JP2847728B2 - 印刷用受容シート - Google Patents

印刷用受容シート

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【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、印刷用受容シートに関するものである。詳
しくは、印刷性、インキ密着性、耐水性、耐溶剤性に優
れた被覆層を有する印刷用受容シートに関するものであ
る。
[従来の技術] 印刷用受容シートは、従来より、紙支持体が支配的で
あったが、近年、プラスチックフィルムが使用され、中
でも、機械的性質、透明性、耐熱性などに優れた特性を
有するポリエステルフィルムが普及しつつある。しか
し、一般にポリエステル表面は凝集性が高く、しかも、
接着性に乏しいため、表面上に種々の印刷処理を施すに
あたっては、インク密着性を強靭なものとするためにイ
ンクとの親和性に優れた被覆層を形成することが盛んに
実施されている。この様な印刷用受容シートとしては、
ポリエステルフィルム表面上に白色顔料を含有した水性
高分子樹脂を塗設した印刷用受容シート、例えば、特開
昭57−82085号公報等が知られている。
[発明が解決しようとする課題] しかし、前述した印刷用受容シートには次の様な問題
点がある。
すなわち、被覆層の耐水性、耐温水性が劣るため印刷
用受容シートは高温或いは高湿度雰囲気下で受容層の溶
解や膨潤などの変形を生じたり、温水処理を受けた場合
など被覆層の密着強度の低下が著しいものとなる。更に
は、有機溶媒を含むインキの印刷にあっては、耐溶剤性
が劣るため、場合によっては印刷周辺の皮膜の部分溶解
を生じ印刷が不鮮明になったり、被覆層が白濁したりす
ることもある。
本発明は、これらの従来技術の欠点を解消せしめ、被
覆層の密着性に優れ、しかも、被覆層の印刷性、耐水
性、耐溶剤性に優れた印刷用受容シートを提供せんとす
るものである。
[課題を解決するための手段] 本発明は、ポリエステルフィルムの少なくとも片面
に、アルコキシシラン或いはグリシジル基を含有する不
飽和結合を有する化合物をグラフトしてなる非水系ポリ
エステル共重合体を主成分とした被覆層を塗設したこと
を特徴とする印刷用受容シートを要旨とするものであ
る。
本発明においていうポリエステルとは、周知のもの、
具体的には例えば、テレフタル酸・イソフタル酸・ナフ
タレンジカルボン酸・ビス−α,β(2−クロルフェノ
キシ)エタン−4,4′−ジカルボン酸・アジピン酸・セ
バシン酸等の2官能カルボン酸の少なくとも1種と、エ
チレングリコール・トリエチレングリコール・テトラメ
チレングリコール・ヘキサメチレングリコール・デカメ
チレングリコール等のグリコールの少なくとも1種とを
重縮合して得られるポリエステルを挙げることができ
る。また、該ポリエステルには本発明の目的を阻害しな
い範囲内で他種ポリマをブレンドしたり共重合してもよ
いし、酸化防止剤、熱安定剤、滑剤、顔料、紫外線吸収
剤等が含まれていてもよい。ポリエステルの固有粘度
(25℃オルトクロルフェノール中で測定)は0.4〜2.0で
あり、好ましくは0.5〜1.0の範囲のものが通常用いられ
る。
本発明には、ポリエステルとしてポリエチレンテレフ
タレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレート、ポリエ
チレン−α,βビス(2−クロルフェノキシ)エタン−
4,4′−ジカルボキシレートを用いた場合、特に優れた
効果が得られる。
本発明の被覆層とは、アルコキシシラン或いはグリシ
ジル基を含有する不飽和結合を有する化合物をグラフト
化した非水系ポリエステル共重合体を主成分とする組成
物からなる層である。本発明における主成分とする層と
は、そのものが被覆層中50重量%以上、好ましくは60重
量%以上、より好ましくは70重量%以上であるものを指
し、適宜他の物質を添加してもよい。添加する樹脂は得
に限定されないが、代表例としては、ウレタン系樹脂、
ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ビニル系樹脂、スチ
レン系樹脂等の各種樹脂を挙げることが可能である。本
発明においては、かかる被覆層を前ポリエステルフィル
ムの少なくとも片面に設けるのであるがこの中で両面に
設ける場合は、以下に述べる該被覆層の説明は少なくと
も一方に適用されるものである。
本発明でいう非水系ポリエステル共重合体とは、分子
中に親水性基或いは親水性成分、例えば、水酸基、カル
ボキシル基、カルボニル基、シアノ基、アミノ基、メチ
ルカルボニル基、ポリエチレングリコール、カルボン酸
塩、リン酸エステル塩、第四級アンモニウム塩、硫酸エ
ステル塩、スルホン酸塩等が導入されていないポリエス
テル共重合体であって、水不溶解性で、有機溶剤に均一
に溶解するものを意味する。但し、ポリエステル共重合
体の両末端が水酸基もしくはカルボキシル基であっても
よい、 前記のポリエステル共重合体としては、ジカルボン酸
成分とグルコール成分を重縮合して得られるもので特に
限定されるものではない。
ジカルボン酸成分としては芳香族、脂肪族、脂環族の
ジカルボン酸であり例えばテレフタル酸、イソフタル
酸、オルソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、
アジピン酸、セバシン酸、コハク酸、グルタル酸、1,3
−シクロペンタンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサン
ジカルボン酸、ドデカンジカルボン酸、アゼライン酸お
よびそれらのエステル形成性誘導体等を挙げることがで
きる。
前述のジカルボン酸と反応させるグリコール成分とし
ては炭素数2〜8の脂肪族グリコール、又は炭素数6〜
12の脂環族グリコールであり、具体例としてはエチレン
グリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロパ
ンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリ
コール、1,6−ヘキサンジオール、1,2−シクロヘキサン
ジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,4
−シクロヘキサンジメタノール、p−キシリレングリコ
ール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール
などである。
これらの共重合ポリエステルは一般に直鎖状であるこ
とが好ましく、反応性基を含有しないものが望ましい。
また共重合ポリエステルのガラス転位点は10〜90℃、好
ましくは40〜70℃である場合、好適な耐スティック性を
示す。
本発明でいう不飽和結合を有する化合物とは、非水系
ポリエステル共重合体にグラフト化する化合物であり、
具体的には、ビニルエステル類として、例えば、プロピ
オン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、高級第3級ビニル
エステル、塩化ビニル、臭化ビニル、又不飽和カルボン
酸エステル類として、例えば、アクリル酸メチル、アク
リル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2エチル
ヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸ブチル、
マレイン酸ブチル、マレイン酸オクチル、フマル酸ブチ
ル、フマル酸オクチル、アクリル酸グリシジル、メタク
リル酸グリシジル、メタクリル酸ヒドロキシエチル、ア
クリル酸ヒドロキシエチル、メタルキル酸ヒドロキシプ
ロピル、アクリル酸ヒドロキシプロピル、メタクリル酸
ジメチルアミノエチル、アクリル酸ジメチルアミノエチ
ル、エチレングリコールジメタクリル酸エステル、エチ
レングリコールジアクリル酸エステル、ポリエチレング
リコールジメタクリル酸エステル、ポリエチレングリコ
ールジアクリル酸エステル、不飽和カルボン酸アミド類
として、例えばアクリルアミド、メタクリルアミド、メ
チロールアクリルアミド、ブトキシメチロールアクリル
アミド、不飽和ニトリル類として、例えばアクリロニト
リル、不飽和カルボン酸類として、例えばアクリル酸、
メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、マ
イレン酸酸性エステル、フマル酸酸性エステル、イタコ
ン酸酸性エステル、アクリル化合物として、例えば酢酸
アリル、アリルグリシジルエーテル、メタクリル酸アリ
ル、アクリル酸アリル、イタコン酸ジアリル、含窒素化
合物として、ビニルピリジン、ビニルイミダゾール、炭
化水素類として、例えばエチレン、プロピレン、ヘキセ
ン、オクテン、スチレン、ビニルトルエン、ブタジエ
ン、ビニルシラン化合物として、例えばジメチルビニル
メトキシシラン、ジメチルエチルエトキシシラン、メチ
ルビニルジメトキシシラン、メチルビニルジエトキシシ
ラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラ
ン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラ
ンなどが挙げられ、これらの中から選ばれた少なくとも
1種以上が適用されるが特に限定されるものではない。
グラフトは公知の反応によって行なえ、得られたグラ
フト化共重合体は主鎖がポリエステル共重合体のため、
基材のポリエステルフィルムと親和性に優れているので
被覆層はフィルム上により強固に形成できる。更に、グ
ラフト化合物が種々のインクと親和性が良いため、一
層、印刷適正を高めることができる。
本発明では、印刷用受容シートとして用いた時、該シ
ートが透明では印刷の解像度や鮮明さ、印刷場所の確認
等に支障を生じるような場合、例えば、バーコードを印
刷するような場合には、被覆層に白色隠ペイ顔料を含有
せしめることが好ましい。
本発明でいう白色隠ペイ顔料とは、被覆層を白色に呈
する無機或いは有機顔料であって、無機顔料としては、
例えば炭酸亜鉛、酸化亜鉛、硫化亜鉛、タルク、カオリ
ン、重質・軽質あるいは合成の炭酸カルシウム、酸化チ
タン、シリカ、フッ化リチウム、フッ化カルシウム、硫
酸バリウム、アルミナ、ジルコニア、リン酸カルシウ
ム、天然あるいは合成の膨潤性あるいは非膨潤性のマイ
カ等が挙げられ、有機顔料としては、例えばポリスチレ
ン、ポリメチルスチレン、ポリメトキシスチレン、ポリ
塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化
ビニリデン、ポリメタクリレート、ポリメチルメタクリ
レート、ポリクロルアクリレート等が挙げられ、これら
の中から選ばれた少なくとも1種以上が適用されるが特
に限定されるものではない。また、顔料は中空多孔質或
いは非中空多孔質形態であってもよい。更に前記顔料は
樹脂に対する分散性を良化するため表面にグリシジル
基、メチロール基等の官能基を付加させるなどの処理が
施されているものが好ましい。
白色隠ペイ顔料の平均粒径は0.05〜3.0μmが好まし
く、0.1〜1.5μmがより好ましい。平均粒径が0.05μm
未満では、均一分散化がしにくく、3.0μmを越えるも
のは、被覆層の平滑性が悪化し印刷性が低下し易い。ま
た、白色顔料の添加量は0.1〜70重量%が好ましく、5
〜50重量%がより好ましい。添加量が0.1重量%未満で
は白色隠ペイ性が不十分となり、70重量%以上では被覆
層と基材フィルムとの密着性が低下し易い。
本発明では、被覆層の密着性、耐水性、耐溶剤性をよ
り良化せしめるため被覆層に架橋結合剤を含有されるこ
とが好ましい。
本発明でいう架橋結合剤とは、グラフト化ポリエステ
ル共重合体に存在する官能基、例えばヒドロキシル基、
カルボキシル基、グリシジル基、アミド基などと架橋反
応し、最終的には三次元網状構造を有する被覆層とする
ための架橋剤であれば特に限定しないが代表例としては
メチロール化或いはアルキロール化した尿素系、メラミ
ン系、アクリルアミド系、ポリアミド系樹脂、およびエ
ポキシ化合物、イソシアネート化合物、アジリジン化合
物などを挙げることができる。その中でも基材との密着
性、スティック防止性の点でメチロール化メラミン、イ
ソシアネート化合物の使用が好ましい。
これらの架橋結合剤は単独、場合によっては二種以上
併用してもよい。添加する架橋結合剤の量は架橋剤の種
類によって適宜選択されるが通常はグラフト化ポリエス
テル共重合体の固形分100重量部に対し0.01〜50重量部
が好ましく、0.1〜30重量部がより好ましい。添加量が
0.01重量部未満では架橋効果が低く、50重量部を越える
ものは被覆層の密着性が低下したり、更には塗布性が悪
化し均一層を形成しにくい。また加橋結合剤には、架橋
触媒を併用するとより架橋が進むため更に好ましい。架
橋触媒としては塩類、無機物質、有機物質、酸物質、ア
ルカリ物質など公知のものを用いることができる。添加
する架橋触媒の量はグラフト化ポリエステル共重合体の
固形分100重量部に対し0.001〜10重量部、好ましくは0.
1〜5重量部である。架橋剤を加えたグラフト化ポリエ
ステル共重合体は基材に塗布後、加熱、紫外線、電子線
などによって架橋されるが通常は加熱による方法が一般
的である。
本発明の印刷用受容シートを構成するポリエテスルフ
ィルムは、その配向状態は特に限定されず、無配向、一
軸配向、二軸配向のいずれでもよいが、機械的強度や寸
法安定性、剛性等の点で二軸配向状態のものが望まし
い。ポリエステルフィルムの厚みは、特に限定されるも
のではないが1〜500μmが好ましく、5〜300μmの範
囲がより好ましく基材ベースとしての実用面での取り扱
い性に優れている。また、ポリエステルフィルムの表面
粗さや光学ヘイズ等は特に限定されるものではなく、用
途により所望のものであってよい。
本発明の印刷用受容シートを構成する被覆層の積層厚
みは、特に限定されるものではないが0.1〜50μmが好
ましく、0.5〜20μmの範囲にあるものが被覆層の均一
形成性、密着性などの点で望ましい。また、被覆層表面
はより平滑であるものが好ましい。更に、被覆層には必
要に応じて、本発明の効果を損わない量で公知の添加
剤、例えば消泡剤、塗布性改良剤、増粘剤、帯電防止
剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、染料などを含有せしめ
てもよいし、滑剤として無機又は有機化合物からなる微
細粒子を含有せしめてもよい。
次に、本発明の製造方法について説明する。まず、常
法によって重合されたポリエステルのペレットを十分乾
燥した後、公知の押出機、好ましくは圧縮比3.8以上の
溶融押出機に供給し、ペレットが溶融する温度以上、ポ
リマが分解する温度以下の温度でスリット状のダイから
シート状に溶融押出し、冷却固化せしめて未延伸シート
を作る。この際、未延伸シートの固有粘度はフィルム特
性から0.5以上であることが望ましい。次に、該未延伸
シートを必要に応じて周知の方法で延伸してポリエステ
ルフィルムを得る。延伸方法は特に限定されるものでは
ないが、例えば、同時二軸タテ−ヨコ、タテ−ヨコ−タ
テ、ヨコ−タテ、二段タテ−ヨコ等の延伸により二軸延
伸されるのが望ましい。
次に、ポリエステルフィルムの少なくとも一表面上
に、グラフト化ポリエステル共重合体を主成分とした組
成物からなる被覆層を設ける。被覆層を設ける方法とし
ては、 製膜工程内で基体となるフィルムをあらかじめ二軸
延伸しておき、次いで所定量に調整した溶液を塗布し、
しかる後、乾燥する方法。
基体フィルム単膜として巻き取った後に、塗布−乾
燥の工程を設ける方法。
などが好ましく適用できる。塗布する前記組成分の溶液
は、有機溶媒、例えばアルコール系、カルボン酸エステ
ル系、ケトン系、脂肪族炭化水素系、脂環式又は芳香族
炭化水素系及びこれらの混合系を用いた有機溶媒溶液の
形で使用する。
塗布方法は特に限定されず押出ラミネート法、メルト
コーティング法等を用いてもよいが、高速で薄膜コート
することが可能であるという理由からグラビヤコート
法、リバースコート法、キッスコート法、ダイコート
法、メタリングバーコート法など公知の方法を適用でき
る。また、塗布する前に必要に応じて空気中或いはその
他種々雰囲気中でのコロナ放電処理など公知の表面処理
を施すことによって、塗布性が良化するのみならず、被
覆層をより強固にポリエステルフィルム表面上に形成で
きる。尚、塗布濃度、塗膜乾燥条件は特に限定されるも
のではないが、塗膜乾燥条件は被覆層や基体フィルムの
諸特性に悪影響を及ぼさない範囲で行なうのが望まし
い。
[評価法] 本発明の特性値は、次の測定方法、評価基準による。
(1)被覆層の密着性 被覆層/ベースフィルムの密着力は、被覆層上にクロ
スカット(100ケ/cm2)をいれ、該クロスカット面に対
し45゜にセロハンテープ:CT−24(ニチバン(株)製)
を貼り、ハンドローラを用いて約5kgの荷重をかけ、10
回往復して圧着させ、セロハンテープを手で180゜方向
に強制剥離し、被覆層の剥離度合を観察し評価した。判
定基準は、◎:非常に良好(剥離なし)、○:良好(剥
離面積5%未満)、△:やや劣る(剥離面積5%以上20
%未満)、×:不良(剥離面積20%以上)とした。
(2)配溶剤性 被覆層を形成させたポリエステルフィルムをテトラク
ロロエチレン中に30分間浸漬処理後、被覆層をクロスカ
ット(100ケ/cm2)をいれ前記(1)と同様に評価し判
定した。
(3)耐水性 被覆層を形成させたポリエステルフィルムを50℃の温
水中で30分間浸漬処理後、該被覆層にクロスカット(10
0ケ/cm2)をいれ前記(1)と同様に評価し判定した。
尚、表面状態が肉視で異常(白濁化等)が観察されるも
のは、評価が良好(○)でも不良(×)とした。
(4)印字性 高速バーコードプリンター“東レ8400システム”(東
レエンジニアリング(株)製)を用いて文字パターンを
印刷し、印字品質を拡大鏡で肉視観察して、次の如く限
定した。
○:印字性が良好 △:印字性がやや劣る ×:印字性が不良 [発明の作用] 本発明は、ポリエステルフィルム上に、特定の基を含
有する不飽和化合物をグラフト化した非水系ポリエステ
ル共重合体を主成分とする有機溶剤系塗材を用いて被覆
層を形成させたので、基体フィルムの諸特性を悪化させ
ることなく、次のような優れた効果を得ることができ
た。
[発明の効果] 本発明の印刷用受容シートは以下のような優れた効果
を有する。
(1)紫外線硬化型インキ、電子線硬化型インキ、油性
インキ、熱転写インキリボン、電子写真用トナー等の各
種インキによる印刷適性に優れている。
(2)耐溶剤性に優れているので、有機溶剤型インキを
用いて印刷しても、印刷界面が乱れず鮮明な印刷を行な
える。
(3)耐水性に優れているので、高温或いは高湿度雰囲
気下でも受容層の密着性に優れており、しかも、受容層
の膨潤等を生じない。
(4)後加工で温水処理、溶剤処理が施されても特性低
下を生じない。
[発明品の用途] 本発明の印刷用受容シートは、印刷を施すことが要求
される種々の用途、例えば包装用、光学用、グラフィッ
ク用、電絶用など広範囲に適応できる。中でも、特に印
刷解像度やインキ密着性が必要とされるバーコード印刷
に好適であり、バーコード管理が適応されるクリーニン
グ用や商品の価格表示用、運搬用等のラベルに使用する
のが好ましい。
[実施例] 本発明を以下の実施例、比較例を用いて説明するが、
本発明は、これらに限定されるものではない。
実施例1 常法によって製造されたポリエチレンテレフタレート
のホモポリマチップ(固有粘度:0.62、融点:259℃)を1
80℃で2時間減圧乾燥(3mmHg)した。このチップを280
℃で圧縮比3.8のスクリューを有した押出機に供給しT
型口金から溶融押出し、静電印荷法を用いて表面温度20
℃の冷却ドラムに巻きつけて冷却固化せしめ未延伸フィ
ルムとした。得られたフィルムを90℃でロール延伸法に
よって縦方向に3.3倍延伸した後、テンター延伸法によ
って幅方向に3.6倍延伸し、横方向に2%弛緩しつつ210
℃で10秒間熱処理して厚さ50μmの二軸配向フィルムを
得た。次に、トルエン/メチルエチルケトン(混合比;
1:1)を希釈溶媒とし、これにグラフト化ポリエステル
共重合体“ペスレジン"230G(高松油脂(株)製)を加
え濃度10重量%とした塗材をグラビヤコート方式で塗布
し、塗布層を120℃で1分間乾燥させ、被覆層が2.0μm
の印刷用受容シートを得た。この印刷用受容シートの特
性は第1表に示したとおりであり被覆層の密着性、耐水
性、耐溶剤性、印刷性が共に優れているものであった。
実施例2 実施例1で得た二軸配向ポリエチレンテレフタレート
フィルム表面上にコロナ放電処理を施した後、トルエン
/メチルエチルケトン(混合比;1:1)を溶媒とし、これ
にグラフト化ポリエステル共重合体“ペスレジン"230G
と、白色隠ペイ顔料として平均粒径0.3μmの酸化チタ
ンをポリエステル樹脂“バイロン"200(東洋紡績(株)
製)に混練させた酸化チタン高濃度分散体“CT−P"
((株)昭和インク工業所製)を用いて固形分当り酸化
チタンが40重量%添加された組成で均一分散させ、濃度
10重量%の塗材を作った。この塗材を実施例1と同様の
方法で塗布し、被覆層が3.0μmの印刷用受容シートを
得た。この印刷用受容シートの特性を第1表に示した。
第1表を見る如く、被覆層の密着性、耐水性、耐溶剤
性、印刷性が共に優れていることが判る。
実施例3 実施例2と同じ基材フィルムを使用し、実施例2と同
じ組成の塗材で、架橋結合剤としてイソシアネート系硬
化剤“コロネート"EH(日本ポリウレタン工業(株)
製)を固形分100重量部当り5重量部加えて均一分散さ
せ、濃度10重量%の塗材をを作った。この塗材を実施例
2と同一手法で塗布し、被覆層が3.0μmの印刷用受容
シートを得た。この印刷用受容シートの特性は第1表に
示したように各特性が共に優れているものであった。
比較例1 実施例2と同じ基材フィルムを使用し、塗材として水
系ポリエステル共重合樹脂“ポリエスター"W−9501(日
本合成化学工業(株)製)と平均粒径0.4μmの酸化チ
タンを重量固形分比70:30の組成で均一分散させた濃度1
0重量%の水系溶液をバーコート法で塗布し、塗膜を110
℃で3分間乾燥させ被覆層が1.0μmの印刷用受容シー
トを得た。この印刷用受容シートの特性は第1表に示し
たとおりで被覆層の耐水性、耐溶剤性に劣るものであっ
た。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B41M 1/00 - 7/02

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリエステルフィルムの少なくとも片面
    に、アルコキシシラン或いはグリシジル基を含有する不
    飽和結合を有する化合物をグラフトしてなる非水系ポリ
    エステル共重合体を主成分とした被覆層を塗設したこと
    を特徴とする印刷用受容シート。
  2. 【請求項2】被覆層に白色隠ペイ顔料を含むことを特徴
    とする請求項(1)記載の印刷用受容シート。
  3. 【請求項3】白色隠ペイ顔料の平均粒径が0.05〜3.0μ
    mであって、かつ、添加量が0.1〜70重量%であること
    を特徴とする請求項(2)記載の印刷用受容シート。
  4. 【請求項4】被覆層に架橋結合剤を含むことを特徴とす
    る請求項(1)〜(3)のいずれかに記載の印刷用受容
    シート。
  5. 【請求項5】請求項(1)〜(4)のいずれかに記載の
    印刷用受容シートを用いてなることを特徴とするバーコ
    ード印刷用受容シート。
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