JP3638043B2 - 記録シート - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、記録シートに関するものであり、さらに詳しくは電子写真複写機やインクジェットプリンターによって、良好なカラー複写が可能で、画像濃度が高く、画像の色調が鮮明で、シリコーンオイル吸収性、インク吸収性に優れ、かつトナー定着性に優れ、ファブリックリボンやカーボンインクによる印刷性に優れ、しかも耐水性、耐摩耗性に優れた記録シートに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、OAの普及により、オフィス内で文書を作成し記録する要求が高まっており、低騒音で画像品質に優れたプリンターが求められている。これらの要求を満たすものとして電子写真複写機やインクジェットプリンターが実用化されている。また、近年カラーコピー技術が完成の域に達し、カラー複写機/プリンターが徐々に普及している。現在、カラー電子写真複写機は熱ローラーを用いてトナーを定着する乾式複写機が一般的である。しかし、熱ローラーを用いた場合、トナーが熱ローラーに転移するいわゆるオフセット現象が発生し、良好な画像が得られなかった。そこで、熱ローラーにシリコーンオイルを補給してこのオフセット現象を防止している。
【0003】
また、インクジェットプリンターにはノズルの詰まりを防ぐために乾燥しにくいインクが用いられ、このインクの成分は、バインダー、染料、溶媒、添加剤などを水に溶解したものが一般的である。従って記録シートは吸水性の良いものを用いることが必要であり、通常、インク吸収性の良い特別な紙が用いられている。
【0004】
さらに、カーボンインク、ファブリックリボンを用いた印刷等の記録シートは各種用途に用いられており、このような記録シートとしては、従来より基材として普通紙を用いることが支配的であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
一般的に紙は耐水性、耐湿性等に劣ることから、これらの欠点を有していないプラスチックフィルムが適応できれば、種々の分野でその利点が活かされる。
電子写真複写機による複写においては、複写用基材の記録層のシリコーンオイル吸収性が不十分なため、複写後の被記録層表面にシリコーンオイルが残留し、取り扱い上問題となっている。この問題は、特に基材としてプラスチックフィルムを用いた場合に顕著であり、記録層として種々検討されているが、未だ要求特性を満足できるものがないのが現状であり、シリコーンオイル吸収性の改良が望まれている。
【0006】
一方、インクジェットプリンターによる複写においてインク吸収性の低いシートを用いると、インクの乾燥が不十分となったり、あるいはまったく乾燥しないことも起こり、指でこすったり、重ね合わされたりすると、記録部分が汚れて、事実上使用できない。
【0007】
これらの点を改良し、基材のインク吸収性を向上させるために、例えばポリビニルアルコール、でんぷん、ゼラチン、ヒドロキシエチルセルロースやメチルセルロースなどのセルロース誘導体、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸やその塩類などの水溶性高分子記録層を設けることが提案されているが、従来の記録層はインク吸収性を満足しているにしても、耐水性が悪く、記録層や記録部が水に溶けて記録画像が消失したり、また表面がべとついて記録画像が滲んだり、シートを積層した場合ブロッキングを生じたりする問題点を有するものであった。カーボンインク、ファブリックリボンを用いる場合においても、同様の問題がある。
【0008】
本発明はかかる問題点を解決し、シリコーンオイル吸収性、インク吸収性に優れ、かつトナー定着性に優れ、印刷性に優れ、しかも耐水性に優れた記録シートを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
この目的に沿う本発明の記録シートは、プラスチックフィルムの少なくとも片面に、水溶性高分子と金属塩との錯体である高分子金属錯体とコロイダルシリカを含有する記録層を被覆した記録シートであって、水溶性高分子/金属塩の固形分重量比率が1/10〜10/1であり、かつコロイダルシリカ/高分子金属錯体の固形分重量比率が2/1〜8/1であることを特徴とするものからなる。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明におけるプラスチックフィルムの材質としては、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリエステルアミド、ポリエーテル、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリ−p−フェニレンスルフィド、ポリエーテルエステル、ポリ塩化ビニル、ポリ(メタ)アクリル酸エステルが好ましい。また、これらの共重合体やブレンド物やさらに架橋したものを用いることもできる。
【0011】
さらに、上記プラスチックフィルムの中でもポリエステル、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン2,6−ナフタレート、ポリエチレンα,β−ビス(2−クロルフェノキシ)エタン4,4’−ジカルボキシレート、ポリブチレンテレフタレートなどであり、これらの中で機械的特性、作業性などの品質、経済性などを総合的に勘案すると、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン2,6−ナフタレートが好ましい。
【0012】
本発明におけるポリエステルとしては、周知のもの、具体的には例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ビス−α,β(2−クロルフェノキシ)エタン4,4’−ジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸などの2官能カルボン酸の少なくとも1種と、エチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、デカメチレングリコールなどのグリコールの少なくとも1種とを重縮合して得られるポリエステルを用いることができる。また、該ポリエステルには本発明の目的を阻害しない範囲内で多種ポリマーをブレンドしたり、共重合してもよいし、酸化防止剤、熱安定剤、滑材、顔料、紫外線吸収剤などが含まれていてもよい。ポリエステルの固有粘度(25℃オルトクロルフェノール中で測定)は通常0.4〜2.0、好ましくは0.5〜1.0の範囲から選ばれる。
【0013】
本発明に用いるポリエステルフィルムには、ポリエステル中に白色無機粒子を含有させることにより白色化させているものを用いることもできる。
【0014】
白色無機粒子とは、無着色に近い無機粒子をいい、このような無機粒子として、炭酸カルシウム、非晶質ゼオライト粒子、アナターゼ型の二酸化チタン、リン酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、シリカ、アルミナ、カオリン、タルク、クレーなどを用いることができる。このような無機粒子以外にもポリエステル重合反応系で触媒残査とリン化合物との反応により析出した微粒子を用いることもできる。
【0015】
また、フィルム内部に微細な気泡を含有させ、該気泡で光を散乱させることにより白色化させているものを用いることもできる。この微細な気泡の形成は、フィルム母材、例えばポリエステル中に、非相溶ポリマー、例えばポリ−3−メチルブテン−1、ポリ−4−メチルペンテン−1、ポリプロピレン、ポリビニル−t−ブタン、1,4−トランス−ポリ−2,3−ジメチルブタジエン、セルローストリアセテート、セルローストリプロピオネート、ポリクロロトリフルオロエチレンなどを細かく分散させる、あるいは上記白色化微粒子を添加して、それを1軸または2軸に延伸する事により形成される。延伸に際して、非相溶ポリマー粒子の周りにボイド(気泡)が形成され、これが光の散乱作用を発揮するため白色化される。また、微細気泡を有するため比重が低くなり、クッション性も有するため、鮮明な画像が得られる。
【0016】
このような気泡含有ポリエステルフィルムを用いる場合、該気泡含有ポリエステルフィルムの見掛け比重は0.4以上1.3以下、好ましくは0.6以上1.2以下であるのが望ましい。見掛け比重が上記範囲より低いと機械的性質や熱寸法安定性が劣り好ましくない。
【0017】
ポリエステルフィルムは各種の方法で表面処理、たとえばコロナ放電処理(空気中、窒素中、炭酸ガス中など)や易接着処理が施されたフィルムである場合、記録層との密着性、耐水性、耐溶剤性などが改良されるのでより好ましく使用される。易接着処理には各種の方法を用いることができ、フィルム製造工程中でアクリル系、ウレタン系、ポリエステル系などの各種接着剤を塗布したもの、あるいは一軸または二軸延伸後のフィルムに上記のような各種接着剤を塗布したものなどが好適に用いうる。
【0018】
基材フィルムは透明フィルムでも着色されたフィルムでもよい。
この基材の厚みは特に限定されないが、通常10μm以上500μm以下、好ましくは20μm以上300μm以下、更に好ましくは30μm以上250μm以下であるのが望ましい。
【0019】
本発明の記録シートにおいては、上記プラスチックフィルムの少なくとも片面に、高分子金属錯体を含有する記録層が設けられる。
本発明用いられる高分子金属錯体は、水溶性高分子と金属塩との錯体である。
【0020】
本発明における水溶性高分子とは常温で水に可溶な高分子をいうが、例えば、酸化でんぷん、エーテル化でんぷん、デキストリンなどのでんぷん類、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースなどのセルロース誘導体、カゼイン、ゼラチン、ポリビニルアルコールおよびその誘導体、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸またはそのエステル、塩類およびそれらの共重合体、ポリヒドロキシエチルメタクリレートおよびその共重合体などのビニル系重合体、あるいはこれらの各種重合体のカルボキシル基など官能基変性重合体などを用いることができる。
【0021】
本発明で好ましく用いられる水溶性高分子はポリビニルアルコールおよびその誘導体であり、酢酸ビニル単位のけん化度は通常70モル%以上、好ましくは80モル%以上の範囲から選ばれる。
【0022】
また、ポリビニルアルコールの重合度は通常1000〜3000、好ましくは1500〜2500の範囲のものが用いられる。
【0023】
本発明で好ましく用いられる金属塩は2価の金属、例えば、アルカリ土類金属、亜鉛族元素、銅族元素、鉄族、白金族等の塩であり、CuCl2 、CuSO4 、Cu(NO3 2 、MgCl2 、MgSO4 、Mg(NO3 2 、CaCl2 、Ca(NO3 2 、SrCl2 、Sr(NO3 2 、BaCl2 、Ba(NO3 )、BeSO4 、Be(NO3 2 、ZnCl2 、Zn(NO3 )、ZnSO4 、CdCl2 、CdI2 、HgCl2 、Hg(CN)2 、Hg(NO3 2 、HgSO4 、MnCl2 、Mn(NO3 2 、MnSO4 、Mn(CH3 CO2 2 、Mn(SCN)2 、FeCl2 、FeBr2 、FeI2 、FeSO4 、Fe(NO3 2 、CoCl2 、CoBr2 、CoI2 、Co(NO3 2 、CoSO4 、Co(CH3 CO2 2 、NiCl2 、NiSO4 、Ni(NO3 2 、Ni(CH3 CO2 2 、PdCl2 、PdSO4 、Pd(NO3 2 等を用いることができる。このような2価金属塩の中でもCa、Coの塩が好ましく用いられる。
【0024】
水溶性高分子と金属塩との比率は、水溶性高分子/金属塩の重量比で1/10〜10/1、好ましくは1/5〜5/1、さらに好ましくは1/2〜2/1の範囲から選ばれる。水溶性高分子/金属塩が1/10未満では形成される記録層の耐水性が悪く、10/1を越える場合には形成される記録層のインク吸収性の発現が不十分となり、好ましくない。
【0025】
本発明の記録層には、さらにコロイダルシリカ用いられる。
本発明で用いられるコロイダルシリカは、数珠状に連結および/または分岐した形状を持ち、具体的には例えば、球状のコロイダルシリカが数珠状に連結した長鎖の構造を有するもの、および連結したシリカが分岐したものなどを挙げることができる。上記コロイダルシリカは球状シリカの1次粒子を2価以上の金属イオンを介在させ粒子−粒子間を結合させたもので、少なくとも3個以上、好ましくは5個以上、さらに好ましくは7個以上連結したものをいい、さらには数珠状に連結した粒子が分岐したものも含包する。
【0026】
また、コロイダルシリカと他の無機粒子、例えばアルミナ、セリア、チタニアなどの複合あるいは混合粒子であってもよく、これらを介在させて連結させたものでも良い。介在させる金属イオンとしては2価以上の金属イオンが好ましく、例えばCa2+、Zn2+、Mg2+、Ba2+、Al3+、Ti4+などである。特にCa2+とした場合には、数珠状に連結および/または分岐したコロイダルシリカを作成するのに好適である。
【0027】
また、コロイダルシリカの1次粒子径は5nm〜100nm、好ましくは7nm〜50nm、さらに好ましくは8nm〜30nmである場合、記録層のシリコーンオイル吸収性、インク吸収性を大きくする点で好ましい。
【0028】
さらに、記録層のシリコーンオイル吸収性、インク吸収性はシリカ粒子が数珠状に連結および/または分岐している場合に大きくなり、連結したシリカの1次粒子数が多いほど好ましいが、通常は3〜100個、好ましくは5〜50個、さらに好ましくは7〜30個の範囲から選ばれる。3個未満ではシリコーンオイル吸収性、インク吸収性の発現が不十分であり、100個を超える場合にはシリカ粒子が増粘しやすく水分散性が悪くなるため、好ましくない。
【0029】
また、本発明におけるコロイダルシリカのpHは酸性であることが望ましく、pHが2〜6、好ましくは2〜4の範囲から選ばれる。この範囲を越える場合には水溶性高分子と混合した時に塗液が増粘しやすく、作業性が悪くなり好ましくない。
【0030】
コロイダルシリカと高分子金属錯体の比率は、コロイダルシリカ/高分子金属錯体の重量比2/1〜8/1好ましくは3/1〜5/1の範囲から選ばれる。コロイダルシリカ/高分子金属錯体が/1未満では形成される記録層の耐水性が悪く、/1を越える場合には形成される記録層の強度が低下したり、さらには塗布性が悪化し、均一層を形成しにくいため、好ましくない。
【0031】
本発明における記録層の表面抵抗値は108 〜1013Ω/□であることが好ましい。より好ましくは108 〜1012Ω/□である。記録層の表面抵抗値が108 Ω/□より低いと帯電性が下がり、トナーの転移性が劣り、また記録層の表面抵抗値が1013Ω/□より高いと、トナーの飛散や走行性不良が発生し好ましくない。
【0032】
本発明において、記録層の記録特性をより高めるために、無機/およびまたは有機粒子を分散させてもよい。無機粒子としては例えば、本発明の主成分として用いられる以外のシリカ、クレー、タルク、ケイソウ土、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、ケイ酸アルミ、合成ゼオライト、アルミナ、酸化亜鉛、雲母などを用いることができる。有機粒子としては例えば、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、それらの共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニリデン、ポリカーボネートなどのプラスチックピグメントを好ましく用いることができるが、これらに限定されるものではない。
【0033】
本発明における記録シートの記録層には、本発明の特性を損なわない範囲で公知の添加剤、例えば消泡剤、塗布性改良剤、増粘剤、帯電防止剤、酸化防止剤、紫外線防止剤、染料などを含有せしめてもよい。
【0034】
記録層の塗布厚さは特に限定されないが、1〜50μm、好ましくは3〜50μmである。これより薄いとシリコーンオイル吸収性やインク吸収性が劣り、これより厚いと記録層の強度が低下したり、作業性が悪くなり好ましくない。
【0035】
本発明において、記録シートの走行性、重走性を改良するために記録層と反対面のプラスチック表面に帯電防止剤を塗布したり、無機や有機の微粒子を含む塗剤を塗布してもよい。
【0036】
記録層の塗布方法は特に限定されないが、グラビアコート法、リバースコート法、キスコート法、ダイコート法、バーコート法などの方法を適用することができる。この際、フィルム上には塗布する前に必要に応じて空気中あるいはその他の雰囲気中でのコロナ放電処理や、プライマー処理など公知の表面処理を施すことによって、塗布性が良化するのみならず、記録層をより強固にフィルム上に形成することができる。尚、塗剤濃度、塗膜乾燥条件は特に限定されるものではないが、塗膜乾燥条件は基材の諸特性に悪影響を及ぼさない範囲で行うのが望ましい。
【0037】
【実施例】
まず、本発明における各種特性の評価方法について説明する。
(1)電子写真記録性
キャノン(株)製フルカラー静電複写機Pixel Dioを用いてフルカラーテストパターンを印字し、印字品質、シリコーンオイル吸収性、走行性を評価し、記録性を以下のように判定した。なお、印字品質は拡大鏡で肉眼観察にて評価し、シリコーンオイル吸収性は印字30分後、指で触りシリコーンオイルの吸収度合いにより評価した。
・印字品質
◎:非常に良好
○:良好
△:やや劣る
×:トナーの流れ、はじき、にじみ等がある
・シリコーンオイル吸収性
○:良好
△:やや劣る
×:シリコーンオイルがほとんど吸収されていない
・走行性:重走の発生、紙詰まりおよび収容トレイでの揃い等を総合的に判断して評価し、良好なものを○、不良なものを×とした。
【0038】
(2)インクジェット記録性
日本電気(株)製パーソナルコンピューター98noteにキャノン(株)製バブルジェットプリンターBJC−820Jを連結させ、文字パターンをインクジェット記録し、画像品質、インク吸収性を評価し、記録性を以下のように判定した。尚、画像品質は拡大鏡を用いて肉眼観察にて評価し、インク吸収性は記録直後記録部分を指で1回こすった場合のインクによる記録層の汚れ度合いにより評価した。
・画像品質
◎:非常に良好(ドットが均一で鮮明)
○:良好
△:やや劣る
×:ドットの流れ、はじき、にじみなどがある
・インク吸収性
◎:非常に良好(記録層がまったく汚れない)
○:良好
△:やや劣る
×:インクがとれ、記録層が汚れる
【0039】
(3)ファブリックリボン記録性
日本電気(株)製パーソナルコンピューター98noteにシリアルプリンター“PC−PR201U”を連結させ、文字パタンをファブリックリボン“OAR−NF2”(パイロット(株)製)を用いて印刷し、印字品質、インク吸収性を評価し、記録性を以下のように判定した。尚、画像品質は拡大鏡を用いて肉眼観察にて評価し、インク吸収性は記録直後記録部分を指で1回こすった場合のインクによる記録層の汚れ度合いにより評価した。
○:印字品質、インク吸収性が共に良好
△:印字品質、インク吸収性がやや劣る。
×:印字品質、インク吸収性が共に不良
【0040】
(4)記録層の耐水性
綿棒に水をつけ、記録層を軽くこすって評価した。
◎:非常に良好(50回こすっても記録部の脱落無し)
○:良好(30回こすっても記録部の脱落無し)
△:やや劣る(10〜30回こすると記録部が脱落する)
×:不良(10回未満で脱落する)
【0041】
(5)pH
pHメーター(HORIBA(株)製、pHMETER F−14)を用いて測定した。
【0042】
(6)表面抵抗値
ULTRA HIGH RESISTANCE METER(ADVANTEST社製、R8340)を用いて、電圧100V、Carge5秒の条件で、20℃、60%RHの環境で測定した。
【0043】
(7)比重
フィルムを100×100mm角に切り、ダイアルゲージ((株)三豊製作所製No.2109−10)に直径10mmの測定子(No.7002)を取り付けたものにて最低10点の厚みを測定し、厚みの平均値d(μm)を計算する。また、このフィルムを直示天秤にて秤量し、重さw(g)を10-4gの単位まで読みとる。この時比重=w/d×100とした。
【0044】
次に本発明を実施例により具体的に説明するが、これに限定されるものではない。
実施例1
常法によって製造されたポリエチレンテレフタレートのホモポリマーチップ(固有粘度:0.62、融点:259℃)を用いて、常法によって厚み100μm、比重1.4の2軸延伸ポリエステルフィルムを得た。このようにして得られたポリエステルフィルムの上にコロナ放電処理を行った。次にコロナ放電処理面に記録層として下記組成のものを用い、乾燥後の厚みが30μmになるようにリバースコーターにて塗布乾燥し、本発明の記録シートを得た。かくして得られた記録シートの特性は表1、表2に示した通りで、記録性が良好で、耐水性も優れているものであった。また、オーバーヘッドプロジェクターで投影した場合、画像が鮮明でオーバーヘッドプロジェクター用シートとして良好であった。
【0045】
[塗剤組成]
ポリビニルアルコール(電気化学(株)製、PVA−H−24、けん化度:95.5%、重合度:2400)とCaCl2 (ナカライ(株)製、2水和物)と酸性数珠状コロイダルシリカ(日産化学(株)製“スノーテックス”OUP、pH:2.9)が固形分比で1/1/5となるように水に分散させ、固形分15%の塗料とした。
【0046】
実施例2
実施例1においてポリビニルアルコール(クラレ(株)製、PVA−CM318、けん化度:88.0%、重合度:1800)、CaCl2 の代わりにCoCl2 (ナカライ(株)製、6水和物)を用いる以外は同様にして本発明の記録シートを得た。かくして得られた記録シートの特性は表1、表2に示した通りで、記録性が良好で、耐水性も優れているものであった。また、オーバーヘッドプロジェクターで投影した場合、画像が鮮明でオーバーヘッドプロジェクター用シートとして良好であった。
【0047】
実施例3
実施例1においてポリビニルアルコール(電気化学(株)製、PVA−W−24、けん化度:78.0%、重合度:2400)を用いる以外は同様にして本発明の記録シートを得た。かくして得られた記録シートの特性は表1、表2に示した通りで、記録性が良好で、耐水性も優れているものであった。また、オーバーヘッドプロジェクターで投影した場合、画像が鮮明でオーバーヘッドプロジェクター用シートとして良好であった。
【0048】
実施例4
実施例1において、塗剤組成をポリビニルアルコール(電気化学(株)製 PVA−K−24E、けん化度:98.0%、重合度:2400)とCaCl2 (ナカライ(株)製、2水和物)と酸性数珠状コロイダルシリカ(日産化学(株)製“スノーテックス”OUP、pH:2.9)が固形分比で1/1/5となるように、水−イソプロピルアルコール溶媒に溶解したものを用いる以外は同様にして本発明の記録シートを得た。かくして得られた記録シートの特性は表1、表2に示した通りで、記録性が良好で、耐水性も優れているものであった。また、オーバーヘッドプロジェクターで投影した場合、画像が鮮明でオーバーヘッドプロジェクター用シートとして良好であった。
【0049】
実施例5
ポリエレンテレフタレートのチップおよび分子量4000のポリエチレングリコールをポリエチレンテレフタレートの重合時に添加したマスターチップを180℃で真空乾燥した後に、ポリエチレンテレフタレート89重量%、ポリエチレングリコール1重量%、ポリメチルペンテン10重量%となるように混合し、270〜300℃に加熱された押出機Bに供給する。また、平均粒子径1.0μmの炭酸カルシウムを10重量%含有したポリエチレンテレフタレートを上記のように乾燥した後に、押出機Aに供給する。押出機A,Bより押出されたポリマーをA/B/Aの3層構成となるように積層し、Tダイよりシート状に成形した。
【0050】
さらにこのフィルムを表面温度25℃の冷却ドラムで冷却固化した未延伸フィルムを85〜95℃に加熱したロール群に導き、長手方向に3.4倍延伸し、25℃のロール群で冷却した。続いて縦延伸したフィルムの両端をクリップで把持しながらテンターに導き、130℃に加熱された雰囲気中で長手に垂直な方向に3.6倍延伸した。その後テンター内で230℃の熱固定を行い、均一冷却後、室温まで冷やして巻き取り、厚み100μm、比重1.0の白色フィルムを得た。該フィルムの積層構成は5/90/5μmであった。上記方法によって得られたポリエステルフィルムの上に実施例4の塗剤を用いて同様にして本発明の記録シートを得た。かくして得られた記録シートの特性は表1、表2に示した通りで、記録性が良好で、耐水性も優れているものであった。
【0051】
実施例6
実施例5において、塩基性数珠状コロイダルシリカ(日産化学(株)製、“スノーテックス”UP、pH:10.3)を用いた以外は同様にして本発明の記録シートを得た。かくして得られた記録シートの特性は表1、表2に示した通りで、記録性が良好で、耐水性も優れているものであった。
【0052】
実施例7
ポリエチレン2,6−ナフタレート(固有粘度:0.7)を94重量%、ポリ−4−メチルペンテン−1(三井石油化学(株)製、TPX−D820)5重量%、分子量4000のポリエチレングリコール1重量%の割合で予めペレタイズした原料を押出機Aに供給し、常法により295℃で溶融してTダイ3層口金の中央部に導入した。
【0053】
一方、上記ポリエチレン2,6−ナフタレート86重量%に炭酸カルシウム粒子(白石カルシウム(株)製、“ソフトン”3200)を14重量%添加した原料を押出機Bに供給し、常法により295℃で溶融してTダイ3層口金の両表層にラミネートし、該溶融体シートを表面温度25℃に保たれた冷却ドラム上に静電荷法で密着冷却固化させた。続いて該キャストシートを常法に従い長手方向に120℃に加熱されたロール群を用いて3.5倍に延伸し、25℃に冷却した。さらに該延伸フィルムをテンターに導き、125℃に加熱された雰囲気中で幅方向に3.2倍延伸し、225℃で熱固定を行い、厚さ100μm、比重1.0の白色フィルムを得た。該フィルムの構成は6/88/6μmであった。上記方法によって得られたフィルムにコロナ放電処理を行った上に、実施例3の塗剤を用いて同様にして本発明の記録シートを得た。かくして得られた記録シートの特性は表1、表2に示した通りで、記録性が良好で、耐水性も優れているものであった。
【0054】
さらに、基材として二軸延伸ポリエチレン2,6−ナフタレートフィルムを用いているため、熱収縮による印字部の平面性の悪化も全くみられず、耐熱性にも優れていることがわかった。
【0055】
比較例1
実施例1において酸性数珠状コロイダルシリカ(日産化学(株)製“スノーテックス”O、pH:2.9)を用いない以外は同様にして記録シートを得た。該記録シートの特性は表1、表2に示した通りで、シリコーンオイル吸収性、走行性、記録層の耐水性に劣るものであった。
【0056】
比較例2
実施例1において、ポリビニルアルコール(電気化学(株)製、PVA−H−24、けん化度:95.5%、重合度:2400)とCaCl2 (ナカライ(株)製、2水和物)と酸性球状コロイダルシリカ(日産化学(株)製“スノーテックス”OUP、pH:2.7)が固形分比で1/1/3となるようにする以外は同様にして記録シートを得た。該記録シートの特性は表1、表2に示した通りで、シリコーンオイル吸収性、インクジェット記録性、ファブリックリボン記録性に劣るものであった。
【0057】
【表1】
Figure 0003638043
【0058】
【表2】
Figure 0003638043
【0059】
【発明の効果】
本発明の記録シートはシリコーンオイル吸収性、インク吸収性、印刷性、画像品質、耐水性が非常に優れたものであり、電子写真複写機やモノクロおよびカラーインクジェットプリンター用記録シート、ファブリックインク受容体やカーボンインク受容体、およびオフセット印刷、フレキソ印刷などの用途において好ましく用いることができる。さらに本発明の記録シートはその優れたインク吸収性を利用して、昇華型を含む感熱インク受容体など他のインクやトナー受容体としても適用することができる。また、記録層が透明なものは、OHP用途にも適用することができる。

Claims (12)

  1. プラスチックフィルムの少なくとも片面に、水溶性高分子と金属塩との錯体である高分子金属錯体とコロイダルシリカを含有する記録層を被覆した記録シートであって、水溶性高分子/金属塩の固形分重量比率が1/10〜10/1であり、かつコロイダルシリカ/高分子金属錯体の固形分重量比率が2/1〜8/1であることを特徴とする記録シート。
  2. 前記コロイダルシリカが数珠状に連結および/又は分岐した形状である、請求項1の記録シート。
  3. 前記水溶性高分子がポリビニルアルコールである、請求項1または2の記録シート。
  4. 前記金属塩が2価の金属の塩である、請求項1ないし3のいずれかに記載の記録シート。
  5. 前記コロイダルシリカのpHが酸性である、請求項1ないし4のいずれかに記載の記録シート。
  6. 前記ポリビニルアルコールのけん化度が70モル%以上、重合度が1000〜3000である、請求項3ないし5のいずれかに記載の記録シート。
  7. 前記2価の金属がカルシウム又はコバルトである、請求項4ないし6のいずれかに記載の記録シート。
  8. プラスチックフィルムがポリエステルフィルムである、請求項1ないし7のいずれかに記載の記録シート。
  9. プラスチックフィルムが白色ポリエステルフィルムである、請求項8の記録シート。
  10. プラスチックフィルムが見かけ比重0.4以上1.3以下の白色ポリエステルフィルムである、請求項9の記録シート。
  11. プラスチックフィルムがポリエチレン2,6−ナフタレートである、請求項1ないし10のいずれかに記載の記録シート。
  12. 記録層の表面抵抗値が10 8 〜10 13 Ω/□である、請求項1ないし11のいずれかに記載の記録シート。
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