JPH10287039A - インクジェット記録用受像シート - Google Patents

インクジェット記録用受像シート

Info

Publication number
JPH10287039A
JPH10287039A JP9100390A JP10039097A JPH10287039A JP H10287039 A JPH10287039 A JP H10287039A JP 9100390 A JP9100390 A JP 9100390A JP 10039097 A JP10039097 A JP 10039097A JP H10287039 A JPH10287039 A JP H10287039A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ink
resin
receiving sheet
film
jet recording
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP9100390A
Other languages
English (en)
Inventor
Hagumu Takada
育 高田
Hisashi Owatari
寿士 大渡
Takashi Mimura
尚 三村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toray Industries Inc filed Critical Toray Industries Inc
Priority to JP9100390A priority Critical patent/JPH10287039A/ja
Publication of JPH10287039A publication Critical patent/JPH10287039A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【解決手段】白色熱可塑性樹脂フィルムの少なくとも片
面に、易接着層とインク受容層が順次積層されてなるイ
ンクジェット記録用受像シートにおいて、該易接着層が
ポリエステル樹脂を主たる構成成分とし、かつ、該イン
ク受容層がポリビニルアルコール樹脂とアミノ基含有シ
ランカップリング剤を主たる構成成分としてなることを
特徴とするインクジェット記録用受像シートに関するも
のである。 【効果】本発明によって作成されるインクジェット記録
用受像シートは、白色熱可塑性樹脂フィルムの少なくと
も片面に、ポリエステル樹脂からなる易接着層と、ポリ
ビニルアルコール樹脂とアミノ基含有シランカップリン
グ剤を主たる構成成分とするインク受容層を順次積層し
てなることで、インク吸収性、印刷特性に優れると同時
に、耐久性にも優れた効果を発現するものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はインクジェット記録
用受像シートに関するものであり、更に詳しくは、基材
フィルムとして白色熱可塑性樹脂フィルムを用いた、イ
ンク吸収性、印刷特性に優れると同時に、耐久性にも優
れたインクジェット記録用受像シートに関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】インクジェット記録方式は、バブルジェ
ット方式をはじめとする各種インク吐出方式により、イ
ンクの小滴を発生、飛散させ、それらの一部または全て
を紙などの受像シートに付着させ、記録を行うものであ
る。
【0003】本方式は、普通紙に記録可能であること、
装置稼働時の騒音レベルが低いこと、保守性が簡便なこ
と、ランニングコストが低いことなどの特徴を有してい
る。中でも、熱転写リボンを用いた記録方式などとは異
なり、記録する場合だけにインクを消費するのでランニ
ングコストが低く、かつ、装置自体が比較的安価である
ことから、近年のフルカラー印刷化やパーソナルコンピ
ューターの普及と相まって、本方式を用いたインクジェ
ットプリンターは急速に普及してきている。
【0004】一般的に、インクジェット記録に使用され
る受像シートとしては、紙、表面にインクを受容する層
(以後、「インク受容層」と略称する)を設けたコート
紙、あるいは、熱可塑性樹脂からなる基材フィルムにイ
ンク受容層を設けた構成のものが使用されている。特
に、熱可塑性樹脂フィルムにインク受容層を設けた受像
シートは、表面が平滑なため印刷抜けなどの発生が無
く、かつ、基材フィルムに吸水性や吸湿性が殆どないた
め、インクの水分による受像シートの波うちなどの平面
性の悪化などが無いため、極めて美麗な印刷画像が形成
され、従来の紙やコート紙に比べ大幅な画質向上が認め
られている。
【0005】上記した受像シートは、熱可塑性樹脂から
なる基材フィルム表面に各種のインク受容層が設けられ
てなるものであるが、これまでにも多くの方法が提案さ
れている。例えば、基材フィルム上にポリビニルアルコ
ール樹脂を塗布したもの、基材上にコロイダルシリカ粒
子含有親水無機有機複合層からなる多孔質層を設ける方
法(特開平2−147233号公報)、支持体上にケイ
ソウ土や真珠岩粉末などの多孔質構造の粒子を含有する
多孔質層を設ける方法(特開昭61−8385号公
報)、合成紙上に無機微細粉末含有熱可塑性樹脂層を設
けて表面を粗面化する方法(特開昭62−278087
号公報)、平滑度の高い合成紙上にポリビニルアルコー
ル樹脂とシリカ粒子からなる吸油性の高いコート層を設
ける方法(特開昭62−162590号公報)、相互に
混和性の低いプラスチックを溶媒に溶解して塗布した
後、凝固浴でプラスチックを凝固させ多孔層を設ける方
法(特開昭62−197183号公報)、ポリビニルア
セタール樹脂とカチオンおよびアニオン型フッ素系界面
活性剤からなるインク受容層を設ける方法(特開平8−
104055号公報)などがある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前述した従来
の技術には以下のような欠点がある。
【0007】基材フィルム上にポリビニルアルコール樹
脂を塗布したものは、インク吸収性には優れるものの、
基材フィルムとの接着性、すなわち、耐久性の点で著し
く劣る。このような塗布フィルムは、インクジェット記
録方式による記録後、ちょっとした擦れなどにより簡単
に塗布層が剥がれたりして、実用に値しないものにな
る。
【0008】表面に吸収性を付与するために無機粒子を
多量に用いる方法では、積層膜自体の耐摩耗性が不十分
であり、表面からの粒子の脱落により、印刷が不鮮明に
なったり、基材フィルムとの接着性が弱いため耐久性が
不足したりする。
【0009】また、無機粒子によって表面を粗面化ある
いは多孔質化したものは、上記と同様に、印刷が不鮮明
になるなどの問題がある。
【0010】混和性の低いプラスチックを混合、塗布し
て後、凝固浴で凝固させ多孔質層を設ける方法は、性能
的には優れるものの、工程が煩雑であり、工業的に利用
するには困難である。
【0011】また、ポリビニルアセタール樹脂に界面活
性剤を混合して後、塗布したものは、インク吸収性の点
で不十分であり、また、基材フィルムとの接着性の点で
も劣り、結果としてインク受容層が剥離するなど耐久性
に劣る結果となる。
【0012】本発明はこれらの欠点を解消せしめ、基材
フィルムとして白色熱可塑性樹脂フィルムを用いた、イ
ンク吸収性、印刷特性に優れると同時に、耐久性にも優
れたインクジェット記録用受像シートを提供するもので
ある。
【0013】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成する本
発明のインクジェット記録用受像シートは、少なくとも
一軸に延伸された白色熱可塑性樹脂フィルムの少なくと
も片面に、易接着層とインク受容層が順次積層されてな
るインクジェット記録用受像シートにおいて、該易接着
層がポリエステル樹脂を主たる構成成分とし、かつ、該
インク受容層がポリビニルアルコール樹脂とアミノ基含
有シランカップリング剤を主たる構成成分としてなるこ
とを特徴とするものである。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明でいう白色熱可塑性樹脂フ
ィルムを構成する熱可塑性樹脂とは、熱によって溶融も
しくは軟化する樹脂の総称であって、特に限定されるも
のではないが、代表的なものとしては、ポリエステル樹
脂、ポリプロピレンやポリエチレンなどのポリオレフィ
ン樹脂、ナイロンなどのポリアミド樹脂、ポリ塩化ビニ
ル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ア
クリル系樹脂、フッ素系樹脂などを用いることができ
る。
【0015】これらの熱可塑性樹脂は、ホモポリマーで
も共重合ポリマーであってもよい。中でも、機械的強
度、寸法安定性、あるいは易接着層などのフィルム上に
設ける積層膜との接着性、すなわち、インクジェット記
録用受像シートとしての耐久性などの点で、ポリエステ
ル樹脂を用いることが好ましい。
【0016】本発明において、ポリエステル樹脂とは、
エステル結合を主鎖の主要な結合鎖とする高分子の総称
であって、好ましいポリエステルとしては、エチレンテ
レフタレート、エチレン−2,6−ナフタレート、ブチ
レンテレフタレート、ブチレン−2,6−ナフタレー
ト、エチレン−α,β−ビス(2−クロロフェノキシ)
エタン−4,4’−ジカルボキシレートなどから選ばれ
た少なくとも1種の構成成分を主要構成成分とするもの
を用いることができる。これら構成成分は1種のみ用い
ても、2種以上併用してもよいが、中でも品質、経済性
などを総合的に判断するとエチレンテレフタレートを主
要構成成分とするポリエステルを用いることが好まし
い。さらに、加熱によるオリゴマーの滲み出しが少な
く、表面が汚染されにくいこと、寸法安定性や機械的強
度が優れる点で、ポリエチレン−2,6−ナフタレート
を主要構成成分とするポリエステルも好適に用いること
もできる。
【0017】また、これらポリエステルには、更に他の
ジカルボン酸成分やジオール成分が一部、好ましくは2
0モル%以下共重合されていてもよい。
【0018】具体的な共重合成分としては、イソフタル
酸、炭素数4〜10の脂肪族ジカルボン酸、脂環族ジカ
ルボン酸およびこれらのエステル、炭素数3〜20のジ
オール、シクロヘキサンジメタノールなどを用いること
ができる。
【0019】更に、このポリエステル中には、各種添加
剤、例えば、酸化防止剤、耐熱安定剤、耐候安定剤、紫
外線吸収剤、有機の易滑剤、顔料、染料、有機または無
機の微粒子、充填剤、帯電防止剤、核剤などがその特性
を悪化させない程度に添加されていてもよい。
【0020】上述したポリエステルの極限粘度(25℃
のo−クロロフェノール中で測定)は、0.4〜1.2
dl/gが好ましく、より好ましくは0.5〜0.8d
l/gの範囲にあるものが本発明を実施する上で好適で
ある。
【0021】上記ポリエステルを使用したポリエステル
フィルムは、本発明にかかる易接着層が設けられた状態
においては、二軸配向されたものであるのが好ましい。
二軸配向ポリエステルフィルムとは、一般に、未延伸状
態のポリエステルシートまたはフィルムを長手方向およ
び幅方向に各々2.5〜5倍程度延伸され、その後、熱
処理が施されて、結晶配向が完了されたものであり、広
角X線回折で二軸配向のパターンを示すものをいう。
【0022】ポリエステルフィルムの厚みは、本発明の
インクジェット記録用受像シートを利用するプリンター
に適用可能であれば、特に限定されるものではないが、
機械的強度、ハンドリング性、透明性などの点から、通
常5〜300μm、好ましくは20〜200μmであ
る。このときプリンター搬送性に劣る場合は、紙を裏打
ちするなどして印刷して使用するなどの方法をとること
ができる。また、得られたフィルムを各種の方法で貼り
合わせて、必要な厚みにすることもできる。
【0023】本発明のインクジェット記録用受像シート
においては、基材フィルムとして白色熱可塑性樹脂フィ
ルムが用いられ、特に白色ポリエステルフィルムが好適
に用いることができる。このとき、白色ポリエステルフ
ィルムとは、白色に着色されたポリエステルフィルムで
あれば特に限定されるものではないが、白色度について
は、55〜180%が好ましく、より好ましくは85〜
150%、最も好ましくは90〜130%であり、光学
濃度については、0.5〜5が好ましく、より好ましく
は0.8〜3、最も好ましくは1〜2である。例えば、
白色度が小さい基材フィルムを使用した場合、本発明の
インクジェット記録用受像シートの下に置かれた物体の
模様が透けて見えたり、印刷した画像の色合いが変わっ
てしまったり、あるいは、インクジェット記録用受像シ
ート自体の反対面の模様や着色が透過し表面の印刷層の
美観が損なわれ易くなる。一方、光学濃度が小さい場
合、十分な光線反射が得られず、肉眼で見た場合白さが
減少する、反対面の影響を受けるなど好ましくない。
【0024】このような光学濃度、白色度を得る方法
は、特に限定されないが、通常は無機粒子あるいはポリ
エステルと非相溶の樹脂の添加により得ることができ
る。添加する量は特に限定されないが、無機粒子の場
合、好ましくは5〜35重量%、より好ましくは8〜2
5重量%である。一方、ポリエステルと非相溶性の樹脂
を添加する場合は、好ましくは5〜35体積%、より好
ましくは8〜25体積%である。
【0025】該無機粒子は特に限定されないが、好まし
くは平均粒径0.1〜4μm、より好ましくは0.3〜
1.5μmの無機粒子などをその代表的なものとして用
いることができる。具体的には、硫酸バリウム、炭酸カ
ルシウム、硫酸カルシウム、酸化チタン、シリカ、アル
ミナ、タルク、クレーなどあるいはこれらの混合物を使
用でき、これらの無機粒子は他の無機化合物、例えば、
リン酸カルシウム、酸化チタン、雲母、ジルコニア、酸
化タングステン、フッ化リチウム、フッ化カルシウムな
どと併用されてもよい。また、上述した無機粒子の中で
もモース硬度が5以下、好ましくは4以下のものを使用
する場合、白色度が更に増すためより好ましい。
【0026】上述のポリエステルと非相溶の樹脂として
は、特に限定されないが、例えば、ポリエチレンテレフ
タレートやポリエチレン−2,6−ナフタレートと混合
する場合についていえば、アクリル樹脂、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、ポリメチル
ブテン、変性オレフィン樹脂、ポリブチレンテレフタレ
ート系樹脂、フェノキシ樹脂、ポリスチレン、ポリフェ
ニレンオキシド、フッ素系ポリマーなどを用いることが
でき、当然、上述した無機粒子と併用してもよい。例え
ば、特に、ポリエステルに無機粒子および/またはポリ
エステルと非相溶の樹脂を混合して2軸延伸し、内部に
気泡を有する、比重が0.5〜1.3の白色ポリエステ
ルフィルムは、インクジェット記録用受像シートの軽量
化の点で好ましい。すなわち、印刷したものが多数枚に
なっても重くならないという点が軽量化の大きな長所で
あるが、近年のインクジェットプリンターの進歩に伴
い、従来とは比べものにならないくらい高速で印刷され
るようになってきている。このとき、インクジェット記
録用受像シートを軽量化することで、印刷時の搬送性を
向上さることができるという効果も得ることができる。
【0027】このとき、その気泡を微細化するため相溶
化剤を添加してもよい。相溶化剤としては、ポリエステ
ルポリエーテル共重合体が好ましく、例えば、ポリエチ
レンテレフタレート−ポリエチレングリコール共重合
体、ポリブチレンテレフタレート−ポリテトラメチレン
グリコール共重合体などを用いることができる。
【0028】本発明に係るインク受容層に用いられるポ
リビニルアルコール樹脂は、ビニルアルコール単位を主
要構成成分とするものであれば特に限定されるものでは
ないが、好ましくは80モル%以上、より好ましくは9
0モル%以上がビニルアルコール単位としてなるポリビ
ニルアルコール樹脂が、インク吸収性の点で好適であ
る。
【0029】これらポリビニルアルコール樹脂には、共
重合可能な他の共重合成分、例えば、ビニルアセテー
ト、ビニルブチラール、ビニルアセタール、N−ビニル
アセトアミド、ポリエチレン、ポリプロピレンなどが、
好ましくは20モル%以下、より好ましくは10モル%
以下共重合されていてもよい。
【0030】ポリビニルアルコール樹脂のケン化度は、
85〜99.9モル%が好ましく、より好ましくは90
〜99.8モル%、最も好ましくは92〜99.5モル
%である。特に、ケン化度が上記範囲より低いとインク
吸収性が悪くなる傾向がある。
【0031】また、重合度は、インク吸収性や塗布時の
塗液流動性の点で、100〜10000が好ましく、よ
り好ましくは500〜5000、最も好ましくは100
0〜3000である。
【0032】また、本発明において用いることができる
ポリビニルアルコール樹脂としては、変性ポリビニルア
ルコール共重合体、例えば、アクリル、ウレタン、ポリ
エステル、エポキシ、ポリエチレン、ポリプロピレンな
どで変性したブロック共重合体やグラフト共重合体な
ど、あるいは、カルボキシル基、スルホン酸基、アミノ
基、リン酸基、イソシアネート基、オキサゾリン基、メ
チロール基、ニトリル基、アセトアセチル基、カチオン
基などによる変性物なども可能である。
【0033】本発明においては、インク受容層として、
上記したポリビニルアルコール樹脂にアミノ基含有シラ
ンカップリング剤を併用することにより、インク受容層
とポリエステル樹脂を主たる構成成分とする易接着層と
の接着性、すなわちインク受容層の耐久性が飛躍的に向
上することを見出したものである。
【0034】本発明に係るインク受容層に用いられるア
ミノ基含有シランカップリング剤は、分子内にアミノ基
と易加水分解性のアルコキシシラン基を有するものであ
れば特に限定されるものではない。
【0035】アミノ基含有シランカップリング剤として
は、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメト
キシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピル
メチルジメトキシシラン、N−β−(N−ビニルベンジ
ルアミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシ
ラン・塩酸塩、γ−アニリノプロピルトリメトキシシラ
ン、γ−ウレイドプロピルトリエトキシシランなどを用
いることができる。このようなアミノ基含有シランカッ
プリング剤は市販のものを使用することができ、例え
ば、東レダウコーニングシリコーン(株)製SH602
0、SZ6023、SH6026、SZ6032、SZ
6050、SZ6083、AY43−031などを用い
ることができる。
【0036】これらのシランカップリング剤は、水を加
えることによって容易に加水分解し、アルコキシシラン
基はシラノール基となる。本発明においては、インク受
容層形成塗液中では、加水分解した状態で使用するのが
好ましい。
【0037】本発明に係るインク受容層は、上記したポ
リビニルアルコール樹脂とアミノ基含有シランカップリ
ング剤を主たる構成成分としてなるものであれば特に限
定されないが、本発明においては、ポリビニルアルコー
ル樹脂100重量部に対し、アミノ基含有シランカップ
リング剤が固形分重量比で、0.3〜7重量部含まれて
なることが好ましい。すなわち、アミノ基含有シランカ
ップリング剤の添加量が0.3重量部未満ではインク受
容層と易接着層との接着性、すなわち耐久性に劣る傾向
があり、7重量%を超えるとインク吸収性に劣ると共
に、インク本来の色が出なくなるなど、色の再現性の点
で劣る傾向がある。なお、本発明者らの検討によれば、
ポリビニルアルコール樹脂100重量部に対し、アミノ
基含有シランカップリング剤が固形分重量比で、0.5
〜5重量部含まれてなることがより好ましく、最も好ま
しくは1〜3重量部であり、この範囲にすることで、耐
久性、インク吸収性、色の再現性に優れたものとするこ
とができる。
【0038】また、インク受容層中には本発明の効果が
損なわれない範囲内で、吸水性に優れる樹脂、他の樹脂
やその変性体、例えば、ポリアクリル酸および/または
その塩、ポリビニルピロリドン、本発明以外のポリビニ
ルアルコール、ポリ−N−ビニルアセトアミド、ポリエ
チレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエ
チレン−ポリビニルアルコール共重合体、デンプン−ア
クリロニトリルグラフト共重合体の加水分解物、デンプ
ン−アクリル酸グラフト共重合体の中和物、酢酸ビニル
−アクリル酸エステル共重合体のケン化物、アクリロニ
トリルもしくはアクリルアミド系共重合架橋体の加水分
解物、ポリアクリル酸塩系架橋体、あるいは上記アクリ
ル系樹脂やビニル系樹脂をポリエステル系樹脂にグラフ
ト化させた変性ポリエステル樹脂、ポリエステル樹脂、
アクリル樹脂、ウレタン樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポ
リカーボネート樹脂、エポキシ樹脂、尿素樹脂、フェノ
ール樹脂、塩化ビニル樹脂、フッ素樹脂、シリコーン樹
脂、ゴム系樹脂などが配合されてもよい。中でも、吸水
性の点でポリビニルピロリドン、ポリ−N−ビニルアセ
トアミド、ポリエチレン−ポリビニルアルコール共重合
体およびこれらをポリエステル系樹脂にグラフト化させ
た変性ポリエステル樹脂が好ましい。
【0039】更に、インク受容層中には本発明の効果が
損なわれない範囲内で各種の添加剤、例えば、架橋剤、
酸化防止剤、耐熱安定剤、耐候安定剤、紫外線吸収剤、
有機の易滑剤、顔料、染料、有機または無機の微粒子、
充填剤、帯電防止剤、核剤などが配合されてもよい。
【0040】特に、本発明を実施するにあたり、インク
受容層中にコロイダルシリカを添加したものは、吸水
性、易滑性、耐傷性が向上するので更に好ましい。
【0041】本発明において用いることのできるコロイ
ダルシリカは、水を分散媒とし、無水ケイ酸および/ま
たはケイ酸粒子を水中に分散せしめたコロイド溶液であ
れば特に限定されるものではない。該コロイダルシリカ
は、数珠状に連結および/または分岐した形状を持ち、
具体的には、例えば、球状のコロイダルシリカが数珠状
に連結した長鎖の構造を有するもの、あるいは連結した
コロイダルシリカが分岐したものなどを用いることがで
きる。上記コロイダルシリカは、球状シリカの1次粒子
を2価以上の金属イオンを介在させ、粒子−粒子間を結
合させたもので、少なくとも3個以上、より好ましくは
5個以上、最も好ましくは7個以上連結したものをい
い、更には数珠状に連結した粒子が分岐したものも包含
する。
【0042】また、コロイダルシリカと他の無機粒子、
例えば、アルミナ、セリア、チタニアなどの複合あるい
は混合粒子であってもよく、これらを介在させて連結さ
せたものでもよい。介在させる金属イオンとしては、2
価以上の金属イオンが好ましく、例えば、Ca2+、Zn
2+、Mg2+、Ba2+、Al3+、Ti4+などを用いること
ができる。特に、Ca2+とした場合には、数珠状に連結
および/または分岐した形状のコロイダルシリカを作成
するのに好適である。
【0043】該コロイダルシリカの1次粒子径は、吸水
性、易滑性、耐傷性の点で、5〜100nmが好まし
く、より好ましくは7〜50nm、最も好ましくは8〜
30nmである。
【0044】更に、該コロイダルシリカが数珠状に連結
および/または分岐している形状を有する場合、これら
の特性はより顕著になり、連結したコロイダルシリカの
1次粒子数が多いほど好ましく、通常は3〜100個が
好ましく、より好ましくは5〜50個、最も好ましくは
7〜30個である。3個未満では吸収性の向上効果が小
さく、また、100個を超える場合はコロイダルシリカ
粒子が増粘しやすく、塗液中での分散性が悪くなる傾向
がある。
【0045】インク受容層を形成する塗液中において、
該樹脂固形分に対するコロイダルシリカの配合比は、特
に限定されないが、重量比で0.1〜15重量部が好ま
しく、より好ましくは0.5〜10重量部である。
【0046】また、無機粒子の添加は易滑性や耐傷性が
向上するため好ましく、代表的には、シリカ、アルミ
ナ、アルミナゾル、カオリン、タルク、マイカ、炭酸カ
ルシウムなどを用いることができる。用いられる無機粒
子は、平均粒径1〜20μmであるものが好ましく、よ
り好ましくは2〜10μm、最も好ましくは3〜8μm
であり、塗液中の固形分に対する配合比は、特に限定さ
れないが、重量比で0.05〜10重量部が好ましく、
より好ましくは0.1〜5重量部である。
【0047】インク受容層の厚みは特に限定されない
が、通常は2〜40μmが好ましく、より好ましくは5
〜30μm、最も好ましくは10μm〜20μmの範囲
である。インク受容層の厚みが薄すぎるとインク吸収性
が悪くなるなり、画像がぼけるなどの問題が生じること
がある。
【0048】また、本発明を実施するにあたり、インク
受容層を形成する塗液の塗布方法は、例えば、リバース
コート法、スプレーコート法、バーコート法、グラビア
コート法、リバースグラビアコート法、ロッドコート
法、ダイコート法などを用いることができる。
【0049】また、本発明においてインク受容層の主た
る構成成分とは、該成分がインク受容層中において60
重量%以上であるものをいう。もっとも、本発明におい
ては、好ましくは80重量%以上、より好ましくは90
重量%以上を占めて、該主たる構成成分が存在している
ことが望ましいものである。
【0050】本発明においては、基材フィルムである熱
可塑性樹脂フィルムとインク受容層との接着性を高め、
インクジェット記録用受像シートの耐久性を向上させる
ため、易接着層を設ける必要がある。該易接着層を設け
ない場合、基材フィルムとポリビニルアルコール樹脂と
アミノ基含有シランカップリング剤からなるインク受容
層とは接着性がなく、全く耐久性に劣るものとなり、例
えば、表面に付いたゴミを指でこすり取ったり、あるい
はインクジェット記録用受像シートをテープで仮留めし
た後、剥がすときなど、インク受容層が簡単に剥離して
しまい二度と使いものにならなくなるなどの弊害が生じ
る。従って、熱可塑性樹脂フィルム、易接着層、インク
受容層がこの順に積層された構成が必須である。
【0051】本発明にかかる易接着層の構成成分として
用いられるポリエステル樹脂は、主鎖あるいは側鎖にエ
ステル結合を有するもので、ジカルボン酸とジオールか
ら重縮合して得られるものである。
【0052】ポリエステル樹脂を構成するカルボン酸成
分としては、芳香族、脂肪族、脂環族のジカルボン酸や
3価以上の多価カルボン酸が使用できる。芳香族ジカル
ボン酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸、オルソ
フタル酸、フタル酸、2,5−ジメチルテレフタル酸、
1,4−ナフタレンジカルボン酸、ビフェニルジカルボ
ン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、1,2−ビス
フェノキシエタン−p,p’−ジカルボン酸、フェニル
インダンジカルボン酸などを用いることができる。これ
らの芳香族ジカルボン酸は、易接着層の強度や耐熱性の
点で、好ましくは全ジカルボン酸成分の30モル%以
上、より好ましくは35モル%以上、最も好ましくは4
0モル%以上のものを用いるのがよい。脂肪族および脂
環族のジカルボン酸としては、コハク酸、アジピン酸、
セバシン酸、ドデカンジオン酸、ダイマー酸、1,3−
シクロペンタンジカルボン酸、1,2−シクロヘキサン
ジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸な
ど、およびそれらのエステル形成性誘導体を用いること
ができる。
【0053】ポリエステル樹脂のグリコール成分として
は、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリ
エチレングリコール、プロピレングリコール、ポリプロ
ピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,3
−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−
ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7
−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,
9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、2,
4−ジメチル−2−エチルヘキサン−1,3−ジオー
ル、ネオペンチルグリコール、2−エチル−2−ブチル
−1,3−プロパンジオール、2−エチル−2−イソブ
チル−1,3−プロパンジオール、3−メチル−1,5
−ペンタンジオール、2,2,4−トリメチル−1,6
−ヘキサンジオール、1,2−シクロヘキサンジメタノ
ール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,4−
シクロヘキサンジメタノール、2,2,4,4−テトラ
メチル−1,3−シクロブタンジオール、4,4’−チ
オジフェノール、ビスフェノールA、4,4’−メチレ
ンジフェノール、4,4’−(2−ノルボルニリデン)
ジフェノール、4,4’−ジヒドロキシビフェノール、
o−,m−,及びp−ジヒドロキシベンゼン、4,4’
−イソプロピリデンフェノール、4,4’−イソプロピ
リデンビンジオール、シクロペンタン−1,2−ジオー
ル、シクロヘキサン−1,2−ジオール、シクロヘキサ
ン−1,4−ジオールなどを用いることができる。
【0054】また、ポリエステル樹脂を水系樹脂とした
塗液として用いる場合、ポリエステル樹脂の接着性を向
上させるため、あるいはポリエステル樹脂の水溶性化を
容易にするため、カルボン酸塩基を含む化合物や、スル
ホン酸塩基を含む化合物を共重合することが好ましい。
更に、ポリビニルアルコール樹脂などの親水性樹脂を該
易接着層の上に設ける場合は、ポリエステル樹脂にカル
ボン酸塩基やスルホン酸塩基を含む化合物を共重合する
ことは親和性の点で好ましい。
【0055】中でも、カルボン酸塩基を含む化合物の共
重合は、ポリビニルアルコール樹脂の多数の水酸基との
相互作用により、より親和性が高くなり、耐久性が向上
する。
【0056】カルボン酸塩基を含む化合物としては、例
えば、トリメリット酸、無水トリメリット酸、ピロメリ
ット酸、無水ピロメリット酸、4−メチルシクロヘキセ
ン−1,2,3−トリカルボン酸、トリメシン酸、1,
2,3,4−ブタンテトラカルボン酸、1,2,3,4
−ペンタンテトラカルボン酸、3,3’,4,4’−ベ
ンゾフェノンテトラカルボン酸、5−(2,5−ジオキ
ソテトラヒドロフルフリル)−3−メチル−3−シクロ
ヘキセン−1,2−ジカルボン酸、5−(2,5−ジオ
キソテトラヒドロフルフリル)−3−シクロヘキセン−
1,2−ジカルボン酸、シクロペンタンテトラカルボン
酸、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸、
1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸、エチレ
ングリコールビストリメリテート、2,2’,3,3’
−ジフェニルテトラカルボン酸、チオフェン−2,3,
4,5−テトラカルボン酸、エチレンテトラカルボン酸
など、あるいはこれらのアルカリ金属塩、アルカリ土類
金属塩、アンモニウム塩を用いることができるが、これ
らに限定されるものではない。
【0057】スルホン酸塩基を含む化合物としては、例
えば、スルホテレフタル酸、5−スルホイソフタル酸、
4−スルホイソフタル酸、4−スルホナフタレン−2,
7−ジカルボン酸、スルホ−p−キシリレングリコー
ル、2−スルホ−1,4−ビス(ヒドロキシエトキシ)
ベンゼンなどあるいはこれらのアルカリ金属塩、アルカ
リ土類金属塩、アンモニウム塩を用いることができる
が、これに限定されるものではない。
【0058】また、本発明において用いることができる
ポリエステル樹脂としては、変性ポリエステル共重合
体、例えば、アクリル、ウレタン、エポキシなどで変性
したブロック共重合体、グラフト共重合体なども可能で
ある。
【0059】好ましいポリエステル樹脂としては、酸成
分としてテレフタル酸、イソフタル酸、セバシン酸、ト
リメリット酸、ピロメリット酸、5−(2,5−ジオキ
ソテトラヒドロフルフリル)−3−メチル−3−シクロ
ヘキセン−1,2−ジカルボン酸、5−ナトリウムスル
ホイソフタル酸、グリコール成分としてエチレングリコ
ール、ジエチレングリコール、1,4−ブタンジオー
ル、ネオペンチルグリコールから選ばれる共重合体など
である。
【0060】本発明において、易接着層に用いられるポ
リエステル樹脂は、以下の製造法によって製造すること
ができる。例えば、ジカルボン酸成分としてテレフタル
酸、イソフタル酸、5−ナトリウムスルホイソフタル
酸、グリコール成分としてエチレングリコール、ネオペ
ンチルグリコールからなるポリエステル樹脂について説
明すると、テレフタル酸、イソフタル酸、5−ナトリウ
ムスルホイソフタル酸とエチレングリコール、ネオペン
チルグリコールとを直接エステル化反応させるか、テレ
フタル酸、イソフタル酸、5−ナトリウムスルホイソフ
タル酸及びエチレングリコール、ネオペンチルグリコー
ルとをエステル交換反応させる第一段階と、この第一段
階の反応生成物を重縮合反応させる第二段階とによって
製造する方法などにより製造することができる。
【0061】この際、反応触媒として、例えば、アルカ
リ金属、アルカリ土類金属、マンガン、コバルト、亜
鉛、アンチモン、ゲルマニウム、チタン化合物などを用
いることができる。
【0062】また、カルボン酸を末端および/または側
鎖に多く有するポリエステル樹脂を得る方法としては、
特開昭54−46294号公報、特開昭60−2090
73号公報、特開昭62−240318号公報、特開昭
53−26828号公報、特開昭53−26829号公
報、特開昭53−98336号公報、特開昭56−11
6718号公報、特開昭61−124684号公報、特
開昭62−240318号公報などに記載の3価以上の
多価カルボン酸を共重合した樹脂により製造することが
できるが、むろんこれら以外の方法であってもよい。
【0063】また、本発明に係る易接着層に用いられる
ポリエステル樹脂の固有粘度は特に限定されないが、耐
久性の点で0.3dl/g以上であることが好ましく、
より好ましくは0.35dl/g以上、最も好ましくは
0.4dl/g以上である。ポリエステル樹脂のガラス
転移点(以後、「Tg」と略称する)は、−20〜90
℃であることが好ましく、より好ましくは0〜80℃で
ある。Tgが−20℃未満では易接着層の塗布、乾燥の
製膜工程でのハンドリング性の低下などが劣り、逆に、
90℃を越える場合、樹脂の造膜性に劣るようになるの
で好ましくない。また、該ポリエステル樹脂の酸価は好
ましくは20mgKOH/g以上、より好ましくは30
mgKOH/g以上が耐久性の点で好ましく用いられ
る。
【0064】また、易接着層中には本発明の効果が損な
われない範囲内で、他の樹脂やその変性体、例えば、本
発明以外のポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ウレタン
樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリビニルアルコール樹
脂、ポリカーボネート樹脂、エポキシ樹脂、尿素樹脂、
フェノール樹脂、塩化ビニル樹脂、フッ素樹脂、シリコ
ーン樹脂、ゴム系樹脂、ゼラチンなどが配合されてもよ
い。
【0065】更に、易接着層中には本発明の効果が損な
われない範囲内で各種の添加剤、例えば、架橋剤、酸化
防止剤、耐熱安定剤、耐候安定剤、紫外線吸収剤、有機
の易滑剤、顔料、染料、有機または無機の微粒子、充填
剤、帯電防止剤、核剤などが配合されてもよい。
【0066】特に、本発明を実施するにあたり、易接着
層を形成する塗液中に無機粒子を添加配合し二軸延伸し
たものは、易滑性が向上するので更に好ましい。
【0067】添加する無機粒子としては、代表的には、
シリカ、コロイダルシリカ、アルミナ、アルミナゾル、
カオリン、タルク、マイカ、炭酸カルシウムなどを用い
ることができる。用いられる無機粒子は、平均粒径0.
1〜3μmであるものが好ましく、より好ましくは0.
2〜2μm、最も好ましくは0.3〜1.5μmであ
り、塗液中の固形分に対する配合比は、特に限定されな
いが、重量比で0.05〜8重量部が好ましく、より好
ましくは0.1〜3重量部である。
【0068】また、本発明を実施するにあたり、ポリエ
ステル樹脂の塗布の方法は、例えば、リバースコート
法、スプレーコート法、バーコート法、グラビアコート
法、リバースグラビアコート法、ロッドコート法、ダイ
コート法などを用いることができる。
【0069】易接着層の厚みは特に限定されないが、通
常は好ましくは0.01〜5μm、より好ましくは0.
03〜2μm、最も好ましくは0.05μm〜0.5μ
mの範囲である。易接着層の厚みが薄すぎると耐久性向
上の効果が得られなくなる場合がある。
【0070】また、本発明において易接着層の主たる構
成成分とは、該成分が易接着層中において60重量%以
上であるものをいう。もっとも、本発明においては、好
ましくは80重量%以上、より好ましくは90重量%以
上を占めて、該主たる構成成分が存在していることが望
ましいものである。
【0071】本発明においては、インクジェット記録用
受像シートのクッション率を好ましくは10〜25%、
より好ましくは12〜20%とすることにより本発明の
効果を最大限に引き出すことができる。すなわち、クッ
ション率を上記範囲内にすることで、例えば、インクジ
ェットプリンター内のガイドロールや紙送り押さえロー
ルなどの各種ロールとの当たりがマイルドになり、印刷
特性が更に良好になる。クッション率が10%未満の場
合、紙送り性が均一でなくなり、最初の位置決め操作後
にズレが起こる可能性があり、画像が不鮮明になった
り、直線が歪んだりする傾向がある。また、クッション
率が小さいと手に触れたときの感触が悪くなり、大きい
と柔らかくなりすぎるなどインクジェット記録用受像シ
ートとして不適当なものとなる傾向がある。
【0072】本発明においては、インクジェット記録用
受像シートの走行性、重送性を改良するためにインク受
容層を設けるのとは反対面に、帯電防止剤や無機および
/または有機の微粒子が含まれてなる積層膜を設けても
よい。
【0073】該積層膜を設ける方法は特に限定されない
が、上記成分を含む塗液を塗布することによって設ける
方法、上記成分を含む樹脂を共押し出し法などで積層し
設ける方法などを用いることができる。
【0074】次に、本発明のインクジェット記録用受像
シートの製造方法について、基材フィルムとしてポリエ
チレンテレフタレート(以後、「PET」と略称する)
を例にして説明するが、これに限定されるものではな
い。
【0075】本発明の上述した、基材フィルムとして白
色熱可塑性樹脂フィルムを用いた、インク吸収性、印刷
特性に優れると同時に、耐久性にも優れたインクジェッ
ト記録用受像シートは、熱可塑性樹脂フィルムの少なく
とも片面に、ポリエステル樹脂を主たる構成成分とする
易接着層と、ポリビニルアルコール樹脂とアミノ基含有
シランカップリング剤を主たる構成成分とするインク受
容層を順次積層することによって製造することができ
る。
【0076】より具体的には、例えば、極限粘度0.5
〜0.8dl/gのPETペレットに非相溶な樹脂とし
てポリメチルペンテンを5〜35体積%混合し、十分に
真空乾燥した後、押し出し機に供給し、260〜300
℃で溶融し、T字型口金よりシート状に押し出し、静電
印加キャスト法を用いて表面温度10〜60℃の鏡面キ
ャスティングドラムに巻き付けて、冷却固化せしめて未
延伸PETフィルムを作成した。この未延伸フィルムを
70〜120℃に加熱されたロール間で縦方向(フィル
ムの進行方向)に2.5〜5倍延伸する。このフィルム
の少なくとも片面にコロナ放電処理を施し、該表面の濡
れ張力を47mN/m以上とし、その処理面に所定の濃
度のポリエステル樹脂を主たる構成成分とする易接着層
形成塗液を塗布する。塗布して後、フィルム端部をクリ
ップで把持して70〜150℃に加熱された熱風ゾーン
に導き、乾燥して後、幅方向に2.5〜5倍延伸する。
引き続き160〜250℃の熱処理ゾーンに導き、1〜
30秒間の熱処理を行い、結晶配向を完了させる。この
熱処理工程中で必要に応じて幅方向あるいは長手方向に
1〜12%の弛緩処理を施してもよい。二軸延伸は、
縦、横逐次延伸あるいは同時二軸延伸のいずれでもよ
く、また縦、横延伸後、縦、横いずれかの方向に再延伸
してもよい。また、ポリエステルフィルムの厚みは特に
限定されるものではないが、5〜300μmが好ましく
用いられる。この場合に用いられる塗布液は環境汚染や
防爆性の点で水系が好ましい。
【0077】本発明のインクジェット記録用受像シート
は、上記した易接着層を設けたポリエステルフィルムの
易接着層上にインク受容層を設けることによって得るこ
とができる。インク受容層はポリビニルアルコール樹脂
とアミノ基含有シランカップリング剤を主たる構成成分
とするインク受容層形成塗液を塗布して後、乾燥して得
ることができる。なお、インク受容層を塗布する前に、
必要に応じてコロナ放電処理などを施し、塗布性の改良
や易接着層とインク受容層との接着性を更に向上させて
もよい。
【0078】なお、上記例において、易接着層が設けら
れる基材フィルムにも易接着層を形成するのに用いたポ
リエステル樹脂あるいはその反応生成物から選ばれる少
なくとも1種を含有させることができる。この場合は、
易接着層と基材フィルムとの接着性が向上する、易接着
層を設けたポリエステルフィルムの易滑性が向上するな
どの効果がある。易接着層を形成するのに用いたポリエ
ステル樹脂あるいはその反応生成物を含有させる場合に
は、1種であれ複数種であれ、その添加量の合計が5p
pm以上20重量%未満であるのが、接着性、易滑性の
点で好ましい。もちろん、これらは、本発明に係る易接
着層を設けたポリエステルフィルムの再生ペレットなど
であってもよい。
【0079】このようにして得られたインクジェット記
録用受像シートは、基材フィルムとして白色熱可塑性樹
脂フィルムを用い、インク吸収性、印刷特性に優れると
同時に、耐久性にも優れているため、各種インクジェッ
トプリンターに適用可能である。
【0080】
【特性の測定方法および効果の評価方法】本発明におけ
る特性の測定方法及び効果の評価方法は次のとおりであ
る。
【0081】(1)易接着層とインク受容層の厚み 易接着層を設けたフィルムあるいは易接着層上にインク
受容層を設けたフィルムの断面を超薄切片に切り出し、
RuO4 染色、OsO4 染色、あるいは両者の二重染色
による染色超薄切片法により、透過型電子顕微鏡で観
察、写真撮影を行った。その断面写真から易接着層とイ
ンク受容層の厚みを測定した。5点測定し、その平均値
を持って、各層の厚みとした。
【0082】観察方法 ・装置:透過型電子顕微鏡((株)日立製作所製H−7
100FA型) ・測定条件:加速電圧 100kV ・試料調製:凍結超薄切片法
【0083】(2)インク吸収性 キャノン(株)製カラーバブルジェットプリンターBJ
C−610JWを用いて、「テストプリントC」モード
で印刷を行い、印刷直後の印刷パターンを指で1回こす
って、インクによるインク受容層の汚れの度合いによ
り、以下の基準で評価した。(○)レベル以上を、イン
ク吸収性良好とした。
【0084】 ◎:非常に良好(記録シートが全く汚れない) ○:良好 △:やや劣る ×:インクがとれ、記録シートが汚れる
【0085】(3)色の再現性 上記(2)と同様の方法で印刷したものを、キャノン
(株)製カラーBJ光沢フィルムHG−101(「比較
品」とする)に印刷したものと比較し、以下の基準で評
価した。(○)レベル以上を、色の再現性良好とした。
【0086】 ◎:比較品より色合いが鮮明であるもの ○:比較品と色合いが同じであるもの ×:比較品より色合いが劣るもの
【0087】(4)耐久性 本発明のインクジェット記録用受像シートのインク受容
層側に、1mm2 のクロスカット100個を入れ、その
上にセロハンテープ(ニチバン(株)製)を貼り付け、
ゴムローラーを用いて、荷重19.6Nで3往復させ、
押し付けた後、90度方向に剥離すし、インク受容層の
残存した個数により以下の4段階評価をした。(◎)、
(○)を、耐久性良好とした。
【0088】 ◎:インク受容層が100%残存しているもの ○:インク受容層が80%以上残存しているもの △:インク受容層が50%以上残存しているもの ×:インク受容層が50%未満残存しているもの
【0089】(5)クッション率 三豊製作所(株)製ダイヤルゲージNo.2109−1
0に標準測定子900030を用い、更にダイヤルゲー
ジスタンドNo.7001DGS−Mを用いて、ダイヤ
ルゲージを押さえ、部分荷重50gと500gとをかけ
たときのそれぞれのフィルム厚みd50とd500か
ら、次式により求める。
【0090】クッション率(%)=100×(d50−
d500)/d50
【0091】
【実施例】次に、実施例に基づいて本発明を説明する
が、必ずしもこれに限定されるものではない。
【0092】実施例1 平均粒径0.2μmの二酸化チタンを14重量%、およ
び平均粒径1μmのシリカを0.5重量%含有するPE
Tペレット(極限粘度0.63dl/g)を充分に真空
乾燥した後、押し出し機に供給し285℃で溶融し、T
字型口金よりシート状に押し出し、静電印加キャスト法
を用いて表面温度25℃の鏡面キャスティングドラムに
巻き付けて冷却固化せしめた。この未延伸フィルムを9
5℃に加熱して長手方向に3.2倍延伸し、一軸延伸フ
ィルムとした。このフィルムに空気中でコロナ放電処理
を施し、基材フィルムの濡れ張力を52mN/mとし、
その処理面に下記の易接着層形成塗液を塗布した。塗布
された一軸延伸フィルムをクリップで把持しながら予熱
ゾーンに導き、110℃で乾燥後、引き続き連続的に1
25℃の加熱ゾーンで幅方向に3.2倍延伸し、更に2
30℃の加熱ゾーンで熱処理を施し、基材PETフィル
ム厚みが100μm、光学濃度が1.5、白色度が85
%、易接着層の厚みが0.1μmの片面に易接着層が設
けられたPETフィルムを得た。
【0093】「易接着層形成塗液」 ポリエステル樹脂: ・酸成分 テレフタル酸 88モル% 5−ナトリウムスルホイソフタル酸 12モル% ・ジオール成分 エチレングリコール 100モル% 上記酸成分とジオール成分からなるポリエステル樹脂を
75℃の熱水で30分間攪拌しながら加熱溶解し、常温
まで冷却して得たポリエステル樹脂水性塗液。
【0094】次に、この易接着層が設けられたPETフ
ィルム上に、下記のインク受容層形成塗液を乾燥後の塗
布厚みが15μmとなるようにリバースコーターで塗布
し、130℃の熱風オーブン中で60秒間乾燥して、易
接着層上にインク受容層を設け、インクジェット記録用
受像シートを得た。結果を表1に示す。
【0095】「インク受容層形成塗液」 (A)ポリビニルアルコール樹脂: ケン化度98モル% 分子量500 上記ポリビニルアルコール樹脂を80℃の熱水で30分
間攪拌しながら加熱溶解し、常温まで冷却して得たポリ
ビニルアルコール樹脂水性塗液。
【0096】(B)アミノ基含有シランカップリング
剤:γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメト
キシシラン 上記アミノ基含有シランカップリング剤を冷水に攪拌し
ながら溶解した後、常温に戻して得たアミノ基含有シラ
ンカップリング剤水性塗液。
【0097】この後、上記ポリビニルアルコール樹脂
(A)とアミノ基含有シランカップリング剤(B)を固
形分重量比で、(A)/(B)=100/5となるよう
に混合して得た塗液。
【0098】実施例2 ポリメチルペンテンを5重量%含有するPETペレット
(極限粘度0.63dl/g)を充分に真空乾燥した
後、285℃に加熱された押し出し機Aに供給する。ま
た、平均粒径0.4μmのコロイダルシリカを0.01
5重量%、および平均粒径1.5μmのコロイダルシリ
カを0.005重量%含有するPETペレット(極限粘
度0.63dl/g)を充分に真空乾燥した後、285
℃に加熱された押し出し機Bに供給する。押し出し機
A、Bより押し出されたポリマをB/A/Bの3層構成
となるように共押し出しにより積層し、T字型口金より
シート状に押し出し、静電印加キャスト法を用いて表面
温度25℃の鏡面キャスティングドラムに巻き付けて冷
却固化せしめた。この未延伸フィルムを95℃に加熱し
て長手方向に3.2倍延伸し、一軸延伸フィルムとし
た。このフィルムに空気中でコロナ放電処理を施し、基
材フィルムの濡れ張力を52mN/mとし、その処理面
に実施例1と同じ易接着層形成塗液を塗布した。塗布さ
れた一軸延伸フィルムをクリップで把持しながら予熱ゾ
ーンに導き、110℃で乾燥後、引き続き連続的に12
5℃の加熱ゾーンで幅方向に3.4倍延伸し、更に21
0℃の加熱ゾーンで熱処理を施し、基材PETフィルム
厚みが100μm(厚み比はB/A/B=5/90/
5)、光学濃度が1.2、白色度が72%、易接着層の
厚みが0.1μmの片面に易接着層が設けられたPET
フィルムを得た。
【0099】次に、実施例1と同様に、この易接着層が
設けられたPETフィルム上に、実施例1と同じ下記の
インク受容層形成塗液を乾燥後の塗布厚みが15μmと
なるようにリバースコーターで塗布し、130℃の熱風
オーブン中で60秒間乾燥して、易接着層上にインク受
容層を設け、インクジェット記録用受像シートを得た。
結果を表1に示す。
【0100】「インク受容層形成塗液」 (A)ポリビニルアルコール樹脂: ケン化度98モル% 分子量500 上記ポリビニルアルコール樹脂を80℃の熱水で30分
間攪拌しながら加熱溶解し、常温まで冷却して得たポリ
ビニルアルコール樹脂水性塗液。
【0101】(B)アミノ基含有シランカップリング
剤:γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメト
キシシラン 上記アミノ基含有シランカップリング剤を冷水に攪拌し
ながら溶解した後、常温に戻して得たアミノ基含有シラ
ンカップリング剤水性塗液。
【0102】この後、上記ポリビニルアルコール樹脂
(A)とアミノ基含有シランカップリング剤(B)を固
形分重量比で、(A)/(B)=100/5となるよう
に混合して得た塗液。
【0103】実施例3 実施例2のインク受容層形成塗液で、アミノ基含有シラ
ンカップリング剤を下記のアミノ基含有シランカップリ
ング剤とした以外は、実施例1と同様にしてインクジェ
ット記録用受像シートを得た。結果を表1に示す。
【0104】(B)アミノ基含有シランカップリング
剤:γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジ
メトキシシラン 上記アミノ基含有シランカップリング剤を冷水に攪拌し
ながら溶解した後、常温に戻して得たアミノ基含有シラ
ンカップリング剤水性塗液。
【0105】比較例1 実施例2のインク受容層形成塗液で、アミノ基含有シラ
ンカップリング剤を下記のエポキシ基を含有するシラン
カップリング剤とした以外は、実施例2と同様にしてイ
ンクジェット記録用受像シートを得た。結果を表1に示
す。
【0106】(B)シランカップリング剤:γ−グリシ
ドキシプロピルトリメトキシシラン 上記シランカップリング剤を冷水に攪拌しながら溶解し
た後、常温に戻して得たシランカップリング剤水性塗
液。
【0107】実施例4 実施例2の易接着層が設けられたPETフィルムを得る
際に、易接着層形成塗液として下記のポリエステル樹脂
からなる塗液を用いた以外は、実施例2と同様にしてイ
ンクジェット記録用受像シートを得た。結果を表1に示
す。
【0108】「易接着層形成塗液」 ポリエステル樹脂: ・酸成分 テレフタル酸 28モル% イソフタル酸 9モル% トリメリット酸 10モル% セバシン酸 3モル% ・グリコール成分 エチレングリコール 15モル% ネオペンチルグリコール 18モル% 1,4−ブタンジオール 17モル% 上記酸成分とグリコール成分からなるポリエステル樹脂
のアンモニウム塩型水分散体。
【0109】実施例5 実施例4のインク受容層形成塗液で、ポリビニルアルコ
ール樹脂(A)とアミノ基含有シランカップリング剤
(B)の混合比を、(A)/(B)=100/15(固
形分重量比)とした以外は、実施例4と同様にしてイン
クジェット記録用受像シートを得た。結果を表1に示
す。
【0110】実施例6 実施例4のインク受容層形成塗液で、ポリビニルアルコ
ール樹脂(A)とアミノ基含有シランカップリング剤
(B)の混合比を、(A)/(B)=100/2(固形
分重量比)とした以外は、実施例4と同様にしてインク
ジェット記録用受像シートを得た。結果を表1に示す。
【0111】実施例7 実施例4のインク受容層形成塗液で、ポリビニルアルコ
ール樹脂(A)とアミノ基含有シランカップリング剤
(B)の混合比を、(A)/(B)=100/0.5
(固形分重量比)とした以外は、実施例4と同様にして
インクジェット記録用受像シートを得た。結果を表1に
示す。
【0112】比較例2 実施例4のインク受容層形成塗液で、アミノ基含有シラ
ンカップリング剤を添加せずに用いた以外は実施例4と
同様にしてインクジェット記録用受像シートを得た。結
果を表2に示す。
【0113】比較例3 実施例4のインク受容層形成塗液で、ポリビニルアルコ
ール樹脂を添加せずに用いた以外は実施例4と同様にし
てインクジェット記録用受像シートを得た。結果を表2
に示す。
【0114】比較例4 実施例4において、易接着層が設けられたPETフィル
ムを得る際に、易接着層形成塗液を塗布せずに、すなわ
ち、易接着層を設けていないPETフィルムを用いた以
外は、実施例4と同様にしてインクジェット記録用受像
シートを得た。結果を表2に示す。
【0115】比較例5 実施例4において、易接着層が設けられたPETフィル
ムを得る際に、易接着層形成塗液として下記のアクリル
樹脂からなる塗液を用いた以外は、実施例4と同様にし
てインクジェット記録用受像シートを得た。結果を表2
に示す。
【0116】「易接着層形成塗液」 アクリル樹脂: メチルメタクリレート 60重量% エチルアクリレート 37重量% アクリル酸 2重量% N−メチロールアクリルアミド 1重量% 上記4成分からなる共重合アクリル樹脂の水性エマルジ
ョン。
【0117】実施例8 実施例4において、易接着層が設けられたPETフィル
ムを得る際に、易接着層形成塗液として下記のポリエス
テル樹脂からなる塗液を用い、インク受容層形成塗液
で、ポリビニルアルコール樹脂(A)とアミノ基含有シ
ランカップリング剤(B)の混合比を、(A)/(B)
=100/2(固形分重量比)とした以外は、実施例4
と同様にしてインクジェット記録用受像シートを得た。
結果を表2に示す。
【0118】「易接着層形成塗液」 ポリエステル樹脂: ・酸成分 テレフタル酸 50モル% イソフタル酸 29モル% セバチン酸 20モル% 5−ナトリウムスルホイソフタル酸 1モル% ・ジオール成分 エチレングリコール 55モル% ネオペンチルグリコール 44モル% ポリエチレングリコール(分子量:4000)1モル% 上記酸成分とジオール成分からなるポリエステル樹脂
(Tg:−4℃)の水分散体。
【0119】実施例9 実施例8のインク受容層形成塗液で、ポリビニルアルコ
ール樹脂のケン化度を82モル%とした以外は、実施例
8と同様にしてインクジェット記録用受像シートを得
た。結果を表2に示す。
【0120】実施例10 実施例8のインク受容層形成塗液で、数珠状コロイダル
シリカ(1次粒子径:20nm)を更に15重量部添加
して用いた以外は、実施例8と同様にしてインクジェッ
ト記録用受像シートを得た。結果を表2に示す。
【0121】実施例11 実施例2において、易接着層が設けられたPETフィル
ムの代わりに、ポリエチレン−2,6−ナフタレート
(以後、「PEN」と略称する)フィルムとした以外は
実施例2と同様にしてインクジェット記録用受像シート
を得た。結果を表2に示す。
【0122】
【表1】
【表2】
【0123】
【発明の効果】本発明によって作成されるインクジェッ
ト記録用受像シートは、白色熱可塑性樹脂フィルムの少
なくとも片面に、ポリエステル樹脂からなる易接着層
と、ポリビニルアルコール樹脂とアミノ基含有シランカ
ップリング剤を主たる構成成分とするインク受容層を順
次積層してなることで、インク吸収性、印刷特性に優れ
ると同時に、耐久性にも優れた効果を発現するものであ
る。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも一軸に延伸された白色熱可塑
    性樹脂フィルムの少なくとも片面に、易接着層とインク
    受容層が順次積層されてなるインクジェット記録用受像
    シートにおいて、該易接着層がポリエステル樹脂を主た
    る構成成分とし、かつ、該インク受容層がポリビニルア
    ルコール樹脂とアミノ基含有シランカップリング剤を主
    たる構成成分としてなることを特徴とするインクジェッ
    ト記録用受像シート。
  2. 【請求項2】 インク受容層において、ポリビニルアル
    コール樹脂100重量部に対し、アミノ基含有シランカ
    ップリング剤が0.3〜7重量部含まれてなることを特
    徴とする請求項1に記載のインクジェット記録用受像シ
    ート。
  3. 【請求項3】 白色熱可塑性樹脂フィルムが白色ポリエ
    ステルフィルムであることを特徴とする請求項1または
    請求項2に記載のインクジェット記録用受像シート。
  4. 【請求項4】 インクジェット記録用受像シートのクッ
    ション率が10〜25%であることを特徴とする請求項
    1〜請求項3のいずれかに記載のインクジェット記録用
    受像シート。
  5. 【請求項5】 インク受容層に1次粒子径が5〜100
    nmのコロイダルシリカが15重量%未満含まれてな
    り、かつ、該コロイダルシリカが数珠状に連結および/
    または分岐した形状であることを特徴とする請求項1〜
    請求項4のいずれかに記載のインクジェット記録用受像
    シート。
  6. 【請求項6】 白色熱可塑性樹脂フィルムが、白色ポリ
    エチレンテレフタレートフィルムまたは白色ポリエチレ
    ン−2,6−ナフタレートフィルムであることを特徴と
    する請求項1〜請求項5のいずれかに記載のインクジェ
    ット記録用受像シート。
JP9100390A 1997-04-17 1997-04-17 インクジェット記録用受像シート Pending JPH10287039A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9100390A JPH10287039A (ja) 1997-04-17 1997-04-17 インクジェット記録用受像シート

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9100390A JPH10287039A (ja) 1997-04-17 1997-04-17 インクジェット記録用受像シート

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10287039A true JPH10287039A (ja) 1998-10-27

Family

ID=14272678

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP9100390A Pending JPH10287039A (ja) 1997-04-17 1997-04-17 インクジェット記録用受像シート

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10287039A (ja)

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2000073081A1 (fr) * 1999-06-01 2000-12-07 Teijin Limited Film polyester pour substrat recevant une image à l'encre et substrat recevant une image à l'encre
JP2001058460A (ja) * 1999-08-20 2001-03-06 Union Chemicar Kk インクジェット記録シート
JP2001301108A (ja) * 2000-04-20 2001-10-30 Toray Ind Inc 積層ポリエステルフィルム
KR100404335B1 (en) * 2002-09-11 2003-11-05 Shinwoo Hi Tech Co Ltd Real picture printer board with plotter and process for production thereof
WO2007055347A1 (ja) * 2005-11-08 2007-05-18 Zeon Kasei Co., Ltd. インクジェット被記録材料
JP6474933B1 (ja) * 2018-05-14 2019-02-27 東京インキ株式会社 活性エネルギー線硬化型インクジェットインキ用アンカーコート組成物、活性エネルギー線硬化型インクジェットインキセット、活性エネルギー線硬化型インクジェットインキ印刷物および活性エネルギー線硬化型インクジェットインキ印刷物の製造方法
CN110892010A (zh) * 2017-07-12 2020-03-17 优泊公司 记录用纸及其制造方法
WO2020145408A1 (ja) * 2019-01-11 2020-07-16 株式会社ユポ・コーポレーション 記録用紙及びその用途、並びに記録用紙の製造方法

Cited By (15)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6896941B1 (en) 1999-06-01 2005-05-24 Teijin Limited Polyester film for use as an ink image receiving base film and ink
KR100681214B1 (ko) * 1999-06-01 2007-02-09 데이진 가부시키가이샤 잉크 수상 기재용 폴리에스테르 필름 및 잉크 수상 기재
WO2000073081A1 (fr) * 1999-06-01 2000-12-07 Teijin Limited Film polyester pour substrat recevant une image à l'encre et substrat recevant une image à l'encre
JP2001058460A (ja) * 1999-08-20 2001-03-06 Union Chemicar Kk インクジェット記録シート
JP4590681B2 (ja) * 2000-04-20 2010-12-01 東レ株式会社 積層ポリエステルフィルム
JP2001301108A (ja) * 2000-04-20 2001-10-30 Toray Ind Inc 積層ポリエステルフィルム
KR100404335B1 (en) * 2002-09-11 2003-11-05 Shinwoo Hi Tech Co Ltd Real picture printer board with plotter and process for production thereof
WO2007055347A1 (ja) * 2005-11-08 2007-05-18 Zeon Kasei Co., Ltd. インクジェット被記録材料
CN110892010A (zh) * 2017-07-12 2020-03-17 优泊公司 记录用纸及其制造方法
EP3653664A4 (en) * 2017-07-12 2021-03-31 Yupo Corporation PRINTING PAPER AND ITS MANUFACTURING PROCESS
CN110892010B (zh) * 2017-07-12 2022-07-01 优泊公司 记录用纸及其制造方法
JP6474933B1 (ja) * 2018-05-14 2019-02-27 東京インキ株式会社 活性エネルギー線硬化型インクジェットインキ用アンカーコート組成物、活性エネルギー線硬化型インクジェットインキセット、活性エネルギー線硬化型インクジェットインキ印刷物および活性エネルギー線硬化型インクジェットインキ印刷物の製造方法
JP2019198970A (ja) * 2018-05-14 2019-11-21 東京インキ株式会社 活性エネルギー線硬化型インクジェットインキ用アンカーコート組成物、活性エネルギー線硬化型インクジェットインキセット、活性エネルギー線硬化型インクジェットインキ印刷物および活性エネルギー線硬化型インクジェットインキ印刷物の製造方法
WO2020145408A1 (ja) * 2019-01-11 2020-07-16 株式会社ユポ・コーポレーション 記録用紙及びその用途、並びに記録用紙の製造方法
JPWO2020145408A1 (ja) * 2019-01-11 2021-11-25 株式会社ユポ・コーポレーション 記録用紙及びその用途、並びに記録用紙の製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
WO2002074538A1 (fr) Film en polyester stratifie
JPH0781214A (ja) 記録シート
JP2002079635A (ja) 積層ポリエステルフィルムおよびその製造方法
JPH10287039A (ja) インクジェット記録用受像シート
JPH08300590A (ja) 積層ポリエステルフィルムおよび積層ポリエステルフィルムの製造法
JPH10296929A (ja) ガスバリアフィルム
JP3829295B2 (ja) 積層ポリエステルフィルム
JPH10297082A (ja) 透明インクジェット受容フィルム
JP3606691B2 (ja) 積層ポリエステルフイルム及びインクジェット記録シート
JPH09202040A (ja) インクジェット記録シート用支持体およびインクジェット記録シート
JP3800069B2 (ja) 積層ポリエステルフィルム
JPH0867065A (ja) 記録シート
JP2001341241A (ja) 積層フィルムおよびその製造方法
JP3837922B2 (ja) 記録シート
JP4186570B2 (ja) 積層ポリエステルフィルム
JP4590681B2 (ja) 積層ポリエステルフィルム
JP3951221B2 (ja) 積層ポリエステルフィルム
JPH0966682A (ja) 熱転写受像体
JP3972721B2 (ja) インクジェット印刷用ポリエステルフィルム
JPH0943889A (ja) 記録シート
JP3932463B2 (ja) 積層ポリエステルフィルム
JP3407250B2 (ja) 記録用媒体
JP4186569B2 (ja) 積層ポリエステルフィルム
JP2002321462A (ja) 熱転写記録用被記録体
JP2847728B2 (ja) 印刷用受容シート