JP2003182208A - 記録材料及びその製造方法 - Google Patents
記録材料及びその製造方法Info
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- JP2003182208A JP2003182208A JP2001382551A JP2001382551A JP2003182208A JP 2003182208 A JP2003182208 A JP 2003182208A JP 2001382551 A JP2001382551 A JP 2001382551A JP 2001382551 A JP2001382551 A JP 2001382551A JP 2003182208 A JP2003182208 A JP 2003182208A
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Abstract
方式において、画像濃度が高く、発色性に優れた高画質
な記録が可能であり、且つ曲面追従性があり、記録後に
野外展示した場合においても経時安定性に優れる記録材
料及びその製造方法を提供する。 【解決手段】 基材1上にプライマー層3を有し、プラ
イマー層3上に多孔質構造のインク受容層2を有する記
録材料であって、基材1が空洞含有ポリオレフィン系フ
ィルムを含み、インク受容層2の単位面積当たりの重量
が5g/m2 以上50g/m2 以下であり、記録材料の
100℃、120分間の熱処理による加熱収縮率が−1
%以上1%以下であり、且つ記録材料の全光線透過率が
30%以下であることを特徴とする記録材料。
Description
録方式に適した記録材料に関する。より詳細には、水系
顔料インクを用いたインクジェット記録方式において、
画像濃度が高く、発色性に優れた高画質な記録が可能で
あり、かつ、記録後に野外展示した場合においても経時
安定性に優れる記録材料に関する。また、本発明は、前
記インクジェット記録方式に適した記録材料の製造方法
にも関する。
及とともに、ハードコピー技術が急速に発達した。ハー
ドコピーの記録方式としては、昇華転写記録方式、電子
写真方式、インクジェット方式等の方式が知られてい
る。
ノズルから被記録紙に向けてインク液滴を高速で噴射す
る方式のものであり、カラー化、小型化がしやすいこ
と、印字騒音が低いことから、オフィス、ホーム、パー
ソナルコンピューター等の端末として、近年急速に普及
しつつある。更に、インクジェット方式によるプリンタ
ーは、銀塩写真に迫るほどに記録品質が向上してきたこ
とや、大型化が容易であることから、大型看板等の産業
分野への応用が期待されている。
しては、水性染料インク、すなわち水或いは水と親水性
溶剤との混合溶媒中に各種の水溶性染料を溶解し、必要
に応じて各種の添加剤を混合したものが主流である。こ
れは水性インクが色調の鮮やかな記録が可能であるこ
と、インクの粘度を調節しやすいこと、安全性の面で優
位であるためである。しかしながら、水性染料インクは
水溶性染料を用いていることから、耐水性、耐候性が劣
るという欠点があり、それを改善した方策が各種提案さ
れている(特開昭55−150396号公報、特開昭5
6−58869号公報、特開昭56−77154号公
報、特開昭59−196285号公報、特開昭62−1
41194号公報、特開平2−80279号公報)。し
かし、これらの水性染料インクを用いてインクジェット
方式で記録された画像は、野外で展示できる程の耐水性
や耐候性を有するものではなく、画像の表面に紫外線吸
収性のラミネートフィルムを張る必要がある。そのた
め、コストが上昇する問題がある。
顔料インク、すなわち、有機顔料、無機顔料を水或いは
水と親水性溶剤との混合溶液に分散し、かつ必要に応じ
て各種の添加剤を添加したインクが提案されている。水
性顔料インクを用いてインクジェット方式で記録した場
合には、印刷後の記録材料を十分に乾燥させれば完全な
耐水性を得ることが可能である。そのため、水性顔料イ
ンクは、近年、簡易的な看板、短期間の野外看板、ポス
ター、電飾等に数多く使用されるようになりつつある。
に対して記録品質を満足させるべく、各種のものが提案
されている。例えば、顔料と樹脂を含有した多孔質層を
支持体上に設けたもの(特開昭55−11829号公
報、特開昭56−157号公報、特開昭56−9969
2号公報、特開昭56−148582号公報、特開昭5
6−148583号公報、特開昭57−107879号
公報、特開昭57−126691号公報、特開昭58−
136480号公報、特開昭60−222281号公
報、特開昭62−233284号公報、特開平3−56
552号公報、特開平3−24905号公報、特開平2
−76775号公報、特開平4−128091号公報、
特開平5−221115号公報)、水溶性樹脂を支持体
上に設けたもの(特開昭59−45188号公報、特開
昭60−56587号公報、特開昭60−234879
号公報、特開昭61−172786号公報、特開昭61
−189985号公報、特開平1−190483号公
報、特開平4−263984号公報、特開平4−201
595号公報、特開昭63−162674号公報)、透
明支持体上に不透明なインク受容層を設けて画像を記録
した面とは反対側の面から鑑賞するバックプリント方式
(特開昭61−92885号公報、特開昭61−401
81号公報、特開昭61−135786号公報、特開昭
61−148091号公報、特開昭61−148092
号公報、特開昭61−35275号公報、特開昭61−
35276号公報、特開昭61−35986号公報、特
開昭61−35988号公報、特開昭61−35989
号公報、特開昭61−92886号公報、特開昭61−
135787号公報、特開昭61−135788号公
報、特開昭61−49884号公報、特開昭61−49
885号公報、特開昭61−57378号公報、特開昭
61−41587号公報、特開昭61−41588号公
報、特開昭61−41589号公報、特開昭62−22
2885号公報、特開昭62−222887号公報)、
更には耐水性、ニジミが生じないこと等の性能向上させ
るための各種の添加剤(特開昭60−83882号公
報、特開昭61−47290号公報、特開昭61−74
880号公報、特開昭61−89082号公報)等が提
案されている。
ク受容層を設計した各種のものが提案されている。例え
ば、特開平10−109473号公報に開示の記録材料
は、基材上にインク受容層を有し、インク受容層は、水
溶性樹脂、硬化剤、界面活性剤から主として構成され
る。この記録材料は印刷特性に優れ、更には顔料インク
の優れた耐光性、耐水性により野外展示に使用可能な記
録材料としての基本的な性能を有しており、簡易的な看
板、短期間の看板等には使用可能である。
報や、特開平10−119428号公報には、基材とし
てオレフィン系フィルムを用いたインクジェット記録材
料が提案されている。この記録材料は、オレフィン系フ
ィルムを用いているので、柔軟で曲面等に追従可能であ
る。しかし、この記録材料に黒ベタ等の濃色を主体とす
る画像を印刷して野外展示に供すると、1日後ないしは
1ヶ月後には、表面の平面性が悪くなり、窪みや浮き、
剥がれ等の問題が多々発生し、野外展示に使用できるも
のではなかった。
クジェット記録方式に適した記録材料を提供することに
ある。より詳細には、本発明の目的は、水系顔料インク
を用いたインクジェット記録方式において、画像濃度が
高く、発色性に優れた高画質な記録が可能であり、か
つ、曲面追従性があり、記録後に野外展示した場合にお
いても経時安定性に優れる記録材料を提供することにあ
る。また、本発明の目的は、前記インクジェット記録方
式に適した記録材料の製造方法を提供することにある。
インクの性能を最大限に発揮でき、発色濃度、耐水性に
優れ、更に長期間の展示に耐え得る記録材料という観点
で鋭意検討した結果、本発明に到達した。
プライマー層上に多孔質構造のインク受容層を有する記
録材料であって、基材が空洞含有ポリオレフィン系フィ
ルムを含み、インク受容層の単位面積当たりの重量が5
g/m2 以上50g/m2 以下であり、記録材料の10
0℃、120分間の熱処理による加熱収縮率が−1%以
上1%以下であり、且つ記録材料の全光線透過率が30
%以下であることを特徴とする記録材料である。本発明
において、インク受容層とは、インクジェットプリンタ
ーから噴射されたインクを吸収し、定着させる層のこと
である。また、多孔質構造とは、表面から内部に連通し
た空隙を有する構造のことである。
上0.5%以下である、前記の記録材料である。
子及び有機微粒子から選ばれる微粒子と、結着剤と、架
橋剤とを含有する、前記の記録材料である。
100m2 /g以上500m2 /g以下であり、平均粒
径が1μm以上30μm以下であるシリカ微粒子を含
む、前記の記録材料である。
チオン系樹脂とを少なくとも含む、前記の記録材料であ
る。
℃以下で架橋反応を起こす性質のものである、前記の記
録材料である。
面活性剤を含有し、インク受容層中の界面活性剤含有量
は2重量%以上20重量%以下である、前記の記録材料
である。
ビニル共重合体、アクリル系樹脂、ポリウレタン系樹
脂、ポリエステル系樹脂、ポリエステルウレタン樹脂、
ポリブチルアセテート樹脂、ポリビニルアセタール及び
ポリビニルブチラールから選ばれる樹脂を少なくとも含
有する、前記の記録材料である。
1μm以上10μm以下の有機系顔料及び/又は無機系
顔料を含有し、プライマー層中の顔料含有量は0.1重
量%以上75重量%以下である、前記の記録材料であ
る。
の重量が0.01g/m2 以上10g/m2 以下であ
る、前記の記録材料である。
ジェット記録方式で使用するための前記の記録材料であ
る。
系フィルムを含む基材上に、プライマー層用塗工液を塗
布、乾燥して、プライマー層を形成し、プライマー層上
に、インク受容層用塗工液を乾燥後の単位面積当たりの
重量が5g/m2 以上50g/m2 以下となるように塗
布、乾燥して、多孔質構造のインク受容層を形成して、
100℃、120分間の熱処理による加熱収縮率が−1
%以上1%以下であり、且つ全光線透過率が30%以下
である記録材料を製造する方法である。
は形成後に、アニール処理を施す、前記の記録材料の製
造方法である。
3kg/m以上30kg/m以下の張力下で、80℃以
上120℃以下の温度で乾燥を行う、前記の記録材料の
製造方法である。
℃以上50℃以下でエージング処理を施す、前記の記録
材料の製造方法である。
する。図1は、本発明の記録材料の一例を示す断面図で
ある。図1において、記録材料は、基材(1) 上にプライ
マー層(3) を有し、プライマー層(3) 上に多孔質構造の
インク受容層(2) を有する。
オレフィン系フィルムを含んで構成される。空洞含有ポ
リオレフィン系フィルムは、プロピレン、エチレン、ブ
テン、4−メチルぺンテン−1等の公知のオレフィンを
モノマー成分とする単独重合体や共重合体、もしくはそ
れらの任意の混合物より成る重合物からなるポリオレフ
ィン系フィルムの内部に空洞を有し、この空洞により不
透明化されたフィルムである。この空洞含有ポリオレフ
ィン系フィルムは、ポリオレフィン系合成紙とも呼ば
れ、耐水性に優れ、適度な強度と伸度を有すると共に、
紙に類似した軽量性、クッション性を有し、本発明の必
須要素である。
光線透過率が30%以下であることが好ましい。この程
度の不透明度(全光線遮蔽性)を有することにより、得
られる記録材料の全光線透過率が30%以下となり、印
刷後の記録材料を壁等に貼り付けた際に裏地が見える問
題がない。
せる方法は、特に限定されるものではないが、ポリオレ
フィン樹脂に空洞形成開始剤を混合し、溶融、押出しし
た未延伸シートを少なくとも1軸方向に延伸することに
より、内部に微細な空洞を多数含有させる方法が好まし
い。
リオレフィン系樹脂との界面で剥離が生じて空洞を形成
し得るものであり、ポリオレフィン系樹脂と非相溶であ
り、ポリオレフィン系樹脂の溶融成形温度で溶融するこ
とがなく、かつ同温度に耐える耐熱性を有する材料から
なる粒子であれば特に制限はなく、例えば次の無機質微
粒子や有機質微粒子が挙げられる。無機質微粒子は、ポ
リオレフィン系樹脂に不活性な無機質微粒子であり、例
えば炭酸カルシウム、二酸化チタン、二酸化珪素、硫酸
バリウム、酸化アルミニウム、ゼオライト、カオリン、
タルク等が挙げられる。有機質微粒子としては、例え
ば、ポリスチレン樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン
−スチレン樹脂、アクリロニトリル−スチレン樹脂、ス
チレン−ブタジエンブロックコポリマー等のスチレン樹
脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフ
タレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル
樹脂、シクロペンタジエン系の石油樹脂等の高分子から
なる微粒子及びこれらの架橋された微粒子物が挙げられ
る。これらの中で、安価に入手可能な無機質微粒子が好
ましく、特に、各種の用途で使用されており、安価な炭
酸カルシウムが好ましい。
脂と混合する方法としては、特に限定しないが、分散性
の向上のために、ポリオレフィン系樹脂に空洞形成開始
剤を高濃度で混合したマスターバッチを予め作成して、
このマスターバッチの混合物をポリオレフィン系樹脂に
添加することが好ましい。
フィン系樹脂100重量部に対して、好ましくは2〜4
0重量部、より好ましくは10〜30重量部である。こ
の含有量が2重量部未満の場合、ポリオレフィン系フィ
ルムに十分な空洞を形成することができず、得られるフ
ィルムの不透明性、軽量性及びクッション性が不十分と
なり、逆に40重量部を超えるとフィルムの製膜性、延
伸性が劣り生産性が悪くなるだけではなく、得られるフ
ィルムの柔軟性や腰等の機械的特性が劣り好ましくな
い。
0.1〜10μm、より好ましくは0.3〜7.0μm
である。この平均粒径が0.1μm未満の場合、微粒子
の含有量がたとえ多くても十分な空洞を形成することが
できず、得られるフィルムの不透明性、軽量性及びクッ
ション性が不十分となり、逆に10μmを超える場合、
フィルムの製膜性、延伸性が劣るので好ましくない。上
記空洞形成開始剤微粒子は、均一な構造を有し、巨大粒
子による成膜時の破断等を防ぐために粒度分布の小さい
ものが好ましい。
系フィルム中に隠蔽性を向上させるために、屈折率の高
い微粒子を混合しても良い。高屈折率の微粒子として
は、二酸化チタン、硫酸バリウム、酸化アルミニウム等
が挙げられるが、これらに特に限定するものではない。
ン系フィルムに配合される公知の安定剤、酸化防止剤、
帯電防止剤、紫外線吸収剤、蛍光増白剤、加工肋剤、可
塑剤、着色剤、減粘剤などを適宜配合することも可能で
ある。
ン系フィルムは、表層と中心層を積層したいわゆる複合
フィルムとしてもよい。その積層方法は特に限定される
ものではない。しかし生産性を考慮すると、表層と中心
層の原料は別々の押出機から押出し、1つのダイスに導
き未延伸シートを得た後、少なくとも1軸に配向させ
る、いわゆる共押出法による積層が最も好ましい。
フィルムの場合には、表層と中心層が同一組成でも構わ
ないが、別の組成とすることが好ましい。表層における
空洞形成開始剤の含有量を少なくし、空洞の含有量を表
層部分で少なくすることにより、軽量性及びクッション
性を維持しつつ、より表面強度の優れた積層フィルムと
なる。
する具体的な方法としては、ポリオレフィン系樹脂に空
洞形成開始剤及び各種の添加剤を混合し、160℃〜3
00℃に温度設定された押出し機より溶融押出してシー
ト状成形物を得て、得られたシート状成形物を5〜80
℃の冷却ロールで冷却成形した後に、面積倍率で8〜5
0倍程度、好ましくは10〜40倍程度に延伸する方法
が挙げられる。
時二軸延伸、逐次二軸延伸等が挙げられが、平面性、寸
法安定性、厚みムラがないこと等から逐次二軸延伸が好
ましい。逐次二軸延伸の具体例としては、120〜15
0℃で予熱してアニール処理をすることにより長手方向
に3〜7倍に延伸した後に、130〜190℃で予熱し
て幅方向に5〜10倍に延伸し、更に、130℃〜22
0℃に加熱し、1〜10%緩和させながら熱固定を行な
う方法が挙げられる。
レフィン系フィルムのみから構成されてもよく、空洞含
有ポリオレフィン系フィルムと通常のポリオレフィン系
フィルムとが積層されたものでもよい。あるいは、基材
(1) は空洞含有ポリオレフィン系フィルムと、例えば、
ポリエステル、ポリスチレン、ナイロン、ポリカーボネ
ート、ノルボルネン、ビニロン、アクリル等のポリオレ
フィン系以外の他の樹脂フィルム又はシート、これらの
材料に無機顔料及び/又は発泡剤を混合した不透明樹脂
フィルム、ポリエステル系布、ポリエステル/綿混合
布、綿布、不織布、パルプ、樹脂含浸紙、キャストコー
ト紙、レジンコート紙の中から選ばれる任意の1種又は
2種以上とが積層されたものでもよい。
IS−Z−8730のハンター表色式による値におい
て、好ましい範囲はL≧80、−5≦a≦5、−5≦b
≦5である。
有ポリオレフィン系フィルムの100℃で120分間の
熱処理による加熱収縮率の絶対値は小さい方が好まし
く、縦及び横方向共に−1%以上1%以下であることが
好ましく、−0.5%以上0.5%以下であることが更
に好ましい。基材(1) の前記加熱収縮率が−1%以上1
%以下の範囲から外れる場合には、プライマー層の形成
前に基材をアニール処理することも好ましい。アニール
処理条件としては、例えば、熱風あるいは赤外線ヒータ
ーを用いて100℃以上160℃以下の温度雰囲気中
を、3kg/m以上30kg/m以下の張力下で基材を
走行させる方法が挙げられる。このようなアニール処理
の高熱により、基材を予め収縮又は膨張させ、熱に対し
て安定な状態とすると良い。
処理を行わない場合でも、後述するプライマー層形成後
の基材のアニール処理によって加熱収縮率の絶対値を低
下させる方法、及び/又はインク受容層形成の際の乾燥
温度及び張力の制御によって加熱収縮率の絶対値を低下
させる方法を用いることにより、本発明に合致する加熱
収縮率を有する記録材料を得ることは可能である。
定されないが、好ましくは30μm〜200μmであ
る。30μmよりも薄い場合には印刷時の搬送性が悪く
なるばかりか、印刷後の記録材料の施工時の取り扱いも
不良となる。200μmよりも厚い場合には、腰が強す
ぎて曲面へ追従させること等の施工時の作業性が不良と
なる。
材(1) との密着性の向上を目的に、基材(1) のインク受
容層(2) を形成すべき側の面にプライマー層(3) を設け
る。プライマー層(3) は、基材(1) 上に、プライマー層
用塗工液を塗布、乾燥して形成される。
る層である。プライマー層用の樹脂としては、例えば、
エチレン酢酸ビニル共重合体、アクリル系樹脂、ポリウ
レタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリエステルウレ
タン樹脂、ポリブチルアセテート樹脂、ポリビニルアセ
タール、ポリビニルブチラール、及びそれらのブレンド
等が適用可能である。更に、プライマー層に、イソシア
ネート、メラミン、エポキシ等の架橋剤を混合しても構
わない。架橋剤を含有させることにより、プライマー層
の耐水性や、インク受容層と基材との密着性を向上させ
るばかりか、インク受容層とプライマー層との間で架橋
反応が起こり、インク受容層の耐水性を向上させること
が可能となる。
凹凸形成によるインク受容層との密着性向上を目的に各
種の顔料粒子を混合することが好ましい。例えば、シリ
カ、カオリナイト、タルク、炭酸カルシウム、ゼオライ
ト、アルミナ、硫酸バリウム、カーボンブラック、酸化
亜鉛、酸化チタン等の無機粒子、アクリル、ナイロン、
スチレン、ポリエステル、ベンゾグアナミン・ホルマリ
ン縮合物等の有機粒子が挙げられる。
しては、プライマー層全体に対して、0.1重量%以上
75重量%以下であることが好ましい。顔料粒子の混合
量が0.1重量%よりも少ない場合には、滑り性が不良
となり、搬送性が不良になるばかりか、塗工後の巻取り
でブロッキング等の問題が発生する傾向がある。一方、
混合量が75重量%よりも多い場合には、プライマー層
の塗膜強度が低下し、インク受容層の表面に物理的な力
が掛かった際にプライマー層が破壊され、実質的に表面
強度の弱い記録材料となることがある。
0μm以下であることが好ましい。顔料粒子の平均粒径
が0.1μmよりも小さい場合には滑り性の改善効果が
得られにくい。一方、平均粒径が10μmよりも大きい
場合には、顔料粒子がインク受容層の内部にまで存在
し、滲み発生等の問題が発生することがある。
なわち、乾燥後の塗工量)が0.01g/m2 以上10
g/m2 以下となるように、プライマー層を塗工するこ
とが好ましい。塗工量が0.01g/m2 より少ない場
合には、基材上に均一なプライマー層塗膜となりにくい
ため、受容層と基材との密着性を上げる効果が得られな
い。一方、塗工量が10g/m2 よりも多い場合には、
密着性を上げる効果の点では良いが、コストが高くなる
ばかりか、基材の風合い、カール等の問題が発生するこ
とがある。
面活性剤、帯電防止剤、蛍光染料、蛍光増白剤、紫外線
吸収剤等を添加しても良い。
面から好ましいが、基材と受容層との密着性をさらに向
上させたい目的で、組成の異なる2層以上の層が積層さ
れた複層としても構わない。
及び顔料を溶解或いは分散したプライマー層用塗工液を
基材上に塗工し、熱風乾燥、赤外線加熱等の加熱乾燥を
行うことが好ましい。更には、紫外線硬化性材料を用い
た場合には、塗工後に紫外線硬化しても構わない。塗工
方法としては、グラビアコート方式、キスコート方式、
ディップ方式、スプレイコート方式、カーテンコート方
式、エアナイフコート方式、ブレードコート方式、リバ
ースロールコート方式など通常用いられている方法が適
用でき、基材フィルムの成膜工程でプライマー層を設け
るインラインコート方式、又は基材フィルム成膜後にプ
ライマー層を設けるオフラインコート方式のいずれをも
適用できる。
形成時の塗工性、プライマー層と基材との密着性向上の
ために、各種の処理を基材上に実施しても良い。具体的
な処理としては、コロナ放電処理、不活性ガス雰囲気下
でのコロナ放電処理、火炎処理、紫外線照射処理が挙げ
られる。
された後の基材(1) の100℃で120分間の熱処理に
よる加熱収縮率は、縦及び横方向共に−1%以上1%以
下であることが好ましく、−0.5%以上0.5%以下
であることが更に好ましい。加熱収縮率が−1%以上1
%以下の範囲から外れる場合には、プライマー層の形成
後に基材をアニール処理することが好ましい。アニール
処理条件としては、例えば、熱風あるいは赤外線ヒータ
ーを用いて100℃以上160℃以下の温度雰囲気中
を、3kg/m以上30kg/m以下の張力下で基材を
走行させる方法が挙げられる。このようなアニール処理
の高熱により、基材を予め収縮又は膨張させ、熱に対し
て安定な状態とすると良い。
ない場合でも、後述するインク受容層形成の際の乾燥温
度及び張力の制御によって加熱収縮率の絶対値を低下さ
せる方法を用いることにより、本発明に合致する加熱収
縮率を有する記録材料を得ることは可能である。
上に、インク受容層用塗工液を乾燥後の単位面積当たり
の重量が5g/m2 以上50g/m2 以下となるように
塗布、乾燥して、多孔質構造のインク受容層(2) を形成
する。多孔質構造を形成する方法としては、各種の方法
が好適に使用できるが、微粒子と結着剤を用いることに
より多孔質構造を形成することが、コスト面、空隙の制
御のし易さの点で好ましい。インク受容層用塗工液は、
無機微粒子及び有機微粒子から選ばれる微粒子と、結着
剤と、架橋剤とを含有することが好ましい。インク受容
層用塗工液に用いる各成分について説明する。
カ、カオリナイト、タルク、軽質炭酸カルシウム、重質
炭酸カルシウム、ゼオライト、アルミナ、硫酸バリウ
ム、カーボンブラック、酸化亜鉛、硫酸亜鉛、炭酸亜
鉛、二酸化チタン、サチンホワイト、珪酸アルミニウ
ム、ケイソウ土、珪酸カルシウム、水酸化アルミニウ
ム、加水ハロイサイト、炭酸マグネシウム、水酸化マグ
ネシウム等の無機粒子、アクリル或いはメタアクリル
系、塩化ビニル系、酢酸ビニル系、ナイロン、スチレン
/アクリル系、スチレン/ブタジエン系、ポリスチレン
/アクリル系、ポリスチレン/イソプレン系、メチルメ
タアクリレート/ブチルメタアクリレート系、メラミン
系、ポリカーボネート系、尿素系、エポキシ系、ウレタ
ン系、フェノール系、ジアリルフタレート系、ポリエス
テル系等の有機樹脂微粒子が挙げられる。
コスト等の面から好ましく、表面に細孔を有する合成非
晶質シリカが更に好ましい。シリカ微粒子の特性として
は、平均粒径が1μm〜30μm、比表面積が100〜
500m2 /gが好ましい。平均粒径が1μmよりも小
さい場合には、インク受容層中に十分な空隙が得られに
くく、逆に30μmよりも大きい場合には、インク受容
層表面が粗面化しすぎて品位が低下することがある。比
表面積が100m2 /gよりも小さい場合には、インク
中の溶媒を吸着する能力が低くなり易く、逆に500m
2 /gよりも大きい場合には、インク受容層の強度が低
下する問題が発生することがある。また、使用する粒子
の粒度分布は狭い方が好ましい。粒度分布が広い場合に
は巨大粒子、特に粒径35μm以上の粒子がインク受容
層中に含まれることがあり、その際には分級等により巨
大粒子を除去することが好ましい。粒径35μm以上の
粒子が存在すると、インク受容層の表面に突起が形成さ
れ易くなり、インクジェット記録後にラミネートした場
合にラミネートフィルムとインク受容層の間に隙間が発
生する。
も良いが、平均粒径の異なる2種を混合することが好ま
しい。粒径の異なるシリカ微粒子を用いることにより、
単一の平均粒径のシリカ微粒子を用いる場合よりも、塗
膜の強度を維持したまま空隙の量を増やすことが可能と
なる。
れたものでも良い。表面処理としては、有機シラン、有
機チタネートなどを用いる化学処理、パラフィンワック
スやグリコール系を表面に付着させる物理処理などがあ
る。
を好適に選択できる。例えば、水沢化学製ミズカシル、
徳山ソーダ製トクシール、ファインシール、シオノギ製
薬製カープレックス、富士シリシア製サイリシア、グレ
ースデビソン製サイロイド、サイロジェット等が挙げら
れる。
溶性の樹脂、水溶性樹脂等の各種の樹脂が使用可能であ
る。具体的には、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン樹
脂、ポリエステルウレタン樹脂、アクリル系樹脂、アラ
ビアゴム、ポリアクリルアミド、スチレン−ブタジエン
ゴム等の樹脂が挙げられる。本発明においては、水系顔
料インクの吸収性の点等から水溶性樹脂を用いることが
好ましい。
ル、デンプン、ポリビニルブチラール、ゼラチン、カゼ
イン、セルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリ
ビニルピロリドン等が挙げられる。これらの樹脂として
は、1種又は2種以上を使用できるが、ポリビニルアル
コールが好ましい。水溶性樹脂を用いることにより塗工
液の粘度を調節し易く、粒子の沈降等を発生しにくくす
ることが可能である。水溶性樹脂を用いると、インク受
容層の耐水性が低下するので、架橋剤を併用して耐水性
を向上させる。
の溶解性を低下させるものであれば公知の架橋剤を使用
でき、例えばメラミン樹脂、エポキシ樹脂、イソシアネ
ート、グリオキザール、イソバン、ほう砂、尿素系樹脂
等が使用できる。本発明においては、耐熱性が十分では
ないポリオレフィン系フィルムを基材に用いているの
で、110℃以下の温度で架橋反応を開始する架橋剤を
用いることが好ましく、メラミン、尿素系樹脂が好まし
い。ポリビニルアルコールとメラミン又は尿素系樹脂と
の組合せが好ましい。
量は、特に限定されるものではないが、水溶性樹脂の乾
燥重量100重量部に対して、架橋剤0.5〜50重量
部が好ましい。架橋剤が0.5重量部未満では、インク
受容層の耐水性が不足することがあり、一方、50重量
部を超えると、塗膜の強度が低下する傾向がある。ま
た、それぞれの架橋剤の反応促進効果を有する触媒化合
物を適宜添加してもよい。
ることが本発明の目的であるが、水系染料インクへの適
合性をある程度付与するために、前記結着剤として前記
水溶性樹脂の他に、カチオン系樹脂を用いることが好ま
しい。カチオン系樹脂をインク受容層中に混合すること
により、染料インク中のアニオン性染料がカチオン性樹
脂のカチオン基と錯体構造を形成し、染料インクに対す
る適合性が向上する。錯体構造を形成するため、記録材
料表面に水が付着した際にも、アニオン性染料が容易に
水に溶解しにくくなり、耐水性も向上する。
でき、例えば、カチオン変性したポリビニルアルコー
ル、カチオン変性ポリエステル、カチオン変性ポリアミ
ド、ジアリルアミン重合体、ジメチルジアリルアンモニ
ウムクロライド重合体、カチオン変性界面活性剤など、
カチオン変性したものならば限定せずに使用できる。
特に限定されるものではないが、水溶性樹脂の乾燥重量
100重量部に対して、カチオン系樹脂0.1〜30重
量部が好ましい。カチオン系樹脂0.1重量部以上でイ
ンク受容層のアニオン染料インク定着性が得られ、一
方、30重量部を超えるとインク吸収能が低下するので
好ましくない。
記微粒子量は、(水溶性樹脂とカチオン系樹脂を含む)
結着剤合計量100重量部に対して、微粒子150重量
部〜250重量部が好ましい。微粒子が150重量部よ
りも少ない場合には、多孔質構造を形成できにくく、イ
ンク吸収性が不良となる。一方、250重量部を超える
場合には、塗膜の強度が低下する問題が発生することが
ある。
加することも好ましい。界面活性剤の添加により、塗工
時のレベリング性の向上、塗工液の消泡性の向上だけで
はなく、インクの浸透性向上、滲み防止等の効果が得ら
れる。
はノニオン性などいずれのものでもよく、界面活性能を
有する公知のものを好適に使用できる。界面活性能に優
れ、印刷特性を向上させることが可能なシリコン系界面
活性剤又はフッ素系界面活性剤が好ましい。
ものを用いることができ、例えば、ジメチルシリコン、
アミノシラン、アクリルシラン、ビニルベンジルシラ
ン、ビニルベンジシルアミノシラン、グリシドシラン、
メルカプトシラン、ジメチルシラン、ポリジメチルシロ
キサン、ポリアルコキシシロキサン、ハイドロジェン変
性シロキサン、ビニル変性シロキサン、ビトロキシ変性
シロキサン、アミノ変性シロキサン、カルボキシル変性
シロキサン、ハロゲン化変性シロキサン、エポキシ変性
シロキサン、メタクリロキシ変性シロキサン、メルカプ
ト変性シロキサン、フッ素変性シロキサン、アルキル基
変性シロキサン、フェニル変性シロキサン、アルキレン
オキシド変性シロキサン等が挙げられる。
を用いることができ、例えば、四フッ化エチレン、パー
フルオロアルキルアンモニウム塩、パーフルオロアルキ
ルスルホン酸アミド、パーフルオロアルキルスルホン酸
ナトリウム、パーフルオロアルキルカリウム塩、パーフ
ルオロアルキルカルボン酸塩、パーフルオロアルキルス
ルホン酸塩、パーフルオロアルキルエチレンオキシド付
加物、パーフルオロアルキルトリメチルアンモニウム
塩、パーフルオロアルキルアミノスルホン酸塩、パーフ
ルオロアルキルりん酸エステル、パーフルオロアルキル
アルキル化合物、パーフルオロアルキルアルキルベタイ
ン、パーフルオロアルキルハロゲン化物等が挙げられ
る。
活性剤及びフッ素系界面活性剤のうちの1種を単独で用
いても良いし、これらの2種以上を併用しても良い。こ
れらの界面活性剤のうち、フッ素系、シリコーン系のノ
ニオン系界面活性剤がインク定着性、耐水性の点から好
ましい。
強度、耐水性等の本発明の目的を阻害しない程度の添加
量とすることが好ましく、インク受容層(乾燥重量)に
対して、界面活性剤2〜20重量%が好ましい。界面活
性剤が2重量%未満では、レベリング性等の効果が得ら
れにくく、一方、20重量%を超えると、インク受容層
の力学強度が低下したり、インク吸収能が低下する傾向
にある。
及び他の物性を損なわない程度に加えても構わない。添
加剤としては、例えば、蛍光染料、蛍光増白剤、可塑
剤、紫外線吸収剤、顔料分散剤、抑泡剤、消泡剤、防腐
剤等が挙げられる。
を、上記プライマー層(3) 上に塗布、乾燥して、多孔質
構造のインク受容層(2) を形成する。塗布量は、インク
受容層(2) の乾燥後の単位面積当たりの重量が5g/m
2 以上50g/m2 以下、好ましくは10g/m2 以上
40g/m2 以下となるように決定する。5g/m2未
満では、インク吸収速度が遅くインク吸収量も不足す
る。逆に、50g/m2を超えると、コスト的に問題が
発生する。インク受容層は、1層から成っていても、2
層以上の複数層から成っていてもよい。
は、特に限定されないが、グラビアコート方式、キスコ
ート方式、ディップ方式、スプレイコート方式、カーテ
ンコート方式、エアナイフコート方式、ブレードコート
方式、リバースロールコート方式、バーコート方式など
通常用いられている方法が適用できる。
必要である。初期段階では比較的緩やかに乾燥し、後半
に強く乾燥することが好ましい。初期乾燥の段階で、急
速に乾燥すると塗膜表面が荒れることがあり、インクジ
ェット記録後にインク受容層をラミネートした際にラミ
ネートフィルムとの間に隙間ができ、ラミネート後の発
色濃度が低下する。この急速乾燥の悪影響は、巨大な粒
子、特に粒径35μm以上の粒子が塗工液中に存在する
場合に顕著に現れる。初期段階で徐々に乾燥すると、レ
ベリングされ平滑な表面が得られる。
材料の走行の張力と、温度に注意が必要である。張力が
低すぎる場合には、低減された記録材料は得られるが、
塗工時の搬送性等で実用的ではない。一方、張力が高す
ぎる場合には、予め基材をアニール処理して加熱収縮率
の絶対値を小さくしておいても、加熱収縮率の絶対値の
大きくなった記録材料となる。この張力による加熱収縮
率の変化は、乾燥温度の影響が強く、乾燥温度が高い場
合には顕著に変化し、逆に乾燥温度が低い場合には張力
による加熱収縮率の変化が発生しにくい。具体的には、
3kg/m以上30kg/m以下の張力下で、80℃以
上120℃以下の温度でインク受容層の乾燥乾燥を行う
ことが好ましい。温度が120℃を超える場合には、熱
シワが発生し平面性が不良となり易く、逆に80℃未満
の場合には、乾燥効率が悪く、コスト的に問題がある。
張力が3kg/m未満の場合には、走行安定性が不良と
なり易く、張力が30kg/mを超える場合には、加熱
収縮率の絶対値の大きくなった記録材料となり易い。
層が形成された)基材について、加熱収縮率が本発明の
範囲(−1%以上1%以下)でない場合には、インク受
容層を塗布し乾燥する際の乾燥温度を上記の範囲内で高
く、張力を上記の範囲内で低くすることが好ましい。逆
に、インク受容層を形成する前の(プライマー層が形成
された)基材について、本発明の範囲の加熱収縮率(−
1%以上1%以下)を達成している場合には、平面性等
から乾燥温度を上記の範囲内で極力低くし、かつ、張力
を安定的に走行できる様に上記の範囲内である程度高め
に設定することが好ましい。以上のようにして、インク
受容層(2) が形成される。
ージング処理を施しても良い。インク受容層の乾燥のみ
では架橋反応が十分ではない場合には有効である。エー
ジング処理の方法は特に限定されるものではないが、3
0℃以上50℃以下の環境下で10日間以上実施するこ
とが好ましい。30℃以下ではエージング効果が得られ
にくく、逆に50℃以上では巻き締り等の問題が発生す
ることがある。ロール状でエージングした場合に、巻き
芯部と巻き外部で昇温のしかたが異なるため、エージン
グ期間としては過剰に実施することが好ましく、10日
間以上が好ましい。このエージング処理も記録材料の加
熱収縮率の絶対値の低減に効果を有する。
られる。すなわち、プライマー層の形成前及び/又は形
成後に基材にアニール処理を施すこと、インク受容層の
形成において、3kg/m以上30kg/m以下の張力
下で、80℃以上120℃以下の温度で乾燥を行うこ
と、インク受容層の形成後に、30℃以上50℃以下で
エージング処理を施すこと等を必要に応じて行って、1
00℃、120分間の熱処理による加熱収縮率が縦方向
(製造流れ方向)及び横方向(幅方向)共に−1%以上
1%以下、好ましくは−0.5%以上0.5%以下とさ
れた本発明の記録材料が得られる。記録材料の加熱収縮
率が−1%未満あるいは1%を超える場合には、記録材
料の熱的安定性が不十分であるため、印刷後に記録材料
を野外展示した場合に表面の平面性が悪くなり、窪みや
浮き、剥がれ等が発生する。この現象は、黒ベタ等の濃
色を印刷した際に顕著となる。
が30%以下、好ましくは20%以下である。全光線透
過率が30%以下であることにより、印刷後の記録材料
を壁等に貼り付けた際に裏地が見える問題がない。
いたインクジェット記録方式において、画像濃度が高
く、発色性に優れた高画質な記録が可能であり、かつ、
曲面追従性があり、野外展示における経時安定性に優れ
る。
発明はこれらの実施例に限定されるものではない。ま
ず、本発明に用いる測定・評価方法を以下に示す。
具体的には、作成した記録材料から一辺が120mmの
正方形の試験片を2片切り出して用意し、これら2つの
試験片を100℃に保った試験機の中に120分間水平
状態に置き、その後常温まで冷却した。MD方向(Mach
ine Direction;製造流れ方向)については試験片の上下
縁部10mm計20mmを除く中心域AB間の長さ10
0mmを、TD方向 (Transverse Direction; 幅方向)
方向については試験片の左右縁部10mm計20mmを
除く中心域CD間の長さ100mmを、それぞれ標点間
距離として測定し、2つの試験片について上下の測定点
間距離AB及び左右の測定点間距離CDのそれぞれ2個
の平均を求め、次の式により加熱収縮率S(%)を測定
した。 S(%)=(L2 −L1 )/L1 ×100 L1 は加熱前の標点間距離(mm)、L2 は加熱後の標
点間距離(mm)
様に加熱収縮率を測定した。
エンジニアリング製、JV2−130)により、1m×
1mの大きさの各記録材料に画像を印刷した。記録材料
の裏面を両面粘着シートによりトタン板に貼り付け、野
外で3ヶ月間放置した。放置後の状態を目視で以下の判
断基準で評価した。 ○:変化が無い。 △:表面にやや窪み、浮き等の発生があるが、実用レベ
ルである。 ×:表面に窪み、浮き等の発生がある。
ジェットプリンター(ミマキエンジニアリング製、 JV2−130)により、各記録材料にイラスト調の画
像を印刷した。印刷画像を目視で以下の判断基準で評価
した。 ○:ニジミがなくシャープで、画像濃度が高くコントラ
ストが優れている。 △:ややニジミがあり、ぼやけているが実用レベルであ
る。 ×:ニジミがある、又は、発色濃度が低く、実用レベル
ではない。
エンジニアリング製、JV2−130)により、各記録
材料に黒色ベタを印刷し、その後に流水下で印刷表面を
指で擦り、以下の判断基準で評価した。 ○:変化なし。 △:若干、インクが流れる。 ×:インクが流れ、受容層が溶け出す。
紙上に貼り付け、目視により裏写り性を評価した。 ○:壁紙の模様が見えない。 △:壁紙の模様が薄く見える。 ×:壁紙の模様がはっきりと見える。
た。これを、100mm角で高さ5mmの表面突起が一
部分に存在するアクリル板上に両面テープを介して貼り
付け、下記のような目視評価により曲面追従性を評価し
た。 ○:浮き剥がれなし。 △:浮き剥がれわずかにあり。 ×:浮き剥がれあり。
レフィン系フィルム基材(FPG#80、王子油化合成
紙製)上を5kg/mの張力下で120℃の炉内を1分
間通してアニール処理を施した。その後に、組成1のプ
ライマー層用塗工液をマイクログラビア方式により乾燥
後の重量で2g/m2 になるように塗工し、10kg/
mの張力下で90℃の炉を30秒間通過させて乾燥させ
た。
ク受容層用塗工液をリップ方式により乾燥後の重量で2
0g/m2 になるように塗工し、10kg/mの張力下
で100℃の炉内を1分間通過させて乾燥させ、40℃
で10日間エージングを実施して記録材料を得た。得ら
れた記録材料の評価結果は表1に示す通りで、本発明に
合致する物性値を有し、野外展示性、曲面追従性、印刷
特性、耐水性、裏写り性に優れた記録材料であった。
アニール処理を5kg/mの張力下100℃の炉内を1
分間通して行ったこと以外は、実施例1と同様にして記
録材料を得た。得られた記録材料は、実施例1と同様
に、本発明に合致する物性値を有し優れた記録材料であ
った。
m厚のポリオレフィン系フィルム(PI80)を用いた
こと以外は、実施例1と同様にして記録材料を得た。得
られた記録材料は、実施例1と同様に、本発明に合致す
る物性値を有し優れた記録材料であった。
アニール処理を施さず、かつ、インク受容層を5kg/
mの張力下で100℃の炉内を1分間通過させて乾燥さ
せたこと以外は、実施例1と同様にして記録材料を得
た。得られた記録材料は、実施例1と同様に、本発明に
合致する物性値を有し優れた記録材料であった。
ジング処理を施さなかったこと以外は、実施例3と同様
にして記録材料を得た。得られた記録材料は、本発明に
合致する物性値を有したが、エージング処理を施さなか
ったので、実施例1〜4と比べ、野外展示性、耐水性が
やや劣っていた。
量を乾燥後の重量で4g/m2 としたこと以外は実施例
1と同様に記録材料を得た。インク受容層用の塗工量が
少ないので、得られた記録材料は、印刷特性に劣ってい
た。
アニール処理を施さなかったこと以外は、実施例1と同
様に記録材料を得た。得られた記録材料の加熱収縮率が
本発明の範囲外であり、長期間の野外展示で問題が発生
した。
0℃の炉内を1分間通過させてインク受容層を乾燥させ
たこと以外は、実施例1と同様に記録材料を得た。得ら
れた記録材料の加熱収縮率が本発明の範囲外であり、長
期間の野外展示で問題が発生した。
℃の炉内を1分間通過させてインク受容層を乾燥させた
こと以外は、実施例1と同様の操作を行ったが、走行安
定性、塗工性が不安定のため、記録材料を得ることがで
きなかった。
洞含有ポリプロピレンフィルム(王子油化合成紙製TP
GA90)を用いたこと以外は、実施例1と同様に記録
材料を得た。得られた記録材料は、隠蔽性が劣るため裏
写り性が不良で、展示用には不適切であった。
含有ポリエステル系合成紙(東洋紡績製、クリスパーG
1212−75μ)を用いたこと以外は、実施例1と同
様にして記録材料を得た。得られた記録材料は、基材が
硬いために曲面追従性が不良であった。
式において、画像濃度が高く、発色性に優れた高画質な
記録が可能であり、かつ、曲面追従性があり、記録後に
野外展示した場合においても経時安定性に優れる記録材
料が提供される。特に、本発明の記録材料は、水系顔料
インクを用いたインクジェット記録に好適である。ま
た、本発明によれば、前記記録材料の製造方法が提供さ
れる。
る。
Claims (15)
- 【請求項1】 基材上にプライマー層を有し、プライマ
ー層上に多孔質構造のインク受容層を有する記録材料で
あって、基材が空洞含有ポリオレフィン系フィルムを含
み、インク受容層の単位面積当たりの重量が5g/m2
以上50g/m2 以下であり、記録材料の100℃、1
20分間の熱処理による加熱収縮率が−1%以上1%以
下であり、且つ記録材料の全光線透過率が30%以下で
あることを特徴とする記録材料。 - 【請求項2】 前記加熱収縮率が−0.5%以上0.5
%以下である、請求項1に記載の記録材料。 - 【請求項3】 前記インク受容層が、無機微粒子及び有
機微粒子から選ばれる微粒子と、結着剤と、架橋剤とを
含有する、請求項1又は2に記載の記録材料。 - 【請求項4】 前記無機微粒子は、比表面積が100m
2 /g以上500m 2 /g以下であり、平均粒径が1μ
m以上30μm以下であるシリカ微粒子を含む、請求項
3に記載の記録材料。 - 【請求項5】 前記結着剤は、水溶性樹脂とカチオン系
樹脂とを少なくとも含む、請求項3又は4に記載の記録
材料。 - 【請求項6】 用いられた前記架橋剤は110℃以下で
架橋反応を起こす性質のものである、請求項3〜5のう
ちのいずれか1項に記載の記録材料。 - 【請求項7】 前記インク受容層が、さらに界面活性剤
を含有し、インク受容層中の界面活性剤含有量は2重量
%以上20重量%以下である、請求項3〜6のうちのい
ずれか1項に記載の記録材料。 - 【請求項8】 プライマー層が、エチレン酢酸ビニル共
重合体、アクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエ
ステル系樹脂、ポリエステルウレタン樹脂、ポリブチル
アセテート樹脂、ポリビニルアセタール及びポリビニル
ブチラールから選ばれる樹脂を少なくとも含有する、請
求項1〜7のうちのいずれか1項に記載の記録材料。 - 【請求項9】 プライマー層が、平均粒径0.1μm以
上10μm以下の有機系顔料及び/又は無機系顔料を含
有し、プライマー層中の顔料含有量は0.1重量%以上
75重量%以下である、請求項1〜8のうちのいずれか
1項に記載の記録材料。 - 【請求項10】 プライマー層の単位面積当たりの重量
が0.01g/m2以上10g/m2 以下である、請求
項1〜9のうちのいずれか1項に記載の記録材料。 - 【請求項11】 水系顔料インクを用いたインクジェッ
ト記録方式で使用するための請求項1〜10のうちのい
ずれか1項に記載の記録材料。 - 【請求項12】 空洞含有ポリオレフィン系フィルムを
含む基材上に、プライマー層用塗工液を塗布、乾燥し
て、プライマー層を形成し、プライマー層上に、インク
受容層用塗工液を乾燥後の単位面積当たりの重量が5g
/m2 以上50g/m2 以下となるように塗布、乾燥し
て、多孔質構造のインク受容層を形成して、100℃、
120分間の熱処理による加熱収縮率が−1%以上1%
以下であり、且つ全光線透過率が30%以下である記録
材料を製造する方法。 - 【請求項13】 プライマー層の形成前及び/又は形成
後に、アニール処理を施す、請求項12に記載の記録材
料の製造方法。 - 【請求項14】 インク受容層の形成において、3kg
/m以上30kg/m以下の張力下で、80℃以上12
0℃以下の温度で乾燥を行う、請求項12又は13に記
載の記録材料の製造方法。 - 【請求項15】 インク受容層の形成後に、30℃以上
50℃以下でエージング処理を施す、請求項12〜14
のうちのいずれか1項に記載の記録材料の製造方法。
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