JP2002356051A - 長尺ロール状インクジェット記録材料の加工方法 - Google Patents

長尺ロール状インクジェット記録材料の加工方法

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JP2002356051A
JP2002356051A JP2001162489A JP2001162489A JP2002356051A JP 2002356051 A JP2002356051 A JP 2002356051A JP 2001162489 A JP2001162489 A JP 2001162489A JP 2001162489 A JP2001162489 A JP 2001162489A JP 2002356051 A JP2002356051 A JP 2002356051A
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Yukio Tokunaga
幸雄 徳永
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Mitsubishi Paper Mills Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】長尺ロール状のインクジェット記録材料をシー
ト状製品に切断加工するときにインク受容層面のひび割
れや擦れ傷の発生を抑制し、かつ巻癖カールを解消した
加工方法を提供する。 【解決手段】耐水性支持体の一方の面に、平均一次粒子
径が30nm以下の無機微細粒子を主体に含有する少な
くとも1層のインク受容層を塗布、乾燥して長尺ロール
状に巻取った後、切断してシート状に加工する方法にお
いて、前記長尺ロールはインク受容層面が内巻きに巻取
られており、前記シート状に切断する前に、前記インク
受容層とは反対面を直径が18〜40mmのローラに抱
き角度が60度以上で当接させながら搬送することを特
徴とする長尺ロール状インクジェット記録材料の加工方
法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクジェット記
録シートの製造過程において、長尺ロール状物を最終製
品仕様であるシート状物に切断加工する方法に関し、よ
り詳細にはカールのないシート状物を製造するための方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】インクジェット記録方式に使用される記
録用シートとして、通常の紙やインクジェット記録用シ
ートと称される支持体上に非晶質シリカ等の顔料をポリ
ビニルアルコール等の親水性バインダーからなる多孔質
のインク吸収層を設けてなる記録用シートが知られてい
る。
【0003】例えば、特開昭55−51583号、同5
6−157号、同57−107879号、同57−10
7880号、同59−230787号、同62−160
277号、同62−184879号、同62−1833
82号、及び同64−11877号公報等に開示のごと
く、シリカ等の含珪素顔料を水溶性バインダーと共に紙
支持体に塗布して得られる記録シートが提案されてい
る。
【0004】また、特公平3−56552号、特開平2
−188287号、同平10−81064号、同平10
−119423号、同平10−175365号、同平1
0−193776号、同10−203006号、同10
−217601号、同平11−20300号、同平11
−20306号、同平11−34481号公報等公報に
は、気相法による合成シリカ微粒子(以降、気相法シリ
カと称す)を用いることが開示されている。この気相法
シリカは、一次粒子の平均粒径が数nm〜数十nmの超
微粒子であり、高い光沢が得られるという特徴がある。
近年、フォトライクの記録シートが要望される中、益々
光沢性が重要視されてきており、ポリオレフィン樹脂被
覆紙(紙の両面にポリエチレン等のポリオレフィン樹脂
をラミネートしたもの)やポリエステルフィルム等の耐
水性支持体上に気相法シリカを主体とするインク受容層
が塗設された記録材料が提案されている。
【0005】上記した気相法シリカのような超微粒子は
高い光沢が得られるという利点があるが、その反面、傷
やひび割れが生じやすいという問題を併せ持つ。また、
インク受容層のインク吸収性を高めるためには、上記し
た微粒子に対するバインダーを軽減する必要があるが、
これによって上記の傷やひび割れはより顕著に発生しや
すくなる。
【0006】一方、インクジェット記録材料は、支持体
にインク受容層が塗布され乾燥されて長尺のロール状に
巻取られて製造される。この半製品の長尺ロールは、一
般的な製造ラインにおいては幅1〜2m、長さ1000
〜5000m程度のジャンボロールであり、このジャン
ボロールを切断して最終のロール製品やシート状製品に
仕上げられる。この製造工程での問題は、ジャンボロー
ルの状態で保管したときに巻癖カールが発生するという
ことである。特にジャンボロールからシート状製品に加
工した場合、ジャンボロールの巻癖カールがそのままシ
ート状製品のカールとなる場合がある。この問題は、特
に支持体として、比較的剛直度が高い(腰が強い)耐水
性支持体を用いたときに顕著になる。シート状製品のカ
ールは、プリンターで印字する際に搬送性不良、蛇行等
のトラブルを発生させ、また、縁なしで印字する場合、
終端カールによって製品が印字ヘッドと接触し印字ヘッ
ドを損傷する心配がある。
【0007】カール対策として、特開平5−28622
8号、特開平8−310111号、特開平11−291
616号公報等には裏塗り層の改良が開示されており、
特開2000−85243号公報には支持体の改良が開
示されており、また特開平6−227113号、特開平
8−269900号公報には、加湿あるいは加熱の方法
が提案されているが、巻癖カールの対策には十分ではな
かった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、長尺ロール状のインクジェット記録材料をシート状
製品に切断加工するときに、インク受容層面のひび割れ
や擦れ傷の発生を抑制し、かつ巻癖カールを解消した加
工方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、以
下の発明によって達成された。 (1)耐水性支持体の一方の面に、平均一次粒子径が3
0nm以下の無機微細粒子を主体に含有する少なくとも
1層のインク受容層を塗布、乾燥して長尺ロール状に巻
取った後、切断してシート状に加工する方法において、
前記長尺ロールはインク受容層面が内巻きに巻取られて
おり、前記シート状に切断する前に、前記インク受容層
とは反対面を直径が18〜40mmのローラに抱き角度
が60度以上で当接させながら搬送することを特徴とす
る長尺ロール状インクジェット記録材料の加工方法。 (2)耐水性支持体の一方の面に、平均一次粒子径が3
0nm以下の無機微細粒子を主体に含有する少なくとも
1層のインク受容層を塗布、乾燥して長尺ロール状に巻
取った後、切断してシート状に加工する方法において、
前記長尺ロールはインク受容層面が内巻きに巻取られて
おり、前記シート状に切断する前に、相対湿度50%以
上の雰囲気下で前記インク受容層とは反対面を直径が4
0mm以下のローラに抱き角度が60度以上で当接させ
ながら搬送することを特徴とする長尺ロール状インクジ
ェット記録材料の加工方法。 (3)耐水性支持体の一方の面に、平均一次粒子径が3
0nm以下の無機微細粒子を主体に含有する少なくとも
1層のインク受容層を塗布、乾燥して長尺ロール状に巻
取った後、切断してシート状に加工する方法において、
前記長尺ロールはインク受容層面が内巻きに巻取られて
おり、前記シート状に切断する前に、前記インク受容層
面を加湿処理するのと同時に、または加湿処理した後連
続して前記インク受容層とは反対面を直径が40mm以
下のローラに抱き角度が60度以上で当接させながら搬
送することを特徴とする長尺ロール状インクジェット記
録材料の加工方法。 (4)耐水性支持体の一方の面に、平均一次粒子径が3
0nm以下の無機微細粒子を主体に含有する少なくとも
1層のインク受容層を塗布、乾燥して長尺ロール状に巻
取った後、切断してシート状に加工する方法において、
前記インク受容層がポリビニルアルコールとその水溶性
可塑剤を含有し、かつ前記長尺ロールはインク受容層面
が内巻きに巻取られており、前記シート状に切断する前
に、前記インク受容層とは反対面を直径が40mm以下
のローラに抱き角度が60度以上で当接させながら搬送
することを特徴とする長尺ロール状インクジェット記録
材料の加工方法。 (5)耐水性支持体の一方の面に、平均一次粒子径が3
0nm以下の無機微細粒子を主体に含有する少なくとも
1層のインク受容層を塗布、乾燥して長尺ロール状に巻
取った後、切断してシート状に加工する方法において、
前記インク受容層が平均粒径0.5μm以下の油滴を含
有し、かつ前記長尺ロールはインク受容層面が内巻きに
巻取られており、前記シート状に切断する前に、前記イ
ンク受容層とは反対面を直径が40mm以下のローラに
抱き角度が60度以上で当接させながら搬送することを
特徴とする長尺ロール状インクジェット記録材料の加工
方法。 (6)耐水性支持体の一方の面に、平均一次粒子径が3
0nm以下の無機微細粒子を主体に含有する少なくとも
1層のインク受容層を塗布、乾燥して長尺ロール状に巻
取った後、切断してシート状に加工する方法において、
前記インク受容層の上にコロイダルシリカを含有する層
を有し、かつ前記長尺ロールはインク受容層面が外巻き
に巻取られており、前記シート状に切断する前、に前記
インク受容層面を直径が40mm以下のローラに抱き角
度が60度以上で当接させながら搬送することを特徴と
する長尺ロール状インクジェット記録材料の加工方法。 (7)耐水性支持体の一方の面に、平均一次粒子径が3
0nm以下の無機微細粒子を主体に含有する少なくとも
1層のインク受容層を塗布、乾燥して長尺ロール状に巻
取った後、切断してシート状に加工する方法において、
前記インク受容層が平均粒径1μm以上の微粒子を有
し、かつ前記長尺ロールはインク受容層面が外巻きに巻
取られており、前記シート状に切断する前に、前記イン
ク受容層面を直径が40mm以下のローラに抱き角度が
60度以上で当接させながら搬送することを特徴とする
長尺ロール状インクジェット記録材料の加工方法。 (8)耐水性支持体の一方の面に、平均一次粒子径が3
0nm以下の無機微細粒子を主体に含有する少なくとも
1層のインク受容層を塗布、乾燥して長尺ロール状に巻
取った後、切断してシート状に加工する方法において、
前記長尺ロールはインク受容層面が外巻きに巻取られて
おり、前記シート状に切断する前に、前記インク受容層
面を直径が40mm以下の駆動ローラに抱き角度が60
度以上で当接させながら搬送することを特徴とする長尺
ロール状インクジェット記録材料の加工方法。
【0010】
【発明の実施の形態】インクジェット記録材料の製造工
程は、通常、長尺ロール状の支持体を巻きほどいて搬送
し、塗布装置にてインク受容層が塗布され乾燥されて、
再度長尺ロール状に巻き取られ、一旦保管された後、切
断工程で製品サイズに切断される。最終製品の形態とし
てはロー状とシート状があるが、本発明はシート状製品
の切断加工方法に関する。
【0011】本発明は、インク受容層の塗布乾燥工程で
製造されたインクジェット記録材料の長尺ロール状物
を、シート状の最終製品サイズに切断加工するに際し、
前記長尺ロール状物の保管中に発生した巻癖カールを、
比較的径の小さいローラ(直径が40mm以下のロー
ラ)に抱き角度が60度以上で、ウェブ(長尺ロール状
物から巻きほどかれたインクジェット記録材料のウェ
ブ)を当接搬送することによって解消するというもので
あり、長尺ロール状物の内巻き面とは反対面に前記ロー
ラを当接させる。例えば、長尺ロール状物を製造すると
きにインク受容層面を内巻きに巻取った場合は、その反
対面を前記ローラに当接させ、逆にインク受容層面を外
巻に巻き取った場合は、インク受容層面を前記ローラに
当接させる。
【0012】ここで、前記2つのケースにおいて、それ
ぞれ新たな問題が判明した。即ち、高いインク吸収性と
光沢性を得るために、一次平均粒径が30nm以下の無
機微粒子を主体に含有するインク受容層を用いた場合、
前者のケース(インク受容層面とは反対面をローラに当
接させる)では、インク受容層の表面にひび割れが発生
し、後者のケース(インク受容層面にローラを当接させ
る)ではインク受容層に擦れ傷が発生するという問題が
生じた。従って、本発明は両者のケースに対応した有効
な解決手段を提供するものである。
【0013】以下、図面を用いて本発明を説明する。図
1は、本発明の切断加工時のインクジェット記録材料ウ
ェブの搬送過程の模式図である。図1では、説明の便宜
上、巻方向の異なる2つの長尺ロール状物(1、2)を
同時に記載しているが、実際の工程はどちらか一方のみ
である。インクジェット記録材料の長尺ロール状物
(1、2)から巻きほどかれたウェブ11は、矢印の方
向に搬送され切断装置4でシート状に切断されるが、切
断装置4の前で直径40mm以下のローラ3またはロー
ラ31にウェブ11が抱き角度60度以上で当接させな
がら搬送される。ここで、抱き角度とは、図2に示すよ
うに角度θで表される。抱き角度θは、最大でも180
度までであり、好ましくは60〜160度程度であり、
より好ましくは70〜150度程度である。ローラ3ま
たはローラ31にウェブ11を当接させる時期は切断の
前であれば特に限定されないが、一連の切断工程の中
で、長尺ロール状物(1、2)を巻きほどくアンワイン
ダー装置(図示せず)から切断装置4の間であることが
好ましい。ローラ3及びローラ31は、図示しない昇降
装置で昇降できるようになっており、長尺ロール状物1
を切断加工するときは、ローラ3を、ウェブ11との抱
き角度が60度以上になるまで上昇させる。一方、長尺
ロール状物2を切断加工するときは、ローラ31をウェ
ブ11との抱き角度が60度以上になるように下降させ
る。
【0014】まず、前者のケース(インク受容層面とは
反対面をローラに当接させる)について説明する。長尺
ロール状物1は、内巻き面Aがインク受容層面である。
ローラ3は、インク受容層面とは反対面Bに、抱き角度
60度以上で当接する。このケースにおいては、前述し
たようにインク受容層面にひび割れが発生するという問
題が新たに生じた。
【0015】このひび割れの問題は、直径が18〜4
0mmローラ3を用いること、相対湿度50%以上の
雰囲気下で行うこと、インク受容層面を加湿処理する
こと、インク受容層にポリビニルアルコールとその水
溶性可塑剤を含有させること、インク受容層に平均粒
径が0.5μm以下の油滴を含有させること、によって
解消することを見い出した。更に、上記した〜を適
宜組み合わせることによって高い効果が得られる。特に
効果的な組み合わせは、と、と、と、と
、と、と、とと、あるいはとと
である。
【0016】本発明において、ローラ3の直径は40m
m以下が必須である。これよりローラ径が大きくなると
巻癖カールを解消する効果が急激に小さくなる。好まし
くは30mm以下である。このローラ径の範囲の中で、
インク受容層面にひび割れを発生させずに巻き癖カール
を解消するには、18mm以上のローラが有効であるこ
とを見い出した。更に20〜30mmが好ましい。前記
、、、あるいはの対応を図ることによって、ロ
ーラ径にかかわらずひび割れを抑制することを見い出し
た。しかしながら、、、及びの場合でも、ロー
ラ径は10mm以上が好ましく、15〜30mmが好ま
しく、更に18〜30mmがより好ましい。ローラ3の
直径は、18mm以上であれば十分に巻癖カールを解消
することができるが、ローラ径は小さいほど巻癖カール
の解消には効果的であり、〜の対応を図ることによ
って、長尺ロール状物の状態で長期間保管された場合
(保管が長期になるに従って巻き癖カールは強くなる)
に好ましい結果が得られる。このローラ3は通常、自ら
駆動しない、いわゆるフリーローラとして用いられる
が、自ら駆動する駆動ローラであってもよい。
【0017】上記したの態様は、少なくともローラ3
に当接させ搬送する工程の雰囲気を相対湿度50%以上
にする。好ましくは55%以上である。上限は100%
であってもよい。温度は20〜30℃程度が適当であ
る。
【0018】上記したの態様は、インク受容層面Aを
加湿するのと同時に、または加湿後連続してローラ3で
当接搬送させる。加湿方法としては、蒸気を当てる方
法、あるいは水を噴霧する方法がある。図1において、
加湿装置5をウェブ11の搬送方向に対してローラ3の
前に設置しているが、ローラ3を囲むように設置しても
よい。蒸気を当てる加湿装置としては、平野金属(株)
社製のフリューデックス等が知られており用いることが
できる。
【0019】上記の態様は、インク受容層にポリビニ
ルアルコールとその水溶性可塑剤を含有させる。ポリビ
ニルアルコールの水溶性可塑剤としては、25℃の純水
に対して1質量%以上溶解しうるものであり、且つ、書
籍”ポバール:長野浩一他著、昭和45年4月10日、
高分子刊行会(株)発行”のP.155〜161記載にあ
るようなポリビニルアルコールに対して可塑効果のある
ものであり、例えば、エチレングリコール、ジエチレン
グリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリ
コール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコ
ール、ポリプロピレングリコール等のグリコール類、グ
リセリン、ジグリセリン、ブタンジオール、ブタントリ
オール、トリメチロールプロパン、トリエタノールアミ
ン、エタノールアセトアミド、尿素及びその誘導体(例
えば特開平11−184096号公報に記載のもの)、
ソルビトール等の単糖類等を挙げることができる。これ
らの水溶性可塑剤の添加量は特に制限ないが、インク吸
収性の観点からポリビニルアルコールに対して5〜30
質量%が好ましく、5〜20質量%がより好ましい。
【0020】上記の態様は、インク受容層に平均粒径
が0.5μm以下の油滴を含有させる。好ましくは平均
粒径が0.05〜0.5μmの範囲の油滴を含有させる
ことである。これらの油滴の成分としては、25℃の純
水に対する溶解度が0.05質量%以下であって、融点
が40℃以下の疎水性有機化合物、あるいはポリマーラ
テックスが挙げられる。
【0021】上記疎水性有機化合物としては、高沸点有
機溶剤や融点が40℃以下の疎水性ポリマーが挙げられ
る。上記高沸点有機溶剤としては、ジブチルフタレー
ト、ジオクチルフタレートのようなフタル酸エステル
類、トリクレジルホスフェートのようなリン酸エステル
類、ステアリン酸ブチル、エチレングリコールジステア
レートのような脂肪酸エステル類、アミド類、エチレン
グリコールジブチルエーテルのようなエーテル類、シリ
コンオイル、流動パラフィン等が挙げられる。
【0022】疎水性ポリマーとしては、ポリ(2−エチ
ルヘキシルメタアクリレート)、ポリブチルメタアクリ
レート、ポリビニルアセテートポリビニルプロピオネー
ト等が挙げられる。これらの疎水性ポリマーの分子量は
5000〜10万程度が適当である。
【0023】上記した疎水性有機化合物は、高圧ホモゲ
ナイザーや高速ホモミキサー等により親水性バインダー
中に界面活性剤の存在下で乳化分散されて油滴が得られ
る。この際、酢酸エチル、アセトン等の低沸点有機溶剤
の存在下で乳化分散するのが好ましい。
【0024】油滴を形成する他の成分として用いられる
ポリマーラテックスは、乳化重合法で合成されたポリマ
ーラテックスが好ましく、例えば、スチレン−ブタジエ
ン共重合体ラテックス、ポリアクリル酸エステル系ラテ
ックス、ポリメタクリ酸エステル系ラテックス、酢酸ビ
ニル系ラテックス、エチレン−酢酸ビニル系ラテックス
が好ましく用いられる。
【0025】上記した油滴は、インク受容層中の30n
m以下の無機微粒子に対して1〜30質量%の範囲で含
有させるのが好ましい。
【0026】次に、後者のケース(インク受容層面にロ
ーラを当接させる)について説明する。長尺ロール状物
2は、外巻き面Bがインク受容層面である。ローラ31
は、外巻き面であるインク受容層面Bに、抱き角度60
度以上で当接する。このケースにおいては、前述したよ
うにインク受容層面に擦れ傷が発生するという問題が新
たに生じた。
【0027】この擦れ傷の問題は、インク受容層の上
にコロイダルシリカを含有する層を設けること、イン
ク受容層に平均粒径が1μm以上の微粒子を含有させる
こと、あるいはローラ3を駆動ローラにすること、に
よって解消することを見い出した。
【0028】上記のの態様は、平均一次粒径が30n
m以下の無機微粒子を主体に含有するインク受容層の上
(支持体から見て前記インク受容層より遠い位置)に、
コロイダルシリカを含有する層を設ける。このコロイダ
ルシリカ含有層は、最上層であることが好ましい。コロ
イダルシリカの含有量は、0.3〜10g/m2程度が適
当であり、好ましくは2〜7g/m2の範囲である。
【0029】コロイダルシリカは、湿式法で合成された
一次粒子径が数nm〜100nm程度の合成シリカであ
る。一次粒子の平均粒子径は20nm以上が好ましく、
特に20〜70nmのものが好ましい。
【0030】コロイダルシリカを含有する上層は、皮膜
としての特性を維持するためにバインダーを有している
ことが好ましい。このバインダーとしては、公知の各種
バインダーを用いることができるが、特に、好ましい親
水性バインダーは完全または部分ケン化のポリビニルア
ルコールまたはカチオン変性ポリビニルアルコールであ
る。
【0031】ポリビニルアルコールの中でも特に好まし
いのは、ケン化度が80%以上の部分または完全ケン化
したもので、皮膜形成性及び皮膜脆弱性を改良する観点
から平均重合度200〜5000、好ましくは500〜
3000のものが用いられる。
【0032】また、カチオン変性ポリビニルアルコール
としては、例えば特開昭61−10483号に記載され
ているような、第1〜3級アミノ基や第4級アンモニウ
ム基をポリビニルアルコールの主鎖あるいは側鎖中に有
するポリビニルアルコールである。
【0033】これらのバインダーの使用量としてはコロ
イダルシリカの固形分に対して、1〜50質量%、好ま
しくは1〜20質量%の範囲である。更に、これらのバ
インダーの硬膜剤として、ホルムアルデヒド、エポキシ
化合物、ほう酸あるいはその塩等を含有するのが好まし
く、更に界面活性剤を含有することができる。
【0034】上記したの態様は、インク受容層に平均
粒径が1μm以上の微粒子を含有させる。微粒子の平均
粒径は最大でも20μm程度までである。好ましくは、
平均粒径が1〜5μmの微粒子と6〜20μmの微粒子
の大小2種類の微粒子を併用することである。これらの
微粒子としては、例えば酸化チタン、でんぷん粒子、シ
リカ粒子、炭酸カルシウム、ガラスビーズ、硫酸バリウ
ム、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ポ
リエチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、
ポリスチレン、ポリアクリレート、ポリウレタン共重合
体等の無機、有機の素材からなる微粒子が挙げられる。
これらの微粒子の形状は不定型でもよいが、滑り性がよ
く耐傷性が向上するため球状ものが好ましい。
【0035】上記した平均粒径が1μm以上の微粒子の
インク受容層への含有量は、合計で0.05〜2.0g
/m2程度が適当であり、好ましくは0.1〜1.5g/
m2である。上記した粒径の範囲の大小2種類の微粒子を
併用する場合は、質量比で小さい方の粒子を合計の60
〜90%の範囲で用いるのが好ましい。
【0036】上記したの態様は、ローラ31を駆動ロ
ーラにすることである。ローラ31を駆動ローラにする
ことにより、ウェブ11の搬送速度とローラ31の周速
がほぼ同一になるようにローラ31の回転速度を制御で
きるようになり、これによってインク受容層表面の擦れ
傷の発生を防止することができる。
【0037】上記した本発明の2つのケースは、支持体
上にインク受容層が塗布され乾燥されて巻き取られたイ
ンクジェット記録材料の長尺ロール状物の巻方向が異な
る場合において、それぞれに発生した異なる問題(前者
はひび割れ、後者は擦れ傷)を解決するものであるが、
巻癖カールの面からは、両ケースともインクジェット記
録材料の長尺ロール状物と支持体の長尺ロール状物の巻
方向は同一にした方が好ましい。例えば、インクジェッ
ト記録材料の長尺ロール状物のインク受容層面を内巻き
にする場合、支持体の長尺ロール状物は、インク受容層
を塗布する面が内巻きになるように巻取る。こうするこ
とによって、インクジェット記録材料の長尺ロール状物
の上巻き部と下巻き部の巻癖カールのバラツキが小さく
なるり、切断工程の条件をあまり変更せずに巻癖カール
解消することができる。
【0038】次に本発明のインクジェット記録材料につ
いて説明する。本発明のインク受容層は、平均一次粒子
径が30nm以下の無機微粒子を主体に含有する。即
ち、インク受容層の全固形分に対する無機微粒子の含有
比率が50質量%以上である。好ましくは無機微粒子の
含有比率は60質量%以上であり、より好ましくは65
〜90重量%の範囲である。インク受容層に含有させる
無機微粒子の量は、8g/m2以上が好ましく、10〜4
0g/m2の範囲がより好ましい。インク受容層中の無機
微粒子の含有比率を高くすることによって、インク吸収
性は向上するが、その反面、インク受容層表面に傷やひ
び割れが発生しやすくなる。本発明の特徴は、前述した
ように表面の傷やひび割れを発生させずに巻き癖カール
を解消することにある。
【0039】本発明に用いられる平均一次粒径が30n
m以下の無機微粒子としては特に制限はないが、合成シ
リカまたはアルミナ水和物を好ましく用いることが出来
る。本発明に用いられる無機微粒子の一次粒子の平均粒
径は30nm以下であり、好ましくは3〜20nmで、
かつBET法による比表面積が100m2/g以上、好ま
しくは200〜500m2/gである。本発明で云うBE
T法とは、気相吸着法による粉体の表面積測定法の一つ
であり、吸着等温線から1gの試料の持つ総表面積、即
ち比表面積を求める方法である。通常吸着気体として
は、窒素ガスが多く用いられ、吸着量を被吸着気体の
圧、または容積の変化から測定する方法が最も多く用い
られている。多分子吸着の等温線を表すのに最も著名な
ものは、Brunauer、Emmett、Tellerの式であってBET
式と呼ばれ表面積決定に広く用いられている。BET式
に基づいて吸着量を求め、吸着分子1個が表面で占める
面積を掛けて、表面積が得られる。
【0040】本発明に用いられる合成シリカには、湿式
法によるものと気相法によるものがある。通常シリカ微
粒子といえば湿式法シリカを指す場合が多い。湿式法シ
リカとしては、ケイ酸ナトリウムの酸などによる複分
解やイオン交換樹脂層を通して得られるシリカゾル、ま
たはこのシリカゾルを加熱熟成して得られるコロイダ
ルシリカ、シリカゾルをゲル化させ、その生成条件を
変えることによって数ミクロンから10ミクロン位の一
次粒子がシロキサン結合をした三次元的な二次粒子とな
ったシリカゲル、更にはシリカゾル、ケイ酸ナトリウ
ム、アルミン酸ナトリウム等を加熱生成させて得られる
もののようなケイ酸を主体とする合成ケイ酸化合物等が
ある。
【0041】本発明は、合成シリカの中でも特に気相法
シリカが好ましく用いられる。気相法シリカは湿式法に
対して乾式法とも呼ばれ、一般的には火炎加水分解法に
よって作られる。具体的には四塩化ケイ素を水素及び酸
素と共に燃焼して作る方法が一般的に知られているが、
四塩化ケイ素の代わりにメチルトリクロロシランやトリ
クロロシラン等のシラン類も、単独または四塩化ケイ素
と混合した状態で使用することができる。気相法シリカ
は日本アエロジル株式会社、株式会社トクヤマ等から市
販されており入手することができる。
【0042】気相法シリカの特徴は、一次粒子が網目構
造または鎖状につながりあって二次的に凝集した状態で
存在することであり、これによって、高いインク吸収性
が得られる。前記二次凝集の状態は50〜500nm程
度に保つことが好ましく、これによって、光沢を低下さ
せずに高いインク吸収性が得られる。
【0043】本発明は、無機微粒子としてアルミナ水和
物(カチオン性アルミナ水和物)を用いることができ
る。アルミナ水和物の例としては、特開昭60−232
990号、同60−245588号公報、特公平3−2
4906号公報、特開平6−199035号、同7−8
2694号公報に記載されているように微細な擬ベーマ
イト形アルミナ水和物を親水性バインダーとともに支持
体表面に塗工したインクジェット記録媒体が開示されて
いる。アルミナ水和物としては、カタロイドAS−1、
カタロイドAS−2、カタロイドAS−3(以上、触媒
化学工業製)アルミナゾル100、アルミナゾル20
0、アルミナゾル520(以上、日産化学工業製)、M
−200(以上、水澤化学工業製)、アルミゾル10、
アルミゾル20、アルミゾル132、アルミゾル132
S、アルミゾルSH5、アルミゾルCSA55、アルミ
ゾルSV102、アルミゾルSB52(以上、川研ファ
インケミカル製)が市販されている。
【0044】本発明に用いられるアルミナ水和物は、下
記の一般式により表すことができる。Al23・nH2
Oアルミナ水和物は組成や結晶形態の違いにより、ジプ
サイト、バイアライト、ノルストランダイト、ベーマイ
ト、ベーマイトゲル(擬ベーマイト)、ジアスポア、無
定形非晶質等に分類される。中でも、上記の式中、nの
値が1である場合はベーマイト構造のアルミナ水和物を
表し、nが1を越え3未満である場合は擬ベーマイト構
造のアルミナ水和物を表し、nが3以上では非晶質構造
のアルミナ水和物を表す。特に、本発明に好ましいアル
ミナ水和物は、少なくともnが1を越え3未満の擬ベー
マイト構造のアルミナ水和物である。
【0045】無機微細粒子を含有するインク受容層は、
皮膜としての特性を維持するために親水性バインダーが
用いられる。この親水性バインダーとしては、公知の各
種親水性バインダーを用いることができるが、透明性が
高くインクのより高い浸透性が得られる親水性バインダ
ーが好ましく用いられる。親水性バインダーの使用に当
たっては、この親水性バインダーがインクの初期の浸透
時に膨潤して空隙を塞いでしまわないことが重要であ
り、この観点から比較的室温付近で膨潤性の低い親水性
バインダーが好ましく用いられる。特に好ましい親水性
バインダーは完全または部分ケン化のポリビニルアルコ
ールまたはカチオン変性ポリビニルアルコールである。
【0046】該ポリビニルアルコールの中でも特に好ま
しいのは、ケン化度が80%以上の部分または完全ケン
化したものである。平均重合度200〜5000以下の
ポリビニルアルコールが好ましい。
【0047】また、カチオン変性ポリビニルアルコール
としては、例えば特開昭61−10483号に記載され
ているような、第1〜3級アミノ基や第4級アンモニウ
ム基をポリビニルアルコールの主鎖あるいは側鎖中に有
するポリビニルアルコールである。
【0048】また、他の親水性バインダーも併用するこ
とができるが、ポリビニルアルコールに対して20重量
%以下であることが好ましい。無機微細粒子と共に用い
られる親水性バインダーの量は、無機微細粒子に対し
て、5〜40質量%の範囲が適当であり、好ましくは1
0〜30質量%の範囲であり、更に好ましくは10〜2
5質量%の範囲である。
【0049】本発明において、無機微細粒子を含有する
インク受容層に更にカチオンポリマーを含有させること
ができる。例えばポリジアリルアミン誘導体カチオンポ
リマー、ジシアンジアミド誘導体、ポリアルキレンポリ
アミン誘導体、ポリアミン誘導体等で4級化度が30%
以上、好ましくは50%以上のカチオンポリマーを含有
させることによりインク受容層の耐水性(例えば、高湿
にじみ)を更に向上させることができる。このカチオン
ポリマーの分子量は、5,000以上が好ましく、更に
5,000〜10万程度が好ましい。さらに、水溶性金
属塩もインク受容層の耐水性を向上させる目的で含有さ
せることが出来る。これら水溶性金属塩としては水溶性
アルミニウム化合物、水溶性ジルコニウム化合物、水溶
性チタン化合物等が例として上げることが出来る。これ
らの水溶性金属塩は上記カチオンポリマーと併用して使
用することも可能である。
【0050】本発明において、インク受容層には、界面
活性剤を添加することができる。用いられる界面活性剤
はアニオン系、カチオン系、ノニオン系、ベタイン系の
いずれのタイプでもよく、また低分子のものでも高分子
のものでもよい。1種もしくは2種以上界面活性剤をイ
ンク受理層塗液中に添加するが、2種以上の界面活性剤
を組み合わせて使用する場合は、アニオン系のものとカ
チオン系のものとを組み合わせて用いることは好ましく
ない。界面活性剤の添加量はインク受容層を構成するバ
インダー100gに対して0.001〜5gが好まし
く、より好ましくは0.01〜3gである。
【0051】本発明において、インク受容層には、耐水
性、ドット再現性を向上させる目的で適当な硬膜剤で硬
膜することができる。硬膜剤の具体的な例としては、ホ
ルムアルデヒド、グルタルアルデヒドの如きアルデヒド
系化合物、ジアセチル、クロルペンタンジオンの如きケ
トン化合物、ビス(2−クロロエチル尿素)−2−ヒド
ロキシ−4,6−ジクロロ−1,3,5トリアジン、米
国特許第3,288,775号記載の如き反応性のハロ
ゲンを有する化合物、ジビニルスルホン、米国特許第
3,635,718号記載の如き反応性のオレフィンを
持つ化合物、米国特許第2,732,316号記載の如
きN−メチロール化合物、米国特許第3,103,43
7号記載の如きイソシアナート類、米国特許第3,01
7,280号、同2,983,611号記載の如きアジ
リジン化合物類、米国特許第3,100,704号記載
の如きカルボジイミド系化合物類、米国特許第3,09
1,537号記載の如きエポキシ化合物、ムコクロル酸
の如きハロゲンカルボキシアルデヒド類、ジヒドロキシ
ジオキサンの如きジオキサン誘導体、クロム明ばん、ほ
う酸及びほう酸塩の如き無機硬膜剤等があり、これらを
1種または2種以上組み合わせて用いることができる。
硬膜剤の添加量はインク受容層を構成する親水性バイン
ダーに対して0.01〜40質量%が好ましく、より好
ましくは0.1〜30質量%である。
【0052】本発明において、インク受容層には、更
に、界面活性剤、硬膜剤の他に着色染料、着色顔料、イ
ンク染料の定着剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、顔料の
分散剤、消泡剤、レベリング剤、防腐剤、蛍光増白剤、
粘度安定剤、pH調節剤などの公知の各種添加剤を添加
することもできる。
【0053】前述したように、本発明のインク受容層の
好ましい態様の1つは、ポリビニルアルコールとその水
溶性可塑剤を含有する。他の好ましい態様は、平均粒径
が0.5μm以下の油滴を含有する。他の好ましい態様
は、平均粒径が1μm以上の微粒子を含有する。更に他
の好ましい態様は、インク受容層の上にコロイダルシリ
カを含有する層を設ける。
【0054】本発明において、インク受容層及びその他
の構成層の塗布方法は、特に限定されず、公知の塗布方
法を用いることができる。例えば、スライドリップ方
式、カーテン方式、エクストルージョン方式、エアナイ
フ方式、ロールコーティング方式、ロッドバーコーティ
ング方式等がある。
【0055】本発明において用いられる耐水性支持体と
しては、合成樹脂フィルムや紙の表面をポリオレフィン
樹脂で被覆した樹脂被覆紙が挙げられる。合成樹脂フィ
ルムとしては、例えばポリエステル樹脂、ジアセテート
樹脂、トリアセテート樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボ
ネート樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリイミド樹脂、セロハ
ン、セルロイド等のフィルムが挙げられ、これらの中で
もポリエチレンテレフタレートのようなポリエステルフ
ィルムが好ましく用いられる。
【0056】本発明において耐水性支持体として最も好
ましく用いられるのは、樹脂被覆紙である。この樹脂被
覆紙は、紙の片面(インク受容層面)もしくは両面をポ
リオレフィン樹脂層で被覆したポリオレフィン樹脂被覆
紙が最も好ましい。ポリオレフィン樹脂としてはポリエ
チレン樹脂、ポリプロピレン樹脂等のポリオレフィン樹
脂が好ましく用いられ、特にポリエチレン樹脂は表面平
滑性、加工性、耐水性、コロナ処理性等の点から必ず使
用することが必要である。該ポリエチレン樹脂には種々
の密度のものが市販されており、低密度ポリエチレン樹
脂、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂、中密度ポリエチレ
ン樹脂、低密度ポリエチレン樹脂、エチレン−プロピレ
ン共重合体樹脂等がよく知られている。
【0057】ポリオレフィン樹脂被覆紙を構成する原紙
は、特に制限はなく、一般に用いられている紙が使用で
きるが、より好ましくは例えば写真用支持体に用いられ
ているような平滑な原紙が好ましい。原紙を構成するパ
ルプとしては天然パルプ、再生パルプ、合成パルプ等を
1種もしくは2種以上混合して用いられる。この原紙に
は一般に製紙で用いられているサイズ剤、紙力増強剤、
填料、帯電防止剤、蛍光増白剤、染料等の添加剤が配合
される。さらに、表面サイズ剤、表面紙力剤、蛍光増白
剤、帯電防止剤、染料、アンカー剤等が表面塗布されて
いてもよい。
【0058】原紙の厚みに関しては特に制限はないが、
紙を抄造中または抄造後カレンダー等にて圧力を印加し
て圧縮するなどした表面平滑性の良いものが好ましく、
その坪量は50〜250g/m2が好ましい。
【0059】原紙の両面に被覆されるポリオレフィン樹
脂層には、前述したようなポリオレフィン樹脂が用いら
れ、その量は、片面で10〜40g/m2の範囲が一般的
である。好ましくは15〜35g/m2で、より好ましく
は20〜30g/m2である。
【0060】ポリオレフィン樹脂層には、酸化チタン、
酸化亜鉛、タルク、炭酸カルシウムなどの白色顔料、ス
テアリン酸アミド、アラキジン酸アミドなどの脂肪酸ア
ミド、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ス
テアリン酸アルミニウム、ステアリン酸マグネシウムな
どの脂肪酸金属塩、イルガノックス1010、イルガノ
ックス1076などの酸化防止剤、コバルトブルー、群
青、セシリアンブルー、フタロシアニンブルーなどのブ
ルーの顔料や染料、コバルトバイオレット、ファストバ
イオレット、マンガン紫などのマゼンタの顔料や染料、
蛍光増白剤、紫外線吸収剤などの各種の添加剤を適宜組
み合わせて加えるのが好ましい。
【0061】本発明に用いられる支持体は、走行する原
紙上に加熱溶融したポリオレフィン樹脂を流延する、い
わゆる押出コーティング法により製造され、その両面が
樹脂により被覆される。また、樹脂を原紙に被覆する前
に、原紙にコロナ放電処理、火炎処理などの活性化処理
を施すことが好ましい。支持体のインク受容層が塗布さ
れる面(表面)は、その用途に応じて光沢面、マット面
などを有し、特に光沢面が優位に用いられる。裏面にも
表面と同様の方法にてポリオレフィン樹脂が被覆され
る。裏面は通常無光沢面であり、表面あるいは必要に応
じて表裏両面にもコロナ放電処理、火炎処理などの活性
処理を施すことができる。
【0062】本発明に用いられる支持体の合計の厚み
は、100〜300μmの範囲が好ましい。本発明にお
いて、支持体のインク受容層面とは反対面には、バック
コート層を設けることができる。また、本発明のインク
ジェット記録シートを葉書の用途に適用する場合、特に
紙の両面にポリオレフィン樹脂層を被覆した樹脂被覆紙
を支持体として用いた場合、支持体の両面にインク受容
層を設ける必要がある。この場合、通常、通信面(宛名
面とは反対面)にインク吸収性及び光沢が高くかつフォ
トライクな画像が得られる、本発明の平均一次粒子径が
30nm以下の無機微粒子を主体に含有するインク受容
層面を設け、その反対面(宛名面)にもインク受容層を
設ける必要がある。この場合、宛名面のインク受容層に
は、上記本発明の無機微粒子を主体に含有する構成を用
いないことが、本発明の加工方法を採用する上で必要で
ある。
【0063】
【実施例】以下、実施例により本発明を詳しく説明する
が、本発明の内容は実施例に限られるものではない。
尚、部及び%は固形分の質量部、質量%を示す。
【0064】実施例1 <支持体の作製>広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)
と針葉樹晒サルファイトパルプ(NBSP)の1:1混
合物をカナディアン スタンダード フリーネスで30
0mlになるまで叩解し、パルプスラリーを調製した。
これにサイズ剤としてアルキルケテンダイマーを対パル
プ0.5質量%、強度剤としてポリアクリルアミドを対
パルプ1.0質量%、カチオン化澱粉を対パルプ2.0
質量%、ポリアミドエピクロロヒドリン樹脂を対パルプ
0.5質量%添加し、水で希釈して1%スラリーとし
た。このスラリーを長網抄紙機で坪量170g/m2にな
るように抄造し、乾燥調湿してポリオレフィン樹脂被覆
紙の原紙とした。抄造した原紙の一方の面(インク受容
層の塗布面)に、密度0.918g/cm3の低密度ポリ
エチレン100質量%の樹脂に対して、10質量%のア
ナターゼ型チタンを均一に分散したポリエチレン樹脂組
成物を320℃で溶融し、200m/分で厚さ35μm
になるように押出コーティングし、微粗面加工されたク
ーリングロールを用いて押出被覆して表樹脂層を設け
た。もう一方の面には密度0.962g/cm3の高密度
ポリエチレン樹脂70質量部と密度0.918の低密度
ポリエチレン樹脂30質量部のブレンド樹脂組成物を同
様に320℃で溶融し、厚さ30μmになるように押出
コーティングし、粗面加工されたクーリングロールを用
いて押出被覆して裏樹脂層を設けた。
【0065】上記ポリオレフィン樹脂被覆紙表裏樹脂層
両面に高周波コロナ放電処理を施した後、表樹脂層面
に、下記組成の下引き層をゼラチンが50mg/m2とな
るように塗布乾燥して支持体を作製した。この支持体
は、幅1.5m、巻長さ3000mの長尺ロール状とし
た。巻方向は、インク受容層の塗布面を内巻きにした。
【0066】 <下引き層> 石灰処理ゼラチン 100部 スルフォコハク酸−2−エチルヘキシルエステル塩 2部 クロム明ばん 10部
【0067】上記支持体に下記のインク受容層Aを気相
法シリカの塗布量が18g/m2になるようにスライドビ
ード塗布方式で塗布し、乾燥してインク受容層面を内巻
きに巻き取った。このようにして作製したインクジェッ
ト記録材料の長尺ロール状物のサイズは、上記支持体サ
イズ(幅1.5m、巻長さ3000m)と同じである。
この長尺ロール状物は、10日間常温常湿で保管され
た。
【0068】 <インク受容層A> 気相法シリカ 100部 (商品名:アエロジル300、日本アエロジル(株)製、平均一次粒径7nm 、BET法による比表面積300m2/g) ジメチルジアリルアンモニウムクロライドホモポリマー 4部 ほう酸 4部 ポリビニルアルコール 23部 (ケン化度88%、平均重合度3500) 界面活性剤 0.3部
【0069】上記のようにして製造されたインクジェッ
ト記録材料の長尺ロール状物を図1に示す切断工程でシ
ート状に切断し、最終A4サイズのインクジェット記録
シートに加工した。
【0070】図1において、ローラ3として直径15m
mのフリーローラを用い、ローラ3とウェブ11との抱
き角度を90度にした。この切断工程の雰囲気は、22
℃、相対湿度45%に調整した。これを比較例1とす
る。この試験の結果、巻癖カールは解消されていたが、
インク受容層面にひび割れが目視で容易に観察できる程
度に発生していた。
【0071】上記比較例1に対して、ローラ3を直径2
0mmのフリーローラに変更する以外は同様に試験した
ものを本発明1とする。この試験の結果、巻癖カールは
解消されており、かつインク受容層面のひび割れの発生
もなかった。
【0072】上記比較例1に対して、切断工程の雰囲気
を22℃相対湿度55%に変更する以外は同様に試験し
たものを本発明2とする。この試験の結果、巻癖カール
は解消されており、かつインク受容層面のひび割れの発
生もなかった。
【0073】上記比較例1に対して、加湿装置5(フリ
ューデックス)を用いる以外は同様に試験したものを本
発明3とする。この試験の結果、巻癖カールは解消され
ており、かつインク受容層面のひび割れの発生もなかっ
た。
【0074】上記比較例1に対して、インク受容層Aに
ポリビニルアルコールの水溶性可塑剤として尿素を1.
5部追加する以外は同様に試験したものを本発明4とす
る。この試験の結果、巻癖カールは解消されており、か
つインク受容層面のひび割れの発生もなかった。
【0075】上記比較例1に対して、インク受容層Aに
平均粒径が0.3μmの流動パラフィンからなる油滴を
5部追加する以外は同様に試験したものを本発明5とす
る。この試験の結果、巻癖カールは解消されており、か
つインク受容層面のひび割れの発生もなかった。
【0076】上記比較例1に対して、インク受容層Aに
平均粒径が0.1μmのエチレン・酢酸ビニル共重合体
(10:90)ラテックスを5部追加する以外は同様に
試験したものを本発明6とする。この試験の結果、巻癖
カールは解消されており、かつインク受容層面のひび割
れの発生もなかった。
【0077】実施例2 実施例1のインク受容層Aのポリビニルアルコールを2
1部に減量する以外は同様にしてインクジェット記録材
料のロール状物を製造した。ポリビニルアルコールを減
量することによって、インク吸収性は向上するが、ひび
割れは発生しやすくなる。このようにして製造されたロ
ール状物に対して、ローラ3として直径20mmのフリ
ーローラを用い、抱き角度90度で、22℃相対湿度4
5%の条件下で試験したところ、巻癖カールは解消され
ていたが、インク受容層面にルーペで確認できる程度の
微小なひび割れが発生していた。これに対して相対湿度
60%に変更したところ、ひび割れの発生は完全に解消
されていた。
【0078】実施例3 実施例1のインク受容層Aのポリビニルアルコールを2
1部に減量し、かつ尿素を1.5部加える以外は同様に
してインクジェット記録材料のロール状物を製造した。
このロール状物に対して、ローラ3として直径20mm
のフリーローラを用い、抱き角度90度で、22℃相対
湿度45%の条件下で試験したところ、巻癖カールは解
消されており、かつインク受容層面のひび割れの発生は
完全に解消されていた。
【0079】実施例4 実施例1のインク受容層Aのポリビニルアルコールを2
1部に減量し、かつ平均粒径が0.3μmの流動パラフ
ィンからなる油滴を5部追加する以外は同様にしてイン
クジェット記録材料のロール状物を製造した。このロー
ル状物に対して、ローラ3として直径20mmのフリー
ローラを用い、抱き角度90度で、22℃相対湿度45
%の条件下で試験したところ、巻癖カールは解消されて
おり、かつインク受容層面のひび割れの発生は完全に解
消されていた。
【0080】実施例5 実施例1のインク受容層Aのポリビニルアルコールを2
1部に減量し、かつ平均粒径が0.1μmのエチレン・
酢酸ビニル共重合体(10:90)ラテックスを5部追
加する以外は同様にしてインクジェット記録材料のロー
ル状物を製造した。このロール状物に対して、ローラ3
として直径20mmのフリーローラを用い、抱き角度9
0度で、22℃相対湿度45%の条件下で試験したとこ
ろ、巻癖カールは解消されており、かつインク受容層面
のひび割れの発生は完全に解消されていた。
【0081】実施例6 実施例1のインク受容層Aのポリビニルアルコールを2
1部に減量し、かつ尿素を1.5部加えるする以外は同
様にしてインクジェット記録材料のロール状物を製造し
た。このロール状物に対して、ローラ3として直径15
mmのフリーローラを用い、抱き角度90度で、22℃
相対湿度60%の条件下で試験したところ、巻癖カール
は解消されており、かつインク受容層面のひび割れの発
生は完全に解消されていた。
【0082】実施例7 実施例1のインク受容層Aのポリビニルアルコールを2
1部に減量し、かつ平均粒径が0.3μmの流動パラフ
ィンからなる油滴を5部追加する以外は同様にしてイン
クジェット記録材料のロール状物を製造した。このロー
ル状物に対して、ローラ3として直径15mmのフリー
ローラを用い、抱き角度90度で、22℃相対湿度60
%の条件下で試験したところ、巻癖カールは解消されて
おり、かつインク受容層面のひび割れの発生は完全に解
消されていた。
【0083】実施例8 実施例1のインク受容層Aのポリビニルアルコールを2
1部に減量し、かつ平均粒径が0.1μmのエチレン・
酢酸ビニル共重合体(10:90)ラテックスを5部追
加する以外は同様にしてインクジェット記録材料のロー
ル状物を製造した。このロール状物に対して、ローラ3
として直径15mmのフリーローラを用い、抱き角度9
0度で、22℃相対湿度60%の条件下で試験したとこ
ろ、巻癖カールは解消されており、かつインク受容層面
のひび割れの発生は完全に解消されていた。
【0084】実施例9 実施例1(インク受容層Aを用いた)と同様にしてイン
クジェット記録材料のロール状物を作製した。但し、支
持体のロール状物の巻方向はインク受容層を塗布する面
を外巻にし、かつインクジェット記録材料のロール状物
の巻方向もインク受容層面を外巻にした。図1におい
て、このようにして製造したロール状物は2に該当す
る。図1の切断工程に従って、最終A4シートに切断し
た。このとき、ローラ3は予め下降させ接触しないよう
に一点鎖線に沿って搬送させ、ローラ31をウェブ11
との抱き角度が90度になるように下降させた。ローラ
31の直径は20mmのフリーローラである。これを比
較例2とする。この試験の結果、巻癖カールは解消して
いたが、インク受容層面に擦れ傷が発生した。
【0085】上記比較例2に対して、インク受容層Aの
上層に、下記組成のコロイダルシリカ含有層を、コロイ
ダルシリカの塗布量が5g/m2になるように、スライド
ビード塗布方式で同時重層塗布した以外は同様に試験し
たものを本発明7とする。この試験の結果、巻癖カール
は解消されており、かつインク受容層面の擦れ傷の発生
もなかった。
【0086】 <コロイダルシリカ含有層> コロイダルシリカ 100部 (商品名:日産化学(株)社製のスノーテックスOL40、40〜50nm) ほう酸 3部 ポリビニルアルコール 4部 (ケン化度88%、平均重合度3500) 界面活性剤 0.2部
【0087】上記比較例2に対して、インク受容層Aに
平均粒径3μmのポリスチレンビーズを0.7部と、平
均粒径17μmのポリスチレンビーズ0.2部を加えた
以外は同様に試験したものを本発明8とする。この試験
の結果、巻癖カールは解消されており、かつインク受容
層面の擦れ傷の発生もなかった。
【0088】上記比較例2に対して、ローラ31をフリ
ーローラから駆動ローラに変更して、ウェブ11の搬送
速度に対してローラ31の周速を±5%以内になるよう
にローラ31の回転速度を制御した以外は同様に試験し
たものを本発明9とする。この試験の結果、巻癖カール
は解消されており、かつインク受容層面の擦れ傷の発生
もなかった。
【0089】
【発明の効果】本発明により、巻癖カールとインク受容
層表面のひび割れ及び擦れ傷が同時に解消する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の切断加工時のインクジェット記録材料
ウェブの搬送過程の模式図。
【図2】ウェブとローラの抱き角度を説明するための模
式図。
【符号の説明】
1、2 インクジェット記録材料の長尺ロール状物 3、31 巻癖カールを解消するためのローラ 4 切断装置 5 加湿装置 11 ウェブ A 内巻き面 B 外巻き面 θ 抱き角度

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 耐水性支持体の一方の面に、平均一次粒
    子径が30nm以下の無機微細粒子を主体に含有する少
    なくとも1層のインク受容層を塗布、乾燥して長尺ロー
    ル状に巻取った後、切断してシート状に加工する方法に
    おいて、前記長尺ロールはインク受容層面が内巻きに巻
    取られており、前記シート状に切断する前に、前記イン
    ク受容層とは反対面を直径が18〜40mmのローラに
    抱き角度が60度以上で当接させながら搬送することを
    特徴とする長尺ロール状インクジェット記録材料の加工
    方法。
  2. 【請求項2】 耐水性支持体の一方の面に、平均一次粒
    子径が30nm以下の無機微細粒子を主体に含有する少
    なくとも1層のインク受容層を塗布、乾燥して長尺ロー
    ル状に巻取った後、切断してシート状に加工する方法に
    おいて、前記長尺ロールはインク受容層面が内巻きに巻
    取られており、前記シート状に切断する前に、相対湿度
    50%以上の雰囲気下で前記インク受容層とは反対面を
    直径が40mm以下のローラに抱き角度が60度以上で
    当接させながら搬送することを特徴とする長尺ロール状
    インクジェット記録材料の加工方法。
  3. 【請求項3】 耐水性支持体の一方の面に、平均一次粒
    子径が30nm以下の無機微細粒子を主体に含有する少
    なくとも1層のインク受容層を塗布、乾燥して長尺ロー
    ル状に巻取った後、切断してシート状に加工する方法に
    おいて、前記長尺ロールはインク受容層面が内巻きに巻
    取られており、前記シート状に切断する前に、前記イン
    ク受容層面を加湿処理するのと同時に、または加湿処理
    した後連続して前記インク受容層とは反対面を直径が4
    0mm以下のローラに抱き角度が60度以上で当接させ
    ながら搬送することを特徴とする長尺ロール状インクジ
    ェット記録材料の加工方法。
  4. 【請求項4】 耐水性支持体の一方の面に、平均一次粒
    子径が30nm以下の無機微細粒子を主体に含有する少
    なくとも1層のインク受容層を塗布、乾燥して長尺ロー
    ル状に巻取った後、切断してシート状に加工する方法に
    おいて、前記インク受容層がポリビニルアルコールとそ
    の水溶性可塑剤を含有し、かつ前記長尺ロールはインク
    受容層面が内巻きに巻取られており、前記シート状に切
    断する前に、前記インク受容層とは反対面を直径が40
    mm以下のローラに抱き角度が60度以上で当接させな
    がら搬送することを特徴とする長尺ロール状インクジェ
    ット記録材料の加工方法。
  5. 【請求項5】 耐水性支持体の一方の面に、平均一次粒
    子径が30nm以下の無機微細粒子を主体に含有する少
    なくとも1層のインク受容層を塗布、乾燥して長尺ロー
    ル状に巻取った後、切断してシート状に加工する方法に
    おいて、前記インク受容層が平均粒径0.5μm以下の
    油滴を含有し、かつ前記長尺ロールはインク受容層面が
    内巻きに巻取られており、前記シート状に切断する前
    に、前記インク受容層とは反対面を直径が40mm以下
    のローラに抱き角度が60度以上で当接させながら搬送
    することを特徴とする長尺ロール状インクジェット記録
    材料の加工方法。
  6. 【請求項6】 耐水性支持体の一方の面に、平均一次粒
    子径が30nm以下の無機微細粒子を主体に含有する少
    なくとも1層のインク受容層を塗布、乾燥して長尺ロー
    ル状に巻取った後、切断してシート状に加工する方法に
    おいて、前記インク受容層の上にコロイダルシリカを含
    有する層を有し、かつ前記長尺ロールはインク受容層面
    が外巻きに巻取られており、前記シート状に切断する前
    に、前記インク受容層面を直径が40mm以下のローラ
    に抱き角度が60度以上で当接させながら搬送すること
    を特徴とする長尺ロール状インクジェット記録材料の加
    工方法。
  7. 【請求項7】 耐水性支持体の一方の面に、平均一次粒
    子径が30nm以下の無機微細粒子を主体に含有する少
    なくとも1層のインク受容層を塗布、乾燥して長尺ロー
    ル状に巻取った後、切断してシート状に加工する方法に
    おいて、前記インク受容層が平均粒径1μm以上の微粒
    子を有し、かつ前記長尺ロールはインク受容層面が外巻
    きに巻取られており、前記シート状に切断する前に、前
    記インク受容層面を直径が40mm以下のローラに抱き
    角度が60度以上で当接させながら搬送することを特徴
    とする長尺ロール状インクジェット記録材料の加工方
    法。
  8. 【請求項8】 耐水性支持体の一方の面に、平均一次粒
    子径が30nm以下の無機微細粒子を主体に含有する少
    なくとも1層のインク受容層を塗布、乾燥して長尺ロー
    ル状に巻取った後、切断してシート状に加工する方法に
    おいて、前記長尺ロールはインク受容層面が外巻きに巻
    取られており、前記シート状に切断する前に、前記イン
    ク受容層面を直径が40mm以下の駆動ローラに抱き角
    度が60度以上で当接させながら搬送することを特徴と
    する長尺ロール状インクジェット記録材料の加工方法。
  9. 【請求項9】 前記耐水性支持体が紙の両面をポリオレ
    フィン樹脂層で被覆した支持体である請求項1〜8のい
    ずれか1つに記載の長尺ロール状インクジェット記録材
    料の加工方法。
  10. 【請求項10】 前記無機微細粒子が気相法シリカまた
    はアルミナ水和物である請求項1〜9のいずれか1つに
    記載の長尺ロール状インクジェット記録材料の加工方
    法。
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