JP3951221B2 - 積層ポリエステルフィルム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、積層ポリエステルフィルムの改良に関し、詳しくは、各種被覆物との接着性に優れた積層ポリエステルフィルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
二軸配向ポリエステルフィルムは、寸法安定性、機械的特性、耐熱性、透明性、電気的特性および耐薬品性などに優れた性質を有することから、磁気記録材料、包装材料、電気絶縁材料、各種写真材料およびグラフィックアーツ材料などの多くの用途の基材フィルムとして広く使用されている。
【0003】
一般に、二軸配向ポリエステルフィルムは表面が高度に結晶配向しているため、各種塗料やインキとの接着性に乏しいという欠点を有している。このため、従来から、ポリエステルフィルム表面に種々の方法で接着性を与えるための検討がなされてきた。
【0004】
従来、ポリエステルフィルム表面に接着性を付与する方法として、基材フィルムであるポリエステルフィルムに各種の易接着処理、例えば、表面のコロナ放電処理、紫外線照射処理またはプラズマ処理などを行なう表面活性化法、酸、アルカリまたはアミン水溶液などの薬剤による表面エッチング法、あるいは、フィルム表面に接着性を有するアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂またはポリオレフィン樹脂などの各種樹脂をプライマー層として設ける方法などが検討されてきている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のようなポリエステルフィルムには、紫外線硬化型インキのように硬化収縮を伴うインキやポリビニルアルコールなどの水溶性、親水性樹脂との接着性の両立といった点において不十分な場合が多いという問題があった。
【0006】
本発明の課題は、このような欠点を改良し、従来両立し得なかった各種被覆物との接着性を満足し得る積層ポリエステルフィルムを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明の積層ポリエステルフィルムは、ポリエステルフィルムの少なくとも片面に、ガラス転移点の異なる2種類のポリエステル樹脂からなる積層膜が形成され、該2種類のポリエステルが、ガラス転移点が60〜100℃であるポリエステル樹脂(A)と、ガラス転移点が0〜60℃であるポリエステル樹脂(B)からなり、該ポリエステル樹脂(B)が、酸成分としてイソフタル酸65〜95モル%、および/または、ジオール成分としてジエチレングリコール50〜95モル%を少なくとも含有するポリエステル樹脂であり、ポリエステル樹脂(A)および(B)における酸成分中のスルホン酸金属塩基含有ジカルボン酸成分が以下の関係を満たすことを特徴とするものからなる。
Sa>Sb≧5モル%
(Sa:ポリエステル樹脂(A)における全ジカルボン酸成分中のスルホン酸金属塩基含有ジカルボン酸成分量(モル%)、Sb:ポリエステル樹脂(B)における全ジカルボン酸成分中のスルホン酸金属塩基含有ジカルボン酸成分量(モル%))
【0008】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明について、望ましい実施の形態とともに詳細に説明する。
本発明において、ポリエステルとは、エステル結合を主鎖の主要な結合鎖とする高分子の総称であって、好ましいポリエステルとしては、エチレンテレフタレート、プロピレンテレフタレート、エチレン−2,6−ナフタレート、ブチレンテレフタレート、プロピレン−2,6−ナフタレート、エチレン−α,β−ビス(2−クロロフェノキシ)エタン−4,4’−ジカルボキシレート、エチレン−α,β−ビス(フェノキシ)エタン−4,4’−ジカルボキシレートなどから選ばれた少なくとも1種の構成成分を主要構成成分とするものを用いることができる。これら構成成分は1種のみ用いても、2種以上併用してもよいが、中でも、品質、経済性などを総合的に判断するとエチレンテレフタレートを主要構成成分とするポリエステルを用いることが好ましい。また、これらポリエステルには、更に他のジカルボン酸成分やジオール成分が一部、好ましくは20モル%以下共重合されていてもよい。
【0009】
更に、このポリエステル中には、各種添加剤、例えば、酸化防止剤、耐熱安定剤、耐候安定剤、紫外線吸収剤、有機の易滑剤、顔料、染料、有機または無機の微粒子、充填剤、帯電防止剤および核剤などがその特性を悪化させない程度に添加されていてもよい。
【0010】
上述したポリエステルの極限粘度(25℃のo−クロロフェノール中で測定)は、0.4〜1.2dl/gが好ましく、より好ましくは0.5〜0.8dl/gの範囲にあるものが本発明を実施する上で好適である。
【0011】
上記ポリエステルを使用したポリエステルフィルムは、その少なくとも片面に積層膜が設けられた状態においては、二軸配向されたものであることが好ましい。二軸配向ポリエステルフィルムとは、一般に、未延伸状態のポリエステルシートまたはフィルムが長手方向および幅方向に各々2.5〜5倍程度延伸され、その後、熱処理が施されて、結晶配向が完了したものであり、広角X線回折で二軸配向のパターンを示すものをいう。
【0012】
ポリエステルフィルムの厚みは、特に限定されるものではなく、本発明の積層フィルムが使用される用途に応じて適宜選択されるが、機械的強度、ハンドリング性などの点から、通常は好ましくは1〜500μm、より好ましくは5〜300μm、最も好ましくは30〜210μmである。また、得られたフィルムを各種の方法で貼り合わせて用いることもできる。
【0013】
また、基材フィルムとして白色ポリエステルフィルムを好適に用いることもできる。この白色ポリエステルフィルムは、白色に着色されたポリエステルフィルムであれば特に限定されるものではないが、白色度は65〜150%が好ましく、より好ましくは80〜120%であり、また光学濃度は100μm換算で、0.5〜5が好ましく、より好ましくは1〜3である。例えば、光学濃度が小さい基材フィルムを使用した場合は隠蔽性が劣り、白色度が小さい場合は肉眼で見た場合白さが減少しやすい。
【0014】
このような白色度と光学濃度を得る方法は、特に限定されないが、通常は無機粒子あるいはポリエステルと非相溶の樹脂の添加により得ることができる。添加する量は特に限定されないが、無機粒子の場合、好ましくは5〜35重量%、より好ましくは8〜25重量%である。一方、非相溶性の樹脂を添加する場合は、好ましくは3〜35体積%、より好ましくは6〜25体積%である。
【0015】
該無機粒子は特に限定されないが、好ましくは平均粒径0.1〜4μm、より好ましくは0.3〜1.5μmの無機粒子などをその代表的なものとして用いることができる。具体的には、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、酸化チタン、シリカ、アルミナ、チタン酸バリウム、タルク、クレーなどあるいはこれらの混合物を使用でき、これらの無機粒子は他の無機化合物、例えば、リン酸カルシウム、酸化チタン、雲母、ジルコニア、酸化タングステン、フッ化リチウム、フッ化カルシウムなどと併用されてもよい。
【0016】
上述のポリエステルと非相溶の樹脂としては、特に限定されないが、例えば、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレン−2,6−ナフタレートと混合する場合についていえば、アクリル樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、変性オレフィン樹脂、ポリブチレンテレフタレート系樹脂、フェノキシ樹脂およびポリフェニレンオキシドなどを用いることができ、当然、上述した無機粒子と併用してもよい。例えば、特に、ポリエステルに無機粒子やポリエステルと非相溶の樹脂を混合して2軸延伸し、内部に空洞を有する、比重が0.5〜1.3の白色ポリエステルフィルムは、基材フィルム自体が軽量化できる、受像シート用途で用いた場合、印刷特性が向上するなどの長所がある。
【0017】
また、この白色ポリエステルフィルムは、他の色に着色されたフィルムあるいは透明なフィルムを積層させた2層以上の積層体にし、これを基材フィルムとして使用してもよい。
【0018】
本発明において、積層膜とは、基材シートとなるポリエステルフィルムの表面に積層構造的に形成されて存在する膜状のものをいう。該積層膜自体は、単一層であっても複数層からなるものであってもよい。
【0019】
本発明における積層膜には、ガラス転移点(以後、Tgと略称する)の異なる2種類のポリエステル樹脂を用いるが、2種類のポリエステル樹脂でTgが異なり、かつ、ポリエステル樹脂(A)のTgが60〜100℃であり、ポリエステル樹脂(B)のTgが0〜60℃であることを満足し、該ポリエステル樹脂(A)のTgは好ましくは70〜90℃であり、該ポリエステル樹脂(B)のTgは好ましくは10〜45℃である。さらに、該ポリエステル樹脂(B)は、酸成分としてイソフタル酸65〜95モル%、および/または、ジオール成分としてジエチレングリコール50〜95モル%を少なくとも含有し、Tgを上記の範囲とすることにより、従来両立し得なかった各種被覆物との優れた接着性が得られることが可能となる。該イソフタル酸のさらに好ましい範囲としては70〜95モル%、該ジエチレングリコールのさらに好ましい範囲としては60〜90モル%である。
【0020】
さらに詳細には、本発明の積層膜で用いられるポリエステル樹脂(B)において、ジカルボン酸成分としてイソフタル酸を全ジカルボン酸成分中65〜95モル%、および、ジオール成分としてジエチレングリコールを全ジオール成分中50〜95モル%を同時に満たすことが、より好ましい。しかしながら、例えばイソフタル酸が全ジカルボン酸成分中65〜95モル%を満たすときには、ジエチレングリコールの好ましい範囲は40〜95モル%、さらに好ましい範囲は50〜95モル%であり、一方、ジエチレングリコールが全ジオール成分中50〜95モル%を満たすときには、イソフタル酸の好ましい範囲は45〜95モル%、さらに好ましい範囲は50〜90モル%である。イソフタル酸成分量が少なすぎると、特に紫外線硬化型インキのように硬化収縮を伴うインキとの接着性が低下する場合があり、一方、ジエチレングリコール成分量が少なすぎると、特に紫外線硬化型インキのように硬化収縮を伴うインキやポリビニルアルコールなどの親水性樹脂との接着性が低下する場合がある。
【0021】
本発明における積層膜を形成するガラス転移点の異なる2種類のポリエステル樹脂(A)および(B)には、スルホン酸金属塩基含有ジカルボン酸成分が含有され、その含有量は下記の関係を満たす。
Sa>Sb≧5モル%
(Sa:ポリエステル樹脂(A)における全ジカルボン酸成分中のスルホン酸金属塩基含有ジカルボン酸成分量(モル%)、Sb:ポリエステル樹脂(B)における全ジカルボン酸成分中のスルホン酸金属塩基含有ジカルボン酸成分量(モル%))
【0022】
ここで、Sbは、好ましくは、7モル%以上、より好ましくは、7〜9モル%である。SaまたはSbが5モル%未満になると、特にポリビニルアルコールなどの親水性樹脂との接着性が低下する。Sa>Sb≧5モル%の関係を満たすことにより、相反する効果である各種被覆物との接着性と耐ブロッキング性を両立させることができたと考えられる。
【0023】
ポリエステル樹脂(A)とポリエステル樹脂(B)は任意の比率で混合して用いることができるが、ポリエステル樹脂(A)/ポリエステル樹脂(B)が、固形分重量比で、10/90〜90/10であることが接着性の両立の点で好ましく、より好ましくは30/70〜80/20、さらに好ましくは40/60〜70/30である。ポリエステル樹脂(A)が少なすぎると耐ブロッキング性が低下したり、ポリエステル樹脂(B)が少なすぎると特に紫外線硬化型インキのように硬化収縮を伴うインキとの接着性が低下したりする場合がある。
【0024】
本発明の積層膜は、前記したTgの異なる2種類のポリエステル樹脂を主たる構成成分としてなるものであり、本発明において主成分とは、上記2種類が積層膜中において70重量%以上を占めることをいい、好ましくは80重量%以上、より好ましくは90重量%以上である。
【0025】
本発明に係る積層膜の構成成分であるポリエステル樹脂(A)および(B)は、主鎖あるいは側鎖にエステル結合を有するものであり、このようなポリエステル樹脂は、ジカルボン酸とジオールから重縮合して得ることができるものである。
【0026】
該ポリエステル樹脂を構成するカルボン酸成分としては、芳香族、脂肪族、脂環族のジカルボン酸や3価以上の多価カルボン酸が使用できる。芳香族ジカルボン酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸、オルソフタル酸、フタル酸、2,5−ジメチルテレフタル酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、ビフェニルジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、1,2−ビスフェノキシエタン−p,p’−ジカルボン酸、フェニルインダンジカルボン酸などを用いることができる。脂肪族及び脂環族のジカルボン酸としては、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、ドデカンジオン酸、ダイマー酸、1,3−シクロペンタンジカルボン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸など及びそれらのエステル形成性誘導体を用いることができる。
【0027】
また、ポリエステル樹脂を水系樹脂とした塗液として用いる場合、ポリエステル樹脂の接着性を向上させるため、あるいはポリエステル樹脂の水溶性化を容易にするため、スルホン酸塩基を含む化合物や、カルボン酸塩基を含む化合物を共重合することが好ましい。
【0028】
スルホン酸塩基を含む化合物としては、例えばスルホテレフタル酸、5−スルホイソフタル酸、4−スルホイソフタル酸、4−スルホナフタレン−2,7−ジカルボン酸、スルホ−p−キシリレングリコール、2−スルホ−1,4−ビス(ヒドロキシエトキシ)ベンゼン等あるいはこれらのアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩を用いることができるが、これに限定されるものではない。
【0029】
カルボン酸塩基を含む化合物としては、例えばトリメリット酸、無水トリメリット酸、ピロメリット酸、無水ピロメリット酸、4−メチルシクロヘキセン−1,2,3−トリカルボン酸、トリメシン酸、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸、1,2,3,4−ペンタンテトラカルボン酸、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロフルフリル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロフルフリル)−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸、シクロペンタンテトラカルボン酸、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸、エチレングリコールビストリメリテート、2,2’,3,3’−ジフェニルテトラカルボン酸、チオフェン−2,3,4,5−テトラカルボン酸、エチレンテトラカルボン酸等あるいはこれらのアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩を用いることができるが、これに限定されるものではない。
【0030】
該ポリエステル樹脂のジオール成分としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、2,4−ジメチル−2−エチルヘキサン−1,3−ジオール、ネオペンチルグリコール、2−エチル−2−ブチル−1,3−プロパンジオール、2−エチル−2−イソブチル−1,3−プロパンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2,2,4−トリメチル−1,6−ヘキサンジオール、1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオール、4,4’−チオジフェノール、ビスフェノールA、4,4’−メチレンジフェノール、4,4’−(2−ノルボルニリデン)ジフェノール、4,4’−ジヒドロキシビフェノール、o−,m−,及びp−ジヒドロキシベンゼン、4,4’−イソプロピリデンフェノール、4,4’−イソプロピリデンビンジオール、シクロペンタン−1,2−ジオール、シクロヘキサン−1,2−ジオール、シクロヘキサン−1,4−ジオール、ビスフェノールAなどを用いることができる。
【0031】
本発明に用いられるポリエステル樹脂(A)および(B)としては、変性ポリエステル共重合体、例えばアクリル、ウレタン、エポキシ等で変性したブロック共重合体、グラフト共重合体等を用いることも可能である。また、本発明の効果を損なわない範囲内で、他の樹脂、例えば本発明に用いられる上述したポリエステル樹脂以外のポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、尿素樹脂、フェノール樹脂などが配合されていてもよい。更に、本発明の効果が損なわれない範囲内で各種の添加剤、例えば架橋剤、酸化防止剤、耐熱安定剤、耐候安定剤、紫外線吸収剤、有機の易滑剤、顔料、染料、充填剤、帯電防止剤、核剤などが配合されていてもよい。
【0032】
本発明に係る積層膜に用いられるポリエステル樹脂は、公知の製造法によって製造することができる。例えば、酸成分とジオール成分とを直接エステル化反応させるか、エステル交換反応させる第一段階とこの第一段階の反応生成物を重縮合反応させる第二段階とによって製造する方法等により製造することができる。この際、反応触媒(例えば、アルカリ金属、アルカリ土類金属、マンガン、コバルト、亜鉛、アンチモン、ゲルマニウム、チタン化合物など)を用いることが一般的である。
【0033】
積層膜の厚みは、0.01〜5μmの範囲が好ましく、より好ましくは0.02〜2μm、最も好ましくは0.05μm〜0.5μmである。積層膜の厚みが薄すぎると接着性不良となったり、厚すぎると易滑性や耐ブロッキング性が低下したり場合がある。
【0034】
本発明の積層膜中に有機または無機の粒子を添加すると、易滑性や耐ブロッキング性が向上する。該有機粒子としては、架橋ポリスチレン、架橋アクリル樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂など、該無機粒子としては、シリカ、コロイダルシリカ、アルミナ、アルミナゾル、カオリン、タルク、マイカ、炭酸カルシウムなどを用いることができる。これらの粒子は平均粒径0.01〜5μmが好ましく、より好ましくは0.04〜3μm、さらに好ましくは0.08〜1μmである。また、1/2<r/d≦4(r:粒子の平均粒径、d:積層膜の平均厚み)を満足する粒子を選択することで、効果的に易滑性や耐ブロッキング性を付与できる。さらに好ましい範囲は1≦r/d≦4である。該粒子の積層膜中の樹脂に対する混合比は、固形分比で0.05〜5重量%であり、より好ましくは0.1〜3重量%である。該粒子の粒子径が大きすぎたり該粒子の混合比が多すぎると積層膜の耐削れ性などが低下したりする。
【0035】
本発明の積層ポリエステルフィルムを製造するに際して、積層膜を設けるのに好ましい方法としては、ポリエステルフィルムの製造工程中に塗布し、基材フィルムと共に延伸する方法が最も好適である。例えば、溶融押し出しされた結晶配向前のポリエステルフィルムを長手方向に2.5〜5倍程度延伸し、一軸延伸されたフィルムに連続的に塗液を塗布する。塗布されたフィルムは段階的に加熱されたゾーンを通過しつつ乾燥され、幅方向に2.5〜5倍程度延伸される。更に、連続的に150〜250℃の加熱ゾーンに導かれ結晶配向を完了させる方法(インラインコート法)によって得ることができる。この場合に用いる塗布液は環境汚染や防爆性の点で水系のものが好ましい。
【0036】
基材フィルム上への塗布の方法は各種の塗布方法、例えばリバースコート法、グラビアコート法、ロッドコート法、バーコート法、ダイコート法、スプレーコート法などを用いることができる。
【0037】
次に、本発明の積層ポリエステルフィルムの製造方法について、ポリエチレンテレフタレート、(以下、「PET」と略称する)を基材フィルムとした例について説明するが、これに限定されるものではない。
【0038】
本発明の上述した各種塗料やインキとの接着性に優れると同時に、高温高湿下での接着性にも優れた積層ポリエステルフィルムは、ポリエステルフィルムの少なくとも片面に、上記した特定のTgを有し、かつ、Tgの異なる2種類のポリエステル樹脂を主たる構成成分とする積層膜を設けることによって製造することができる。
【0039】
より具体的には、例えば、極限粘度0.5〜0.8dl/gのPETペレットを真空乾燥した後、押し出し機に供給し、260〜300℃で溶融し、T字型口金よりシート状に押し出し、静電印加キャスト法を用いて表面温度10〜60℃の鏡面キャスティングドラムに巻き付けて、冷却固化せしめて未延伸PETフィルムを作成した。この未延伸フィルムを70〜120℃に加熱されたロール間で縦方向(フィルムの進行方向)に2.5〜5倍延伸する。このフィルムの少なくとも片面にコロナ放電処理を施し、本発明の積層膜形成塗液を塗布した。この塗布されたフィルムをクリップで把持して70〜150℃に加熱された熱風ゾーンに導き、乾燥した後、幅方向に2.5〜5倍延伸し、引き続き160〜250℃の熱処理ゾーンに導き、1〜30秒間の熱処理を行い、結晶配向を完了させた。この熱処理工程中で必要に応じて幅方向あるいは長手方向に3〜12%の弛緩処理を施してもよい。二軸延伸は、縦、横逐次延伸あるいは同時二軸延伸のいずれでもよく、また縦、横延伸後、縦、横いずれかの方向に再延伸してもよい。この場合に用いられる塗液は環境汚染や防爆性の点で水系が好ましい。
【0040】
なお、上記例において、積層膜が設けられる基材フィルムにもポリエステル樹脂あるいはこれらの反応生成物から選ばれる少なくとも1種を含有させることができる。この場合は、積層膜と基材フィルムとの接着性が向上する、積層ポリエステルフィルムの易滑性が向上するなどの効果がある。ポリエステル樹脂あるいはこれらの反応生成物を含有させる場合には、1種であれ複数種であれ、その添加量の合計が5ppm以上20重量%未満であるのが、接着性、易滑性の点で好ましい。もちろん、ポリエステル樹脂あるいはこれらの反応生成物は、基材フィルム上に設ける積層膜形成組成物(本発明の積層ポリエステルフィルムの再生ペレットなどを含む)であってもよい。さらに詳細には、基材フィルム中に含有され得るポリエステル樹脂あるいはこれらの反応生成物は、再生材料として、上記の積層ポリエステルフィルム、あるいは、積層ポリエステルフィルムから生じる屑フィルムを粉砕した粉砕物を溶融押出してペレットとして得ることができる。該再生材料は、前述のポリエステルフィルムを構成するポリエステルと混合して用いることができる。本発明の積層ポリエステルフィルムは、再生材料として使用されるペレットの割合が50重量%以下であることが好ましく、さらには40重量%以下が好ましい。該再生材料の含有量が多すぎると、積層ポリエステルフィルムが着色する場合がある。以後、再生材料を基材フィルムに含有する本発明の積層ポリエステルフィルムを、再生積層ポリエステルフィルムという。
【0041】
〔特性の測定方法および効果の評価方法〕
本発明における特性の測定方法及び効果の評価方法は次の通りである。
(1)ガラス転移点(Tg)
ロボットDSC(示差走査熱量計)RDC220(セイコー電子工業(株)製)にSSC5200ディスクステーション(セイコー電子工業(株)製)を接続して測定した。試料10mgをアルミニウムパンに調整後、DSC装置にセットし(リファレンス:試料を入れていない同タイプのアルミニウムパン)、300℃の温度で5分間加熱した後、液体窒素中を用いて急冷処理をする。この試料を10℃/分で昇温し、そのDSCチャートからガラス転移点(Tg)を検知する。
【0042】
(2)積層膜の厚み
透過型電子顕微鏡HU−12型((株)日立製作所製)を用い、積層膜を設けた積層ポリエステルフィルムの断面を観察した写真から求めた。厚みは測定視野内の30個の平均値とした。
【0043】
(3)粒子の平均粒径
積層ポリエステルフィルムの積層膜の表面を、走査型電子顕微鏡S−2100A形((株)日立製作所製)を用いて、拡大倍率10000倍で観察したときの、粒子50個の粒子径の平均を平均粒径とした。
【0044】
(4)接着性−1
紫外線硬化型インキとしてベストキュア161墨(T&K東華(株)製)を用い、ロールコート法で積層膜上に約1.5μm厚みに塗布した。その後、照射強度80W/cmの紫外線ランプを用い、照射距離(ランプとインキ面の距離)12cmで5秒間照射した。23℃、65%RHにて1日間調湿後、インキ硬化膜に1mm2のクロスカットを100個入れ、ニチバン(株)製セロハンテープをその上に貼り付け、ゴムローラーを用いて押し付けた(荷重20Nで3往復)後90度方向に剥離した。接着性は、インキ硬化膜の残存した個数により評価(◎:100、○:80〜99、△:50〜79、×:0〜49)した。このとき、「◎」、「○」を接着性良好とした。
【0045】
(5)接着性−2
積層膜上にポリビニルアルコール樹脂(日本合成化学工業(株)製ゴーセノールGH−23)の10%水溶液を用いて、乾燥後の塗布厚みが約7μmとなるようにグラビアコーターで塗布し、120℃で乾燥した。23℃、65%RHにて1日間調湿後、ポリビニルアルコール樹脂層上に、1mm2 のクロスカットを100個入れ、セロハンテープを張り付けてゴムローラーを用いて押しつけた(荷重20Nで3往復)後90度方向に剥離した。接着性は、ポリビニルアルコール樹脂層の残存した個数により評価した(○:80〜100、△:50〜79、×:0〜49)。このとき「○」を接着性良好とした。
【0046】
(6)耐ブロッキング性
積層膜同士を重ね合わせ、荷重(500g/(3×4)cm2)下、40℃、90%RHで24時間調湿し、荷重を加えた箇所の剥離状態を以下の基準(◎:容易に剥離し重ね合わせた跡が残らない。○:容易に剥離するが重ね合わせた跡が一部に残る。△:剥離できるが重ね合わせた跡が残る。×:剥離するときフィルムが劈開する。)で評価した。このとき、「×」以外を合格とした。
【0047】
(7)接着性−3
再生積層ポリエステルフィルムを60℃、80%RHで1日間調湿後、積層膜に1mm2 のクロスカットを100個入れ、ニチバン(株)製セロハンテープをその上に貼り付け、ゴムローラーを用いて押し付けた(荷重20Nで3往復)後、90度方向に剥離した。
接着性は、積層膜の残存した個数により評価した(○:80〜100、△:50〜79、×:0〜49)。このとき「○」を接着性良好とした。
【0048】
(8)異物
100mm×100mmサイズの再生積層ポリエステルフィルムについて、偏光装置を用いたときに白く見えた異物を実体顕微鏡で観察し、100μm以上の大きさの異物をカウントした。ここでは、1000cm2 あたりに換算した異物の個数を以下の基準で評価し、「○」、「△」を良好レベルとした。
○:異物数15個以下、△:異物数16〜25個、×:異物数26個以上
【0049】
(9)着色度
積層ポリエステルフィルムをブランクフィルムとし、再生積層ポリエステルフィルムを、同じ基材厚みで比較して着色の程度を以下の3段階評価し、「○」、「△」を良好レベルとした。
○:ブランクフィルムとほとんど変わらない。△:若干の着色がある。×:着色が著しい。
【0050】
【実施例】
次に、実施例に基づいて本発明を説明するが、必ずしもこれに限定されるものではない。
実施例1
平均粒径0.4μmのコロイダルシリカを0.015重量%、および平均粒径1.5μmのコロイダルシリカを0.005重量%含有するPET(ポリエチレンテレフタレート)ペレット(極限粘度0.63dl/g)を充分に真空乾燥した後、押出機に供給し285℃で溶融し、T字型口金よりシート状に押し出し、静電印加キャスト法を用いて表面温度25℃の鏡面キャスティングドラムに巻き付けて冷却固化せしめた。この未延伸フィルムを85℃に加熱して長手方向に3.3倍延伸し、一軸延伸フィルムとした。このフィルムに空気中でコロナ放電処理を施し、25℃の積層膜形成塗液を塗布した。塗布された一軸延伸フィルムをクリップで把持しながらテンターの予熱ゾーンに導き、90℃で乾燥後、引き続き連続的に100℃の加熱ゾーンで幅方向に3.3倍延伸し、更に225℃の加熱ゾーンで熱処理を施し、結晶配向の完了した積層ポリエステルフィルムを得た。このとき、基材PETフィルム厚みが50μm、積層膜の厚みが0.08μmであった。
用いた積層膜形成塗液は、A1/B1=50/50(固形分重量比)であり、結果を表1に示す。
【0051】
実施例2
実施例1の積層膜形成塗液で、A1/B1=30/70(固形分重量比)とした以外は、実施例1と同様にして積層PETフィルムを得た。結果を表1に示す。
【0052】
実施例3
実施例1の積層膜形成塗液で、A1/B1=70/30(固形分重量比)とした以外は、実施例1と同様にして積層PETフィルムを得た。結果を表1に示す。
【0053】
実施例4
実施例1の積層膜形成塗液で、A1/B2=50/50(固形分重量比)とした以外は、実施例1と同様にして積層PETフィルムを得た。結果を表1に示す。
【0054】
参考実施例5
実施例1の積層膜形成塗液で、A2/B2=50/50(固形分重量比)とした以外は、実施例1と同様にして積層PETフィルムを得た。結果を表1に示す。
【0055】
実施例6
平均粒径0.2μmの二酸化チタンを14重量%、および平均粒径1μmのシリカを0.5重量%含有するPETペレット(極限粘度0.63dl/g)を充分に真空乾燥した後、押出機に供給し285℃で溶融し、T字型口金よりシート状に押し出し、静電印加キャスト法を用いて表面温度25℃の鏡面キャスティングドラムに巻き付けて冷却固化せしめた。この未延伸フィルムを85℃に加熱して長手方向に3.3倍延伸し、一軸延伸フィルムとした。このフィルムに空気中でコロナ放電処理を施し、その処理面に実施例1と同様の積層膜形成塗液を塗布した。塗布された一軸延伸フィルムをクリップで把持しながらテンターの予熱ゾーンに導き、95℃で乾燥後、引き続き連続的に110℃の加熱ゾーンで幅方向に3.3倍延伸し、更に210℃の加熱ゾーンで熱処理を施し、結晶配向の完了した積層膜を設けた白色積層PETフィルムを得た。このとき、基材白色PETフィルムの厚みが50μm、光学濃度が1.5、白色度が85%、積層膜の厚みが0.08μmであった。
用いた積層膜形成塗液は、A1/B1=50/50(固形分重量比)であり、結果を表1に示す。
【0056】
実施例7
実施例1の積層膜形成塗液で、A3/B5=50/50(固形分重量比)とした以外は、実施例1と同様にして積層PETフィルムを得た。結果を表1に示す。
【0057】
実施例8
実施例1の積層膜形成塗液で、A3/B6=50/50(固形分重量比)とした以外は、実施例1と同様にして積層PETフィルムを得た。結果を表1に示す。
【0058】
比較例1
実施例1の積層膜形成塗液で、A1/B3=50/50(固形分重量比)とした以外は、実施例1と同様にして積層PETフィルムを得た。結果を表1に示す。
【0059】
比較例2
実施例1の積層膜形成塗液で、A1/B4=50/50(固形分重量比)とした以外は、実施例1と同様にして積層PETフィルムを得た。結果を表1に示す。
【0060】
比較例3
実施例1の積層膜形成塗液で、B1/B2=50/50(固形分重量比)とした以外は、実施例1と同様にして積層PETフィルムを得た。結果を表1に示す。
【0061】
比較例4
実施例1の積層膜形成塗液で、A1のみ使用とした以外は、実施例1と同様にして積層PETフィルムを得た。結果を表1に示す。
【0062】
比較例5
実施例1の積層膜形成塗液で、B1のみ使用とした以外は、実施例1と同様にして積層PETフィルムを得た。結果を表1に示す。
【0063】
上記各実施例、比較例において、積層膜形成等のために用いた樹脂は以下の通りである。
A1:テレフタル酸(88モル%)、5−ナトリウムスルホイソフタル酸(12モル%)、エチレングリコール(95モル%)、ジエチレングリコール(5モル%)から構成されるポリエステル樹脂(Tg80℃)の水分散体。
A2:テレフタル酸99モル%、5−ナトリウムスルホイソフタル酸1モル%、エチレングリコール70モル%、ネオペンチルグリコール30モル%から構成されるポリエステル樹脂(Tg66℃)の水分散体。
A3:テレフタル酸(85モル%)、5−ナトリウムスルホイソフタル酸(15モル%)、エチレングリコール(97モル%)、ジエチレングリコール(3モル%)から構成されるポリエステル樹脂(Tg78℃)の水分散体。
B1:イソフタル酸(93モル%)、5−ナトリウムスルホイソフタル酸(7モル%)、エチレングリコール(10モル%)、ジエチレングリコール(90モル%)から構成されるポリエステル樹脂(Tg18℃)の水分散体。
B2:イソフタル酸(91モル%)、5−ナトリウムスルホイソフタル酸(9モル%)、エチレングリコール(5モル%)、ジエチレングリコール(80モル%)、シクロヘキサンジメタノール(15モル%)から構成されるポリエステル樹脂(Tg38℃)の水分散体。
B3:テレフタル酸(25モル%)、イソフタル酸(65モル%)、トリメリット酸(10モル%)、エチレングリコール(50モル%)、ネオペンチルグリコール(50モル%)から構成されるポリエステル樹脂(Tg35℃)の水分散体。
B4:テレフタル酸(85モル%)、5−ナトリウムスルホイソフタル酸(15モル%)、エチレングリコール(75モル%)、ジエチレングリコール(20モル%)、ポリエチレングリコール(分子量1000)(5モル%)から構成されるポリエステル樹脂(Tg45℃)の水分散体。
B5:イソフタル酸(91モル%)、5−ナトリウムスルホイソフタル酸(9モル%)、エチレングリコール(5モル%)、ジエチレングリコール(40モル%)、シクロヘキサンジメタノール(55モル%)から構成されるポリエステル樹脂(Tg45℃)の水分散体。
B6:テレフタル酸(45モル%)、イソフタル酸(45モル%)、5−ナトリウムスルホイソフタル酸(10モル%)、エチレングリコール(3モル%)、ジエチレングリコール(80モル%)、シクロヘキサンジメタノール(17モル%)から構成されるポリエステル樹脂(Tg47℃)の水分散体。
【0064】
【表1】
【0065】
実施例9
実施例1の積層膜形成塗液に、コロイダルシリカ(粒子径0.3μm)を0.3重量%添加した以外は、実施例1と同様にして積層PETフィルムを得た。結果を表2に示す。
【0066】
実施例10
実施例1の積層膜形成塗液に、コロイダルシリカ(粒子径0.08μm)を3重量%添加した以外は、実施例1と同様にして積層PETフィルムを得た。結果を表2に示す。
【0067】
【表2】
【0068】
実施例11
実施例1で得られた積層ポリエステルフィルムを粉砕して押出機に供給し、約280℃で溶融しペレット化した。得られたペレットとPETを重量比で20/80で混合し、実施例1と同様に溶融製膜して厚み50μmの再生積層ポリエステルフィルムを得た。
ここで用いた積層膜形成塗液は、A1/B1=80/20(固形分重量比)で構成される水分散液で、積層膜の厚みは0.08μmであった。結果を表3に示す。
【0069】
【表3】
【0070】
【発明の効果】
本発明の積層ポリエステルフィルムによれば、特定のTgを有し、かつ、Tgの異なる2種類のポリエステル樹脂を主たる構成成分とする積層膜を設けることにより、紫外線硬化型インキのように硬化収縮を伴うインキやポリビニルアルコールなどの水溶性、親水性樹脂といった従来両立し得なかった各種被覆物との接着性に優れた効果を発現することができる。
Claims (2)
- ポリエステルフィルムの少なくとも片面に、ガラス転移点の異なる2種類のポリエステル樹脂からなる積層膜が形成され、該2種類のポリエステルが、ガラス転移点が60〜100℃であるポリエステル樹脂(A)と、ガラス転移点が0〜60℃であるポリエステル樹脂(B)からなり、該ポリエステル樹脂(B)が、酸成分としてイソフタル酸65〜95モル%、および/または、ジオール成分としてジエチレングリコール50〜95モル%を少なくとも含有するポリエステル樹脂であり、ポリエステル樹脂(A)および(B)における酸成分中のスルホン酸金属塩基含有ジカルボン酸成分が以下の関係を満たすことを特徴とする積層ポリエステルフィルム。
Sa>Sb≧5モル%
(Sa:ポリエステル樹脂(A)における全ジカルボン酸成分中のスルホン酸金属塩基含有ジカルボン酸成分量(モル%)、Sb:ポリエステル樹脂(B)における全ジカルボン酸成分中のスルホン酸金属塩基含有ジカルボン酸成分量(モル%)) - 前記積層膜において、1/2<r/d≦4(r:粒子の平均粒径、d:積層膜の平均厚み)を満足する粒子が、ガラス転移点の異なる2種類のポリエステル樹脂の合計に対し、固形分比で0.05〜5重量%含まれてなることを特徴とする請求項1に記載の積層ポリエステルフィルム。
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