JP2844635B2 - 受像シート - Google Patents

受像シート

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JP2844635B2
JP2844635B2 JP3425289A JP3425289A JP2844635B2 JP 2844635 B2 JP2844635 B2 JP 2844635B2 JP 3425289 A JP3425289 A JP 3425289A JP 3425289 A JP3425289 A JP 3425289A JP 2844635 B2 JP2844635 B2 JP 2844635B2
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【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、受像シートに関するものである。詳しく
は、製版、印刷工程での色校正性に優れ、且つ、取り扱
い性に優れた受像シートに関するものである。
[従来の技術] 近年、印刷物の高品質化と安定化、印刷工程の効率化
等を計るため、製版、印刷過程で原稿のネガあるいはポ
ジフルムを作って、文字や線画、色を校正する方法がす
ぐれた再現特性をそなえていることからシステム化され
盛んに実施されている。中でも色校正用には、カラー感
材フィルムとの密着性に優れた受像シートが必要となっ
ている。受像シートの構成は、受像層と支持体層からな
り、一般に支持体層はコーティングや含浸等により特殊
加工を施した紙が支配的である。
[発明が解決しようとする課題] しかし、前述した受像シートには次の様な問題点があ
る。すなわち、紙を支持体とする受像シートは、機械的
強度や耐水性、耐薬品性が不十分であったり、折り曲げ
等で折り目跡が強く残るため、折り目近傍の受像層或い
は感材層が欠落することが起き易く取り扱い性に劣る。
本発明は、これらの従来技術の欠点を解消せしめ、支
持体との密着性、感材層との密着性が共に優れた被覆層
を有し、しかも、機械強度、耐水性、耐薬品性に優れた
受像シートを提供するものである。
[課題を解決するための手段] 本発明は、二軸配向ポリエステルフィルムの少なくと
も片面に、アルコキシシラン或いはグリシジル基を含有
する不飽和結合を有する化合物をグラフトしてなる非水
系ポリエステル共重合体を主成分とした被覆層を設けた
受像シートであって、該非水系ポリエステル共重合体の
ガラス転移温度(Tg)が5〜90℃であることを特徴とす
る受像シートを要旨とするものである。
本発明においていうポリエステルとは、周知のもの、
具体的には例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフ
タレンジカルボン酸、ビス−α,β(2−クロルフェノ
キシ)エタン−4,4′−ジカルボン酸、アジピン酸、セ
バシン酸等の2官能カルボン酸の少なくとも1種と、エ
チレングリコール、トリエチレングリコール、テトラメ
チレングリコール、ヘキサメチレングリコール、デカメ
チレングリコール等のグリコールの少なくとも1種とを
重縮合して得られるポリエステルを挙げることができ
る。また、該ポリエステルには本発明の目的を阻害しな
い範囲内で他種ポリマをブレンドしたり共重合してもよ
いし、酸化防止剤、熱安定剤、滑剤、顔料、紫外線吸収
剤等が含まれていてもよい。ポリエステルの固有粘度
(25℃オイルクロルフェノール中で測定)は0.4〜2.0で
あり、好ましくは0.5〜1.0の範囲のものが通常用いられ
る 本発明には、ポリエステルとしてポリエチレンテレフ
タレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレート、ポリエ
チレン−α,βビス(2−クロルフェノキシ)エタン−
4,4′−ジカルボキシレートを用いた場合、特に優れた
効果が得られる。
本発明の被覆層とは、アルコキシシラン或いはグリシ
ジル基を含有する不飽和結合を有する化合物をグラフト
してなる非水系ポリエステル共重合体を主成分とした組
成物からなる層である。本発明における主成分とする層
とは、そのものが被覆層中50重量%以上、好ましくは60
重量%以上、より好ましくは70重量%以上であるものを
指し、適宜他の物質を添加してもよい。添加する樹脂は
特に限定されないが、代表例としては、ウレタン系樹
脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ビニル系樹脂、
スチレン系樹脂等の各種樹脂を挙げることが可能であ
る。本発明においては、かかる被覆層を前記ポリエステ
ルフィルムの少なくとも片面に設けるのであるがこの中
で両面に設ける場合は、以下に述べる該被覆層の説明は
少なくとも一方に適用されるものである。
本発明でいう非水系ポリエスエル共重合体とは、分子
中に親水性基或いは親水性成分、例えば、水酸基、カル
ボキシル基、カルボニル基、シアノ基、アミノ基、メチ
ルカルボニル基、ポリエチレングリコール、カルボン酸
塩、リン酸エステル塩、第四級アンモニウム塩、硫酸エ
ステル塩、スルホン酸塩等が導入されていないポリエス
テル共重合体であって、水不溶解性で、有機溶剤に均一
に溶解するものを意味する。但し、ポリエステル共重合
体の両末端が水酸基もしくはカルボキシル基であっても
よい。
前記のポリエステル共重合体としては、ジカルボン酸
成分とグリコール成分を重縮合して得られるもので特に
限定するものではない。
ジカルボン酸成分としては芳香族、脂肪族、脂環族の
ジカルボン酸であり例えばテレフタル酸、イソフタル
酸、オルソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、
アジピン酸、セバシン酸、コハク酸、グルタル酸、1,3
−シクロペンタンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサン
ジカルボン酸、ドデカンジカルボン酸、アゼライン酸、
およびそれらのエステル形成性誘導体等を挙げることが
できる。
前述のジカルボン酸と反応させるグリコール成分とし
ては炭素数2〜8の脂肪族グリコール、または炭素数6
〜12脂環族グリコールであり、具体例としてはエチレン
グリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロパ
ンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリ
コール、1,6−ヘキサンジオール、1,2−シクロヘキサン
ジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,4
−シクロヘキサンジメタノール、p−キシリレングリコ
ール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール
などである。
これらの共重合ポリエステルは一般に直鎖状であるこ
とが好ましく、反応性基を含有しないものが望ましい。
本発明でいう不飽和結合を有する化合物とは、非水系
ポリエステル共重合体にグラフトする化合物であり、具
体的には、ビニルエステル類として、例えば、プロピオ
ン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、高級第3級ビニルエ
ステル、塩化ビニル、臭化ビニル、又不飽和カルボン酸
エステル類として、例えば、アクリル酸メチル、アクリ
ル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2エチルヘ
キシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸ブチル、マ
レイン酸ブチル、マレイン酸オクチル、フマル酸ブチ
ル、フマル酸オクチル、アクリル酸グリシジル、メタク
リル酸グリシジル、メタクリル酸ヒドロキシエチル、ア
クリル酸ヒドロキシエチル、メタクリル酸ヒドロキシプ
ロピル、アクリル酸ヒドロキシプロピル、メタクリル酸
ジメチルアミノエチル、アクリル酸ジメチルアミノエチ
ル、エチレングリコールジメタクリル酸エステル、エチ
レングリコールジアクリル酸エステル、ポリエチレング
リコールジメタクリル酸エステル、ポリエチレングリコ
ールジアクリル酸エステル、不飽和カルボン酸アミド類
として、例えばアクリルアミド、メタクリルアミド、メ
チロールアクリルアミド、ブトキシメチロールアクリル
アミド、不飽和ニトリル類として、例えばアクリロニト
リル、不飽和カルボン酸類として、例えばアクリル酸、
メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、マ
レイン酸酸性エステル、フマル酸酸性エステル、イタコ
ン酸酸性エステル、アクリル化合物として、例えば酢酸
アリル、アリルグリシジルエーテル、メタクリル酸アリ
ル、アクリル酸アリル、イタコン酸ジアリル、含窒素化
合物として、ビニルピリジン、ビニルイミダゾール、炭
化水素類として、例えばエチレン、プロピレン、ヘキセ
ン、オクテン、スチレン、ビニルトルエン、ブタジエ
ン、ビニルシラン化合物として、例えばジメチルビニル
メトキシシラン、ジメチルエチルエトキシシラン、メチ
ルビニルジメトキシシラン、メチルビニルジエトキシシ
ラン、γ−メラクリロキシプロピルトリメトキシシラ
ン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラ
ンなどが挙げられ、これらの中から選ばれた少なくとも
1種以上が適用されるが特に限定されるものではない。
グラフト化は公知の反応によって行なえ、得られた非
水系ポリエステル共重合体は、ガラス転移温度(Tg)が
5〜90℃、好ましくは20〜80℃、より好ましくは30〜70
℃の範囲であることが必要である。ガラス転移温度が5
℃未満では被覆層の粘着性が増し、受像シートの取り扱
い性や耐水性、耐溶剤性が悪化し易くなる。90℃を越え
るものは現像処理後のカラー感剤フィルムとのラミネー
ト性が悪化し、転写像の密着性に劣ったものとなる。更
には不飽和結合を有する化合物のグラフト化反応が難し
くなる。
本発明では、受像シートとして用いた時、該シートが
透明では転写像の鮮明さや色校正に支障を生じるような
場合には、二軸配向ポリエステルフィルムに白色無機粒
子を含有せしめることが好ましい。
本発明でいう白色無機粒子としては、例えば、炭酸亜
鉛、酸化亜鉛、硫化亜鉛、タルク、カオリン、重質・軽
質あるいは合成の炭酸カルシウム、酸化チタン、シリ
カ、フッ化リチウム、硫酸バリウム、アルミナ、ジルコ
ニア、リン酸カルシウム、天然あるいは合成の膨潤性あ
るいは非膨潤性のマイカ等が挙げられるが、これらの中
でも、酸化チタン、炭酸カルシウム、シリカの使用が望
ましく、粒子形態は中空多孔質あるいは非中空多孔質、
板状、柱状等であってもよいが球状のものが好ましい。
また、白色無機粒子の平均粒径は、0.1〜4.0μmが好
ましく、0.1〜2.0μmがより好ましい。平均粒径が0.1
μm未満では、凝集体を生じやすく均一分散性に劣り、
4.0μmを越えるものは、平滑性が悪化しやすい。白色
無機粒子の含有量は樹脂100重量部に対し1〜50重量
部、好ましくは5〜30重量部である。含有量が1重量部
未満では白色度が不足し、50重量部を越えるものは、フ
ィルム延伸工程での破れが頻発するので好ましくない。
尚、白色無機粒子には、基材フィルムの白色度をより高
めるため機能を有する増白剤や螢光発色剤等を併用する
のが好ましい。
本発明では、受像シートとして用いた時、柔軟性やク
ッション性を与えてラミネートによる転写性を良化した
り、受像シートの軽量化を計るため二軸配向ポリエステ
ルフィルムにこれと異種で、かつ、非相溶な熱可塑性樹
脂を含有せしめることが好ましい。
本発明でいう前記熱可塑性樹脂とは、ポリエステル以
外の熱可塑性樹脂でポリエステルに対し、非相溶な樹脂
が好ましい。ポリエステルに対し非相溶な熱可塑性樹脂
とは、示差走査熱量計(DSC)で公知の方法での測定に
おいて、ポリエステルと該熱可塑性樹脂とを溶融混合し
た系において、ポリエステルに相当するガラス転移温度
(以下Tgと略する)以外に該熱可塑性樹脂に相当するTg
が観測される樹脂である。ポリエステルに対し、非相溶
な熱可塑性樹脂は、ポリエステル中では、粒子状に分散
し、延伸によりポリエステルフィルム中に空所を形成せ
しめる効果が大きい。このような熱可塑性樹脂の融点
は、ポリエステルの融点よりも低温であり、かつフィル
ム支持体を配向させるに用いる温度よりも高温であるこ
とが好ましい。かかる点から、ポリエチレン、ポリプロ
ピレン、ポリ4−メチル−1−ペンテンのようなオレフ
ィン系の重合体又はその共重合体が好ましい。特にポリ
プロピレン系が好まし。延伸による空所を微細化し、表
面粗さを小さくするために、カルボキシル基や、エポキ
シ基等の極性基やポリエステルと反応性のある官能基を
もったオレフィン系の重合体及び共重合体を添加すると
分散径が小さくなり、ひいては延伸による空所を微細化
でき、表面粗さも小さくなるので更に好ましい。
また、熱可塑性樹脂の含有量はポリエステル樹脂100
重量部に対し5〜100重量部、好ましくは10〜50重量部
である。
本発明では、被覆層の密着性、耐水性、耐溶剤性をよ
り良化せしめるめに被覆層に架橋結合剤を含有させるこ
とが好ましい。
本発明でいう架橋結合剤とは、グラフト化ポリエステ
ル共重合体に存在する官能基、例えばヒドロキシル基、
カルボキシル基、グリシジル基、アミド基などと架橋反
応し、最終的には三次元網状構造を有する被覆層とする
ための架橋剤であれば特に限定しないが、代表例として
はメチロール化あるいはアルキロール化した尿素系、メ
ラミン系、アクリルアミド系、ポリアミド系樹脂、およ
びエポキシ化合物、イソシアネート化合物、アジリジン
化合物などをあげることができる。その中でも基材との
密着性、スティック防止性の点でメチロール化メラミ
ン、イソシアネート化合物の使用が好ましい。
これらの架橋結合剤は単独、場合によっては二種以上
併用してもよい。添加する架橋結合剤の量は架橋剤の種
類によって適宜選択されるが通常はグラフト化ポリエス
エル共重合体の固形分100重量部に対し0.01〜50重量部
が好ましく、0.1〜30重量部がより好ましい。添加量が
0.01重量部未満では架橋効果が低く、50重量部を越える
ものは被覆層の密着性が低下したり、更には塗布性が悪
化し均一層を形成しにくい。また架橋結合剤には、架橋
触媒を併用するとより架橋が進むため更に好ましい。架
橋触媒としては塩類、無機物質、有機物質、酸物質、ア
ルカリ物質など公知のものを用いることができる。添加
する架橋触媒の量はグラフト化ポリエステル共重合体の
固形分100重量部に対し0.001〜10重量部、好ましくは、
0.1〜5重量部である。架橋剤を加えたグラフト化ポリ
エステル共重合体は基材に塗布後、加熱、紫外線、電子
線などによって架橋されるが通常は加熱による方法が一
般的である。
本発明では、受像シートとして用いた時、静電気によ
る塵埃等の付着をさせるため受像シートに帯電防止機能
を付与させるのが好ましい。帯電防止性を付与させるに
は二軸配向ポリエステルフィルムの一方の面に被覆層を
設け、他方の面に帯電防止層を設けるのが望ましい。
本発明でいう帯電防止層とは、帯電防止剤からなる被
覆層、帯電防止剤を含む樹脂層、金属あるいは金属酸化
物からなる蒸着層等であって、帯電防止剤には公知であ
る界面活性剤、導電性ポリマー、導電性カーボン微粒
子、金属あるいは金属酸化物粒子等が挙げられる。帯電
防止性は、その目安の一つである表面固有抵抗がJIS−
C−1303に基づく高絶縁抵抗計によって測定した値で10
5〜1012(Ω)、好ましくは108〜1010(Ω)の範囲が望
ましい。
本発明の受像シートを構成するポリエステルフィルム
は、機械的強度や寸法安定性、耐熱性、耐薬品性、剛性
等の点で二軸配向状態であることが必要である。二軸配
向ポリエステルフィルムの厚みは、特に限定されるもの
ではないが10〜500μmが好ましく、30〜300μmの範囲
がより好ましく基材ベースとしての実用面での取り扱い
性に優れている。また、二軸配向ポリエステルフィルム
の表面粗さや光学ヘイズ等は特に限定されるものではな
く、所望のものであってよいが、白色無機粒子を含有さ
せたフィルムにあっては、JIS−L−1074に基づく測定
法で白色度が50%以上、光線反射率が60%以上が望まし
い。尚、フィルム表面粗さ(Ra)はJIS−B−0601に基
づいて測定した値が1.0μm以下、好ましくは0.5μm以
下が望ましい。
本発明の受像シートを構成する被覆層の積層厚みは、
特に限定されるものではないが0.1〜50μmが好まし
く、0.5〜20μmの範囲にあるものが被覆層の均一形成
性、密着性などの点で望ましい。
また、被覆層の表面粗さ(Ra)は0.5μm以下、好ま
しくは0.2μm以下が望ましい。
更に、被覆層には必要に応じて、本発明の効果を損わ
ない量で公知の添加剤、例えば消泡剤、塗布性改良剤、
増粘剤、帯電防止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、染
料、顔料などを含有せしめてもよいし、滑剤として無機
又は有機化合物からなる微細粒子を含有せしめてもよ
い。
次に、本発明の製造方法について説明する。まず、常
法によって重合されたポリエスエルのペレットを十分乾
燥した後、公知の押出機、好ましくは圧縮比3.8以上の
溶融押出機に供給し、ぺレットが溶融する温度以上、ポ
リマが分解する温度以下の温度でスリット状のダイから
シート状に溶融押出し、冷却固化せしめて未延伸シート
を作る。この際、未延伸シートの固有粘度はフィルム特
性から0.5以上であることが望ましい。次に、該未延伸
シートを必要に応じて周知の方法で延伸して二軸配向ポ
リエステルフィルムを得る。延伸方法は特に限定される
ものではないが、例えば、同時二軸タテ−ヨコ、タテ−
ヨコ−タテ、ヨコ−タテ、二段タテ−ヨコ等の延伸によ
り二軸延伸されるのが望ましい。
次に、ポリエステルフィルムの少なくとも一表面上
に、グラフト化ポリエステル共重合体を主成分とした組
成物からなる被覆層を設ける。被覆層を設ける方法とし
ては、 製膜工程内で基体となる二軸配向フィルムにあらか
じめ所定量に調整した溶液を塗布し、しかる後に、乾燥
する方法。
基体フィルム単膜として巻き取った後に、塗布−乾
燥の工程を設ける方法。
などが好ましく適用できる。塗布する前記組成物の溶液
は、有機溶媒、例えばアルコール系、カルボン酸エステ
ル系、ケトン系、脂肪族炭化水素系、脂環式又は芳香族
炭化水素系及びこれらの混合系を用いた有機溶媒溶液の
形で使用する。
塗布方法は得に限定されず押出ラミネート法、メルト
コーティング法等を用いてもよいが、高速で薄膜コート
することが可能であるという理由からグラビヤコート
法、リバースコート法、キッスコート法、ダイコート
法、メタリングバーコート法など公知の方法を適用でき
る。また、塗布する前に必要に応じて空気中あるいはそ
の他種々雰囲気中でのコロナ放電処理など公知の表面処
理を施すことによって、塗布性が良化するのみならず、
被覆層をより強固にポリエステルフィルム表面上に形成
できる。尚、塗材濃度、塗膜乾燥条件は特に限定される
ものではないが、塗膜乾燥条件は被覆層や基体フィルム
の諸特性に悪影響を及ぼさない範囲で行なうのが望まし
い。
[評価法] 本発明の特性値は、次の測定方法、評価基準による。
(1) 被覆層の密着性 被覆層/ベースフィルムの密着力は、被覆層上にクロ
スカット(100ケ/cm2)をいれ、該クロスカット面に対
し45゜にセロテープ:CT−24(ニチバン(株)製)を貼
り、ハンドローラを用いて約5kgの荷重をかけ、10回往
復して圧着させ、セロテープを手で180゜方向に強制剥
離し、被覆層の全剥離面積に対する剥離度合いを観察し
評価した。判定基準は◎:極めて良好(剥離なし)、
○:良好(剥離面積5%未満)、△:やや劣る、(剥離
面積5%以上20%未満)、×:不良(剥離面積20%以
上)とした。
(2) 耐水性 被覆層を形成させたポリエステルフィルムを50℃の温
水中で30分間浸漬処理後、該被覆層にクロスカット(10
0ケ/cm2)をいれ前記(1)と同様に評価し判定した。
尚、表面状態が肉視で異状(白濁化等)が観察されるも
のは、セロハク評価が良好(○)でも不良(×)とし
た。
(3) 耐ブロッキング性 ブロッキング性は、JIS−Z−0219に準じて20℃、60
±5%RH中で荷重300g/12cm2をかけ24時間後のブロッキ
ング性を評価した。判定基準は、○:良好、△:やや劣
る、×:不良とした。
(4) ラミネート性 感材フィルムとして市販のカラーアートフィルム(富
士写真フィルム(株)製)を用い、その感材層を受像シ
ートに重ね合わせ、ラミネーター機により温度115℃で
熱ラミネートした後、感材フィルムを引き剥がし感材層
の転写密着性を評価し、次の如く判断した。
○:良 好(密着性が良い) △:やや良好(密着性がやや劣る) ×:不 良(密着性が劣る) (5) 折り曲げ性 上記(4)と同じ感材フィルムを用いて受像シートに
感材層を良好に転写させた後、該受像シートを180゜に
折り曲げを5回くり返し、折り目近傍の転写像の状態を
肉視観察し、以下の基準で判定を下した。即ち、全く変
化のないものを「○」、わずかに像のうきがみられるも
のを「△」、像が剥がれたり、うきが大きいものを
「×」と判定した。
(6) 耐溶剤性 被覆層を形成させた二軸配向ポリエステルフィルムを
テトラクロロエチレン中に30分間浸漬処理後、被覆層に
クロスカット(100ケ/cm2)をいれ前記(1)と同様に
評価し判定した。
(7) ガラス転移温度(Tg) 示差走査熱量計(PERKIN−ELMER社製DSC−2型)を用
いて測定した。
[発明の作用] 本発明は、ポリエステルフィルム上に、特定のの基を
含有する不飽和化合物をグラフト化した非水系ポリエス
テル共重合体を主成分とする有機溶剤系塗材を用いて被
覆層を形成させたので、基体フィルムの諸特性を悪化さ
せることなく、次のような優れた効果を得ることができ
た。
[発明の効果] (1) 本発明の受像シートは、機械的強度が大きく耐
折り曲げ性に優れているので取り扱い性が良好である。
(2) 本発明の受像シートは、転写像との密着性に優
れているので鮮明な転写像となる。
(3) 本発明の受像シートは、耐溶剤性、耐水性に優
れているので後加工で温水処理やや溶剤処理が施されて
も特性低下を生じない。
[発明品の用途] 本発明の受像シートは、印刷物の校正用に適応される
が、中でも色校正用に使用するのが好ましい。
[実施例] 本発明を以下の実施例、比較例を用いて説明するが、
本発明は、これらに限定されるものではない。
実施例1 常法によって製造されたポリエチレンテレフタレート
のホモポリマチップ(固有粘度:0.62、融点:259℃)を1
80℃で2時間減圧乾燥(3mmHg)した。このチップを280
℃で圧縮比3.8のスクリューを有した押出機に供給しT
型口金から溶融押出し、静電印荷法を用いて表面温度20
℃の冷却ドラムに巻きつけて冷却固化せしめ未延伸フィ
ルムとした。得られたフィルムを90℃でロール延伸法に
よって縦方向に3.3倍延伸した後、テンター延伸法によ
って幅方向に3.6倍延伸し、横方向に2%弛緩しつつ210
℃で10秒間熱処理して厚さ100μmの二軸配向フィルム
を得た。
次に、トルエン/メチルエチルケトン(混合比;1:1)
を希釈溶媒とし、ガラス転移温度10℃の非水系飽和ポリ
エスエル樹脂を主鎖としたグラフト化ポリエステル樹脂
“ペスレジン"230G(高松油脂(株)製)を加え濃度10
重量%とした塗材をリバースコート方式で塗布し、塗布
層を120℃で1分間乾燥させ、被覆層が2.5μmの受像シ
ートを得た。この受像シートの特性は第1表に示したと
おりであり、被覆層の密着性、耐水性、ラミネート性等
が共に優れているものであった。
実施例2、比較例1,2 実施例1と同じ二軸配向ポリエステルフィルムの表面
上にコロナ放電処理を施したものを使用し、ガラス転移
温度をかえた非水系飽和ポリエステル樹脂を用いたほか
は実施例1と同一組成物からなるグラフト化ポリエステ
ル樹脂で塗材を作り、以下実施例1と同一手法で受像シ
ートを得た。第1表に見る如く、受像シートが本発明の
範囲にある場合(実施例2)は、各特性のバランスに優
れた受像シートを得ることができるが、本発明の範囲外
にある場合(比較例1,2)では、耐ブロッキング性、ラ
ミネート性なとが共に優れた受像シートを得ることがで
きないことが判る。
実施例3 実施例2と同じ基材フィルムを使用し、実施例1と同
じ組成の塗材で、架橋結合剤としてイソシアネート系硬
化剤“コロネート"EH(日本ポリウレタン工業(株)
製)を固形分100重量部当り3重量部加え均一分散させ
た後、以下実施例1と同一手法で受像シートを得た。こ
の受像シートの特性は、第1表に示したように各特性が
共に優れているものであった。
実施例4 フィルム原料として、実施例1のホモポリマチップ10
0重量部に対して平均粒子径0.6μmの酸化チタン10重量
部を含有させ均一分散させた組成の原料を使用したほか
は、実施例1と同様の手法で受像シートを得た。受上シ
ートの特性は第1表に示したように各特性が共に優れて
おり、更に受像シートにカラー感材フィルムをラミネー
トして転写させたカラー感材層の色合いは、肉視で非常
に鮮明な物であった。
実施例5 フィルム原料として、実施例1のホモポリマチップ10
0重量部に対して平均粒子径0.5μmの炭酸カルシウム15
重量部、ポリプロピレン(極限粘度[η]=2.0、アイ
ソタクティック・インデックス(I.I)=97)10重量部
を含有させ均一分散させた原料を用いた他は、実施例1
と同様の手法で受像シートを得た。
この受像シートの特性は第1表に示した通りで各特性
が優れていると共に、受像シートは柔軟性が増し感材フ
ィルムとのラミネート性が良化していた。
実施例6 実施例4で得た二軸配向ポリエステルフィルムの片面
にコロナ放電処理を施した後、該面に、メチルメタクリ
レート/エチルアクリレート(50/50)モル%に官能基
としてカルボキシル基、メチロール基を各2.5重量部導
入したアクリル系重合体(平均分子量50万)とSO2O-X+
基のX+イオンとしてH+を有し、平均分子量7万のスルホ
ン化ポリスチレンを重量比率80:20とした濃度4.0重量%
の水系塗材をバーコートし、110℃で乾燥して、表面固
有抵抗値が8×109(Ω)の帯電防止層を形成させた。
次に、該面の反対面に実施例1と同様の方法で被覆層を
設けた受像シートを得た。この受像シートの特性は第1
表に示した様に各特性が優れていると共に、取り扱い
上、ゴミ等の付着のないものであった。
比較例3 支持体として、厚さ250μmのアート紙を用いたほか
は実施例1と同一手法で受像シートを得た。受像シート
の特性は第1表に示した通りで耐水性、耐折り曲げ性に
劣るものであった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−143535(JP,A) 特開 昭63−127243(JP,A) 特開 昭63−78788(JP,A) 特開 昭62−35340(JP,A) 特開 昭62−27735(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G03F 7/09 G03F 7/11

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】二軸配向ポリエステルフィルムの少なくと
    も片面に、アルコキシシラン或いはグリシジル基を含有
    する不飽和結合を有する化合物をグラフトしてなる非水
    系ポリエステル共重合体を主成分とした被覆層を設けた
    受像シートであって、該非水系ポリエステル共重合体の
    ガラス転移温度(Tg)が5〜90℃であることを特徴とす
    る受像シート。
  2. 【請求項2】二軸配向ポリエステルフィルムが白色無機
    粒子を含むことを特徴とする請求項(1)記載の受像シ
    ート。
  3. 【請求項3】二軸配向ポリエステルフィルムがこれと異
    種で、かつ、非相溶の熱可塑性樹脂を含むことを特徴と
    する請求項(1)または(2)記載の受像シート。
  4. 【請求項4】被覆層に架橋結合剤を含むことを特徴とす
    る請求項(1)〜(3)のいずれかに記載の受像シー
    ト。
  5. 【請求項5】二軸配向ポリエステルフィルムの一方の面
    に被覆層を設け、他方の面に帯電防止層を設けたことを
    特徴とする請求項(1)〜(4)のいずれかに記載の受
    像シート。
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