合物の含有量は0.5〜2g/mが好ましい。
前記蛍光増白剤としては、例えば、スチルベン系化合物、クマリン系化合物、ビフェニル系化合物、ベンゾオキサゾリン系化合物、ナフタルイミド系化合物、ピラゾリン系化合物、カルボスチリル系化合物、ジアミノスチルベンジスルホン酸誘導体、イミダゾール誘導体、クマリン誘導体、トリアゾール誘導体、カルバゾール誘導体、ピリジン誘導体、ナフタル酸誘導体、イミダゾロン誘導体、等が挙げられ、これらの中でも、スチルベン系化合物が好ましい。
なお、前記紙における蛍光増白剤の含有量は、特に制限されないが、0.01〜0.5質量%が好ましく、0.02〜0.2質量%がより好ましい。
前記耐水性物質としては、例えば、スチレン−ブタジエン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリエチレン、塩化ビニリデン共重合体等のラテックス・エマルジョン類;ポリアミドポリアミンエピクロルヒドリン、などが挙げられる。
前記顔料としては、例えば、炭酸カルシウム、クレイ、カオリン、タルク、硫酸バリウム、酸化チタン等が挙げられる。
前記紙は、支持体の剛性及び寸法安定性の向上を図る目的から、縦方向ヤング率(Ea)と横方向ヤング率(Eb)の比(Ea/Eb)は1.5〜2.0が好ましい。前記Ea/Eb値が、1.5未満、或いは2.0を超える範囲では、支持体の剛性や、寸法安定性が悪くなり易く、搬送時の走行性に支障をきたすことになることがある。
一般に、紙の「こし」は、叩解の様式の相違に基づいて異なり、叩解後、抄紙してなる紙が持つ弾性力(率)を紙の「こし」の程度を表す重要な因子として用いることができる。特に、紙が持つ粘弾性体の物性を示す動的弾性率と密度との関係を利用し、これに超音波振動素子を使って紙中を伝播する音速を測定することにより、紙の弾性率は、下記数式から求めることができる。
E=ρc(1−n
前記数式において、Eは、動的弾性率を表す。ρは、密度を表す。cは、紙中の音速を表す。nは、ポアソン比を表す。
また、通常の紙の場合、n=0.2程度であるため、下記数式で計算しても大差なく、算出することができる。
E=ρc
従って、紙の密度、音速を測定することができれば、容易に弾性率を求めることができる。前記数式において、音速を測定する場合には、例えば、ソニックテスターSST−110型(野村商事(株)製)等の公知の各種機器を用いることができる。
前記紙の構造、厚み、大きさ等としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記紙の構造としては、単層構造でもあってもよく、2層以上の積層構造であってもよい。
前記紙の厚みは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、30〜500μmが好ましく、50〜300μmがより好ましく、100〜250μmが更に好ましい。
また、紙の坪量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、50〜250g/mが好ましく、100〜200g/mがより好ましい。
前記紙の密度は、特に制限なく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.85〜1.00g/cmであることが好ましい。前記紙の密度が0.85g/cm未満であると、前記紙の「こし」が不十分となり耐カール性が悪化するとともに、前記支持体の平面性が低下することがある。
前記紙の濾水度としては、200〜400mlが好ましく、保水度としては、110〜190%が好ましい。前記濾水度は、JIS P8121の「パルプ濾水度試験方法」におけるカナダ標準形試験方法にしたがって測定したものである。
前記紙の乾燥方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、加圧乾燥処理などが好適に挙げられる。前記加圧乾燥処理としては、プレス機を用いた乾燥処理、キャストドラムを用いた乾燥処理、などが挙げられる。更に、シリンダーを用いた乾燥処理を行うこともできる。
−カレンダー処理−
前記紙は、前記乾燥処理をした後、カレンダー処理をすることが好ましい。
前記カレンダー処理としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、高温のソフトカレンダー処理が好ましく、前記金属ロールの表面温度は、110℃以上が好ましく、150℃以上がより好ましく、250℃以上が更に好ましい。上限温度は、例えば、300℃程度が適当である。
前記カレンダー処理をすることにより、高い光沢性を有する紙を得ることができる。
−ポリマー被覆層−
前記紙の両面に、ポリマー被覆層を有することが、カール発生防止の点から好ましい。
前記ポリマー被覆層は、熱可塑性樹脂を含有してなり、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。
前記熱可塑性樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、ポリオレフィン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリメタクリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリイミド樹脂、トリアセチルセルロースなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、ポリオレフィン樹脂が特に好ましい。
前記ポリオレフィン樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のα−オレフィンの単独重合体及びこれらの各種の重合体の混合物を挙げられる。特に、高密度ポリエチレン(HDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、又はそれらの混合物が好ましい。これらの中でも、紙の耐熱性を向上させるために、ポリプロピレン、ポリプロピレンとポリエチレンとのブレンド、高密度ポリエチレン、高密度ポリエチレンと低密度ポリエチレンとのブレンド等を用いるのがより好ましく、特に、コストや、ラミネート適性等の点から、高密度ポリエチレンと低密度ポリエチレンとのブレンドを用いるのが最も好ましい。
前記高密度ポリエチレンと前記低密度ポリエチレンとのブレンド比率(質量比)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、1/9〜9/1が好ましく、2/8〜8/2がより好ましく、3/7〜7/3が更に好ましい。
前記ポリエチレンの分子量としては、特に制限はないが、メルトインデックスが、高密度ポリエチレン及び低密度ポリエチレンのいずれについても、1.0〜40g/10分の間のものであって、押出適性を有するものが好ましい。
前記ポリオレフィン樹脂の分子量としては、押し出しコーティングすることが可能である限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、20,000〜200,000の範囲が好ましい。
前記紙のポリマー被覆層が、高密度ポリエチレンと低密度ポリエチレンとのブレンドを用いて形成されるのが好ましい。
前記低密度ポリエチレン(LDPE)の樹脂密度は、0.930g/cm以下が好ましく、0.925g/cm以下がより好ましい。
前記高密度ポリエチレン(HDPE)の樹脂密度は、0.945g/cm以上が好ましい。
前記各種添加剤としては、例えば、白色反射性を与える処理を行うために、酸化チタン等により代表される公知の白色顔料等が挙げられる。
前記ポリマー被覆層の厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、15〜100μmが好ましい。
前記支持体の作製方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記紙にコロナ放電処理を行った後、前記紙の少なくとも画像が記録される面側、好ましくは両面に、前記ポリマー被覆層を押し出しコーティング等により形成する方法が挙げられる。
前記各被覆層を形成する材料を押出コーティングする際の押し出しコーティング設備としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、通常のポリオレフィン用押し出し機とラミネーターなどが挙げられる。
本発明の画像記録材料は、前記支持体上に、画像記録層を少なくとも有してなり、更に必要に応じてその他の層を有してなる。
−画像記録層−
前記画像記録層は、画像記録材料の用途、種類に応じてそれぞれ異なり、例えば、電子写真材料ではトナー受像層、感熱材料では熱発色層、昇華転写材料では熱拡散性色素、熱転写材料では熱溶融性インク、銀塩写真材料では少なくともY(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)等の各色素に発色する画像形成層、インクジェット記録材料では水性又は油性インクを受容できる色材受容層、などが挙げられる。
前記画像記録層としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、樹脂塗工層が好適に挙げられ、必要に応じて、前記樹脂塗工層にその他の成分を含有してなる。
前記樹脂塗工層におけるポリマーとしては、樹脂組成物を含有した塗布液を調製できるものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、熱可塑性樹脂が好適である。該熱可塑性樹脂としては、(1)ポリオレフィン系樹脂、(2)ポリスチレン系樹脂、(3)アクリル系樹脂、(4)ポリ酢酸ビニル又はその誘導体、(5)ポリアミド系樹脂、(6)ポリエステル樹脂、(7)ポリカーボネート樹脂、(8)ポリエーテル樹脂(又はアセタール樹脂)、(9)その他の樹脂、などが挙げられる。これら熱可塑性樹脂は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用しても構わない。
前記(1)のポリオレフィン系樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂、エチレン、プロピレン等のオレフィンと他のビニルモノマーとの共重合樹脂、などが挙げられる。オレフィンと他のビニルモノマーとの共重合樹脂としては、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アクリル酸やメタクリル酸との共重合体であるアイオノマー樹脂などが挙げられる。なお、ポリオレフィン樹脂の誘導体としては、塩素化ポリエチレン、クロルスルホン化ポリエチレンなどが挙げられる。
前記(2)のポリスチレン系樹脂としては、例えば、ポリスチレン樹脂、スチレン−イソブチレン共重合体、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS樹脂)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)、ポリスチレン−無水マレイン酸樹脂などが挙げられる。
前記(3)のアクリル系樹脂としては、例えば、ポリアクリル酸又はそのエステル類、ポリメタアクリル酸又はそのエステル類、ポリアクリロニトリル、ポリアクリルアミドなどが挙げられる。前記ポリアクリル酸エステル類及びポリメタアクリル酸エステル類はエステル基の種類により特性が大きく異なる。また、他のモノマー(例えばアクリル酸、メタクリル酸、スチレン、酢酸ビニル等)との共重合体も挙げられる。前記ポリアクリロニトリルは単独重合物としてよりも上記AS樹脂、ABS樹脂の共重合体として用いることが多い。
前記(4)のポリ酢酸ビニル又はその誘導体としては、例えば、ポリ酢酸ビニル、ポリ酢酸ビニルをケン化することにより得られるポリビニルアルコール、ポリビニルアルコールをアルデヒド(例えば、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ブチルアルデヒド等)と反応させて得られるポリビニルアセタール樹脂などが挙げられる。
前記(5)のポリアミド系樹脂はジアミンと二塩基酸との重縮合体であり、6−ナイロン、6,6−ナイロンなどが挙げられる。
前記(6)のポリエステル樹脂は、アルコールと酸の重縮合体であり、各々の組み合わせにより特性が大きく異なる。芳香族系二塩基酸と二価アルコールからなる汎用樹脂ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどが挙げられる。
前記(7)のポリカーボネート樹脂としては、ビスフェノールAとホスゲンから得られるポリ炭酸エステルが一般的である。
前記(8)のポリエーテル樹脂(又はアセタール樹脂)としては、例えば、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド等のポリエーテル樹脂、開環重合系としてポリオキシメチレン等のアセタール樹脂などが挙げられる。
前記(9)のその他樹脂として重付加系のポリウレタン樹脂などが挙げられる。
[水系ポリマー]
前記樹脂塗工層としては、以下の理由により、水分散性ポリマー、水溶性ポリマー等の水系ポリマーを用いて形成されることが好ましい。即ち、前記水系ポリマーは、塗布乾燥工程での有機溶剤の排出がなく、環境適性、作業性に優れ、また、後述する画像記録層、特にトナー受像層に配合される離型剤等の溶媒として好適であり、また、該離型剤が前記樹脂塗工層の塗布乾燥工程で表面にブリーディングし易く、離型剤の効果を得やすく、更に、水分散形態の方が安定でかつ製造工程適性に優れる。
前記水系ポリマーとしては、以下の理由により、自己分散型水系ポリエステルエマルジョン、又は水分散アクリル樹脂がより好ましい。即ち、前記自己分散型水系ポリエステルエマルジョン、又は水分散アクリル樹脂は、界面活性剤を使用しない自己分散型なので高湿雰囲気でも吸湿性が低く、水分による軟化点低下が少なく、前記樹脂塗工層の定着時のオフセット発生や、保存時のシート間接着誇張等の発生を抑制でき、更に、凝集エネルギーが高い分子構造をとりやすいポリエステル樹脂を用いているので、保存環境では十分な硬度を有しながら、前記画像記録層としてトナー受像層を用いた電子写真の定着工程では低弾性(低粘性)の溶融状態となり、トナーが受像層に埋め込まれて十分な高画質が達成可能である。
前記水系ポリマーは、その組成、結合構造、分子構造、分子量、分子量分布、形態を特定するものではない。前記水系の熱可塑性樹脂の水系化基の例としては、スルホン酸基、水酸基、カルボン酸基、アミノ基、アミド基、エーテル基などが挙げられる。
水分散性ポリマーとしては、水分散アクリル樹脂、水分散ポリエステル樹脂、水分散ポリスチレン系樹脂、水分散ウレタン樹脂等の水分散型樹脂;アクリル樹脂エマルジョン、ポリ酢酸ビニルエマルジョン、SBR(スチレン・ブタジエン・ゴム)エマルジョン等の水分散性エマルジョン;エステル結合を有する樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリビニルブチラール、ポリカプロラクトン樹脂、ポリオレフィン樹脂等の熱可塑性樹脂を水分散した樹脂やエマルジョン;これらの共重合体、混合物、及びカチオン変性のもの等の中から適宜選択し、2種以上を組み合わせることができる。
前記水分散性エマルジョンとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、水分散性ポリウレタンエマルジョン、水分散性ポリエステルエマルジョン、クロロプレン系エマルジョン、スチレン−ブタジエン系エマルジョン、ニトリル−ブタジエン系エマルジョン、ブタジエン系エマルジョン、塩化ビニル系エマルジョン、ビニルピリジン−スチレン−ブタジエン系エマルジョン、ポリブテン系エマルジョン、ポリエチレン系エマルジョン、酢酸ビニル系エマルジョン、エチレン−酢酸ビニル系エマルジョン、塩化ビニリデン系エマルジョン、メチルメタクリレート−ブタジエン系エマルジョン、などが挙げられる。これらの中でも水分散性ポリエステルエマルジョンがより好ましい。
前記水分散性ポリマーの市販品としては、例えば、ポリエステル系では東洋紡製バイロナールシリーズや、高松油脂製ペスレジンAシリーズ、花王製タフトンUEシリーズ、日本合成ポリエスターWRシリーズ、ユニチカ製エリエールシリーズ、アクリル系では星光化学工業製ハイロスXE、KE、PEシリーズ、日本純薬製ジュリマーETシリーズ等が挙げられる。
水溶性ポリマーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリビニルアルコール、カルボキシ変性ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、セルロースサルフェート、ポリエチレンオキサイド、ゼラチン、カチオン化澱粉、カゼイン、ポリアクリル酸ナトリウム、スチレン−無水マレイン酸共重合体ナトリウム塩、ポリスチレンスルホン酸ナトリウム、などが挙げられるが、これらの中でも、ポリエチレンオキサイドが好ましい。
また、前記水溶性ポリマーとして、リサーチ・ディスクロージャー17,643号の26頁、同18,716号の651頁、同307,105号の873〜874頁及び特開昭64−13546号公報の(71)頁〜(75)頁に記載されたものが挙げられる。
具体的には、例えば、ビニルピロリドン−酢酸ビニル共重合体、スチレン−ビニルピロリドン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、水溶性ポリエステル、水溶性アクリル、水溶性ポリウレタン、水溶性ナイロン、水溶性エポキシ樹脂を使用することができ、また、ゼラチンとして、種々の目的に応じて石灰処理ゼラチン、酸処理ゼラチン、カルシウム等の含有量を減らした所謂脱灰ゼラチンから選択でき、それらを組み合わせて用いることも好ましい。
前記水溶性ポリエステルの市販品として、例えば、瓦応化学工業株式会社製の各種プラスコート;大日本インキ化学工業株式会社製ファインテックスESシリーズ;水溶性アクリルとして日本純薬株式会社製ジュリマーATシリーズ;大日本インキ化学工業株式会社製ファインテックス6161、K−96;星光化学工業製ハイロスNL−1189、BH−997L等が挙げられる。
前記樹脂塗工層における前記水系ポリマーの含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記樹脂塗工層の質量に基づいて、20質量%以上が好ましく、30〜100質量%がより好ましい。
なお、前記樹脂塗工層用の前記熱可塑性樹脂としては、特開平5−127413号公報、特開平8−194394号公報、同8−334915号公報、同8−334916号公報、同9−171265号公報、同10−221877号公報等に開示されている物性等を満足するものが好ましく用いられる。
前記樹脂塗工層に含有する前記その他の成分としては、前記樹脂塗工層の機能を害さない限り、架橋剤、UV若しくはEB硬化剤、例えば、可塑剤、滑り剤、離型剤、着色剤、フィラー、帯電制御剤、乳化剤、分散剤等の添加剤などを任意に配合することができる。
−電子写真材料−
前記電子写真材料は、前記支持体上に、少なくとも、前記画像記録層としての前記トナー受像層を有してなり、必要に応じて、適宜選択したその他の層を有する。また、これらの各層は単層構造であってもよいし、積層構造であってもよい。
[トナー受像層]
前記トナー受像層は、カラートナーや黒トナーを受容し、画像を形成するための層である。該トナー受像層は、画像形成装置における転写工程において、(静)電気、圧力等にて現像ドラム或いは中間転写体より画像を形成するトナーを受容し、定着工程にて熱、圧力等にて固定化する機能を有する。
前記トナー受像層の光透過率としては、前記電子写真材料を写真に近い感触とする点で、78%以下が好ましく、73%以下がより好ましく、72%以下が更に好ましい。
ここで、前記光透過率は、別途ポリエチレンテレフタレートフィルム(100μm)上に厚みの同じ塗布膜を形成し、その塗布膜について、直読ヘイズメーター(スガ試験機HGM−2DP)を用いて測定することができる。
前記トナー受像層の定着温度における画像形成装置の定着部材との180度剥離強さは、0.1N/25mm以下が好ましく、0.041N/25mm以下がより好ましい。なお、前記180度剥離強さは、定着部材の表面素材を用い、JIS K6887に記載の方法に準拠して測定することができる。
前記トナー受像層は白色度が高いことが好ましい。該白色度としては、JIS P 8123に規定される方法で測定して、85%以上が好ましい。また、440nm〜640nmの波長域で、分光反射率が85%以上、かつ同波長域の最大分光反射率と最低分光反射率の差は5%以内が好ましい。更には、400nm〜700nmの波長域で分光反射率は85%以上が好ましく、かつ同波長域の最大分光反射率と最低分光反射率の差は5%以内がより好ましい。
前記トナー受像層の前記白色度としては、具体的には、CIE 1976(L)色空間において、L値は80以上が好ましく、85以上がより好ましく、90以上が更に好ましい。また、前記白色の色味はできるだけニュートラルであるのが好ましい。白色色味としては、L空間において、(a+(bの値は50以下が好ましく、18以下がより好ましく、5以下が更に好ましい。
前記トナー受像層は、画像形成後の光沢性が高いことが好ましい。該光沢度としては、トナーが無い白色から最大濃度の黒色までの全領域において、45度光沢度は60以上が好ましく、110以下がより好ましく、下限値については、75以上がより好ましく、90以上が更に好ましい。
前記光沢度が110を超えると金属光沢のようになり画質として好ましくない。なお、前記光沢度は、JIS Z 8741に基づいて測定することができる。
前記トナー受像層は、定着後に平滑性が高いことが好ましい。該平滑度としては、トナーが無い白色から最大濃度の黒色までの全領域において、算術平均粗さ(Ra)は3μm以下が好ましく、1μm以下がより好ましく、0.5μm以下が更に好ましい。
なお、算術平均粗さは、JIS B 0601、B 0651、B 0652に基づいて測定することができる。
前記トナー受像層は、以下の項目における1項目の物性を有するのが好ましく、複数の項目の物性を有するのがより好ましく、全ての項目の物性を有するのが更に好ましい。
(1)トナー受像層のTm(溶融温度)は30℃以上が好ましく、トナーのTm+20℃以下が好ましい。
(2)トナー受像層の粘度が1×10cpになる温度は、40℃以上が好ましく、トナーのそれより低いことが好ましい。
(3)トナー受像層の定着温度における貯蔵弾性率(G’)が、1×10〜1×10Pa、損失弾性率(G”)が、1×102〜1×10Paが好ましい。
(4)トナー受像層の定着温度における損失弾性率(G”)と、貯蔵弾性率(G’)との比である損失正接(G”/G’)は、0.01〜10が好ましい。
(5)トナー受像層の定着温度における貯蔵弾性率(G’)が、トナーの定着温度における貯蔵弾性率(G’)に対して、−50〜+2500が好ましい。
(6)溶融トナーのトナー受像層上の傾斜角が、50度以下が好ましく、40度以下がより好ましい。
また、トナー受像層としては、特許第2788358号公報、特開平7−248637号公報、特開平8−305067号公報、特開平10−239889号公報等に開示されている物性等を満足するものが好ましい。
前記トナー受像層としては、1×10〜1×1015Ω/cmの範囲(25℃、65%RHの条件にて)の表面電気抵抗を有するのが好ましい。
前記表面抵抗が1×10Ω/cm未満であると、トナー受像層にトナーが転写される際のトナー量が充分でなく、得られるトナー画像の濃度が低くなり易いことがある。一方、表面電気抵抗が、1×1015Ω/cmを超えると、転写時に必要以上の電荷が発生し、トナーが充分に転写されず、画像の濃度が低く、電子写真用受像シートの取り扱い中に静電気を帯びて塵埃が付着し易くなる。また、複写時にミスフィード、重送、放電マーク、トナー転写ヌケ等が発生することがある。
なお、前記表面電気抵抗の測定は、JIS K 6911に準拠し、サンプルを温度20℃、湿度65%の環境下に8時間以上調湿し、同じ環境下で、アドバンテスト(株)製R8340を使用し、印加電圧100Vの条件で、通電して1分間経過した後に測定することで得られる。
前記トナー受像層は、前記樹脂塗工層であることが好ましい。前記トナー受像層としての前記樹脂塗工層には、トナー受像層用ポリマーを少なくとも含有し、必要に応じてその他の成分を含有する。
<トナー受像層用ポリマー>
前記トナー受像層用ポリマーは、前記トナー受像層を形成した状態で前記トナー受像層の上記各物性を満足できるものであれば、前記ポリマーを2種以上併用して上記各物性を満足するものでもよく、ポリマー単独で前述のトナー受像層の物性を満足できるものでもより。
また、前記トナー受像層用ポリマーは、トナーに用いられている熱可塑性樹脂に比べて分子量が大きいものが好ましい。ただし、該分子量はトナーに用いられている前記熱可塑性樹脂と、前記トナー受像層用ポリマーとの熱力学的特性の関係によっては、必ずしも前述の分子量の関係が好ましいとは限らない。例えば、トナーに用いられている熱可塑性樹脂より、前記トナー受像層用ポリマーの軟化温度の方が高い場合、分子量は同等か、前記トナー受像層に用いられている樹脂の方が小さいことが好ましい場合がある。
また、前記トナー受像層用ポリマーは、同一組成の樹脂であって互いに平均分子量が異なるものを混合して用いることが好ましい。なお、トナーに用いられている熱可塑性樹脂の分子量との関係としては、特開平8−334915号公報に開示されている関係が好ましい。更に、前記トナー受像層用ポリマーの分子量分布は、前記トナーに用いられている熱可塑性樹脂の分子量分布よりも広いものが好ましい。前記トナー受像層用ポリマーとしては、特開平5−127413号公報、特開平8−194394号公報、特開平8−334915号公報、特開平8−334916号公報、特開平9−171265号公報、特開平10−221877号公報等に開示されている物性等を満足するものが好ましい。
前記トナー受像層用ポリマーは、後述する中間層用ポリマーに対して、以下の特性(1)〜(5)を有することが好ましい。
(1)トナー受像層用ポリマーの軟化温度(Ts)が、後述する中間層用ポリマーのそれよりも、10℃以上、特に好ましくは、20℃以上高い。このように軟化温度を調整することにより、光沢性をコントロールすることができる。なお、軟化温度の測定は、例えば、JIS K 7210に規定される方法によって行うことができる。
(2)トナー受像層用ポリマーのT1/2(1/2法軟化点)が、後述する中間層用ポリマーのそれよりも、10℃以上、特に好ましくは、20℃以上高い。このように1/2法軟化点を調整することにより、光沢性をコントロールすることができる。
(3)トナー受像層用ポリマーのTfb(流出開始温度)が、後述する中間層用ポリマーのそれよりも、10℃以上、特に好ましくは、20℃以上高い。このようにTfbを調整することにより、光沢性をコントロールすることができる。
(4)トナー受像層用ポリマーの定着温度での粘度が、後述する中間層用ポリマーのそれよりも、3倍以上、特に好ましくは、10倍以上高い。このように粘度を調整することにより、光沢性をコントロールすることができる。
(5)トナー受像層用ポリマーの定着温度における貯蔵弾性率(G’)が、後述する中間層用ポリマーのそれよりも、3倍以上、特に好ましくは、10倍以上高い。このように貯蔵弾性率(G’)を調整することにより、光沢性をコントロールすることができる。
(6)トナー受像層用ポリマーの定着温度における損失弾性率(G”)が、後述する中間層用ポリマーのそれよりも、3倍以上、特に好ましくは、10倍以上高い。このように損失弾性率(G”)を調整することにより、光沢性をコントロールすることができる。
更に、トナー受像層用ポリマーの数平均分子量は、後述する中間層用ポリマーのそれよりも、例えば、1000〜100000、特に、1000〜10000小さいことが好ましい。このように調整することにより、光沢性をコントロールすることができる。
また、トナー受像層用ポリマーの分子量分布は、後述する中間層用ポリマーのそれよりも、例えば、0.2〜5狭いことが好ましい。このように調整することにより、光沢性をコントロールすることができる。
前記トナー受像層用ポリマーとしては、定着時等の温度条件下で変形可能であり、トナーを受容し得るものであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、トナーのバインダー樹脂と同系の樹脂が好ましい。前記トナー受像層用ポリマーとしては、前記トナーがポリエステル樹脂、スチレン、スチレン−ブチルアクリレートなどの共重合樹脂が用いられていることから、例えば、ポリエステル樹脂、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体などの熱可塑性樹脂が好適に挙げられる。
前記熱可塑性樹脂の具体例としては、前記画像記録層を形成する前記樹脂塗工層として例示した、エステル結合を有する樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリカプロラクトン樹脂、ポリオレフィン樹脂などが挙げられる。
前記トナー受像層用ポリマーは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよく、これらに加えて、これらの混合物、これらの共重合体等も使用することができる。
前記トナー受像層用ポリマーとしては、(i)塗布乾燥工程での有機溶剤の排出がなく、環境適性、作業適性に優れている。(ii)ワックス等の離型剤は、室温では溶剤に溶解し難いものが多く、使用に際して予め溶媒(水、有機溶剤)に分散することが多い。また、水分散形態の方が安定で、かつ、製造工程適性に優れる。更に、水系塗布の方が塗布乾燥の過程でワックスが表面にブリーディングし易く、離型剤の効果(耐オフセット性、耐接着性等)が得やすい。という理由から、水分散性ポリマー及び水溶性ポリマー等の水系の樹脂が好適に用いられる。
前記水系の樹脂としては、水分散性ポリマー及び水溶性ポリマーのいずれかであれば、その組成、結合構造、分子構造、分子量、分子量分布、形態などについて特に制限するものではなく、目的に応じて適宜選択することができ、前記ポリマーの水系化基としては、例えば、スルホン酸基、水酸基、カルボン酸基、アミノ基、アミド基、エーテル基等が挙げられる。
前記水分散性ポリマーとしては、例えば、前記画像記録層の樹脂塗工層におけるポリマー(1)〜(9)を水分散した樹脂、エマルジョン、これらの共重合体、混合物、及びカチオン変性物の中から適宜選択し、2種以上を組み合わせることができる。
前記水分散性ポリマーは、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。該市販品としては、例えば、ポリエステル系の水分散性ポリマーとしては、東洋紡績株式会社製のバイロナールシリーズ、高松油脂株式会社製のペスレジンAシリーズ、花王株式会社製のタフトンUEシリーズ、日本合成化学工業株式会社製のポリエスターWRシリーズ、ユニチカ株式会社製のエリエールシリーズ等が挙げられる。アクリル系の水分散性ポリマーとしては、星光化学工業株式会社製のハイロスXE、KE、PEシリーズ、日本純薬株式会社製のジュリマーETシリーズ等が挙げられる。
前記水分散性エマルジョンとしては、体積平均粒径が20nm以上であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、水分散性ポリウレタンエマルジョン、水分散性ポリエステルエマルジョン、クロロプレン系エマルジョン、スチレン−ブタジエン系エマルジョン、ニトリル−ブタジエン系エマルジョン、ブタジエン系エマルジョン、塩化ビニル系エマルジョン、ビニルピリジン−スチレン−ブタジエン系エマルジョン、ポリブテン系エマルジョン、ポリエチレン系エマルジョン、酢酸ビニル系エマルジョン、エチレン−酢酸ビニル系エマルジョン、塩化ビニリデン系エマルジョン、メチルメタクリレート−ブタジエン系エマルジョン等が挙げられる。これらの中でも、水分散性ポリエステルエマルジョンが特に好ましい。
前記水分散性ポリエステルエマルジョンとしては、自己分散型水系ポリエステルエマルジョンであることが好ましく、これらの中でも、カルボキシル基含有自己分散型水系ポリエステル樹脂エマルジョンが特に好ましい。ここで、前記自己分散型水系ポリエステルエマルジョンとは、乳化剤等を用いることなく、水系溶媒中に自己分散し得るポリエステル樹脂を含む水系エマルジョンを意味する。また、前記カルボキシル基含有自己分散型水系ポリエステル樹脂エマルジョンとは、親水性基としてカルボキシル基を含有し、水系溶媒中に自己分散し得るポリエステル樹脂を含む水系エマルジョンを意味する。
前記自己分散型の水分散性ポリエステルエマルジョンとしては、下記(1)〜(4)の特性を満たすものが好ましい。これは、界面活性剤を使用しない自己分散型なので、高湿雰囲気でも吸湿性が低く、水分による軟化点低下が少なく、定着時のオフセット発生、保存時のシート間接着故障の発生を抑制できる。また、水系であるため環境性、作業性に優れている。更に、凝集エネルギーが高い分子構造をとりやすいポリエステル樹脂を用いているので、保存環境では十分な硬度を有しながら、電子写真の定着工程では低弾性(低粘性)の溶融状態となり、トナーが受像層に埋め込まれて十分な高画質が達成可能となる。
(1)数平均分子量(Mn)は、5000〜10000が好ましく、5000〜7000がより好ましい。
(2)分子量分布(重量平均分子量/数平均分子量)は、4以下が好ましく、Mw/Mn≦3がより好ましい。
(3)ガラス転移温度(Tg)は、40〜100℃が好ましく、50〜80℃がより好ましい。
(4)体積平均粒子径は、20〜200nmが好ましく、40〜150nmがより好ましい。
前記水分散性エマルジョンの前記トナー受像層における含有量は、10〜90質量%が好ましく、10〜70質量%がより好ましい。
前記水溶性ポリマーとしては、重量平均分子量(Mw)が400,000以下であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよく、例えば、ポリビニルアルコール、カルボキシ変性ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、セルロースサルフェート、ポリエチレンオキサイド、ゼラチン、カチオン化澱粉、カゼイン、ポリアクリル酸ナトリウム、スチレン−無水マレイン酸共重合体ナトリウム、ポリスチレンスルホン酸ナトリウム、等が挙げられるが、これらの中でも、ポリエチレンオキサイドが好ましい。
前記水溶性ポリマーの市販品としては、水溶性ポリエステルとして瓦応化学工業株式会社製の各種プラスコート、大日本インキ化学工業株式会社製のファインテックスESシリーズ、水溶性アクリルとして日本純薬株式会社製のジュリマーATシリーズ、大日本インキ化学工業製ファインテックス6161、K−96;星光化学工業株式会社製のハイロスNL−1189、BH−997L等が挙げられる。
また、前記水溶性ポリマーとしては、リサーチ・ディスクロージャー17,643号の26頁、リサーチ・ディスクロージャー18,716号の651頁、リサーチ・ディスクロージャー307,105号の873〜874頁、及び特開昭64−13546号公報に記載されたものが挙げられる。
前記水溶性ポリマーの前記トナー受像層における含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、0.5〜2g/mが好ましい。
前記熱可塑性樹脂は、他のポリマー材料と併用することもできるが、その場合、他のポリマー材料よりも、一般に含有量は多くなるように使用される。
前記トナー受像層は、前記水分散性エマルジョン及び前記水溶性ポリマーの少なくともいずれか一方を単独で使用してもよく、両方を併用してもよい。
前記水分散性エマルジョン及び前記水溶性ポリマーを併用するトナー受像層用塗布液における前記水溶性ポリマーの吸着量は2質量%未満であることが好ましい。
前記水溶性ポリマーの吸着量が、2質量%を超えると、前記水分散性エマルジョンと、前記水溶性ポリマーとを含有する受像層用塗布液に凝集が生じることがある。
前記水溶性ポリマーの吸着量は、前記水分散性エマルジョンと、前記水溶性ポリマーとを混合(水分散性エマルジョン:水溶性ポリマー=100:17(質量比))し、遠心分離後の上澄み液中に溶解している水溶性ポリマー(ポリエチレンオキサイド)の量をNMRにより定量し、ポリエチレンオキサイドの添加量からポリエチレンオキサイドの吸着量(質量%)を求めることができる。なお、前記吸着量が2〜5質量%の場合には、枯渇凝集が生じており、前記吸着量が30質量%以上の場合には吸着又は架橋による凝集が生じていることを意味する。
前記水分散性エマルジョン及び前記水溶性ポリマーを併用する場合における前記水分散性エマルジョンと前記水溶性ポリマーとの質量比(水分散性エマルジョン:水溶性ポリマー)としては、1:0.01〜1が好ましく、1:0.1〜1がより好ましい。
前記トナー受像層用ポリマーの前記トナー受像層における含有量としては、10質量%以上が好ましく、30質量%以上がより好ましく、50質量%以上が更に好ましく、50〜90質量%が特に好ましい。
<その他の成分>
前記トナー受像層に含有する前記その他の成分としては、離型剤、可塑剤、着色剤、フィラー、架橋剤、帯電制御剤、その他の添加剤などが上げられる。
前記離型剤は、前記トナー受像層のオフセットを防ぐため、前記トナー受像層に配合される。本発明で使用される離型剤は、定着温度において加熱して融解し、前記トナー受像層表面に析出してトナー受像層表面に偏在し、更に、冷却され固化されることによってトナー受像層表面に離型剤材料の層を形成するものであれば、その種類は特に限定はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記離型剤としては、シリコーン化合物、フッ素化合物、ワックス及びマット剤から選択される少なくとも1種が挙げられる。
前記離型剤としては、例えば、幸書房「改訂 ワックスの性質と応用」、日刊工業新聞社発行のシリコーンハンドブック記載の化合物を用いることができる。また、特公昭59−38581号、特公平4−32380号、特許第2838498号、特許第2949558号、特開昭50−117433号、特開昭52−52640号、特開昭57−148755号、特開昭61−62056号、特開昭61−62057号、特開昭61−118760号、特開平2−42451号、特開平3−41465号、特開平4−212175号、特開平4−214570号、特開平4−263267号、特開平5−34966号、特開平5−119514号、特開平6−59502号、特開平6−161150号、特開平6−175396号、特開平6−219040号、特開平6−230600号、特開平6−295093号、特開平7−36210号、特開平7−43940号、特開平7−56387号、特開平7−56390号、特開平7−64335号、特開平7−199681号、特開平7−223362号、特開平7−287413号、特開平8−184992号、特開平8−227180号、特開平8−248671号、特開平8−248799号、特開平8−248801号、特開平8−278663号、特開平9−152739号、特開平9−160278号、特開平9−185181号、特開平9−319139号、特開平9−319143号、特開平10−20549号、特開平10−48889号、特開平10−198069号、特開平10−207116号、特開平11−2917号、特開平11−44969号、特開平11−65156号、特開平11−73049号、特開平11−194542号の各公報に記載のトナーに用いられているシリコーン系化合物、フッ素化合物又はワックス(ただし、天然ワックスを除く)も好ましく用いることができる。また、これら化合物を複数組み合わせて使用することもできる。
前記シリコーン系化合物としては、例えば、シリコーンオイル、シリコーンゴム、シリコーン微粒子、シリコーン変性樹脂、反応性シリコーン化合物などが挙げられる。
前記シリコーンオイルとしては、例えば、無変性シリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイル、カルボキシ変性シリコーンオイル、カルビノール変性シリコーンオイル、ビニル変性シリコーンオイル、エポキシ変性シリコーンオイル、ポリエーテル変性シリコーンオイル、シラノール変性シリコーンオイル、メタクリル変性シリコーンオイル、メルカプト変性シリコーンオイル、アルコール変性シリコーンオイル、アルキル変性シリコーンオイル、フッ素変性シリコーンオイルなどが挙げられる。
前記シリコーン変性樹脂としては、例えば、オレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、ビニル樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、フェノキシ樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、スチレン−アクリル樹脂、又はこれらの共重合樹脂をシリコーン変性した樹脂等が挙げられる。
前記フッ素化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、フッ素オイル、フッ素ゴム、フッ素変性樹脂、フッ素スルホン酸化合物、フルオロスルホン酸、フッ素酸化合物又はその塩、無機フッ化物などが挙げられる。
前記ワックスとしては、天然ワックスと合成ワックスに大別することができる。
前記天然ワックスとしては、植物系ワックス、動物系ワックス、鉱物系ワックス及び石油ワックスから選択される少なくともいずれかが好ましく、これらの中でも、植物系ワックスが特に好ましい。前記天然ワックスとしては、特に、前記トナー受像層用ポリマーとして水系樹脂を用いた場合の相溶性等の点で、水分散型ワックスが好ましい。
前記植物系ワックスとしては、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、市販品であってもよいし、適宜合成したものであってもよい。該植物系ワックスとしては、例えば、カルナバワックス、ヒマシ油、ナタネ油、大豆油、木ろう、綿ろう、ライスワックス、サトウキビワックス、キャンデリラワックス、ジャパンワックス、ホホバ油等が挙げられる。
前記カルナバワックスの市販品としては、例えば、日本精鑞株式会社製のEMUSTAR−0413、中京油脂株式会社製のセロゾール524等が挙げられる。前記ヒマシ油の市販品としては、伊藤製油株式会社製の精製ヒマシ油等が挙げられる。
これらの中でも、特に、耐オフセット性、耐接着性、通紙性、光沢感が優れ、ひび割れが生じ難く、高画質の画像を形成可能な電子写真用受像シートを提供可能である点で、融点が70〜95℃のカルナバワックスが特に好ましい。
前記動物系ワックスとしては、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、蜜蝋、ラノリン、鯨蝋、ステ蝋(鯨油)、羊毛蝋等が挙げられる。
前記鉱物系ワックスとしては、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、市販品であってもよいし、適宜合成したものであってもよい。例えば、モンタンワックス、モンタン系エステルワックス、オゾケライト、セレシン等が挙げられる。
これらの中でも、特に、耐オフセット性、耐接着性、通紙性、光沢感が優れ、ひび割れが生じ難く、高画質の画像を形成可能な電子写真用受像シートを提供可能である点で、融点が70〜95℃のモンタンワックスが特に好ましい。
前記石油ワックスとしては、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、市販品であってもよいし、適宜合成したものであってもよい。例えば、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ペトロラタムなどが挙げられる。
前記天然ワックスの前記トナー受像層における含有量は、0.1〜4g/mが好ましく、0.2〜2g/mがより好ましい。
前記含有量が0.1g/m未満であると、耐オフセット性、耐接着性が特に不充分となることがあり、4g/mを超えると、ワックス量が多過ぎ、形成される画像の画質が劣ることがある。
前記天然ワックスの融点(℃)としては、耐オフセット性、及び、通紙性の点から70〜95℃が好ましく、75〜90℃がより好ましい。
前記合成ワックスは、合成炭化水素、変性ワックス、水素化ワックス、その他の油脂系合成ワックスに分類される。これらワックスは、前記トナー受像層の熱可塑性樹脂として水系の熱可塑性樹脂を用いた場合の相溶性等の点で水分散型ワックスが好ましい。
前記合成炭化水素としては、例えば、フィッシャートロプシュワックス、ポリエチレンワックス、などが挙げられる。
前記油脂系合成ワックスとしては、例えば、酸アミド化合物(例えばステアリン酸アミド等)、酸イミド化合物(例えば無水フタル酸イミド等)、などが挙げられる。
前記変性ワックスとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アミン変性ワックス、アクリル酸変性ワックス、フッ素変性ワックス、オレフィン変性ワックス、ウレタン型ワックス、アルコール型ワックスなどが挙げられる。
前記水素化ワックスとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、硬化ひまし油、ヒマシ油誘導体、ステアリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ベヘニン酸、セバシン酸、ウンデシレン酸、ヘプチル酸、マレイン酸、高度マレイン化油、などが挙げられる。
前記マット剤としては、特に制限はなく、種々の公知のものが挙げられる。マット剤として用いられる固体粒子は、無機粒子と有機粒子とに分類できる。無機マット剤の材料としては、具体的には、酸化物(例えば、二酸化ケイ素、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム)、アルカリ土類金属塩(例えば、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、硫酸マグネシウム)、ハロゲン化銀(例えば、塩化銀、臭化銀)、ガラスが挙げられる。
前記無機マット剤としては、例えば、西独特許第2529321号、英国特許第760775号、同第1260772号、米国特許第1201905号、同第2192241号、同第3053662号、同第3062649号、同第3257206号、同第3322555号、同第3353958号、同第3370951号、同第3411907号、同第3437484号、同第3523022号、同第3615554号、同第3635714号、同第3769020号、同第4021245号、同第4029504号の各明細書に記載されたものが挙げられる。
前記有機マット剤の材料には、デンプン、セルロースエステル(例えば、セルロースアセテートプロピオネート)、セルロースエーテル(例えば、エチルセルロース)及び合成樹脂が含まれる。合成樹脂は、水不溶性又は水難溶性であることが好ましい。水不溶性又は水難溶性の合成樹脂の例には、ポリ(メタ)アクリル酸エステル(例えば、ポリアルキル(メタ)アクリレート、ポリアルコキシアルキル(メタ)アクリレート、ポリグリシジル(メタ)アクリレート)、ポリ(メタ)アクリルアミド、ポリビニルエステル(例えば、ポリ酢酸ビニル)、ポリアクリロニトリル、ポリオレフィン(例えば、ポリエチレン)、ポリスチレン、ベンゾグアナミン樹脂、ホルムアルデヒド縮合ポリマー、エポキシ樹脂、ポリアミド、ポリカーボネート、フェノール樹脂、ポリビニルカルバゾール、ポリ塩化ビニリデンなどが挙げられる。
以上のポリマーに使用されるモノマーを組み合わせたコポリマーを用いてもよい。
前記コポリマーの場合、少量の親水性の繰り返し単位が含まれていてもよい。親水性の繰り返し単位を形成するモノマーの例には、アクリル酸、メタクリル酸、α,β−不飽和ジカルボン酸、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、スルホアルキル(メタ)アクリレート、スチレンスルホン酸が含まれる。
有機マット剤としては、例えば、英国特許第1055713号、米国特許第1939213号、同第2221873号、同第2268662号、同第2322037号、同第2376005号、同第2391181号、同第2701245号、同第2992101号、同第3079257号、同第3262782号、同第3443946号、同第3516832号、同第3539344号、同第3591379号、同第3754924号、同第3767448号の各明細書、特開昭49−106821号公報、特開昭57−14835号公報に記載されたものが挙げられる。
また、二種類以上の固体粒子を併用してもよい。固体粒子の平均粒径は、例えば、1〜100μmが好ましく、4〜30μmがより好ましい。固体粒子の使用量は、0.01〜0.5g/mが好ましく、0.02〜0.3g/mがより好ましい。
前記離型剤の融点(℃)としては、特に耐オフセット性、及び、通紙性の点で、70〜95℃が好ましく、75〜90℃がより好ましい。
なお、前記トナー受像層に添加される離型剤としては、これらの誘導体、酸化物、精製品、混合物を用いることもできる。これらは、反応性の置換基を有していてもよい。
前記離型剤の含有量は、前記トナー受像層の質量を基準として0.1〜10質量%が好ましく、0.3〜8.0質量%がより好ましく、0.5〜5.0質量%が更に好ましい。
前記含有量が0.1質量%未満であると、耐オフセット性及び耐接着性が不十分となることがあり、10質量%を超えると、離型剤の量が多すぎて形成される画像の画質が低下することがある。
−可塑剤−
前記可塑剤としては、特に制限はなく、公知の樹脂用の可塑剤を目的に応じて適宜選択することができる。該可塑剤は、前記トナーを定着する時の熱又は圧力によって、前記トナー受像層が流動又は柔軟化するのを調整する機能を有する。
前記可塑剤としては、「化学便覧」(日本化学会編、丸善)、「可塑剤−その理論と応用−」(村井孝一編著、幸書房)、「可塑剤の研究 上」「可塑剤の研究 下」(高分子化学協会編)、「便覧 ゴム・プラスチック配合薬品」(ラバーダイジェスト社編)等を参考にして選択することができる。
前記可塑剤としては、高沸点有機溶剤や熱溶剤等として記載されているものもあるが、例えば、特開昭59−83154号、特開昭59−178451号、特開昭59−178453号、特開昭59−178454号、特開昭59−178455号、特開昭59−178457号、特開昭62−174754号、特開昭62−245253号、特開昭61−209444号、特開昭61−200538号、特開昭62−8145号、特開昭62−9348号、特開昭62−30247号、特開昭62−136646号、特開平2−235694号等の各公報に記載されているようなエステル類(例えば、フタル酸エステル類、リン酸エステル類、脂肪酸エステル類、アビエチン酸エステル類、アジピン酸エステル類、セバシン酸エステル類、アゼライン酸エステル類、安息香酸エステル類、酪酸エステル類、エポキシ化脂肪酸エステル類、グリコール酸エステル類、プロピオン酸エステル類、トリメリット酸エステル類、クエン酸エステル類、スルホン酸エステル類、カルボン酸エステル類、コハク酸エステル類、マレイン酸エステル類、フマル酸エステル類、フタル酸エステル類、ステアリン酸エステル類等)、アミド類(例えば、脂肪酸アミド類、スルホアミド類等)、エーテル類、アルコール類、ラクトン類、ポリエチレンオキシ類等の化合物が挙げられる。
これら可塑剤は、樹脂に混合して使用することができる。
更に前記可塑剤としては、比較的低分子量のポリマーを用いることができる。該可塑剤の分子量としては、可塑化されるべきバインダー樹脂の分子量より低いものが好ましく、分子量は15000以下が好ましく、5000以下がより好ましい。また、ポリマー可塑剤の場合、可塑化されるべきバインダー樹脂と同種のポリマーであるのが好ましい。例えば、ポリエステル樹脂の可塑化には、低分子量のポリエステルが好ましい。更にオリゴマーも可塑剤として用いることができる。
上記に挙げた化合物以外にも市販品としては、例えば、アデカサイザーPN−170、PN−1430(いずれも旭電化工業株式会社製)、PARAPLEX−G−25、G−30、G−40(いずれもC.P.HALL社製)、エステルガム8L−JA、エステルR−95、ペンタリン4851、FK115、4820、830、ルイゾール28−JA、ピコラスチックA75、ピコテックスLC、クリスタレックス3085(いずれも理化ハーキュレス社製)等が挙げられる。
前記可塑剤は、トナー粒子が前記トナー受像層に埋め込まれる際に生じる応力や歪み(弾性力や粘性等の物理的な歪み、分子やバインダー主鎖やペンダント部分等の物質収支による歪みなど)を緩和するために任意に使用することができる。
前記可塑剤は、前記トナー受像層中において、ミクロに分散された状態でもよいし、海島状にミクロに相分離した状態でもよいし、バインダー等の他の成分と充分に混合溶解した状態でもよい。
前記可塑剤の、前記トナー受像層における含有量は、0.001〜90質量%が好ましく、0.1〜60質量%がより好ましく、1〜40質量%が更に好ましい。
前記可塑剤は、スベリ性(摩擦力低下による搬送性向上)の調整や、定着部オフセット(定着部へのトナーや層の剥離)の改良、カールバランスの調整、帯電調整(トナー静電像の形成)等の目的で使用してもよい。
−着色剤−
前記着色剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、蛍光増白剤、白色顔料、有色顔料、染料等が挙げられる。
前記蛍光増白剤は、近紫外部に吸収を持ち、400〜500nmに蛍光を発する公知の化合物であれば特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、K.VeenRataraman編“The Chemistry of Synthetic Dyes”V巻8章に記載されている化合物などが好適に挙げられる。前記蛍光増白剤としては、市販品であってもよいし、適宜合成したものであってもよく、例えば、スチルベン系化合物、クマリン系化合物、ビフェニル系化合物、ベンゾオキサゾリン系化合物、ナフタルイミド系化合物、ピラゾリン系化合物、カルボスチリル系化合物等が挙げられる。該市販品としては、例えばホワイトフルファーPSN、PHR、HCS、PCS、B(いずれも住友化学株式会社製)、UVITEX−OB(Ciba−Geigy社製)等が挙げられる。
前記白色顔料としては、特に制限はなく、公知のものの中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、酸化チタン、炭酸カルシウム等の無機顔料が好適である。
前記有色顔料としては、特に制限はなく、公知のものの中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、特開昭63−44653号公報等に記載されている各種顔料、アゾ顔料、多環式顔料、縮合多環式顔料、レーキ顔料、カーボンブラック等が挙げられる。
前記アゾ顔料としては、例えば、アゾレーキ(例えばカーミン6B、レッド2B等)、不溶性アゾ顔料(例えばモノアゾイエロー、ジスアゾイエロー、ピラゾロオレンジ、バルカンオレンジ等)、縮合アゾ系顔料(例えばクロモフタルイエロー、クロモフタルレッド)等が挙げられる。
前記多環式顔料としては、例えば、フタロシアニン系顔料では、銅フタロシアニンブルー、銅フタロシアニングリーン等が挙げられる。
前記縮合多環式顔料としては、ジオキサジン系顔料(ジオキサジンバイオレット等)、イソインドリノン系顔料(イソインドリノンイエロー等)、スレン系顔料、ペリレン系顔料、ペリノン系顔料、チオインジゴ系顔料、等が挙げられる。
前記レーキ顔料としては、例えば、マラカイトグリーン、ローダミンB、ローダミンG、ビクトリアブルーB等が挙げられる。
前記無機顔料としては、例えば、酸化物(例えば、二酸化チタン、ベンガラ等)硫酸塩(例えば、沈降性硫酸バリウム等)、炭酸塩(例えば、沈降性炭酸カルシウム等)、硅酸塩(例えば、含水硅酸塩、無水硅酸塩等)、金属粉(例えば、アルミニウム粉、ブロンズ粉、亜鉛末、黄鉛、紺青)、などが挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記染料としては、特に制限はなく、公知のものの中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アントラキノン系化合物、アゾ系化合物等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
水不溶性染料としては、例えば、建染染料、分散染料、油溶性染料、などが挙げられる。前記建染染料としては、例えばC.I.Vatヴァイオレット1、C.I.Vatヴァイオレット2、C.I.Vatヴァイオレット9、C.I.Vatヴァイオレット13,C.I.Vatヴァイオレット21、C.I.Vatブルー1、C.I.Vatブルー3、C.I.Vatブルー4、C.I.Vatブルー6、C.I.Vatブルー14、C.I.Vatブルー20、C.I.Vatブルー35等が挙げられる。前記分散染料としては、例えばC.I.ディスパーズヴァイオレット1、C.I.ディスパーズヴァイオレット4、C.I.ディスパーズヴァイオレット10、C.I.ディスパーズブルー3、C.I.ディスパーズブルー7、C.I.ディスパーズブルー58等が挙げられる。前記油溶性染料としては、例えばC.I.ソルベントヴァイオレット13、C.I.ソルベントヴァイオレット14、C.I.ソルベントヴァイオレット21、C.I.ソルベントヴァイオレット27、C.I.ソルベントブルー11、C.I.ソルベントブルー12、C.I.ソルベントブルー25、C.I.ソルベントブルー55、等が挙げられる。
なお、銀塩写真で用いられているカラードカプラーも好適に使用することができる。
前記着色剤の、前記トナー受像層における含有量は、0.1〜8g/mが好ましく、0.5〜5g/mがより好ましい。
前記着色剤の含有量が0.1g/m未満であると、トナー受像層における光透過率が高くなることがあり、8g/mを超えると、ヒビ割れ、耐接着等の取り扱い性に劣ることがある。
また、前記着色剤の中でも、顔料の添加量は、前記トナー受像層を構成する熱可塑性樹脂の質量に基づいて40質量%以下が好ましく、30質量%以下がより好ましく、20質量%以下が更に好ましい。
前記フィラーとしては、有機又は無機のフィラーが挙げられ、バインダー樹脂用の補強剤や、充填剤、強化材として公知のものが用いることができる。該フィラーとしては、「便覧 ゴム・プラスチック配合薬品」(ラバーダイジェスト社編)、「新版 プラスチック配合剤 基礎と応用」(大成社)、「フィラーハンドブック」(大成社)等を参考にして選択することができる。
また、前記フィラーとしては、無機フィラー又は無機顔料を用いることができる。前記無機フィラー又は無機顔料としては、例えば、シリカ、アルミナ、二酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、雲母状酸化鉄、鉛白、酸化鉛、酸化コバルト、ストロンチウムクロメート、モリブデン系顔料、スメクタイト、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、炭酸カルシウム、ムライト等が挙げられる。これらの中でも、特に、シリカ、アルミナが好ましい。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。また前記フィラーとしては、粒径の小さいものが好ましい。粒径が大きいと、トナー受像層の表面が粗面化し易い。
前記シリカには、球状シリカと無定形シリカが含まれる。該シリカは、乾式法、湿式法又はエアロゲル法により合成できる。疎水性シリカ粒子の表面を、トリメチルシリル基又はシリコーンで表面処理してもよい。前記シリカとしては、コロイド状シリカが好ましい。なお、前記シリカは、多孔質であるのが好ましい。
前記アルミナには、無水アルミナ及びアルミナ水和物が含まれる。前記無水アルミナの結晶型としては、α、β、γ、δ、ζ、η、θ、κ、ρ又はχを用いることができ、無水アルミナよりもアルミナ水和物の方が好ましい。前記アルミナ水和物としては、一水和物又は三水和物を用いることできる。前記一水和物には、擬ベーマイト、ベーマイト及びダイアスポアが含まれる。前記三水和物には、ジブサイト及びバイヤライトが含まれる。前記アルミナは、多孔質のものが好ましい。
前記アルミナ水和物は、アルミニウム塩溶液にアンモニアを加えて沈澱させるゾルゲル法又はアルミン酸アルカリを加水分解する方法により合成できる。前記無水アルミナは、アルミナ水和物を加熱により脱水することで得ることができる。
前記フィラーの添加量は、前記トナー受像層のバインダーの乾燥質量100質量部に対し5〜2000質量部が好ましい。
前記架橋剤は、前記トナー受像層の保存安定性や熱可塑性等を調整するために配合することができる。該架橋剤としては、反応基としてエポキシ基、イソシアネート基、アルデヒド基、活性ハロゲン基、活性メチレン基、アセチレン基、その他公知の反応基を2個以上分子内に有する化合物が用いられる。
前記架橋剤としては、これとは別に、水素結合、イオン結合、配位結合等により結合を形成することが可能な基を2個以上有する化合物も用いることができる。
前記架橋剤としては、例えば、樹脂用のカップリング剤、硬化剤、重合剤、重合促進剤、凝固剤、造膜剤、造膜助剤等として公知の化合物を用いることができる。前記カップリング剤としては、例えば、クロロシラン類、ビニルシラン類、エポキシシラン類、アミノシラン類、アルコキシアルミニウムキレート類、チタネートカップリング剤等が挙げられる他、「便覧 ゴム・プラスチック配合薬品」(ラバーダイジェスト社編)等に挙げられた公知のものを用いることができる。
前記トナー受像層には、トナーの転写や付着等を調整したり、前記トナー受像層の帯電接着を防止するために、帯電調整剤を含有させることが好ましい。
前記帯電調整剤としては、特に制限はなく、従来から公知の各種帯電調整剤を目的に応じて適宜使用することができる。該帯電調整剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、カチオン界面活性剤、アニオン系界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン系界面活性剤等の界面活性剤等の他、高分子電解質、導電性金属酸化物等を使用できる。具体的には、第4級アンモニウム塩、ポリアミン誘導体、カチオン変性ポリメチルメタクリレート、カチオン変性ポリスチレン等のカチオン系帯電防止剤、アルキルホスフェート、アニオン系ポリマー等のアニオン系帯電防止剤、脂肪酸エステル、ポリエチレンオキサイド等のノニオン系帯電防止剤が挙げられる。
なお、トナーが負電荷を有する場合には、トナー受像層に配合される帯電調整剤としては、例えば、カチオンやノニオンが好ましい。
前記導電性金属酸化物としては、例えば、ZnO、TiO、SnO、Al、In、SiO、MgO、BaO、MoO等を挙げることができる。これらは、1種単独で使用しても良く、2種以上を併用してもよい。また、前記導電性金属酸化物は、異種元素を更に含有(ドーピング)させてもよく、例えば、ZnOに対しては、Al、In等をドーピングさせることができる。TiOに対しては、Nb、Ta等をドーピングさせることができる。SnOに対しては、Sb、Nb、ハロゲン元素等をドーピングさせることができる。
−その他の添加剤−
前記トナー受像層に使用され得る材料には、出力画像の安定性改良や前記トナー受像層自身の安定性改良のため各種添加剤を含めることができる。前記添加剤としては、種々の公知の酸化防止剤、老化防止剤、劣化防止剤、オゾン劣化防止剤、紫外線吸収剤、金属錯体、光安定剤、防腐剤、防かび剤、等が挙げられる。
前記酸化防止剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、クロマン化合物、クマラン化合物、フェノール化合物(例、ヒンダードフェノール)、ハイドロキノン誘導体、ヒンダードアミン誘導体、スピロインダン化合物が挙げられる。なお、前記酸化防止剤については、特開昭61−159644号公報等に記載されている。
前記老化防止剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、「便覧 ゴム・プラスチック配合薬品 改訂第2版」(1993年、ラバーダイジェスト社)p76〜121に記載のものが挙げられる。
前記紫外線吸収剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ベンゾトリアゾール化合物(米国特許第3533794号明細書参照)、4−チアゾリドン化合物(米国特許第3352681号明細書参照)、ベンゾフェノン化合物(特開昭46−2784号公報参照)、紫外線吸収ポリマー(特開昭62−260152号公報参照)が挙げられる。
前記金属錯体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、米国特許第4241155号、米国特許第4245018号、米国特許第4254195号の各明細書、特開昭61−88256号、特開昭62−174741号、特開昭63−199248号、特開平1−75568号、特開平1−74272号の各公報に記載されているものが適当である。
また、「便覧 ゴム・プラスチック配合薬品 改訂第2版」(1993年、ラバーダイジェスト社)p122〜137に記載の紫外線吸収剤、光安定剤も好適に使用することができる。
なお、前記トナー受像層に使用され得る材料には、上述したように公知の写真用添加剤を必要に応じて添加することができる。前記写真用添加剤としては、例えば、リサーチ・ディスクロージャー誌(以下、RDと略記する)No.17643(1978年12月)、RDNo.18716(1979年11月)及びRDNo.307105(1989年11月)に記載されており、その該当箇所を下記表にまとめて示す。
Figure 2007171843
前記トナー受像層は、前記支持体上に、前記トナー受像層用熱可塑性樹脂を含有する塗工液をワイヤーコーター等で塗布し、乾燥することによって設けられる。本発明において使用される前記熱可塑性樹脂の成膜温度(MFT)は、プリント前の保存に対しては、室温以上が好ましく、トナー粒子の定着に対しては100℃以下が好ましい。
前記トナー受像層は、乾燥後の塗布質量は、例えば、1〜20g/mが好ましく、4〜15g/mがより好ましい。
前記トナー受像層の厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、使用されるトナーの粒子径の1/2以上が好ましく、1倍〜3倍の厚さがより好ましく、具体的には、1〜50μmが好ましく、1〜30μmがより好ましく、2〜20μmが更に好ましく、5〜15μmが特に好ましい。
[その他の層]
前記電子写真材料に設けられる前記その他の層としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、表面保護層、バック層、密着改良層、クッション層、中間層、下塗り層、帯電調節(防止)層、反射層、色味調整層、保存性改良層、接着防止層、アンチカール層、平滑化層などが挙げられる。
<表面保護層>
前記表面保護層は、本発明の電子写真材料における表面の保護、保存性の改良、取り扱い性の改良、筆記性の付与、機器通過性の改良、アンチオフセット性の付与等の目的で、前記トナー受像層の表面に設けることができる。前記表面保護層は、1層であってもよいし、2層以上の層からなっていてもよい。前記表面保護層には、バインダーとして各種の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂等を用いることができ、前記トナー受像層と同種の樹脂を用いるのが好ましい。但し、熱力学的特性や、静電特性等は、前記トナー受像層と同じである必要はなく、各々最適化することができる。
前記表面保護層には、前記トナー受像層に含有するマット剤としての前記粒子を配合することが好ましい。また、前記トナー受像層に使用可能な、前述の各種の添加剤を配合することができる。特に、前記表面保護層には、前記マット剤としての前記粒子と共に、その他の離型剤等を配合することができる。
本発明の電子写真用受像シートにおける最表面層(例えば、表面保護層が形成されている場合には、表面保護層等)としては、定着性の点で、トナーとの相溶性が良いのが好ましい。具体的には、溶融したトナーとの接触角が、例えば0〜40度であることが好ましい。
<バック層>
前記バック層は、本発明の電子写真材料において、裏面出力適性付与、裏面出力画質改良、カールバランス改良、機器通過性改良等の目的で、前記支持体に対して、前記トナー受像層の反対側に設けられるのが好ましい。
前記バック層の色としては、特に制限はないが、本発明の電子写真材料が、裏面にも画像を形成する両面出力型受像材料の場合、バック層も白色であることが好ましい。白色度及び分光反射率は、表面と同様に85%以上が好ましい。
また、両面出力適性改良のため、前記バック層の構成が前記トナー受像層側と同様であってもよい。前記バック層には、前記トナー受像層に含有するマット剤としての前記粒子の他、上記で説明した各種の添加剤を用いることができる。このような添加剤として、特に、帯電調整剤等を配合することが適当である。前記バック層は、単層構成であってもよく、2層以上の積層構成であってもよい。
また、定着時のオフセット防止のため、定着ローラ等に離型性オイルを用いている場合、バック層は、オイル吸収性としてもよい。
<密着改良層>
前記密着改良層は、本発明の電子写真材料において、前記支持体及び前記トナー受像層の密着性を改良する目的で形成するのが好ましい。前記密着改良層には、前述の各種の添加剤を配合することができ、特に架橋剤を配合するのが好ましい。
<クッション層>
また、本発明の電子写真材料には、トナーの受容性を改良するため、前記密着改良層と前記トナー受像層との間に、クッション層を設けるのが好ましい。
<中間層>
前記中間層は、例えば、前記支持体と前記密着改良層との間、前記密着改良層と前記クッション層との間、前記クッション層と前記トナー受像層との間、前記トナー受像層と前記保存性改良層との間、などに形成することができる。前記支持体、前記トナー受像層、及び、前記中間層からなる電子写真材料の場合には、前記中間層は、例えば、前記支持体と前記トナー受像層との間に存在させることができる。
前記中間層は、前記樹脂塗工層であることが好ましい。前記中間層としての前記樹脂塗工層は、少なくとも中間層用ポリマーを含有し、必要に応じて、各種の成分を含有してなる。
前記中間層用ポリマーは、前記塗布液として使用するのに適したものであれば、特に制限はなく、適宜選択することができ、例えば、上記トナー受像層用ポリマーと同様の樹脂を用いることができるが、これらの中でも、前記水溶性ポリマー、前記水分散性ポリマー等が好ましく、前記自己分散型水系ポリエステルエマルジョン、水分散アクリル樹脂がさらに好ましい。前記中間層用ポリマーとしては、特公平5−127413号公報、特開平8−194394号公報、同8−334915号公報、同8−334916号公報、同9−171265号公報、同10−221877号公報等に開示されている物性等を満足するものが好ましく用いられる。前記中間層用ポリマーの前記中間層における含有量としては、前記中間層の質量に基づいて、20質量%以上が好ましく、30〜100質量%がより好ましい。
前記中間層用ポリマーには、中間層の機能を害さない限り、上記トナー受像層で言及されるような前記各種の成分を任意に配合することができる。
前記中間層は、例えば、中間層用塗布液を調製し、それを塗工することによって調製される。前記中間層用塗布液の使用によって、比較的簡易に前記中間層を前記支持体上に調製することができる。また、前記支持体の厚み方向での前記中間層用ポリマーのしみ込みを行わせることが可能となる。
−感熱材料−
前記感熱材料は、前記支持体と、前記画像記録層として、該支持体の少なくとも一面に設けられた少なくとも1層の熱発色層とを有し、感熱ヘッドによる加熱と紫外線による定着の繰り返しにより画像を形成するサーモオートクローム方式(TA方式)において用いられる感熱材料等が挙げられる。
−昇華転写材料−
前記昇華転写材料としては、前記支持体と、前記画像記録層として、該支持体の少なくとも一面に設けられた少なくとも1層の熱拡散性色素(昇華性色素)を含有するインク層とを有し、感熱ヘッドにより加熱してインク層から熱拡散性色素を昇華転写シート上に転写する昇華転写方式に用いられる昇華転写材料が挙げられる。
−熱転写材料−
前記熱転写材料としては、前記支持体と、前記画像記録層として、該支持体の少なくとも一面に設けられた少なくとも1層の熱溶融性インク層とを有し、感熱ヘッドにより加熱して熱溶融性インク層からインクを熱転写シート上に溶融転写する方式に用いられる熱転写材料が挙げられる。
−銀塩写真材料−
前記銀塩写真材料としては、前記支持体と、前記画像記録層として、該支持体の少なくとも一面に設けられた少なくとも1層のイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)に発色する画像記録層とを有し、焼付露光されたハロゲン化銀写真用シートを複数の処理槽内を浸漬しながら通過することにより、発色現像、漂白定着、水洗を行い、乾燥するハロゲン化銀写真方式に用いられる銀塩写真材料が挙げられる。
−インクジェット記録材料−
前記インクジェット記録材料としては、前記支持体と、前記画像記録層として、該支持体の少なくとも一面に設けられた少なくとも1層の水性インク(色材として染料又は顔料を用いたもの)及び油性インク等の液状インクや、常温では固体であり、溶融液状化させて印画に供する固体状インク等を受容できる色材受容層とを有し、種々の作動原理により、微少液滴として飛翔させて紙等の記録材料に付着させ、ドットを形成して記録するインクジェット記録方式に用いられるインクジェット記録材料が挙げられる。
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。なお、以下の実施例及び比較例において、「%」及び「部」は質量基準である。
以下では、画像記録材料の一つとして電子写真材料を用いて説明するが、他の画像記録材料についても同様に実施することができ、電子写真材料に限定されるものではない。
(実施例1)
<電子写真材料の作製>
−支持体の作製−
広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)をディスクリファイナーで310ml(カナダ標準ろ水度、C.S.F.)まで叩解して、パルプ紙料を作製した。広葉樹の材種としてはアスペンとアカシアとを1:1(質量比)で混合したものを用いた。
このパルプ紙料にパルプ質量を基準として、紙力剤としてのカチオンスターチを1.20質量%、サイズ剤としてのアルキルケテンダイマーを0.30質量%、柔軟化剤としてのエポキシ化脂肪酸アミドを0.40質量%、紙力剤としてのポリアクリルアミド(PAM)を0.5質量%、及び定着剤としてのコロイダルシリカ0.02質量%を添加した。
得られた完成パルプ紙料を、長網抄紙機により坪量140g/mの紙を抄造した。紙料の吐出速度(J)と、ワイヤー速度(W)との比(J/W比)は1.01に設定した。その後、プレスドライ装置により、水分量7.5%まで乾燥した(プレスドライ前の水分量は43%であった)。
長網抄紙機の最後において、ソフトカレンダー処理を行い、密度を1.05g/cmに調整した。この際、画像記録面側(おもて面)は表面温度260℃の金属ローラ面に接するようにし、うら面は表面温度50℃のポリウレタン樹脂ローラに接するようにカレンダー処理を行った。ニップ圧は220kN/mであった。
得られた紙の画像記録層を有する側の面(おもて面)のISO 8791−4に基づくPPS粗さを、Lorentzen&Wettre社製のPPS測定器を用いて、測定したところ、2.4μmであった。
次に、得られた紙のおもて面に、低密度ポリエチレン(LDPE)/高密度ポリエチレン(HDPE)=7/3(質量比)を、厚みが30μmとなるように溶融押出しして、おもて面ポリマー被覆層を形成した。
一方、紙のうら面に、低密度ポリエチレン(LDPE)/高密度ポリエチレン(HDPE)=3/7(質量比)を、厚みが26μmとなるように溶融押出しして、うら面ポリマー被覆層を形成した。その後、うら面ポリマー被覆層表面をマット面粗さ(Rz)=10μmのチルロールで粗面加工した。
このように粗面加工した粗面について、PPS粗さをLorentzen&Wettre社製のPPS測定器を用いて測定したところ、4.9μmであった。なお、PPS粗さを測定時の固定圧力は1.0MPa(標準条件)とした。
以上により、実施例1の長尺状の支持体を作製した。
<トナー受像層の形成>
下記の処方のトナー受像層塗布液を常法により調製した。
−二酸化チタン分散液の調製−
二酸化チタン(タイペーク(登録商標)A−220、石原産業株式会社製)40.0g、PVA102(株式会社クラレ製)2.0g、及びイオン交換水58.0gを混合し、日本精機製作所製NBK−2を用いて分散させて、二酸化チタン分散液(二酸化チタン顔料含有量が40質量%)を調製した。
−トナー受像層用塗布液の調製−
前記二酸化チタン分散液15.5g、カルナバワックス分散液(セロゾール524、中京油脂株式会社製)15.0g、ポリエステル樹脂水分散物(固形分30質量%、KZA−7049、ユニチカ株式会社製)100.0g、増粘剤(アルコックスE30、明成化学株式会社製)2.0g、アニオン界面活性剤(AOT)0.5g、マット剤(PMMA粒子、平均粒径=15μm)0.5g、及びイオン交換水80mlを混合し、攪拌してトナー受像層用塗布液を調製した。
−トナー受像層の塗工−
前記実施例1の支持体のおもて面に、前記トナー受像層塗布液を、バーコーターにて乾燥質量が14g/mとなるように塗布し、トナー受像層を形成した。
次いで、乾燥後、カレンダー処理を行った。前記カレンダー処理は、グロスカレンダーを用い、金属ローラを40℃に保温した状態で、ニップ圧14.7kN/mの条件で行った。
以上のようにして得られた長尺状の電子写真材料を画像を設ける側の面を外面にして巻いたロール形態の電子写真材料を作製した。
得られた電子写真材料のトナー受像層のPPS粗さは4.1μmであった。また、電子写真材料について、以下のようにして測定した圧縮強度は4.5N/mであった。
<圧縮強度>
ISO 9895に基づき、15mm幅の試験片を0.7mm離れた2つのクランプに挟み、該試験片が破壊するまで圧縮したときの圧縮強さを求めた。具体的には、Lorentzen&Wettre社製の圧縮強度測定器 STFIを用いて測定した。なお、PPS粗さを測定時の固定圧力は1.0MPa(標準条件)とした。
(実施例2〜7及び比較例1〜6)
−電子写真材料の作製−
実施例1において、表2及び表3に示すように、紙の物性、トナー受像層のマット剤、及びうら面ポリマー被覆層の粗面加工条件を変えた以外は、実施例1と同様にして、実施例2〜7及び比較例1〜6の各電子写真材料を作製した。
得られた各電子写真材料について、実施例1と同様にして、ISO 9895に基づくMD方向の圧縮強度を測定した。結果を表3に示す。
Figure 2007171843
*PAM:ポリアクリルアミド
*スターチ:カチオンスターチ
Figure 2007171843
−トナー受像層のマット剤−
*マット剤A:PMMA粒子、平均粒径=8μm
*マット剤B:PMMA粒子、平均粒径=12μm
*マット剤C:PMMA粒子、平均粒径=15μm
*マット剤D:PMMA粒子、平均粒径=18μm
*マット剤E:PMMA粒子、平均粒径=21μm
−うら面ポリマー被覆層の粗面加工−
*チルロールM1:マット面粗さ(Rz)=10μm
*チルロールM2:マット面粗さ(Rz)=7μm
*チルロールM3:マット面粗さ(Rz)=4μm
*S1:鏡面(粗面加工なし)
次に、得られた実施例1〜7及び比較例1〜6の各電子写真材料について、電子写真用プリンターを用い、それぞれプリントし、各電子写真プリントを作成した。
使用したプリンターは、定着部を図1に示すベルト定着装置1とした富士ゼロックス(株)製のカラーレーザープリンター(DocuColor 1250−PF)を用いた。
即ち、図1に示すベルト定着装置1では、加熱ローラ3と、テンションローラ5とにわたって定着ベルト2が懸架され、テンションローラ5には、その上方で、定着ベルト2を介して、クリーニングローラ6が設けられ、更に、加熱ローラ3の下方には、定着ベルト2を介して、加圧ローラ4が設けられている。トナー潜像を有する電子写真用受像紙は、図1において、右側から、加熱ローラ3と、加圧ローラ4との間に挿入され、定着され、次いで、定着ベルト2に載って移動し、その過程で、冷却装置7によって冷却され、最後に、クリーニングローラ6で清浄化される。
前記ベルト定着装置1においては、定着ベルト2の搬送速度は、30mm/秒であり、加熱ローラ3と加圧ローラ4との間のニップ圧力は、0.2MPaであり、加熱ローラ3の設定温度は、150℃であり、これが定着温度に相当する。なお、加圧ローラ4の設定温度は、120℃に設定した。
次に、前記実施例1〜7及び比較例1〜6のプリント前の各電子写真材料及びプリント後の各電子写真プリントについて、以下のようにして、巻きぐせカール性、平面性、光沢性、剛性、耐接着性、画質、及び光沢性の評価を行った。結果を表4に示す。
<巻きぐせカール性>
各電子写真材料を2インチ紙管に巻き取り(210mm×10m)、20℃、60%RHで2ヶ月間放置した後の巻き芯部付近の電子写真材料の巻きぐせカールの発生状態を下記基準で評価した。
〔評価基準〕
A:非常に優れている(巻きぐせカールの発生がなし)
B:優れている(巻きぐせカールの発生がほとんどなし)
C:中間(巻きぐせカールの発生がややあり)
D:劣る(巻きぐせカールの発生があり、実使用不能レベル)
E:非常に劣る(巻きぐせカールの発生が顕著に見られる)
<平面性の評価>
各電子写真材料について、20人のパネラーによる目視観察により、下記基準により平面性を評価した。
〔評価基準〕
A:全く平面性に問題なし。
B:平面性に問題なし。
C:僅かに平面性の乱れがあるが、実用上問題とならないレベルである。
D:平面性の乱れがあり、実用上問題となるレベルである。
E:明確な平面性の乱れが認められる。
<光沢性>
各電子写真材料の光沢性を目視で観察し、下記基準に基づいて、光沢の最も良好なものをAとして、次いで、B、C、D、Eとランク付けし、評価した。
〔評価基準〕
A:非常に優れている(高画質記録材料として有効)
B:優れている(高画質記録材料として有効)
C:中間
D:劣る(高画質記録材料として不可)
E:非常に劣る(高画質記録材料として不可)
<剛性の評価>
各電子写真材料について、20人のパネラーによる手触りでの「こし」の強さ(剛性)を下記基準により評価した。
〔評価基準〕
A:全く剛性に問題なし
B:剛性に問題なし
C:剛性が僅かに低下するが、実用上問題とならないレベルである
D:剛性が不十分であり、実用上問題となるレベルである
E:剛性がない
<耐接着性>
各電子写真材料を40℃、80%RHで24時間調整した後、おもて面とうら面とを対向させて重ね合せ、3.5cm四方に500gの荷重を加え、同一環境下で7日間設置した後、サンプルを引き離す際の状態を下記基準により評価した。
〔評価基準〕
A:剥離音、接着跡ともになし。
B:軽微な剥離音又は接着跡がある。
C:接着跡が1/4未満である。
D:1/4〜1/2未満が接着している。
E:1/2以上が接着している。
<画質>
各電子写真プリントの画質(特に画像ムラ)を目視で観察し、下記基準に基づいて、画質(画像ムラがなく)の最も良好なものをAとして、次いで、B、C、D、Eとランク付けし、評価した。
〔評価基準〕
A:非常に優れている
B:優れている
C:中間
D:劣る
E:非常に劣る
<光沢性>
各電子写真プリントの光沢性を目視で観察し、下記基準に基づいて、光沢の最も良好なものをAとして、次いで、B、C、D、Eとランク付けし、評価した。
〔評価基準〕
A:非常に優れている
B:優れている
C:中間
D:劣る
E:非常に劣る
Figure 2007171843
表4の結果から、比較例1〜6に比べて実施例1〜7は、プリント前の電子写真材料の巻きぐせによるカールの発生が防止され、平面性、光沢、剛性、及び耐接着性のいずれもが優れたものであり、プリント後の電子写真プリントにおいては、画質及び光沢性に優れていることが認められた。
本発明の画像記録材料は、画像ムラがなく画像の鮮明度に優れ、巻きぐせカールの発生を防止でき、おもて面とうら面との耐接着性が良好であり、フルカラー画像や写真画像等の画像プリント用途に好適に使用可能であり、特に電子写真材料、感熱材料、昇華転写材料、熱転写材料、銀塩写真材料、インクジェット記録材料として好適に使用することができる。
図1は、実施例で使用したプリンターにおけるベルト定着装置の概略図である。
符号の説明
1 ベルト定着装置
2 定着ベルト
3 加熱ローラ
4 加圧ローラ
5 テンションローラ
6 クリーニングローラ
7 冷却装置

Claims (8)

  1. 紙と該紙の両面にポリマー被覆層とを有する支持体と、該支持体上に少なくとも画像記録層と、を有する画像記録材料であって、
    前記画像記録材料におけるISO 9895に基づくMD方向の圧縮強度が、3.5〜5.5N/mであることを特徴とする画像記録材料。
  2. 圧縮強度が、4〜5N/mである請求項1に記載の画像記録材料。
  3. 画像記録層におけるISO 8791−4に基づくPPS粗さが、3〜6μmである請求項1から2のいずれかに記載の画像記録材料。
  4. 支持体の画像記録層を設ける側の面と反対側の面におけるポリマー被覆層が粗面加工され、該粗面におけるISO 8791−4に基づくPPS粗さが、2μm以上である請求項1から3のいずれかに記載の画像記録材料。
  5. 紙の画像記録層を設ける側の面のISO 8791−4に基づくPPS粗さが、3μm以下である請求項1から4のいずれかに記載の画像記録材料。
  6. 画像記録材料が、ロール形態で画像記録装置に供給される請求項1から5のいずれかに記載の画像記録材料。
  7. 電子写真材料、感熱材料、昇華転写材料、熱転写材料、銀塩写真材料、及びインクジェット記録材料から選択されるいずれかである請求項1から6のいずれかに記載の画像記録材料。
  8. 電子写真材料である請求項7に記載の画像記録材料。
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