JP4524690B2 - 記録材料 - Google Patents
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JIS K−6734に規定する方法により測定した。具体的には、作成した記録材料から一辺が120mmの正方形の試験片を2片切り出して用意し、これら2つの試験片を100℃に保った試験機の中に120分間水平状態に置き、その後常温まで冷却した。MD方向(Machine Direction;製造流れ方向)については試験片の上下縁部10mm計20mmを除く中心域AB間の長さ100mmを、TD方向 (Transverse Direction;幅方向) 方向については試験片の左右縁部10mm計20mmを除く中心域CD間の長さ100mmを、それぞれ標点間距離として測定し、2つの試験片について上下の測定点間距離AB及び左右の測定点間距離CDのそれぞれ2個の平均を求め、次の式により加熱収縮率S(%)を測定した。
S(%)=(L2 −L1 )/L1 ×100L1 は加熱前の標点間距離(mm)、L2 は加熱後の標点間距離(mm)
JIS K−7105に準じて測定した。
顔料インクを用いたインクジェットプリンター(ミマキエンジニアリング製、JV2−130)により、1m×1mの大きさの各記録材料に画像を印刷した。記録材料の裏面を両面粘着シートによりトタン板に貼り付け、野外で3ヶ月間放置した。放置後の状態を目視で以下の判断基準で評価した。
○:変化が無い。
△:表面にやや窪み、浮き等の発生があるが、実用レベルである。
×:表面に窪み、浮き等の発生がある。
顔料インクを用いたインクジェットプリンター(ミマキエンジニアリング製、JV2−130)により、各記録材料にイラスト調の画像を印刷した。印刷画像を目視で以下の判断基準で評価した。
○:ニジミがなくシャープで、画像濃度が高くコントラストが優れている。
△:ややニジミがあり、ぼやけているが実用レベルである。
×:ニジミがある、又は、発色濃度が低く、実用レベルではない。
顔料インクを用いたインクジェットプリンター(ミマキエンジニアリング製、JV2−130)により、各記録材料に黒色ベタを印刷し、その後に流水下で印刷表面を指で擦り、以下の判断基準で評価した。
○:変化なし。
△:若干、インクが流れる。
×:インクが流れ、受容層が溶け出す。
上記(3)と同様にして印刷物を作成し、模様のある壁紙上に貼り付け、目視により裏写り性を評価した。
○:壁紙の模様が見えない。
△:壁紙の模様が薄く見える。
×:壁紙の模様がはっきりと見える。
A0サイズの各記録材料に顔料インクを用いて記録した。これを、100mm角で高さ5mmの表面突起が一部分に存在するアクリル板上に両面テープを介して貼り付け、下記のような目視評価により曲面追従性を評価した。
○:浮き剥がれなし。
△:浮き剥がれわずかにあり。
×:浮き剥がれあり。
80μm厚の空洞含有ポリオレフィン系フィルム基材(FPG#80、王子油化合成紙製)上を5kg/mの張力下で120℃の炉内を1分間通してアニール処理を施した。その後に、組成1のプライマー層用塗工液をマイクログラビア方式により乾燥後の重量で2g/m2 になるように塗工し、10kg/mの張力下で90℃の炉を30秒間通過させて乾燥させた。
水 75.9重量部エチレン酢酸ビニル共重合体 20重量部 (住友化学工業製、スミカフレックス400HQ)
シリカ 5重量部 (富士シリシア製、サイリシア310、平均粒径1.4μm)
界面活性剤 0.1重量部 (日本ユニカー製、L−77)
水 51.5重量部ポリビニルアルコール 30重量部 (クラレ(株)製、RS−117、10重量%溶解液)
架橋剤 6重量部(住友化学工業(株)製、スミレーズレジンSR5004、固形分40重量%)
カチオン性樹脂 2重量部 (センカ(株)製、パピオゲンP105、固形分60重量%)
界面活性剤 0.5重量部 (大日本インキ化学工業(株)製、メガファックF−1405)
平均粒子径5μmのシリカ 5重量部 (富士シリシア製、サイリシア450)
平均粒径12μmのシリカ 5重量部 (富士シリシア製、サイリシア470)
プライマー層塗工前の基材のアニール処理を5kg/mの張力下100℃の炉内を1分間通して行ったこと以外は、実施例1と同様にして記録材料を得た。得られた記録材料は、実施例1と同様に、本発明に合致する物性値を有し優れた記録材料であった。
基材としてナンヤ製の80μm厚のポリオレフィン系フィルム(PI80)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして記録材料を得た。得られた記録材料は、実施例1と同様に、本発明に合致する物性値を有し優れた記録材料であった。
プライマー層塗工前の基材のアニール処理を施さず、かつ、インク受容層を5kg/mの張力下で100℃の炉内を1分間通過させて乾燥させたこと以外は、実施例1と同様にして記録材料を得た。得られた記録材料は、実施例1と同様に、本発明に合致する物性値を有し優れた記録材料であった。
インク受容層形成後に、エージング処理を施さなかったこと以外は、実施例3と同様にして記録材料を得た。得られた記録材料は、本発明に合致する物性値を有したが、エージング処理を施さなかったので、実施例1〜4と比べ、野外展示性、耐水性がやや劣っていた。
インク受容層用塗工液の塗工量を乾燥後の重量で4g/m2 としたこと以外は実施例1と同様に記録材料を得た。インク受容層用の塗工量が少ないので、得られた記録材料は、印刷特性に劣っていた。
プライマー層塗工前の基材のアニール処理を施さなかったこと以外は、実施例1と同様に記録材料を得た。得られた記録材料の加熱収縮率が本発明の範囲外であり、長期間の野外展示で問題が発生した。
35kg/mの張力下で100℃の炉内を1分間通過させてインク受容層を乾燥させたこと以外は、実施例1と同様に記録材料を得た。得られた記録材料の加熱収縮率が本発明の範囲外であり、長期間の野外展示で問題が発生した。
1kg/mの張力下で100℃の炉内を1分間通過させてインク受容層を乾燥させたこと以外は、実施例1と同様の操作を行ったが、走行安定性、塗工性が不安定のため、記録材料を得ることができなかった。
基材として半透明タイプの空洞含有ポリプロピレンフィルム(王子油化合成紙製TPGA90)を用いたこと以外は、実施例1と同様に記録材料を得た。得られた記録材料は、隠蔽性が劣るため裏写り性が不良で、展示用には不適切であった。
基材として75μm厚の空洞含有ポリエステル系合成紙(東洋紡績製、クリスパーG1212−75μ)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして記録材料を得た。得られた記録材料は、基材が硬いために曲面追従性が不良であった。
2:インク受容層
3:プライマー層
Claims (12)
- 基材上にプライマー層を有し、プライマー層上に多孔質構造のインク受容層を有する記録材料であって、基材が空洞含有ポリプロピレン系フィルムを含み、インク受容層の単位面積当たりの重量が5g/m2以上50g/m2以下であり、記録材料の100℃、120分間の熱処理による加熱収縮率が−0.5%以上0.5%以下であり、且つ記録材料の全光線透過率が30%以下であることを特徴とする記録材料。
- 前記インク受容層が、無機微粒子及び有機微粒子から選ばれる微粒子と、結着剤と、架橋剤とを含有する、請求項1に記載の記録材料。
- 前記無機微粒子は、比表面積が100m2/g以上500m2/g以下であり、平均粒径が1μm以上30μm以下であるシリカ微粒子を含む、請求項2に記載の記録材料。
- 前記結着剤は、水溶性樹脂とカチオン系樹脂とを少なくとも含む、請求項2又は3に記載の記録材料。
- 用いられた前記架橋剤は110℃以下で架橋反応を起こす性質のものである、請求項2〜4のうちのいずれか1項に記載の記録材料。
- 前記インク受容層が、さらに界面活性剤を含有し、インク受容層中の界面活性剤含有量は2重量%以上20重量%以下である、請求項2〜5のうちのいずれか1項に記載の記録材料。
- プライマー層が、エチレン酢酸ビニル共重合体、アクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリエステルウレタン樹脂、ポリブチルアセテート樹脂、ポリビニルアセタール及びポリビニルブチラールから選ばれる樹脂を少なくとも含有する、請求項1〜6のうちのいずれか1項に記載の記録材料。
- プライマー層が、平均粒径0.1μm以上10μm以下の有機系顔料及び/又は無機系顔料を含有し、プライマー層中の顔料含有量は0.1重量%以上75重量%以下である、請求項1〜7のうちのいずれか1項に記載の記録材料。
- プライマー層の単位面積当たりの重量が0.01g/m2以上10g/m2以下である、請求項1〜8のうちのいずれか1項に記載の記録材料。
- インク受容層の乾燥工程において3kg/m以上30kg/m以下の張力下で、80℃以上120℃以下の温度で乾燥を行なうにより得られる請求項1〜9のうちのいずれか1項に記載の記録材料。
- インク受容層の形成後に30℃以上50℃以下の環境下で10日間以上エージングを行なうことにより得られる請求項1〜10のうちのいずれか1項に記載の記録材料。
- 水系顔料インクを用いたインクジェット記録方式で使用するための請求項1〜11のうちのいずれか1項に記載の記録材料。
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