JP3836197B2 - インクジェット記録用紙 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、印字性、耐水性に優れ、支持体と密着性が良好で、かつ、高い光沢のある画像を与えることができる水性インクジェット記録用紙に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
インクジェット記録は、染料を水に溶解した水性インクを用いる記録方式であり、近年その高速性、低騒音性、多色印字の容易、記録パターンの融通性が大きい及び現像、定着が不要である等を特徴として、漢字を含むカラー図形情報のハードコピー装置をはじめ、種々の用途において急速に普及している。さらに、多色インクジェット方式により形成される画像は通常の多色印刷、例えばオフセット印刷、によるものに比較して遜色なく、作成部数が少ない場合には通常の製版方式によるより安価なことから、インクジェット記録方式を単なる記録用途に留めず、多色印刷やカラー写真の分野にまで応用する試みが為されている。
【0003】
記録媒体として普通紙やピグメント塗工紙を使うべくインクジェット記録装置やインク組成の面から努力が成されてきた。しかし、装置の高速化、高精細化あるいはフルカラー化などインクジェット記録装置の性能の向上や用途の拡大に伴い、記録媒体に対してもより高度な特性が要求されるようになった。
インク吸収性を満足させるためにはインク受理層を構成する水溶性あるいは水分散性樹脂バインダーに加えて無機微細粉末を配合(特開昭55−51683号公報、特開平7−89216号公報)すると、表面の平滑性がさらに低くなり、光沢の低い記録画像となり、今一つ見映えしない。
【0004】
プラスチックフィルムやラミネート紙のように高平滑なシート状支持体上にインク受理層を設けて写真印画紙並の高い光沢の画像を得ることが試みられているが、水溶性あるいは水分散性樹脂に加えて無機微細粉末を配合すると高い光沢性を有する画像は得られない。また、支持体へのインク受理層の密着強度低下を招く。
この点を改良する方法として、スーパーカレンダーやグロスカレンダーで紙面を仕上げる方法が一般的に使用されている。しかしこの様な方法はインク受理層を圧縮し、緻密にするためインク吸収性を低下させるという欠点を伴う。
【0005】
又、固形分100%の電子線あるいは紫外線により硬化し得る不飽和有機化合物を使用してインクジェット記録用紙を作製することも特開平2−67177号公報、特開平4−69277号公報等で開示されているが、この方法だとインクジェット記録後の高い光沢は得られても、インク吸収性やインク吸収速度が悪く、汎用性のある水性インクを用いるインクジェット記録用紙は得られない。
高い光沢画像が得られる記録用紙として特公平3−25352号公報では、支持体として表面光沢度がJIS P−8142(75度測定)で80%以上のキャストコート紙、又はハンター白色度がJIS P−8123で80%以上のプラスチックシート上に、けん化度が50〜90モル%であるポリビニルアルコールと対ポリビニルアルコール(固形分換算)5〜50重量%の架橋剤を含有する皮膜を形成したことを特徴とするインクジェット記録用紙が提案されている。
【0006】
近時、屋外広告ポスター用紙、立て看板、吊るし広告用紙等の印刷にも水性インクジェット記録が利用されるようになったが、支持体としてパルプ抄造紙を用いる用紙は、支持体として用いられているパルプ抄造紙が吸水性であるので印字後の乾燥時間が長くなったり、印字された記録紙にしわやカールが発生する、破損し易い(特に屋外で雨に晒された場合)、等の問題が生じていた。
これを防ぐために、支持体として二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(特開平7−76162号公報)を用いたり、無機微細粉末を含有する樹脂延伸フィルムよりなる合成紙(特開平7−89218号公報、特公平6−62003号公報)を用いることが提案され、実用化されているが、高い光沢の画像を得ることができない。
高い光沢の画像を得るには、特公平3−25352号公報提案のように高い表面光沢度を有する樹脂製支持体を用いればよいが、支持体とインク受理層が剥離し易すく、実用性がない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、支持体とインク受理層との密着性が優れた高光沢の画像が得られる耐水性の良好なインクジェット記録用紙の提供を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、水性インクを用いて記録画像を形成するインクジェット記録用紙において、該記録用紙が、(A)表面光沢度(JIS Z−8741;60度測定)が70%以上で、白色度(JIS P−8123)が80%以上であるプロピレン系樹脂フィルムを支持体とし、この光沢度が70%以上の表面層に、(B)下記の第1のプライマー塗工層が設けられ、そのプライマー塗工層表面に、下記第2のプライマー塗工層が設けられた窒素基含有アクリル系樹脂のプライマー塗工層を設け、更にこのプライマー塗工層(B)表面に、(C)表面光沢度(JIS Z−8741;60度)が70%以上の、インク受理層を設けたものである、インクジェット記録用紙である。
《第1のプライマー塗工層》
(a ' )下記の単量体(i)、(ii)および(iii)を共重合して得た重合体の三級窒素原子をカチオン化剤で四級化した両性化物である、四級窒素含有アクリル系樹脂:
100重量部に、
(b ' )ポリエチレンイミン、ポリ(エチレンイミン−尿素)及びポリアミンポリアミドのエチレンイミン付加物、又は、これらのアルキル変性体、アルケニル変性体、ベンジル変性体、もしくは、脂肪族環状炭化水素変性体からなる群より選ばれたポリイミン系化合物: 20〜300重量部、
(c ' )ポリアミンポリアミドのエピクロルヒドリン付加物: 20〜300重量部、
の割合で配合した組成物の水溶液を塗布し、乾燥して得られたものであるプライマー塗工層
【化2】
(iii)他の疎水性ビニル単量体0〜80重量%
〔ただし、各式中、R 1 はHまたはCH 3 、R 2 は炭素数1〜18のアルキル基、R 3 およびR 4 はそれぞれHまたは炭素数1〜2のアルキル基、Aは炭素数2〜6アルキレン基である。〕
《第2のプライマー塗工層》
(a)成分:少なくとも2個のヒドラジン残基を有するヒドラジン誘導体、
(b)成分:カルボニル基含有アクリル系共重合物を主成分とする水性分散体、
よりなる常温架橋型アクリル系水性エマルジョンを塗布し、乾燥して得られた窒素含有アクリル樹脂層であるプライマー塗工層
【0009】
【作用】
支持体の耐水性を有する不透明な、高光沢のプロピレン系樹脂フィルム(A)と、インク受理層(C)とは、窒素基含有アクリル系樹脂プライマー塗工層(B)により強固に接着するので、画像が剥れることがない。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下に本発明のインクジェット記録用紙について、更に詳細に説明する。
支持体:
プライマー塗工層が設けられる支持体(A)は、JIS Z−8741規定の60度で測定した表面光沢度が70%以上、好ましくは80〜100%のプロピレン系樹脂フィルムであり、JIS P−8123で測定した白色度が80%以上、好ましくは90〜100%のプロピレン系樹脂フィルムである。
かかる白色のプロピレン系樹脂フィルムとして好ましいものは、フィルム内部に微細なボイドを有する延伸プロピレン系樹脂フィルムよりなる微多孔性の合成紙であって、その不透明度(JIS P−8138)が85%以上、好ましくは90%以上で、次式(1)で算出される空孔率が10〜60%、好ましくは15〜45%、肉厚が30〜300μm、好ましくは50〜150μmの微多孔性合成紙が挙げられる。
【0011】
【式1】
【0012】
かかる微多孔性の合成紙としては、例えば次の▲1▼〜▲4▼のものが挙げられる。
▲1▼ ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ナイロン6等の有機充填剤を8〜45重量%の割合で含有する微多孔を有するプロピレン系樹脂の二軸延伸フィルム。
▲2▼ 二軸延伸熱可塑性フィルムを基材層とし、無機微細粉末を8〜65重量%含有するプロピレン系樹脂の一軸延伸フィルムを紙状層とし、この紙状層の表面に、更に実質的に無機微細粉末を含有しない(0〜3重量%)肉厚0.1〜20μmの透明なプロピレン系樹脂ラミネート層が設けられた構造の高い光沢の印刷が可能な合成紙(特公平4−60437号公報、同1−60411号公報、特開昭61−3748号公報)。
【0013】
▲3▼ 無機微細粉末および/又は有機微細粉末を8〜45重量%含有するプロピレン系樹脂二軸延伸フィルムの表裏面に▲1▼の二軸延伸フィルムが積層された複合合成紙。
▲4▼ 無機微細粉末および/または有機微細粉末を8〜45重量%含有するプロピレン系樹脂二軸延伸フィルムの表面に、微細粉末を実質的に含まないプロピレン系樹脂二軸延伸フィルムが積層された複合合成紙。
【0014】
プロピレン系樹脂としては、プロピレン単独重合体、プロピレン・エチレン共重合体、プロピレン・ブテン−1共重合体、プロピレン・エチレン・ブテン−1共重合体、プロピレン・4−メチルペンテン−1共重合体等が挙げられる。
このプロピレン系樹脂の延伸性を良好とすためポリエチレン、ポリスチレン、エチレン・酢酸ビニル共重合体等のポリプロピレンよりも融点が低い熱可塑性樹脂を3〜25重量%配合してもよい。
【0015】
無機微細粉末としては、炭酸カルシウム、焼成クレイ、シリカ、けいそう土、タルク、酸化チタン、硫酸バリウム等、粒径が0.03〜16ミクロンのものが使用される。
延伸倍率は縦、横方向とも4〜10倍が好ましく、延伸温度は樹脂がホモポリプロピレン(融点164〜167℃)のときは130〜162℃である。また、延伸速度は50〜350m/分である。
支持体(A)の表面光沢度が70%未満では、インク受理層(C)の表面光沢を70%以上とすことが困難である。支持体(A)の白色度は印刷画像の見映えの面から80%以上が好ましい。
【0016】
(B)プライマー塗工層
支持体(A)とインク受理層(C)の密着性を良好とし、かつ、インクジェット記録用紙の給排紙性を良好とするプライマー塗工層(B)は、窒素基含有アクリル系樹脂であり、例えば、
(a)成分:少なくとも2個のヒドラジン残基を有するヒドラジン誘導体、
(b)成分:カルボニル基含有アクリル系共重合物を主成分とする水性分散体、よりなる常温架橋型アクリル系水性エマルジョン(B1 )である。
上記(a)成分の少なくとも2個のヒドラジン残基を有するヒドラジン誘導体としては、例えば、2〜10個、特に4〜6個の炭素原子を含有する下記のジカルボン酸ジヒドラジドがあげられる。
【0017】
イソフタル酸ジヒドラジド、マロン酸ジヒドラジド、こはく酸ジヒドラジド、グルタル酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド、マレイン酸ジヒドラジド、フマル酸ジヒドラジド及び/又はイタコン酸ジヒドラジド、2〜4個の炭素原子を有する脂肪族の水溶性ジヒドラジン、たとえばエチレン−1,2−ジヒドラジン、プロピレン−1,3−ジヒドラジン及びブチレン−1,4−ジヒドラジン。
これらの中でもアジピン酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジドが好ましい。
【0018】
また、(b)成分のカルボニル基を有するアクリル系共重合物としては、例えば、
(イ) メタクリル酸メチル、ビニル芳香族化合物、メタクリル酸第三級ブチル、アクリル酸第三級ブチル、ハロゲン化ビニル、エチレンより選ばれた単量体
0〜75重量%
(ロ) 2〜8個の炭素原子を有するアルカノールのアクリル酸またはメタクリル酸のエステル、ビニルエステル類、アクリル酸メチル、1,3−ジエンより選ばれた単量体 99.4〜25重量%
【0019】
(ハ) 分子中に少なくとも1個のアルデヒド基またはケト基と少なくとも1個の重合可能な2重結合を有するカルボニル基含有単量体 0.1〜20重量%
(ニ) 3〜5個の炭素原子を有するモノ又は/及びジカルボン酸又は/及び窒素原子において1〜4個の炭素原子を有するアルキル基又は/及びアルキロール基により置換されたこれらの酸のアミド 0.5〜10重量%
必要により
(ホ) アクリロニトリル、メタクリロニトリル 0〜40重量%
の(イ)乃至(ホ)のビニル単量体を上記割合で乳化重合することにより得られるガラス転移点が−85℃〜+70℃のカルボニル基含有共重合物である。
【0020】
上記(イ)成分のビニル単量体、即ち、メタクリル酸メチル、ビニル芳香族化合物例えばスチレン、メタクリル酸第三級ブチル、アクリル酸第三級ブチル、ハロゲン化ビニル例えば塩化ビニル及び/又は塩化ビニリデン、エチレン、は共重合体中の0〜75重量%、好ましくは20〜50重量%の量となる様用いる。
【0021】
(ロ)成分のビニル単量体としては、例えば2〜8個の炭素原子を有するアルコール例えばエタノール、イソプロパノール、n−プロパノール、n−ブタノール、イソブタノールもしくは2−エチルヘキサノールとアクリル酸及び/又はメタクリル酸とからのエステル化物、アクリル酸メチル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、1,3−ジエン(例えばブタジエン)、が挙げられる。これらの中でも2−エチルヘキシルアクリレート、n−ブチルアクリレート、エチルアクリレートが好ましい。これら(ロ)成分の単量体は共重合体中の99.4〜25重量%、好ましくは80〜50重量%の量となる様用いる。
【0022】
また、(ハ)成分のカルボニル基含有単量体としては、分子中に少なくとも1個のアルデヒド基又はケト基と1個の重合可能な二重結合を有する単量体、すなわち特に重合可能なモノオレフィン性不飽和のアルデヒド化合物及びケト化合物であって、エステル基(−COO−)、カルボキシル基(−COOH)のみを有する化合物は除かれる。具体的にはアクロレイン、ジアセトンアクリルアミド、ホルミルスチロール、好ましくは4〜7個の炭素原子を有するビニルアルキルケトンたとえば特にビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン及びビニルイソブチルケトン及び/又は次式
【0023】
【化3】
(式中、R1 はHまたはCH3 、R2 はH又は1〜3個の炭素原子を有するアルキル基、R3 は1〜3個の炭素原子を有するアルキル基、そしてR4 は1〜4個の炭素原子を有するアルキル基を意味する)
【0024】
で表わされるアクリル(メタクリル)オキシアルキルプロパナール、ジアセトンアクリレート、アセトニルアクリレート、ジアセトンアクリレート、ジアセトンメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート−アセチルアセテート及びブタンジオール−1,4−アクリレート−アセチルアセテート等が用いられる。
これらの中でもアクロレイン、ジアセトンアクリルアミド、及びビニルメチルケトンが好ましい。
この(ハ)成分のカルボニル基含有単量体は、共重合体中の0.1〜20重量%、好ましくは2〜7重量%の量となる様用いる。
【0025】
更に、(ニ)成分の単量体としては、モノオレフィン性不飽和の3〜5個の炭素原子を有するモノ及び/又はジカルボン酸たとえばアクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸及びマレイン酸、及び/又はそのアミドをたとえばアクリルアミド、メタクリルアミド、及び/又はそのN−アルキル又はN−アルキロール誘導体、たとえばN−メチルアクリルアミド、N−イソブチルアクリルアミド、N−メチルメタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、N−エトキシメチルアクリルアミド、N−n−ブトキシメチルアクリルアミドもしくはN−イソプロポキシメタクリルアミドが挙げられ、これらの中でもアクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸が好ましい。
【0026】
これら(ニ)成分のビニル単量体は、共重合物中の0.5〜10重量%、好ましくは1〜5重量%の量となる様用いる。
必要によりこれら(イ)乃至(ニ)のビニル単量体の他に(ホ)アクリロニトリル、メタクリロニトリルを0〜40重量%又は/及びモノオレフィン性不飽和スルホン酸を0.1〜10重量%の量追加し、乳化重合して得られる共重合物のガラス転移温度が−85℃〜+70℃となる様、各ビニル単量体の種類、量を定める。
【0027】
この(b)成分の共重合物の水性分散体は普通の手段で普通の乳化剤及び分散剤を用いて単量体を水性乳濁液中で共重合させることにより製造可能であり、そして多くの場合40〜60重量%の共重合物の濃度を有する。乳化剤及び分散助剤としては、共重合物の量に対し多くの場合0.2〜3重量%のアニオン性及び/又は非イオン性の乳化剤が含有される。その例は下記のものである。
【0028】
ジアルキルスルホンこはく酸ナトリウム、硫酸化油のナトリウム塩、アルキルスルホン酸のナトリウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩及びアンモニウムアルキルサルフェート、スルホン酸のアルカリ金属塩、オキシアルキル化されたC12〜C24−脂肪族アルコールのアルカリ金属塩及びオキシアルキル化されたアルキルフェノールのアルカリ金属塩、ならびに他のオキシエチル化された脂肪酸、脂肪族アルコール及び/又は脂肪族アミド、オキシエチル化されたアルキルフェノール、さらに脂肪酸のナトリウム塩たとえばステアリン酸ナトリウム及びオレイン酸ナトリウム。
【0029】
共重合物のガラス転移温度は常法により、たとえば温度の関数としてのクリープを試験する際の弾性率の測定から、あるいはDTA(示差熱分析法)を用いて求められる。
かかる常温架橋型アクリル系水性エマルジョンは、三菱化学BASF(株)よりアクロナールYJ−2715D、YJ−2716D、YJ−2720D、YJ−2740D及びYJ−2741Dの商品名で販売されている。
【0030】
この主バインダーは、常温架橋型アクリル系水性エマルジョンを50重量%以上含有するものであって、一部(50重量%以下)を無架橋型のアクリル系水性エマルジョンや、SBRラテックス、エチレン・酢酸ビニル共重合体エマルジョン、エチレン・酢酸ビニル・塩化ビニル共重合体エマルジョン、酢酸ビニル・アクリル酸エステル共重合体エマルジョンに置き換えてもよい。
【0031】
又、他の窒素基含有アクリル系樹脂層(B2)の例としては、
(a’) 次の単量体(i)、(ii)および(iii)を共重合して得た重合体の三級窒素原子をカチオン化剤で四級化した両性化物である、四級窒素含有アクリル系樹脂: 100重量部に、
【0032】
【化4】
【0033】
(iii) 他の疎水性ビニル単量体 0〜20重量%
〔ただし、各式中、R1 はHまたはCH3 、R2 は炭素数1〜18のアルキル基、R3 およびR4 はそれぞれHまたは炭素数1〜2のアルキル基、Aは炭素数2〜6のアルキレン基である。〕
(b’) ポリエチレンイミン、ポリ(エチレンイミン−尿素)及びポリアミンポリアミドのエチレンイミン付加物、又は、これらのアルキル変性体、アルケニル変性体、ベンジル変性体、もしくは、脂肪族環状炭化水素変性体からなる群より選ばれたポリイミン系化合物: 20〜300重量部
(c’) ポリアミンポリアミドのエピクロルヒドリン付加物:
20〜300重量部
の割合で配合された組成物の水溶性を塗布し、乾燥して得られたものである。
【0034】
(a’)成分の四級窒素含有アクリル系樹脂は、帯電防止に寄与するプライマーで、これについては特公平2−2910号公報に記載されている。
(ii)の単量体の例示としては、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、ブチルアクリレート、カプリルアクリレート、ステアリルメタクリレート等を挙げることができる。
(iii)の疎水性ビニル単量体としては、スチレン、塩化ビニル等が利用できる。
【0035】
【課題を解決するための手段】
(b’)のポリイミン系化合物は、接着力を強化するプライマーで、例えば、一般式
【化5】
(式中、R1 〜R4 はそれぞれ独立に、H、炭素数が1〜24のアルキル基若しくはアルケニル基、脂肪族環状炭化水素基又はベンジル基であり、mは0〜30、n、p及びqはそれぞれ1〜300の数値を表わす。)
【0036】
で示されるポリエチレンイミン、及びポリアミンポリアミドのエチレンイミン付加物、又は、これらのアルキル変性体、アルケニル変性体、ベンジル変性体、若しくは、脂肪族環状炭化水素変性体からなる群より選ばれたポリイミン系化合物および、ポリ(エチレンイミン−尿素)が挙げられる(特公平2−2910号公報、特開平1−141736号公報)。
【0037】
(c’)成分のポリアミンポリアミド・エピクロルヒドリン付加物も接着力を強化するプライマーで、かかるものとしては、炭素数3〜10の飽和二塩基性カルボン酸とポリアルキレンポリアミンとからポリアミドをエピクロルヒドリンと反応させて得られる水溶性で陽イオン性の熱硬化性樹脂である。このような熱硬化性樹脂の詳細については、特公昭35−3547号公報に詳細に述べられている。
【0038】
上記炭素数3〜10の飽和二塩基性カルボン酸の具体例としては、炭素数4〜8のジカルボン酸、特にアジピン酸である。
また、上記ポリアルキレンポリアミンの具体例としては、ポリエチレンポリアミン、特にエチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミンであり、就中ジエチレントリアミンが好ましいものである。
【0039】
これらの成分の他に、炭酸ナトリウム、硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、水酸化バリウム、メタ珪酸ナトリウム、ピロ燐酸ソーダ(Na4 P2 O7 ・10H2 O)、トリポリ燐酸ソーダ(Na5 P3 O10・6H2 O)、第一燐酸ソーダ(NaH2 PO4 ・2H2 O)、カリ明礬(KAl(SO4 )2 ・12H2 O)、アンモニウム明礬(Al(NH4 )(SO4 )2 ・12H2 O)等の無機化合物を配合することができる。
【0040】
これら(a’)、(b’)、(c’)成分は、通常、固形分量が一般に0.1〜10重量%、好ましくは0.1〜5重量%の濃度の水溶液(塗工剤)として用いられる。
また、プロピレン系樹脂フィルムへの塗布量は、固形分量で一般に0.005〜10g/m2 、好ましくは0.02〜5g/m2 の範囲である。
プライマーの塗布方法としては、ロール、ブレード、エアーナイフ、サイズプレス等の通常の塗布方式を採用することができる。
【0041】
これら(a')、(b')および(c')成分の割合は、(a')の窒素含有アクリル系樹脂100重量部に対し、(b')のポリイミン系化合物が20〜300重量部、好ましくは、20〜100重量部、(c')のポリアミンポリアミドのエピクロルヒドリン付加物が20〜300重量部、好ましくは35〜200重量部である。これらの組成を保つことにより、記録用紙の帯電防止性が保持され、インク受理層(C)と支持体(A)の密着力が高いものとなる。
プライマー塗工層(B)は、二層構造以上とするものであり、支持体(A)の上に(B2)のプライマーを、その上に(B1)のプライマーを形成したものである。
【0042】
(C)インク受理層
インク受理層は、表面光沢度が70%以上、好ましくは80%以上のもので、一般に水性インクに対して吸着性を有するカチオン樹脂(特開平5−124329号公報)及び/又は水系記録液に対して膨潤性を有する親水性ポリマー(特公平3−25352号公報)によって形成される。表面光沢度を高めるため、合成シリカ、アルミナヒドロゾル、タルク、炭酸カルシウム、クレイ等のピグメントはできる限り含有しない方がよい。
【0043】
カチオン樹脂としては、カチオン変性ポリウレタン樹脂、ポリエチレンポリアミン、ポリビニルピロリドン、ビニルピロリドン−酢酸ビニル共重合体、第3級窒素含有アクリル系樹脂等が挙げられる(特開平8−90898号公報、特開昭63−162275号公報、特開昭62−148292号公報)。
親水性ポリマーとしては、ポリビニルアルコール、シラノール基を含むエチレン・ビニルアルコール共重合体、ポリビニルピロリドン、エチレン・酢酸ビニル共重合体、メチルエチルセルロース、ポリアクリル酸ソーダ、でんぷん等が挙げられる。中でも架橋されたポリビニルアルコール、シラノール基を含むエチレン・ビニルアルコール共重合体が好ましい。
【0044】
必要により、インク受理層にはインクセット剤が配合される。インクセット剤としては、ポリエチレンイミンの3級アンモニウム塩、4級アンモニウム基を共重合成分として含むアクリル共重合体、ポリアミンポリアミドのエピクロルヒドリン付加物等が挙げられる。
支持体へのインク受理層の形成は、上記成分を含有する塗工剤を支持体(A)の表面に形成されたプライマー塗工層(B)側に5〜50g/m2 、好ましくは10〜40g/m2 (固型分量)の割合で塗布し、乾燥させることにより得られる。
必要により乾燥した塗工層の表面にスーパーカレンダー処理を行って塗工層(インク受理層)を平滑にする。
【0045】
【実施例】
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明する。
支持体(A)の製造例
(例1)
(1) メルトフローレート(MFR)0.8g/10分のポリプロピレン(融点164℃)81重量%に、高密度ポリエチレン3重量%及び平均粒径1.5μmの炭酸カルシウム16重量%を混合した組成物(A)を270℃に設定した押出機にて混練した後、シート状に押し出し、冷却装置により冷却して、無延伸シートを得た。そして、このシートを140℃の温度にまで再度加熱した後、縦方向に5倍延伸した。
【0046】
(2) MFRが4.0g/10分のポリプロピレン54重量%と、平均粒径1.5μmの炭酸カルシウム46重量%とを混合した組成物(B)を別の押出機にて混練させた後、これをダイよりシート状に押し出し、これを(1)の5倍延伸フィルムの片面に積層し、二層構造の積層フィルムを得た。
次いで、この組成物(B)と、MFRが4.0g/10分のポリプロピレン(C)とを別の押出機にて溶融混練させた後、これをダイ内で二層に積層したものを、上記(2)の二層構造の積層フィルムの組成物(B)のシート層が積層れていない側に、ポリプロピレン(C)が外側になるように積層して、四層構造の積層フィルムを得た。
【0047】
次いで、この四層構造の積層フィルムを60℃まで冷却した後、再び約160℃の温度にまで加熱して、テンターを用いて横方向に7.5倍延伸し、165℃の温度でアニーリング処理して、60℃の温度にまで冷却し、コロナ放電処理した後耳部をスリットして肉厚が(C/B/A/B=5μm/10μm/80μm/11μm)、白色度96%、不透明度93%の四層構造の合成紙を得た。各層の空孔率は、(C/B/A/B=0%/45%/16%/45%)で、あった。又、この表面層Cの表面光沢度は、76.8%であった。
【0048】
(例2)
肉厚が140μm、白色度94%、不透明度90%、表面光沢度78.2%のプロピレン系樹脂延伸積層フィルムよりなる合成紙“ユポGWG−140”(王子油化合成紙(株)製商品名)を用いた。
【0049】
(例3)
(1) MFR1.0g/10分のポリプロピレン81重量%に、高密度ポリエチレン3重量%及び平均粒径1.5μmの炭酸カルシウム16重量%を混合した組成物(A)を270℃に設定した押出機にて混練した後、シート状に押し出し、冷却装置により冷却して、無延伸シートを得た。そして、このシートを140℃の温度にまで再度加熱した後、縦方向に5倍延伸した。
【0050】
(2) MFRが4.0g/10分のポリプロピレン54重量%と、平均粒径1.5μmの炭酸カルシウム46重量%を混合した組成物(B)を別の押出機にて混練させた後、これをダイよりシート状に押し出し、これを(1)の5倍延伸フィルムの両面に積層し、三層構造の積層フィルムを得た。次いで、この三層構造の積層フィルムを60℃まで冷却した後、再び約160℃の温度にまで加熱して、テンターを用いて横方向に7.5倍延伸し、165℃の温度でアニーリング処理して、60℃の温度にまで冷却し、コロナ放電処理した後、耳部をスリットして三層構造(一軸延伸/二軸延伸/一軸延伸)の、肉厚110μm(B/A/B=25μm/60μm/25μm)、白色度96%、不透明度94%の合成紙を得た。また、各層のボイド率は、(B/A/B=30%/33.7%/30%)であった。又、この合成紙の表面層(B)の表面光沢度は8.7%であった。
【0051】
(B)窒素基含有アクリル系樹脂の製造例
(例1)
温度調節器、いかり形攪拌器、還流冷却器、供給容器、温度計及び窒素導入管を備えた反応容器内に、下記の原料を装入した。
水 200部
エチレンオキシド20モルと反応させたp−ノニルフェノールの硫酸半エステルのナトリウム塩(アニオン性乳化剤)の35%水溶液 5部
エチレンオキシド25モルと反応させたp−ノニルフェノール(非イオン性乳化剤)の20%溶液 20部
【0052】
供給物Iとして下記の混合物を用いた。
水 200部
前記アニオン性乳化剤の35%溶液 25部
スチレン 240部
アクリル酸2−エチルヘキシルエステル 215部
アクリル酸 10部
アクロレイン 25部
アクリルアミド 10部
【0053】
供給物IIとして、水85部中の過硫酸カリウム2.5部の溶液を調製した。反応器内を窒素ガスで置換したのち、装入物に供給物Iの10%を加え、混合物を90℃に加熱した。次いで供給物IIの10%を反応器に注入し、次いで一様に並行して3〜3.5時間かけて残りの供給物I及びIIを反応器に供給した。供給後なお1.5時間90℃に保持したのち、反応器を室温に冷却した。分散液のPHをアンモニア水で7〜8となし、アジピン酸ジヒドラジド8部を添加して約1時間攪拌した。
このようにして固形分50%の水性分散体を得た。
【0054】
(例2)
例1の製造例において、共重合組成を次に示す割合に変更し、例1と同様の重合操作を行って水性分散体を得た。
(共重合組成)
スチレン 90部
2−エチルヘキシルアクリレート 365部
アクリル酸 10部
アクロレイン 25部
アクリルアミド 10部
【0055】
(例3)
下記の組成の塗工剤を用いた。
(a’) 次のユニットの三元共重合体 0.5重量%
【化6】
【0056】
(b’) ブチル化変性ポリエチレンイミン 0.3重量%
(c’) 水溶性ポリアミンポリアミドのエピクロルヒドリン付加物(ディック・ハーキュルス社製「カイメン557M:商品名」) 0.5重量%
(d’) 水 残余
【0057】
(例4)
下記の組成の塗工剤を用いた。
(a’) 次のユニットの四元共重合体 1.5重量%
【化7】
【0058】
【化8】
【0059】
【化9】
【0060】
(b’) ブチル化変性ポリエチレンイミン 0.2重量%
ポリアミンポリアミドのエチレンイミン付加物(BASF社製ポリミンSN)
0.3重量%
(c’) 水溶性ポリアミンポリアミドのエピクロルヒドリン付加物(ディック・ハーキュルス社製「カイメン557M」 0.5重量%
(d’) 水 残余
【0061】
(参考例1)
例1で得た支持体の表裏面層に、例3で得た窒素基含有アクリル系樹脂含有塗工剤を各々、固型分量で0.5g/m2 となるようにサイズプレスを用いて塗工し、乾燥させてプライマー塗工層を設けた。
支持体の表面層(C)側のプライマー塗工層上に、高松油脂(株)製アニオン型変性ポリエステル樹脂“NS−63P”(商品名)をバーコーターを用いて塗工量が20g/m2 になるように、塗工し、乾燥した。
更に、BASF社製ポリビニルピロリドン水溶液K−90(商品名)をバーコーターを用いて上記NP−63の層に塗工量が3g/m2 になる如く、塗工し、乾燥した。
【0062】
更に、高松油脂(株)製カチオン性ビニル化合物IN−177P(商品名)をバーコーターを用いて上記K−90の層に塗工量が5g/m2 になるように塗工し、乾燥してインクジェット記録用紙を得た。
このインクジェット記録用紙の表面光沢度は80%であった。
又、このインクジェット記録用シートに、インクジェットプリンタ(エプソン(株)製 マッハジェットMJ−800C)で記録を行った場合のベタ部分の光沢、インク発色を以下に示す方法で評価した。
【0063】
(1)光沢
イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのカラーインクで発色させたベタ部分と白紙部分について、JIS Z−8741の方法(入射角60度、受光角60度の鏡面光沢度)に従い、グロスメーター(スガ試験機(株)製 UCV−5D)で測定し10回の測定値を平均した。
【0064】
(2)インク発色
イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのカラーインクで網点率10%の印字部分について、倍率100倍の光学顕微鏡でドット形状を観察し、目視で下記の3段階に評価した。
○:真円
△:偏平した円
×:円として判別できない
【0065】
(3)塗膜密着強度
インクジェット記録された記録用紙を、温度40℃又は80℃、相対湿度75%の恒温室に12時間保管した後、ベタ部にニチバン(株)製粘着テープ“セロテープ”(商品名)を貼着し、これを記録用紙より手で引き剥がした。
記録用紙面上のベタインクの残留程度を目視判定した。
結果を表1に示す。
【0066】
(参考例2)
例2の合成紙の表裏面に、例4で得た窒素含有アクリル系樹脂を含有する塗工剤を固型分量が0.5g/m2 になるようにサイズプレスを用いて塗工し、乾燥させた。
合成紙の高光沢(76.8%)側に設けられた上記プライマー塗工層の表面に、大日本インキ化学工業(株)製カチオン型変性ポリウレタン樹脂(パテラコールIJ−2;商品名)をバーコーターを用いて塗工量が20g/m2 になるように、塗工し、乾燥してインクジェット記録用紙を得た。
【0067】
(比較例1)
合成紙として例1のものを用い、例3のプライマー塗工層を設けない他は実施例1と同様にしてインクジェット記録用紙を得た。
(比較例2)
合成紙として例2のものを用い、例4のプライマー塗工層を設けない他は実施例2と同様にしてインクジェット記録用紙を得た。
【0068】
(比較例3)
実施例1において、合成紙として例3で得た合成紙(表面光沢度8.7%)を用いる他は同様にしてインクジェット記録用紙を得た。
(比較例4)
比較例2において、白色度94%、表面光沢度が11.3%のプロピレン系樹脂延伸フィルムよりなる合成紙“ユポFBE 130”(商品名)を用いる他は同様にしてインクジェット記録用紙を得た。
【0069】
(実施例1)
例1で得た支持体の表裏面に、例3で得た窒素基含有アクリル系樹脂含有塗工剤を各々、固型分量で0.5g/m2 となるようにサイズプレスを用いて塗工し、乾燥させてプライマー塗工層を設けた。
支持体の表面層(C)側のプライマー塗工層上に、例1で得た架橋型アクリル系樹脂水性分散体を固型分量で10g/m2 となるように塗工し、80℃で乾燥させた。
この架橋型アクリル系樹脂塗工層の表面に、更に、高松油脂(株)製カチオン性ビニル化合物IN−177P(商品名)をバーコーターを用いて上記K−90の層に塗工量が5g/m2 になるように塗工し、乾燥してインクジェット記録用紙を得た。
【0070】
(実施例2)
実施例1において、架橋型アクリル系樹脂水性分散体として例2で得た架橋型水性分散体を用いる他は同様にしてインクジェット記録用紙を得た。
(比較例5)
参考例2において、インク受理層用塗工剤として次の組成のインク受理層形成用塗工剤(III)を用い、固型分含量が30g/m2 となるように塗布し、乾燥した後、スーパーカレンダーで平滑処理を行ってインクジェット記録用紙を得た。
【0071】
以上の組成を固型分濃度が12重量%となるように水で希釈して、混合したもの。
【0072】
(参考例3)
参考例1において、カチオン性ビニル化合物IN−177Pの代わりに、
BASF社製のポリビニルピロリドン(K−90) 10重量部
クラレ製のポリビニルアルコール(PVA−117) 5重量部
ポリアミドポリアミンのエピクロルヒドリン付加物 5重量部
水 80重量部
よりなる塗工剤(IV)を用いる他は同様にしてインクジェット記録用紙を得た。結果を表1に示す。
【0073】
【表1】
【0074】
【発明の効果】
本発明によれば、耐水性のある高い光沢の画像を与え、かつ、この画像は支持体との密着性が極めて良好なインクジェット記録紙を提供できる。
Claims (3)
- 水性インクを用いて記録画像を形成するインクジェット記録用紙において、該記録用紙が、(A)表面光沢度(JIS Z−8741;60度測定)が70%以上で、白色度(JIS P−8123)が80%以上であるプロピレン系樹脂フィルムを支持体とし、この光沢度が70%以上の表面層に、(B)下記の第1のプライマー塗工層が設けられ、そのプライマー塗工層表面に、下記第2のプライマー塗工層が設けられた窒素基含有アクリル系樹脂のプライマー塗工層を設け、更にこのプライマー塗工層(B)表面に、(C)表面光沢度(JIS Z−8741;60度)が70%以上の、インク受理層を設けたものである、インクジェット記録用紙。
《第1のプライマー塗工層》
(a ' )下記の単量体(i)、(ii)および(iii)を共重合して得た重合体の三級窒素原子をカチオン化剤で四級化した両性化物である、四級窒素含有アクリル系樹脂:
100重量部に、
(b ' )ポリエチレンイミン、ポリ(エチレンイミン−尿素)及びポリアミンポリアミドのエチレンイミン付加物、又は、これらのアルキル変性体、アルケニル変性体、ベンジル変性体、もしくは、脂肪族環状炭化水素変性体からなる群より選ばれたポリイミン系化合物: 20〜300重量部、
(c ' )ポリアミンポリアミドのエピクロルヒドリン付加物: 20〜300重量部、
の割合で配合した組成物の水溶液を塗布し、乾燥して得られたものであるプライマー塗工層
〔ただし、各式中、R 1 はHまたはCH 3 、R 2 は炭素数1〜18のアルキル基、R 3 およびR 4 はそれぞれHまたは炭素数1〜2のアルキル基、Aは炭素数2〜6アルキレン基である。〕
《第2のプライマー塗工層》
(a)成分:少なくとも2個のヒドラジン残基を有するヒドラジン誘導体、
(b)成分:カルボニル基含有アクリル系共重合物を主成分とする水性分散体、
よりなる常温架橋型アクリル系水性エマルジョンを塗布し、乾燥して得られた窒素含有アクリル樹脂層であるプライマー塗工層 - インク受理層(C)が、水性インクに対して吸着性を有するカチオン樹脂及び/又は水系記録液に対して膨潤性を有する親水性ポリマーによって形成されたものである請求項1記載のインクジェット記録用紙。
- 支持体(A)が、無機微細粉末を0〜30重量%含有する二軸延伸プロピレン系樹脂フィルムを基材層とし、この表裏面に、無機微細粉末を8〜65重量%の割合で含有するプロピレン系樹脂の一軸延伸フィルムを紙状層とし、この紙状層の少なくとも一方の表面に、無機微細粉末を0〜3重量%含有するプロピレン系樹脂の一軸延伸フィルムを表面層とする複層合成紙であり、この複層合成紙の表面層側に、窒素基含有アクリル系樹脂のプライマー塗工層が設けられてなる、請求項1記載のインクジェット記録用紙。
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