JP3221009B2 - 記録シート - Google Patents

記録シート

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JP3221009B2
JP3221009B2 JP21242091A JP21242091A JP3221009B2 JP 3221009 B2 JP3221009 B2 JP 3221009B2 JP 21242091 A JP21242091 A JP 21242091A JP 21242091 A JP21242091 A JP 21242091A JP 3221009 B2 JP3221009 B2 JP 3221009B2
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    • B41MPRINTING, DUPLICATING, MARKING, OR COPYING PROCESSES; COLOUR PRINTING
    • B41M5/00Duplicating or marking methods; Sheet materials for use therein
    • B41M5/50Recording sheets characterised by the coating used to improve ink, dye or pigment receptivity, e.g. for ink-jet or thermal dye transfer recording
    • B41M5/52Macromolecular coatings
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    • B41M5/52Macromolecular coatings
    • B41M5/5254Macromolecular coatings characterised by the use of polymers obtained by reactions only involving carbon-to-carbon unsaturated bonds, e.g. vinyl polymers

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  • Ink Jet Recording Methods And Recording Media Thereof (AREA)
  • Coating Of Shaped Articles Made Of Macromolecular Substances (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Ink Jet (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は記録シートに関するもの
であり、さらに詳しくは画像濃度が高く、画像の色調が
鮮明で、インキ吸収性に優れ、かつ耐水性に優れたイン
クジェットプリンター用記録シートに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、OAの普及によりオフィス内で文
書を作成し印字する要求が高まっており、低騒音で印字
品質に優れたプリンターが求められている。これらの要
求を満たすプリンターのひとつとしてインクジェットプ
リンターが実用化されている。
【0003】インクジェットプリンターはノズルの詰ま
りを防ぐために乾燥し難いインクが用いられ、このイン
クの成分は、バインダー、染料、溶媒、添加剤などを水
に溶解したものが一般的である。従って、記録シートは
吸水性の良いものを用いることが必要であり、通常イン
ク吸収性の良い特別な紙が用いられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】一方、インク吸収性の
低い記録シートを用いると、インクの乾燥が不十分とな
ったり、あるいは全く乾燥しないことも起こり、指でこ
すったり、重ね合わされたりすると、記録部分が汚れ
て、実用上使用できない。
【0005】これらの点を改良するために、基材にイン
ク吸収性を向上させるために、例えばポリビニルアルコ
ール、でんぷん、ゼラチン、ヒドロキシルエチルセルロ
ース、メチルセルロースなどのセルロース誘導体、ポリ
アクリル酸、ポリメタアクリル酸やその塩類などの水溶
性高分子受容層を設けることが提案されているが、従来
の受容層はインク吸収性を満足しているにしても、耐水
性が悪く、受容層や記録部が水に溶けたり、また表面が
べとついてシートを積層した場合ブロッキングを生じた
りする問題点を有するものであった。本発明は、かかる
問題点を解決し、インク吸収性、印字品質が良好で耐水
性に優れた記録シートを提供することを目的とするもの
である。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、基材の
少なくとも片面に、水分散性ポリマーと数珠状に連結お
よび/又は分岐した形状のコロイダルシリカからなる
油量1ml/m2以上の多孔質層を設け、該多孔質層の
上にインク吸水性を有する被覆層を設けたことを特徴と
する記録シートによって達成される。
【0007】本発明における基材としては、紙(上質
紙)、塗工紙、和紙、不織布やプラスチックフイルムを
使用することができるが、中でもプラスチックフイルム
が好ましい。
【0008】プラスチックフイルムとしては、ポリエス
テル、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリエステルアミ
ド、ポリエーテル、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポ
リスチレン、ポリカーボネート、ポリーPーフェニレン
スルフィド、ポリエーテルエステル、ポリ塩化ビニル、
ポリ(メタ)アクリル酸エステルなどが好ましい。さら
にこれらの共重合体やブレンド物やさらに架橋したもの
を用いることもできる。 上記基材の中でもポリエステ
ル、好ましくはポリエチレンテレフタレートが機械的特
性、作業性などの点から好ましい。
【0009】本発明においていうポリエステルとは、周
知のもの、具体的には例えば、テレフタル酸・イソフタ
ル酸・ナフタレンジカルボン酸・ビスーα,β(2ーク
ロルフェノキシ)エタンー4,4’ージカルボン酸・ア
ジピン酸・セバシン酸・等の2官能カルボン酸の少なく
とも1種と、エチレングリコール・トリエチレングリコ
ール・テトラメチレングリコール・ヘキサメチレングリ
コール・デカメチレングリコール等のグリコールの少な
くとも1種とを重縮合して得られるポリエステルを挙げ
ることができる。また、該ポリエステルには本発明の目
的を阻害しない範囲内で他種ポリマをブレンドしたり、
共重合してもよいし、酸化防止剤、熱安定剤、滑剤、顔
料、紫外線吸収剤などが含まれていてもよい。ポリエス
テルの固有粘度(25℃オルトクロルフェノール中で測
定)は0.4〜2.0であり、好ましくは0.5〜1.
0の範囲のものが通常用いられる。
【0010】本発明の記録シートにおいては、上記基材
の少なくとも片面に、多孔質層が設けられる。本発明で
いう多孔質層とは、層の内部および表面に多数の空隙を
持つ層構造を有するものである。層の内部および表面に
多数の空隙を持つ多孔質層を形成させるには、水分散性
ポリマーに数珠状に連結および/又は分岐した形状のコ
ロイダルシリカを分散させることにより達成できる。中
でも、この空隙は、インク吸収性の点から多孔質層内に
おいては外部に通ずる、いわゆる貫通孔であるものが特
に好ましい。
【0011】本発明において多孔質層の吸油量は1ml
/m2 以上、好ましくは2ml/m2 以上、更に好まし
くは3ml/m2 である必要がある。1ml/m2 未満
ではインクを吸油する孔容積が不足し好ましくない。
【0012】本発明において多孔質層の孔の孔径分布曲
線におけるピーク孔径は、0.06〜2.0μm、好ま
しくは0.08〜1.0μm、更に好ましくは0.10
〜0.5μmであるのが望ましい。孔径分布曲線のピー
ク孔径が0.06μmに満たない場合にはインクの吸収
性が不十分であり、孔径分布曲線のピーク孔径が2.0
μmを越える場合には表面平滑度が低下し、被覆層との
密着性が低下するという欠点を生じる。また孔面積比が
20〜85%、好ましくは30〜75%、更に好ましく
は35〜65%の範囲に有るのが好ましく、孔面積比が
20%未満の場合にはインクの吸収性が低下する傾向に
有り、85%を越える場合には孔と孔が一部連結した形
態をとりやすくなり、にじみ等が発生しやすい傾向にな
る。
【0013】孔は、多孔質層表面から観察した場合、そ
れぞれが独立しており、かつその真円度r(=b/a,
a:孔の長軸径、b:孔の短軸径)が1〜5である場
合、インクのにじみが少ないので特に好ましい。この真
円度は測定点1000個以上の平均値であり、通常イメ
ージアナライザーにより求める。
【0014】また孔径分布曲線における孔径分布の広が
りは小さい方、すなわちシャープな孔径分布であるのが
望ましく、孔数の50%以上、好ましくは60%以上、
更に好ましくは70%以上がピーク孔径±30%以内に
あるのが望ましい。
【0015】また本発明における多孔質層表面は、高さ
0.2μm以上、好ましくは0.3μm以上、更に好ま
しくは0.4μm以上のうねりを、5個/40μm以
上、好ましくは7個/40μm以上、更に好ましくは1
0個/40μm以上有することが望ましい。高さ0.2
μm以上のうねり個数が5個/40μmに満たない場合
にはインクの吸収速度が遅くなる傾向に有る。更に該多
孔質層表面のうねり指数が0.035〜0.3μm、好
ましくは0.045〜0.2μm、更に好ましくは0.
055〜0.13μmである場合、インクの吸収速度が
向上するので好ましい。
【0016】本発明においていう水分散性ポリマーとは
各種ポリマーの水分散体を用いることができるが、具体
例を挙げればアクリル系ポリマー、エステル系ポリマ
ー、ウレタン系ポリマー、オレフィン系ポリマー、塩化
ビニリデン系ポリマー、エポキシ系ポリマー、アミド系
ポリマー、およびこれらの変成物、共重合体などの水分
散体を用いることができる。これらの中で、アクリル系
ポリマー、ウレタン系ポリマーの使用が好ましく、塗膜
の機械的安定性、塗膜強度の点でアクリル系ポリマーが
特に好ましい。
【0017】本発明に用いる上記ポリマーは水に分散
し、粒子形状を持っていることが好ましい。粒子形状を
有さない場合、すなわち水溶性ポリマーでは耐水性が悪
くなる。粒子は1次粒子で分散されたものが好ましい
が、必ずしも1次粒子で分散されている必要はなく、2
次凝集粒子を含むものであっても良い。
【0018】本発明に好適なアクリル系ポリマーは少な
くとも40モル%以上のアクリルモノマー、および/又
はメタクリルモノマーとこれらのエステル形成モノマ
ー、各種官能基を有するアクリル系モノマー、例えば、
アクリル酸、メタクリル酸、アルキルアクリレート、ア
ルキルメタクリレート(アルキル基としてはメチル基、
エチル基、nープロピル基、イソプロピル基、nーブチ
ル基、イソブチル基、tーブチル基、2ーエチルヘキシ
ル基、ラウリル基、ステアリル基、シクロヘキシル基、
フェニル基、ベンジル基など)、および2ーヒドロキシ
エチルアクリレート、2ーヒドロキシエチルメタクリレ
ート、2ーヒドロキシプロピルアクリレート、2ーヒド
ロキシプロピルメタクリレートなどのヒドロキシ含有モ
ノマー、アクリルアミド、メタクリルアミド、Nーメチ
ルアクリルアミド、Nーメチルメタクリルアミド、Nー
メチロールアクリルアミド、Nーメチロールメタクリル
アミド、N,Nージメチロールアクリルミド、Nーメト
キシメチルメタクリルアミド、Nーフェニルアクリルア
ミドなどのアミド基含有モノマー、N,Nージエチルア
ミノエチルメタクリレート、N,Nージエチルアミノエ
チルアクリレートなどのアミノ基含有モノマー、グリシ
ジルアクリレート、グリシジルメタクリレートなどのエ
ポキシ基含有モノマー、アクリル酸、メタクリル酸の塩
(ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩など)な
どから成るものであり、これらは多種モノマーと併用す
ることもできる。多種モノマーとしては例えば、アリル
グリシジルエーテルなどのエポキシ基含有モノマー、ス
チレンスルホン酸、ビニルスルホン酸およびそれらの塩
(ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩など)な
どのスルホン酸基又はその塩を含有するモノマー、クロ
トン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、およびそ
れらの塩類などのカルボキシル基又はその塩を含有する
モノマー、無水マレイン酸、無水イタコン酸など酸無水
物を含有するモノマー、ビニルイソシアネート、アリル
イソシアネート、スチレン、ビニルメチルエーテル、ビ
ニルエチルエーテル、ビニルトリスアルコキシシラン、
アルキルマレイン酸モノエステル、アルキルフマール酸
モノエステル、アクリロニトリル、メタクリロニトリ
ル、アルキルイタコン酸モノエステル、塩化ビニル、酢
酸ビニル、塩化ビニリデンなどが挙げられる。上述のモ
ノマーは1種もしくは2種以上を用いて共重合される。
【0019】上述の水分散性ポリマーの水分散体20〜
90重量部と混合するコロイダルシリカは、インク吸収
性を生じさせるため下記のようなシリカが好適である。
すなわち球状のコロイダルシリカが数珠状に連結(複数
の球状コロイダルシリカが連鎖状につながった形状)し
た長鎖の構造を有するもの、および連結したシリカが分
岐したものおよび/または屈曲したものを用いた場合、
表面にうねり構造を有するものを得ることができ、イン
ク吸収性の点で好ましい。上記コロイダルシリカは球状
シリカの1次粒子を2価以上の金属イオンを介在させ粒
子ー粒子間を連結させたもので、少なくとも3個以上、
好ましくは5個以上、更に好ましくは7個以上連結した
ものをいい、更には数珠状に連結した粒子が分岐したも
のおよび/または屈曲したものも包含する。また、コロ
イダルシリカと他の無機粒子、例えばアルミナ、セリ
ア、チタニアなどとの複合あるいは混合粒子であっても
良く、これらを介在させて連結したものでも良い。介在
させる金属イオンとしては2価以上の金属イオンが好ま
しく、例えばCa2+、Zn2+,Mg2+、Ba2+、A
3+、Ti4+などである。特にCa2+とした場合には、
数珠状に連結および分岐したコロイダルシリカを作成す
るのに好適である。
【0020】またコロイダルシリカの1次粒子は5nm
〜100nm、好ましくは7nm〜50nm、更に好ま
しくは8nm〜30nmである場合、インク吸収性の点
で好ましい。
【0021】さらにうねり構造はシリカ粒子が数珠状に
連結および分岐している場合に発現するものであり、連
結したシリカの1次粒子数が多いほど好ましいが通常は
3個以上100個未満、好ましくは5個以上50個未
満、更に好ましくは7個以上30個未満であるのが望ま
しい。2個以下ではうねりの発現が不十分であり、10
0個以上の場合には数珠状に連結および/又は分岐した
シリカ粒子が増粘しやすく水分散性が悪くなる傾向にあ
る。
【0022】数珠状に連結および/又は分岐したシリカ
粒子の多孔質層中での含有率は3〜80重量部、好まし
くは10〜70重量部、更に好ましくは20〜60重量
部であるのが良い。含有率が3重量部未満ではうねりの
発現がないためインク吸収性が遅くなる傾向にる。8
0重量部を越えて含有させた場合には塗膜強度が低下す
るなどの欠点を生じやすくなる。
【0023】水分散性ポリマー/コロイダルシリカの平
均粒子径比は2/1〜1000/1、好ましくは5/1
〜500/1、更に好ましくは10/1〜200/1あ
るのがインク吸収性の点で特に好ましい。特にコロイダ
ルシリカの平均粒子径(a1 )と水分散性ポリマーの平
均粒子径(a2 )との関係において平均粒子径比が上記
範囲にあり、かつ水分散性ポリマー粒子1個の表面を完
全に被覆するに要するコロイダルシリカの最小粒子数を
α[α=2π(a1 +a2 2 /(31/2 ・a1 2 )]
としたとき、水分散性ポリマー粒子1個あたり0.3α
〜10αの範囲、好ましくは0.5α〜6α、更に好ま
しくは0.7α〜3αの範囲にあるような配合比とした
時に本発明の効果がより顕著に発現するので好ましい。
尚、上記数珠状に連結したコロイダルシリカの場合には
電子顕微鏡で観察される連結粒子の短軸方向の長さを粒
子径とし、測定長100点の平均値を平均粒子径とす
る。
【0024】本発明の記録シートは、上記多孔質層の上
に好ましくは以下の述べる特定組成からなる被覆層を設
ける。被覆層がないとインクの吸収性が悪く、インクの
乾燥が不十分となったり、画像がにじんだりして好まし
くない。
【0025】本発明の被覆層は、例えば水分散性ポリ
マーと数珠状に連結および/または分岐した形状のコロ
イダルシリカと水溶性高分子、親水基含有ポリエステ
ル樹脂[A]と、該樹脂[A]に少なくとも1種以上の
不飽和結合を有する化合物[B]をグラフト化させた共
重合体[C]と水溶性高分子、からなる。
【0026】ここで、被覆層に用いる水分散性ポリマ
ーと数珠状に連結および/または分岐した形状のコロイ
ダルシリカとは前述のものをいう。
【0027】本発明においていう水溶性高分子とは常温
で水に可溶な高分子をいうが、例えば、酸化澱粉、エー
テル化澱粉、エステル化澱粉、デキストリン等の澱粉
類、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセ
ルロース等のセルロース誘導体、カゼイン、ゼラチン、
ポリビニルアルコールおよびその誘導体、ポリビニルピ
ロリドン、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸またはそ
のエステル、塩類およびそれらの共重合体、ポリヒドロ
キシエチル、メタクリレートおよびその共重合体等のビ
ニル系重合体、或いはこれらの各種重合体のカルボキシ
ル基等官能基変性重合体などを好ましく用いることがで
きるが、これらに限定されるものではない。
【0028】被覆層中の水溶性高分子の重量混合比率は
90〜10%、好ましくは80〜20%、より好ましく
は70〜30%であることが望ましい。水溶性高分子の
重量混合比率が90%を越えると耐水性が悪くなり、被
覆層や記録部が水に溶けたり、また表面がべとついてシ
ートを積層した場合ブロッキングを生じたりする。一
方、混合比率が10%未満である場合はインクの吸収性
が低くなり、指でこすったり、重ね合わせたりすると記
録部分が汚れて実用上使用できない。
【0029】本発明においていう親水基含有ポリエステ
ル樹脂[A](以下、樹脂[A]と略称する)とは、分
子中に親水性基或いは親水性成分、例えば、水酸基、カ
ルボキシル基、カルボニル基、シアノ基、アミノ基、メ
チルカルボニル基、ポリエチレングリコール、カルボン
酸塩、リン酸エステル塩、第4級アンモニウム塩、硫酸
エステル塩、スルホン酸塩等の少なくとも1種以上が導
入されたポリエステル共重合体である。中でも、代表的
なポリエステル共重合体としては以下の組成のものが有
用である。すなわち、芳香族ジカルボン酸および/また
は非芳香族ジカルボン酸およびエステル形成性スルホン
酸アルカリ金属塩化合物とグリコールの重縮合物が挙げ
られる。具体的には、芳香族ジカルボン酸としては、例
えば、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、2,5
ージメチルテレフタル酸、2,6ーナフタレンジカルボ
ン酸、ビフェニルジカルボン酸、1,2ービス(フェノ
キシ)エタンーp,p’ージカルボン酸およびそれらの
エステル形成性誘導体があり、非芳香族ジカルボン酸に
は、例えば、修酸、マロン酸、コハク酸、グルタール
酸、アジピン酸、セバシン酸、1,2ーシクロヘキサン
ジカルボン酸、1,4ーシクロヘキサンジカルボン酸、
1,3ーシクロヘキサンジカルボン酸、1,3ーシクロ
ペンタンジカルボン酸およびそれらのエステル形成性誘
導体がある。これらのうちで芳香族ジカルボン酸および
/またはそのエステル形成性誘導体がある。これらのう
ちで芳香族ジカルボン酸および/またはそのエステル形
成性誘導体が全ジカルボン酸成分に対し40モル%以上
占めることが樹脂の耐熱性や皮膜強度、耐水性の点で好
ましく、その範囲内で1種以上のジカルボン酸を併用し
ても良い。
【0030】エステル形成性スルホン酸アルカリ金属塩
化合物としては、例えば、スルホテレフタル酸、5ース
ルホイソフタル酸、4ースルホフタル酸、4ースルホナ
フタレンー2,7ージカルボン酸、スルホーpーキシリ
レングリコール、2ースルホー1,4ービス(ヒドロキ
シエトキシ)ベンゼンなどのアルカリ金属塩(スルホン
酸のアルカリ金属塩)およびこれらのエステル形成性誘
導体が挙げられ、5ースルホイソフタル酸のナトリウム
およびこれらのエステル形成性誘導体がより好ましく使
用される。
【0031】次に、グリコール成分としては、炭素数2
〜8個の脂肪族または炭素数6〜12個の脂環族グリコ
ールであり、例えばエチレングリコール、1,3ープロ
パンジオール、1,4ーブタンジオール、1,2ープロ
ピレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,4ー
シクロヘキサンジメタノール、1,6ーヘキサンジオー
ル、1,3ーシクロヘキサンジメタノール、1,2ーシ
クロヘキサンジメタノール、pーキシリレングリコー
ル、ジエチレングリコール、トリエチレングリコールな
どが好ましく使用される。
【0032】場合によっては、ポリエーテルを共重合さ
せてもよい。ここでいうポリエーテルとはエーテル結合
を主要結合鎖とする親水性高分子のことであり、特に好
ましいのは脂肪族ポリエーテルであり、例えばポリエチ
レングリコール、ポリプロピレングリコール、グリセリ
ンエーテル、ポリエチレングリコールエーテルなどが好
ましく使用される。
【0033】樹脂[A]は水溶性或いは水分散性であっ
てもよく、その溶解性は共重合成分の種類、配合比率或
いは分散安定性付与剤として用いられる親水性有機化合
物の添加の有無、その種類、配合量などによって異なる
が、親水性有機化合物は添加するにあたっては分散安定
性を損なわない限り少量であるのが好ましい。尚、親水
性有機化合物とは脂肪族および脂環族のアルコール、エ
ステル、エーテル、ケトン類であり、例えばアルコール
類として、メタノール、エタノール、イソプロパノー
ル、nーブタノール、グリコール類としては、エチレン
グリコール、プロピレングリコールなどがありその誘導
体としてメチルセロソルブ、エチルセロソルブ、nーブ
チルセロソルブ、エステル類としては酢酸エチル、エー
テル類としてはジオキサン、テトラヒドロフラン、ケト
ン類としてはメチルエチルケトン等が挙げられる。親水
性有機化合物は単独または必要に応じて2種以上併用し
てもよい。親水性有機化合物の中では、分散性能、分散
安定性および塗布性等から特に好ましいのはブチルセロ
ソルブ、エチルセロソルブである。さらに、樹脂[A]
では共重合組成分のエステル形成性スルホン酸アルカリ
金属塩化合物の様に、特に親水性に寄与する成分量の増
加は塗設した被覆層の耐水性を著しく悪化するので溶解
性、分散安定性等を損なわない限り少量であるのが好ま
しい。
【0034】本発明では樹脂[A]のガラス転移温度
(Tg)が30〜80℃、好ましくは50〜75℃の範
囲であることが望ましい。樹脂[A]のガラス転移温度
が30℃未満では耐水性、耐アルカリ性、耐熱性の劣っ
た被覆層となり種々の弊害が増す。80℃を越えるもの
は分散安定性が劣り、しかも不飽和結合を有する化合物
のグラフト化が極めて困難となる。
【0035】樹脂[A]は、通常、常法のポリエステル
製造技術で製造できる。すなわち、前記した酸成分およ
びグリコール成分をエステル化或いはエステル交換触
媒、重合触媒等の反応触媒を用いて溶融重縮合せしめ所
望のポリマーとして得られる。さらには、溶液重縮合も
適用できる。この際、いずれの場合にもグラフト化反応
に悪影響を及ぼさない範囲で種々の改質剤、安定剤等を
添加してもよい。また、水溶性に欠ける樹脂[A]の水
分散体を得るには前記親水性有機化合物の存在が必要で
ある。通常樹脂[A]と親水性有機化合物を混合し、撹
拌下、好ましくは加温撹拌下で水を添加する方法、或い
は撹拌下の水に上記混合物を添加する方法等で製造され
る。尚、得られる水分散体は固形分濃度が高くなると樹
脂[A]の微粒子が再凝集しやすく、均一分散体系が不
安定化し、グラフト化反応が困難となる。
【0036】本発明でいう不飽和結合を有する化合物
[B](以下、化合物[B]と略称する)とは、樹脂
[A]にグラフト化する化合物であり、具体的には、ビ
ニルエステル類として、例えば、プロピオン酸ビニル、
ステアリン酸ビニル、高級第3級ビニルエステル、塩化
ビニル、臭化ビニル、また不飽和カルボン酸エステル類
として、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチ
ル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2エチルヘキシル、
メタクリル酸メチル、メタクリル酸ブチル、マレイン酸
ブチル、マレイン酸オクチル、フマル酸ブチル、フマル
酸オクチル、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリ
シジル、メタクリル酸ヒドロキシエチル、アクリル酸ヒ
ドロキシエチル、メタクリル酸ヒドロキシプロピル、ア
クリル酸ヒドロキシプロピル、メタクリル酸ジメチルア
ミノエチル、アクリル酸ジメチルアミノエチル、エチレ
ングリコールジメタクリル酸エステル、エチレングリコ
ールジアクリル酸エステル、ポリエチレングリコールジ
メタクリル酸エステル、ポリエチレングリコールジアク
リル酸エステル、不飽和カルボン酸アミド類として、例
えば、アクリルアミド、メタクリルアミド、メチロール
アクリルアミド、ブトキシメチロールアクリルアミド、
不飽和ニトリル類として、例えば、アクリロニトリル、
不飽和カルボン酸類として、例えば、アクリル酸、メタ
クリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、マレイ
ン酸酸性エステル、フマル酸酸性エステル、イタコン酸
酸性エステル、アリル化合物として、例えば、酢酸アリ
ル、アリルグリシジルエーテル、メタクリル酸アリル、
アクリル酸アリル、イタコン酸ジアリル、含窒素化合物
として、例えば、ビニルピリジン、ビニルイミダゾー
ル、炭化水素類として、例えば、エチレン、プロピレ
ン、ヘキセン、オクテン、スチレン、ビニルトルエン、
ブタジエン、ビニルシラン化合物として、例えば、ジメ
チルビニルメトキシシラン、ジメチルエチルエトキシシ
ラン、メチルビニルジメトキシシラン、メチルビニルジ
エトキシシラン、γーメタクリロキシプロピルメチルジ
メトキシシランなどが挙げられ、これらの中から選ばれ
た少なくとも1種以上が適用されるが特に限定されるも
のではない。
【0037】本発明でいうグラフト化させた共重合体
[C](以下、重合体[C]と略称する)は、前記樹脂
[A]に前記化合物[B]をグラフト化させて得られた
ものである。尚、重合体[C]は常法のグラフト重合法
によって製造される。すなわち樹脂[A]の水媒体系下
で、水溶性または水分散性重合開始剤の存在下に化合物
[B]を加えて反応を行なう。重合開始剤としては、例
えば、硝酸第2セリウムアンモニウム、過硫酸カリウ
ム、過硫酸アンモニウム、硫酸セシウムアンモニウム、
過酸化水素、アゾビスイソブチロニトニル、過酸化ベン
ゾイル等が用いられるが化合物[B]の樹脂[A]への
グラフト重合反応性から過酸化ベンゾイル等の有機過酸
化物を用いた方が好ましい。グラフト重合反応は通常、
冷却下或いは加熱下で行なわれ反応温度は反応速度、重
合系の安定性および重合体[C]の特性等から5〜10
0℃、好ましくは10〜80℃である。
【0038】本発明においては、樹脂[A]への化合物
[B]のグラフト化率が0.5〜600%、好ましくは
5〜300%、より好ましくは10〜100%の範囲で
あることが望ましい。グラフト化率が0.5%未満では
被覆層の耐溶剤性、耐水性が悪化するので好ましくな
い。グラフト化率が600%を越えるものでは塗工性が
悪化したり、被覆層の密着性が低下するので好ましくな
い。
【0039】被覆層中の重合体[C]と水溶性高分子の
重量混合比率は90/10〜10/90、好ましくは8
0/20〜20/80、より好ましくは70/30〜3
0/70の範囲であるのが望ましい。重合体[C]の混
合比率が10%未満の場合には耐水性が悪く、被覆層や
記録部が水に溶けたり、また表面がべとついてシートを
積層した場合ブロッキングを生じたりする。一方、水溶
性高分子の混合比率が10%未満の場合にはインクの吸
収性が低くなり、指でこすったり、重ね合わせたりする
と記録部分が汚れて実用上使用できない。
【0040】本発明において、被覆層にはインク吸収性
をより高めるために親水基含有ポリエステル樹脂[A]
を混合する
【0041】この場合、重合体[C]と樹脂[A]の重
量混合比率が90/10〜5/95,好ましくは70/
30〜20/80、より好ましくは60/40〜30/
70の範囲であることが望ましい。重合体[C]の重量
混合比率が5%未満では被覆層の耐溶剤性、耐アルカリ
性および耐水性が低下するので好ましくない。90%を
越えるものは被覆層の接着性が低下するので好ましくな
い。
【0042】本発明において被覆層の接着性を向上させ
るため架橋結合剤を添加することができる。
【0043】本発明でいう架橋結合剤とは、樹脂[A]
或いは重合体[C]に存在する官能基、例えばヒドロキ
シル基、カルボキシル基、グリシジル基、アミド基など
と熱架橋反応し、最終的には3次元網状構造を有する被
覆層とするための架橋剤である。本発明では架橋結合剤
としてメラミン系架橋剤、尿素系架橋剤或いはエポキシ
系架橋剤を用いる場合、特に架橋効果が大きく、耐水
性、耐溶剤性に優れた被覆層を得られるので好ましい。
エポキシ系架橋剤としては、具体的にはポリエポキシ化
合物、ジエポキシ化合物、モノエポキシ化合物などが挙
げられ、ポリエポキシ化合物としては、例えば、ポリグ
リシジルソルビトール、ポリグリシジルエーテル、ポリ
グリセロールポリグリシジルエーテル、ペンタエリスリ
トールポリグリシジルエーテル、ジグリセロールポリグ
リシジルエーテル、トリグリシジルトリス(2ーヒドロ
キシルエチル)イソシアネート、グリセロールポリグリ
シジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジ
ルエーテル、ジエポキシ化合物としては、例えば、ネオ
ペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6ーヘ
キサンジオールジグリシジルエーテル、レゾルシンジグ
リシジルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエ
ーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテ
ル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリ
プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリテト
ラメチレングリコールジグリシジルエーテル、モノエポ
キシ化合物としては、例えば、アリルグリシジルエーテ
ル、2ーエチルヘキシルグリシジルエーテル、フェニル
グリシジルエーテルなどが挙げられる。尿素系硬化剤と
しては、例えば、ジメチロール尿素、ジメチロールエチ
レン尿素、ジメチロールプロピレン尿素、テトラメチロ
ールアセチレン尿素、4メトキシ5ジメチルプロピレン
尿素ジメチロールなどが挙げられる。メラミン系架橋剤
としては、メラミンとホルムアルデヒドを縮合して得ら
れるメチロールメラミン誘導体に低級アルコールとして
メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルア
ルコール等を反応させてエーテル化した化合物およびそ
れらの混合物が好ましい。メチロールメラミン誘導体と
しては、例えば、モノメチロールメラミン、ジメチロー
ルメラミン、トリメチロールメラミン、テトラメチロー
ルメラミン、ペンタメチロールメラミン、ヘキサメチロ
ールメラミンなどが挙げられる。これらの架橋結合剤は
単独、場合によっては2種以上併用してもよい。架橋結
合剤の添加量は、樹脂[A]と重合体[C]の混合体に
おいて固形分100重量部に対して0.001〜60重
量部が好ましく、0.001〜20重量部がより好まし
い。添加量が0.001重量部未満では架橋効果が低く
被覆層の耐溶剤性、耐アルカリ性が悪化する。60重量
部を越えるものは被覆層の接着性が低下したり、更には
塗布性が悪化し均一層を形成しにくい。
【0044】本発明において被覆層の記録特性をより高
めるために、無機および/又有機粒子を被覆層に分散さ
せても良い。無機粒子としては、例えば、シリカ、クレ
ー、タルク、ケイソウ土、炭酸カルシウム、硫酸バリウ
ム、ケイ酸アルミ、合成ゼオライト、アルミナ、酸化亜
鉛、雲母等が挙げられる。有機粒子としては、例えば、
ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、それらの共
重合体、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリ塩化ビニリデン、ポリカーボネート等のプラス
チックピグメントを好ましく用いることができるが、こ
れらに限定されるものではない。
【0045】本発明において多孔質層および被覆層には
本発明の特性を損なわない範囲で公知の添加剤、例え
ば、消泡剤、塗布性改良剤、増粘剤、帯電防止剤、酸化
防止剤、紫外線吸収剤、染料などを含有せしめてもよ
い。
【0046】多孔質層および被覆層の塗布方法は特に限
定されないが、グラビアコート法、リバースコート法、
キスコート法、ダイコート法、バーコート法など公知の
方法を適用することができる。この際、フイルム上には
塗布する前に必要に応じて空気中あるいはその他の雰囲
気中でのコロナ放電処理やプライマー処理など公知の表
面処理を施すことによって、塗布性が良化するのみなら
ず多孔質層をより強固にフイルム表面上に形成できる。
尚、塗剤濃度、塗膜乾燥条件は特に限定されるものでは
ないが、塗膜乾燥条件は基材の諸特性に悪影響を及ぼさ
ない範囲で行なうのが望ましい。
【0047】
【実施例】まず本発明における各種特性の測定法につい
て説明する。
【0048】(1)記録性 日本電気(株)製パーソナルコンピューター98not
eにキャノン(株)製バブルジェットプリンターBJー
10Vを連結させ、文字パターンを印字し、印字品質、
インク吸収性を評価し、記録性を以下のように判定し
た。尚、印字品質は拡大鏡で肉眼観察にて評価し、イン
ク吸収性は印字直後、文字パターンを指で1回こすって
インクによる被覆層の汚れ度合により評価した。 印字品質 ◎:非常に良好(ドットが均一で鮮明) ○:良好 △:やや劣る ×:ドットの流れ、はじき、にじみ等がある インク吸収性 ◎:非常に良好(被覆層が全く汚れない) ○:良好 △:やや劣る ×:インクがとれ被覆層が汚れる
【0049】(2)被覆層の耐水性 綿棒に水をつけ、被覆層をかるくこすって評価した。 ◎:良好(10回までは溶解しない) ○:やや良好(5〜10回こすると溶解する) ×:不良(5回未満で溶解する)
【0050】(3)被覆層の密着性 基材/被覆層の密着性は、被覆層上にクロスカット(1
00ケ/cm2 ) をいれ、該クロスカット面に対して4
5°にセロテープ(ニチバン製 CTー24)を貼り、
ハンドローラーを用いて約45kgの荷重で10回往復
して圧着させ、セロテープを180°方向に強制剥離
し、被覆層の剥離度合いを観察し評価した。 ◎:非常に良好(剥離なし) ○:良好(剥離面積5%未満) △:やや劣る(剥離面積5%以上20%未満) ×:不良(剥離面積20%以上)
【0051】(4)吸油量 多孔質層5×5cm2 に十分量のオレイン酸を浸透させ
た後、過剰のオレイン酸を完全に拭きとる。その後、多
孔質層中のオレイン酸をエタノールで抽出し、0.01
Nの水酸化カリウムで滴定し吸油量を次式により算出す
る。 吸油量Q=(M×282/0.866)×(10000
/25) M=(0.01×v)/1000 水酸化カリウムの滴定量:v オレイン酸のモル数 :M オレイン酸の分子量 :282 オレイン酸の比重 :0.866
【0052】(5)孔径分布曲線 1万倍で撮影した電子顕微鏡表面写真の孔の部分をマー
キングし、Quantmetー720型イメージアナラ
イザー(イメージアナライジングコンピューター社製)
を用いて画像処理を行ない各孔径を真円に換算した時に
最小孔径と最大孔径の間を10μm単位で分割し各分割
部における孔の個数を測定した。この測定値から縦軸を
単位面積あたりの孔数、横軸を孔径として孔径分布曲線
を描きピークにおける孔径を求めた。
【0053】(6)孔面積比 上記孔径分布曲線より単位面積あたりの孔の占める面積
を下記式1によって算出した。
【0054】
【式1】
【0055】
【0056】上記数1において、各記号で示されるもの
は次の通りである。 a1 :測定面積内での孔径を10μm単位で分割した時
の各分割部における平均孔直形 n1 :測定面積内での孔径を10μm単位で分割した時
の各分割部における孔数 A :測定面積
【0057】(7)うねり高さ、うねり個数、うねり指
数 断面測定装置PMS−1付走査電子顕微鏡ESMー32
00(エリオニクス社製)を用いて倍率3000倍で観
察した表面の凹凸形状を測定し、その表面粗さ曲線より
高さが0.2μm以上となる山部の最隣接の谷部と谷部
を直線で結んだ時、測定長40μm中における該山部の
個数を測定し、うねり高さ0.2μm以上のうねり個数
とした。また上記表面粗さ曲線よりカットオフ10μm
における中心線平均粗さ(Ra10)、カットオフ1μm
における中心線平均粗さ(Ra1 )を求め次式によりう
ねり指数を算出した。 うねり指数(μm)=Ra10−Ra1 上記うねり個数およびうねり指数は測定点50個の平均
値とした。
【0058】(8)平均粒子径 COULTER、N4型サブミクロン粒子分析装置(日
科機製)を用いレーザーによる光散乱法によって粒子直
径を求め10回の平均値とした。この方法で測定できな
い場合には20万倍の電子顕微鏡写真より求めた。
【0059】(9)平均粒子数 前記により求めた平均粒子径aと密度勾配法によって求
めた粒子比重ρよりV重量%の水分散体1ml中に含ま
れる平均粒子数を次の式2によって求めた。
【0060】
【式2】
【0061】
【0062】次に、本発明を実施例により具体的に説明
するが、これに限定されるものではない。
【0063】実施例1 (1)多孔質層塗剤の製造 平均粒子径0.2μmのアクリル系ポリマーエマルジョ
ン(メチルメタクリレート/エチルアクリレート/アク
リル酸=60/35/5重量%)50重量部(固形分重
量比)と分岐数珠状コロイダルシリカ(例えば日産化学
製 スノーテックスUP、平均粒径0.015μm)5
0重量部(固形分重量比)を水で希釈して30重量%の
塗剤とした。
【0064】(2)樹脂[A]の製造 テレフタル酸ジメチル100部、イソフタル酸ジメチル
100部、5ーナトリウムスルホイソフタル酸ジメチル
7部、エチレングリコール95部、ネオペンチルグリコ
ール95部、酢酸マンガン4水塩0.106部、酢酸カ
ルシウム2水塩0.07部を混合し、窒素気流下140
〜220℃でメタノールを留出せしめ、エステル交換反
応を行なった後、リン酸トリメチル0.09部、二酸化
アンチモン0.06部を加え、240℃から280℃ま
で1時間30分かけて昇温すると共に圧力を常圧から徐
々に0.5mmHgまで下げ、生成するエチレングリコ
ールを系外に除去し、さらに、40分間この状態を保ち
重縮合反応を行ない、ガラス転移温度60℃、固有粘度
[η]=0.58のポリエステル共重合体を得た。次
に、このポリエステル共重合体250部とブチルセロソ
ルブ110部の混合体を150℃で4時間撹拌し均一溶
解液を得た。得られた溶液に高速撹拌下で水480部を
徐々に滴下し、均一で乳白色不透明な固形分濃度25%
の分散体を得た。
【0065】(3)重合体[C]の製造 前記(2)で得られたポリエステル樹脂分散体700部
に水100部を加え、さらに、水30部、過酸化ベンゾ
イル1.5部、メタクリル酸メチル12部、ポリオキシ
エチレナルキルエーテルリン酸エステル2.5部からな
る重合開始剤の分散体を加え、混合体を撹拌下のもとに
1時間窒素ガスを通した後、75℃まで加温した。次
に、グラフト化合物としてメタクリル酸メチル37部、
アクリル酸ブチル25部、グリシジルメタクリレート1
0部の混合体を撹拌下の前記調合液に85℃で1時間か
けて滴下し、窒素気流下、85℃で2時間その状態を保
持しつつ反応を行ない、固形分濃度25%の水分散グラ
フト共重合体を得た。尚、グラフト化合物のグラフト率
は35%であった。
【0066】(4)記録シートの製造 常法によって製造されたポリエチレンテレフタレートの
ホモポリマーチップ(固有粘度:0.62、融点:25
9℃)を用いて、常法によって75μmの2軸延伸ポリ
エステルフイルムを得た。このようにして得られたポリ
エステルフイルムの上にコロナ放電処理を行なった。次
に、前記(1)の多孔質層塗剤を乾燥後の厚みが10μ
mになるように塗布し、130℃で2分間乾燥させ多孔
質層フイルムを得た。このとき、多孔質層の吸油量は5
ml/m2 であった。
【0067】次に、前記(2)、(3)で製造した重合
体を固形分比40(3):60(2)で均一混合し、さ
らに、ポリビニルアルコール(電気化学工業製 Bー1
7S)の10%水溶液を前記重合体樹脂固形分100重
量部に対して、固形分比で100重量部添加した塗剤を
上記多孔質層フイルムの多孔質層面にメタリングバー方
式で乾燥膜厚が5g/m2 になるように塗布し、本発明
の記録シートを得た。かくして得られた記録シートの特
性は表1に示した通りで、印字品質やインク吸収性が良
好で、耐水性も優れているものであった。
【0068】比較例1 実施例1において、被覆層がない場合の特性は表1に示
したように、印字品質、インク吸収性に劣るものであっ
た。
【0069】実施例2 実施例1において重合体樹脂固形分100重量部に対し
て、ポリビニルアルコール(電気化学工業製 Bー17
S)の10%水溶液を固形分比で100重量部添加し、
さらに、非晶質シリカ(水沢化学工業製 ミズカシルP
−78A)を5重量部添加した以外は同様にして本発明
の記録シートを得た。かくして得られた記録シートの特
性は表1に示した通りで、印字品質やインク吸収性が良
好で、耐水性も優れているものであった。
【0070】実施例3 実施例1において重合体樹脂固形分100重量部に対し
て、ポリビニルアルコール(電気化学工業製 Bー17
S)の10%水溶液を固形分比で100重量部添加し、
さらに、スチレンーアクリル系微粒子集合体状粒子(三
井東圧化学製ミューチクル110C)を5重量部添加し
た以外は同様にして本発明の記録シートを得た。かくし
て得られた記録シートの特性は表1に示した通りで、印
字品質やインク吸収性が良好で、耐水性も優れているも
のであった。
【0071】実施例4 実施例2において重合体樹脂固形分100重量部に対し
て、さらに、架橋結合剤としてメラミン系架橋剤(三和
ケミカル製 ニカラックMWー12LF)を固形分とし
て5重量部添加した以外は同様にして本発明の記録シー
トを得た。かくして得られた記録シートの特性は表1に
示した通りで、印字品質やインク吸収性が良好で、耐水
性も優れているものであった。
【0072】実施例5、6 実施例2において樹脂[A]と重合体[C]の混合比率
を変えた塗剤を作り、以下実施例2と同一手法で記録シ
ートを得た。かくして得られた記録シートの特性は表1
に示した通りで、良好な特性を示すことがわかる。
【0073】実施例7 ポリエチレンテレフタレートのチップおよび分子量40
00のポリエチレングリコールをポリエチレンテレフタ
レートの重合時に添加したマスターチップを180℃で
真空乾燥した後に、ポリエチレンテレフタレート89重
量%、ポリエチレングリコール1重量%、ポリメチルペ
ンテン10重量%となるように混合し、270〜300
℃に加熱された押出機Bに供給する。また、平均粒子径
1.0μmの炭酸カルシウムを10重量%含有したポリ
エチレンテレフタレートを上記のように乾燥した後に、
押出機Aに供給する。押出機A、Bより押出されたポリ
マーをA/B/Aの3層構成となるように積層し、Tダ
イよりシート状に成形した。さらにこのフイルムを表面
温度25℃の冷却ドラムで冷却固化した未延伸フイルム
を85〜95℃に加熱したロール群に導き、長手方向に
3.4倍延伸し、25℃のロール群で冷却した。続い
て、縦延伸したフイルムの両端をクリップで把持しなが
らテンターに導き、130℃に加熱された雰囲気中で長
手に垂直な方向に3.6倍横延伸した。その後テンター
内で230℃の熱固定を行ない、均一徐冷後、室温まで
冷やして巻取り、厚み100μm、比重1.0の白色フ
イルムを得た。該フイルムの積層構成は、5/95/5
μmであった。上記方法によって得られたポリエステル
フイルムの上に実施例3の塗剤を用いて同様にして本発
明の記録シートを得た。かくして得られた記録シートの
特性は表1に示した通りで、印字品質やインク吸収性が
良好で、耐水性も優れているものであった。
【0074】
【表1】
【0075】実施例8 実施例1で得られた多孔質層フイルムの多孔質層面の上
に、平均粒子径0.2μmのアクリル系ポリマーエマル
ジョン(メチルメタクリレート/エチルアクリレート/
アクリル酸=60/35/5重量%)50重量部(固形
分重量比)と分岐数珠状コロイダルシリカ(例えば日産
化学製 スノーテックスUP、平均粒径0.015μ
m)50重量部(固形分重量比)を水で希釈して30重
量%とし、さらにポリビニルアルコール(電気化学工業
製 Bー17S)の10%水溶液を固形分比で100重
量部添加した塗剤をメタリングバー方式で、乾燥膜厚が
3g/m2 になるように塗布し、本発明の記録シートを
得た。かくして得られた記録シートの特性は表2に示し
た通りで、印字品質やインク吸収性が良好で、耐水性も
優れているものであった。
【0076】実施例9 実施例1で得られた多孔質層フイルムの多孔質層面の上
に、実施例8の被覆層組成に、さらに、非晶質シリカ
(水沢化学工業製 ミズカシルP−78A)を5重量部
添加した以外は同様にして本発明の記録シートを得た。
かくして得られた記録シートの特性は表2に示した通り
で、印字品質やインク吸収性が良好で、耐水性も優れて
いるものであった。
【0077】
【表2】
【0078】
【発明の効果】本発明の記録シートは基材との密着性、
耐水性、印字品質、インク吸収性が非常に優れているも
のであり、インクジェットプリンター用記録シートやオ
フセット印刷、フレキソ印刷などの用途において好まし
く用いることができる。さらに本発明の記録シートは優
れたインク吸収性、基材との密着性等を利用して、昇華
型を含む感熱インク受容体、電子写真トナー受容体、フ
ァブリックインク受容体など他のインクやトナー受容体
としても適用することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−126789(JP,A) 特開 昭63−126788(JP,A) 実開 昭61−186473(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08J 7/04 - 7/06 B32B 27/00 - 27/42

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基材の少なくとも片面に、水分散性ポリマ
    ーと数珠状に連結および/又は分岐した形状のコロイダ
    ルシリカからなる吸油量1ml/m2以上の多孔質層を
    設け、該多孔質層の上にインク吸水性を有する被覆層を
    設けたことを特徴とする記録シート。
  2. 【請求項2】多孔質層が、孔径分布曲線におけるピーク
    孔径が0.06〜2.0μm、かつ多孔質層表面に高さ
    0.2μm以上のうねりを5個/40μm以上有する請
    求項1記載の記録シート。
  3. 【請求項3】 被覆層が、水分散性ポリマーと数珠状に
    連結および/又は分岐した形状のコロイダルシリカと水
    溶性高分子とからなる請求項1または2記載の記録シー
    ト。
  4. 【請求項4】 被覆層が、親水基含有ポリエステル樹脂
    [A]と、該樹脂[A]に少なくとも1種以上の不飽和
    結合を有する化合物[B]をグラフト化させた共重合体
    [C]と、水溶性高分子とからなることを特徴とする請
    求項1または2記載の記録シート。
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