JPH09290576A - 溶融型感熱転写材 - Google Patents

溶融型感熱転写材

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JPH09290576A
JPH09290576A JP8107417A JP10741796A JPH09290576A JP H09290576 A JPH09290576 A JP H09290576A JP 8107417 A JP8107417 A JP 8107417A JP 10741796 A JP10741796 A JP 10741796A JP H09290576 A JPH09290576 A JP H09290576A
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JP
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melt
layer
wax
film
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JP8107417A
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Hagumu Takada
育 高田
Hisashi Owatari
寿士 大渡
Takashi Mimura
尚 三村
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】二軸配向ポリエステルフィルムの一方の面
に易接着層を介して熱溶融インキ層が積層され、反対面
にはスティック防止層が設けられた溶融型感熱転写材に
おいて、該易接着層がワックス系組成物とポリエステル
樹脂を主たる構成成分としてなる溶融型感熱転写材。 【効果】本発明によって作成される溶融型感熱転写材
は、基材フィルムと溶融型インキ層との接着性に優れる
と同時に、印刷特性にも優れたものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は溶融型感熱転写材に
関し、詳しくは基材フィルムと熱溶融インキ層との接着
性に優れるとともに、印刷特性にも優れた溶融型感熱転
写材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】二軸配向ポリエステルフィルムは、機械
的性質、寸法安定性、耐熱性、電気的性質、透明性など
に優れた性質を有することから磁気記録材料、包装材
料、電気絶縁材料、各種写真材料、グラフィックアーツ
材料などの多くの用途の基材フィルムとして広く使用さ
れている。特に近年、OA、FA用の感熱転写材の基材
フィルムとして著しい伸びを示している。
【0003】感熱転写材は大別すると、バインダー中に
昇華性を有する染料を混入し、熱によって染料のみが昇
華し、被転写紙の受容層に吸収され階調性の画像を形成
する昇華型感熱転写方式に用いられるものと、ワックス
などのバインダー中に各種顔料を混入したインキ層が熱
によって溶融し、被転写紙に転写される溶融型感熱転写
方式に用いられるものとがある。上記のうち、溶融型感
熱転写方式は、転写材の熱によって溶融するインキ層
(以下、「溶融型インキ層」と呼ぶ)を、各種の方法で
サーマルヘッドから与える熱量に応じて被転写紙に転写
させるため、溶融型インキ層と基材フィルムとの間には
強固な接着性が要求される。例えば、接着性が不足する
場合には、サーマルヘッドにより加熱した部分の溶融型
インキ層のみならず、周りの部分の溶融型インキ層が必
要以上に被転写紙に移行する、いわゆる過転写という現
象が発生する。特に、カラープリンターなどにおいて
は、色の3原色を用いた多色印刷が用いられるため、上
記したような過転写が発生すると、色のにじみやボケが
起こり、鮮明な画像が得られない。従って、基材フィル
ムと溶融型インキ層との接着性はこれまで以上に重要視
される。
【0004】しかし、一般に、二軸配向ポリエステルフ
ィルムは表面が高度に結晶配向しているため接着性に乏
しく、直接、溶融型インキ層を塗布しても全く接着しな
い。このため溶融型インキ層との接着性を強固なものと
するために、従来からポリエステルフィルム表面に種々
の方法で易接着性を与えるための検討がなされてきた。
【0005】易接着化の方法としては、例えば、基材ポ
リエステルフィルム表面のコロナ放電処理、紫外線照射
処理、プラズマ処理などを行う表面活性化法、酸、アル
カリ、アミン水溶液などの薬剤による表面エッチング
法、フィルム表面にアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、
ウレタン樹脂、ポリオレフィン樹脂などの各種樹脂をプ
ライマ層として設ける方法(特開昭55−15825号
公報、特開昭58−78761号公報、特開昭60−2
48232号公報、特開昭61−255941号公報な
ど)などが知られている。特に、塗布によって上記プラ
イマー層を設け易接着性を付与する方法として、結晶配
向が完了する前のポリエステルフィルムに上記樹脂成分
を含有する塗剤を塗布し、乾燥後、延伸、熱処理を施し
て結晶配向を完了させる方法(インラインコート法)が
工程簡略化や製造コストの点で有力視され、当業界で行
われている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前述した従来
の技術には次のような問題点がある。
【0007】接着性を付与するため水溶性あるいは水分
散性のアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂
などを基材ポリエステルフィルム上に設けた場合には、
基材ポリエステルフィルムとの接着性は良好であるが、
溶融型インキ層との十分な接着性が得られないという欠
点があった。
【0008】また、ポリオレフィン樹脂を基材ポリエス
テルフィルム上に設けた場合には、溶融型インキ層とは
比較的良好な接着性を示す反面、基材ポリエステルフィ
ルムとの接着性に劣り、ポリオレフィン樹脂にポリエス
テル樹脂などを混合し、双方の効果を引き出そうとした
ものも、溶融型インキ層との接着性の点で満足するもの
は得られていない。
【0009】本発明はこれらの欠点を解消せしめ、基材
ポリエステルフィルムと易接着層との接着性のみなら
ず、溶融型インキ層との接着性にも優れ、更に印刷特性
にも優れた溶融型感熱転写材を提供せんとするものであ
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】上述の課題を達成する本
発明の溶融型感熱転写材は、二軸配向ポリエステルフィ
ルムの一方の面に易接着層を介して熱溶融インキ層が積
層され、反対面にはスティック防止層が設けられた溶融
型感熱転写材において、該易接着層がワックス系組成物
とポリエステル樹脂を主たる構成成分としてなることを
特徴とするものである。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明において、ポリエステルフ
ィルムを構成するポリエステルとは、エステル結合を主
鎖の主要な結合鎖とする高分子の総称であって、好まし
いポリエステルとしては、エチレンテレフタレート、エ
チレン−2,6−ナフタレート、ブチレンテレフタレー
ト、エチレン−α,β−ビス(2−クロロフェノキシ)
エタン−4,4’−ジカルボキシレート等から選ばれた
少なくとも1種の構成成分を主要構成成分とするものを
用いることができる。これら構成成分は1種のみ用いて
も、2種以上併用してもよいが、中でも品質、経済性な
どを総合的に判断するとエチレンテレフタレートを主要
構成成分とするポリエステルを用いることが好ましい。
また、感熱記録用シートなど基材に熱が作用する用途に
おいては、耐熱性や剛性に優れたポリエチレン−2,6
−ナフタレートが更に好ましい。
【0012】また、これらポリエステルには、更に他の
ジカルボン酸成分やジオール成分が一部、好ましくは2
0モル%以下共重合されていてもよい。
【0013】更に、このポリエステル中には、各種添加
剤、例えば酸化防止剤、耐熱安定剤、耐候安定剤、紫外
線吸収剤、有機の易滑剤、顔料、染料、有機または無機
の微粒子、充填剤、帯電防止剤、核剤などがその特性を
悪化させない程度に添加されていてもよい。
【0014】上述したポリエステルの極限粘度(25℃
のo-クロロフェノール中で測定)は、0.4〜1.2d
l/gが好ましく、より好ましくは0.5〜0.8dl
/gの範囲にあるものが本発明を実施する上で好適であ
る。
【0015】本発明において、二軸配向ポリエステルフ
ィルムとは、例えば、未延伸状態のポリエステルシート
またはフィルムを長手方向及び幅方向に各々2.5〜5
倍程度二軸延伸され、その後、熱処理が施されて、結晶
配向が完了されたものであり、広角X線回折で二軸配向
のパターンを示すものをいう。二軸延伸は、縦、横逐次
延伸あるいは二軸同時延伸いずれでもよい。また、縦、
横延伸後、更に縦、横いずれかの方向に再延伸してもよ
い。
【0016】ポリエステルフィルムの厚みは特に限定さ
れるものではないが、機械的強度、熱伝導性の点から、
通常は1〜30μm、好ましくは2〜15μmである。
【0017】また、ポリエステルフィルムは搬送性など
の点で、表面がある程度粗面化されたものが好ましく、
JIS−B−0601−1976に準じて測定(カット
オフ:0.25mm)した中心線平均粗さが、0.05
〜0.4μmである表面状態を有するものが好ましい。
【0018】本発明に係る易接着層の構成成分であるワ
ックス系組成物について説明する。ワックス系組成物に
ついては、府瀬川健蔵監修、「ワックスの性質と応
用」、((株)幸書房昭和58年発行)を参考にするこ
とができる。
【0019】本発明において、用いられるワックス系組
成物としては、常温で固体または半固体の有機物からな
る組成物であれば特に限定されないが、例えば、天然ワ
ックス、合成ワックス、あるいは配合ワックスなどであ
る。
【0020】天然ワックスは、植物系ワックス、動物系
ワックス、鉱物系ワックス、あるいは石油ワックスなど
に分類され、合成ワックスは、合成炭化水素、変性ワッ
クス、水素化ワックス、脂肪酸、酸アミド、エステル、
ケトンなどに分類される。また、配合ワックスは、上記
ワックスに合成樹脂類を配合したものである。
【0021】植物系ワックスとしては、キャンデリラワ
ックス、カルナバワックス、ライスワックス、木ロウ、
ホホバ油、パームワックス、オウリキュリーワックス、
サトウキビワックス、エスパルトワックス、バークワッ
クスなどを用いることができる。
【0022】動物系ワックスとしては、みつろう、ラノ
リン、鯨ロウ、イボタロウ、セラックワックス、coccus
cacti wax、水鳥ワックスなどを用いることができる。
【0023】鉱物系ワックスとしては、モンタンワック
ス、オゾケライト、セレシンなどを用いることができ
る。
【0024】石油ワックスとしては、パラフィンワック
ス、マイクロクリスタリンワックス、ペトロラクタムな
どを用いることができる。
【0025】本発明においては、上記ワックス系組成物
であれば特に限定されずに用いることができるが、接着
性の点で石油ワックスが好ましく、特に好ましくはパラ
フィンワックスである。
【0026】用いられるパラフィンワックスの分子量
は、インキ接着性の点で、好ましくは300以上、より
好ましくは500以上、最も好ましくは1000以上で
ある。すなわち、本発明者らの知見によれば、パラフィ
ンワックスの分子量は1000以上とすること、また、
その上限は100000程度までとするのが最も好まし
い。
【0027】本発明の溶融型感熱転写材の基材フィルム
となる易接着層を有する二軸配向ポリエステルフィルム
を製造するに際しては、結晶配向が完了する前のポリエ
ステルフィルムに易接着層形成塗液を塗布し、延伸、熱
処理により結晶配向を完了させる方法によることが、高
温での熱処理が可能であることや、より均一で薄膜の易
接着層が得ることができるので特に好ましい。上記方法
によって易接着層を形成する場合には、環境汚染や防爆
性の点で、ワックス系組成物は水に溶解、乳化、あるい
は懸濁させた水系のワックス系組成物とすることが好ま
しい。
【0028】ワックス系組成物を水に溶解あるいは乳
化、懸濁させ水系化する方法としては、可溶化(転相)
を用いる方法、機械力を用いる方法、酸化による乳化方
法などを用いることができる。
【0029】本発明に用いられるパラフィンワックスの
水系塗液は以下の方法によって製造することができる。
【0030】例えば、可溶化を用いる方法としては、パ
ラフィンワックス、ソルビタンモノステアレート、ポリ
オキシエチレンステアリルエーテルなどの界面活性剤、
水を用意し、これらを全量容器にいれ、加熱撹拌し、可
溶化を経て、パラフィンワックスエマルジョンを作るこ
とができる。
【0031】機械力を用いる方法としては、パラフィン
ワックス、ステアリン酸、トリエタノールアミンなどの
分散剤、水を用意し、これらを全量容器にいれ、加熱、
ホモミキサーで撹拌する。十分均一になった後、ホモジ
ナイザーでパラフィンワックス乳化液を作ることができ
る。
【0032】また、パラフィンワックスを酸化し、カル
ボキシル基や水酸基を付加し、これに界面活性剤を使用
しパラフィンワックス乳化液とすることができる。この
場合、パラフィンワックスに官能基としてカルボキシル
基や水酸基が導入されるため、易接着層の強度や接着性
が向上する。更に、架橋剤を併用したときには、該官能
基は架橋性官能基として働き、その効果は更に向上する
ので好ましい。
【0033】本発明に係る易接着層の構成成分であるポ
リエステル樹脂は、主鎖あるいは側鎖にエステル結合を
有するものである。このようなポリエステル樹脂は、ジ
カルボン酸とジオールから重縮合して得ることができる
ものである。
【0034】ポリエステル樹脂を構成するカルボン酸成
分としては、芳香族、脂肪族、脂環族のジカルボン酸や
3価以上の多価カルボン酸が使用できる。芳香族ジカル
ボン酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸、オルソ
フタル酸、フタル酸、2,5−ジメチルテレフタル酸、
1,4−ナフタレンジカルボン酸、ビフェニルジカルボ
ン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、1,2−ビス
フェノキシエタン−p,p’−ジカルボン酸、フェニル
インダンジカルボン酸などを用いることができる。これ
らの芳香族ジカルボン酸は、易接着層の強度や耐熱性の
点で、好ましくは全ジカルボン酸成分の30モル%以
上、より好ましくは35モル%以上、最も好ましくは4
0モル%以上のものを用いるのがよい。脂肪族及び脂環
族のジカルボン酸としては、コハク酸、アジピン酸、セ
バシン酸、ドデカンジオン酸、ダイマー酸、1,3−シ
クロペンタンジカルボン酸、1,2−シクロヘキサンジ
カルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸など
及びそれらのエステル形成性誘導体を用いることができ
る。
【0035】ポリエステル樹脂のグリコール成分として
は、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリ
エチレングリコール、プロピレングリコール、ポリプロ
ピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,3
−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−
ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7
−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,
9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、2,
4−ジメチル−2−エチルヘキサン−1,3−ジオー
ル、ネオペンチルグリコール、2−エチル−2−ブチル
−1,3−プロパンジオール、2−エチル−2−イソブ
チル−1,3−プロパンジオール、3−メチル−1,5
−ペンタンジオール、2,2,4−トリメチル−1,6
−ヘキサンジオール、1,2−シクロヘキサンジメタノ
ール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,4−
シクロヘキサンジメタノール、2,2,4,4−テトラ
メチル−1,3−シクロブタンジオール、4,4’−チ
オジフェノール、ビスフェノールA、4,4’−メチレ
ンジフェノール、4,4’−(2−ノルボルニリデン)
ジフェノール、4,4’−ジヒドロキシビフェノール、
o−,m−,及びp−ジヒドロキシベンゼン、4,4’
−イソプロピリデンフェノール、4,4’−イソプロピ
リデンビンジオール、シクロペンタン−1,2−ジオー
ル、シクロヘキサン−1,2−ジオール、シクロヘキサ
ン−1,4−ジオールなどを用いることができる。
【0036】また、ポリエステル樹脂を水系樹脂とした
塗液として用いる場合、ポリエステル樹脂の接着性を向
上させるため、あるいはポリエステル樹脂の水溶性化を
容易にするため、カルボン酸塩基を含む化合物や、スル
ホン酸塩基を含む化合物を共重合することが好ましい
が、疎水性のパラフィンワックスとの相溶性の点でカル
ボン酸塩基を含む化合物を共重合することが望ましい。
【0037】カルボン酸塩基を含む化合物としては、例
えばトリメリット酸、無水トリメリット酸、ピロメリッ
ト酸、無水ピロメリット酸、4−メチルシクロヘキセン
−1,2,3−トリカルボン酸、トリメシン酸、1,
2,3,4−ブタンテトラカルボン酸、1,2,3,4
−ペンタンテトラカルボン酸、3,3’,4,4’−ベ
ンゾフェノンテトラカルボン酸、5−(2,5−ジオキ
ソテトラヒドロフルフリル)−3−メチル−3−シクロ
ヘキセン−1,2−ジカルボン酸、5−(2,5−ジオ
キソテトラヒドロフルフリル)−3−シクロヘキセン−
1,2−ジカルボン酸、シクロペンタンテトラカルボン
酸、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸、
1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸、エチレ
ングリコールビストリメリテート、2,2’,3,3’
−ジフェニルテトラカルボン酸、チオフェン−2,3,
4,5−テトラカルボン酸、エチレンテトラカルボン酸
等あるいはこれらのアルカリ金属塩、アルカリ土類金属
塩、アンモニウム塩を用いることができるが、これに限
定されるものではない。
【0038】スルホン酸塩基を含む化合物としては、例
えばスルホテレフタル酸、5−スルホイソフタル酸、4
−スルホイソフタル酸、4−スルホナフタレン−2,7
−ジカルボン酸、スルホ−p−キシリレングリコール、
2−スルホ−1,4−ビス(ヒドロキシエトキシ)ベン
ゼン等あるいはこれらのアルカリ金属塩、アルカリ土類
金属塩、アンモニウム塩を用いることができるが、これ
に限定されるものではない。
【0039】また、ポリエステル樹脂としては、変性ポ
リエステル共重合体、例えばアクリル、ウレタン、エポ
キシ等で変性したブロック共重合体、グラフト共重合体
等を用いることも可能である。
【0040】好ましいポリエステル樹脂としては、酸成
分としてテレフタル酸、イソフタル酸、セバシン酸、ト
リメリット酸、ピロメリット酸、5−(2,5−ジオキ
ソテトラヒドロフルフリル)−3−メチル−3−シクロ
ヘキセン−1,2−ジカルボン酸、グリコール成分とし
てエチレングリコール、ジエチレングリコール、1,4
−ブタンジオール、ネオペンチルグリコールから選ばれ
る共重合体などである。
【0041】本発明に係る易接着層に用いられるポリエ
ステル樹脂は、以下の製造法によって製造することがで
きる。例えば、ジカルボン酸成分としてテレフタル酸、
イソフタル酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、グ
リコール成分としてエチレングリコール、ネオペンチル
グリコールからなるポリエステル樹脂について説明する
と、テレフタル酸、イソフタル酸、5−ナトリウムスル
ホイソフタル酸とエチレングリコール、ネオペンチルグ
リコールとを直接エステル化反応させるか、テレフタル
酸、イソフタル酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸
及びエチレングリコール、ネオペンチルグリコールとを
エステル交換反応させる第一段階と、この第一段階の反
応生成物を重縮合反応させる第二段階とによって製造す
る方法等により製造することができる。
【0042】この際、反応触媒として、例えばアルカリ
金属、アルカリ土類金属、マンガン、コバルト、亜鉛、
アンチモン、ゲルマニウム、チタン化合物等が用いられ
る。また、カルボン酸を末端及び/又は側鎖に多く有す
るポリエステル樹脂を得る方法としては、特開昭54−
46294号公報、特開昭60−209073号公報、
特開昭62−240318号公報、特開昭53−268
28号公報、特開昭53−26829号公報、特開昭5
3−98336号公報、特開昭56−116718号公
報、特開昭61−124684号公報、特開昭62−2
40318号公報などに記載の3価以上の多価カルボン
酸を共重合した樹脂により製造することができるが、む
ろんこれら以外の方法であってもよい。
【0043】また、本発明に係る易接着層のポリエステ
ル樹脂の固有粘度は特に限定されないが、接着性の点で
0.3dl/g以上であることが好ましく、より好まし
くは0.35dl/g以上、最も好ましくは0.4dl
/g以上であることである。ポリエステル樹脂のガラス
転移点は、易接着層の基材フィルムとの接着性や被覆物
との接着性の点で−5〜50℃であることが好ましく、
より好ましくは0〜45℃、最も好ましくは5〜35℃
である。
【0044】ワックス系組成物とポリエステル樹脂は任
意の比率で混合して用いることができるが、本発明の効
果をより顕著に発現させるには、以下の比率で混合する
とよい。ワックス系組成物/ポリエステル樹脂が、固形
分重量比で、2/98〜99/1であることが接着性の
点で好ましく、より好ましくは5/95〜97/3、最
も好ましくは10/90〜95/5である。
【0045】本発明において、易接着層の主たる構成成
分とは、該成分が易接着層中において60重量%以上で
あるものをいうが、もっとも本発明においては、好まし
くは80重量%以上、より好ましくは90重量%以上を
占めて該主たる構成成分が存在していることが望ましい
ものである。
【0046】また、易接着層中には本発明の効果が損な
われない範囲内で、他の樹脂、例えば本発明以外のポリ
エステル樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、エチレン
・酢酸ビニル共重合体、エチレン・アクリル酸共重合
体、エチレン・アクリル酸エステル共重合体、エポキシ
樹脂、シリコーン樹脂、ポリオレフィン樹脂、尿素樹
脂、フェノール樹脂などが配合されてもよい。
【0047】更に、易接着層中には本発明の効果が損な
われない範囲内で各種の添加剤、例えば酸化防止剤、耐
熱安定剤、耐候安定剤、紫外線吸収剤、有機の易滑剤、
顔料、染料、有機または無機の微粒子、充填剤、帯電防
止剤、核剤、架橋剤などが配合されてもよい。
【0048】特に、架橋剤の添加は、易接着層の強靱
化、易接着層と基材フィルムとの接着性向上などの点で
好ましい。用いられる架橋剤としては、特に限定されな
いが、メチロール化あるいはアルキロール化した尿素
系、アクリルアミド系、ポリアミド系樹脂、メラミン
系、エポキシ化合物、イソシアネート化合物、アジリジ
ン化合物、シランカップリング剤、チタンカップリング
剤などを用いることができる。
【0049】また、本発明を実施するにあたり、塗液中
に無機粒子を添加配合し二軸延伸したものは、易滑性が
向上するので更に好ましい。
【0050】添加する無機粒子としては、代表的には、
シリカ、コロイダルシリカ、アルミナ、アルミナゾル、
カオリン、タルク、マイカ、炭酸カルシウム等を用いる
ことができる。用いられる無機粒子は、平均粒径0.0
1〜10μmであるものが好ましく、より好ましくは
0.05〜5μm、最も好ましくは0.08〜2μmで
あり、塗剤中の固形分に対する配合比は特に限定されな
いが、重量比で0.05〜8重量部が好ましく、より好
ましくは0.1〜3重量部である。
【0051】本発明においては、塗液を塗布する前に、
基材フィルムの表面にコロナ放電処理などを施し、該表
面の濡れ張力を、好ましくは47mN/m以上、より好
ましくは50mN/m以上とするのが、易接着層の基材
フィルムとの接着性を向上させることができるので好ま
しく用いることができる。
【0052】また、本発明を実施するにあたり、塗液の
塗布方法は、例えばリバースコート法、グラビアコート
法、ロッドコート法、バーコート法、ダイコート法、ス
プレーコート法などを用いることができる。
【0053】易接着層の厚みは特に限定されないが、通
常は好ましくは0.01〜5μm、より好ましくは0.
02〜2μm、最も好ましくは0.05μm〜0.5μ
mである。特に、易接着層の厚みが薄すぎると接着性不
良となる場合がある。
【0054】なお、本発明の溶融型感熱転写材において
は、上記したワックス系組成物とポリエステル樹脂を主
たる構成成分とすることにより、易接着層表面の水との
接触角を、70度以上110度以下とするのが溶融型イ
ンキ層との接着性の点で好ましく、より好ましくは75
度以上100度以下、最も好ましくは80度以上90度
以下とするのがよい。
【0055】ポリエステルフィルムの易接着層が設けら
れた面の反対面には、ポリエステルフィルムとサーマル
ヘッドとの融着(スティック)を防止するためスティッ
ク防止層が設けられる。スティック防止層としては、シ
リコーン化合物、フッ素化合物、及びこれらの変性物、
共重合物、有機や無機の滑剤等を使用することができる
が、特に以下の組成物としたとき、より顕著な効果を発
現する。即ち、ワックス系組成物とオイル状組成物との
混合物を主成分とする塗液によって形成させた塗膜であ
って、塗膜厚みがスティック防止層を設けた面の中心線
平均粗さより薄く、かつ0.005μm以上となるよう
に設けた場合、顕著なスティック防止効果を発現するも
のである。
【0056】更に、スティック防止層の表面に上記組成
物より形成された突起であって、かつポリエステルフィ
ルムの長手方向と幅方向との比が3以上の細長い突起が
20個/100μm2 以上存在させた場合、印字の際に
極めて優れた走行性を有するものとなる。このような細
長い突起を有するスティック防止層は、塗布して後、少
なくとも一方向に延伸することによって、より顕著に発
現させることができる。即ち、結晶配向前のポリエステ
ルフィルムの溶融型インキ層を設ける面とは反対面に塗
布し、乾燥して後、延伸し、結晶配向を完了させる方法
を用いることである。この方法によれば、上述した易接
着層とスティック防止層は、フィルム製造工程で連続的
に塗布することができ、別々に塗布する場合に比べて経
済的に有利である。
【0057】上記スティック防止層中には、本発明の効
果を損なわれない範囲内で各種の添加剤、例えば酸化防
止剤、耐熱安定剤、耐候安定剤、紫外線吸収剤、有機の
易滑剤、顔料、染料、有機または無機の微粒子、帯電防
止剤などを配合しても良いが、該スティック防止層の主
成分も含め、サーマルヘッドの破壊を防止する点で、塩
素やアルカリ金属を含むもの、サーマルヘッドを摩耗す
る可能性がある無機粒子を含有させないようにすること
が望ましい。
【0058】易接着層上に設けられる溶融型インキ層
は、特に限定されず、バインダーとしてのワックス成分
と着色剤とを含有するものであり、必要に応じて各種の
添加剤を加えたものを用いることができる。
【0059】ワックス成分としては、例えば、キャンデ
リラワックス、カルナバワックス、木ロウ、パームワッ
クス、オウリキュリーワックス、みつろう、ラノリン、
セラックワックス、モンタンワックス、セレシン、パラ
フィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ペト
ロラクタム、合成炭化水素系ワックス、変性ワックス、
水素化ワックス、ポリエチレンやポリプロピレンワック
スなどのポリオレフィンワックス、脂肪酸、酸アミド、
エステル、ケトンなどを用いることができる。更に、上
記ワックス成分に熱可塑性樹脂を混合して、溶融型イン
キ層の接着性を向上させることが好ましい。用いられる
熱可塑性樹脂としては、エチレン・酢酸ビニル共重合
体、エチレン・アクリル酸エステル共重合体、ポリエチ
レン、ポリプロピレン、塩化ビニル樹脂などである。
【0060】着色剤としては、各種の有機あるいは無機
の顔料や染料などの記録材料として良好な特性を有する
ものを用いることができる。中でも、十分な着色濃度を
有し、光、熱、温度などにより変色や退色などが起こら
ないものが好ましい。
【0061】また、溶融型インキ層に熱伝導性を付与す
るためにカーボンブラックなどの炭素系物質、アルミニ
ウム、銅などの金属あるいはその酸化物などを添加剤と
して用いることが好ましい。
【0062】設けられる溶融型インキ層の厚みは、特に
限定されないが、通常は0.5〜15μm、好ましくは
1〜10μmである。
【0063】次に、本発明の溶融型感熱転写材の製造方
法について、ポリエチレンテレフタレート(以下、「P
ET」と略称する)を基材フィルムとした例について説
明するが、これに限定されるものではない。
【0064】本発明の上述した基材フィルムと溶融型イ
ンキ層との接着性や印刷特性に優れた溶融型感熱転写材
は、二軸配向ポリエステルフィルムの一方の面に易接着
層を介して熱溶融インキ層が積層され、反対面にはステ
ィック防止層を設けることによって製造することができ
る。
【0065】より具体的には、例えば、極限粘度0.5
〜0.8dl/gのPETペレットを真空乾燥した後、
押し出し機に供給し、260〜300℃で溶融し、T字
型口金よりシート状に押し出し、静電印加キャスト法を
用いて表面温度10〜60℃の鏡面キャスティングドラ
ムに巻き付けて、冷却固化せしめて未延伸PETフィル
ムを作成した。この未延伸フィルムを70〜120℃に
加熱されたロール間で縦方向(フィルムの進行方向)に
2.5〜5倍延伸する。このフィルムの少なくとも片面
にコロナ放電処理を施し、該表面の濡れ張力を47mN
/m以上とし、その処理面に本発明の易接着層形成塗液
を塗布した。この塗布されたフィルムをクリップで把持
して70〜150℃に加熱された熱風ゾーンに導き、乾
燥した後、幅方向に2.5〜5倍延伸し、引き続き16
0〜250℃の熱処理ゾーンに導き、1〜30秒間の熱
処理を行い、結晶配向を完了させた。この熱処理工程中
で必要に応じて幅方向あるいは長手方向に3〜12%の
弛緩処理を施してもよい。二軸延伸は、縦、横逐次延伸
あるいは同時二軸延伸のいずれでもよく、また縦、横延
伸後、縦、横いずれかの方向に再延伸してもよい。ま
た、ポリエステルフィルムの厚みは特に限定されるもの
ではないが、1〜30μmが好ましく用いられる。この
場合に用いられる塗布液は環境汚染や防爆性の点で水系
が好ましい。
【0066】なお、上記例において、易接着層が設けら
れる基材フィルムにもワックス系組成物、ポリエステル
樹脂から選ばれる少なくとも1種を含有させることがで
きる。この場合は、易接着層と基材フィルムとの接着性
が向上する、基材フィルムの易滑性が向上するなどの効
果がある。ワックス系組成物、ポリエステル樹脂を含有
させる場合には、その添加量の合計が5ppm以上20
重量%未満であるのが、易接着性、易滑性の点で好まし
い。もちろん、ワックス系組成物、ポリエステル樹脂は
基材フィルム上に設ける易接着層形成組成物(本発明に
係る易接着性PETフィルムの再生ペレットなどを含
む)であってもよい。
【0067】このようにして得られた易接着性ポリエス
テルフィルムの易接着層側に上述した溶融型インキ層を
設け、反対面にはスティック防止層を設けて、所定の幅
にスリットし、本発明の溶融型感熱転写材を得る。な
お、スティック防止層は易接着層を形成する塗液と同様
に、製膜工程中に設けられてもよい。
【0068】
【特性の測定方法および効果の評価方法】本発明におけ
る特性の測定方法及び効果の評価方法は次のとおりであ
る。
【0069】(1)塗布層の厚み 日立製作所(株)製透過型電子顕微鏡HU−12型を用
い、易接着層を設けた二軸配向ポリエステルフィルムの
断面を観察した写真から求めた。厚みは測定視野内の3
0個の平均値とした。
【0070】(2)接着性 本発明によって得られた溶融型感熱転写材の溶融型イン
キ層面に、ニチバン(株)製セロハンテープを貼り付
け、指で押し付けた後、90度方向に剥離し、そのイン
キの残存状態により4段階評価(◎:インキが全く取れ
ない、○:インキが少し取れる、△:インキがかなり取
れる、×:インキがほとんど取れるか完全に取れる)を
行った。(◎)、(○)を接着性良好とした。
【0071】(3)印刷特性 本発明によって得られた溶融型感熱転写材の印刷特性
を、セイコー電子工業(株)製カラープリンター「Prof
essional Color Point 2」を用いて付属のプリント用紙
に標準モードで印刷し、その印刷状態を目視で観察し、
以下の基準で評価した。
【0072】 ◎:印刷状態が極めて良好 ○:印刷特性良好 △:やや不良 ×:著しく不良 (4)水との接触角測定 常態(23℃、相対湿度65%)において24時間放置
後、その雰囲気下で接触角計CA−D型(協和界面科学
(株)製)を用い、同様の条件に保管しておいた蒸留水
を用いて、易接着層表面の接触角を測定した。測定は1
0個の平均値を用いた。
【0073】(5)ガラス転移点(Tg) パーキンエルマ(株)製のDSC(示差走査熱量計)II
型を用いて測定した。DSCの測定条件は次の通りであ
る。すなわち、試料10mgをDSC装置にセツトし、
300℃の温度で5分間溶融した後、液体窒素中で急冷
する。この急冷試料を10℃/分で昇温し、ガラス転移
点(Tg)を検知した。
【0074】
【実施例】次に、実施例に基づいて本発明を説明する
が、必ずしもこれに限定されるものではない。
【0075】実施例1 粒子径0.5〜1.5μmの析出粒子(重合工程中で析
出した粒子)を0.15重量%、および平均粒子径約
1.5μmの炭酸カルシウム粒子を0.2重量%含有す
るPETペレット(極限粘度0.63dl/g)を充分
に真空乾燥した後、押し出し機に供給し285℃で溶融
し、T字型口金よりシート状に押し出し、静電印加キャ
スト法を用いて表面温度30℃の鏡面キャスティングド
ラムに巻き付けて冷却固化せしめた。この未延伸フィル
ムを95℃に加熱して長手方向に3.5倍延伸し、一軸
延伸フィルムとした。このフィルムに空気中でコロナ放
電処理を施し、基材フィルムの濡れ張力を52mN/m
とし、その処理面に下記の易接着層形成塗液を塗布し
た。塗布厚みは結晶配向完了後において0.15μmと
なるようにした。
【0076】「易接着層形成塗液」 (A):ワックス系組成物 パラフィンワックス水分散体 (B):ポリエステル樹脂 ・酸成分 テレフタル酸 28モル% イソフタル酸 9モル% トリメリット酸 10モル% セバシン酸 3モル% ・グリコール成分 エチレングリコール 15モル% ネオペンチルグリコール 18モル% 1,4−ブタンジオール 17モル% 上記酸成分とグリコール成分からなるポリエステル樹脂
(Tg:20℃)のアンモニウム塩型水分散体。
【0077】(A)/(B)=60/40(固形分重量
比)で混合し、易接着層形成塗液とした。
【0078】塗布された一軸延伸フィルムをクリップで
把持しながら予熱ゾーンに導き、110℃で乾燥後、引
き続き連続的に125℃の加熱ゾーンで幅方向に3.5
倍延伸し、更に230℃の加熱ゾーンで熱処理を施し、
結晶配向の完了した易接着性PETフィルムを作成し
た。このとき、基材PETフィルム厚みが4.5μmで
あった。このフィルムの易接着層側に下記の溶融型イン
キを乾燥後の厚みが3μmになるように塗布し、反対面
に下記のスティック防止層形成塗剤を乾燥後の厚みが
0.2μmになるように塗布し、この後、スリットして
溶融型感熱転写材を得た。
【0079】「溶融型インキ」 ・カルナバワックス 100重量部 ・マイクロクリスタリンワックス 25重量部 ・エチレン・酢酸ビニル共重合体 15重量部 ・カーボンブラック 20重量部 「スティック防止層形成塗剤」 ・アミノ変性シリコーン/エポキシ変性シリコーン/エ
タノール/イソプロピルアルコール=3/2/45/5
0(重量比)で混合した塗剤。
【0080】結果を表1に示す。
【0081】比較例1 実施例1において、易接着層形成塗液を塗布しないPE
Tフィルムを作成した以外は、実施例1と同様にして、
溶融型インキ層、スティック防止層を設け、溶融型感熱
転写材を得た。結果を表2に示す。
【0082】比較例2 実施例1の易接着層形成塗液で、ポリエステル樹脂を添
加せず用いた以外は、実施例1と同様にして溶融型イン
キ層、スティック防止層を設け、溶融型感熱転写材を得
た。結果を表2に示す。
【0083】比較例3 実施例1の易接着層形成塗液で、ワックス系組成物を添
加せず用いた以外は、実施例1と同様にして溶融型イン
キ層、スティック防止層を設け、溶融型感熱転写材を得
た。結果を表2に示す。
【0084】実施例2 実施例1の塗液のポリエステル樹脂の代わりに、下記成
分の共重合ポリエステル樹脂とした以外は、実施例1と
同様にして溶融型インキ層、スティック防止層を設け、
溶融型感熱転写材を得た。結果を表1に示す。
【0085】(B):ポリエステル樹脂 ・酸成分 テレフタル酸 5モル% イソフタル酸 35モル% 5−(2,5−ジオキソテトラヒドロ フルフリル)−3−メチル−3−シク ロヘキセン−1,2−ジカルボン酸 10モル% ・グリコール成分 ジエチレングリコール 20モル% ネオペンチルグリコール 25モル% 1,4−ブタンジオール 5モル% 上記酸成分とグリコール成分からなるポリエステル樹脂
(Tg:32℃)のアンモニウム塩型水分散体。
【0086】実施例3 実施例1のポリエステル樹脂の代わりに、下記成分のポ
リエステル樹脂とし、混合比を(A)/(B)=10/
90(固形分重量比)とした以外は、実施例1と同様に
して溶融型インキ層、スティック防止層を設け、感熱転
写材を得た。結果を表1に示す。
【0087】(B):ポリエステル樹脂 ・酸成分 テレフタル酸 42モル% 5−ナトリウムスルホイソフタル酸 8モル% ・グリコール成分 エチレングリコール 47モル% ジエチレングリコール 3モル% 上記酸成分とグリコール成分からなる、側鎖にカルボン
酸基を有さないポリエステル樹脂(Tg:72℃)の水
分散体。
【0088】実施例4 実施例1の易接着層形成塗液を用い、混合比を(A)/
(B)=30/70(固形分重量比)とした以外は、実
施例1と同様にして溶融型インキ層、スティック防止層
を設け、溶融型感熱転写材を得た。結果を表1に示す。
【0089】実施例5 実施例1の塗液のワックス系組成物の代わりに、カルナ
バワックスを用いた以外は、実施例1と同様にして溶融
型インキ層、スティック防止層を設け、溶融型感熱転写
材を得た。結果を表1に示す。
【0090】実施例6 実施例1において、ポリエステルフィルムをポリエチレ
ンテレフタレートフィルムからポリエチレン−2,6−
ナフタレート(以下PENと略称する)フィルムに代え
た以外は実施例1と同様にして溶融型インキ層、スティ
ック防止層を設け、溶融型感熱転写材を得た。結果を表
1に示す。
【0091】比較例4 実施例1のワックス系組成物の代わりにポリエチレン樹
脂エマルジョンを用い、ポリエステル樹脂を添加せずに
用いた以外は実施例1と同様にして溶融型インキ層、ス
ティック防止層を設け、溶融型感熱転写材を得た。結果
を表2に示す。 比較例5 実施例1のワックス系組成物の代わりにポリエチレン樹
脂エマルジョンを用い、混合比を(A)/(B)=60
/40(固形分重量比)とした以外は、実施例1と同様
にして溶融型インキ層、スティック防止層を設け、溶融
型感熱転写材を得た。結果を表2に示す。
【0092】実施例7 実施例1と同様にして、一軸延伸フィルムを作成した。
このフィルムの両面に空気中でコロナ放電処理を施し、
基材フィルムの濡れ張力を52mN/mとし、その処理
面の一方の面に実施例1の易接着層形成塗液を、反対面
に下記のスティック防止層形成塗剤を塗布した。塗布厚
みは、結晶配向完了後において、易接着層が0.15μ
m、スティック防止層が0.05μmとなるようにし
た。
【0093】「スティック防止層形成塗剤」 ・酸化ワックス/ポリエチレンワックス/合成潤滑油=
60/35/5(固形分重量比)で混合した水系塗剤。
【0094】塗布された一軸延伸フィルムをクリップで
把持しながら予熱ゾーンに導き、110℃で乾燥後、引
き続き連続的に125℃の加熱ゾーンで幅方向に3.5
倍延伸し、更に230℃の加熱ゾーンで熱処理を施し、
結晶配向の完了した両面積層PETフィルムを作成し
た。このとき、基材PETフィルム厚みが4.5μmで
あった。このフィルムの易接着層側に実施例1の溶融型
インキを乾燥後の厚みが3μmになるように塗布し、こ
の後、スリットして溶融型感熱転写材を得た。結果を表
1に示す。
【0095】実施例8 基材フィルムとして、実施例1で溶融型インキ層、ステ
ィック防止層を設ける前の易接着性PETフィルムを粉
砕し、ペレット化したものを、ポリエチレンテレフタレ
ートに30重量%添加し、溶融押し出しした以外は、実
施例1と同様にして溶融型インキ層、スティック防止層
を設け、溶融型感熱転写材を得た。
【0096】かくして得られた溶融型感熱転写材の特性
を表1に示すが、基材フィルムとなる易接着性PETフ
ィルムは易滑性にも優れていた。
【0097】
【表1】
【表2】
【0098】
【発明の効果】本発明によって作成される溶融型感熱転
写材は、基材フィルムと溶融型インキ層との接着性に優
れると同時に、印刷特性にも優れたものとなる。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】二軸配向ポリエステルフィルムの一方の面
    に易接着層を介して熱溶融インキ層が積層され、反対面
    にはスティック防止層が設けられた溶融型感熱転写材に
    おいて、該易接着層がワックス系組成物とポリエステル
    樹脂を主たる構成成分としてなることを特徴とする溶融
    型感熱転写材。
  2. 【請求項2】ワックス系組成物が、パラフィンワックス
    であることを特徴とする請求項1に記載の溶融型感熱転
    写材。
  3. 【請求項3】易接着層の水に対する接触角が70〜11
    0度であることを特徴とする請求項1または2に記載の
    溶融型感熱転写材。
  4. 【請求項4】易接着層中のポリエステル樹脂のガラス転
    移点が、−5〜50℃であることを特徴とする請求項
    1、2または3に記載の溶融型感熱転写材。
  5. 【請求項5】易接着層中のポリエステル樹脂が、側鎖に
    カルボン酸基および/またはその塩基を有することを特
    徴とする請求項1、2、3または4に記載の溶融型感熱
    転写材。
  6. 【請求項6】ポリエステルフィルムが、ポリエチレンテ
    レフタレートフィルムまたはポリエチレン−2,6−ナ
    フタレートフィルムであることを特徴とする請求項1、
    2、3、4または5に記載の溶融型感熱転写材。
  7. 【請求項7】ポリエステルフィルムが、ワックス系組成
    物、ポリエステル樹脂の少なくとも1種を、合計で5p
    pm以上20重量%未満含有した組成物からなることを
    特徴とする請求項1、2、3、4、5または6に記載の
    溶融型感熱転写材。
  8. 【請求項8】結晶配向が完了する前のポリエステルフィ
    ルムの少なくとも片面に、易接着層形成塗液を塗布して
    後、少なくとも一方向に延伸、熱処理が施されて易接着
    層が形成されてなるものであることを特徴とする請求項
    1、2、3、4、5、6または7に記載の溶融型感熱転
    写材。
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