JP2503046B2 - 磁気記録カ―ド - Google Patents

磁気記録カ―ド

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JP2503046B2
JP2503046B2 JP63108524A JP10852488A JP2503046B2 JP 2503046 B2 JP2503046 B2 JP 2503046B2 JP 63108524 A JP63108524 A JP 63108524A JP 10852488 A JP10852488 A JP 10852488A JP 2503046 B2 JP2503046 B2 JP 2503046B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、基材としてポリエステルフィルムを用いた
磁気記録カード、具体的にはキャッシュカード、各種ク
レジットカード、磁気乗車券、テレホンカード、POSカ
ード、病院用診療カード、電子レンジ料理カード、IDカ
ード等に関するものである。
〔従来の技術〕
従来、磁気記録カードとしては、(1)磁気記録層、
白色ポリエステルフィルム層、そして必要に応じて設け
られた印刷層をこの順で有する積層体(例えば特開昭61
-115201号公報、特開昭59-38098号公報など)、あるい
は(2)磁気記録層や印刷層に耐久性を賦与するためポ
リエステルフィルムと各層との間にウレタン、アクリル
等の易接着層を更に設けた積層体(例えば特開昭62-596
35号公報、特開昭62-243120号公報など)が知られてい
る。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかし、これらはすべて基材ポリエステルフィルムと
印刷層あるいは磁性層との接着性が十分でないという欠
点がある。
本発明はかかる問題点を改善した磁気カードを提供す
ることを目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は、親水基含有ポリエステル樹脂[A]に少な
くとも1種以上の不飽和結合を有する化合物[B]をグ
ラフト化率0.5〜600%の範囲でグラフト化させた共重合
体[C]及び架橋結合剤[D]を主成分とする架橋層を
少なくともその片面に有する光学濃度0.5以上、白色度8
0%以上なるポリエステルフィルム上に磁気記録層を設
けてなることを特徴とする磁気記録カードである。
本発明におけるポリエステルは、エチレンテレフタレ
ート、エチレンα,β−ビス(2−クロルフェノキシ)
エタン−4,4′−ジカルボキシレート、エチレンα,β
−ビス(フェノキシ)エタン−4,4′−ジカルボキシレ
ート、エチレン2,6−ナフタレート単位から選ばれた少
なくとも一種の構造単位を主要構成成分とする。
また、本発明を阻害しない範囲内、好ましくは10モル
%以内であれば、上記以外の他成分が共重合されていて
もよい。
本発明フィルムは上記組成物を主成分とするが、本発
明の目的を阻害しない範囲内で、多種ポリマをブレンド
してもよいし、また酸化防止剤、熱安定剤、滑剤、紫外
線吸収剤、核生成剤などの無機又は有機添加剤が通常添
加される程度添加されてもよい。
本発明におけるポリエステルフィルムは、光学濃度0.
5以上、白色度が80%以上であることが必要である。特
に、白色度が85〜150、好ましくは90〜130であり、光学
濃度が0.9〜5.0、好ましくは1.2〜3.0の場合好適であ
る。これは、白色度が小さい基材を使用した場合、磁気
記録カードとして使用する際、着色がみられる様になる
ため好ましくなく、一方光学濃度が小さい場合十分な光
線反射量が得られず肉眼でみた場合白さが減少する、反
対面の影響が出る、あるいは磁気記録読み取り時測定法
によってはトラブルとなるなどの理由のため好ましくな
い。更に本発明の白色度、光学濃度を示す基材を使用す
る場合、通常原反を使用するに比べ接着性が向上するの
である。
このような光学濃度、白色度を得る方法は特に限定さ
れないが、通常は無機微粒子あるいはポリエステルと非
相溶の樹脂の添加により得ることができる。添加する量
は特に限定されないが無機微粒子の場合5〜35重量%、
好ましくは8〜25重量%である。一方非相溶性の樹脂を
添加する場合は5〜35vol%、好ましくは8〜28vol%で
ある。
使用する無機粒子は特に限定されないが、平均粒径0.
1〜4μm、好ましくは0.3〜1.5μmの無機粒子をその
代表として挙げることができる。具体的には硫酸バリウ
ム、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、シリカ、アルミ
ナ、タルク、クレーなどあるいはこれらの混合物であ
り、これらの無機粒子は通常の無機粒子、例えばリン酸
カルシウム、酸化チタン、雲母、ジルコニア、酸化タン
グステン、フッ化リチウム、フッ化カルシウムなどと併
用してもよい。また上に述べた無機粒子の中でもモース
硬度が5以下、好ましくは4以下のものを使用する場
合、白色度が更に増すため更に好ましい。
またポリエステルと非相溶の樹脂としては、特に限定
されないが、例えばポリエチレンテレフタレートと混合
するケースについていえば、アクリル樹脂、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、変性オレフィン樹脂、ポリブチレ
ンテレフタレート系樹脂、フェノキシ樹脂、ポリフェニ
レンオキサイド、ポリカーボネート、4メチルペンテン
1、セルロールなどを挙げることが可能で、当然上に述
べた無機粒子と併用してもよい。
また本発明のポリエステル基材は光学濃度が本発明範
囲にあればよいのであり上に述べたような白色フィルム
と他の色に着色されたフィルム(その着色の方法は特に
限定されないが通常は顔料、染料による着色が用いられ
る)あるいは透明なフィルムとの2層以上の積層体を使
用してもよいことは言うまでもない。
また必要に応じて種々の増白剤を添加してもよいこと
は当然である。
本発明でいう架橋層は、親水基含有ポリエステル樹脂
に少なくとも1種以上の不飽和結合を有する化合物をグ
ラフト化させた共重合体及び架橋結合剤を主成分とする
ものである。本発明における主成分とは、該混合物が架
橋層の30重量%以上、好ましくは50重量%以上、更に好
ましくは70重量%以上を占めているものを指す。
本発明でいう親水基含有ポリエステル樹脂[A](以
下、樹脂[A]と略称する)とは、分子中に親水性基或
いは親水性成分、例えば、水酸基、カルボキシル基、カ
ルボニル基、シアノ基、アミノ基、メチルカルボニル
基、ポリエチレングリコール、カルボン酸塩、リン酸エ
ステル塩、第四級アンモニウム塩、硫酸エステル塩、ス
ルホン酸塩等の少なくとも1種以上が導入されたポリエ
ステル共重合体である。中でも代表的なポリエステル共
重合体としては以下の組成のものが有用である。すなわ
ち、芳香族ジカルボン酸及び/又は非芳香族ジカルボン
酸並びにエステル形成性スルホン酸アルカリ金属塩化合
物とグリコールの重縮合物があげられる。具体的には、
芳香族ジカルボン酸として、例えばテレフタル酸、イソ
フタル酸、フタル酸、2,5−ジメチルテレフタル酸、2,6
−ナフタレンジカルボン酸、ビフェニルジカルボン酸、
1,2−ビス(フェノキシ)エタン−p,p′−ジカルボン酸
及びそれらのエステル形成性誘導体があり、非芳香族ジ
カルボン酸には、例えば修酸、マロン酸、コハク酸、グ
ルタール酸、アジピン酸、セバシン酸、1,2−シクロヘ
キサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン
酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロペ
ンタンジカルボン酸及びそれらのエステル形成性誘導体
がある。これらのうちで芳香族ジカルボン酸及び/又は
そのエステル形成誘導体が全ジカルボン酸成分に対し40
モル%以上占めることが樹脂の耐熱性や皮膜強度、耐水
性の点で好ましく、その範囲内で1種以上のジカルボン
酸を併用してもよい。
エステル形成性スルホン酸アルカリ金属塩化合物とし
ては、例えばスルホテレフタル酸、5−スルホイソフタ
ル酸、4−スルホフタル酸、4−スルホナフタレン−2,
7−ジカルボン酸、スルホ−p−キシレングリコール、
2−スルホ−1,4−ビス(ヒドロキシエトキシ)ベンゼ
ンなどのアルカリ金属塩(スルホン酸のアルカリ金属
塩)及びこれらのエステル形成性誘導体が挙げられ、5
−スルホイソフタル酸、スルホテレフタル酸のナトリウ
ム及びこれらのエステル形成性誘導体がより好ましく使
用される。
次に、グリコール成分としては、炭素数2〜8個の脂
肪族又は炭素数6〜12個の脂環族グリコールであり、例
えばエチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4
−ブタンジオール、1,2−プロピレングリコール、ネオ
ペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノー
ル、1,6−ヘキサンジオール、1,3−シクロヘキサンジメ
タノール、1,2−シクロヘキサンジメタノール、p−キ
シリレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチ
レングリコールなどが好ましく使用される。
場合によっては、ポリエーテルを共重合させてもよ
い。ここでいうポリエーテルとはエーテル結合を主要結
合鎖とする親水性高分子のことであり、特に好ましいの
は脂肪族ポリエーテルであり、例えばポリエチレングリ
コール、ポリプロピレングリコール、グリセリンエーテ
ル、ポリエチレングリコールエーテルなどが好ましく使
用される。
樹脂[A]は水溶性或いは水分散性であってもよく、
その溶解性は共重合組成分の種類、配合比率或いは分散
安定性付与剤として用いられる親水性有機化合物の添加
の有無、その種類、配合量などによって異なるが、親水
性有機化合物は添加するにあたっては分散安定性を損な
わない限り少量であるのが好ましい。尚、親水性有機化
合物とは脂肪族及び脂環族のアルコール、エステル、エ
ーテル、ケトン類であり、例えばアルコール類として、
メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタ
ノール、グリコール類としてエチレングリコール、プロ
ピレングリコールなどがあり、その誘導体としてメチル
セルソルブ、エチルセルソルブ、n−ブチルセルソル
ブ、エステル類として酢酸エチル、エーテル類としてジ
オキサン、テトラヒドロフラン、ケトン類としてメチル
エチルケトン等が挙げられる。
親水性有機化合物は単独又は必要に応じて2種以上併
用してもよい。親水性有機化合物の中では、分散性能、
分散安定性及び塗布性等から特に好ましいのはブチルセ
ルソルブ、エチルセルソルブである。さらに、樹脂
[A]では共重合組成分のエステル形成性スルホン酸ア
ルカリ金属塩化合物の様に、特に親水性に寄与する成分
量の増加は塗設した架橋層の耐水性を著しく悪化するの
で溶解性、分散安定性等を損なわない限り少量であるの
が好ましく、通常は0.5〜15モル%である。
本発明では樹脂[A]のガラス転移温度(Tg)が30〜
80℃、好ましくは50〜75℃の範囲であることが望まし
い。樹脂[A]のガラス転移温度が30℃未満では耐水
性、耐アルカリ性、耐熱性の劣った架橋層となり種々の
弊害が増す。80℃を超えるものは分散安定性が劣り、し
かも不飽和結合を有する化合物のグラフト化が極めて困
難となる。
樹脂[A]は、通常、常法のポリエステル製造技術で
製造できる。すなわち、前記した酸成分及びグリコール
成分をエステル化或いはエステル交換触媒、重合触媒等
の反応触媒を用いて溶融重縮合せしめ所望のポリマーと
して得られる。さらには、溶液重縮合を適用できる。こ
の際、いずれの場合にもグラフト化反応に悪影響を及ぼ
さない範囲で種々の改質剤、安定剤等を添加してもよ
い。また、水溶性に欠ける樹脂[A]の水分散体を得る
には前記親水性有機化合物の存在が必要である。通常樹
脂[A]と親水性有機化合物を混合し、攪拌下、好まし
くは加温攪拌下で水を添加する方法、或いは攪拌下の水
に上記混合物を添加する方法等で製造される。尚、得ら
れる水分散体は固形分濃度が高くなると樹脂[A]の微
粒子が再凝集しやすく、均一分散体系が不安定化し、グ
ラフト化反応が困難となる。
本発明でいう不飽和結合を有する化合物[B](以
下、化合物[B]と略称する)とは、樹脂[A]にグラ
フト化する化合物であり、具体的には、ビニルエステル
類として、例えばプロピオン酸ビニル、ステアリン酸ビ
ニル、高級3級ビニルエステル、塩化ビニル、臭化ビニ
ル、また不飽和カルボン酸エステル類として、例えばア
クリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチ
ル、アクリル酸2エチルヘキシル、メタクリル酸メチ
ル、メタクリル酸ブチル、マレイン酸ブチル、マレイン
酸オクチル、フマル酸ブチル、フル酸オクチル、アクリ
ル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、メタクリル
酸ヒドロキシエチル、アクリル酸ヒドロキシエチル、メ
タクリル酸ヒドロキシプロピル、アクリル酸ヒドロキシ
プロピル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、アクリ
ル酸ジメチルアミノエチル、エチレングリコールジメタ
クリル酸エステル、エチレングリコールジアクリル酸エ
ステル、ポリエチレングリコールジメタクリル酸エステ
ル、ポリエチレングリコールジアクリル酸エステル、不
飽和カルボン酸アミド類として、例えばアクリルアミ
ド、メタクリルアミド、メチロールアクリルアミド、ブ
トキシメチロールアクリルアミド、不飽和ニトリル類と
して、例えばアクリロニトリル、不飽和カルボン酸類と
して。例えばアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、
フマル酸、イタコン酸、マレイン酸酸性エステル、フマ
ル酸酸性エステル、イタコン酸酸性エステル、アクリル
化合物として、例えば酢酸アリル、アリルグリシジルエ
ーテル、メタクリル酸アリル、アクリル酸アリル、イタ
コン酸ジアリル、含窒素化合物として、ビニルビリジ
ン、ビニルイミダゾール、炭化水素類として、例えばエ
チレン、プロピレン、ヘキセン、オクテン、スチレン、
ビニルトルエン、ブタジエン、ビニルシラン化合物とし
て、例えばジメチルビニルメトキシシラン、ジメチルエ
チルエトキシシラン、メチルビニルジメトキシシラン、
メチルビニルジエトキシシラン、γ−メタクリロキシプ
ロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピ
ルメチルジメトキシシランなどが挙げられ、これらの中
から選ばれた少なくとも1種以上が適用されるが特に限
定されるものではない。
本発明でいうグラフト化させた共重合体[C](以
下、重合体[C]と略称する)は、前記樹脂[A]に前
記化合物[B]をグラフト化させて得られたものであ
る。尚、重合体[C]は常法のグラフト重合法によって
製造される。すなわち樹脂[A]の水媒体系下で、水溶
性又は水分散性重合開始剤の存在下に化合物[B]を加
えて反応を行なう。重合開始剤としては、例えば硝酸第
2セリウムアンモニウム、過硫酸カリウム、過硫酸アン
モニウム、硫酸セシウムアンモニウム、過酸化水素、ア
ゾビスイソブチロニトリル、過酸化ベンゾイル等が用い
られるが、化合物[B]の樹脂[A]へのグラフト重合
反応性から過酸化ベンゾイル等の有機過酸化物を用いた
方が好ましい。グラフト重合反応は通常、冷却下或いは
加熱下で行なわれ、反応温度は反応速度、重合系の安定
性及び重合体[C]の特性等から好ましくは5〜100
℃、より好ましくは10〜80℃である。
本発明においては、樹脂[A]への化合物[B]のグ
ラフト化率が0.5〜600%、好ましくは5〜300%、より
好ましくは10〜100%の範囲である。グラフト化率が0.5
%未満では架橋層の耐溶剤性、耐水性が悪化するので好
ましくない。グラフト化率が600%を超えるものでは塗
工性が悪化したり、架橋層と基材ベースとの密着性が低
下するので好ましくない。
本発明でいう架橋結合剤とは、樹脂[A]或いは重合
体[C]に存在する官能基、例えばヒドロキシル基、カ
ルボキシル基、グリシジル基、アミド基などと熱架橋反
応し、最終的には三次元網状構造を有する架橋層とする
ための架橋剤である。本発明では架橋結合剤としてメラ
ミン系架橋剤、尿素系架橋剤或いはエポキシ系架橋剤を
用いる場合、特に架橋効果が大きく、耐水性、耐溶剤性
に優れた架橋層を得られるので好ましい。エポキシ系架
橋剤としては、具体的には、ポリエポキシ化合物、ジエ
ポキシ化合物、モノエポキシ化合物などが挙げられ、ポ
リエポキシ化合物としては、例えばソルビトトール、ポ
リグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジ
ルエーテル、ペンタエリスリトールポリグリシジルエー
テル、ジグリセロールポリグリシジルエーテル、トリグ
リシジルトリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアネー
ト、グリセロールポリグリシジルエーテル、トリメチロ
ールプロパンポリグリシジルエーテル、ジエポキシ化合
物としては、例えばネオペンチルグリコールジグリシジ
ルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエー
テル、レゾルシンジグリシジルエーテル、エチレングリ
コールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコール
ジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシ
ジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジル
エーテル、ポリテトラメチレングリコールジグリシジル
エーテル、モノエポキシ化合物としては、例えばアリル
グリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエ
ーテル、フェニルグリシジルエーテルなどが挙げられ
る。尿素系硬化剤としては、例えばジメチロール尿素、
ジメチロールエチレン尿素、ジメチロールプロピレン尿
素、テトラメチロールアセチレン尿素、4−メトキシ−
5−ジメチルプロピレン尿素ジメチロールなどが挙げら
れる。メラミン系架橋剤としては、メラミンとホルムア
ルデヒドを縮合して得られるメチロールメラミン誘導体
に低級アルコールとしてメチルアルコール、エチルアル
コール、イソプロピルアルコール等を反応させてエーテ
ル化した化合物及びそれらの混合物が好ましい。メチロ
ールメラミン誘導体としては、例えばモノメチロールメ
ラミン、ジメチロールメラミン、トリメチロールメラミ
ン、テトラメチロールメラミン、ペンタメチロールメラ
ミン、ヘキサメチロールメラミンなどが上げられる。こ
れらの架橋結合剤は単独、場合によっては2種以上併用
してもよい。架橋結合剤の添加量は、樹脂[A]と重合
体[C]の混合体において固形分100重量部に対して0.0
01〜60重量部が好ましく、0.01〜20重量部がより好まし
い。添加量が0.001重量部では架橋効果が低く架橋層の
耐溶剤性、耐アルカリ性が悪化する。60重量部を超える
ものは架橋層の接着性が低下したり、更には塗布性が悪
化し均一層を形成しにくい。
本発明の磁気カードを構成するポリエステルフィルム
は、常法により少なくとも一軸配向させたものである
が、機械的強度や寸法安定性、剛性等の点で二軸配向さ
せたものが望ましい。また、ポリエステルフィルムの厚
みは特に限定されるものではないが0.2〜800μmが好ま
しく、5〜500μmの範囲がより好ましく基材ベースと
しての実用面での取り扱い性に優れている。
本発明の磁気カードを構成する架橋層の積層厚みは、
特に限定されないが通常は0.005〜1.0μm、好ましくは
0.01〜0.5μm、更に好ましくは0.05〜0.2μmの範囲で
ある。
本発明において、該架橋層上にインキ、特にUV硬化型
インキを印刷した場合、インキ接着性が良好であるため
より好適である。
また、架橋層には公知の架橋触媒、具体的には塩類、
無機物質、有機物質、酸物質、アルカリ物質など公知の
接着促進剤を含有させることによって後加工での利点を
増すことができる。さらに必要に応じて、本発明の効果
を損なわない量で公知の添加剤、たとえば消泡剤、塗布
性改良剤、増粘剤、帯電防止剤、酸化防止剤、紫外線吸
収剤、染料、顔料などを含有せしめてもよいし、滑剤と
して無機又は有機化合物からなる微細粒子を含有せしめ
てもよい。
添加する無機微粒子の代表例としては、シリカ、コロ
イダルシリカ、アルミナ、アルミナゾル、カオリン、タ
ルク、マイカ、炭酸カルシウムなどを挙げることができ
る。無機微粒子は、平均粒径0.01〜10μmが好ましく、
より好ましくは0.05〜5μm、更に好ましくは0.08〜2
μmであり、塗剤中の固形分に対する配合比は、特に限
定されないが重量比で0.05〜8部が好ましく、より好ま
しくは0.1〜3部である。
本発明における磁気記録層は、特に限定されないが、
代表例としては以下のものを挙げることができる。すな
わち磁性粉としては、γ−Fe23、CrO2、Co−γ−Fe2
3、メタル粉を、またバインダーとしては、酢酸ビニ
ル、PVCなどのビニル樹脂、アクリルニトリル/ブタジ
エン共重合体などのゴム系樹脂、アセチルセルロース・
ニトロセルロースなどの繊維素、エポキシ系樹脂、フェ
ノール系樹脂、単量体のイソシアネート、変性イソシア
ネート、ウレタンプレポリマ、ブロックイソシアネート
などの形態で用いられるポリウレタン系樹脂及び必要に
応じ添加される分散剤、滑剤、カーボンなどの帯電防止
剤、安定剤、可塑剤を混合したものを挙げることができ
る。
本発明においては、必要に応じ有機顔料、無機顔料、
染料などの色料を添加した印刷層を適宜設けてもよい。
これらの印刷層を設ける方法は特に限定されないが、活
版、平版、凹版、スクリーン、平台、輪転、熱転等の方
法で行なうことが可能である。
次に、本発明の磁気カードの代表的製造方法について
説明するが、本発明は以下の製造方法に限定されるもの
ではない。
所定の光学濃度、白色度をもつポリエステルフィルム
の少なくとも片面に、前に述べた架橋層を設ける。設け
る方法は特に限定されないが、所定の物性をもつポリエ
ステルフィルム上に、必要に応じて各種雰囲気中でコロ
ナ放電処理を施した後、グラビアコート、リバースコー
ト、バーコート、スプレーコート、コンマコートなど公
知の方法を用いて塗布すればよい。しかし基材フィルム
に塗料を塗布後乾燥しつつ少なくとも一軸方向に延伸、
熱処理を行い、基材フィルム製膜工程中で塗布した場
合、塗布層の強靱性、密着性がより向上するため好まし
い。このようにして得られた複合フィルム上に、所定の
磁性粉とバインダーをボールミル、振動ミル、アトライ
ター、ホモミキサー、サンドミル、三本ロール等の方法
を用いて分散させた後、公知の方法を用いて塗布する。
また必要に応じ反対面に各種インキ層や、各種受容層、
具体的には例えはば感熱転写インキ受容層を設けてもよ
い。またこれらの上にアクリル樹脂層等のオーバーコー
ト層を設けてもよいことはいうまでもない。
なお、本発明で用いた各特性の測定は、次のようにし
て行なった。
(1) グラフト化率(%) グラフト化重合体を、13CNMR法、1HNMR法、INEPT法等
の各種解析手法による分析結果に基づいて次式より求め
た。
(2) 光学濃度 マクスベス社製透過濃度系TD-504を用いて測定した。
(3) 白色度 JIS-L1075により測定した。
(4) 架橋層の厚み 塗布層を設けた二軸延伸ポリエステルフィルムの厚み
方向の断面写真を走査電子顕微鏡(日立製S800型)で観
察し、塗布層の厚みを測定した。厚みは、フィルムの幅
方向に10点サンプリングした平均値とした。
〔実施例〕
次に、実施例に基づいて本発明の実施態様を説明す
る。
(a) 共重合体[C]として、以下のようにして重合
したものを用意した。
テレフタル酸ジメチル100部、イソフタル酸ジメチル1
00部、5−ナトリウムスルホインフタル酸ジメチル7
部、エチレングリコール95部、ネオペンチルグリコール
95部、酢酸マンガン4水塩0.106部、酢酸カルシウム2
水塩0.07部を混合し、窒素気流下140〜220℃でメタノー
ルを留出せしめ、まずエステル交換反応を行なった後、
リン酸トリメチル0.09部、三酸化アンチモン0.06部を加
え、240℃から280℃まで1時間30分かけて昇温すると共
に圧力を常圧から徐々に0.5mmHgまで下げ、生成するエ
チレングリコールを系外に除去し、さらに、40分間この
状態を保ち重縮合反応を行い、ガラス転移温度60℃、固
有粘度[η]=0.58のポリエステル共重合体を得た。次
に、このポリエステル共重合体250部とブチルセルソル
ブ110部の混合体を150℃で4時間攪拌し均一溶解液を得
た。得られた溶液に、高速攪拌下で水480部を徐々に滴
下し、均一で乳白色不透明な固形分濃度25%の親水基含
有ポリエステル(I)の分散体を得た。得られたポリエ
ステル樹脂分散体(I)700部に水100部を加え、さら
に、水30部、過酸化ベンゾイル1.5部、メタクリル酸メ
チル、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エス
テル2.5部からなる重合開始剤の分散体を加え、混合体
を攪拌下のもとに1時間窒素ガスを通した後、75℃まで
加温した。次に、グラフト化合物としてメタクリル酸メ
チル37部、アクリル酸ブチル25部、グリシジルメタクリ
レート10部の混合体を攪拌下の前記調合液に85℃で60分
間かけて滴下し、窒素気流下、85℃で120分間その状態
を保持しつつ反応を行ない、固形分濃度25%の水分散グ
ラフト共重合体を得た。得られた水分散グラフト共重合
体のグラフト化率は40%であった。
また、グラフト化合物として使用する混合体をメタク
リル酸メチル74部、アクリル酸ブチル50部、グリシジル
メタクリルレート20部の混合体に変更することによっ
て、グラフト化率80%の水分散グラフト共重合体も用意
した。
また、グラフト化合物として使用する混合体をメタク
リル酸メチル740部、アクリル酸ブチル500部、グリシジ
ルメタクリルレート200部の混合体に変更することによ
って、グラフト化率800%の水分散グラフト共重合体も
用意した。
(b) 他の樹脂として、メチルメタクリレートとブチ
ルアクリレート50/50であり、−COOHと−CH2OHを各1モ
ル含有する水分散性アクリルを用意した。
(c) 架橋結合剤として、“ニカラック"MW-12LF
((株)三和ケミカル製)及び“ディナコール"EX-314
(ナガセ化成(株)製)を用意した。
実施例1 酸化チタンを16重量%微分散した固有粘度0.62のポリ
エチレンテレフタレートを各々280℃で溶融した後、表
面温度50℃のドラム上に押出し、成形した。このように
して得られた未延伸フィルムを90℃で3.5倍縦方向に延
伸した。得られた一軸延伸フィルム表面にコロナ放電処
理を施し、上述のとおり用意した共重合体(a)、他の
樹脂(b)及び“ニカラック"MW-12LF(架橋結合剤
(c))の混合物(混合重量比=60/40/5)からなる塗
料を該フィルム上両面に塗布した。
該塗料を塗布したフィルムを乾燥しつつ100℃で横方
向に3.5倍延伸した後、220℃で5%弛緩させつつ熱処理
を行い、厚さ190μmのフィルムを得た。
該フィルムの片面に、ジフェニルメタンジイソシアネ
ートとアジピン酸とイソフタール酸と1,4−ブタンジオ
ールとネオペンチルグリコートを1:1.9:0.2:3.0:0.4の
比率で混合したバインダー100部にγ−Fe23を60部混
合したものを塗布熱硬化させることにより、磁性層を設
けた。さらに該フィルムの他面に、UVインキ(東洋イン
キ(株)のFDS(墨)とFDO(墨)G)を2μm厚に塗布
し、照射出力80W/cm、照射距離10cmで30秒間処理するこ
とにより、印刷を施し、磁気カードを得た。
得られた磁気カードについて、耐久性を評価した。な
お、耐久性は次のようにして評価した。試料(磁気カー
ド)を1mm角にクロスカットした後、試料の磁性層面及
び印刷面のそれぞれについて、市販のセロハン粘着テー
プ(ニチバン(株)製)を用いて90℃剥離を行い、その
剥離状態を評価した。剥離が全く起こらないものを耐久
性「◎」と剥離が殆ど起こっていないものを耐久性
「○」と、それ以外を耐久性「×」として判定した。
結果を第1表に示す。
実施例2 “ニカラック"MW-12LFに代えて、“ディナコール"EX-31
4を用いた以外は、実施例1と同様に実施例した。結果
を第1表に示す。
実施例3 共重合体(a)、他の樹脂(b)及び架橋結合剤
(c)の混合重量比を80/40/5とした以外は、実施例1
と同様に実施した。結果を第1表に示す。
実施例4 グラフト化率40%の共重合体(a)に代えて、グラフ
ト化率80%の共重合体(a)を用いた以外は、実施例1
と同様に実施した。結果を第1表に示す。
比較例1 塗料として、共重合体(a)及び他の樹脂(b)の混
合物(混合重量比=60/40)からなるものを用いた以外
は、実施例1と同様に実施した。結果を第1表に示す。
比較例2 酸化チタンを16重量%微分散した固有粘度0.62のポリ
エチレンテレフタレートに代えて、酸化チタンを含有し
ない固有粘度0.62のポリエチレンテレフタレートを用
い、かつ塗料を、共重合体(a)、他の樹脂(b)及び
架橋結合剤(c)の混合物(混合重量比=60/40/5)か
らなるものを用いた以外は、実施例1と同様に実施し
た。結果を第1表に示す。
比較例3 グラフト化率40%の共重合体(a)に代えて、グラフ
ト化率800%の共重合体(a)を用いた以外は、実施例
1と同様に実施した。結果を第1表に示す。
比較例4 塗料として、他の樹脂(b)及び架橋結合剤(c)の
混合物(混合重量比=100/5)からなるものを用いた以
外は、実施例1と同様に実施した。結果を第1表に示
す。
第1表にみられる如く、本発明範囲の場合のみ、良好
な耐久性を示すことが判る。
〔発明の効果〕 特定のグラフト化物を、光学濃度と白色度が所定の値
を示すポリエステル基材上少なくとも片面に設けた後、
磁気記録層、必要に応じて印刷層、特に好ましくはUVイ
ンキ印刷層を設けたので、本発明に述べた如くすぐれた
接着耐久性を得ることができた。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】親水基含有ポリエステル樹脂[A]に少な
    くとも1種以上の不飽和結合を有する化合物[B]をグ
    ラフト化率0.5〜600%の範囲でグラフト化させた共重合
    体[C]及び架橋結合剤[D]を主成分とする架橋層を
    少なくともその片面に有する光学濃度0.5以上、白色度8
    0%以上なるポリエステルフィルム上に磁気記録層を設
    けてなることを特徴とする磁気記録カード。
  2. 【請求項2】架橋結合剤がメラミン系架橋剤、尿素系架
    橋剤又はエポキシ系架橋剤であることを特徴とする請求
    項1記載の磁気記録カード。
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