JP2000250247A - 電子写真用記録材および画像形成方法 - Google Patents

電子写真用記録材および画像形成方法

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JP2000250247A
JP2000250247A JP5618099A JP5618099A JP2000250247A JP 2000250247 A JP2000250247 A JP 2000250247A JP 5618099 A JP5618099 A JP 5618099A JP 5618099 A JP5618099 A JP 5618099A JP 2000250247 A JP2000250247 A JP 2000250247A
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toner
image
recording material
film
transparent resin
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JP5618099A
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Chizuru Koga
千鶴 古賀
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Fuji Xerox Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 定着時にオイルを用いることなく、巻き付け
を防止し、良好な色調再現性を有する電子写真用記録材
および画像形成方法の提供。 【解決手段】 耐熱性を有する透明樹脂で形成されたフ
ィルムの片面に分子中にスチレン骨格を少なくとも有す
るポリエステル樹脂を含む透明樹脂層を2μm以下の厚
みで設けた電子写真用記録材と、電潜像担持体における
静電潜像をワックス成分を含有するトナーを用いて現像
して静電潜像担持体上にトナー画像を形成し、前記電子
写真用記録材の表面に該トナー画像を転写し、記録材表
面の該トナー像を該記録材に定着する画像形成方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電子写真用記録材お
よび静電潜像をトナーを用いて現像して静電潜像担持体
上にトナー画像を形成し、記録材の表面に該トナー画像
を転写し、該記録材の表面のトナー画像を記録材に定着
する画像形成方法に関し、特に透明な樹脂層を積層した
電子写真用記録材と、この記録材を用いてフルカラート
ナー画像を該記録材に形成する画像形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の一般的なフルカラーのトナー画像
形成方法について説明する。静電潜像担持体である感光
体ドラムの感光体を一次帯電器によって均一に帯電し、
原稿のイエロー画像信号にて変調されたレーザー光によ
り画像露光を行い、感光体ドラム上に静電荷潜像を形成
し、イエロー現像器に保有されているイエロートナーで
該静電荷潜像を現像して、イエロートナー画像を形成す
る。次に搬送されてきた記録材に転写帯電器によって前
記の感光体ドラムに現像されたイエロートナー画像を転
写する。
【0003】一方、前記の記録材にトナー画像の転写を
行った後の感光体ドラムは、除電用帯電器により除電さ
れ、更にクリーニング手段によってクリーニングされた
後再び一次帯電器によって帯電され、同様にブラックト
ナー画像の形成及び前記のイエロートナーが転写されて
いる記録材へのブラックトナー画像の転写を行い、さら
にマゼンタ色、シアン色と順次同様に行ってイエロー、
ブラック、マゼンタ及びシアンの4色のトナー画像を有
する記録材を定着システムに供給し熱及び圧力の作用に
より記録材に定着することによりフルカラーの定着され
たトナー画像を形成する。
【0004】該カラーの定着されたトナー画像形成方法
で使用されるトナーは、熱を加えた場合の溶融性および
混色性が良い事が必要であり、更に軟化点が低く且つ溶
融粘度が低くシャープメルト性が高いことが望まれる。
そのため、結着樹脂としては、比較的シャープメルト性
の高いポリエステル系樹脂が多用されてきた。上記のシ
ャープメルト性が高いトナーを使用することによって複
写物の色再現範囲を広め、原稿像に忠実なカラーコピー
を得ることができる。
【0005】しかしながら、このようなシャープメルト
性の高いトナーは、定着部材との親和性が高く、定着時
に定着部材にオフセットし易い傾向にある。特にフルカ
ラーのトナー画像形成方法における定着手段の場合、記
録材上にイエロー、ブラック、マゼンタ、シアンと複数
層のトナー層が形成されるため、特にオフセットが発生
し易い傾向にある。
【0006】したがって従来においては、定着部材から
トナーの離型性を向上させるため、定着部材にシリコー
ンオイルの如き離型剤を塗布することが行われている。
しかしながら、このような画像形成方法においては、以
下のような問題が生じていた。例えば、オイルの如き離
型剤を定着部材に塗布するため、装置全体の構成が複雑
になるとともに、オイルを塗布することにより定着部材
の短寿命化を促進するという問題が生じる。
【0007】更に、近年多様な複写のニーズに伴い、記
録材として例えばオーバーヘッドプロジェクター(OH
P)用のトランスペアレンシーフィルムの如き樹脂性の
フィルムを用いて定着したトナー画像を形成することが
広く行われはじめているが、前述の如き定着時にオイル
を用いた定着方法によりトナー画像をフィルムに定着し
た場合には、用いたオイルがフィルムの表面に付着され
てしまい、得られたトナー画像を受像するフィルムの品
質を大きく低下させていた。
【0008】したがって、上述の問題を解決した定着時
にオイルの塗布を必要としない定着システムの確立及び
それを達成するための離型性を持ったトナーの開発が期
待されていた。
【0009】上記の課題に対してワックスの如き離型剤
を含有した、懸濁造粒トナーや混練粉砕トナーが提案さ
れている。重合法、懸濁造粒法、混練粉砕法により得ら
れたワックス内添トナーは、低融点のワックスの内包化
により、耐ブロッキング性と低温定着という相反する性
能を両立することが可能である。すなわち、低融点ワッ
クスが内包化されていることにより、耐ブロッキング性
能を低下させることなく、低温で溶融するワックスによ
りトナー中の熱伝導性が向上し、その結果、低温定着が
可能となる。さらに好ましいことには、定着時に溶融し
たワックスが離型剤としても働くため、定着部材にオイ
ルの如き離型剤を塗布することなく、高温オフセットを
防止することが可能となる。
【0010】しかしながら、定着部材にオイルの如き離
型剤を塗布することなく画像定着を行う場合、従来使用
されているカラーの間接乾式電子写真方式用被転写フィ
ルムが定着部材で加圧加熱される際に透明樹脂層が定着
ロールに粘着するオフセット現象が発生し易くなり、透
明樹脂層が定着ロールにとられて、画像がなくなった
り、定着ロールに巻き付くトラブルが発生する。(以下
この現象を巻き付きと記載する)
【0011】また、従来から使用されている白黒の間接
乾式電子写真方式用被転写フィルムは、走行性やトナー
定着性等の改善は図られているが、間接乾式フルカラー
電子写真方式複写機/プリンタートナーに使用する場
合、OHPによるカラー投影画像は、トナーの凹凸のた
めに空気との境界面で生ずるオーバーヘッドプロジェク
ターからの入射光の屈折が大きいために、特に中間調部
のカラー発色性に欠け十分なカラー投影画質が得られ
ず、濁った画像となっていた。
【0012】この発色性の問題を解決するためには、透
明フィルム上に形成されたトナー画像の凹凸を小さくす
る必要があり、特開昭59−184361号公報には、
トナー画像表面にラッカー等を噴霧塗布する方法が提案
されているが、溶剤によってトナーが溶解され画像の鮮
鋭度低下、色ムラあるいは非画像部の汚染等の問題が発
生する。また、特開昭60−52861号公報には、ト
ナー画像をラミネートフィルムで被覆する方法が提案さ
れており、特開昭61−36756号公報及び同61−
36762号公報には、トナー画像に透明フィルムを重
ね合せてヒートロールで定着した後に、前記透明フィル
ムを剥離する方法が提案されている。しかしながら、こ
れらの方法は、画像形成後の処理工程数が多くなり、透
明フィルムを剥離する時にトナー画像が破壊される等の
問題が発生する。
【0013】また、特開昭63−80273号公報に
は、トナーが充分溶解する温度で定着する方法、トルエ
ン等の溶剤を用いて定着する方法、定着した画像面を研
磨する方法、トナーを溶解しない透明塗料を定着後のト
ナー像に塗布する方法が提案されているが、オイルの塗
布を行わない定着システムの場合、ハーフトーン部の如
きトナーの少ない部分の凹凸を少なくしようとすると、
トナー量の多い部分でオフセットが発生してしまい、オ
ーブンのような非接触加熱定着装置では、透明フィルム
の波うちを生じ、且つ十分な透光性を得るにはかなりの
定着時間が必要になるという欠点がある。溶剤を用いる
方法の場合は、ハーフトーン部分のトナーの凹凸が少な
くなる状態まで、溶剤によりトナーの流動性を上げた場
合、高濃度部分で画像のくずれ、流れが生じてしまうと
いう欠点がある。画像を研磨する方法の場合は、比較的
トナー量の多い部分では透光性を増加させるが、低濃度
領域ではトナーの凹凸を十分に少なくすることができな
いという欠点がある。更にトナーを溶解しない透明塗料
をトナー画像上に塗布する方法の場合は、トナー粒子と
トナー画像上に明確な境界ができる場合があり、この境
界面で入射光が散乱し、彩度の低い、暗い投影画像にな
るという欠点がある。
【0014】さらに上記問題点を改善するために以下の
方法が提案されている。例えば、特開平3−19806
3号公報には、トナー像を平滑化するために、OHPシ
ートの受像層樹脂として、融点がトナーの結着剤のTg
以上でかつトナー結着剤より低い溶融粘度のものを使用
する方法が提案されている。また特開平4−12556
7号公報には、トナーより低軟化点の熱可塑性樹脂を含
有するトナー像保持層を設けることによりトナー像の凹
凸をなくす方法が提案されている。また特開平4−21
2168号公報ではトナーより流動化し得る温度が低い
樹脂の被膜層を設け、画像の光沢をもたせ投影画像の色
再現性を高める方法が提案されている。また特開平5−
88400号公報では、トナー定着温度においてトナー
結着樹脂より見かけの溶融粘度が低い透明樹脂層を設け
ることによりトナー像の凹凸をなくす方法が提案されて
いる。しかしながらいずれもオイルの塗布を行わない定
着システムにおける巻き付きの問題を解決するには至っ
ていない。
【0015】また、特開平2−263642号公報に
は、透明フィルム上に形成されたトナー画像の凹凸を小
さくし、巻き付き現象をなくす方法として、トナー結着
樹脂と相溶性をもたせるために特定の溶解度パラメータ
ーを持ち、かつトナー定着温度においてトナー結着樹脂
よりも貯蔵弾性率の大きい透明樹脂層を透明フィルム上
に設ける方法が提案されている。しかしながら、トナー
結着樹脂との相溶性を持たせるためには、提案されてい
る溶解度パラメーターだけではトナーと透明塗工樹脂は
十分に相溶しておらず、またトナー結着樹脂より単に貯
蔵弾性率を高くするだけでは、溶融トナーを透明樹脂層
内に埋め込むことはできない。すなわちトナー像の凹凸
を十分に小さくすることはできないので、特に中間調画
像部の投影画像は発色性に劣るものである。
【0016】以上示したように、従来技術ではトナー像
の凹凸を十分に小さくしカラー発色性を良くした上で、
さらに定着部材にオイルを塗布しない状態での巻き付き
現象を改善することはできなかった。
【0017】また、巻き付きが発生せずプリントサンプ
ルが排紙された場合にも剥離部材にかかる荷重が大きい
場合は画像表面に剥離部材との接触跡が残り、良好な画
像が得られなくなる。
【0018】また、特開平9−292733公報では、
オイルレス定着に用いられるワックス内添重合トナーの
結着樹脂はスチレンアクリル樹脂である場合が多いこと
からスチレンアクリル系樹脂を使用した受像層が提案さ
れているが、この場合該OHPフィルムに塩化ビニル系
の樹脂製品が接触した場合に、該OHPフィルムと塩化
ビニル樹脂製品が相溶し結着してしまう現象(以後、塩
ビオフセツト)が発生し、保存性に問題がある。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来の
技術における問題点を解決した電子写真用記録材と画像
形成方法を提供することを目的とする。すなわち、本発
明は、定着時にオイルを用いることなく品質の優れた定
着したトナー画像の得られる電子写真用記録材および画
像形成方法を提供し、保存性の優れた光透過性被記録材
を提供する事を目的とする。
【0020】また、本発明は透明性に優れた品質の良い
定着したカラートナー画像の得られる電子写真用記録材
および画像形成方法を提供することを目的とする。
【0021】本発明はオーバーヘッドプロジェクター
(OHP)に用いた際に投影画像が全体的にグレーがか
ってしまうことなく、良好な色調再現性を有するカラー
またはフルカラーの投影画像の得られる定着したトナー
画像を得ることができる電子写真用記録材および画像形
成方法を提供することを目的とする。
【0022】本発明は定着時の巻き付き性の良好な定着
されたトナー画像の得られる電子写真用記録材および画
像形成方法を提供することを目的とする。
【0023】
【発明を解決するための手段】本発明の電子写真用記録
材は、耐熱性を有する透明樹脂で形成されたフィルムの
少なくとも片面に分子中にスチレン骨格を少なくとも有
するポリエステル樹脂を含む透明樹脂層を2μm以下の
厚みで設けたことを特徴とする。この透明樹脂層は、分
子中にスチレン骨格を少なくとも有するポリエステル樹
脂を90重量%以上含有することが望ましい。
【0024】本発明の画像形成方法は、静電潜像担持体
における静電潜像をワックス成分を含有するトナーを用
いて現像して静電潜像担持体上にトナー画像を形成し、
記録材の表面に該トナー像を転写し、記録材表面の該ト
ナー像を該記録材に転写する画像形成方法において、前
記記録材が上記した電子写真用記録材からなることを特
徴とする。画像形成方法に関して、定着時に定着部材に
付属する剥離部材に対してかかる荷重を10gf以下と
することが望ましい。画像形成方法に用いられるトナー
としては、懸濁造粒によって得られたトナー、あるいは
混練、粉砕及び分級を有する方法によって得られた粉砕
トナーが使用される。これらのトナーは、着色剤を含有
するシアントナー、マゼンタトナー、イエロートナーお
よびブラックトナーから構成されるフルカラートナーで
あり、本発明はこれらのカラートナーを用いて記録材の
表面にフルカラードナー画像を定着する。
【0025】本発明で使用されるトナーは、トナー内部
にワックス成分を内包化しているため、定着時に融解し
たワックスが離型剤として効果的に働き、そのため定着
部材にオイルの如き離型剤を塗布することなくトナー画
像を定着することが可能となった。
【0026】しかしながら、トナーが剥離した場合にも
記録材表面が定着部材に結着して巻き付き現象が発生し
たり、画像の凹凸が大きいために中間調部のカラー発色
性が悪く、濁った画像になってしまうことが確認されて
いる。
【0027】また、透明樹脂層にスチレンアクリル系共
重合体樹脂やスチレンブタジエン共重合体樹脂を高割合
で使用した場合、塩ビオフセットが頻発し保存性が悪化
する。
【0028】本発明者等は、カラー投影画像の発色性、
及び透明樹脂層の巻き付き、保存性を改善した電子写真
用被転写フィルムの提供を目指すために、特に透明樹脂
層に使用する樹脂の特性を鋭意検討した結果、透明樹脂
層における、分子内のスチレン骨格の有無が前記問題点
に大きく起因していることを見出し、本発明を完成する
に至った。
【0029】従来のカラー用OHPフィルムは受像層樹
脂を柔らかくしつつトナーと同種の樹脂を用いることに
より相溶性を上げ、受像層に厚みを持たせてトナーを埋
め込む構造を取ることによって画像の平坦化を図ってい
る。そのため画像の凹凸は小さくなり投影画質は向上す
るが、定着部材表面と受像層との接着性が大きくなり、
フィルムの巻き付き・オフセットが発生し易くなる。特
に定着部材表面にオイルの如き離型剤を塗布しない場合
には、確実に巻き付きが発生し、定着画像を得ること自
体が困難となる。
【0030】また、従来の白黒用OHPフィルムは受像
層樹脂の貯蔵弾性率は高く、かつ受像層の塗布厚も薄く
なっている。そのため、定着部材への巻き付き・オフセ
ットは発生し難いが、受像層樹脂はトナーとの相溶性が
悪いため、トナーの盛り上がりによる凹凸が著しく、そ
れによって透過光が乱反射してしまい投影画像の発色性
が悪くなり全体にグレーがかってしまう。
【0031】すなわち、本方式においてカラー投影画像
の色再現性を上げるためには、被転写フィルムの表面お
よび透明樹脂層内部で投影する光が従来の白黒用OHP
フィルムのように乱反射することを防ぎ、かつ従来のカ
ラー用OHPフィルムで生じる巻き付き・オフセットを
同時に改善しなければならない。そのためには透明樹脂
層表面でカラートナー像(特に中間調部)の凹凸が小さ
いことが必要であり、そのためには従来のカラー用OH
Pフィルムのようにトナーを埋め込む構造をとりつつ、
定着部材への巻き付き・オフセットの発生を抑制するこ
とが必要であることを見出した。
【0032】すなわち、分子中にスチレン骨格を含むポ
リエステル樹脂を含む、好ましくは90重量%以上含有
する受像層(透明樹脂層)を付与することによって透明
樹脂層内部でのトナーと透明樹脂問でのオーバーヘッド
プロジェクターからの光の屈折が防止でき、トナー画像
の凹凸を小さく出来るため投影画像としてにごりがない
発色性に優れた画質になることを見出した。また透明樹
脂層塗布厚も投影画質と巻き付きに効き、トナー像を埋
め込み且つ定着時の透明樹脂層内での層剥離や、巻き付
きを防止するためには、2μm以下にすることが必要で
あることを見出した。また、ポリエステル分子中にスチ
レン骨格を持たせることによって、スチレンアクリル系
樹脂やスチレンブタジエン系樹脂を用いることなく、ス
チレン系トナーとの相溶性を改善し且つ塩ビオフセット
を改善することができることを見出した。
【0033】したがって、高投影画質と巻き付き防止を
両立するためには、分子中にスチレン骨格を含むポリエ
ステル樹脂を90重量%以上含有する透明樹脂層を有
し、透明樹脂層の厚みが2.0μm以下であり且つ定着
時の剥離部材に対する荷重が10gf以下であることが
望ましい。
【0034】
【発明の実施の形態】以下、本発明の電子写真用記録材
および画像形成方法をさらに詳細に説明する。図1、2
は本発明の電子写真用記録材の好ましい実施の形態を示
す断面図であり、図において101は透明樹脂で形成さ
れたフィルム、102は透明樹脂層である。本発明に用
いるフィルム101としては、耐熱温度が100℃以上
のポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレン
ナフータレートフィルム、ポリスルフォンフィルム、ポ
リフェニレンテレフタレートフィルム、ポリイミドフィ
ルム、ポリカーボネートフィルム、セルロースエステル
フィルム、ポリアミドフィルム等が例示される。中でも
ポリエチレンテレフタレートフィルムが耐熱性および透
明性の点で特に好ましい。フィルム101の耐熱温度が
100℃未満の場合は、熱定着した時に変形し、フィル
ムが波打ちを起こし、使用に耐えないものとなる。また
フィルム101の厚さは、熱定着時の加熱によりフィル
ムが柔らかくなった時にシワを発生させない程度の厚み
が必要であり、一般には50μm以上、好ましくは75
μm以上の厚みが要求される。フィルム101の厚みの
上限は、光線透過率の低下を考慮して200μm以下、
好ましくは150μm以下がよい。したがって、フィル
ム101の厚さは、50〜200μm、好ましくは75
〜150μmの範囲に設定すればよい。
【0035】一般にトナー中の結着樹脂としてはポリエ
ステルやスチレン−アクリル系共重合体が用いられてい
る。その中でも、ワックスの如き離型剤を多量に含有し
たトナーは重合法によって直接トナー粒子が合成される
ことが多く、結着樹脂としてはスチレン−アクリル系共
重合樹脂が用いられる。
【0036】そのため、トナー受容層に用いられる熱可
塑性樹脂にも、定着牲、画像透過性の観点からスチレン
系共重合体を用いることが好ましいとされてきたが、ス
チレン系共重合体は塩化ビニル樹脂と相溶性が良く、塩
ビオフセットが発生することが多いため、ポリエステル
樹脂を用いる方が保存性は良い。したがって、少なくと
も分子中にスチレン骨格を有するポリエステル樹脂を用
いることが必要とされる。これによって粉砕法において
ポリエステル樹脂をバインダーとして用いたワックス内
添トナーとの相溶性も向上し、良好な画質が得られるこ
ととなる。
【0037】透明樹脂層102の樹脂としては、分子中
にスチレン、パラクロロスチレン、α−メチルスチレン
等のスチレン骨格を有するポリエステル樹脂等が挙げら
れる。これらのポリエステル樹脂は、アクリル酸メチ
ル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸ラウリル、ア
クリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メ
タクリル酸エチル、等の不飽和結合を有するエステル類
を主骨格としスチレン骨格を含むものが挙げられる。ま
た、分子中にスチレン骨核を有するポリエステル樹脂
は、透明樹脂層中に少なくとも90重量%以上含有され
ることが好ましくは、より好ましくは95重量%以上含
有されることが望ましい。透明樹脂層中の分子中にスチ
レン骨核を有するポリエステル樹脂が90量%未満の場
合、ポリエステル系トナーでの画質、スチレン系トナー
での画質の両立が不充分となり好ましくない。
【0038】透明樹脂層中には、上記のスチレン骨核を
有するポリエステル樹脂に他の樹脂を含有していてもよ
い。このような樹脂としては、エチレン、プロピレン、
ブタジエンなどのオレフィン骨格を有するポリエステル
樹脂等が挙げられる。この種のポリエステル樹脂として
は、アクリル酸メチル、アクリル酸nープロピル、アク
リル酸ラウリル、等の不飽和結合を有するエステル類を
主骨格とするもの等が挙げられる。
【0039】透明樹脂層の厚さは、2μm以下であるこ
とが必要であり、好ましくは1.5μm以下0.5μm
以上である。透明樹脂層の塗布厚が2μmを超えると定
着時樹脂層内で層剥離しオフセットを起こし易くなるこ
とから好ましくない。
【0040】また透明樹脂層には、必要に応じて、フィ
ルム間摩擦係数調整用のマット剤、或るいは帯電防止剤
を含有させることができる。マット剤としては、シリ
カ、でんぷん、アルミナ等の微粒子や、ポリエチレン、
ポリエステル、ポリアクリロニトリル、ポリメチルメタ
アクリレート等のプラスチックパウダーがあげられる。
マット剤の使用量は、使用する樹脂に対し0.1重量%
〜10重量%の範囲が好ましい。帯電防止剤としては、
アルキルベンゾイミダゾールスルホン酸塩、ナフタリン
スルホン酸塩、カルボン酸スルホンエステル、リン酸エ
ステル、ヘテロ環アミン類、アンモニウム塩類、スルホ
ニウム塩類、ホスホニウム塩類、ベタイン系両性塩類、
またはZnO、SnO2、AI23、In23、Mg
O,MoO3、等からなる金属酸化物等があげられる。
本発明において、透明樹脂層102をフィルム101の
片面に設ける場合は、図1(B)に示すようにもう一方
の面に帯電防止層103を設けるのが好ましい。帯電防
止剤としては、上記記載の透明樹脂層に使用するものと
同じものを使用することができる。
【0041】上記した電子写真用記録材は、例えば、メ
タノール、エタノール等のアルコール類、アセトン、メ
チルエチルケトン等のケトン類、メチレンクロライド、
エチレンクロライド、テトラクロルエタン等の塩素化炭
化水素類の1つあるいは2つ以上の混合有機溶剤、又は
酢酸エチル、テトラヒドロフランに、スチレン骨格ヲ有
するポリエステル樹脂を溶解し、必要に応じて任意の成
分を添加し、バーコーター法、ディップ法、スプレー
法、スピンコート法の如き塗布方法で耐熱性を有する透
明樹脂で形成されたフィルム101上に塗布し乾燥して
透明樹脂層102を形成し、必要に応じて帯電防止層を
設けることによって電子写真用記録材を製造することが
できる。また、本発明の電子写真用記録材は、図2に示
すようにフィルム101の両面に設けてもよい。この電
子写真用記録材は、特に表裏を問わずに、高画質な画像
が得られるため、印字面の確認が不要であり、使用が簡
単である。
【0042】次に発明の画像形成方法に使用するトナー
について説明する。カラー電子写真装置に使用されるト
ナーは熱を印加した際の溶融性及び混色性が良いことが
必要であり、軟化点が低く定着温度における貯蔵弾性率
が低く、シャープメルト性のトナーを使用することが好
ましく、粉砕法トナー又は懸濁造粒トナーが使用され
る。
【0043】本発明で用いられる粉砕法トナーは、混
練、粉砕及び分級により得られたトナーを使用すること
ができる。トナーの結着樹脂に用いられる重合体として
は、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸の如き酸類
及びそのエステル類;ポリエステル;ポリスルホネー
ト:ポリエーテル;ポリウレタンの如き単量体を重合し
て得られた樹脂又はそれらの単量体を二種以上共重合し
て得られた樹脂を用いることができる。これらの樹脂と
ワックス成分を含め他のトナー構成材料を熱ロール、ニ
ーダー、エクストルーダーの如き熱混練機によって良く
混練した後、機械的な粉砕及び分級によって得ることが
できる。
【0044】このようなトナー構成成分の混練、粉砕及
び分級によって得られたトナーにおいてはトナーの重量
を基準として、好ましくは0.1〜10重量%、より好
ましくは0.5〜7重量%ワックス成分を含有している
ことが良い。該含有量が0.1重量%未満の場合にはワ
ックス成分による定着時のトナーの離型効果が少なく、
含有量が10重量%を超える場合には、トナー中へのワ
ックス成分の均一分散性が低く、ワックス成分の偏在が
生じ易い。
【0045】本発明で用いられる懸濁造粒トナーは以下
の如き方法にて得られる。結着樹脂と着色剤及び離型剤
(更に必要に応じて磁性体、帯電制御剤及びその他の添
加剤)を水と親和しない溶剤中で混合する工程、得られ
た組成物をカルボキシル基を有する重合体で被覆された
BET比表面積10乃至50m2/gの親水性無機分散
剤及び/又は粘度調整剤の存在下で水系媒体中に分散さ
せる工程、及び/又は得られた懸濁液を水系媒体で希釈
する工程、及び得られた懸濁液から加熱及び/又は減圧
により溶剤を除去する工程を経て所望のトナーが得られ
る。
【0046】上記の懸濁造粒トナーにおける結着樹脂と
しては、公知の物ならば如何なる物でも使用することが
出来る。具体的には、熱可塑性樹脂、例えば、スチレ
ン、パラクロロスチレン、α−メチルスチレンなどのス
チレン類、アクリル酸メチル、アクリル酸n−プロピ
ル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸2−エチルヘキシ
ル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタク
リル酸n−プロピルメタクリル酸ラウリル、メタクリル
酸2−エチルヘキシルなどの不飽和結合を有するエステ
ル類、アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどの不
飽和結合を有するニトリル類、ビニルエチルエーテル、
ビニルイソブチルエーテルなどのビニルエーテル類、ビ
ニルエチルケトン、ビニルイソプロペニルケトンなどの
ビニルケトン類、エチレン、プロピレン、ブタジエンな
どのオレフィン類などの単量体を用いた重合体又は共重
合体、またはこれらの混合物などが挙げられ、更にはエ
ポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポ
リアミド樹脂、セルロース樹脂、ポリエーテル樹脂など
の非ビニル系縮合樹脂、これら縮合樹脂に前記ビニル系
単量体を重合することによって得られるグラフト共重合
体などを使用することが出来る。
【0047】上記の懸濁造粒トナーにおける水と混和し
ない溶剤とは、常温で水に対する溶解度が30%以下の
ものを意味し具体的にはジエチルエーテル、イソプロピ
ルエーテルなどのエーテル系溶剤、ジクロルメタン、ク
ロロホルム、四塩化炭素などのハロゲン化炭化水素系溶
剤、酢酸エチル、酢酸メチル、酢酸n−プロピルなどの
エステル系溶剤、トルエン、キシレンなどの炭化水素系
溶剤、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンな
どのケトン系溶剤またはそれらを混合したものなどを挙
げることが出来る。
【0048】本発明においては、トナーの帯電性を制御
する目的でトナー中に荷電制御剤が添加されていること
が好ましい。これらの荷電制御剤としては、公知のもの
のうち、重合阻害性及び水相移行性のほとんど無い物を
用いることができる。正荷電制御剤としては、例えば、
ニグロシン系染料、トリフェニルメタン系染料、4級ア
ンモニウム塩、アミン系化合物及びポリアミン系化合物
が挙げられ、負荷電制御剤としては、例えば含金属サリ
チル酸系化合物、含金属モノアゾ染料系化合物、スチレ
ン−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重
合体が挙げられる。
【0049】本発明で用いられるトナーに含有される着
色剤としては、公知のものが使用でき、例えばカーボン
ブラック;鉄黒;C.I.ダイレクトレッド1、C.
I.ダイレクトレッド4、アッシドレッド1、C.I.
べーシックレッド1、C.I.モーダントレッド30、
C.I.ソルベントレッド49、C.I.ソルベントレ
ッド52、C.I.ダイレクトブルー1、C.I.ダイ
レクトブルー2、C.I.アッシドブルー9、C.I.
アッシドブルー15、C.I.べーシックブルー3、
C.I.べーシックブルー5、C.I.モーダントブル
ー7、C.I.ダイレクトグリーン6、C.I.べーシ
ックグリーン4、C.I.べーシックグリーン6の如き
染料;黄鉛、カドミウムイエロー、ミネラルファストイ
エロー、ネーブルイエロー、ナフトールイエローS、ハ
ンザイエローG、パーマネントイエローNCG、タート
ラジンレーキ、モリブデンオレンジ、パーマネントオレ
ンジGTR、ベンジジンオレンジG、カドミウムレッ
ド、パーマネントレッド4R、ウォッチングレッドカル
シウム塩、ブリリアントカーミン3B、ファストバイオ
レットB、メチルバイオレットレーキ、紺青、コバルト
ブルー、アルカリブルーレーキ、ビクトリアブルーレー
キ、キナクリドン、ジスアゾ系のイエロー顔料、フタロ
シアニンブルー、ファーストスカイブルー、ピグメント
グリーンB、マラカイトグリーンレーキ、ファイナルイ
エローグリーンGの如き顔料が挙げられる。
【0050】本発明で用いられるトナーに含有する離型
剤としてのワックスは、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリブテンなどの低分子量ポリオレフィン類、加熱
により軟化するシリコーン樹脂、オレイン酸アミド、エ
ルカ酸アミド、リシノール酸アミド、ステアリン酸アミ
ドの脂肪酸アミド類、カルナウバワックス、ライスワッ
クス、キャンデリラワックス、木ロウ、ホホバ油などの
植物系ワックス、ミツロウなどの動物系ワックス、モン
タンワックス、オゾケライト、セレシン、パラフィンワ
ックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャー
トロプシュワックスなどの鉱物・石油系ワックス、及び
それらの変性物が使用できる。これら離型剤を使用する
に当たっては、一般にはカルナウバワックスやキャンデ
リラワックスのような極性の大きなロウエステルを含有
するワックスの場合は、トナー粒子表面におけるワック
スの露出量が大きく、反対に、ポリエチレンワックスや
パラフィンワックスのように極性の小さいワックスの場
合は、表面への露出量が減少する傾向にある。
【0051】本発明で使用されるトナーに含有されるワ
ックスの融点は30〜150℃であるのが好ましく、よ
り好ましくは40〜140℃が良い。融点が30℃より
低い場合、トナーの耐ブロッキング性及び保形性が十分
でなく、150℃より高い場合、離型性の効果が十分で
ない。
【0052】次に本発明に係わる画像形成方法の好まし
い実施の形態について説明する。図3は、本発明に使用
するフルカラー画像を形成し得る電子写真装置の概略的
断面図の一例を示す。電子写真装置は、装置本体の下側
から装置本体の略中央部に亘って設けられている転写材
搬送系と、装置本体の略中央部に、前記転写材搬送系を
構成している転写ドラム10に近接して設けられている
潜像形成部と、前記潜像形成部と近接して配設されてい
る現像装置とに大別される。
【0053】潜像形成部は、外周面が前記転写ドラム1
0の外周面と当接して配設されているとともに、矢印方
向に回転自在な静電潜像保持体(感光体ドラム)1と、
その静電潜像担持体の外周面近傍に配設されている帯電
器8と、その静電潜像保持体の外周面上に静電潜像を形
成するためのレーザービームスキャナの如き像露光手段
とポリゴンミラーの如き像露光反射手段を有する書き込
み装置9と、クリーニング装置12とを具備している。
【0054】現像装置は、ハウジング6および現像剤担
持体7から構成されており、前記静電潜像保持体1の外
周面と対向する位置にて静電潜像保持体の外周面上に形
成された静電潜像を可視化(すなわち現像)するための
ブラック現像機2、マゼンタ現像機3、シアン現像機4
およびイエロー現像機5を有している。
【0055】上記構成を有する電子写真装置による画像
形成のシーケンスについて、フルカラーモードの場合を
例にとって説明する。前述した静電潜像保持体1が矢印
方向に回転すると、その静電潜像保持体表面が帯電器8
により均等に帯電される。帯電器8による均等な帯電が
行われると、原稿(図示せず)のブラック画像信号にて
変調されたレーザ光により書き込み装置9を通して、静
電潜像保持体1上に静電潜像が形成され、ブラック現像
機2により前記静電潜像の現像が行われる。一方、供給
用トレイ15または16から給紙ローラー17または1
8、給紙ガイド19または20を経由して搬送されてき
た転写材は、当接用ローラー23と対向している電極2
4によって静電的に転写ドラム10に巻き付けられる。
転写ドラム10は、静電潜像保持体1と同期して矢印方
向に回転しており、ブラック現像機2で現像された顕画
像は、静電潜像保持体1の外周面と転写ドラム10の外
周面とが当接している部位で、転写装置11によって乾
写される。転写ドラム10はそのまま回転を継続し、次
の色の転写に備える。
【0056】一方、静電潜像保持体1は、陰電用帯電器
(図示せず)により除電され、クリーニング装置12に
よってクリーニングされた後、再び帯電器8によって帯
電され、次のマゼンタ画像信号により前記のような潜像
光を受ける。マゼンタ画像信号により像露光を受けて形
成された静電潜像は、マゼンタ現像器3により現像され
顕画像となる。引続いて、上記したようなプロセスをそ
れぞれシアン色およびイエロー色に対しても実施し、4
色分の乾写が終了すると、転写材上に形成された多色顕
画像は帯電器21により除電され、用紙搬送装置13に
より定着器14に送られ、熱と圧力により定意され、一
連のフルカラー画像形成シーケンスが終了する。
【0057】前記定着器14は、図4に示すように、そ
の主要部が同様の構造のヒートロール14aとプレッシ
ャーロール14bとで構成されている。ヒートロール1
4aは、内部に500Wのコルツランプを備え、外径4
4mmφのスチール製コア材で形成された基質ロール
と、適宜プライマーを介して上記基質ロール上に設けら
れたゴム硬度がJIS硬度において60およびその厚み
が40μmからなるフッ素系ゴム(例えはデュポン社バ
イトンゴム)とで構成されている。一方、プレッシャー
ロールも同様な構成で、外径48mmφのスチール製コ
ア材で形成された基質ロールと、この基質ロール上に設
けられたシリコンゴムよりなる厚みが1mmの内側弾性
層とを用いたことを除いては全く同様の構成となってい
る。
【0058】上記ヒートロール14aとプレッシャーロ
ール14bとは、加圧機構により圧接されて、中央部で
6mmのニップ巾が形成されている。さらに両ロールと
も表面温度が150℃に設定され、互いに矢印方向へ表
面速度が6mm/secで回転するように構成されてい
る。更に、用紙/OHPフィルムなどのロールヘの張り
付きを抑制するために、剥離フィンガー14cが付属し
ており、画像が定着されたフィルムは、排出トレー22
に排出される。
【0059】
【実施例】以下本発明を実施例に基づいて具体的に説明
する。なお、実施例中において、特に断りのない限り
「部」は{重量部}を意味する。 実施例1 厚さ100μmのポリエチレンテレフタレート(以下P
ET)フィルムに末端にスチレンモノマーを付加したポ
リエステル樹脂を酢酸エチルに対して10重量%添加
し、帯電防止剤として、リン酸アルキル系界面活性剤を
ポリエステル樹脂に対して0.5重量%添加し、溶かし
た溶液をブレードコーター法により塗布し、乾燥後の透
明樹脂層の塗布厚が1μmとなるようにし、電子写真用
被転写フィルムを作成した。
【0060】実施例2 厚さ100μmのPETフィルムに分子中にスチレン骨
格を持つポリエステル樹脂を酢酸エチルに対して10重
量%添加し、帯電防止剤として、リン酸アルキル系界面
活性剤をポリエステル樹脂に対して0.5重量%添加
し、溶かした溶液をブレードコーター法により塗布し、
乾燥後の透明樹脂層の塗布厚が1.5μmとなるように
し、電子写真用被転写フィルムを作成し、実施例1と同
様の評価を行った。
【0061】比較例1 厚さ100μmのPETフィルムにポリスチレン樹脂を
トルエンに対して10重量%添加し、帯電防止剤とし
て、リン酸アルキル系界面活性剤をポリスチレン樹脂に
対して0.5重量%添加し、溶かした溶液をブレードコ
ーター法により塗布し、乾燥後の透明樹脂層の塗布厚が
1.5μmとなるようにし、電子写真用被転写フィルム
を作成した。
【0062】比較例2 厚さ100μmのPETフィルムに分子中にスチレン骨
格を含まないポリエステル樹脂をトルエンに対して10
重量%添加し、帯電防止剤として、リン酸アルキル系界
面活性剤をポリエステル樹脂に対して0.5重量%添加
し、溶かした溶液をブレードコーター法により塗布し、
乾燥後の透明樹脂層の塗布厚が1.5μmとなるように
し、電子写真用被転写フィルムを作成した。
【0063】比較例3 厚さ100μmのPETフィルムに、実施例1で使用し
た末端にスチレンモノマーを付加したポリエステル樹脂
を酢酸エチルに対して20重量%添加し、帯電防止剤と
して、リン酸アルキル系界面活性剤をポリエステル樹脂
に対して0.5重量%添加し、溶かした溶液をブレード
ゴーター法により塗布し、乾燥後の透明樹脂層の塗布厚
が3μmとなるようにし、電子写真用被転写フィルムを
作成した。
【0064】 〈ワックス内添トナーの調製〉 スチレレンモノマー(St) 82部 アクリル酸ブチル(BA) 18部 アクリル酸(AA) 4部 以上のモノマー混合物を 水 100部 エマルゲン950(花王(株)製) 1部 ネオゲンR(第一工業製薬(株)製) 2部 からなる水溶液混合物に添加し、過硫酸カリウムを触媒
として用い、攪拌下70℃で8時間重合させて固形分5
0%の酸性極性基含有樹脂エマルジョンを得た。
【0065】こうして得られた酸性極性基含有樹脂エマ
ルジョン200部に対して、 ポリエチレンディスパージョン 20部 (三井石油化学社製ケミパールWF−640) C.Iピグメントブルー 2部 水 350部 を加え、ディスパーサーを用いて攪拌しながら25℃に
加熱した。次いでこの分散溶液を約二時間攪拌した後6
0℃まで加熱しこれをアンモニアによってpH8.0に
調整した。さらに、この分散液を90℃まで加熱し、5
時間この温度を保って粒径約6μmの粒子を得た。この
粒子の分散液を冷却・分離・水洗した後乾燥させて、シ
アントナーを得た。また、混練粉砕法によってワックス
を含まないシアントナーを作成した。
【0066】また、 ポリエステル樹脂: 85部 C.Iピグメントブルー15:3: 10部 カルテバワックス: 5部 上記成分を混練粉砕し青色トナーを得た。
【0067】上記の方法で得られた電子写真用被転写フ
ィルム(電子写真用記録材)及びワックス内添トナーを
用いて図3に示す電子写真装置を使用し、被転写フィル
ム上に、入力網点面積率100%部のトナー量をシアン
が0.65mg/cm2となるように調整する。そし
て、シアントナーの入力網点面積率100%,36%の
パッチを未定着像で出力し、この未定着トナー像を加熱
定着ロール温度150C,平均加熱時間100msec
の条件で定着ロール表面にオイルを塗布することなく、
加熱加圧定着し、被転写フィルム上に定着画像を形成
し、入力網点面積率100%(Cin100%)、36
%(cin36%)パッチの投影画質を評価した。また
同時に巻き付き発生の有無についても評価を行った。
【0068】[巻き付き発生の評価] グレード1:巻き付き未発生 グレード2:やや定着ロールに張り付きぎみだが剥離可
能 グレード3:受像層樹脂が定着ロールに張り付き、巻き
付いてしまう の3段階で評価した。
【0069】[投影画質の評価] グレード1:十分に発色した美しい画質 グレード2:多少のグレー化があるが色は識別できる画
質 グレード3:グレー化が著しく全く発色していない画質 の3段階で評価した。
【0070】[塩ビオフセットの評価]サンプルの上か
ら塩化ビニルシートを乗せ、その上から厚さ1mmのガ
ラス板を乗せる。更にその上に重りを乗せて10g/c
2の荷重がかかるようにする。50℃、50%RHで
24時間保管して、室温まで冷ましてから重りをはずし
塩ビシートを剥いで、 グレード1:フィルムがシートに付着していない グレード2:フィルムがややシートと結着しているが、
手で剥がせる グレード3:フィルムがほとんどシートと結着して手で
剥がすことが困難である の3段階で評価した。
【0071】[剥離力の測定]図4の定着装置の剥離フ
ィンガー14cにひずみゲージを取り付けて定着時にか
かる荷重を測定した。ここで剥離フィンガー14cにか
かる荷重が5gf以上である場合には画像表面にフィン
ガーでこすったような跡(フィンガーマーク)がついて
しまい、特に10gfを超える場合には投影した時に黒
い筋となって現れ、画質を損ねてしまう。
【0072】実施例及び比較例の評価結果を表1および
表2に示す。
【表1】
【0073】
【表2】
【0074】また、実施例1のフィルムを用いて、ワッ
クス成分を含有しないトナーを用いた比較例4、離型剤
としてシリコンオイルを定着部に塗布した比較例5の結
果を表3に示す。
【0075】
【表3】
【0076】各表の結果より、分子中に少なくともスチ
レン骨格を持つポリエステル樹脂を用いた受像層を持つ
フィルムとワックス内添トナーとの組み合わせにより、
従来問題とされてきたオイルによる画質劣化を防止しな
がら、オイルを塗布しない定着部材との離型性と画質と
の両立を図り、且つ塩ビオフセットを防止することが可
能であることが示された。
【0077】
【発明の効果】本発明の電子写真用記録材によれば、ス
チレン骨格を有するポリエステル樹脂で形成された薄層
の受像層を有していることから、この電子写真用記録材
を用いる本発明の画像形成方法によって;ワックス成分
を含有しているトナーを用いて、定着時にオイル使用無
しで定着ロール巻き付きを発生させることなく定着トナ
ー画像を形成することが可能であり安定した定着器での
走行性を提供することができ;かつOHP装置に用いた
際に投影画像が全体的にグレー化してしまうことなく、
良好な色調再現性を有するカラー、又はフルカラーの投
影画像が得られ;塩ビオフセットが発生し難い;という
効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の電子写真用記録材の好ましい一実施
の形態を示し、透明樹脂層をフィルムの片面に設けた電
子写真用記録材の断面図である。
【図2】 本発明の電子写真用記録材の好ましい他の実
施の形態を示し、透明樹脂層をフィルム両面に設けた電
子写真用記録材の断面図である。
【図3】 本発明の電子写真用被転写フィルムにカラー
画像を形成するために用いた間接乾式電子写真装置の概
略的断面図である。
【図4】 本発明の電子写真用被転写フィルムにカラー
画像を形成するために用いた定着装置の概略的断面図で
ある。
【符号の説明】
101:フィルム、102:透明樹脂層、103:帯電
防止層 1:静電潜像保持体、2:ブラック現像機、3:マゼン
タ現像機 4:シアン現像機、5:イエロー現像機、7:現像剤担
持体 8:帯電器、9:書き込み装置、10:転写ドラム、1
1:転写装置、 13:搬送装置、14:定着
器:、14a:ヒートロール、14bプレッシャーロー
ル、14c:剥離フインガー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G03G 9/08 384

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 耐熱性を有する透明樹脂で形成されたフ
    ィルムの少なくとも片面に分子中にスチレン骨格を少な
    くとも有するポリエステル樹脂を含む透明樹脂層を2μ
    m以下の厚みで設けたことを特徴とする電子写真用記録
    材。
  2. 【請求項2】 前記透明樹脂層が、スチレン骨格を少な
    くとも有するポリエステル樹脂を90重量%以上含有す
    ることを特徴とする請求項1に記載の電子写真用記録
    材。
  3. 【請求項3】 静電潜像担持体における静電潜像をワッ
    クス成分を含有するトナーを用いて現像して静電潜像担
    持体上にトナー画像を形成し、記録材の表面に該トナー
    像を転写し、記録材表面の該トナー像を該記録材に転写
    する画像形成方法において、前記記録材が請求項1又は
    請求項2に記載の電子写真用記録材からなることを特徴
    とする画像形成方法。
  4. 【請求項4】 前記記録材を定着するための定着部材に
    付属する剥離部材に対してかかる荷重を10gf以下と
    することを特徴とする請求項3に記載の画像形成方法。
  5. 【請求項5】 前記トナーは懸濁造粒によって得られた
    トナーであることを特徴とする請求項3又は請求項4に
    記載の画像形成方法。
  6. 【請求項6】 前記トナーは混練、粉砕及び分級を有す
    る方法によって得られた粉砕トナーであることを特徴と
    する請求項3又は請求項4に記載の画像形成方法。
  7. 【請求項7】 前記トナーは、着色剤を含有するシアン
    トナー、マゼンタトナー、イエロートナーおよびブラッ
    クトナーから構成されるフルカラードナーであり、該フ
    ルカラートナーを用いて該記録材の表面にフルカラード
    ナー画像を定着する事を特徴とする請求項3乃至請求項
    6のいずれかに記載の画像形成方法。
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