JP2000272070A - 積層ポリエステルフィルム - Google Patents
積層ポリエステルフィルムInfo
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Abstract
リゴマー析出抑制性に優れ、かつ、リサイクル性にも優
れた効果を発現する積層ポリエステルフィルムを提供す
ること。 【解決手段】ドデシルベンゼンスルホン酸リチウム塩を
0.02〜2重量%含有するポリエステルフィルムの少
なくとも片面に、ガラス転移温度が、−20℃以上、6
0℃未満であるポリエステル樹脂を構成成分とする積層
膜が設けられてなることを特徴とする積層ポリエステル
フィルムである。
Description
ィルムに関し、更に詳しくは、各種環境下での経時保存
後のインキ接着性とオリゴマー析出抑制性に優れ、か
つ、リサイクル性にも優れる積層ポリエステルフィルム
に関するものである。
安定性、機械的性質、耐熱性、透明性、電気的性質など
に優れた性質を有することから、磁気記録材料、包装材
料、電気絶縁材料、各種写真材料、グラフィックアーツ
材料などの多くの用途の基材フィルムとして広く使用さ
れている。
表面が高度に結晶配向しているため、各種塗料、インキ
との接着性に乏しいという欠点を有している。このた
め、従来から、ポリエステルフィルム表面に種々の方法
で接着性を与えるための検討がなされてきた。
各種の易接着処理、例えば、表面のコロナ放電処理、紫
外線照射処理、プラズマ処理などを行う表面活性化法、
酸、アルカリ、アミン水溶液などの薬剤による表面エッ
チング法、あるいは、フィルム表面に接着性を有するア
クリル樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、ポリオ
レフィン樹脂などの各種樹脂をプライマー層として設け
る方法などが検討されている。
の被覆物に対応できる接着性物質を選択してコーティン
グすることが可能であることから、水溶性あるいは水分
散性のポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹
脂、アクリルグラフトポリエステル樹脂などを接着性物
質としてポリエステルフィルムに積層したもの(特開昭
55−15825号公報、特開昭58−78761号公
報、特開昭60−248232号公報、特開昭62−2
04940号公報、特開平1−108037号公報、特
開平4−263937号公報など)などが提案されてい
る。
いた場合は、該樹脂の耐熱性が悪いため、本発明の積層
ポリエステルフィルムの製造工程の屑フィルムや、ある
いは製品状態からの再利用する場合のリサイクル性が極
端に劣る。例えば、フィルムへの着色の問題や、異物混
入などの問題が発生する。
カルボン酸成分などを共重合した柔軟なポリエステル樹
脂などをプライマー層として設けた場合、積層ポリエス
テルフィルムは、非常にインキ接着性に優れ、かつ、基
材ポリエステルフィルムおよび積層膜のいずれも実質的
にポリエステル樹脂からなるため、積層ポリエステルフ
ィルム製造工程で発生するエッジ屑やスリット屑、ある
いは不良品を回収して、再びフィルム原料として使用し
やすく、コスト面、品質面で有利となる。そのため、こ
れまでにも多くの方法が提案されている(特開昭60−
19522号公報、特開昭60−89334号公報、特
開昭60−198240号公報、特開昭62−1528
50号公報など)。
の技術には次のような問題点がある。
けた場合には、高温下、低温下、高湿下、低湿下、ある
いは、これらの組み合わせた条件といった各種環境下で
の経時保存後のインキ接着性が悪くなる場合がある。
ものは、高温下において、積層ポリエステルフィルム表
面にオリゴマーが析出しやすく、インキ層との界面に、
弱境界層を形成し、接着不良を引き起こす。更に、該オ
リゴマーの析出は、基材フィルムとして、透明フィルム
を用いた場合、フィルムヘイズが上昇し、見た目が白っ
ぽくなるといった現象も発生し、製品外観上好ましくな
い。
環境下での経時保存後のインキ接着性とオリゴマー析出
抑制性に優れ、かつ、リサイクル性にも優れる積層ポリ
エステルフィルムを提供することを目的とするものであ
る。
発明の積層ポリエステルフィルムは、ドデシルベンゼン
スルホン酸リチウム塩を0.02〜2重量%含有するポ
リエステルフィルムの少なくとも片面に、ガラス転移温
度が、−20℃以上、60℃未満であるポリエステル樹
脂を構成成分とする積層膜が設けられてなることを特徴
とするものである。
ムにおいて、ポリエステルとは、エステル結合を主鎖の
主要な結合鎖とする高分子の総称であって、好ましいポ
リエステルとしては、エチレンテレフタレート、エチレ
ン−2,6−ナフタレート、ブチレンテレフタレート、
エチレン−α,β−ビス(2−クロロフェノキシ)エタ
ン−4,4’−ジカルボキシレートなどから選ばれた少
なくとも1種の構成成分を主要構成成分とするものを用
いることができる。これら構成成分は1種のみ用いて
も、2種以上併用してもよいが、中でも品質、経済性な
どを総合的に判断するとエチレンテレフタレートを主要
構成成分とするポリエステルを用いることが特に好まし
い。また、基材に熱が作用する用途や、被覆物として紫
外線硬化型樹脂など硬化時に樹脂の収縮を伴う用途にお
いては、耐熱性や剛性に優れたポリエチレン−2,6−
ナフタレートが更に好ましい。
ジカルボン酸成分やジオール成分が一部、好ましくは2
0モル%以下共重合されていてもよい。
剤、例えば、酸化防止剤、耐熱安定剤、耐候安定剤、紫
外線吸収剤、有機の易滑剤、顔料、染料、有機または無
機の微粒子、充填剤、帯電防止剤、核剤などがその特性
を悪化させない程度に添加されていてもよい。
のo−クロロフェノール中で測定)は、0.4〜1.2
dl/gが好ましく、より好ましくは0.5〜0.8d
l/gの範囲にあるものが本発明を実施する上で好適で
ある。
フィルムは、積層膜が設けられた状態においては二軸配
向されたものであるのが好ましい。二軸配向ポリエステ
ルフィルムとは、一般に、未延伸状態のポリエステルシ
ートまたはフィルムを長手方向および幅方向に各々2.
5〜5倍程度延伸され、その後、熱処理が施されて、結
晶配向が完了されたものであり、広角X線回折で二軸配
向のパターンを示すものをいう。
れるものではなく、用途に応じて適宜選択されるが、機
械的強度、ハンドリング性などの点から、通常1〜50
0μm、好ましくは5〜300μmである。また、得ら
れたフィルムを各種の方法で貼り合わせて用いることも
できる。
おいては、基材フィルムとして透明タイプのポリエステ
ルフィルムの他に、白色ポリエステルフィルムも好適に
用いられる。この白色ポリエステルフィルムは、白色に
着色されたポリエステルフィルムであれば特に限定され
るものではなく、好ましくは白色度が85〜150%、
より好ましくは90〜130%であり、光学濃度が好ま
しくは0.5〜5、より好ましくは1.2〜3の場合で
ある。例えば、白色度が小さい基材フィルムを使用した
場合、反対面の模様や着色が透過し表面の印刷層の美観
が損なわれ易く、一方、光学濃度が小さい場合、十分な
光線反射が得られず、肉眼で見た場合白さが減少する、
反対面の影響を受けるなど好ましくない。
は、特に限定されないが、通常は無機粒子あるいはポリ
エステルと非相溶の樹脂の添加により得ることができ
る。添加する量は特に限定されないが、無機粒子の場
合、好ましくは5〜35重量%、より好ましくは8〜2
5重量%である。一方、非相溶性の樹脂を添加する場合
は、好ましくは5〜35体積%、より好ましくは8〜2
5体積%である。
しくは平均粒径0.1〜4μm、より好ましくは0.3
〜1.5μmの無機粒子などをその代表的なものとして
用いることができる。具体的には、硫酸バリウム、炭酸
カルシウム、硫酸カルシウム、酸化チタン、シリカ、ア
ルミナ、タルク、クレーなどあるいはこれらの混合物を
使用でき、これらの無機粒子は他の無機化合物、例え
ば、リン酸カルシウム、酸化チタン、雲母、ジルコニ
ア、酸化タングステン、フッ化リチウム、フッ化カルシ
ウムなどと併用されてもよい。また、上述した無機粒子
の中でもモース硬度が5以下、好ましくは4以下のもの
を使用する場合、白色度が更に増すためより好ましい。
は、特に限定されないが、例えば、ポリエチレンテレフ
タレートやポリエチレン−2,6−ナフタレートと混合
する場合についていえば、アクリル樹脂、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、変性オレフィン樹脂、ポリブチレ
ンテレフタレート系樹脂、フェノキシ樹脂、ポリフェニ
レンオキシドなどを用いることができ、当然、上述した
無機粒子と併用してもよい。例えば、特に、無機粒子や
ポリエステルと非相溶の樹脂を混合して2軸延伸し、内
部に空洞を有する、比重が0.5〜1.3の白色ポリエ
ステルフィルムは印刷特性が良好になるので好ましい。
ルム中にドデシルベンゼンスルホン酸リチウム塩を0.
02〜2重量%含有している必要がある。0.02重量
%未満では、ガラス転移温度が、−20℃以上、60℃
未満であるポリエステル樹脂を含む積層膜を設けた場
合、表面に析出するオリゴマー析出抑制効果が十分に得
られず、一方、2重量%を越えると、積層膜上に設けら
れる各種のインキ層との接着性において、各種環境下に
おいたとき、インキ接着不良が発生する。
シルベンゼンスルホン酸リチウム塩の含有量は、オリゴ
マー析出抑制性とインキ接着性のバランスの点で、0.
05〜1重量%が好ましく、より好ましくは0.1〜
0.5重量%である。
後、「Tg」と略称する)が、−20℃以上、60℃未
満であるポリエステル樹脂を含む積層膜が設けられてな
る必要がある。該Tgを満足するものであれば、ポリエ
ステル樹脂の組成などは特に限定されるものではない。
なお、本発明者らの知見によれば、インキ接着性の点
で、該ポリエステル樹脂のTgは、−10℃以上、45
℃未満が好ましく、より好ましくは、0℃以上、30℃
未満である。Tgが−20℃未満では、本発明の積層ポ
リエステルフィルムを重ね合わせた場合、固着するな
ど、いわゆるブロッキング現象が発生しやすい。
エステル樹脂は、主鎖あるいは側鎖にエステル結合を有
するものであり、このようなポリエステル樹脂は、ジカ
ルボン酸とジオールから重縮合して得ることができるも
のである。
分としては、芳香族、脂肪族、脂環族のジカルボン酸や
3価以上の多価カルボン酸が使用できる。芳香族ジカル
ボン酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸、オルソ
フタル酸、フタル酸、2,5−ジメチルテレフタル酸、
1,4−ナフタレンジカルボン酸、ビフェニルジカルボ
ン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、1,2−ビス
フェノキシエタン−p,p’−ジカルボン酸、フェニル
インダンジカルボン酸などを用いることができる。これ
らの芳香族ジカルボン酸は、積層膜の強度や耐熱性の点
で、好ましくは全ジカルボン酸成分の30モル%以上、
より好ましくは35モル%以上、最も好ましくは40モ
ル%以上のものを用いるのがよい。脂肪族及び脂環族の
ジカルボン酸としては、コハク酸、アジピン酸、セバシ
ン酸、ドデカンジオン酸、ダイマー酸、1,3−シクロ
ペンタンジカルボン酸、1,2−シクロヘキサンジカル
ボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸など、お
よびそれらのエステル形成性誘導体を用いることができ
る。
塗液として用いる場合、ポリエステル樹脂の接着性を向
上させるため、あるいはポリエステル樹脂の水溶性化を
容易にするため、スルホン酸塩基を含む化合物や、カル
ボン酸塩基を含む化合物を共重合することが好ましい。
特に、スルホン酸塩基を含む化合物を用いた場合、基材
ポリエステルフィルム中に含有するドデシルベンゼンス
ルホン酸リチウム塩との親和性に優れるため、オリゴマ
ー析出抑制効果が高まるので好ましい。
重合量は、通常、0.4〜30モル%が好ましく、より
好ましくは1〜15モル%である。
えば、スルホテレフタル酸、5−スルホイソフタル酸、
4−スルホイソフタル酸、4−スルホナフタレン−2,
7−ジカルボン酸、スルホ−p−キシリレングリコー
ル、2−スルホ−1,4−ビス(ヒドロキシエトキシ)
ベンゼンなど、あるいはこれらのアルカリ金属塩、アル
カリ土類金属塩、アンモニウム塩を用いることができる
が、これに限定されるものではない。
は、例えば、トリメリット酸、無水トリメリット酸、ピ
ロメリット酸、無水ピロメリット酸、4−メチルシクロ
ヘキセン−1,2,3−トリカルボン酸、トリメシン
酸、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸、1,
2,3,4−ペンタンテトラカルボン酸、3,3’,
4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸、5−
(2,5−ジオキソテトラヒドロフルフリル)−3−メ
チル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸、5
−(2,5−ジオキソテトラヒドロフルフリル)−3−
シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸、シクロペンタ
ンテトラカルボン酸、2,3,6,7−ナフタレンテト
ラカルボン酸、1,2,5,6−ナフタレンテトラカル
ボン酸、エチレングリコールビストリメリテート、2,
2’,3,3’−ジフェニルテトラカルボン酸、チオフ
ェン−2,3,4,5−テトラカルボン酸、エチレンテ
トラカルボン酸等あるいはこれらのアルカリ金属塩、ア
ルカリ土類金属塩、アンモニウム塩を用いることができ
るが、これに限定されるものではない。
は、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリ
エチレングリコール、プロピレングリコール、ポリプロ
ピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,3
−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−
ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7
−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,
9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、2,
4−ジメチル−2−エチルヘキサン−1,3−ジオー
ル、ネオペンチルグリコール、2−エチル−2−ブチル
−1,3−プロパンジオール、2−エチル−2−イソブ
チル−1,3−プロパンジオール、3−メチル−1,5
−ペンタンジオール、2,2,4−トリメチル−1,6
−ヘキサンジオール、1,2−シクロヘキサンジメタノ
ール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,4−
シクロヘキサンジメタノール、2,2,4,4−テトラ
メチル−1,3−シクロブタンジオール、4,4’−チ
オジフェノール、ビスフェノールA、4,4’−メチレ
ンジフェノール、4,4’−(2−ノルボルニリデン)
ジフェノール、4,4’−ジヒドロキシビフェノール、
o−,m−,及びp−ジヒドロキシベンゼン、4,4’
−イソプロピリデンフェノール、4,4’−イソプロピ
リデンビンジオール、シクロペンタン−1,2−ジオー
ル、シクロヘキサン−1,2−ジオール、シクロヘキサ
ン−1,4−ジオール、ビスフェノールAなどを用いる
ことができる。
テルは、酸成分としてテレフタル酸、イソフタル酸、セ
バシン酸、アジピン酸、トリメリット酸、ピロメリット
酸、ジオール成分としてエチレングリコール、ジエチレ
ングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチル
グリコール、ポリエチレングリコールから選ばれる共重
合体などである。
ては、変性ポリエステル共重合体、例えば、アクリル、
ウレタン、エポキシなどで変性したブロック共重合体、
グラフト共重合体などを用いることも可能である。
テル樹脂は、以下の製造法によって製造することができ
る。例えば、ジカルボン酸成分としてテレフタル酸、イ
ソフタル酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、ジオ
ール成分としてエチレングリコール、ネオペンチルグリ
コールからなるポリエステル樹脂について説明すると、
テレフタル酸、イソフタル酸、5−ナトリウムスルホイ
ソフタル酸とエチレングリコール、ネオペンチルグリコ
ールとを直接エステル化反応させるか、テレフタル酸、
イソフタル酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸及び
エチレングリコール、ネオペンチルグリコールとをエス
テル交換反応させる第一段階と、この第一段階の反応生
成物を重縮合反応させる第二段階とによって製造する方
法等により製造することができる。
金属、アルカリ土類金属、マンガン、コバルト、亜鉛、
アンチモン、ゲルマニウム、チタン化合物などが用いら
れる。
した、Tgが、−20℃以上、60℃未満のポリエステ
ル樹脂をポリエステル樹脂(A)としたとき、併用して
用いられる、Tgが、60℃以上、110℃以下のポリ
エステル樹脂をポリエステル樹脂(B)とする。この場
合、ポリエステル樹脂(B)のTgが、上記した値を満
足していれば、該ポリエステル樹脂(B)のジカルボン
酸成分やジオール成分は、ポリエステル樹脂(A)と同
じものを用いることができる。
接着性と耐ブロッキング性のバランスの点で、該ポリエ
ステル樹脂(B)のTgは、60℃以上、110℃以下
が好ましく、より好ましくは70℃以上、100℃以下
である。
テルは、酸成分としてテレフタル酸、イソフタル酸、
2,6−ナフタレンジカルボン酸、フェニルインダンジ
カルボン酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、5−
(2,5−ジオキソテトラヒドロフルフリル)−3−メ
チル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸、ジ
オール成分としてエチレングリコール、ジエチレングリ
コール、ネオペンチルグリコール、ビスフェノールAか
ら選ばれる共重合体などである。
ポリエステル樹脂(A)とポリエステル樹脂(B)に、
インキ接着性の点で、架橋剤を添加して用いてもよい。
のではないが、ポリエステル樹脂に存在する官能基、例
えば、ヒドロキシル基、カルボキシル基などと架橋反応
し得るものであり、代表例としてはメチロール化あるい
はアルキロール化した尿素系、メラミン系、アクリルア
ミド系、ポリアミド系樹脂、エポキシ化合物、イソシア
ネート化合物、オキサゾリン系化合物、アジリジン化合
物、各種シランカップリング剤、各種チタネート系カッ
プリング剤などを用いることができる。中でも、メラミ
ン系架橋剤および/またはオキサゾリン系架橋剤の添加
により、特に、高温高湿下での接着性が向上する。
されないが、メラミン、メラミンとホルムアルデヒドを
縮合して得られるメチロール化メラミン誘導体、メチロ
ール化メラミンに低級アルコールを反応させて部分的あ
るいは完全にエーテル化した化合物、およびこれらの混
合物などを用いることができる。また、メラミン系架橋
剤としては単量体、2量体以上の多量体からなる縮合
物、あるいはこれらの混合物などを用いることができ
る。エーテル化に使用する低級アルコールとしては、メ
チルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアル
コール、n−ブタノール、イソブタノールなどを用いる
ことができる。官能基としては、イミノ基、メチロール
基、あるいはメトキシメチル基やブトキシメチル基等の
アルコキシメチル基を1分子中に有するもので、イミノ
基型メチル化メラミン樹脂、メチロール基型メラミン樹
脂、メチロール基型メチル化メラミン樹脂、完全アルキ
ル型メチル化メラミン樹脂などである。その中でもメチ
ロール化メラミン樹脂が最も好ましい。更に、メラミン
系架橋剤の熱硬化を促進するため、例えば、p−トルエ
ンスルホン酸などの酸性触媒を用いてもよい。
は、特開平2−60941号公報、特開平2−9953
7号公報、特開平2−115238号公報、特公昭63
−48884号公報などに記載の共重合体あるいはその
誘導体を用いることができる。具体的には、付加重合性
オキサゾリンモノマーと、少なくとも1種の他のモノマ
ーを共重合させて得られる共重合体を用いることができ
る。
は、2−ビニル−2−オキサゾリン、2−ビニル−4−
メチル−2−オキサゾリン、2−ビニル−5−メチル−
2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−2−オキサゾ
リン、2−イソプロペニル−4−メチル−2−オキサゾ
リン、2−イソプロペニル−5−エチル−2−オキサゾ
リンなどを用いることができ、これらの1種または2種
以上の混合物を使用することもできる。中でも、2−イ
ソプロペニル−2−オキサゾリンが工業的にも入手しや
すく好適である。
性オキサゾリンに対して用いられる少なくとも1種の他
のモノマーとしては、付加重合性オキサゾリンと共重合
可能なモノマーであれば特に限定されないが、例えば、
アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エ
チル、メタクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、メタク
リル酸ブチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、メタ
クリル酸−2−エチルヘキシルなどのアクリル酸エステ
ルあるいはメタクリル酸エステル類、アクリル酸、メタ
クリル酸、イタコン酸、マレイン酸などの不飽和カルボ
ン酸類、アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどの
不飽和ニトリル類、アクリルアミド、メタクリルアミ
ド、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメ
タクリルアミドなどの不飽和アミド類、酢酸ビニル、プ
ロピオン酸ビニルなどのビニルエステル類、メチルビニ
ルエーテル、エチルビニルエーテルなどのビニルエーテ
ル類、エチレン、プロピレンなどのオレフィン類、塩化
ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニルなどの含ハロゲ
ン−α,β−不飽和モノマー類、スチレン、α−メチル
スチレンなどのα,β−不飽和芳香族モノマー類などを
用いることができ、これらは1種または2種以上の混合
物を使用することもできる。
1種の他のモノマーを用いてオキサゾリン系架橋剤を得
るには、乳化重合法、溶液重合法などによって重合すれ
ばよい。
脂(B)を併用して用いる場合、任意の比率で混合して
用いることができるが、本発明の効果をより顕著に発現
させるには、以下の比率で混合するとよい。ポリエステ
ル樹脂(A)/ポリエステル樹脂(B)が、固形分重量
比で、15/85〜90/10であることがインキ接着
性の点で好ましく、より好ましくは30/70〜70/
30である。
らず、高温高湿下での接着性の点で好ましく、ポリエス
テル樹脂(A)100重量部に対し、0.5〜20重量
部が好ましく、より好ましくは1〜15重量部、最も好
ましくは2〜10重量部である。なお、ポリエステル樹
脂(A)とポリエステル樹脂(B)を併用した場合で
も、その合計を100重量部として同様に考えることが
できる。
記したポリエステル樹脂が1種であれ、2種以上であ
れ、積層膜中に70重量%以上を占めることをいう。特
に、本発明においては、その比率は、好ましくは80重
量%以上、より好ましくは90重量%以上である。
れない範囲内で、他の樹脂、例えば、本発明に用いられ
る上述したポリエステル樹脂以外のポリエステル樹脂、
アクリル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、シリコー
ン樹脂、尿素樹脂、フェノール樹脂などが配合されてい
てもよい。
れない範囲内で各種の添加剤、例えば酸化防止剤、耐熱
安定剤、耐候安定剤、紫外線吸収剤、有機の易滑剤、顔
料、染料、有機または無機の微粒子、充填剤、帯電防止
剤、核剤などが配合されていてもよい。
は、易滑性や耐ブロッキング性が向上するので更に好ま
しい。
リカ、コロイダルシリカ、アルミナ、アルミナゾル、カ
オリン、タルク、マイカ、炭酸カルシウムなどを用いる
ことができる。用いられる無機粒子は、平均粒径0.0
1〜5μmが好ましく、より好ましくは0.05〜3μ
m、最も好ましくは0.08〜2μmであり、積層膜中
の樹脂に対する混合比は特に限定されないが、固形分重
量比で0.05〜8重量部が好ましく、より好ましくは
0.1〜3重量部である。
するに際して、積層膜を設けるのに好ましい方法として
は、ポリエステルフィルムの製造工程中に塗布し、基材
フィルムと共に延伸する方法が最も好適である。例え
ば、溶融押し出しされた結晶配向前のポリエステルフィ
ルムを長手方向に2.5〜5倍程度延伸し、一軸延伸さ
れたフィルムに連続的に塗液を塗布する。塗布されたフ
ィルムは段階的に加熱されたゾーンを通過しつつ乾燥さ
れ、幅方向に2.5〜5倍程度延伸される。更に、連続
的に150〜250℃の加熱ゾーンに導かれ結晶配向を
完了させる方法(インラインコート法)によって得るこ
とができる。この場合に用いる塗布液は環境汚染や防爆
性の点で水系のものが好ましい。
基材フィルムの表面(上記例の場合、一軸延伸フィル
ム)にコロナ放電処理などを施し、該表面の濡れ張力
を、好ましくは47mN/m以上、より好ましくは50
mN/m以上とするのが、積層膜の基材フィルムとの接
着性を向上させることができるので好ましく用いること
ができる。
は0.01〜5μmの範囲が好ましく、より好ましくは
0.02〜2μm、最も好ましくは0.05μm〜0.
5μmである。積層膜の厚みが薄すぎると接着性不良と
なる場合がある。
布方法、例えば、リバースコート法、グラビアコート
法、ロッドコート法、バーコート法、ダイコート法、ス
プレーコート法などを用いることができる。
の製造方法について、ポリエチレンテレフタレート、
(以下、「PET」と略称する)を基材フィルムとした
例について説明するが、これに限定されるものではな
い。
後のインキ接着性とオリゴマー析出抑制性に優れ、か
つ、リサイクル性にも優れた積層ポリエステルフィルム
は、ドデシルベンゼンスルホン酸リチウム塩を含有する
ポリエステルフィルムの少なくとも片面に、特定のガラ
ス転移温度を有するポリエステル樹脂を構成成分とする
積層膜を設けることによって製造することができる。
〜0.8dl/gのPETペレットを真空乾燥した後、
押し出し機に供給し、260〜300℃で溶融し、T字
型口金よりシート状に押し出し、静電印加キャスト法を
用いて表面温度10〜60℃の鏡面キャスティングドラ
ムに巻き付けて、冷却固化せしめて未延伸PETフィル
ムを作成した。この未延伸フィルムを70〜120℃に
加熱されたロール間で縦方向(フィルムの進行方向)に
2.5〜5倍延伸する。このフィルムの少なくとも片面
にコロナ放電処理を施し、該表面の濡れ張力を47mN
/m以上とし、その処理面に本発明の積層膜形成塗液を
塗布した。この塗布されたフィルムをクリップで把持し
て70〜150℃に加熱された熱風ゾーンに導き、乾燥
した後、幅方向に2.5〜5倍延伸し、引き続き160
〜250℃の熱処理ゾーンに導き、1〜30秒間の熱処
理を行い、結晶配向を完了させた。この熱処理工程中で
必要に応じて幅方向あるいは長手方向に3〜12%の弛
緩処理を施してもよい。二軸延伸は、縦、横逐次延伸あ
るいは同時二軸延伸のいずれでもよく、また縦、横延伸
後、縦、横いずれかの方向、あるいは両方向に再延伸し
てもよい。また、ポリエステルフィルムの厚みは特に限
定されるものではないが、1〜500μmが好ましく用
いられる。この場合に用いられる塗液は環境汚染や防爆
性の点で水系が好ましい。
エステルフィルムの再生ペレットを含むポリエステルペ
レットを用いて、基材フィルムとしてもよい。該再生ペ
レットは、5ppm以上、20重量%未満であるのが、
フィルム物性を低下させないので好ましい。
フィルムは、各種環境下での経時保存後のインキ接着性
とオリゴマー析出抑制性に優れ、かつ、リサイクル性に
も優れるものであり、磁気材料用、テープ用、電気絶縁
材料用、絶縁テープ用、光学用、グラフィック用、カー
ド用、リボン用、蒸着用、包装用、コンデンサー用など
各種基材フィルムとして広く利用できるものである。
る特性の測定方法、および効果の評価方法は次の通りで
ある。 (1)積層膜の厚み 日立製作所(株)製透過型電子顕微鏡HU−12型を用
い、積層膜を設けた積層ポリエステルフィルムの断面を
観察した写真から求めた。厚みは測定視野内の30個の
平均値とした。 (2)接着性−1 紫外線硬化型インキ(FLASH DRY(FDS墨T
J)(東洋インキ製造(株)製))を用い、ロールコー
ト法で積層膜上に約1.5μm厚みに塗布した。その
後、照射強度80W/cmの紫外線ランプを用い、照射
距離(ランプとインキ面の距離)9cmで5秒間照射
し、紫外線硬化型インキを硬化させた。接着性評価は以
下の方法で行った。
個入れ、ニチバン(株)製セロハンテープをその上に貼
り付け、ゴムローラーを用いて、荷重19.6Nで3往
復させ、押し付けた後、90度方向に剥離し、インキ硬
化膜の残存した個数により4段階評価(◎:100、
○:80〜99、△:50〜79、×:0〜49)し
た。(◎)、(○)を接着性良好とした。 (3)接着性−2 酸化重合型インキ(TAP#9501白:十條化工
(株)製)を用い、積層膜上に、スクリーン印刷して
後、常温で24時間放置し、乾燥、硬化させ、約5μm
厚みのインキ層を設け、上記(2)項と同様にして、接
着性評価を行った。 (4)耐湿熱性 上記(2)と同様にして積層膜上に紫外線硬化型インキ
の硬化膜を設けた後、30分間、レトルト処理を行っ
た。取り出した後、直ちに付着水分をふき取り、3分
後、上記(2)と同様の評価を行った。
ブ(形式:SH60−4、製造元:(株)佐藤鉄工所、
製造番号:No.9700118)を処理容器とし、熱
源には0.12MPaの水蒸気を用いた。このとき、容
器内の実測値は、温度が120℃、圧力が0.98MP
aであった。 (5)オリゴマー析出抑制性 積層ポリエステルフィルムを、100℃で、120時間
加熱した後、走査型電子顕微鏡(日立走査電子顕微鏡S
−2100A形、((株))日立製作所)を用いて、表
面観察を行い、オリゴマーの発生度を下記の基準で評価
した。
200gを、直径50mmのへそ付き重合試験管に仕込
み、280℃(温度制御:±5℃)のオイルバスに投入
し、攪拌(約30rpm)、融解した。280℃に昇温
した後、更に、30分間、攪拌した。そのときの溶融状
態の着色の度合いを、PET単独品と比較、評価した。
比較品と同レベルであるものがリサイクル性良好とし
た。
吐出し、直径約5mmのガット状に成形し、その表面状
態を観察し、評価した。
量計)RDC220にセイコー電子工業(株)製SSC
5200ディスクステーションを接続して測定した。D
SCの測定条件は次の通りである。即ち、試料10mg
をアルミニウムパンに調整後、DSC装置にセツトし
(リファレンス:試料を入れていない同タイプのアルミ
ニウムパン)、300℃の温度で5分間加熱した後、液
体窒素中を用いて急冷処理をする。この試料を10℃/
分で昇温し、そのDSCチャートからガラス転移点(T
g)を検知する。 (8)耐ブロッキング性 積層ポリエステルフィルムを縦8cm×横3cmに切り
出す。縦4cm×横3cmの部分で、該積層ポリエステ
ルフィルムの積層膜面同士を重ね合わせ、1kgのおも
りを重ね合わせた部分にかかるようにセットする。この
状態で、60℃、相対湿度80%の雰囲気下で24時間
放置した後、ブロッキングの状態を観察し、以下の基準
で評価した。
のないもの △:ブロッキングしているが、剥離はできるもの ×:完全にブロッキングし、剥離できないもの
が、必ずしもこれに限定されるものではない。 実施例1 平均粒径0.4μmのコロイダルシリカを0.015重
量%、平均粒径1.5μmのコロイダルシリカを0.0
05重量%、ドデシルベンゼンスルホン酸リチウム塩を
0.4重量%含有するPETペレット(極限粘度0.6
3dl/g)を充分に真空乾燥した後、押し出し機に供
給し285℃で溶融し、T字型口金よりシート状に押し
出し、静電印加キャスト法を用いて表面温度25℃の鏡
面キャスティングドラムに巻き付けて冷却固化せしめ
た。この未延伸フィルムを92℃に加熱して長手方向に
3.5倍延伸し、一軸延伸フィルムとした。このフィル
ムに空気中でコロナ放電処理を施し、基材フィルムの濡
れ張力を52mN/mとし、その処理面に下記の積層膜
形成塗液を塗布した。塗布された一軸延伸フィルムをク
リップで把持しながら予熱ゾーンに導き、110℃で乾
燥後、引き続き連続的に110℃の加熱ゾーンで幅方向
に3.5倍延伸し、更に、235℃の加熱ゾーンで熱処
理を施し、結晶配向の完了した積層PETフィルムを得
た。このとき、基材PETフィルム厚みが50μm、積
層膜の厚みが0.1μmであった。結果を表1に示す。
(Tg:20℃)のアンモニア水中和した水性塗液。 ・メラミン系架橋剤:メチロール化メラミンを、イソプ
ロピルアルコールと水との混合溶媒(10/90(重量
比))に希釈した塗液。
量部に対し、メラミン系架橋剤を5重量部添加したもの
を積層膜形成塗液とした。 実施例2 実施例1の積層膜形成塗液で、下記の積層膜形成塗液と
した以外は、実施例1と同様にして積層PETフィルム
を得た。結果を表1に示す。
た ・ポリエステル樹脂−2: ・酸成分 テレフタル酸 88モル% 5−ナトリウムスルホイソフタル酸 12モル% ・ジオール成分 エチレングリコール 100モル% 上記酸成分とジオール成分からなるポリエステル樹脂
(Tg:82℃)の水溶性塗液。
テル樹脂−2を、固形分重量比で95/5となるように
混合したものを積層膜形成塗液とした。 実施例3 実施例1のPETペレットで、ドデシルベンゼンスルホ
ン酸リチウム塩の含有量を0.2重量%とし、更に、実
施例1の積層膜形成塗液を、下記の積層膜形成塗液とし
た以外は、実施例1と同様にして積層PETフィルムを
得た。結果を表1に示す。
(Tg:4℃)の水分散体。 ・ポリエステル樹脂−2: 実施例2と同じものを用い
た上記したポリエステル樹脂−3とポリエステル樹脂−
2を、固形分重量比で60/40となるように混合した
ものを積層膜形成塗液とした。 実施例4 実施例3の積層膜形成塗液を、下記の積層膜形成塗液と
した以外は、実施例3と同様にして積層PETフィルム
を得た。結果を表1に示す。
た ・ポリエステル樹脂−2: 実施例3と同じものを用い
た ・メラミン系架橋剤:メチロール化メラミンを、イソプ
ロピルアルコールと水との混合溶媒(10/90(重量
比))に希釈した塗液。
テル樹脂−2を、固形分重量比で50/50となるよう
に混合したもの100重量部に対し、メラミン系架橋剤
5重量部添加したものを積層膜形成塗液とした。 実施例5 実施例4のPETペレットで、ドデシルベンゼンスルホ
ン酸リチウム塩の含有量を0.03重量%とした以外
は、実施例4と同様にして積層PETフィルムを得た。
結果を表1に示す。 実施例6 実施例4のPETペレットで、ドデシルベンゼンスルホ
ン酸リチウム塩の含有量を1.6重量%とした以外は、
実施例4と同様にして積層PETフィルムを得た。結果
を表1に示す。 実施例7 実施例4の積層膜形成塗液を、下記の積層膜形成塗液と
した以外は、実施例4と同様にして積層PETフィルム
を得た。結果を表1に示す。
(Tg:46℃)の水分散体。 ・ポリエステル樹脂−2: 実施例4と同じものを用い
た ・メラミン系架橋剤:メチロール化メラミンを、イソプ
ロピルアルコールと水との混合溶媒(10/90(重量
比))に希釈した塗液。
テル樹脂−2を、固形分重量比で80/20となるよう
に混合したもの100重量部に対し、メラミン系架橋剤
3重量部添加したものを積層膜形成塗液とした。 実施例8 実施例4の積層膜形成塗液を、下記の積層膜形成塗液と
した以外は、実施例4と同様にして積層PETフィルム
を得た。結果を表1に示す。
(Tg:−16℃)の水分散体。 ・ポリエステル樹脂−6: ・酸成分 ナフタレンジカルボン酸 75モル% イソフタル酸 24モル% 5−ナトリウムスルホイソフタル酸 1モル% ・ジオール成分 エチレングリコール 55モル% ネオペンチルグリコール 44モル% ポリエチレングリコール (分子量:1540) 1モル% 上記酸成分とジオール成分からなるポリエステル樹脂
(Tg:97℃)の水分散体。 ・メラミン系架橋剤:メチロール化メラミンを、イソプ
ロピルアルコールと水との混合溶媒(10/90(重量
比))に希釈した塗液。
テル樹脂−6を、固形分重量比で50/50となるよう
に混合したもの100重量部に対し、メラミン系架橋剤
3重量部添加したものを積層膜形成塗液とした。 実施例9 実施例4において、ポリエステルフィルムをポリエチレ
ンテレフタレートフィルムからポリエチレン−2,6−
ナフタレート(以下、PENと略称する)フィルムに変
えた以外は実施例4と同様にして積層PENフィルムを
得た。結果を表1に示す。 実施例10 平均粒径0.2μmの二酸化チタンを14重量%、平均
粒径1μmのシリカを0.5重量%、ドデシルベンゼン
スルホン酸リチウム塩を0.2重量%含有するPETペ
レット(極限粘度0.63dl/g)を充分に真空乾燥
した後、押し出し機に供給し285℃で溶融し、T字型
口金よりシート状に押し出し、静電印加キャスト法を用
いて表面温度25℃の鏡面キャスティングドラムに巻き
付けて冷却固化せしめた。この未延伸フィルムを95℃
に加熱して長手方向に3.2倍延伸し、一軸延伸フィル
ムとした。このフィルムに空気中でコロナ放電処理を施
し、基材フィルムの濡れ張力を52mN/mとし、その
処理面に実施例4と同様の積層膜形成塗液を塗布した。
塗布された一軸延伸フィルムをクリップで把持しながら
予熱ゾーンに導き、110℃で乾燥後、引き続き連続的
に125℃の加熱ゾーンで幅方向に3.2倍延伸し、更
に230℃の加熱ゾーンで熱処理を施し、結晶配向の完
了した積層膜を設けた白色積層PETフィルムを得た。
このとき、基材白色PETフィルムの厚みが50μm、
光学濃度が1.5、白色度が85%、積層膜の厚みが
0.15μmであった。結果を表1に示す。 実施例11 酸化チタンを16重量%微分散したPETペレット(極
限粘度0.62dl/g)を充分に真空乾燥した後、2
85℃に加熱された押し出し機Aに供給する。また、酸
化チタンを7重量%微分散し、ドデシルベンゼンスルホ
ン酸リチウム塩を0.2重量%含有したPETペレット
(極限粘度0.63dl/g)を充分に真空乾燥した
後、285℃に加熱された押し出し機Bに供給する。押
し出し機A、Bより押し出されたポリマをB/A/Bの
3層構成となるように共押し出しにより積層し、T字型
口金よりシート状に押し出し、静電印加キャスト法を用
いて表面温度25℃の鏡面キャスティングドラムに巻き
付けて冷却固化せしめた。
手方向に3.4倍延伸し、一軸延伸フィルムとした。こ
のフィルムに空気中で両面にコロナ放電処理を施し、基
材フィルムの濡れ張力を52mN/mとし、その処理面
に実施例4と同じ積層膜形成塗液をマイヤーバーコート
法で塗布した。塗布された一軸延伸フィルムをクリップ
で把持しながら予熱ゾーンに導き、105℃で乾燥後、
引き続き連続的に110℃の加熱ゾーンで幅方向に3.
4倍延伸し、更に225℃の加熱ゾーンで熱処理を施
し、結晶配向の完了した磁気記録カード用PETフィル
ムを得た。このとき、該フィルム厚みが188μm(厚
み比は、B/A/B=10/80/10)、積層膜の厚
みが0.15μmであった。結果を表1に示す。 実施例12 基材フィルムとして、実施例2で得られた積層PETフ
ィルムを粉砕しペレット化したものを、ポリエチレンテ
レフタレートに20重量%添加し、溶融押し出しした以
外は、実施例2と同様にして積層PETフィルムを得
た。結果を表1に示す。
ン酸リチウム塩を含有していないものを用いた以外は、
実施例4と同様にして積層PETフィルムを得た。結果
を表2に示す。 比較例2 実施例4のPETペレットで、ドデシルベンゼンスルホ
ン酸リチウム塩を0.01重量%含有したものを用いた
以外は、実施例4と同様にして積層PETフィルムを得
た。結果を表2に示す。 比較例3 実施例4のPETペレットで、ドデシルベンゼンスルホ
ン酸リチウム塩を2.5重量%含有したものを用いた以
外は、実施例4と同様にして積層PETフィルムを得
た。結果を表2に示す。 比較例4 実施例4のPETペレットで、ドデシルベンゼンスルホ
ン酸リチウム塩を5重量%含有したものを用いた以外
は、実施例4と同様にして積層PETフィルムを得た。
結果を表2に示す。 比較例5 実施例4のPETペレットで、ドデシルベンゼンスルホ
ン酸ナトリウム塩を0.2重量%含有したものを用いた
以外は、実施例4と同様にして積層PETフィルムを得
た。結果を表2に示す。 比較例6 実施例1のPETペレットで、ドデシルベンゼンスルホ
ン酸リチウム塩を0.3重量%含有したものを用い、実
施例1の積層膜形成塗液を、下記の積層膜形成塗液とし
た以外は、実施例1と同様にして積層PETフィルムを
得た。結果を表2に示す。
ルジョン。 ・メラミン系架橋剤:メチロール化メラミンを、イソプ
ロピルアルコールと水との混合溶媒(10/90(重量
比))に希釈した塗液。
し、メラミン系架橋剤5重量部添加したものを積層膜形
成塗液とした。 比較例7 実施例1のPETペレットで、ドデシルベンゼンスルホ
ン酸リチウム塩を0.3重量%含有したものを用い、実
施例1の積層膜形成塗液を、下記の積層膜形成塗液とし
た以外は、実施例1と同様にして積層PETフィルムを
得た。結果を表2に示す。
た。 ・ポリエステル樹脂−2: ・酸成分 テレフタル酸 88モル% 5−ナトリウムスルホイソフタル酸 12モル% ・ジオール成分 エチレングリコール 100モル% 上記酸成分とジオール成分からなるポリエステル樹脂
(Tg:82℃)の水溶性塗液。 ・メラミン系架橋剤:メチロール化メラミンを、イソプ
ロピルアルコールと水との混合溶媒(10/90(重量
比))に希釈した塗液。
−2を、固形分重量比で90/10となるように混合し
たもの100重量部に対し、メラミン系架橋剤5重量部
添加したものを積層膜形成塗液とした。 比較例8 比較例7の積層膜形成塗液を、下記の積層膜形成塗液と
した以外は、比較例7と同様にして積層PETフィルム
を得た。結果を表2に示す。
(Tg:−25℃)の水分散体。 ・ポリエステル樹脂−2: ・酸成分 テレフタル酸 88モル% 5−ナトリウムスルホイソフタル酸 12モル% ・ジオール成分 エチレングリコール 100モル% 上記酸成分とジオール成分からなるポリエステル樹脂
(Tg:82℃)の水溶性塗液。 ・メラミン系架橋剤:メチロール化メラミンを、イソプ
ロピルアルコールと水との混合溶媒(10/90(重量
比))に希釈した塗液。
テル樹脂−2を、固形分重量比で40/60となるよう
に混合したもの100重量部に対し、メラミン系架橋剤
5重量部添加したものを積層膜形成塗液とした。 比較例9 比較例7の積層膜形成塗液を、下記の積層膜形成塗液と
した以外は、比較例7と同様にして積層PETフィルム
を得た。結果を表2に示す。
(Tg:82℃)の水溶性塗液。
ドデシルベンゼンスルホン酸リチウム塩を特定量含有す
るポリエステルフィルムの少なくとも片面に、特定のガ
ラス転移温度を有するポリエステル樹脂を主たる構成成
分とする積層膜を設けることにより、各種環境下での経
時保存後のインキ接着性とオリゴマー析出抑制性に優
れ、かつ、リサイクル性にも優れた効果を発現するもの
である。
Claims (5)
- 【請求項1】ドデシルベンゼンスルホン酸リチウム塩を
0.02〜2重量%含有するポリエステルフィルムの少
なくとも片面に、ガラス転移温度が、−20℃以上、6
0℃未満であるポリエステル樹脂を構成成分とする積層
膜が設けられてなることを特徴とする積層ポリエステル
フィルム。 - 【請求項2】積層膜において、ガラス転移温度が、−2
0℃以上、60℃未満のポリエステル樹脂(A)と、ガ
ラス転移温度が、60℃以上、110℃以下のポリエス
テル樹脂(B)の混合物を主たる構成成分としてなり、
かつ、ポリエステル樹脂(A)とポリエステル樹脂
(B)の固形分重量比が、15/85〜90/10であ
ることを特徴とする請求項1に記載の積層ポリエステル
フィルム。 - 【請求項3】ポリエステル樹脂(A)、あるいは、ポリ
エステル樹脂(B)の少なくとも一つが、スルホン酸塩
基を含有する化合物を、該ポリエステル樹脂の酸成分に
対し、0.4〜30モル%共重合されてなることを特徴
とする請求項1または2に記載の積層ポリエステルフィ
ルム。 - 【請求項4】ポリエステルフィルムが、ポリエチレンテ
レフタレートフィルムまたはポリエチレン−2,6−ナ
フタレートフィルムであることを特徴とする請求項1、
2または3に記載の積層ポリエステルフィルム。 - 【請求項5】積層膜を設けるに際し、結晶配向が完了す
る前のポリエステルフィルムの少なくとも片面に積層膜
形成塗液を塗布後、少なくとも一方向に延伸、熱処理を
施すことを特徴とする請求項1、2、3または4に記載
の積層ポリエステルフィルム。
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JP8417399A JP2000272070A (ja) | 1999-03-26 | 1999-03-26 | 積層ポリエステルフィルム |
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---|---|
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JP (1) | JP2000272070A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2002074538A1 (fr) | 2001-03-16 | 2002-09-26 | Toray Industries, Inc. | Film en polyester stratifie |
KR101733193B1 (ko) * | 2014-12-26 | 2017-05-08 | 에스케이씨 주식회사 | 다층 폴리에스테르 필름 및 이의 제조방법 |
JP2017210570A (ja) * | 2016-05-27 | 2017-11-30 | 三菱ケミカル株式会社 | 積層ポリエステルフィルム |
-
1999
- 1999-03-26 JP JP8417399A patent/JP2000272070A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2002074538A1 (fr) | 2001-03-16 | 2002-09-26 | Toray Industries, Inc. | Film en polyester stratifie |
US6828010B2 (en) * | 2001-03-16 | 2004-12-07 | Toray Industries, Inc. | Laminated polyester film |
KR101733193B1 (ko) * | 2014-12-26 | 2017-05-08 | 에스케이씨 주식회사 | 다층 폴리에스테르 필름 및 이의 제조방법 |
JP2017210570A (ja) * | 2016-05-27 | 2017-11-30 | 三菱ケミカル株式会社 | 積層ポリエステルフィルム |
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