JPH1165156A - 電子写真用光透過性被記録材及びこれを用いた加熱定着方法 - Google Patents

電子写真用光透過性被記録材及びこれを用いた加熱定着方法

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JPH1165156A
JPH1165156A JP27527897A JP27527897A JPH1165156A JP H1165156 A JPH1165156 A JP H1165156A JP 27527897 A JP27527897 A JP 27527897A JP 27527897 A JP27527897 A JP 27527897A JP H1165156 A JPH1165156 A JP H1165156A
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light
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heat fixing
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JP27527897A
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Hiroyuki Ogino
博幸 荻野
Takehiko Oi
毅彦 大井
Naoki Kushida
直樹 串田
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Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 画像定着時において定着手段の表面へのはり
つきのないトナー受容層を有し、かつオーバーヘッドプ
ロジェクター(OHP)に用いた際に、投影された空画
像が、特に画像濃度が低い中間色調部分においてもグレ
ーがかってしまうことなく、良好な色調再現性を有す
る。電子写真用光透過性被記録材、及びそれを用いたト
ナー画像の加熱定着方法を提供すること。 【解決手段】 光透過性基体及び該基体上に形成された
トナー受容層を少なくとも有する電子写真用光透過性被
記録材において、該トナー受容層は少なくともスチレン
−アクリル系樹脂及びワックス成分を含有しており、該
トナー受容層表面に占める該ワックス成分の割合が、単
位面積あたり70%以上であることを特徴とする電子写真
用光透過性被記録材に関する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、トナー画像を形成
するための電子写真用光透過性記録材及び該記録材にト
ナー画像を定着する加熱定着方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般的なフルカラー画像形成方法につい
て説明する。感光ドラムの感光体を均一に帯電し、原稿
のマゼンタ画像信号にて変調されたレーザー光により画
像露光を行い、感光ドラム上に静電潜像を形成し、マゼ
ンタ現像器により該静電潜像の現像を行い、マゼンタト
ナー画像を形成し、この感光ドラムに現像されたマゼン
タトナーを搬送されてきた記録材に、転写帯電器によっ
て転写し、マゼンタ画像を形成する。
【0003】次に、上記の現像及び転写を行った後の感
光ドラムは、除電用帯電器で除電され、クリーニングさ
れた後、再び一次帯電器によって帯電され、上記と同様
にして、感光ドラム上のシアントナー画像の形成、及び
前記のマゼンタトナー画像が転写されている記録材上へ
のシアントナー画像の転写を行い、更に、イエロー色、
ブラック色と順次同様に行って、4色のトナー画像を記
録材に転写する。更に、該4色のトナー画像を有する記
録材を定着ローラーの如き定着手段により、熱及び圧力
の作用で定着することによりフルカラー画像を形成す
る。
【0004】近年、この様な画像形成装置は、単なる一
般に言うオリジナル原稿を複写するための事務処理用複
写機だけにとどまらず、コンピュータの出力装置として
のプリンター、或いは個人向けのパーソナルコピーとい
う分野で使われ始めている。
【0005】この様なレーザービームプリンターに代表
される分野以外にも、基本エンジンを応用した普通紙フ
ァックスへの展開も急激に発展をとげつつある。
【0006】そのため、上記したような画像形成装置で
は、より小型化及び軽量化、さらにより高速、高画質及
び高信頼性が追及されてきており、機械は種々の点でよ
りシンプルな要素で構成されるようになってきている。
その結果、トナーに要求される性能もより高度になり、
トナーの性能向上が達成されなければ、より優れた機械
が成り立たなくなってきている。
【0007】近年多様な複写のニーズに伴い、カラー複
写に対する需要も急増しており、オリジナルカラー画像
をより忠実に複写するため、更に一層の高画質及び高解
像度等が望まれている。これらの観点から、カラーの画
像形成方法に使用されるトナーでは、熱を印加した際の
溶融性及び混色性が良いことが必要であり、軟化点が低
く、かつ溶融温度の低いシャープメルト性の高いトナー
が要望される。この様なシャープメルト性が高いトナー
を使用することによって、複写物の色再現範囲を広める
ことができ、原稿像に忠実なカラーコピーを得ることが
できる。
【0008】しかしながら、この様なシャープメルト性
の高いカラートナーは、一般に定着ローラーとの親和性
が高く、定着ローラーにオフセットし易い傾向にある。
特に、カラー画像形成装置における定着手段の場合に
は、被記録材上にマゼンタトナー、シアントナー、イエ
ロートナー及びブラックトナーと複数層のトナー層が形
成されるため、トナー層厚の増大から特にオフセットが
発生しやすい傾向にある。
【0009】従来より、定着ローラーからトナーの離型
性を向上させるため、例えば、定着ローラー表面をトナ
ーに対して離型性の優れた材料(例えば、シリコーンゴ
ムやフッ素系樹脂)で形成し、更にその表面を、オフセ
ット防止及びローラー表面の疲労を防止するためにシリ
コーンオイル、フッ素オイルの如き離型性の高い液体の
薄膜で被覆することが行われている。この方法は、トナ
ーのオフセットを防止する点では極めて有効であるが、
オフセット防止用液体を供給するための装置が必要とな
り定着装置が複雑になるとともに、このオイル塗布が定
着ローラーを構成している層間の剥離を起こし、結果的
に定着ローラーの短寿命化を促進するという問題が生じ
る。
【0010】近年の多様な複写のニーズに伴い、記録材
として、各種の紙類やコーティング紙、プラスチックフ
ィルムが用いられる。中でもプレゼンテーション用とし
て、オーバーヘッドプロジェクター(OHP)を利用する
ための光透過性シート(OHPシート)の必要性が注目さ
れている。特にOHP シートにおいては、紙と異なりオイ
ル吸収能力が低いため、上記の定着装置で用いたオイル
が記録材の表面に付着してしまい、この結果、画像形成
した後の複写OHPシートはオイル塗布によるべた付き感
が避けられず、画像の品質低下を招いていた。さらに、
シリコーンオイルの如き離型性オイルが熱により蒸発し
て機内を汚染したり、更には、回収オイルの処理の問題
も発生する可能性もある。
【0011】従って、それらの問題を解決した画像定着
時にオイル塗布を必要としない定着システムの確立及び
それを達成する新規なトナーの開発にかかる期待は大な
るものである。
【0012】上記の課題に対してワックスの如き離型材
を含有したトナーが、特開昭61-273554に開示されてい
る。
【0013】ワックスを含有しているトナーでは、低温
で溶融するワックスによりトナー中の熱伝導性が向上
し、その結果、低温定着が可能となる。更に好ましいこ
とには、定着時に融解したワックスが離型剤としても働
くため、定着ローラーにオイルの如き離型剤を塗布する
ことなく、高温オフセットを防止することが可能であ
る。
【0014】乾式現像方式を有する電子写真方式を用い
て、光透過性シート上にもカラートナー画像又は、フル
カラートナー画像の如きカラー画像を形成すると、光透
過性シート上のカラー画像は十分な発色性を示している
にもかかわらず、OHP装置を用いてこれらのカラー画像
を投影した場合には、投影画像は全体にグレーがかった
色調を示すものとなり、色調再現範囲が非常に狭いもの
となる現象が生じている。この現象は、平滑な光透過性
シート上に形成された未定着のトナー画像が定着時の加
熱によって十分流動されず粒状性を保有しているために
投影時に入射光が散乱され、スクリーン上に陰影を形成
する結果、生じる。特に、画像濃度が低い中間色調部分
において、再現されるべきカラー色調が灰色となってし
まう現象が生じる。
【0015】これに対し、普通紙の如き記録材上に形成
されたトナー画像を目視する場合には、定着されたトナ
ー画像に照射された光の反射画像を目視しているため、
トナー表面に多少粒状性が残っていても画質への影響は
少ない。しかし、OHP装置の様に透過光でトナー画像を
観察またはスクリーンに投影する場合には、トナー粒子
に起因する残留形状が明白であると光の散乱により、透
光性が悪化して色調がグレーがかってしまう。したがっ
て、OHP装置に用いる被記録材は、カラー画像定着後の
トナーの粒状性を減少させ、透光性を向上させる効果を
持つことが要求される。
【0016】定着後のトナーの粒状性を減少させ、透光
性を向上させる手段としては、特開平2-263642号公報、
特開平7-199515号公報に記載されているように、トナー
粒子を定着時の熱と圧力によりトナー受容層中に埋没さ
せる手法が用いられている。このとき、トナー受容層に
定着時の熱と圧力により十分に可塑化しない樹脂を用い
ると、トナー粒子の受容層に対する侵入が極めて少なく
なり、投影画像がグレーの色調を示すようになる。
【0017】しかしながら、上記OHPシートでは、トナ
ー中に離型材としてワックスを含有させ、定着ローラー
の表面に離型剤としてオイルを塗布することのない、オ
イルレス定着プロセス(オイルの塗布量の非常に少ない
場合も含む)については考慮されていない。そのため、
上記のようなトナーを使用した場合には、トナー画像部
ではトナーに含有されているワックスの離型材としての
作用により耐オフセット性は良好であるものの、トナー
画像の形成されていない部分では離型材としてのワック
スの作用が不足し、熱可塑性樹脂よりなるトナー受容層
が定着ローラーに張り付く現象が発生し易い。
【0018】特に、近年フルカラー画像形成装置におい
ても、単位時間当りの画像形成枚数をより多くする高速
化が求められており、よって定着スピードもより高速と
なることから、上記の定着ローラに光透過性シートのト
ナー受容易が張り付く現象がより発生し易い傾向にあ
る。
【0019】さらに、離型補助剤及びトナー軟化のため
の熱伝導助剤を目的として、定着ローラ表面に非常に少
量のオイルを離型剤として塗布しながら定着を行なう定
着プロセスを用いて光透過性シートにカラートナー画像
を定着した場合に、定着された光透過性シートは、オイ
ルの塗布量が非常に少ないことでべとつき感は問題がな
い場合であっても、光透過性シートを手で触った場合の
指紋が明確に残ってしまうと言う問題がある。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
の如き問題点を解決した電子写真用光透過性記録材及び
これを用いた加熱定着方法を提供することにある。
【0021】本発明の目的は、オーバーヘッドプロジェ
クター(OHP)に用いた際に、投影されたカラー画像
が、特に画像濃度が低い中間色調部分においもグレーが
かってしまうことなく、良好な色調再現性を有するカラ
ー画像又はフルカラー画像の得られる電子写真用光透過
性記録材、及びこれを用いたトナー画像の加熱定着方法
を提供することにある。
【0022】本発明の目的は、定着手段にオイルを塗布
しない、またはオイルの塗布量の少ない定着プロセスを
用いてトナー画像の定着を行なった際に、定着手段の表
面へのはりつきのないトナー受容層を有する電子写真用
光透過性記録材、及びこれを用いたトナー画像の加熱定
着方法を提供することにある。
【0023】本発明の目的は、より高速での画像定着に
も対応し得るトナー受容層を有する電子写真用光透過性
記録材及びこれを用いたトナー画像の加熱定着方法を提
供することによる。
【0024】本発明の目的は、透明性に優れ品質の良い
カラー又はフルカラーのトランスペアレンシーシートの
得られる電子写真用光透過性記録材、及びこれを用いた
トナー画像の加熱定着方法を提供することにある。
【0025】本発明の目的は、定着時に離型性補助剤及
びトナー軟化の熱伝導助剤としてオイルを少量用いた場
合にも、オイルのべとつき感を低減でき、かつ指紋がつ
きにくい電子写真用光透過性記録材、及びこれを用いた
トナー画像の加熱定着方法を提供することにある。
【0026】
【課題を解決するための手段】上記の目的は、本発明の
以下の構成によって達成される。
【0027】本発明は、光透過性基体及び該基体上に形
成されたトナー受容層を少なくとも有する電子写真用光
透過性被記録材において、該トナー受容層は少なくとも
スチレン−アクリル系樹脂及びワックス成分を含有して
おり、該トナー受容層表面に占める該ワックス成分の割
合が、単位面積あたり70%以上であることを特徴とする
電子写真用光透過性被記録材に関する。
【0028】本発明は、光透過性被記録材上に形成され
たトナー画像を加熱定着手段の熱と圧力の作用で光透過
性被記録材上に定着する加熱定着方法において、該光透
過性被記録材は、光透過性基体及び該光透過性基体上に
形成されたトナー受容層を少なくとも有しており、該ト
ナー受容層は少なくともスチレン−アクリル系樹脂及び
ワックス成分を含有しており、該トナー受容層表面に占
める該ワックス成分の割合が、単位面積あたり70%以上
であることを特徴とする加熱定着方法に関する。
【0029】上記光透過性被記録材としては、該トナー
受容層表面に占める該ワックス成分の割合が、単位面積
あたり70%〜98%の範囲であることが好ましい。
【0030】上記光透過性被記録材としては、該光透過
性被記録材の表面抵抗値が1×108〜1×1013Ωの範囲内
であることが好ましい。
【0031】上記光透過性被記録材としては、該光透過
性基体と該トナー受容層との間に導電性下塗層を有して
いることが好ましい。
【0032】上記光透過性被記録材としては、該スチレ
ン−アクリル共重合体は、3,000乃至500,00
0の数平均分子量を有していることが好ましい。
【0033】上記光透過性被記録材としては、該スチレ
ン−アクリル共重合体は、DSC測定において、−10
℃乃至80℃のガラス転移点(Tg)を有していること
が好ましい。
【0034】上記光透過性被記録材としては、該ワック
ス成分は、40℃乃至120℃の融点を有していること
が好ましい。
【0035】上記光透過性被記録材としては、該ワック
スは、該トナー受容層中に、該トナー受容層の重量を基
準にして3乃至30重量%含有されていることが好まし
い。
【0036】上記光透過性被記録材としては、80%以
上の全光線透過率及び10以下のヘイズを有することが
好ましい。
【0037】上記加熱定着方法において、該トナーは、
結着樹脂、ワックス成分及び着色剤を少なくとも含有し
ており、該ワックス成分は、該トナー中に、該結着樹脂
100重量部に対して1乃至50重量部含有されている
ことが好ましい。
【0038】上記加熱定着方法において、該トナー画像
は、イエロートナー、シアントナー及びマゼンタトナー
を有するフルカラートナー画像であることが好ましい。
【0039】上記加熱定着方法において、該トナー画像
は、イエロートナー、シアントナー、マゼンタトナー及
びブラックトナーを有するフルカラートナー画像である
ことが好ましい。
【0040】上記加熱定着方法において、別途オイルを
供給することのない加熱定着手段を用いることが好まし
い。
【0041】上記加熱定着方法において、加熱定着手段
が、別途オイルを用いる定着手段であって、該加熱定着
手段によって光透過性被記録材の表面にオイルが0.04mg
/枚(A4サイズ)以下の塗布量で塗布されることが好ま
しい。
【0042】
【発明の実施の形態】本発明者らは、上記従来技術の問
題点を解決すべく鋭意検討の結果、スチレン−アクリル
系樹脂とワックス成分とを主体とするトナー受容層にお
いて、トナー受容層表面に析出させるワックス成分の割
合を特定の範囲にコントロールすることによって、定着
手段の表面からの離型性に優れ、かつトナー画像の定着
性を良好なものとする電子写真用光透過性被記録材が得
られることを見い出して本発明に至った。すなわち、本
発明の電子写真用光透過性被記録材は、別途オイルを定
着手段に供給しない又は供給量が少ない定着プロセスで
カラートナー画像の定着を行なった場合にも光透過性被
記録材が定着手段の表面に対してはりつくことなく定着
手段から良好に排出され、かつ、得られたカラー画像を
OHPにてスクリーン上に投影させた場合においても良好
な色再現性を示し、さらに、定着後の光透過性被記録材
のべとつき感がなく、かつ手で触っても指紋が生じ難
い。
【0043】本発明における記録材を図1及び図2を用
いて説明する。
【0044】図1に示す実施形態において、Aは記録材の
基材層としての光透過性の樹脂製ベースシート(フィル
ム)を示し、Bは光透過性のトナー受容層を示す。図2
に示す他の実施形態において、A及びBは、図1と同じ
であり、Cは導電性下塗層を示す。
【0045】ベースシートAは、熱定着または熱圧定着
時の加熱によって著しい熱変形を起こさない耐熱性を有
する必要がある。ベースシートAは、ASTMD684に記載さ
れている4.6Kg/cm2の測定条件で好ましくは、145℃以
上、より好ましくは、150℃乃至230℃の熱変形温度を有
するものが良い。ベースシートAとしては、具体的に
は、上記の測定条件で145℃以上の熱変形温度を有し、
最高使用温度が100℃以上の耐熱性を有するポリエチレ
ンテレフタレート(PET)、ポリエステル、ポリアミド
またはポリイミドが例示される。これらの中でも、ポリ
エチレンテレフタレートが耐熱性及び透明性の点で特に
好ましい。
【0046】ベースシートAの厚さは定着時の加熱によ
ってシートが柔らかくなった時にもシワが発生しない厚
みが必要であり、例えば、ポリエチレンテレフタレート
の場合50μm以上あれば良い。光透過性のシートであっ
ても厚みが増大すると透光率が低下するため、ベースシ
ートAの厚さは好ましくは50〜300μm、より好ましくは
70〜200μm、更に好ましくは100〜150μmが良い。
【0047】トナー受容層Bを基材上に形成する方法と
しては、スチレン−アクリル系樹脂及びワックス成分を
水系媒体に分散させたものを、バーコート法、ディップ
法、スプレー法、スピンコート法の如き塗工方法で光透
過性のベースシートAの表面に塗布し、常温或いは加熱
して乾燥する方法が挙げられる。
【0048】更に光透過性基体である耐熱性樹脂シート
と、トナー受容層との密着性を改良する目的で、プラズ
マ処理、コロナ放電処理の如き表面処理を行うことや易
接着層を形成することも好ましい。
【0049】次に、本発明の光透過性被記録材のトナー
受容層Bの構成材料について詳述する。先ず、本発明に
おいて使用されるスチレン−アクリル系樹脂について説
明する。
【0050】スチレン−アクリル系樹脂とは、スチレン
系単量体とアクリル系単量体との共重合体である。スチ
レン系単量体としては、例えば、スチレン、o−メチル
スチレン、m−メチルスチレン、p−メトキシスチレ
ン、p−エチルスチレン、p−ターシャリーブチルスチ
レンが挙げられる。アクリル系単量体としては、例え
ば、アクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチ
ル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸n−プロピル、
アクリル酸イソブチル、アクリル酸オクチル、アクリル
酸ドデシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル
酸ステアリル、アクリル酸2−クロルエチル、アクリル
酸フェニルの如きアクリル酸エステル類;メタクリル
酸、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタク
リル酸n−プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタク
リル酸イソブチル、メタクリル酸n−オクチル、メタク
リル酸ドデシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メ
タクリル酸ステアリル、メタクリル酸フェニル、メタク
リル酸ジメチルアミノメチル、メタクリル酸ジエチルア
ミノエチル、メタクリル酸ベンジルの如きメタクリル酸
エステル類;が挙げられる。
【0051】本発明で用いるスチレン−アクリル系樹脂
は、加熱定着ローラー表面に離型性補助剤として微量の
シリコーンオイルを塗布した場合においても、比較的良
くオイルを吸収し、オイル付着による記録シートのべと
つき感を低減し、かつ指紋もつきにくくなるため好まし
い。
【0052】本発明においては、数平均分子量が3,0
00〜500,000、より好ましくは5,000〜2
00,000の範囲内にあるスチレン−アクリル系樹脂
が好適に用いられる。数平均分子量が3,000より小
さいと定着手段の表面に対する貼り付きが顕著になり、
500,000よりも大きいと、加熱定着時におけるト
ナー受容層Bの軟化性が不足し、トナー粒子をトナ-受容
層に埋没させてトナーの粒状性を減少させる効果が損な
われて画像性か低下するため好ましくない。
【0053】本発明においては、スチレン−アクリル系
樹脂の数平均分子量をGPCの測定による分子量分布から
求めた。GPC測定は、GPC-150C(ウォーターズ社製)によ
り次の条件で測定した。
【0054】40℃のヒートチャンバー中でカラムを安定
化させ、この温度におけるカラムに溶媒としてTHF(テト
ラヒドロフラン)を毎分1mlの流速で流し、試料濃度とし
て0.05〜0.6重量%に調製した樹脂のTHF試料溶液を50〜2
00μl注入して測定する。そして、試料の有する分子量
分布を、数種の単分散ポリスチレン標準試料により作成
された検量線の対数値とカウント数との関係から求め、
分子量を算出する。検量線作成用の標準ポリスチレン試
料としては、市販の東ソー製の標準ポリスチレンを用
い、分子量が6×102、2.1×103、4×103、1.75×104
5.1×104、1.1×105、3.9×105、8.6×105、2×106、4.
48×106のものを使用した。検出器はR1(屈折率)検出器
を用い、カラムは東ソー製のTSKgeIG1000H、G2000H、G3
000Hの粗合せを使用した。
【0055】本発明で用いられるスチレン−アクリル系
樹脂としては、DSC測定によるガラス転移温度(Tg)が、-
10℃〜80℃の範囲、より好ましくは0℃〜70℃の範囲、
更に好ましくは20℃〜70℃の範囲であることが好適であ
る。
【0056】スチレン−アクリル系樹脂のガラス転移温
度が-10℃より低いと、定着ローラーへの貼り付きの発
生や、ブロッキングか顕著になり保存性が著しく低下
し、好ましくなく、80℃を超えると、定着時におけるト
ナー受容層の軟化が不充分になり、トナ一粒子をトナー
受容層に埋没させてトナーの粒状性を減少させる効果が
損なわれ好ましくない。
【0057】本発明においては、ガラス転移温度(Tg)の
DSCの測定を、測定原理から高精度の内熱式入力補償型
の示差走査熱量計で測定した。この様な測定装置として
は、例えば、パーキンエルマー社製のDSC-7を利用する
ことか出来る。測定方法は、ASTM D3418-82に準じて行
なった。本発明においては、5〜20mg、好ましくは10mg
の測定試料を精秤し、これをアルミパンに入れ、リファ
レンスとして空のアルミパンを用い、昇温速度10℃/min
で窒素雰囲気下で-100℃から200℃まで昇温して測定し
た。本発明では、この昇温過程で、ベースラインのシフ
ト前後の各ベースラインを互いの方向に外挿し、その中
間点の線と示差熱曲線との交点をTgとした。
【0058】本発明の光透過性記録材を構成する透明な
トナ-受容層Bは、上記で述べた様なスチレン−アクリル
系樹脂と、ワックス成分とを主体に形成される。以下、
ワックス成分について説明する。
【0059】本発明において使用されるワックス成分
は、融点が40℃〜120℃の範囲内、更に好ましはは50℃
〜120℃の範囲内にあることが好ましい。
【0060】ワックス成分の融点が40℃より低いと、得
られる光透過性記録材が保存中にブロッキングし易く保
存性が悪くなるため好ましくなく、融点が120℃を超え
るものを使用した場合には、記録材の定着手段に対する
充分な離型性が発現されず好ましくない。
【0061】本発明においては、ワックス成分の融点を
DSCで測定した。具体的には、DSCの測定は、パーキンエ
ルマ一社製のDSC-7を用いて、ASTM D3418-82に準じて測
定した。本発明において、この際のDSC曲線は、1回昇温
させて前履歴を測定した後、温度速度10℃/ minで降温
及び昇温させた時に測定されたDSC曲線の昇温時の最大
吸熱ピーク温度を融点とした。
【0062】この様な融点を有するワックス成分として
は、例えば、カルナバワックス、キャンデリラワック
ス、ライスワックス及び木ロウの植如き物系ワックス及
びその誘導体;セレシンワックス及びモンタンワックス
の如き鉱物系ワックス及びその誘導体(例えば、モンタ
ンワックスの誘導体の例としては、酸ワックス、エステ
ルワックス及び部分鹸化エステルワックスが挙げられ
る);ミツロウ、鯨ロウ及びラノリンの如き動物系ワッ
クス及びそれらの誘導体;パラフィンワックス及びマイ
クロクリスタリンワックスの如き石油系ワックス及びそ
の誘導体;ポリエチレンワックス及びフィシャートロプ
シュワックスの如き合成ワックス及びその誘導体;ラウ
リン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸及
びべへニン酸の如き高級脂肪酸及びその誘導体;ステア
リルアルコール及びべへニルアルコールの如き高級アル
コール及びその誘導体;ショ糖の脂肪酸エステル、ソル
ビタンの脂肪酸エステルの如きエステル類及びその誘導
体;オレイルアミドの如きアミド類及びその誘導体が挙
げられる。
【0063】上記の誘導体は、酸化物、ビニルモノマー
とのブロック共重合体及びビニルモノマーによるグラフ
ト変性物を含む。
【0064】トナー受容層Bの厚さは、定着されるべき
トナーの粒径によって最適な厚みが変わるが、好ましく
は2〜30μm、より好ましくは3〜15μmとするのか良い。
尚、トナー受容層Bの最適な厚みは、透光性や画像ボケ
によっても制限されるが、トナー受容層には屈曲性があ
るので、例え厚くなっても画像のひび割れを生じる心配
はない。
【0065】本発明におけるトナー受容層は、トナー受
容層表面に占めるワックス成分の割合が、好ましくは単
位面積あたり70%以上、より好ましくは70%〜98%の範
囲にあり、且つ、記録材の透明性が損なわれないことが
必要となる。そのためには、塗布乾燥時にワックス成分
をブリーディングさせて、受容層表面にワックスを析出
させることが好ましい。
【0066】この際、ワックス成分を析出させるために
は、使用するスチレン−アクリル系樹脂とワックスの組
み合わせにもよるが、トナー受容層の乾燥時の温度をワ
ックス成分の融点よりも充分に高く(好ましくは15℃
以上、より好ましくは、15〜60℃、さらに好ましく
は20〜50℃)することが必要となる。
【0067】さらに、トナー受容層Bの全体量に対する
ワックス成分の量は、好ましくは、3〜30重量%、よ
り好ましくは、5〜20重量%であることが、透明性を
損なわずに、塗布時にワックス成分を良好にブリーディ
ングさせトナー受容層表面に占めるワックス成分の割合
を単位面積あたり70%以上に良好にコントロールする
ことが可能となる。
【0068】本発明におけるトナー受容層表面に占める
ワックス成分の割合は、定着手段としての定着ローラー
の表面からの離型性に関係しており、特に、定着ローラ
ーの回転速度(定着時の定着手段と記録材との相対速
度)の早い(120mm/sec程度)領域の定着ローラー(定着
手段)表面からの離型性に関係する。すなわち、トナー
受容層表面に占めるワックス成分の割合が、単位面積あ
たり70%よりも小さいと、低速時(20mm/sec程度)では問
題とならない場合においても、高速時における定着ロー
ラー(定着手段)の表面からの離型性が確保できなくな
る。これは、定着ローラーの回転速度が早い場合には、
トナー受容層が定着ローラーの表面と接触している時間
が短くワックスが充分に溶融しないために、スチレン−
アクリル系樹脂と定着ローラー表面との粘着を緩衝でき
ないものと考えられる。
【0069】さらには、トナー受容層表面に占めるワッ
クス成分の割合が、単位面積あたり98%よりも大きい場
合には、トナー樹脂とトナー受容層の熱可塑性樹脂との
結着性が弱くなり、高速定着時にトナーオフセットが生
じることがある。
【0070】本発明におけるトナー受容層表面に占める
ワックス成分(ワックスの被覆率)の割合はUHR-FE-SEM
写真の画像解析により測定される。
【0071】本発明により作成した光透過性記録材の表
面をRuO4染色した後、Pt スパッタコーティングを行い
試料を調整し、超高分解能電解放射型走査電子顕微鏡
(日立製S-900H型)を用い、加速電圧2kVで観察した。
その後、1000倍程度のSEM写真2枚を画像解析装置(日本
アビオニクス社製EXCELL)を用いて白/黒のコントラス
トを利用してトナー受容層表面に占める単位面積あたり
のワックス成分の割合を算出した。
【0072】上記の様な構成材料によって作製されるト
ナー受容層Bは、このままでは表面抵抗率が1016Ω台と
高い為、トナ-受容層B中に帯電防止剤を混合したり、ト
ナ-受容層B上に帯電防止剤を塗布したり、又は図2に示
したように光透過性基体とトナー受容層との間に導電性
下塗層を形成させたりして、トナーの転写に適した表面
抵抗率の領域である107〜1013Ωに調整するのが好まし
い。
【0073】表面抵抗率の測定はJIS K 6911に準拠して
測定する。本発明においては、アドバンテスト社製のR8
340A及びR12702Aを用い、20℃、60%RH、電圧100Vで測定
した。尚、表面抵抗率の単位は、体積抵抗率(Ωcm)
との混同を避けるために慣例として「Ω/□」が用いら
れているが、本発明においては、JISK6911に基
づき「Ω」を用いる。
【0074】トナ-受容層B中に帯電防止剤を混合や、ト
ナ-受容層B上に塗布する際に使用する帯電防止剤は、従
来公知のものをいずれも使用することができる。使用可
能な帯電防止剤としては、例えば、四級アンモニウム塩
系化合物、ピリジニウム塩系化合物、ホスホニウム塩系
化合物、アルキルベタイン系化合物、アルキルイミダゾ
リン系化合物、アルキルアラニン系化合物、ポリオキシ
エチレン型非イオン系化合物、多価アルコール型非イオ
ン系化合物、ポリビニルベンジル型カチオンやポリアク
リル酸型カチオンの如き導電性樹脂、Sn02やSn02-Sbの
如き金属酸化物超微粒子をバインダー樹脂中に分散した
ものが挙げられる。これらの帯電防止剤は、トナー受容
層形成時の塗布溶液中に混合して同時に塗布するか、ト
ナ-受容層形成後、上記の帯電防止剤をアルコールに溶
解した溶液を塗布して、極めて薄い帯電防止層を形成す
るのか好ましい。
【0075】導電性下塗層Cを形成させる場合には、こ
れに用いる帯電防止剤としては、金属或いはその化合物
の導電性物質を使用することができる。具体例として
は、Sn,Sb,In,Ag,Zn,Tiの如き金属及びそれらの金属酸
化物、Snドーブのln203,SbドープのSn02の如き金属化合
物を用いることが出来る。
【0076】この導電性下塗層Cの形態としては、それ
らの金属酸化物の超微粒子やファイバーを、ポリエステ
ルやアクリルの如きバインダー樹脂と共に分散したもの
が挙げられる。
【0077】上記の金属酸化物の超微粒子の平均粒径
は、光散乱を抑制するために0.3μm以下が好ましい。
【0078】本発明においては、導電性下塗層Cを下記
の抵抗域に調整し、そのままではややヘイズがあったと
しても、さらにトナー受容層Bで被覆するためヘイズが
低下し、光透過性を実際の使用上問題のないレベルにす
ることができる。
【0079】本発明においては、光透過性基体上に形成
された導電性下塗層Cの表面抵抗率が好ましくは107〜10
10Ωの範囲、より好ましくは、107〜109Ωの範囲になる
様に塗布することが良い。導電性下塗層Cの表面抵抗値
が107Ωを下回ると、上記の導電性下塗層中の金属或い
は金属化合物の含有量が多くなって導電性下塗層のへイ
ズが増加して光透過性が低下してしまい、その上にトナ
ー受容層を被覆しても、光透過性を実用レベルにするこ
とが難しくなるため好ましくない。導電性下塗層の表面
抵抗率が1010Ωを越えると、光透過性記録材の表面抵抗
値のトナー転写に適した領域に調整するためにはトナー
受容層の被覆厚さを非常に薄くしなければならず、実質
的にトナーを埋没させるのに適した厚みにすることがで
きなくなり画像性が低下するため好ましくない。
【0080】上記の様な構成材料からなる本発明の電子
写真用光透過性記録材は、透明性に優れることか要求さ
れ、光透過性が、OHPシートとしての全光線透過率か少
なくとも80%以上、好ましくは85%以上であり、且つへイ
ズか少なくとも10以下、好ましくは7以下、更に好まし
くは3以下であることか好ましい。本発明における透明
性の測定は、JIS K-7105に準拠して行った。
【0081】本発明の加熱定着方法は、カラー複写機、
カラープリンター、カラーファックス、の如きトナーを
使用する電子写真方式全てに適用が可能である。本発明
の加熱定着方法は、オイルの如き離型剤を加熱定着部材
に塗布しない加熱定着手段に好ましく適用することが出
来るが、従来の粉砕法により調製されたトナーを使用
し、オイルの如き離型剤を加熱定着部材に別途塗布する
従来の加熱定着手段を使用する電子写真方式にも適用可
能である。
【0082】本発明の加熱定着法に用いられるトナーの
構成について説明する。本発明の加熱定着方法に用いら
れるトナーは、オイルレス定着プロセス又はオイルの塗
布量が少ない定着プロセスに適用するため、ワックス成
分を含有していることが好ましい。
【0083】本発明で用いられるトナーに含有される離
型剤としてのワックス成分としては、例えばパラフィン
系ワックス、ポリオレフィン系ワックス及びこれらの変
性物(例えば酸化物やグラフト処理物)、高級脂肪族、
及びその金属塩、アミドワックスが挙げられるが何らこ
れに限定するものではない。
【0084】本発明において、トナーが含有するワック
ス成分の含有量は、トナーの結着樹脂100重量部に対
し好ましくは、1乃至50重量部、より好ましくは5乃
至45重量部であることが良い。
【0085】トナーが含有するワックス成分の含有量が
1重量未満の場合には、オイルレス定着プロセス又はオ
イルの塗布量が少ない定着プロセスに適用した際のトナ
ーの離型性が充分に得られ難く、オフセット現象が生じ
ることがあり、50重量部より多い場合には、トナーの
耐ブロッキング性及び保存性が低下する。
【0086】上記のワックス成分を含有するトナーは、
重合性単量体、ワックス成分及び着色剤を少なくとも含
有する単量体組成物を重合することによりトナー粒子を
製造する重合トナー製法又は、結着樹脂、ワックス及び
着色剤を少なくとも含むトナー構成材料を溶融混練、粉
砕及び分級によりトナー粒子を製造する粉砕トナー製法
のいずれのトナーの製造方法を用いて製造することも可
能で有る。
【0087】本発明においては、重合トナー製法、特に
水系媒体中で上記単量体組成物を懸濁重合することによ
ってトナー粒子を製造する懸濁重合トナー製法がトナー
中に含有させるワックス成分の量を多くすることができ
ることから好ましい。
【0088】上記の重合トナーに使用できる重合性単量
体としては、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチ
ルスチレン、p−メチルスチレン、p−メトキシスチレ
ン、p−エチルスチレンの如きスチレン系単量体;アク
リル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ゾチ
ル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−プロピル、
アクリル酸n−オクチル、アクリル酸ドデシル、アクリ
ル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アク
リル酸2−クロルエチル、アクリル酸フェニルの如きア
クリル酸エステル類;メタクリル酸メチル、メタクリル
酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸n
−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸n−
オクチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸2−エ
チルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸
フェニル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタク
リル酸ジエチルアミノエチルの如きメタクリル酸エステ
ル類;その他のアクリロニトリル、メタクリコニトリ
ル、アクリルアミドの如き単量体が挙げられる。
【0089】これらの単量体は単独で、又は2種以上を
混合して使用し得る。上述の単量体の中でも、スチレン
又はスチレン誘導体を単独で、又は他の単量体と混合し
て使用することがトナーの現像特性、及び耐久性の点か
ら好ましい。
【0090】粉砕トナー製法でトナーを製造する場合に
おいて、トナーの結着樹脂の用いられる重合体として
は、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸の如き酸類
及びそのエステル類;ポリエステル;ポルスルホネー
ト;ポリエーテル;ポリウレタンの如き単量体を重合し
て得られた樹脂又は、それらの単量体を2種以上共重合
して得られた樹脂を用いることができる。
【0091】本発明で用いられるトナーに含有される着
色剤としては、公知のものが使用でき、例えば、カーボ
ンブラック;鉄黒;C.I.ダイレクトレッド1、C.
I.ダイレクトレッド4、C.I.アシッドレッド1、
C.I.ベーシックレッド1、C.I.モーダントレッ
ド30、C.I.ソルベントレッド49、C.I.ソル
ベントレッド52、C.I.ダイレクトブルー1、C.
I.ダイレクトブルー2、C.I.アシッドブルー9、
C.I.アシッドブルー15、C.I.ベーシックブル
ー3、C.I.ベーシックブルー5、C.I.モーダン
トブルー7、C.I.ダイレクトグリーン6、C.I.
ベーシックグリーン4、C.I.ベーシックグリーン6
の如き染料;黄鉛、カドミウムイエロー、ミネラルファ
ストイエロー、ネーブルイエロー、ナフトールイエロー
S、ハンザイエローG、パーマネントイエローNCG、
タートラジンレーキ、モリブデンオレンジ、パーマネン
トオレンジGTR、ベンジジンオレンジG、カドミウム
レッド、パーマネントレッド4R、ウォッチングレッド
カルシウム塩、ブリリアントカーミン3B、ファストバ
イオレットB、メチルバイオレットレーキ、紺青、コバ
ルトブルー、アルカリブルーレーキ、ビクトリアブルー
レーキ、キナクリドン、ジスアゾ系のイエロー顔料、フ
タロシアニンブルー、ファーストスカイブルー、ピグメ
ントグリーンB、マラカイトグリーンれーキ、ファイナ
ルイエローグリーンGの如き顔料が挙げられる。本発明
において重合法を用いてトナーを得る場合には、着色剤
の持つ重合阻害性や水相移行性に注意を払う必要があ
り、好ましくは、表面改質、例えば、重合阻害のない物
質による疎水化処理のごとく、表面改質を施しておいた
ほうが良い。
【0092】本発明の加熱定着方法は、上記した様な構
成を有する本発明の電子写真用光透過性記録材上にトナ
ー画像を加熱定着手段によって定着することを特徴とす
る。
【0093】本発明に加熱定着方法を適用するのに好適
な定着装置に付いて説明する。
【0094】図3にローラー方式の定着装置の一例の概
略図を示した。
【0095】本例装置は、内部にヒータ101aの熱源を有
する円筒状の加熱ローラー101があり、定着にあたって
は時計方向に回転する。
【0096】102は円筒状をなした加圧回転体としての
圧着ローラーで、定着にあたっては加熱ローラー101に
圧接し反時計方向に回転する。
【0097】搬送ベルト103によって右方より搬送さ
れ、未定着トナーTがトナー像として付着した被加熱材
としての記録材Pは加熱ローラー101及び圧着ローラー10
2によって押圧及び加熱されて定着し図中左方に排出さ
れる。
【0098】104a及び104bは記録材Pが加熱ローラー101
または圧着ローラー102に巻き付いて搬送不良を起こさ
ないための分離に用いる分離爪である。
【0099】106は適度の粘性を有したシリコーンオイ
ルを離形剤として含浸させたフェルト状のオイルパッ
ド、105はブラシ状繊維を円筒状に植設したクリーニン
グローラーである。クリーニングローラー105は回転し
て加熱ローラー周面に付着したトナー残滓を除去しまた
シリコーンオイルを適当に供給する。
【0100】加熱ローラー101には例えば厚さ2〜5mm程
度のA1パイプを芯金とし之に200〜500μm厚のシリコー
ンゴム或いは四フッ化エチレン樹脂(PTFE)、ペルフル
オロアルコキシフッ素樹脂(PFA)、またはフッ化エチ
レン-プロピレン共重合体(FEP)の如きフッ素樹脂を被
覆したものが用いられる。
【0101】圧着ローラー102としては例えば約10mmφ
のSUSを芯金とし、その周面にシリコーンゴムを約3mm程
度の厚さで被覆したものが用いられる。
【0102】フイルム加熱方式の加熱装置は、他の加熱
装置として知られている熱ローラー方式、熱板方式、ベ
ルト加熱方式、フラッシュ加熱方式、オープン加熱方式
の加熱装置ないしは画像加熱定着装置との対比におい
て、下記にあげる利点があり効果的なものである。 (1)フイルム加熱方式の加熱装置では、加熱体とし
て、低熱容量の線状加熱体をフイルム状の薄膜とした低
熱容量のものを用いることができるため、省電力化・ウ
エイトタイム短縮化(クイックスタート性)が可能にな
り、さらに、本機内の昇温を抑えることもできる。 (2)フイルム加熱方式の加熱装置にあっては、定着点
と分離点とを別に設定できるため、オフセットを有効に
防止することができる。その他、他の方式装置の種々の
欠点を解決できる。
【0103】図4に、上記のような特徴を有するフイル
ム加熱定着方式の加熱装置(画像加熱定着装置)の概略
図を示した。
【0104】図4中、203は支持体に固定された加熱体
(セラミックヒータ)であるが、この加熱体203に耐熱
フイルム(定着フイルム)201を加圧回転体としての加
圧ローラー202で密着させて搬送させる。そして、耐熱
性フイルム201を挟んで加熱体203と加熱ローラー202と
で形成される圧接ニップ部(定着ニップ部)Nの耐熱性
フイルム201と加圧ローラー202との間に、被加熱材とし
て画像を定着すべき記録材Pを導入し、耐熱性フイルム2
01とともに圧接ニップ部Nを挟持されながら搬送させる
ことによって加熱体203の熱を耐熱性フイルム201を介し
て記録材Pの表面に付与して、記録材P上の未定着画像
(トナー画像)Tを記録材P面に加熱定着させる。圧接ニ
ップ部Nを通過した記録材Pは、フイルム201の面から分
離されて、図の左方へと搬送される。耐熱性フイルム20
1に当接されている204はフェルト状のパッドであり、図
4に示した装置では、該パッド204により耐熱性フイルム
201に別途オイルが供給されている。
【0105】上記の様な構成を有する画像定着装置にお
いては、別途シリコーンオイルの如き離型材を供給しな
いことが、定着後の被記録材のべた付き防止の点では好
ましい。しかしながら、本発明においては、上記の構成
の光透過性記録材を用い、トナー軟化のために定着ロー
ラからの熱を良好に伝える熱伝導助剤として定着後の被
記録材のべた付きが問題にならない程度の量の離型剤
を、定着手段と、記録材上にある未定着のトナー画像と
の間の定着部に供給しながら加熱定着することが好まし
い。離型材の供給は、具体的には、図3に示した加熱装
置では定着ローラー2の表面に図示しないオイルパッド
の如き塗布部材で、図4に示した装置では204で示したオ
イルパッドの如き塗布部材に、夫々シリコーンオイルの
如き離型材を含侵させることによって行なわれる。ま
た、この定着部に別途供給する離型材の量としては、被
記録材上に塗布される離型材の塗布量が好ましくは0.04
mg/枚(A4サイズ)以下、より好ましくは、0.02mg/枚
(A4サイズ)以下となるようにするのが好ましい。
【0106】以上の様な本発明の定着方法は、複写機、
プリンター及びFAXの如きトナーを用いて画像を形成す
る画像形成装置の定着装置に適用することができる。
【0107】以下、実施例に基づいて、本発明を具体的
に説明する。
【0108】
【実施例】
(実施例1)厚み約100μmのPETからなる光透過性基体
上に、導電性下塗層として、SbドープしたSn02超微粒子
(2次粒子の平均粒径0.2μm)を分散した固形分が4%の水
溶液(下塗層用塗工液1)を塗布、乾燥し、導電性下塗層
の表面抵抗値を約108Ωに調整した。その表面にスチレ
ン-2エチルヘキシルアクリレートエマルジョン(数平均
分子量:11万、固形分:30%)85重量部とカルナバワックス
エマルジョン(融点:86℃、固形分:30%)15重量部との混
合液を、ワイヤーバーを使用してバーコート法により塗
布し、110℃で2分で乾燥して乾燥厚み約4μm、表面抵抗
値1011Ωの被記録材Aを得た。得られた被記録材AをRuO
4で染料後、Ptスパッタコーティングを行なった試料
を超高分解能電解放射型走査電子顕微鏡を用いて観察し
た1000倍の拡大写真を図5に示す。得られた拡大写
真の画像解析装置により算出した単位面積当りのワック
ス成分の割合は71%であった。
【0109】(実施例2〜9)受容層樹脂エマルジョンの
数平均分子量(Mn)、受容層にしめるワックス濃度、乾
燥条件を表1に示すように変えたことを除いては、実施
例1と同様にして被記録材B乃至Iをそれぞれ得た。
【0110】(実施例10)実施例1で用いたカルナバ
ワックスエマルジョンをステアリン酸アミドエマルジョ
ン(融点:100℃、固形分:20%)に変更すること
を除いては、実施例1と同様にして被記録材Jを得た。
【0111】(比較例1〜4)受容層樹脂エマルジョンの
数平均分子量(Mn)、受容層にしめるワックス濃度、乾
燥条件を表1に示すように変えたことを除いては、実施
例1と同様にして被記録材K乃至Nをそれぞれ得た。
【0112】(比較例5)実施例1で用いたカルナバワ
ックスエマルジョンをポリエチレンワックスエマルジョ
ン(融点:116℃、固形分:20%)に変更すること
を除いては、実施例1と同様にして被記録材Oを得た。
【0113】(比較例6)実施例1で用いたスチレン−
2エチルヘキシルアクリレートエマルジョンにかえてポ
リエステルエマルジョン(数平均分子量:3万、固形分
濃度:25%)を用い、受容層にしめるワックス濃度、
乾燥条件を表1に示すように変えたことを除いては、実
施例1と同様にして被記録材Pを得た。
【0114】このようにして得られた被記録材A及至Pを
下記の方法によりトナー画像の形成を行い評価した。得
られた被記録材A及至Pの評価結果を表1に示す。
【0115】 (1)画像評価 イエロートナーAの製造 スチレン-ブチルアクリレート-ジビニルベンゼン共重合体 100部 ポリオレフィンワックス(融点100℃) 5部 C.I.ピグメントイエロー17 4.5部 ジ-tert-ブチルサリチル酸金属酸化物 3部 上記材料を混合した後、2軸混練押し出し機によって溶
融混練した後冷却し、気流式粉砕機で粉砕し、風力分級
機により分級し重量平均径約8.5μmの黄色粉末トナーを
得た。このトナー100部に対してネガ帯電性コロイダル
シリカ0.8部を外添し、イエロートナーAを得た。
【0116】画だし 上記で得られたイエロートナーA100重量部に対して、BE
T法による比表面積が200m2/gである疎水性シリカ0.7重
量部を外添した。このトナー7重量部に対し、スチレン-
メタクリル酸メチル共重合体で表面被覆したCu-Zn-Fe系
フェライトキャリア93重量部を混合し、現像剤とした。
【0117】この現像剤を用いて市販のフルカラー複写
機(CLC-500,キヤノン製)の改造機で、温度23℃/湿度6
5%RHの環境下で現像コントラスト320Vで現像して形成し
た画像面積比率5%のイエロートナー画像を被記録材に
転写し、この未定着イエロートナー画像を外部定着機
(1)(市販のCLC-500と同一ローラー構成、オイル塗
布機能なし)及び外部定着機(2)(市販のCLC−5
00と同一ローラー構成、オイル塗布機能あり:0.0
4mg/A4サイズ)にて、それぞれ定着温度170℃、
定着スピード30mm/secで定着した。
【0118】画像性評価 この得られたイエローカラー画像を有する各光透過性被
記録材を、OHPにてスクリーン上に投影し、目視による
官能評価行った。 ○:中間画像濃度部分がグレーがかることなく、良好な
色再現性を有している。△:中間画像濃度部分が少しグ
レーがかり、色調が橙色になっている。 ×:中間画像濃度部分がグレーがかっている。 ここで、中間画像濃度部分は、得られたイエロートナー
画像をマクベス反射濃度計 RD-1255により、Xerox 4024
DP Paper上で測定したイエロー濃度が0.2〜1.5の範囲
の部分を示す。
【0119】(2)定着ローラーに対する離型性 トナー画像を有していない被記録材単体を外部定着機
(1)(市販のCLC-500と同一ローラー構成、オイル塗
布機能なし)及び外部定着機(2)(市販のCLC−5
00と同一ローラー構成、オイル塗布機能あり:0.0
4mg/A4サイズ)にて、それぞれ定着温度170℃、
定着スピード20mm/sec(低速離型性)及び120mm/sec(高
速離型性)の条件で、通過させ下記の基準で評価した。 ○(非常に良い):シートが定着ローラーに貼り付くこ
となく通過した。 △(良い):シートの最初の部分が定着ローラーに僅か
に貼り付き気味だが、約10gfの圧力でローラーへ押
し付けた分離爪の使用で問題なく通過した。 ×(悪い):約10gfの圧力でローラーへ押し付けた
分離爪の使用によってもシートが定着ローラーに貼り付
いた。
【0120】(3)トナー定着性 上記(1)で得られた未定着イエロートナー画像を有す
る被記録材を外部定着機(1)(市販のCLC-500と同一
ローラー構成、オイル塗布機能なし)及び外部定着機
(2)(市販のCLC−500と同一ローラー構成、オ
イル塗布機能あり:0.04mg/A4サイズ)にて、
それぞれ定着温度170℃、定着スピード20mm/sec及び12
0mm/secで定着ローラーを通過させ、トナーオフセット
の有無を確認した。 ○:トナーオフセットは生じない。 △:定着スピード120mm/secのときのみオフセットが生
じた。 ×:定着スピード20mm/secと120mm/sec共にオフセッ
トが生じた。
【0121】(4)オイルべとつき感 上記(1)の画像評価で用いた現像剤を用いて市販のフ
ルカラー複写機(CLC−500,キヤノン製)の改造
機で、温度23℃/湿度65%RHの環境下で現像コン
トラスト320Vで現像して形成した画像面積比率5%
のイエロートナー画像を被記録材に転写し、この未定着
イエロートナー画像を外部定着機(市販のCLC−50
0と同一ローラー構成、オイル塗布機能あり:0.04
mg/A4サイズ)にて定着温度170℃、定着スピー
ド20mm/secで定着し、下記の基準で評価した。 ○:オイル付着によるべとつき感がなく、指紋もつきに
くい。 △:オイル付着によるべとつき感は感じられないもの
の、指紋あとは明瞭にのこる。 ×:オイル付着によるべとつき感がある。
【0122】
【表1】
【0123】(実施例11)(イエロートナーBの製
造)イオン交換水709重量部に0.1M−Na3PO4
水溶液451重量部を投入し、60℃に加温した後、T
K式ホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて12,0
00rpmにて撹拌した。これに1.0M−CaCl2
水溶液67.7重量部を徐々に添加し、Ca3(PO4
2を含む分散媒体を得た。 ・スチレン 170重量部 ・2エチルヘキシルアクリレート 30重量部 ・パラフィンワックス(m.p.75℃) 50重量部 ・C.I.ピグメントイエロー17 8重量部 ・スチレン−メタクリル酸−メタクリル酸メチル共重合体 5重量部 ・ジ−tert−ブチルサリチル酸金属化合物 3重量部
【0124】上記処方のうちC.I.ピグメントイエロ
ー17とジ−tert−ブチルサリチル酸金属化合物と
スチレンだけをエバラマイルダー(荏原製作所製)を用
いて予備混合を行った。次に上記処方すべてを60℃に
加温し、溶解・分散して単量体混合物とした。さらに6
0℃に保持しながら、開始剤ジメチル2.2′−アゾビ
スイソブチレート10重量部を加えて溶解し、単量体組
成物を調製した。
【0125】前記ホモミキサーの21フラスコ中で調製
した分散媒に、上記単量体組成物を投入した。60℃
で、窒素雰囲気としたTKホモミキサーを用いて100
00rpmで20分間撹拌し、単量体組成物を造粒し
た。その後バトル撹拌翼で撹拌しつつ60℃で3時間反
応させた後、80℃で10時間重合させた。
【0126】重合反応終了後、反応生成物を冷却し、塩
酸を加えて、Ca3(PO42を溶解し、濾過・水洗・
乾燥することによりイエロートナー粒子を得た。
【0127】得られたイエロートナー粒子の粒径をコー
ルターカウンターで測定したところ、重量平均径8.1
μmでシャープな粒度分布を有していた。得られたイエ
ロートナー粒子100重量部に対して、BET法による
比表面積が200m2/gである疎水性シリカ0.7重
量部を外添しイエロートナーBを得た。
【0128】(マゼンタトナーCの製造)イエロートナ
ーBの製造で用いたC.I.ピグメントイエロー17に
代えて、C.I.ピグメントレッド122を9重量部用
いることを除いては、イエロートナーBの製造と同様に
してマゼンタトナーCを得た。
【0129】(シアントナーDの製造)イエロートナー
Bの製造で用いたC.I.ピグメントイエロー17に代
えて、C.I.ピグメントブルー15を10重量部用い
ることを除いては、イエロートナーBの製造と同様にし
てイエロートナーDを得た。
【0130】(ブラックトナーEの製造)イエロートナ
ーBの製造で用いたC.I.ピグメントイエロー17に
代えて、市販のカーボンブラックを12重量部用いるこ
とを除いては、イエロートナーBの製造と同様にしてブ
ラックトナーEを得た。
【0131】得られたイエロートナーB、マゼンタトナ
ーC、シアントナーD及びブラックトナーEの4色のカ
ラートナーを用いて市販のフルカラー複写機(CLC−
500、キヤノン製)の改造機で、温度23℃/湿度6
5%RHの環境下で現像コントラスト320Vで現像
し、転写して、画像面積比率5%の未定着のフルカラー
トナー画像を実施例1で用いたA4サイズの被記録材A
に形成した。この未定着のフルカラートナー画像を外部
定着機(2)(市販のCLC−500と同一ローラー構
成、オイル塗布機能あり:0.04mg/A4サイズ)
にて、定着温度170℃、定着スピード60mm/se
cで定着した。
【0132】その結果、定着ローラーに被記録材Aが貼
り付くことなく良好な定着を行うことができ、オイル付
着によるべとつき感がなく、指紋もつきにくかった。得
られたフルカラー画像の形成されているカラーシートを
OHPに投影したところ、ハイライト画像濃度部分が灰
色がかることなく鮮明なフルカラー投影画像が得られ
た。
【0133】
【発明の効果】本発明によれば、高速定着時の定着手段
の表面に張り付くことがなく、オーバーヘッドプロジェ
クター(OHP)に用いた際に、投影画像、特に画像濃度
が低い中間色調部分においもグレーがかってしまうこと
なく良好な色調再現性を有するカラー画像又はフルカラ
ー画像の得られ、さらに、定着時に離型性補助剤トナー
軟化の熱伝導助剤としてオイルを少量用いても、オイル
のべとつき感を低減でき、かつ指紋が付きにくい電子写
真用光透過性被記録材、及びトナー画像の加熱定着方法
が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電子写真用光透過性被記録材の1実施
形態の構成を示す断面図である。
【図2】本発明の電子写真用光透過性被記録材の他の実
施形態の構成を示す断面図である。
【図3】本発明の加熱定着方法に使用可能な加熱定着手
段を示す図である。
【図4】本発明の加熱定着方法に使用可能な別の構成の
加熱定着手段を示す図である。
【図5】実施例1で使用する光透過性被記録材Aの表面に
おける粒子構造を示す写真である。
【符号の説明】
A 光透過性基体 B トナー受容層 P 被記録材 T トナー 101 加熱ローラー 102 圧着ローラー 201 耐熱性フィルム 202 加圧ローラー 203 加熱体 204 オイルパッド

Claims (23)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光透過性基体及び該基体上に形成された
    トナー受容層を少なくとも有する電子写真用光透過性被
    記録材において、 該トナー受容層は少なくともスチレン−アクリル系樹脂
    及びワックス成分を含有しており、該トナー受容層表面
    に占める該ワックス成分の割合が、単位面積あたり70%
    以上であることを特徴とする電子写真用光透過性被記録
    材。
  2. 【請求項2】 該トナー受容層表面に占める該ワックス
    成分の割合が、単位面積あたり70%〜98%の範囲である
    ことを特徴とする請求項1に記載の電子写真用光透過性
    被記録材。
  3. 【請求項3】 該光透過性被記録材の表面抵抗値が1×1
    08〜1×1013Ωの範囲内であることを特徴とする請求項
    1又は2に記載の電子写真用光透過性被記録材。
  4. 【請求項4】 該光透過性基体と該トナー受容層との間
    に導電性下塗層を有していることを特徴とする請求項1
    乃至3のいずれかに記載の電子写真用光透過性被記録
    材。
  5. 【請求項5】 該スチレン−アクリル共重合体は、3,
    000乃至500,000の数平均分子量を有している
    ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の電
    子写真用光透過性被記録材。
  6. 【請求項6】 該スチレン−アクリル共重合体は、DS
    C測定において、−10℃乃至80℃のガラス転移点
    (Tg)を有していることを特徴とする請求項1乃至5
    のいずれかに記載の電子写真用光透過性被記録材。
  7. 【請求項7】 該ワックス成分は、40℃乃至120℃
    の融点を有していることを特徴とする請求項1乃至6の
    いずれかに記載の電子写真用光透過性被記録材。
  8. 【請求項8】 該ワックスは、該トナー受容層中に、該
    トナー受容層の重量を基準にして3乃至30重量%含有
    されていることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか
    に記載の電子写真用光透過性被記録材。
  9. 【請求項9】 80%以上の全光線透過率及び10以下
    のヘイズを有することを特徴とする請求項1乃至8のい
    ずれかに記載の電子写真用光透過性被記録材。
  10. 【請求項10】 光透過性被記録材上に形成されたトナ
    ー画像を加熱定着手段の熱と圧力の作用で光透過性被記
    録材上に定着する加熱定着方法において、 該光透過性被記録材は、光透過性基体及び該光透過性基
    体上に形成されたトナー受容層を少なくとも有してお
    り、該トナー受容層は少なくともスチレン−アクリル系
    樹脂及びワックス成分を含有しており、該トナー受容層
    表面に占める該ワックス成分の割合が、単位面積あたり
    70%以上であることを特徴とする加熱定着方法。
  11. 【請求項11】 該トナー受容層表面に占める該ワック
    ス成分の割合が、単位面積あたり70%〜98%の範囲であ
    ることを特徴とする請求項10に記載の加熱定着方法。
  12. 【請求項12】 該光透過性基体と該トナー受容層の間
    に導電性下塗層を有していることを特徴とする請求項1
    0又は11に記載の加熱定着方法。
  13. 【請求項13】 該光透過性基体と該トナー受容層との
    間に導電性下塗層を有していることを特徴とする請求項
    10乃至12のいずれかに記載の加熱定着方法。
  14. 【請求項14】 該スチレン−アクリル共重合体は、
    3,000乃至500,000の数平均分子量を有して
    いることを特徴とする請求項10乃至13のいずれかに
    記載の加熱定着方法。
  15. 【請求項15】 該スチレン−アクリル共重合体は、D
    SC測定において、−10℃乃至80℃のガラス転移点
    (Tg)を有していることを特徴とする請求項10乃至
    14のいずれかに記載の加熱定着方法。
  16. 【請求項16】 該ワックス成分は、40℃乃至120
    ℃の融点を有していることを特徴とする請求項10乃至
    15のいずれかに記載の加熱定着方法。
  17. 【請求項17】 該ワックスは、該トナー受容層中に、
    該トナー受容層の重量を基準にして3乃至30重量%含
    有されていることを特徴とする請求項10乃至16のい
    ずれかに記載の加熱定着方法。
  18. 【請求項18】 80%以上の全光線透過率及び10以
    下のヘイズを有することを特徴とする請求項10乃至1
    7のいずれかに記載の加熱定着方法。
  19. 【請求項19】 該トナーは、結着樹脂、ワックス成分
    及び着色剤を少なくとも含有しており、該ワックス成分
    は、該トナー中に、該結着樹脂100重量部に対して1
    乃至50重量部含有されていることを特徴とする請求項
    10乃至18のいずれかに記載の加熱定着方法。
  20. 【請求項20】 該トナー画像は、イエロートナー、シ
    アントナー及びマゼンタトナーを有するフルカラートナ
    ー画像であることを特徴とする請求項10乃至18のい
    ずれかに記載の加熱定着方法。
  21. 【請求項21】 該トナー画像は、イエロートナー、シ
    アントナー、マゼンタトナー及びブラックトナーを有す
    るフルカラートナー画像であることを特徴とする請求項
    10乃至18のいずれかに記載の加熱定着方法。
  22. 【請求項22】 別途オイルを供給することのない加熱
    定着手段を用いることを特徴とする請求項10〜21に
    記載の加熱定着方法。
  23. 【請求項23】 加熱定着手段が、別途オイルを用いる
    定着手段であって、該加熱定着手段によって光透過性被
    記録材の表面にオイルが0.04mg/枚(A4サイズ)以下の
    塗布量で塗布されることを特徴とする請求項10〜21
    に記載の加熱定着方法。
JP27527897A 1996-09-30 1997-09-22 電子写真用光透過性被記録材及びこれを用いた加熱定着方法 Withdrawn JPH1165156A (ja)

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JP16817297 1997-06-10
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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