JPH08305066A - 電子写真用光透過性記録材及び画像形成方法 - Google Patents

電子写真用光透過性記録材及び画像形成方法

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JPH08305066A
JPH08305066A JP10562195A JP10562195A JPH08305066A JP H08305066 A JPH08305066 A JP H08305066A JP 10562195 A JP10562195 A JP 10562195A JP 10562195 A JP10562195 A JP 10562195A JP H08305066 A JPH08305066 A JP H08305066A
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light
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JP10562195A
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Yoshi Toshida
嘉 土志田
Hiroyuki Ogino
博幸 荻野
Takehiko Oi
毅彦 大井
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Original Assignee
Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 記録材にトナー画像形成時にトナーが含有し
ているワックスを良好に吸収することが可能であり、透
明性に優れたカラー又はフルカラーの画像形成が可能で
あり、さらにこの画像をOHPに用いた場合に投影画像
がグレーがかってしまうことがなく、かつ定着手段に対
する耐オフセット性に優れた記録材の提供。 【構成】 光透過性基体及び該光透過性基体上に形成し
たスチレン−ブタジエンブロック共重合体を含有する光
透過性のトナー受容層を有する電子写真用光透過性記録
材において、該トナー受容層は、貯蔵弾性率(G′)、
損失弾性率(G″)の比であるtanδ(=G″/
G′)=10B (Bは実数)で表されるBの最大値と最
小値との差が140〜200℃において0.3以下であ
る電子写真用光透過性記録材。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、トナー画像を形成する
ための電子写真用光透過性記録材及び該シートにトナー
画像を形成する画像形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の一般的なフルカラー画像形成方法
は、感光体ドラムの感光体を一次帯電器によって均一に
帯電し、原稿のマゼンタ画像信号によって変調されたレ
ーザー光により画像露光を行い、感光体ドラム上に静電
荷潜像を形成し、マゼンタ現像器に保有されているマゼ
ンタトナーで該静電潜像を現像して、マゼンタトナー画
像を形成する。次に、搬送されてきた記録材に転写帯電
器によって前記の感光体ドラムに現像されたマゼンタト
ナー画像を転写する。
【0003】一方、前記の記録材にトナー画像の転写を
行なった後の感光体ドラムは、除電用帯電器により除電
され、さらにクリーニング手段によってクリーニングさ
れた後、再び一次帯電器によって帯電され、同様にシア
ントナー画像の形成及び前記のマゼンタトナー画像が転
写されている記録材へのシアントナー画像の転写を行
い、さらにイエロー色、ブラック色と順次同様に行っ
て、マゼンタ、シアン、イエロー、ブラックの4色のト
ナー画像を記録材に転写する。該4色のトナー画像を有
する記録材を定着ローラに供給し熱及び圧力の作用によ
り記録材に定着することによりフルカラーの画像を形成
する。
【0004】該カラーの画像形成方法に使用されるトナ
ーは、熱を印加した際の溶融性及び混色性が良いことが
必要であり、さらに軟化点が低く、かつ溶融温度が低く
シャープメルト性の高いことが好ましい。
【0005】上記のシャープメルト性が高いトナーを使
用することにより、複写物の色再現範囲を広め、原稿像
に忠実なカラーコピーを得ることができる。
【0006】しかしながらこのようなシャープメルト性
が高いトナーは、定着ローラーとの親和性が高く、定着
ローラーにオフセットし易い傾向にある。
【0007】特にフルカラーの画像形成方法における定
着手段の場合、記録材上にマゼンタ、シアン、イエロー
及びブラックと複数層のトナー層が形成されるため、特
にオフセットが発生しやすい傾向にある。
【0008】したがって、従来においては、定着ローラ
ーからトナーの離型性を向上させるため、定着ローラに
シリコーンオイルの如き離型材を塗布することが行われ
ている。しかしながらこのような画像形成方法において
は、以下のような問題が生じていた。
【0009】オイルの如き離型材を定着ローラーに塗布
するため、装置本体の構成が複雑になるとともに、オイ
ルを塗布することにより定着ローラーの短寿命化を促進
するという問題が生じる。
【0010】さらに近年多様な複写のニーズに伴い、記
録材として例えばオーバーヘッドプロジェクター(OH
P)用のトランスペアレンシーフィルムの如き樹脂性の
ラミネートフィルムを用いて定着したトナー画像を形成
することが広く行われ始めているが、前述の如き定着時
にオイルを用いた定着方法によりトナー画像を記録材に
定着した場合には、用いたオイルが記録材の表面に付着
されてしまい、得られたトナー画像を受像する記録材の
品質を大きく低下させていた。
【0011】従って、上述の問題を解決した、定着時に
オイルの塗布を必要としない定着システムの確立及びそ
れを達成するための新規なトナーの開発にかかる期待は
大なるものであった。
【0012】上記の課題に対してワックスの如き離型材
を含有したトナーや懸濁重合法トナーが提案されている
(特公昭36−10,231号公報)。この懸濁重合法
は重合性単量体及び着色剤(更に必要に応じて重合開始
剤、架橋剤、荷電制御剤及びその他の添加剤)を均一に
溶解または分散せしめて単量体組成物を調製した後、こ
の単量体組成物を分散安定剤を含有する連続相(例えば
水相)中に適当な攪拌機を用いて分散させると同時に重
合反応を行わせ、所望の粒径を有するトナー粒子を得る
方法である。
【0013】重合法により得られたトナーは、粉砕法で
は使用できない低融点のワックスの内包化により、耐ブ
ロッキング性と低温定着という相反する性能を両立する
ことが可能である。すなわち、低融点ワックスが内包化
されていることにより、耐ブロッキング性能を低下させ
ることなく、低温で溶融するワックスによりトナー中の
熱伝導性が向上し、その結果低温定着が可能となる。さ
らに好ましい事には、定着時に融解したワックスが離型
剤としても働くため、定着ローラーにオイルの如き離型
剤を塗布することなく、高温オフセットを防止すること
が可能となる。
【0014】しかしながらワックスを内包化した重合法
によるトナーも確かに定着時に有利な性能を発揮するも
のの、記録材としてラミネートフィルムを用いた場合に
は、定着後の画像の透明性が若干落ちてしまう事、さら
に離型剤として内包化したワックスが定着時にしみ出
し、画像上に流れ出すという新たな問題が生じてしまっ
た。
【0015】即ち、図4に示すようにトナー中に内包化
されているワックスが定着時の圧及び熱の作用により溶
け出し、ワックス吸収性能のない記録材Rである樹脂製
のラミネートフィルム上を該フィルムの進行方向P後ろ
側に向かってしぼり出される様に流れてしまうために、
定着された画像Iの後端方向にワックスWが流れ、OH
Pに使用する画像として不具合なものとなってしまって
いた。
【0016】このワックスの流れを防止するためにトナ
ーに含有されるワックスの量を減少させる事も考えられ
るが、それではトナーの離型性を減少させることにな
り、且つ逆に充分な離型効果が得られる様にある程度以
上のワックスをトナーに内包させると、どうしても上記
の現象が避けられなくなってしまう。これは、紙の様な
記録材においては、紙自身の吸収能力により、溶け出し
たワックスを紙が吸収するので、前述の様な品質の劣化
は見られないが、OHPフィルムの如き樹脂製の記録材
においては、吸収能力がなく溶け出したワックスがその
まま表面に残り、非画像部へ流れ出してしまうためであ
る。
【0017】さらに、樹脂製のラミネートフィルムの如
き記録材に定着したトナー画像を形成する場合には、記
録材上のトナー画像の光透過性が高いことが強く要求さ
れるため、通常の紙の如き記録材を用いる場合に比べて
定着スピードをより遅くしてトナーを充分に溶融させる
ことが、一般に良く行われている。
【0018】しかしながら、この場合には、記録材上の
トナーが定着時に、より顕著に定着ローラーにオフセッ
トされやすくなる傾向にあるため、充分な離型効果を得
るためには、紙の如き記録材にトナー画像を定着する場
合よりも、トナーに内包化させるワックスの量は多めに
設定しなければならない。
【0019】更に、このようなワックスを内包化させた
トナーを用いてトナー画像を形成する方法においては、
ワックス自身の結晶化に伴う白濁により、トランスペア
レンシーフィルムの透明性が低下してしまうことが確認
されている。これは記録材上の、トナー層中に内包化さ
れているワックスが定着ローラー通過時にトナー内部よ
りしみ出し、しみ出したワックスがトナー画像表面ある
いはその一部を覆ったり、OHPフィルムとトナー層の
界面に偏在し、結果としてローラー通過後の温度低下と
ともに結晶性が高まり、光透過性が極端に悪化したもの
と考えられている。そこである程度充分な量のワックス
を内包していても、透明性が損なわれずに、且つ樹脂性
のラミネートフィルムの如き記録材への定着時にワック
スの流れ跡が出ない様にする何らかの対策が急務となっ
た。
【0020】一方、乾式現像方式を有する電子写真方式
を用いて、透明なラミネートフィルム上にカラートナー
画像又は、フルカラートナー画像を形成し、OHP装置
を用いて投影した場合には、フィルム上の画像では十分
な発色性を示しているにもかかわらず、投影画像は全体
にグレーの色調を示すものとなり、色調再現範囲が非常
に狭くなってしまうという現象が生じる。この現象は平
滑なラミネートフィルム上に形成された未定着のトナー
画像が定着時の加熱によって十分流動されず粒状性を保
有しているために投影時に入射光が散乱され、スクリー
ン上に陰影を形成するからである。特に、画像濃度が低
い中間色調部分においては、トナー粒子数の減少により
トナー中の染料または顔料による吸収が下がり、この吸
収レベルと等しくなるため、再現されるべきカラー色調
が灰色となってしまう。
【0021】普通紙の如き記録材上のトナー画像を目視
する場合は、定着したトナー画像に照射されている光の
反射画像を目視するため、トナー表面に多少粒状性が残
っていても画質への影響は少ない。しかし、OHP装置
の様に透過光でトナー画像を観察またはスクリーンに投
影する場合、トナー粒子に起因する残留形状が明白であ
ると光の散乱により、透光性が悪化してしまう。したが
って、OHP装置に用いる記録材は、定着後のトナーの
粒状性を減少させ、透光性を向上させ、更には定着時の
定着ローラーへのオフセットを減少させる効果を持つこ
とが要求される。
【0022】これらに対して、本出願人は特開平5−1
81300号公報においてワックス成分を吸収する吸収
層を有した記録材を提案した。該公報に記載の吸収層を
有する透明記録材は優れたフルカラー画像がオイル塗布
することなしに得られる。該記録材によれば、熱可塑性
の樹脂、特にトナーと同種の樹脂が好ましいとされ、ま
た無機の微粒子を透明樹脂中に分散した吸収層も好まし
い例として開示されている。特開昭62−24863
9、63−178074号公報、特開平3−29028
2号公報にはゴム系樹脂或いはラテックスとしてスチレ
ン−ブタジエン系共重合体の使用が開示されているが、
印刷やプリンター出力用のため、電子写真のトナー転写
や熱定着といったプロセスにそのままでは適用できな
い。一方、電子写真用透明記録材として特開平4−35
9258、5−6019、6−166256、6−16
6283号公報にはスチレン−ブタジエン系共重合体の
使用が開示されているが、離型材を含有或いは内包した
トナー用のOHPシートとしてこれら全てを使うことは
出来ない。この理由は、特開平5−181300号公報
に必要性が記載されているようにワックス成分の吸収性
を考慮しておらず、さらに、熱定着時の定着ローラー通
過時にトナーのない部分、即ち吸収層そのものが定着ロ
ーラーに貼り付く傾向が強く、この点を改善しないと実
際に使用する事が難しかった。また、スチレン−ブタジ
エンブロック共重合体を表層に有するシートはブロッキ
ングし易く、特にスチレン含量が低い場合にこの傾向が
著しかった。例えば特開昭62−248639号公報、
63−178074号公報に示されるように、無機系あ
るいは有機系の微粒子を塗布することによって防止する
方法が知られているが、この方法を用いても140〜2
00℃と高温で定着ロールを通過すると、樹脂の高温粘
着性によってロールに巻き付く現象が発生し記録材とし
て不十分であった。
【0023】また、前記の無機の微粒子を透明樹脂中に
分散した吸収層はこれらの問題はクリアーでき記録材と
して好ましいが、多孔質性で吸湿しやすいため使用環境
によって電子写真特性が変わる傾向があり、より安定し
た画像が得られる記録材が望まれていた。
【0024】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の如き
問題点を解決した電子写真用光透過性記録材及び画像形
成方法を提供することを目的とする。
【0025】すなわち、本発明は、トナーに含有されて
いるワックス成分がトナー画像を記録材に定着した際に
流れ出すことなく品質の良い画像が得られる電子写真用
光透過性記録材及び画像形成方法を提供することを目的
とする。
【0026】また、本発明は透明性に優れ品質の良いカ
ラー又はフルカラーのトランスペアレンシーシートの得
られる電子写真用光透過性記録材及び画像形成方法を提
供することを目的とする。
【0027】更にまた、本発明は、オーバーヘッドプロ
ジェクター(OHP)に用いた際に、投影画像が全体に
グレーがかってしまうことなく、良好な色調再現性を有
するカラー画像又はフルカラー画像の得られる電子写真
用光透過性記録材及び画像形成装置を提供することを目
的とする。
【0028】更にまた、本発明は、定着時の定着手段へ
の耐オフセット性の良好な電子写真用光透過性記録材及
び画像形成方法を提供することを目的とする。
【0029】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明は、以下
の構成により上記目的を達成するものである。
【0030】すなわち、本発明は、光透過性基体及び該
光透過性基体上に形成したスチレン−ブタジエンブロッ
ク共重合体を含有する光透過性のトナー受容層を有する
電子写真用光透過性記録材において、該トナー受容層
は、貯蔵弾性率(G′)、損失弾性率(G″)の比であ
るtanδ(=G″/G′)=10B (Bは実数)で表
されるBの最大値と最小値との差が140〜200℃に
おいて0.3以下であることを特徴とする電子写真用光
透過性記録材に関する。
【0031】さらに本発明は、ワックス成分を含有する
トナーを用いて静電荷潜像担持体上の静電潜像を現像し
トナー画像を静電荷潜像担持体上に形成する現像工程、
光透過性記録材に該トナー画像を転写する転写工程及び
該光透過性記録材に転写されたトナー画像を熱と圧力の
作用で該光透過性記録材に定着する定着工程を有する画
像形成方法において、該光透過性記録材は、光透過性基
体及び該光透過性基体上に形成したスチレン−ブタジエ
ンブロック共重合体を含有する光透過性のトナー受容層
を有しており、該トナー受容層は、貯蔵弾性率
(G′)、損失弾性率(G″)の比であるtanδ(=
G″/G′)=10B (Bは実数)で表されるBの最大
値と最小値との差が140〜200℃において0.3以
下であり、該定着工程においてトナー画像を該光透過性
記録材に定着する際に、該トナー受容層にトナーに含有
されているワックス成分を吸収させて定着することを特
徴とする画像形成方法に関する。
【0032】本発明者等はスチレン−ブタジエンブロッ
ク共重合体の高温域での粘弾性特性がこれらの現象に影
響していることを見い出し本発明を完成するに至ったも
のであり、よって本発明の特徴は、スチレン−ブタジエ
ンブロック共重合体を含有する光透過性のトナー受容層
が、特定の粘弾性特性を有していることである。
【0033】本発明における記録材を図1を用いて説明
する。
【0034】図1において、Aは記録材の光透過性基体
としての透明樹脂製のベースフィルムを示し、Bは光透
過性を有するトナー受容層を示す。本発明において光透
過性とは、全光線透過率が少なくとも70%以上である
ことを意味する。ベースフィルムAは、熱定着または熱
圧定着時の加熱によって著しい熱変形を起こさない耐熱
性を有する必要がある。ベースフィルムAは、ASTM
D648に記載されている4.6Kg/cm2 の測定
条件で好ましくは、145℃以上、より好ましくは、1
50℃以上の熱変形温度を有するものが良い。具体的に
は、ベースフィルムAとして、上記の測定条件で145
℃以上の熱変形温度を有し、最高使用温度が100℃以
上の耐熱性を有するポリエチテンテレフタレート(PE
T)、ポリエステル、ポリアミドまたはポリイミドが例
示される。これらの中でも、ポリエチレンテレフタレー
トが耐熱性及び透明性の点で特に好ましい。ベースフィ
ルムAの厚さは定着時の加熱によってフィルムが柔らか
くなった時にもシワが発生しない厚みが必要であり、例
えば、ポリエチレンテレフタレートの場合50μm以上
あれば良い。透明フィルムであっても厚みが増大すると
透過率が低下するため、ベースフィルムAの厚さは好ま
しくは50〜300μm、より好ましくは100〜20
0μm、更に好ましくは70〜150μmが良い。
【0035】基材層上にトナー受容層を形成する方法と
しては、メチルエチルケトン、アセトンの如きケトン
類、トルエン、キシレンの如き芳香族炭化水素類、エチ
ルセロソルブの如きエーテル類からなる揮発性有機溶剤
にスチレン−ブタジエンブロック共重合体を溶解し、バ
ーコート法、ディップ法、スプレー法、スピンコート法
の如き塗布方法で透明ベースフィルムAの表面に塗布
し、常温或いは加熱して乾燥する方法が挙げられる。
【0036】更に基材層である耐熱性樹脂フィルムと、
トナー受容層との密着性を改良する目的で、プラズマ処
理、コロナ放電処理の如き表面処理を行うことや易接着
層を形成することも好ましい。
【0037】易接着層として用いることのできる樹脂と
しては、ポリエステル樹脂、アクリル酸エステル樹脂、
メタアクリル酸エステル樹脂、スチレン−アクリル酸エ
ステル共重合体、スチレン−メタアクリル酸エステル共
重合体の如き樹脂が挙げられる。
【0038】重合トナーについては特開平5−181,
300号公報に詳述されているが、該トナーに含有され
る離型剤のワックスとしては、例えばパラフィン系ワッ
クス、ポリオレフィン系ワックス及びこれらの変性物
(例えば酸化物やグラフト処理物)、高級脂肪酸、及び
その金属塩、エステルワックス、アミドワックスが挙げ
られるが何らこれに限定するものではない。
【0039】本発明の画像形成方法で用いられるトナー
に含有されるワックスの融点は、30〜150℃である
のが好ましく、より好ましくは40〜140℃が良い。
融点が30℃より低い場合、トナーの耐ブロッキング性
及び保形成が充分ではなく、150℃より高い場合、離
型性の効果が充分ではない。尚、融点はDSCによる最
大吸熱ピークの温度より算出される。
【0040】本発明において、光透過性を有するトナー
受容層Bは、貯蔵弾性率(G′)、損失弾性率(G″)
の比であるtanδ(=G″/G′)=10B (Bは実
数)で表されるBの最大値と最小値との差が140〜2
00℃において0.3以下(0.3〜0)であり、好ま
しくは0.25以下(0.25〜0)であることが良
い。
【0041】このようなトナー受容層は、スチレン−ブ
タジエンブロック共重合体を含有するものであり、この
スチレン−ブタジエンブロック共重合体は該共重合体と
して知られるものの内、貯蔵弾性率(G′)、損失弾性
率(G″)の比であるtanδ(=G″/G′)=10
B (Bは実数)で表されるBの最大値と最小値との差が
140〜200℃において0.3以下、さらには0.2
5以下であるものが好ましい。
【0042】トナー受容層の140〜200℃における
前記のBの最大値と最小値との差が0.3を越えると、
この温度域で定着ローラー通過時に粘弾性特性の変化が
急激になって来るため、定着ローラーへの貼り付きが生
じ易くなるため好ましくない。定着ローラーの表面はフ
ッ素系の樹脂が使用されるため、低温では貼り付きを生
じる心配はないが、140〜200℃と高温になるとト
ナー受容層の粘着性と相まって貼り付きが発生しやすく
なってくる。
【0043】また、スチレン−ブタジエンブロック共重
合体のスチレン/ブタジエンの比率(St/Bu比)が
30/70〜70/30の範囲が好ましく、スチレン成
分が多いとワックス吸収性が不充分となり、ブタジエン
成分が多いと常温でも粘着性が生じ透明記録材を積層し
た場合にブロッキングし易くなるので好ましくない。該
共重合体単体のSt/Bu比が上記範囲外であっても、
トナー受容層としての物性を調整するために2種類以上
の共重合体をブレンドして上記範囲内にすることも可能
である。
【0044】トナー受容層B及びトナー受容層を調製す
るための樹脂のG′(貯蔵弾性率)、G″(損失弾性
率)、tanδの如き粘弾性特性はレオメトリックス社
製(Rheometrics Inc.)のメカニカル
スペクトロメーターRMS−800を使用して測定し
た。条件は周波数をw=6.28rad/sec.に固
定し、歪率は自動とした。この状態で温度を昇温し温度
依存性測定を行った。測定サンプルは、トナー受容層の
粘弾性特性を測定する場合には、基体から剥離したトナ
ー受容層を加熱成形し、厚さ3mmのシートから直径5
mmの円盤状試料を切り出し、トナー受容層を調製する
ための樹脂の粘弾性特性を測定する場合には、樹脂ペレ
ットを加熱成形し、厚さ3mmのシートから直径5mm
の円盤状試料を切り出して調製したものをそれぞれ用い
た。
【0045】本発明で使用されるスチレン−ブタジエン
ブロック共重合体の数平均分子量は5千〜50万、好ま
しくは1万〜20万、重量平均分子量が5千〜100
万、好ましくは1万〜50万、ガラス転移温度(Tg)
が50℃〜150℃、好ましくは80℃〜120℃が有
効である。
【0046】トナー受容層Bの厚さは、定着されるべき
トナーの粒径によって最適な厚みは変わり、2〜30μ
m、好ましくは3〜15μmである。最適な厚みは透光
性や画像ボケ等によっても制限されるが、トナー受容層
の屈曲性があるので厚くなっても画像のひび割れが生じ
る心配はない。
【0047】本発明において、樹脂の分子量分布は、G
PC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)、G
PC−150C(ウォーターズ社製)により次の条件で
測定する。すなわち、40℃のヒートチャンバー中でカ
ラムを安定化させ、この温度におけるカラムに、溶媒と
してTHF(テトラヒドロフラン)を毎分1mlの流速
で流し、試料濃度として0.05〜0.6重量%に調整
した樹脂のTHF試料溶液を50〜200μl注入して
測定する。試料の分子量測定にあたっては、試料の有す
る分子量分布を、数種の単分散ポリスチレン標準試料に
より作製された検量線の対数値とカウント数との関係か
ら算出した。検量線作製用の標準ポリスチレン試料とし
ては、市販の東ソー製標準ポリスチレンを用い、分子量
が6×102 、2.1×103 、4×103 、1.75
×104 、5.1×104 、1.1×105 、3.9×
105 、8.6×105 、2×106 、4.48×10
6のものを使用した。検出器はRI(屈折率)検出器を
用い、カラムは、東ソー製TSKgelG1000H、
G2000H、G3000Hの組合せを使用した。
【0048】本発明において、樹脂のガラス転移温度
(Tg)は、示差熱分析測定装置(DSC測定装置)、
DSC−7(パーキンエルマー社製)を用いて測定す
る。5〜20mg、好ましくは10mgの測定試料を精
密に秤量し、それをアルミパンに入れ、リファレンスと
して空のアルミパンを用い、昇温速度10℃/min或
いは20℃/minで窒素ガス雰囲気下で測定を行う。
この昇温過程で、ベースラインのシフト前後の各ベース
ラインを互いの方向に外挿し、その中間点の線と示差熱
曲線との交点の温度を本発明におけるTgとする。
【0049】本発明による電子写真用光透過性記録材の
光透過性とは、OHPシートとしての全光線透過率が少
なくとも60%以上(60〜100%)、好ましくは7
0%以上(70〜100%)、より好ましくは80%以
上(80〜100%)であり、かつヘイズが少なくとも
10以下(0〜10)、好ましくは7以下(0〜7)で
あることを意味する。
【0050】本発明において、光透過性記録材の全光線
透過率及びヘイズは、ヘイズメーター1001DP(日
本電色社製)により測定した。
【0051】本発明におけるスチレン−ブタジエンブロ
ック共重合体を主体とするトナー受容層はそのままでは
表面抵抗値が1016乃至1017Ω/□と高いため、帯電
防止剤を混合又は塗布してトナーの転写に適した領域で
ある107 〜1012Ω/□に調整することが好ましい。
帯電防止剤は、公知の四級アンモニウム塩系化合物、ピ
リジニウム塩系化合物、ホスホニウム塩系化合物、アル
キルベタイン系化合物、アルキルイミダゾリン系化合
物、アルキルアラニン系化合物、ポリオキシエチレン型
非イオン系化合物、多価アルコール型非イオン系化合
物、ポリビニルベンジル型カチオンやポリアクリル酸型
カチオン等の樹脂系化合物、SnO2 やSnO2 −Sb
等の金属酸化物超微粒子をバインダー樹脂中に分散した
もの等が挙げられる。帯電防止層は、トナー受容層形成
時の塗布溶液中に混合して同時に塗布するか、トナー受
容層形成後上記の帯電防止剤を水或いはアルコール等の
有機溶媒に溶解した溶液を塗布して形成する。
【0052】本発明の記録材においては、少なくとも片
面に前記のトナー受容層を設けたものであるが、使用時
の利便性から両面に該トナー受容層を設けたものも好ま
しい使用形態である。
【0053】本発明に係るカラー画像形成方法に関して
説明する。
【0054】図3は本発明に係るフルカラー画像を形成
し得る電子写真装置の概略的断面図を示す。図面上、装
置本体100の右側(図3右側)から装置本体100の
略中央部に亘って設けられている記録材搬送系Iと、装
置本体100の略中央部に、前記記録材搬送系Iを構成
している転写ドラム8に近接して設けられている潜像形
成部IIと、前記潜像形成部IIと近接して配設されて
いる現像手段(即ち回転式現像装置III)とに大別さ
れる。前述した記録材搬送系Iは、前記装置本体100
の右側(図3右側)に形成されている開口部に対して着
脱自在な記録材供給用トレイ101及び102と、該ト
レイ101及び102の略直上部に配設された給紙用ロ
ーラ103及び104と、これら給紙用ローラ103及
び104に近接して配設され給紙ローラ106を備えた
給紙ガイド4A、4Bと、前記給紙ガイド4Bと近接し
て設けられ、外周面近傍に回転方向上流側から下流側に
向って当接用ローラ7、グリッパ6、記録材分離用帯電
器12、分離爪14が配設されているとともに、内周側
に転写帯電器9、転写材分離用帯電器13が配設されて
いる。図3矢印方向に回転自在な転写ドラム8と、前記
分離爪14と近接して設けられている搬送ベルト手段1
5と、該搬送ベルト手段15の搬送方向終了端側に近接
して配設され装置本体100外へと延在する装置本体1
00に対して着脱可能な排出用トレイ17と近接してい
る定着器16とから成る。
【0055】前記潜像形成部IIは、外周面が前記転写
ドラム8の外周面と当接して配設されているとともに図
3矢印方向に回転自在な静電荷潜像担持体(即ち感光体
ドラム2)と、該感光体ドラム2の外周面近傍に該感光
体ドラム2の回転方向上流側から下流側に向って配設さ
れている除電用帯電器10、クリーニング手段11、一
次帯電器3及び前記感光体ドラム2の外周面上に静電荷
潜像を形成するためのレーザービームスキャナのごとき
像露光手段とポリゴンミラーのごとき像露光反射手段を
具備している。前記回転式現像装置IIIは、回転自在
な筐体(以下「回転体」という)18と、該回転体18
中に夫々搭載され前記感光体ドラム2の外周面と対向す
る位置にて前記感光体ドラム2の外周面上に形成された
静電荷潜像を可視化(即ち現像)するように構成されて
いるイエロー現像器18Y、マゼンタ現像器18M、シ
アン現像器18C及びブラック現像器18Bkとを有し
ている。
【0056】上述したごとき構成の画像形成装置全体の
シーケンスについて、フルカラーモードの場合を例とし
て説明する。前述した感光体ドラム2が図3矢印方向に
回転すると、該感光体ドラム2上の感光体は一次帯電器
3によって均等に帯電される。一次帯電器3による感光
体に対する均等な帯電が行われると、原稿(図示せず)
のイエロー画像信号にて変調されたレーザー光Eにより
画像露光が行われ、感光体ドラム2上に静電荷潜像が形
成され、回転体18の回転によりあらかじめ現像位置に
定置されたイエロー現像器18Yによって前記静電荷潜
像の現像が行われる。
【0057】一方、給紙ガイド4A、給紙ローラ10
6、給紙ガイド4Bを経由して搬送されてきた記録材
は、所定のタイミングにてグリッパ6により保持され、
当接用ローラ7と該当接用ローラ7と対向している電極
とによって静電的に転写ドラム8に巻き付けられる。転
写ドラム8は、感光体ドラム2と同期して図7矢印方向
に回転しており、イエロー現像器18Yで現像された顕
画像は、前記感光体ドラム2の外周面と前記転写ドラム
8の外周面とが当接している部位にて転写帯電器9によ
って転写される。転写ドラム8はそのまま回転を継続
し、次の色(図3においてはマゼンタ)の転写に備え
る。
【0058】感光体ドラム2は、前記除電用帯電器10
により除電され、クリーニング手段11によってクリー
ニングされた後、再び一次帯電器3によって帯電され、
次のマゼンタ画像信号により前記のような像露光を受け
る。前記回転式現像装置は、感光体ドラム2上に前記像
露光によってマゼンタ画像信号による静電荷潜像が形成
される間に回転して、マゼンタ現像器18Mを前述した
所定の現像位置に定置せしめ、所定のマゼンタ現像を行
う。引続いて、上述したごときプロセスをそれぞれシア
ン色及びブラック色に対しても実施し、4色分の転写が
終了すると、記録材上に形成された多色顕画像は各帯電
器12、13により除電され、前記グリッパ6による記
録材の把持が解除されると共に、記録材は分離爪14に
よって転写ドラム8より分離され、搬送ベルト15で定
着器16に送られ、熱と圧力により定着され一連のフル
カラープリントシーケンスが終了し、所要のフルカラー
プリント画像が形成される。
【0059】定着器16は、加熱定着ローラ161、及
び加圧ローラ162を具備している。加熱ローラ161
は、シリコーンゴムやフッ素系樹脂等の離型特性の優れ
た表層を有していることが好ましい。加圧ローラ162
の表層は、フッ素系樹脂で形成されていることが好まし
い。
【0060】上述の如く、本発明の画像形成方法として
カラー複写機を用いて説明したが、カラー複写機の他に
カラープリンター、カラーファックス等前述したトナー
を使用する電子写真方式全てに応用が可能である。
【0061】以下、実施例に基づいて、本発明を具体的
に説明する。
【0062】
【実施例】
(実施例1)イオン交換水709重量部に0.1M−N
3 PO4 水溶液451重量部を投入し、60℃に加温
した後、TK式ホモミキサー(特殊機化工業製)を用い
て12,000rpmにて攪拌した。これに1.0M−
CaCl2 水溶液67.7重量部を徐々に添加し、Ca
3 (PO42 を含む分散媒体を得た。
【0063】 スチレン 170重量部 2エチルヘキシルアクリレート 30重量部 パラフィンワックス(m.p.75℃) 60重量部 C.I.ピグメントブルー15 10重量部 スチレン−メタクリル酸−メタクリル酸メチル共重合体 5重量部 ジ−tert−ブチルサリチル酸金属化合物 3重量部
【0064】上記処方のうちC.I.ピグメントブルー
15とジ−tert−ブチルサリチル酸金属化合物とス
チレンだけをエバラマイルダー(荏原製作所製)を用い
て予備混合を行った。次に上記処方すべてを60℃に加
温し、溶解・分散して単量体混合物とした。さらに60
℃に保持しながら、開始剤ジメチル2、2’−アゾビス
イソブチレート10重量部を加えて溶解し、単量体組成
物を調製した。
【0065】前記ホモミキサーの21フラスコ中で調製
した分散媒に、上記単量体組成物を投入した。60℃
で、窒素雰囲気としたTKホモミキサーを用いて10,
000rpmで20分間攪拌し、単量体組成物を造粒し
た。その後バドル攪拌翼で攪拌しつつ60℃で3時間反
応させた後、80℃で10時間重合させた。
【0066】重合反応終了後、反応生成物を冷却し、塩
酸を加えて、Ca3 (PO42 を溶解し、濾過、水洗
乾燥することにより、重合トナーを得た。
【0067】得られたトナーの粒径をコールターカウン
ターで測定したところ、重量平均径8.2μmでシャー
プな粒度分布を有していた。さらに、粒子の断面を染色
超薄切片法により透過型電子顕微鏡で観察したところ、
スチレン−アクリル樹脂を主体とする表層部とワックス
を主体とする中心部とに別れたカプセル構造であった。
【0068】得られたトナー100重量部に対して、B
ET法による比表面積が200m2/gである疎水性シ
リカ0.7重量部を外添した。このトナー7重量部に対
し、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体で表面被覆
したCu−Zn−Fe系フェライトキャリア93重量部
を混合し、現像剤とした。
【0069】この現像剤を用いて市販のフルカラー複写
機(CLC−500、キヤノン製)を用いて画出しし
た。現像条件は温度23℃/65%RHの環境下で現像
コントラスト320Vで行った。
【0070】記録材としては、PET約100μm厚の
光透過性基材層上にワックス成分の吸収層として、表1
に示すスチレン−ブタジエンブロック共重合体1のトル
エン溶液をバーコート法により塗布し、110℃で10
分乾燥し乾燥厚みが10μmのトナー受容層1を有する
記録材1を得た。尚、表面にエレガン264WAX(日
本油脂製)の0.5wt.%イソプロピルアルコールを
塗布、乾燥し、表面抵抗値を1010Ω/□に調整した
(25℃、40%RH)。トナー受容層1のG′、
G″、tanδ測定データを図2に示す。
【0071】CLC−500の改造機で現像転写させた
だけの上記記録材上の未定着トナー画像を外部定着機
(市販のCLC−500と同一ローラー構成、オイル塗
布機能なし)にて定着した。定着温度は170℃、定着
スピードは20mm/secとした。
【0072】得られた定着トナー画像はオフセットする
こともなく、またワックス成分のしみ出し跡もないきれ
いな透明画像であった。実際にオーバーヘッドプロジェ
クターにて投影してみたところ、きれいなシアン色の投
影画像が得られ、本発明の記録材の効果が確認できた。
評価結果を表2に示す。
【0073】(実施例2)実施例1において用いた、ス
チレン−ブタジエンブロック共重合体1のかわりに表1
に示すスチレン−ブタジエンブロック共重合体2を用い
ることを除いては同様にしてトナー受容層2を有する記
録材2を得た。トナー受容層2のG′、G″、tanδ
の測定データを図2に示す。実施例1と同様にして画出
しし、同様にして定着したところ、ワックス成分のしみ
出し跡もなく良好な定着トナー画像が得られた。OHP
装置にて投影してみたところ透明性を損なわずきれいな
投影画像が得られた。評価結果を表2に示す。
【0074】(実施例3)実施例1で使用のトナーにお
いてC.I.ピグメントブルー15のかわりにC.I.
ピグメントレッド122を9重量部用いてマゼンタトナ
ーを、また、C.I.ピグメントイエロー17を8重量
部用いてイエロートナーを、また、市販のカーボンブラ
ック12重量部用いてブラックトナーをそれぞれ同様に
して得た。得られた3色のトナーを実施例1とほぼ同様
にして現像剤を調製し、実施例1で使用した着色現像剤
を含めた4色の現像剤を用いて、CLC−500の改造
機で現像転写しただけのフルカラーの未定着トナー画像
を実施例1と同様の外部定着機にてオイル塗布せずに定
着した。
【0075】記録材は実施例1で使用したワックス成分
の吸収層を有する記録材Aを用いた。得られたトナー定
着画像はオフセットすることもなく、ワックス成分のし
み出し跡も全く見られない品質の優れたものであった。
OHP装置にて投影してみたところ大変きれいなフルカ
ラー投影画像であった。
【0076】(実施例4〜9)実施例1において用いた
スチレン−ブタジエンブロック共重合体1のかわりに、
PET約100μm厚の光透過性基材層上に表1に示す
スチレン−ブタジエンブロック共重合体3乃至7をそれ
ぞれ用いることを除いては同様にしてトナー受容層3乃
至7をそれぞれ有する記録材3乃至8を得た。実施例1
と同様にして画出し、定着したところ、ワックス成分の
しみ出し跡もなく良好な定着トナー画像が得られた。O
HP装置にて投影してみたところ何れも透明性を損なわ
ずきれいな投影画像が得られた。評価結果を表2に示
す。
【0077】表2中、貼り付きの評価は、トナー未転写
でオイル塗布していない定着ローラーを通過させ貼り付
かなかった場合を○、一部貼り付いたが通過した場合を
△、貼り付いた場合を×とし、ワックス溢れの評価はワ
ックス成分のしみ出し跡が目視で確認できない場合を
○、確認できれば×とし、ブロッキング性の評価は透明
記録材層上に基材のPETを重ね、上から1kg/10
cm2 の重量を加えた後PETが貼り付かなかった場合
を○、貼り付いた場合を×とした。
【0078】(比較例1)実施例1において用いたスチ
レンブタジエンブロック共重合体1のかわりに表1に示
すスチレン−ブタジエンブロック共重合体8を用いるこ
とを除いては同様にしてトナー受容層8を有する記録材
8を得た。トナー受容層8のG′、G″、tanδの測
定データを図2に示す。実施例3で使用したと同様の外
部定着機にて上記の透明記録材にトナー未転写でオイル
塗布せずに定着ローラーを通過させたところ、粘着性が
強く樹脂面がローラーに貼り付いてしまった。評価結果
を表2に示す。
【0079】(比較例2〜4)実施例1において用いた
スチレン−ブタジエンブロック共重合体1のかわりに表
1に示すスチレン−ブタジエンブロック共重合体9、ポ
リスチレン10及びポリブタジエン11をそれぞれ用い
ることを除いては、同様にしてトナー受容層9乃至11
をそれぞれ有する記録材9乃至11を得た。
【0080】比較例1と同様に試験したところ、表2に
示すように何れも定着ローラーに貼り付いてしまうか又
はブロッキング性が悪かった。
【0081】上記の実施例1乃至8及び比較例1乃至4
の記録材1乃至11の透過率及びヘイズを表3に示す。
【0082】表2の実施例、比較例に示されるように、
140〜200℃においてトナー受容層のBの最大値と
最小値との差が0.3を越える場合は、図2の比較例に
示されるように、該温度域においてtanδの曲線の傾
きが大きくなる傾向にあり、これはtanδ(=G″/
G′)の粘性に関わるG″(損失弾性率)の寄与が大き
くなるためと考えられる。図2の実施例1、2に見られ
るように、前記のBの最大値と最小値との差が0.3以
内の場合は該温度域でのtanδの曲線の傾き(変化
率)が小さいことがわかり、これによって高温で定着さ
れた際に定着ローラーから排出時の前記のG′とG″の
寄与が比較的一定になるために貼り付きを抑制し、安定
して排出されるようになったものと考えられる。
【0083】
【表1】
【0084】
【表2】
【0085】
【表3】
【0086】
【発明の効果】本発明の光透過性記録材は、スチレン−
ブタジエンブロック共重合体を含有する光透過性のトナ
ー受容層が特定の貼弾性特性を有していることから、ト
ナー画像の定着時にトナーが含有しているワックスを良
好に吸収し流れ出しを防止することが可能であり、透明
性に優れたカラー又はフルカラーのトランスペアレンシ
ーシートが得られ、さらにこのトランスペアレンシーシ
ートをOHPに用いた場合に投影画像がグレーがかって
しまうことなく良好な色調再現性が得られ、またトナー
画像定着時に定着ローラの如き定着手段に対する耐オフ
セット性に優れていると言う効果を有するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の記録材の構成を示す断面図である。
【図2】本発明の実施例において使用される記録材の粘
弾性を示す図である。
【図3】本発明の記録材が使用可能であり、かつ本発明
の画像形成方法を説明するための画像形成装置の概略図
である。
【図4】一般の記録材を用いて画像形成した際に生じる
問題点を説明する図である。
【符号の説明】
A 光透過性基体 B トナー受容層 I 画像 P 記録材の進行方向 R 記録材 W ワックス

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光透過性基体及び該光透過性基体上に形
    成したスチレン−ブタジエンブロック共重合体を含有す
    る光透過性のトナー受容層を有する電子写真用光透過性
    記録材において、該トナー受容層は、貯蔵弾性率
    (G′)、損失弾性率(G″)の比であるtanδ(=
    G″/G′)=10B (Bは実数)で表されるBの最大
    値と最小値との差が140〜200℃において0.3以
    下であることを特徴とする電子写真用光透過性記録材。
  2. 【請求項2】 該トナー受容層は、前記のBの最大値と
    最小値との差が140〜200℃において0.25以下
    である請求項1記載の電子写真用光透過性記録材。
  3. 【請求項3】 該トナー受容層は、140〜200℃に
    おける貯蔵弾性率(G′)が104 〜107 (dyn/
    cm2 )である請求項1乃至2記載の電子写真用光透過
    性記録材。
  4. 【請求項4】 該トナー受容層は、140〜200℃に
    おける損失弾性率(G″)が104 〜107 (dyn/
    cm2 )である請求項1乃至2記載の電子写真用光透過
    性記録材。
  5. 【請求項5】 該スチレン−ブタジエンブロック共重合
    体は、スチレン/ブタジエンの比率が30/70〜70
    /30である請求項1乃至4記載の電子写真用光透過性
    記録材。
  6. 【請求項6】 ワックス成分を含有するトナーを用いて
    静電荷潜像担持体上の静電潜像を現像しトナー画像を静
    電荷潜像担持体上に形成する現像工程、光透過性記録材
    に該トナー画像を転写する転写工程及び該光透過性記録
    材に転写されたトナー画像を熱と圧力の作用で該光透過
    性記録材に定着する定着工程を有する画像形成方法にお
    いて、該光透過性記録材は、光透過性基体及び該光透過
    性基体上に形成したスチレン−ブタジエンブロック共重
    合体を含有する光透過性のトナー受容層を有しており、
    該トナー受容層は、貯蔵弾性率(G′)、損失弾性率
    (G″)の比であるtanδ(=G″/G′)=10B
    (Bは実数)で表されるBの最大値と最小値との差が1
    40〜200℃において0.3以下であり、該定着工程
    においてトナー画像を該光透過性記録材に定着する際
    に、該トナー受容層にトナーに含有されているワックス
    成分を吸収させて定着することを特徴とする画像形成方
    法。
  7. 【請求項7】 該トナー受容層は、前記のBの最大値と
    最小値との差が140〜200℃において0.25以下
    である請求項6記載の画像形成方法。
  8. 【請求項8】 該トナー受容層は、140〜200℃に
    おける貯蔵弾性率(G′)が104 〜107 (dyn/
    cm2 )である請求項6乃至7記載の画像形成方法。
  9. 【請求項9】 該トナー受容層は、140〜200℃に
    おける損失弾性率(G″)が104 〜107 (dyn/
    cm2 )である請求項6乃至7記載の画像形成方法。
  10. 【請求項10】 該スチレン−ブタジエンブロック共重
    合体は、スチレン/ブタジエンの比率が30/70〜7
    0/30である請求項6乃至9記載の画像形成方法。
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