JPH115894A - 記録フイルム - Google Patents

記録フイルム

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JPH115894A
JPH115894A JP16153397A JP16153397A JPH115894A JP H115894 A JPH115894 A JP H115894A JP 16153397 A JP16153397 A JP 16153397A JP 16153397 A JP16153397 A JP 16153397A JP H115894 A JPH115894 A JP H115894A
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JP
Japan
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recording film
acid
film
polymer
receiving layer
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Application number
JP16153397A
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English (en)
Inventor
Tadao Yokoi
忠夫 横井
Mikito Ikeda
幹人 池田
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Publication date
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  • Coating Of Shaped Articles Made Of Macromolecular Substances (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【解決手段】基材の少なくとも片面に、高分子結着剤と
第4級アンモニウム塩重合物および多孔質粒子を含む受
容層を設けてなるフイルムであって、該高分子結着剤が
変性ポリエステル樹脂であることを特徴とする記録フイ
ルム。 【効果】基材との密着性に優れた変性ポリエステル樹
脂、帯電防止性に優れた第4級アンモニウム塩共重合ポ
リエステル等の第4級アンモニウム塩重合物、およびイ
ンキやトナーの吸収性や定着性に優れた多孔質シリカか
らなる塗剤、更にはこれらにUVインキとの密着性に優
れた反応性希釈剤を加えた塗剤を使用していることであ
り、各界面の密着性が非常に強固で、印字・印刷用、特
にUV印刷適性やカーボン受理適性が要求される記録フ
イルムとして優れている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は印字・印刷等が可能
な記録フイルムに関するものである。さらに詳しくは搬
送性、白色性、隠蔽性、UV印刷適性、カーボン受理適
性、熱転写印字適性、電子写真印字適性等に優れた記録
フイルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】印字・印刷用受容体として、従来より紙
支持体が支配的であったが、近年PETフイルムやPP
フイルム等のプラスチックフイルムが支持体として多く
使用され始めている。しかし、一般にプラスチックフイ
ルムの表面は親和性に乏しく、基材との密着性が十分で
なく、また受容層としての特性、例えば印字・印刷性、
搬送性、白色性、隠蔽性、機械強度等も十分とはいえ
ず、記録シートとして必要な特性を満足する製品にまで
至っていないのが実情である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、上述
した従来技術の難点を解消し、安定した印字・印刷適性
を得ることを目的として開発したものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明が採用した記録フイルムは、基材の少なくと
も片面に、高分子結着剤と第4級アンモニウム塩重合物
および多孔質粒子を含む受容層を設けてなるフイルムで
あって、該高分子結着剤が変性ポリエステル樹脂である
ことを特徴とするものである。
【0005】また、本発明の記録フイルムは、基材の少
なくとも片面に、高分子結着剤と第4級アンモニウム塩
重合物、多孔質粒子および反応性希釈剤を含む受容層を
設けてなるフイルムであって、該高分子結着剤が変性ポ
リエステル樹脂であることを特徴とするものである。
【0006】
【発明の実施の形態】上記高分子結着剤としては、ポリ
エステル系、アクリル系、ポリウレタン系等の樹脂が使
用できるが、中でも、極性基含有ポリエステル樹脂や不
飽和結合を有する化合物をグラフト化させた共重合ポリ
エステル樹脂が好ましい。
【0007】極性基含有ポリエステル樹脂とは、分子中
に親水性基或いは親水性成分、例えば、水酸基、カルボ
キシル基、カルボニル基、シアノ基、アミノ基、メチル
カルボニル基、カルボン酸基、ポリエチレングリコール
基、リン酸エステル塩、第四級アンモニウム塩、硫酸エ
ステル塩、スルホン酸塩等の少なくとも1種が導入され
たポリエステル共重合体である。中でも、代表的なポリ
エステル共重合体としては以下の組成のものが有用であ
る。すなわち、芳香族ジカルボン酸および/または非香
族ジカルボン酸およびエステル形成性スルホン酸アルカ
リ金属塩化合物とグリコールの重縮合物が用いられる。
具体的には、芳香族ジカルボン酸としては、例えば、テ
レフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、2,5−ジメチ
ルテレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、ビ
フェニルジカルボン酸、1,2−ビス(フェノキシ)エ
タンp,p´−ジカルボン酸およびそれらのエステル形
成性誘導体があり、非芳香族ジカルボン酸には、例え
ば、修酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン
酸、セバシン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン
酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シ
クロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロペンタンジ
カルボン酸およびそれらのエステル形成性誘導体があ
る。これらのうちで芳香族ジカルボン酸および/または
そのエステル形成性誘導体が全ジカルボン酸成分に対し
40モル%以上占めることが樹脂の耐熱性や皮膜強度、
耐水性の点で好ましく、その範囲内で、1種以上のジカ
ルボン酸を併用してもよい。
【0008】エステル形成性スルホン酸アルカリ金属塩
化合物としては、例えば、スルホテレフタル酸、5−ス
ルホイソフタル酸、4−スルホフタル酸、4−スルホナ
フタレン2,7−ジカルボン酸、スルホ−p−キシリレ
ングリコール、2−スルホ−1,4−ビス(ヒドロキシ
エトキシ)ベンゼンなどのアルカリ金属塩(スルホン酸
のアルカリ金属塩)およびこれらのエステル形成性誘導
体が用いられ、5−スルホイソフタル酸、スルホテレフ
タル酸のナトリウムおよびこれらのエステル形成性誘導
体がより好ましく使用される。
【0009】次に、グリコール成分としては、炭素数2
〜8個の脂肪族または炭素数6〜12個の脂環族グリコ
ールであり、例えば、エチレングリコール、1,3−プ
ロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,2−プ
ロピレングリコール、ネオペンチルグリコール,1、4
−シクロヘキサンジメタノール、1,6−ヘキサンジオ
ール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,2−
シクロヘキサンジメタノール、p−キシリレングリコー
ル、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール等
が好ましく使用される。場合によっては、ポリエーテル
を共重合させてもよい。ここでいうポリエーテルとはエ
ーテル結合を主要結合鎖とする親水性高分子のことであ
り、特に好ましいのは脂肪族ポリエーテルであり、例え
ば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコー
ル、グリセリンエーテル、ポリエチレングリコールエー
テルなどが好ましく使用される。
【0010】上記樹脂のガラス転移温度(Tg)は0〜
80℃、より好ましくは30〜60℃の範囲である。こ
れは易接着性、耐水性、耐湿熱性、耐アルカリ性等が向
上するためである。
【0011】極性基含有ポリエステル樹脂は、通常のポ
リエステル製造技術で製造できる。すなわち、前記した
酸成分およびグリコール成分をエステル化或いはエステ
ル交換触媒、重合触媒等の反応触媒を用いて溶融重縮合
せしめ、所望のポリマーとして得られる。さらには、溶
液重縮合も適用できる。
【0012】この際、いずれの場合にもグラフト化反応
に悪影響を及ぼさない範囲で種々の改質剤、安定剤等を
添加してもよい。樹脂の分子量としては1〜5万、より
好ましくは1〜2万の範囲である。
【0013】不飽和結合を有する化合物をグラフト化さ
せた共重合ポリエステル樹脂とは、不飽和結合を有する
化合物、具体的には、ビニルエステル類として、例え
ば、プロピオン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、高級第
3級ビニルエステル、塩化ビニル、酢酸ビニル、臭化ビ
ニル、また不飽和カルボン酸エステル類として、例え
ば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸
ブチル、アクリル酸2エチルヘキシル、メタクリル酸メ
チル、メタクリル酸ブチル、マレイン酸ブチル、マレイ
ン酸オクチル、フマル酸ブチル、フマル酸オクチル、ア
クリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、メタク
リル酸ヒドロキシエチル、アクリル酸ヒドロキシエチ
ル、メタクリル酸ヒドロキシプロピル、アクリル酸ヒド
ロキシプロピル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、
アクリル酸ジメチルアミノエチル、エチレングリコール
ジメタクリル酸エステル、エチレングリコールジアクリ
ル酸エステル、ポリエチレングリコールジメタクリル酸
エステル、ポリエチレングリコールジアクリル酸エステ
ル、不飽和カルボン酸アミド類として、例えば、アクリ
ルアミド、メタクリルアミド、メチロールアクリルアミ
ド、ブトキシメチロールアクリルアミド、不飽和ニトリ
ル類として、例えば、アクリロニトリル、不飽和カルボ
ン酸類として、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、マ
レイン酸、フマル酸、イタコン酸、マレイン酸酸性エス
テル、フマル酸酸性エステル、イタコン酸酸性エステ
ル、アクリル化合物として、例えば、酢酸アリル、アリ
ルグリシジルエーテル、メタクリル酸アリル、アクリル
酸アリル、イタコン酸ジアリル、含窒素化合物として、
ビニルピリジン、ビニルイミダゾール、炭化水素類とし
て、例えば、エチレン、プロピレン、ヘキセン、オクテ
ン、スチレン、ビニルトルエン、ブタジエン、ビニルシ
ラン化合物として、例えば、ジメチルビニルメトキシシ
ラン、ジメチルエチルエトキシシラン、メチルビニルジ
メトキシシラン、メチルビニルジエトキシシラン、γ−
メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタ
クリロキシプロピルメチルジメトキシシラン等、これら
の中から選ばれた少なくとも1種を前記の極性基含有ポ
リエステル樹脂にグラフト化させて得られるものであ
る。
【0014】極性基含有ポリエステル樹脂への不飽和結
合を有する化合物のグラフト化率は0.5〜600%、
好ましくは5〜300%、より好ましくは10〜100
%の範囲であることが必要である。グラフト化率が0.
5%未満では耐水性が悪化するので好ましくない。ま
た、グラフト化率が600%を超えると塗工性が悪化し
たり、易接着層と基材ベース間の界面力が低下するので
好ましくない。
【0015】反応性希釈剤は光重合性モノマーともいわ
れ、UV硬化型塗料やインキに使用されており、官能基
としてアクリロイル基を末端にもつアクリル酸エステル
が多く、官能基数により単官能、多官能(2官能基以
上)に大別され、重合性プリポリマーのUV硬化には必
須である。使用可能な単官能アクリレートとしてラウリ
ルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、2
−ヒドロキシプロピルアクリレート、1,6−ヘキサン
ジオールモノアクリレート、ジシクロペンタジエンアク
リレート、多官能アクリレートとしてジエチレングリコ
ールジアクリレート、1,3−ブチレングリコールジア
クリレート、トリメチロールプロパントリアクリレー
ト、ペンタエリスリトールトリアクリレート、テトラメ
チロールプロパンテトラアクリレート等が用いられる。
高分子結着剤に対する配合比率としては、反応性希釈剤
の種類にもよるが、有効成分比で1〜15%が好まし
く、より好ましくは3〜10%の範囲がよい。
【0016】第4級アンモニウム塩重合物とは、繰り返
し単位鎖中に少なくとも1個の第4級アンモニウム塩を
有する高分子で、例えば、ポリ(2−ヒドロキシ3−メ
タクリロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロライ
ド)、ポリ(2−ヒドロキシ3−メタクリロキシプロピ
ルトリエチルアンモニウムクロライド)、ポリ(2−ヒ
ドロキシ3−アクリロキシプロピルトリメチルアンモニ
ウムクロライド)、ポリ(2−ヒドロキシ3−アクリロ
キシプロピルトリエチルアンモニウムクロライド)、ポ
リ(2−メタクリロキシエチルトリメチルアンモニウム
クロライド)、ポリ(2−メタクリロキシエチルトリエ
チルアンモニウムクロライド)、ポリ(2−アクリロキ
シエチルトリメチルアンモニウムクロライド)、ポリ
(2−アクリロキシエチルトリエチルアンモニウムクロ
ライド)、ポリ(ビニルベンジルトリエチルアンモニウ
ムクロライド)、ポリ(ジメチルアミノエチルメタクリ
レート)の塩、ポリ(ジエチルアミノエチルメタクリレ
ート)の塩、ポリ(ジエチルアミノエチルアクリレー
ト)の塩、ポリ(ジメチルアミノエチルアクリレート)
の塩、ポリ(4−ビニルNメチルピリジニウムクロライ
ド)、N,N´ジメチル置換3,5−メチルピペリジニ
ウムクロライド樹脂、ポリ(ジメチルジアリルアンモニ
ウムクロライド)、ポリ(ジエチルジアリルアンモニウ
ムクロライド)ポリエチレンイミンハイドロクロライド
などや界面活性剤便覧(産業図書1960年)記載の各
種第4級アンモニウム塩やピペリジニウム塩の重合物が
あるが、その他各種の第4級アンモニウム塩を有する高
分子が使用できる。
【0017】特に、ポリ(2−ヒドロキシ3−メタクリ
ロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロライド)、
ポリ(2−ヒドロキシ3−メタクリロキシプロピルトリ
エチルアンモニウムクロライド)、ポリ(2−ヒドロキ
シ3−アクリロキシプロピルトリメチルアンモニウムク
ロライド)、ポリ(2−ヒドロキシ3−アクリロキシプ
ロピルトリエチルアンモニウムクロライド)、ポリ(2
−メタクリロキシエチルトリメチルアンモニウムクロラ
イド)、ポリ(2−メタクリロキシエチルトリエチルア
ンモニウムクロライド)、ポリ(2−アクリロキシエチ
ルトリメチルアンモニウムクロライド)、ポリ(2−ア
クリロキシエチルトリエチルアンモニウムクロライ
ド)、ポリ(ジメチルアミノエチルメタクリレート)の
塩、ポリ(ジエチルアミノエチルメタクリレート)の
塩、ポリ(ジメチルアミノエチルアクリレート)の塩、
ポリ(ジエチルアミノエチルアクリレート)の塩が好ま
しい高分子である。
【0018】また、第4級アンモニウム塩重合物は単独
でも、2種以上の混合系で用いてもよい。さらに、第4
級アンモニウム塩とスチレンやアクリル酸系エステルと
の共重合物であってもよい。ここでいうアクリル酸系エ
ステルとは、アクリル酸エステルおよびメタクリル酸エ
ステルをしめすもので、好ましくは脂肪族アルコールの
エステルである。例えば、メチルアクリレート、エチル
アクリレート、ブチルアクリレート、プロピルアクリレ
ート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、
ブチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、2−
ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチ
ルアクリレート等が用いられる。
【0019】高分子結着剤に対する第4級アンモニウム
塩重合物の配合比率は有効成分比で5〜60%が好まし
く、より好ましくは10〜40%の範囲がよい。5%未
満では帯電防止効果が少なく、60%を超えると相溶性
が悪くなり塗工性が低下する。
【0020】本発明におけるプラスチックフイルムの材
質としては、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリアミ
ド、ポリエステルアミド、ポリエーテル、ポリイミド、
ポリアミドイミド、ポリスチレン、ポリカーボネート、
ポリ−ρ−フェニレンスルフィド、ポリエーテルエステ
ル、ポリ塩化ビニル、ポリ(メタ)アクリル酸エステル
が好ましい。また、これらの共重合体やブレンド物やさ
らに架橋したものを用いることもできる。
【0021】さらに、上記プラスチックの中でもポリエ
ステル、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン
2,6−ナフタレート、ポリエチレンα,β−ビス(2
−クロルフェノキシ)エタン4,4´−ジカルボキシレ
ート、ポリブチレンテレフタレートなどであり、これら
の中で機械的特性、作業性などの品質、経済性などを総
合的に勘案すると、ポリエチレンテレフタレート、ポリ
エチレン2,6−ナフタレートが好ましい。
【0022】本発明におけるポリエステルとは、具体的
には例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレン
ジカルボン酸、ビス−α、β−(2−クロルフェノキ
シ)エタン4,4´−ジカルボン酸、アジピン酸、セバ
シン酸などの2官能カルボン酸の少なくとも1種と、エ
チレングリコール、トリエチレングリコール、テトラメ
チレングリコール、ヘキサメチレングリコール、デカメ
チレングリコールなどのグリコールの少なくとも1種と
を重縮合して得られるポリエステルを用いることができ
る。また、該ポリエステルには本発明の目的を阻害しな
い範囲内で異種ポリマーをブレンドしたり、共重合して
もよい。また、酸化防止剤、熱安定剤、滑剤、顔料、紫
外線吸収剤などが含まれていてもよい。ポリエステルの
固有粘度(25℃のオルトクロロフェノール中で測定)
は通常0.4〜2が好ましく、さらに好ましくは0.5
〜1の範囲がよい。
【0023】本発明に用いるポリエステルフイルムはポ
リエステル中に白色無機粒子を含有させることにより白
色化させているものを用いることもできる。白色無機粒
子とは各種の無着色に近い無機粒子をいい、炭酸カルシ
ウム、非晶質ゼオライト粒子、アナターゼ型の二酸化チ
タン、リン酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウ
ム、シリカ、アルミナ、カオリン、タルク、クレーなど
が用いられる。このような無機粒子以外にもポリエステ
ル重合反応系で触媒残査とリン酸化合物との反応により
析出した微粒子を用いることもできる。
【0024】また、フイルム内部に微細な気泡を含有さ
せ、該気泡で光を散乱させることにより白色化させてい
るものを用いることもできる。この微細な気泡の形成
は、フイルム母材、例えばポリエステル中に、非相溶ポ
リマー、例えばポリ−3−メチルブテン1,ポリ−4−
メチルペンテン−1、ポリプロピレン、ポリビニル−t
−ブタン、1,4−トランス−ポリ−2,3−ジメチル
ブタジエン、セルローストリアセテート、セルロースト
リプロピオネート、ポリクロロトリフルオロエチレンな
どを細かく分散させるか、あるいは上記白色化微粒子を
添加して、それを1軸または2軸に延伸することにより
形成される。延伸に際して、非相溶ポリマー粒子の周り
にボイド(気泡)が形成され、これが光の散乱作用を発
揮するため白色化される。また、微細気泡を有するた
め、比重が低くなり、クッション性も有するため、鮮明
な印字・印刷が得られる。
【0025】このような白色化ポリエステルフイルムを
用いる場合、該白色化ポリエステルフイルムの見掛け比
重は0.6以上1.5以下が好ましく、さらに好ましく
は0.8以上1.5以下であるのがよい。見掛け比重が
上記範囲より低いと機械的性質や熱寸法安定性が劣り好
ましくない。
【0026】また、ポリエステルフイルムには各種の方
法で表面処理、すなわちコロナ放電処理(空気中、窒素
中、炭酸ガス中)や易接着処理が施されたフイルムであ
る場合、記録層との密着性が改良されるのでより好まし
く使用されるが、本発明の記録フイルムに使用する塗剤
はポリエステルフイルムとの密着性がよく、未処理でも
使用できる。尚、易接着処理法としては、フイルム製造
工程中でアクリル系、ウレタン系、ポリエステル系など
の各種塗剤を塗布したもの、あるいは一軸または二軸延
伸後のフイルムに上記のような各種塗剤を塗布したもの
などがある。
【0027】基材の厚みは特に限定されないが、通常1
0μm以上500μm以下が好ましく、さらに好ましく
は20μm以上300μm以下、より好ましくは30μ
m以上300μm以下の範囲であるのがよい。
【0028】また、基材の白色度は50%以上、好まし
くは60%以上であるのがよく、50%未満になると印
字や印刷の鮮明性が悪くなる。
【0029】本発明における無機および/または有機粒
子としては、シリカ、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化マグ
ネシウム、酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、クレ
ー、タルク、ケイソウ土、硫酸バリウム、雲母などの無
機粒子、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、そ
れらの架橋共重合体である有機粒子などが用いられる。
中でもシリカが好ましく使用される。シリカとしては、
例えば粉末状の二酸化ケイ素を主成分とする多孔質のア
モルファスシリカ、表面をメチル基、オクチルシリル
基、またはトリメチルシリル基で覆った表面疎水化アモ
ルファスシリカ等の多孔質シリカが用いられる。これら
のシリカの平均粒子径は、通常、0.5μm〜5μmで
あるのが好ましく、0.5μm未満ではインクの吸収性
や定着性が不十分であり、5μmを超えると印刷等後工
程で白粉が発生しやすくなる。
【0030】シリカの吸油量としては200〜500m
l/100gの範囲のものが好ましい。吸油量は大きい
程好ましいが、400ml/100gのものになると塗
剤への分散が難しくなる。
【0031】また、シリカの高分子結着剤に対する配合
比率としては15〜60%が好ましく、15%未満では
インクの吸収性や定着性が不十分であり、60%を超え
ると基材との密着性が悪くなり、また増粘して塗工が難
しくなる。
【0032】記録層の塗布方法は特に限定されないが、
グラビアコート法、リバースコート法、キスコート法、
バーコート法など各種の方法を適用することができる。
尚、塗剤濃度、塗膜乾燥条件は特に限定されるものでは
ないが、塗膜乾燥条件は基材の諸特性に悪影響を及ぼさ
ない範囲で行うのが望ましい。
【0033】上記塗布法により塗られた受容層の厚み
は、用途により異なるが1μm以上8μm以下が好まし
く、平滑度は20秒以上であるのが好ましい。厚みが1
μm未満ではインキの吸収性や定着性が不十分であり、
8μmを超えるとコスト面で難しくなる。
【0034】また、塗膜の平滑度が20秒未満になると
印字・印刷に光沢が出なくなる。
【0035】
【特性の測定、評価方法】以下に、本発明の記録フイル
ムを実施例により説明するが、まず、実施例において用
いた特性の測定、評価方法について説明する。
【0036】 評価方法 室温で1日放置後、縦横1mm間隔の刻み目(クロス)
を入れ、その部分に18mm幅のニチバン(株)製セロ
ハンテープを強く貼り、45°方向に強制剥離した後の
インキ残存率を目視にて判定した。測定点はいずれも2
点とし、判定はインキ残存率が各点いずれも100%の
ものを○、60%以下のものを×、その中間のものを△
とした。
【0037】 評価方法 [印字鮮明性]目視にて判定した。印字が鮮明で地汚れ
のないものを○、印字が不鮮明で地汚れのあるものを
×、その中間のものを△とした。
【0038】[受容層との密着性]上記(1)のセロハ
ンテープ剥離にて判定した。トナーの受容層に対する密
着性が十分なものを○、不十分なものを×、その中間の
ものを△とした。
【0039】(3)耐溶剤性 イソプロピルアルコールによる受容層の耐溶剤性を調べ
た。イソプロピルアルコールに漬けた綿棒で受容層を5
往復清拭した後の塗膜の状態が変わらないものを○、明
らかに変わるものを×、その中間のものを△とした。
【0040】(4)カーボンインキ受理適性 受容層のカーボンインキ(帝国インキ(株)製 CTー
90)複写受理性を調べた。[印字鮮明性]目視により
判定した。良好なものを○、不良なものを×、その中間
のものを△とした。
【0041】[擦過性]消しゴム(砂消しでなし)によ
る擦過法で評価した。擦過は3往復で行った。印字が鮮
明に残るものを○、不鮮明になるものを×、その中間の
ものを△とした。
【0042】(5)帯電防止性 23℃/65%RHの雰囲気下に1日放置後、受容層面
と反対面を重ね、5回擦り合わせた後の摩擦帯電性をア
ッシュ法により調べた。受容層面にアッシュが付着しな
いものを○、付着が著しいものを×、その中間のものを
△とした。
【0043】(6)基材との密着性 上記(1)のセロハンテープ剥離にて評価した。塗膜が
全く剥がれないものを○、20%以上剥がれるものを
×、その中間のものを△とした。
【0044】
【実施例】
実施例1 厚さ75μmの未処理白色PETフイルム(比重1.
0)の片面に、日立化成(株)製の変性ポリエステル高
分子結着剤“エスペル”9940Zと日本化工塗料
(株)製の第4級アンモニウム塩含有ポリエステル樹脂
FS−17Gおよび多孔質粒子として徳山曹達(株)
製の“ファインシール”T−32からなる塗剤を塗布・
乾燥して記録層を形成(約3g/m2 dry)、基材と
の密着性、UV印刷適性、電子写真プリンター適性、耐
溶剤性および帯電防止性について評価したが、いずれも
良好な結果が得られた。
【0045】実施例2 厚さ38μmの未処理白色PETフイルム(比重1.
4)の片面に、日立化成(株)製の変性ポリエステル高
分子結着剤“エスペル”9940Zと日本化工塗料
(株)製の第4級アンモニウム塩含有ポリエステル樹脂
FS−17Gおよび多孔質粒子として徳山曹達(株)
製の“ファインシール”X−37Bからなる塗剤を塗布
・乾燥して記録層を形成(約2g/m2 dry)、基材
との密着性、UV印刷適性、電子写真プリンター適性、
耐溶剤性、カーボンインキ受理適性および帯電防止性に
ついて評価したが、いずれも良好な結果が得られた。
【0046】実施例3 厚さ75μmの未処理白色PETフイルム(比重1.
0)の片面に、日立化成(株)製の変性ポリエステル高
分子結着剤“エスペル”9940Z、日本化工塗料
(株)製の第4級アンモニウム塩含有ポリエステル樹脂
FS−17G、反応性希釈剤 2−ヒドロキシプロピ
ルアクリレートおよび多孔質粒子として徳山曹達(株)
製の“ファインシール”T−32からなる塗剤を塗布・
乾燥して記録層を形成(約3g/m2 dry)、基材と
の密着性、UV印刷適性、電子写真プリンター適性、耐
溶剤性および帯電防止性について評価したが、いずれも
良好な結果が得られた。
【0047】比較例1 厚さ75μmの未処理白色PETフイルム(比重1.
0)の片面に、アクリル系樹脂、第4級アンモニウム塩
含有アクリルポリマーおよび平均粒子径1.5μmの炭
酸カルシウム粒子からなる塗剤を塗布・乾燥して記録層
を形成(約3g/m2 dry)、基材との密着性、UV
印刷適性、電子写真プリンター適性、耐溶剤性および帯
電防止性について評価したが、電子写真プリンター適性
以外はいずれも良好な結果は得られなかった。
【0048】比較例2 厚さ38μmの未処理白色PETフイルム(比重1.
4)の片面に、アクリル系樹脂、第4級アンモニウム塩
含有アクリルポリマーおよび平均粒子径3.5μmの炭
酸カルシウム粒子からなる塗剤を塗布・乾燥して記録層
を形成(約2g/m2 dry)、基材との密着性、UV
印刷適性、電子写真プリンター適性、耐溶剤性、カーボ
ンインキ受理性および帯電防止性について評価したが、
電子写真プリンター適性以外はいずれも良好な結果は得
られなかった。
【0049】
【表1】
【0050】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の記録フイ
ルムは基材との密着性に優れた変性ポリエステル樹脂、
帯電防止性に優れた第4級アンモニウム塩共重合ポリエ
ステル等の第4級アンモニウム塩重合物、およびインキ
やトナーの吸収性や定着性に優れた多孔質シリカからな
る塗剤、更にはこれらにUVインキとの密着性に優れた
反応性希釈剤を加えた塗剤を使用していることであり、
各界面の密着性が非常に強固で、印字・印刷用、特にU
V印刷適性やカーボン受理適性が要求される記録フイル
ムとして優れている。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08K 3/36 C08K 3/36 G03G 7/00 G03G 7/00 B

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材の少なくとも片面に、高分子結着剤
    と第4級アンモニウム塩重合物および無機および/また
    は有機粒子を含む受容層を設けてなるフイルムであっ
    て、該高分子結着剤が変性ポリエステル樹脂であること
    を特徴とする記録フイルム。
  2. 【請求項2】 基材の少なくとも片面に、高分子結着剤
    と第4級アンモニウム塩重合物、無機および/または有
    機粒子および反応性希釈剤を含む受容層を設けてなるフ
    イルムであって、該高分子結着剤が変性ポリエステル樹
    脂であることを特徴とする記録フイルム。
  3. 【請求項3】 無機および/または有機粒子が平均粒子
    径0.5〜5μm、吸油量が200〜500ml/10
    0gの二酸化ケイ素を主成分とするアモルファスシリカ
    であることを特徴とする請求項1または2に記載の記録
    フイルム。
  4. 【請求項4】 基材が見掛け比重0.6以上1.5以下
    で、白色度が50%以上の白色ポリエステルフイルムで
    あることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の
    記録フイルム。
  5. 【請求項5】 受容層の厚みが1μm以上8μm以下、
    平滑度が20秒以上であることを特徴とする請求項1〜
    4のいずれかに記載の記録フイルム。
JP16153397A 1997-06-18 1997-06-18 記録フイルム Pending JPH115894A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000250247A (ja) * 1999-03-03 2000-09-14 Fuji Xerox Co Ltd 電子写真用記録材および画像形成方法
KR100333348B1 (ko) * 1999-11-27 2002-04-18 구광시 고투명 폴리에스테르 필름의 제조 방법
JP2006515684A (ja) * 2002-12-23 2006-06-01 スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー Uv硬化性インクで印刷されたグラフィック物品

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