JP2004216890A - インクジェット記録用シート - Google Patents

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Abstract

【課題】 軽量で、かつ剛性が有り、良好なインクジェット印刷適性を有するインクジェット用記録シートを提供する。
【解決手段】 発泡剤を含有する熱可塑性樹脂(a1 )を有する発泡倍率が1.4〜8.5倍の基材層(A)の少なくとも片面に、インキ受容層を有する熱可塑性樹脂フィルム(B)をインキ受容層が表面を形成するように貼り合わせたインクジェット記録用シート。
【選択図】 なし

Description

本発明は、軽量、外観美麗で、かつ印字性、耐久性、遮光性に優れたインクジェット記録用シートに関する。このシートは、特にポスター、パンフレット、立看板、吊り下がり看板等の各種表示体として有用である。
最近におけるプリンターの進歩は目覚ましく、価格面のみならず印字品質、印字速度等の性能面でも飛躍的に向上しつつある。そのため、従来は、印刷機械によって作成していたポスター、カタログ、パンフレット等の印刷物も、現在は、コンピュータとプリンターを使用し、従来の印刷品質を維持しつつ、より簡便、迅速に作成できるようになった。特に、プリンターによる印字は、多種類、少部数の印刷物を迅速に作成するのに好適である。
ポスター、カタログ、パンフレット等のカラー印刷物を作成するには、吐出ノズルを複数必要とするだけで、染料あるいは顔料インクを使用するインクジェットプリンターが有利であり、実際に使用されている。
そして、インクジェットプリンターに適応するように、各種インクジェット記録用紙が開発されてきた。例えば、印字性を向上するために、パルプ紙からなる基材層の表面に合成シリカ粉末を主成分とする顔料、水系接着剤、インクセット剤等を含有する記録層を形成したもの、さらに、耐水性、耐久性を向上するために、基材層として二軸延伸樹脂フィルム、無機微細粉末を含有する延伸樹脂フィルムである合成紙を使用するもの等が知られている。
しかし、従来の熱可塑性樹脂のインクジェット記録用紙は、厚みが薄く立看板や吊り下がり看板には腰が弱く単独では印字されたものが見えにくくなり、なかなか使用できず、板紙や段ボール等の厚手の紙または厚手発泡スチロール板あるいは厚手の樹脂シート等に貼り合わせて使用していた。しかし、貼り合わせる時にインクジェット記録用紙にシワが入りやすく、熟練が必要であった。また、熱可塑性樹脂のインクジェット記録用紙の肉厚を厚くするとインクジェットプリンターで印字するとき重量が重く、プリンター内の走行性が悪く印字が重なったり、印字が飛ぶトラブルが発生しやすい。
本発明者は、上記問題点に鑑みて鋭意研究を重ねた結果、発泡剤を含有する熱可塑性樹脂(a1 )を有する発泡倍率が、1.4〜8.5倍の基材層(A)の少なくとも片面に、インキ受容層を有する熱可塑性樹脂フィルム(B)をインキ受容層が表面を形成するように貼り合わせたシートが、軽量で、かつ剛性が有り、良好なインクジェット印刷適性を有することを見出し本発明に至った。
本発明により、軽量で、かつ剛性が有り、良好なインクジェット印刷適性を有するインクジェット用記録シートが得られた。
本発明のインクジェット記録用シートについて、基材層(A)、熱可塑性樹脂フィルム(B)、結合層(C)の順に以下に説明する。
[I] 基材層(A)
本発明の基材層(A)は、化学発泡剤又は物理発泡剤を含有した熱可塑性樹脂(a1 )を有するものであり、基材層(A)を構成するものは、熱可塑性樹脂(a1 )単独あるいは熱可塑性樹脂(a1 )と熱可塑性樹脂(a2 )とをTダイにて共押出して得ることができる。
熱可塑性樹脂(a1 )および熱可塑性樹脂(a2 )に用いられる熱可塑性樹脂としては、プロピレン系樹脂、あるいは高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン等のエチレン系樹脂、ポリメチル−1−ペンテン、エチレン−環状オレフィン共重合体等のオレフィン系樹脂、ナイロン−6、ナイロン−6,6、ナイロン−6,10、ナイロン−6,12等のポリアミド系樹脂、ポリエチレンテレフタレートやその共重合体、ポリエチレンナフタレート、脂肪族ポリエステル等の熱可塑性ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート、アタクティックポリスチレン、シンジオタクティックポリスチレン、ポリフェニレンスルフィド等の熱可塑性樹脂が挙げられる。これらは2種以上混合して用いることもできる。
これらの中でも、耐薬品性や生産コスト等の観点より、オレフィン系樹脂を用いることが好ましく、プロピレン系樹脂及びまたはエチレン系樹脂を用いることがより好ましい。プロピレン系樹脂としてはプロピレンを単独重合させたアイソタクティック重合体またはシンジオタクティック重合体を用いることが好ましい。また、エチレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、4−メチル−1−ペンテン等のα−オレフィンとプロピレンとを共重合させた様々な立体規則性を有するプロピレンを主成分とする共重合体を使用することもできる。共重合体は2元系でも3元系以上の多元系でもよく、またランダム共重合体でもブロック共重合体でもよい。
熱可塑性樹脂(a1 )中に配合される化学発泡剤としては、アゾジカルボンアミド、アゾビスイソブチロニトリル、ジアゾアミノベンゼン、N,N´−ジニトロソペンタメチレンテトラミン、N,N´−ジメチル−N,N´−ジニトロテレフタルアミド、ベンゼンスルホニルヒドラジド、p−トルエンスチレンスルホニルヒドラジド、p,p´−オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジド、重炭酸ナトリウム塩、クエン酸ナトリウム塩等及びこれらの混合物等を挙げることができる。熱可塑性樹脂(a1 )中に配合される物理発泡剤としては、プロパン、ブタン、ペンタン、ジクロロジフルオロメタン、ジクロロモノフルオロメタン、トリクロロモノフルオロメタン等を挙げることができる。また、これらの発泡剤を使用する際に、通常使用される発泡助剤、架橋剤、核剤等の配合剤を併用してもよく、また、発泡体は架橋させたものでも良い。
熱可塑性樹脂(a2 )に添加される充填剤としては、無機充填剤として、粒径が0.05〜30μmの炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、燐酸アルミニウム、タルク、マイカ、クレイ、カーボンブラック、グラファイト、ゼオライト、硫酸バリウム、含水珪酸カルシウム、珪藻土、酸化チタン、硫酸アルミニウム、シリカなどを、有機充填剤としては、粒径が0.5〜2,000μmのフェノール樹脂粉、エボナイト粉等、繊維では、径が3〜30μmで長さが1〜10mmのガラス系、パルプ系、アスベスト系、ポリエチレンテレフタレート系、ポリアミド系等の繊維を挙げることができる。
熱可塑性樹脂(a1 )と熱可塑性樹脂(a2 )には必要に応じて酸化防止剤、着色剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、分散剤、核剤、可塑剤及び脂肪酸金属塩、脂肪酸アミドのスリップ剤などの添加剤を添加しても良い。
基材層(A)は、ダイスから出た時点で熱可塑性樹脂(a1)中の発泡剤の発泡を行って内部に気泡を形成したものである。基材層(A)の発泡倍率は1.4〜8.5倍の範囲であり、1.5〜8倍とすることが好ましく、1.7〜7.5倍とすることがより好ましい。発泡倍率が1.4倍に満たない場合は、軽量化が不充分であり、逆に8.5倍を越えると発泡セルが大きくなりサイズが不均一となりやすく成形が困難な場合が多い。
熱可塑性樹脂(a2 )に用いられる充填剤の含有率は0〜80重量%、好ましくは0〜60重量%である。充填剤を含有しない場合、熱可塑性樹脂で形成される層が内部に気泡を形成した層の両面に設けることで気泡によりできた表層の凹凸を滑らかにすることができる。また充填剤を含有させる場合、押出発泡時に発泡による体積膨脹に起因する波状の変形(コルゲート)を抑制することができ冷却が均一となり、シートの流れ方向(機械方向)と平行の筋が無くなり、熱可塑性樹脂フィルム(B)にサーマルラミネーションする場合に均一な貼り合わせ品となることで、皺やアバタが発生を抑制することができる。充填剤の含有率が80重量%を超えると溶融粘度が高くなり過ぎて流れ性が低下し、共押出成形が困難となる。
熱可塑性樹脂(a1 )と熱可塑性樹脂(a2 )で基材層(A)を構成する場合は、Tダイより押し出される前の溶融状態で積層する方法であれば良い。一般的には両樹脂をそれぞれの押出機で溶融・混練した後にTダイ内で積層するマルチマニホールド方式や、Tダイに流入させる前に積層するフィードブロック方式等多層Tダイであれば良い。Tダイにて共押出成形を行わない場合には、コルゲートが発生しシートが波打つ。好ましくは、熱可塑性樹脂(a1 )の両面に熱可塑性樹脂(a2 )が積層されるようにTダイより共押出する。
また、熱可塑性樹脂(a1 )と熱可塑性樹脂(a2 )との積層と同時に、発泡剤を含有した熱可塑性樹脂(a1 )中の発泡剤の発泡を行って、内部に気泡を形成するものである。
また、基材層(A)の肉厚は、50〜4900μm、特に50〜3000μmであることが好ましい。熱可塑性樹脂(a1 )層と熱可塑性樹脂(a2 )層との肉厚比は、構成する樹脂、発泡倍率によって異なるが、熱可塑性樹脂(a2 )層の厚みが基材層(A)全体の厚みに対して0〜70%程度、特に0〜50%であることが好ましい。熱可塑性樹脂(a2 )層の厚みが基材層(A)全体の厚みに対して70%を越えると軽量化が不十分となる。
熱可塑性樹脂フィルム(B)に使用する熱可塑性樹脂の種類は特に制限されず、例えば、基材層(A)に使用されるものと同様のものがあげられる。
オレフィン系樹脂を用いることが好ましく、プロピレン系樹脂及びまたはエチレン系樹脂を用いることがより好ましい。
熱可塑性樹脂フィルム(B)は、熱可塑性樹脂を35〜100重量%好ましくは50〜97重量%、無機微細粉末及び/又は有機微細粉末を65〜0重量%、好ましくは50〜3重量%含有してもよい。無機微細粉末としては、例えば、炭酸カルシウム、焼成クレイ、シリカ、けいそう土、タルク、酸化チタン、硫酸バリウム、アルミナ等が用いられ、平均粒径が0.01〜15μmのものが好ましい。
有機微細粉末としては、熱可塑性樹脂フィルム(B)がオレフィン系樹脂フィルムである場合は、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ナイロン−6、ナイロン−6,6、環状オレフィンの重合体や環状オレフィンの共重合体(COC)等であって、オレフィン系樹脂の融点より高い融点(例えば170〜300℃)またはガラス転移温度(例えば、170℃〜280℃)を有するものが使用される。
熱可塑性樹脂フィルム(B)の構造は、単層、ベース層と表面層の2層構造、ベース層の表裏面に表面層が存在する3層構造、およびベース層と表面層の間に他の樹脂フィルム層が存在する多層構造のいずれでもよい。
熱可塑性樹脂フィルム(B)が単層のオレフィン系樹脂フィルムである場合、通常、熱可塑性樹脂フィルム(B)は、オレフィン系樹脂を35〜100重量%および無機微細粉末及び/又は有機微細粉末を65〜0重量%含有する。好ましくは、オレフィン系樹脂を50〜97重量%、および無機微細粉末及び/又は有機微細粉末を50〜3重量%含有する。
熱可塑性樹脂フィルム(B)がベース層および表面層を有する多層構造である場合、好ましくは、ベース層は、オレフィン系樹脂を35〜100重量%、および無機微細粉末及び/又は有機微細粉末を65〜0重量%含有し、表面層はオレフィン系樹脂を25〜100重量%、および無機微細粉末及び/又は有機微細粉末を75〜0重量%含有する。さらに好ましくは、ベース層はオレフィン系樹脂を50〜97重量%、および無機微細粉末及び/又は有機微細粉末を50〜3重量%含有し、表面層はオレフィン系樹脂を30〜97重量%、および無機微細粉末及び/又は有機微細粉末を70〜3重量%含有する。
柔軟性のある熱可塑性樹脂フィルム(B)を得るためには、無機微細粉末及び/又は有機微細粉末は、単層構造、または多層構造のベース層中の含有量が65重量%以下であることが好ましく、表面強度をよりよいレベルとするためには、表面層中の含有量が75重量%以下であることが好ましい。
熱可塑性樹脂フィルム(B)は必要に応じて、さらに、安定剤、光安定剤、分散剤、滑剤等を含有してもよい。例えば、安定剤として、立体障害フェノール系、リン系、アミン系等の安定剤を0.001〜1重量%、光安定剤として、立体障害アミン、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系などの光安定剤を0.001〜1重量%、無機微細粉末の分散剤として、シランカップリング剤、オレイン酸やステアリン酸等の高級脂肪酸、金属石鹸等を0.01〜4重量%配合してもよい。
熱可塑性樹脂フィルム(B)の形成方法は特に限定されず、公知の種々の方法が使用できる。具体例としては、上記の成分からなる組成物を、スクリュー型押出機に接続された単層または多層のTダイやIダイを使用して溶融樹脂をシート状に押し出すキャスト成形、カレンダー成形、圧延成形、延伸成形、インフレーション成形、熱可塑性樹脂と有機溶媒やオイルとの混合物をキャスト成形またはカレンダー成形し、その後溶剤やオイルを除去する方法、および熱可塑性樹脂を溶液として成形し、その後溶媒除去する方法などが挙げられる。なかでも、幅や面積の大きいフィルムの成形に適した延伸成形が好ましい。
延伸には、公知の種々の方法が使用できる。方法は特に制限されないが、例えば、ロール群の周速差を利用した縦延伸、テンターオーブンを使用した横延伸、圧延、テンターオーブンとリニアモーターの組み合わせによる同時二軸延伸などを挙げることができる。
延伸の温度は、熱可塑性樹脂の種類および延伸プロセスに合わせて適宜選択される。具体的には、非結晶樹脂の場合は使用する熱可塑性樹脂のガラス転移点温度以上、結晶性樹脂の場合には、非結晶部分のガラス転移点温度以上から結晶部の融点以下に設定することができる。特に、熱可塑性樹脂がプロピレン単独重合体(融点155〜167℃)の場合には110〜164℃、高密度ポリエチレン(融点121〜134℃)の場合には110〜120℃であり、融点より2〜60℃低い温度にすることが好ましい。また、ポリエチレンテレフタレート(融点246〜252℃)の場合には、結晶化が急激に進まない温度を選択する。
延伸速度は20〜350m/分にすることが好ましい。
延伸倍率は、特に限定されず、目的と使用する熱可塑性樹脂の特性により適宜選択される。例えば、熱可塑性樹脂としてプロピレン単独重合体またはその共重合体を使用し、一方向に延伸する場合は好ましくは約1.2〜12倍、より好ましくは2〜10倍であり、二軸延伸の場合には面積倍率で好ましくは1.5〜60倍、より好ましくは10〜50倍である。その他の熱可塑性樹脂を使用し、一方向に延伸する場合は好ましくは1.2〜10倍、より好ましくは2〜5倍であり、二軸延伸の場合には面積倍率で好ましくは1.5〜20倍、より好ましくは4〜12倍である。さらに、必要に応じて高温での熱処理が施される。
熱可塑性樹脂フィルム(B)がプロピレン単独重合体を使用し、熱可塑性樹脂フィルム(B)の形成方法がテンターオーブンを用いた横延伸工程を含む場合、後半に熱セットゾーンを設け、その設定温度をできるだけ高くし、延伸成形されたポリプロピレン系フィルムの温度を、最も高い場合はその融解温度近傍まで高くすることは、熱収縮率低減に効果がある。この目的において、熱セットゾーンの設定温度は、延伸工程のライン速度や熱セットゾーンで吹き付けられる高温空気の流速や流量、熱セットゾーンの構造等により種々の選択が可能であるが、例えば、158〜190℃の範囲が使用される。
熱可塑性樹脂フィルム(B)の成形後の厚さは、通常30〜500μm、好ましくは35〜350μmである。特に無機及び/又は有機微細粉末を含有する場合には、厚さが30μm未満ではフィルム強度が不足する傾向があり、基材層(A)と貼り合わせる場合シワになりやすくなる。
熱可塑性樹脂フィルム(B)が、無機微細粉末及び/又は有機微細粉末を含有する場合、フィルム表面に微細な亀裂を、フィルム内部に微細な空孔を生じさせる事もできる。このような場合、延伸工程を経て製造されるフィルムは、微細なボイドを有する。
熱可塑性樹脂フィルム(B)は、好ましくは、以下の式で表される空孔率が0〜60%であり、より好ましくは5〜40%である。
空孔率(%) = 〔(ρ0 −ρ1 )ρ0 〕 × 100
式中、ρ0 はフィルムの真密度を表し、ρ1 はフィルムの延伸後の密度(JIS−P−8118)を表す。延伸前の材料が多量の空気を含有するものでない限り、真密度ρ0 は延伸前の密度にほぼ等しい。
得られた熱可塑性樹脂フィルム(B)の物性は、一般に、密度0.65〜1.2g/cm3 、不透明度20%以上、ベック平滑度50〜25,000秒である。
熱可塑性樹脂フィルム(B)には、インキ受容層やインキの密着性向上、インキ受容層や接着剤と熱可塑性樹脂フィルム(B)との接着性向上、および帯電防止のために、表面処理を施すことが好ましい。表面処理の方法としては、表面酸化処理や表面処理剤による処理を挙げることができる。表面酸化処理と表面処理剤による処理は組み合わせて行うのが好ましい。
熱可塑性樹脂フィルム(B)の表面に形成されるインキ受容層は、ピグメントを主成分とし、これに水系接着剤、インクセット剤を含有するものであり、好ましくは、固形分量で無機質のピグメントを50〜88重量%、水系接着剤を10〜40重量%、インクセット剤を2〜20重量%の割合で含有する。
ピグメントとしては、合成シリカ、アルミナヒドロゾル、タルク、炭酸カルシウム、クレイ等が挙げられるが、中でも多孔質の合成シリカ、アルミナヒドロゾルが好ましい。また、接着剤としては、ポリビニルアルコール、シラノール基を含むエチレン・ビニルアルコール共重合体、ポリビニルピロリドン、エチレン・酢酸ビニル共重合体、メチルエチルセルロース、ポリアクリル酸ソーダ、澱粉等が挙げられる。中でもピグメントが多孔質の合成シリカ、アルミナゾルである場合は、ポリビニルアルコール、シラノール基を含むエチレン・ビニルアルコール共重合体の水系接着剤が好ましい。
インクセット剤としては、ポリエチレンイミンの4級アンモニウム塩、4級アンモニウム基を共重合成分として含むアクリル共重合体、ポリアミンポリアミドのエピクロルヒドリン付加物等が挙げられる。
熱可塑性樹脂フィルム(B)の表面にインキ受容層を形成するには、上記成分を含有する塗工剤を延伸樹脂フィルムの表面に5〜50g/m2 、好ましくは10〜30g/m2 (固形分量)で塗布し、乾燥させる。必要により、乾燥したインキ受容層の表面にスーパーカレンダー処理を行って平滑にする。
インキ受容層の表面の光沢度(JIS−P−8142に準拠)は、70%以下、好ましくは60%以下である。さらに好ましくは1〜50%である。70%を超えては、屋外に使用する看板に用いた場合太陽光が反射し、また、屋内に於いては蛍光灯の照明が反射して印字された図柄・文字が読みにくく見栄えが良くない。
表面酸化処理としては、フィルムに一般的に使用されるコロナ放電処理、フレーム処理、プラズマ処理、グロー放電処理、オゾン処理などを単独または組み合わせて使用することができる。なかでも、コロナ処理、フレーム処理が好ましい。
表面処理剤としては、プライマーや帯電防止性ポリマーの中から選ばれる1種または2種以上の混合物を主成分とするものを好ましく用いることができる。中でも、プライマーないしはプライマーと帯電防止性ポリマーとの組み合わせからなる表面処理剤を用いることが、インキ付着と帯電防止の観点から好ましい。
プライマーとしては、例えば、ポリエチレンイミン、炭素数1〜12の範囲のアルキル変性ポリエチレンイミン、ポリ(エチレンイミン−尿素)およびポリアミンポリアミドのエチレンイミン付加物およびポリアミンポリアミドのエピクロルヒドリン付加物等のポリエチレンイミン系重合体、アクリル酸アミド−アクリル酸エステル共重合体、アクリル酸アミド−アクリル酸エステル−メタクリル酸エステル共重合体、ポリアクリルアミドの誘導体、オキサゾリン基含有アクリル酸エステル系重合体、ポリアクリル酸エステル等のアクリル酸エステル系重合体、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール等の水溶性樹脂、またポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化ビニリデン、塩素化ポリプロピレン、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体等の水分散性樹脂等が用いられる。
帯電防止ポリマーとしては、カチオン系、アニオン系、両性系等の高分子型のものが挙げられる。カチオン系帯電防止ポリマーとしては、四級アンモニウム塩構造やホスホニウム塩構造を有するポリマー、窒素含有アクリル系ポリマー、四級アンモニウム塩構造の窒素を有するアクリル系ないしはメタクリル系ポリマーを挙げることができる。また両性系帯電防止ポリマーとしては、ベタイン構造の窒素を有するアクリル系ないしはメタクリル系ポリマーを挙げることができる。またカチオン系帯電防止ポリマーとしては、スチレン−無水マレイン酸共重合体ないしはそのアルカリ金属塩、エチレン−アクリル酸共重合体のアルカリ金属塩ないしはエチレン−メタクリル酸共重合体のアルカリ金属塩などが挙げられる。中でも、四級アンモニウム塩構造の窒素を有するアクリル系ないしはメタクリル系ポリマーを用いることが好ましい。
必要に応じて架橋剤、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩などを含む表面処理剤を好ましく用いることができる。
表面処理剤に架橋剤を添加しておくことにより、さらに塗膜強度や耐水性を向上させることができる。架橋剤としては、グリシジルエーテル、グリシジルエステル等のエポキシ系化合物、エポキシ樹脂、イソシアネート系、オキサゾリン系、ホルマリン系、ヒドラジド系等の水分散型樹脂が挙げられる。
表面処理層の各成分は、水或いはメチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール等の親水性溶剤に溶解させてから用いるものであるが、中でも水溶液の形態で用いるのが普通である。溶液濃度は通常0.1〜25重量部、好ましくは0.1〜11重量部程度である。
塗工は、公知の方法から適宜選択して行うことができる。塗工方法としては、ロールコーター、ブレードコーター、バーコーター、エアーナイフコーター、サイズプレスコーター、グラビアコーター、リバースコーター、ダイコーター、リップコーター、スプレーコーター等により行われ必要によりスムージングを行ったり、乾燥工程を経て、余分な水や親水性溶剤が除去される。
塗工量は、乾燥後の固形分として0.005〜5g/m2 、好ましくは0.01〜2g/m2 である。熱可塑性樹脂フィルム(B)へのインキ受容層の塗工は、その縦または横延伸の前後を問わず一段の塗工でも多段の塗工でもよい。
基材層(A)に熱可塑性樹脂フィルム(B)を貼り合わせるには、熱可塑性樹脂フィルム(B)のインキ受容層が表面を形成するように、基材層(A)の片面若しくは両面に貼り合わせることによって一体化される。また、基材層が熱可塑性樹脂(a1 )と熱可塑性樹脂(a2 )で構成される場合は、熱可塑性樹脂(a2 )側に貼り合わせすると充填剤の存在によりサーマルラミネーション時のコルゲート現象が抑えられる。
基材層(A)と熱可塑性樹脂フィルム(B)との貼り合わせる方法としては、種々の方法がある。基材層(A)が発泡剤を含有する熱可塑性樹脂(a1 )単独の場合と基材層(A)が熱可塑性樹脂(a1 )および熱可塑性樹脂(a2 )で構成される場合があり、いずれもTダイから押し出されたシートが溶融状態を保つうちにその熱を利用して、基材層(A)の少なくとも片面に金属ロール又はゴムロールにより熱可塑性樹脂フィルム(B)を加圧溶着させるサーマルラミネート法がある。
また、基材層(A)に結合層(C)を介し熱可塑性樹脂フィルム(B)を貼り合わせる方法があり、結合層(C)には熱可塑性樹脂または溶剤型接着剤を用いてもよい。
結合層(C)に熱可塑性樹脂を用いる場合は、基材層(A)を構成する熱可塑性樹脂(a1 )あるいは熱可塑性樹脂(a1 )と熱可塑性樹脂(a2 )および結合層(C)に使用する熱可塑性樹脂をそれぞれの押出機で溶融・混練した後にTダイ内で結合層(C)が最表層になるように積層するマルチマニホールド方式や、Tダイに流入させる前に積層するフィードブロック方式等多層Tダイであれば良く、Tダイより共押出した基材層(A)と結合層(C)が溶融状態を保つうちに、その熱を利用し少なくとも片面に熱可塑性樹脂フィルム(B)のインキ受容層の反対面を金属ロールまたはゴムロールにより加圧融着させるサーマルラミネート法で貼り合わせることができる。
また結合層(C)と熱可塑性樹脂フィルム(B)は、公知の粘着剤を用いて貼り合わせても良い。
結合層(C)に使用する熱可塑性樹脂としては、低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、エチレン・酢酸ビニル共重合体(好ましくは酢酸ビニル含量が12重量%以下のエチレン・酢酸ビニル共重合体)、エチレン・アクリル酸共重合体(好ましくはエチレン含量が65〜94重量%のエチレン・アクリル酸共重合体)、エチレン・メタクリル酸アルキルエステル共重合体、アイオノマー(エチレン・アクリル酸共重合体の金属塩、エチレン・メタクリル酸共重合体の金属塩)、エチレン・プロピレン共重合体、エチレン・プロピレン・ブテン−1共重合体、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体などを挙げることができる。
また溶剤型接着剤としては、ポリエーテルポリオール・ポリイソシアネート接着剤、ポリエステル・ポリオール・ポリイソシアネート接着剤等を挙げることができる。
結合層(C)の肉厚は基材層(A)と熱可塑性樹脂フィルム(B)との接着力で決定され、一般に1〜30μm、好ましくは1〜20μmの厚みで使用される。具体的には塗布型の接着剤は1〜20g/m2 、好ましくは2〜6g/m2 の量で塗布される。ホットメルト型の接着剤は溶融押出ラミネートされ、8〜30μm、好ましくは8〜20μmの厚みで熱融着される。
基材層(A)と熱可塑性樹脂フィルム(B)、あるいは基材層(A)と結合層(C)、熱可塑性樹脂フィルム(B)で構成されたインクジェット記録用シートの肉厚は、100〜5000μm、好ましくは300〜3000μmのものが用いられる。
本発明は、軽量、外観美麗で、かつ印字性、耐久性、遮光性に優れたインクジェット記録用シートであることから、特にポスター、パンフレット、立看板、吊り下がり看板等の各種表示体や各種トレイ等の熱成形用シート基材として有用である。
なお、本発明のインクジェット記録用シートは、インクジェットプリンター用記録用紙として使用できることに加えて、インクリボンを使用する溶融熱転写プリンターや昇華熱転写プリンター、さらにはページプリンター用の記録用紙としても使用可能である。
本発明のインクジェット記録用シートはこれを構成する基材層(A)の発泡倍率や熱可塑性樹脂(a1)の配合剤や熱可塑性樹脂(a2)の充填剤、熱可塑性
樹脂フィルム(B)の不透明度、結合層(C)の不透明度、および各層の厚みなどを変更することで、所望の不透明度を得ることができる。
本発明のインクジェット記録用シートの不透明度が70%を越えて、100%以下の範囲の、好ましくは80〜100%、より好ましくは90〜100%の範囲の不透明なシートである場合、両面にインキ受容層を設けて、両面にインクジェット印刷等の記録を行った場合に、反対面の記録が透けて見えない利点を有するインクジェット記録用シートとすることができる。
このような不透明性を効果的に付与するために、本発明のインクジェット記録用シートは更にこれを構成する層内に、及び/又は層間に隠蔽層を設けても良い。
このような隠蔽層としては、例えば、熱可塑性樹脂フィルム(B)への黒ベタ印刷や、熱可塑性樹脂(a1 )、熱可塑性樹脂(a2)、結合層(C)への充填剤としての酸化チタンやカーボンブラック等の添加、結合層(C)と熱可塑性樹脂フィルム(B)が粘着剤によって貼り合わされる場合に該粘着剤へのチタンホワイト等の添加、更には基材層(A)と熱可塑性樹脂フィルム(B)の間、又は熱可塑性樹脂フィルム(B)とインキ受容層の間に設ける金属薄膜層(例えばアルミ蒸着層やホットスタンプ)などを用いることができる。
本発明のインクジェット記録用シートの不透明度が30〜70%の範囲の、好ましくは40〜68%、より好ましくは50〜65%の範囲の半透明なシートである場合、電飾用看板等として活用した場合に、両面に同様の印刷を施してそのコントラストを強調したり、異なる印刷を施して電飾時に浮き上がる様な効果が得られるインクジェット記録用シートとすることができる。
このような半透明性は、基材層(A)の発泡倍率を低減したり、これを構成する熱可塑性樹脂の充填剤の量を低減したり、核剤等の配合剤を添加したり、熱可塑性樹脂フィルム(B)の不透明度の低いものを使用しこれを構成することで、効果的に得られる。
以下に実施例、比較例を記載して本発明をさらに具体的に説明する。以下の実験例及び製造例に示す材料、使用量、割合、操作等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す具体例に制限されるものではない。
(実施例1)
<熱可塑性樹脂フィルム(B)の製造>
メルトフローレート(MFR:230℃、2.16kg荷重)が4g/10分のポリプロピレン74重量%に、メルトフローレート(MFR:190℃、2.16kg荷重)が8g/10分の高密度ポリエチレン10重量%及び平均粒径1.5μmの炭酸カルシウム16重量%を混合した組成物に対して4−メチル−2,6−ジ−t−ブチルフェノール0.05重量部とフェノール系安定剤(チバガイキー社製、イルガノックス1010)0.08重量部、リン系安定剤(ジー・イー・プラスチック社製、ウエストン618)0.05重量部を配合し、組成物(A)とした。この組成物(A)を250℃に設定した押出機にて混練した後、230℃に設定した押出機に接続したTダイより押しだし冷却装置にて冷却して無延伸シートを得た。このシートを155℃の温度に加熱して、周速の異なるロール群からなる縦延伸機で縦方向に4.5倍延伸した。
一方、メルトフローレート(MFR:230℃、2.16kg荷重)が11g/10分のポリプロピレン51.5重量%に対し、平均粒径1.3μmの炭酸カルシウム45重量%、メルトフローレート(MFR:190℃、2.16kg荷重)が10g/10分の高密度ポリエチレン3.5重量%混合した組成物に対して、3−メチル−2,6−ジ−t−ブチルフェノール0.05重量部とフェノール系安定剤(チバガイキー社製、イルガノックス1010)0.08重量部、リン系安定剤(ジー・イー・プラスチック社製、ウエストン618)0.05重量部を配合し、組成物(B)とした。この組成物(B)を240℃に設定した押出機で溶融混練させた後、Tダイによりシート状に押し出して上記で得た組成物(A)の延伸シートの両面に積層し3層積層物(B/A/B)を得た。
得られた3層積層物をテンターオーブンにて150℃に加熱した後、横方向に9倍延伸し、テンターオーブンに続いた熱セットゾーン(設定温度165℃)を通過させて肉厚が80μmで坪量が60g/m2 の延伸フィルムを得た。
<インキ受容層の形成>
上記延伸フィルムの片面に、次の組成の塗工剤を固型分含量が20g/m2 となるように塗布し乾燥した後、スーパーカレンダーで平滑処理を行って肉厚120μmのインクジェット受容層を持った光沢度2%の熱可塑性樹脂フィルム(B)を得た。
塗工剤組成:合成シリカ粉末80重量部焼成クレイ20重量部ポリビニルアルコール10重量部ポリアミドポリアミンのエピクロルヒドリン付加物5重量部エチレン・酢酸ビニル共重合体エマルジョン(固型分40重量%)100重量部、4級アンモニウム塩を含むアクリル共重合体エマルジョン(固型分25重量%)40重量部、水1600重量部。
<基材層(A)の製造>
メルトフローレート(MFR:230℃、2.16kg荷重)が2.3g/10分の日本ポリケム(株)製エチレンブロック共重合体100重量部に対し発泡剤としてクエン酸モノナトリウムと炭酸水素ナトリウムの1:1の混合物3.5重量部を配合して、熱可塑性樹脂(a1 )とし口径65mmの押出機で溶融混練し、一方、メルトフローレート(MFR:230℃、2.16kg荷重)が1.8g/10分の日本ポリケム(株)製プロピレン・エチレンブロック共重合体51重量%に充填剤としてタルク49重量%を配合した熱可塑性樹脂(a2 )を口径90mmの押出機で溶融混練した混合物を、熱可塑性樹脂(a1 )を中間層とし熱可塑性樹脂(a2 )両外層としてフィードブロックで三層に積層した後、幅750mmのTダイから共押出して中間層を発泡させることで基材層(A)を得た。得られた基材層(A)の肉厚は1253μmであり、熱可塑性樹脂(a2 )の厚み割合は15%であった。なお、発泡倍率は3.1倍であった。
<基材層(A)と熱可塑性樹脂フィルム(B)の貼り合わせ>
Tダイより押し出した基材層(A)の溶融状態のシートが180℃以上の温度を保持しているうちに、その表裏両表面に熱可塑性樹脂フィルム(B)のインキ受容層の反対面を結合面とし金属ロールまたはゴムロールにより加圧融着させた。このとき、メルトフローレート(MFR:190℃、2.16kg荷重)が7g/10分のエチレン・プロピレン共重合体を結合層として用いサーマルラミネートして熱可塑性樹脂フィルム(B)(肉厚120μm)/結合層(C)(肉厚3.5μm)/基材層(A)(肉厚1253μm)/結合層(C)(肉厚3.5μm)/熱可塑性樹脂フィルム(B)(肉厚120μm)よりなる肉厚1500μmで密度0.50g/cm3 のシートを得た。評価結果を表1に示す。
(比較例1)
熱可塑性樹脂フィルム(B)にインキ受容層を設けなかった以外は実施例1と同様の操作を行い、熱可塑性樹脂フィルム(B)(肉厚80μm)/結合層(C)(肉厚3.5μm)/基材層(A)(肉厚1253μm)/結合層(C)(肉厚3.5μm)/熱可塑性樹脂フィルム(B)(肉厚80μm)よりなる肉厚1420μmで密度0.50g/cm3 のシートを得た。評価結果を表1に示す。
(比較例2)
基材層(A)を構成する熱可塑性樹脂(a1 )に配合する発泡剤を減量し、該樹脂の押出量を増加させて、基材層(A)の発泡倍率を1.2倍とした以外は実施例1と同様の操作を行い、熱可塑性樹脂フィルム(B)(肉厚120μm)/結合層(C)(肉厚3.5μm)/基材層(A)(肉厚1253μm)/結合層(C)(肉厚3.5μm)/熱可塑性樹脂フィルム(B)(肉厚120μm)よりなる肉厚1500μmで密度0.86g/cm3 のシートを得た。評価結果を表1に示す。
(実施例2)
基材層(A)を構成する熱可塑性樹脂(a1 )に配合する発泡剤を増量し、該樹脂の押出量を減少させて、基材層(A)の発泡倍率を7.3倍とした以外は実施例1と同様の操作を行い、熱可塑性樹脂フィルム(B)(肉厚120μm)/結合層(C)(肉厚3.5μm)/基材層(A)(肉厚1253μm)/結合層(C)(肉厚3.5μm)/熱可塑性樹脂フィルム(B)(肉厚120μm)よりなる肉厚1500μmで密度0.38g/cm3 のシートを得た。評価結果を表1に示す。
(比較例3)
基材層(A)を構成する熱可塑性樹脂(a1 )に配合する発泡剤を増量し、該樹脂の押出量を減少させて、基材層(A)の発泡倍率を9倍とした以外は実施例1と同様の操作を行い、熱可塑性樹脂フィルム(B)(肉厚120μm)/結合層(C)(肉厚3.5μm)/基材層(A)(肉厚1253μm)/結合層(C)(肉厚3.5μm)/熱可塑性樹脂フィルム(B)(肉厚120μm)よりなる肉厚1500μmで密度0.365g/cm3 のシートを得た。評価結果を表1に示すが、基材層の気泡によりできた表層の凹凸が大きく外観が不良であった。
(比較例4)
熱可塑性樹脂フィルム(B)を構成する組成物(B)に炭酸カルシウムを混合せずに、ポリプロピレンの混合比を96.5重量%として表面光沢度が90%の3層積層物を得て、これにインキ受容層を設け、特にこれの表面にスーパーカレンダー処理を施し、熱可塑性樹脂フィルム(B)の表面光沢度を76%にした以外は実施例1と同様の操作を行い、熱可塑性樹脂フィルム(B)(肉厚120μm)/結合層(C)(肉厚3.5μm)/基材層(A)(肉厚1253μm)/結合層(C)(肉厚3.5μm)/熱可塑性樹脂フィルム(B)(肉厚120μm)よりなる肉厚1500μmで密度0.50g/cm3 のシートを得た。評価結果を表1に示すが、表面光沢度が高すぎ屋外に使用する看板に用いた場合太陽光が反射し、印字された図柄・文字が読みにくく外観不良とした。
(実施例3)
基材層(A)を構成する熱可塑性樹脂(a1)、熱可塑性樹脂(a2 )の押出
量を調整し、基材層(A)の肉厚を253μmとし、熱可塑性樹脂(a2 )の厚み比率を23.7%にした以外は実施例1と同様の操作を行い、熱可塑性樹脂フィルム(B)(肉厚120μm)/結合層(C)(肉厚3.5μm)/基材層(A)(肉厚253μm)/結合層(C)(肉厚3.5μm)/熱可塑性樹脂フィルム(B)(肉厚120μm)よりなる肉厚500μmで密度0.64g/cm3 のシートを得た。評価結果を表1に示す。
(実施例4)
熱可塑性樹脂フィルム(B)を構成する組成物(A)におけるポリプロピレンの混合比を87重量%に、炭酸カルシウムの混合比を3重量%に変更し、得られた3層積層物をテンターオーブンにて160℃に加熱した後、横方向に8倍延伸し、テンターオーブンに続いた熱セットゾーン(設定温度165℃)を通過させて肉厚が80μmで坪量が80g/m2 、不透明度が34%の延伸フィルムを得て、これにインキ受容層を設けて、光沢度1.7%の熱可塑性樹脂フィルム(B)を得た。
更に基材層(A)を構成する熱可塑性樹脂(a1 )に配合する発泡剤を減量して、且つ熱可塑性樹脂(a2 )にタルクを混合せずにプロピレン・エチレンブロック共重合体100重量%とし、各樹脂の押出量を変更して基材層(A)の発泡倍率を1.5倍とした以外は実施例−1と同様の操作を行い、熱可塑性樹脂フィルム(B)(肉厚120μm)/結合層(C)(肉厚3.5μm)/基材層(A)(肉厚1253μm)/結合層(C)(肉厚3.5μm)/熱可塑性樹脂フィルム(B)(肉厚120μm)よりなる肉厚1500μmで密度0.70g/cm3 、不透明度が60%のシートを得た。評価結果を表1に示す。
<評価>
実施例及び比較例の各記録媒体の評価は以下に示す方法で行った。
評価プリンターとしてはEPSON(株)製のPM−700C(商品名)を使用した。評価結果は表1にまとめた。
(1)外観
蛍光灯の光を斜めから当て、表面外観を目紙で観察した。
外観:
(○):表面に基材層のボコツキや、ハレーション(光源光の鏡面反射)は見られない、
(△):表面にハレーション(光源光の鏡面反射)が見られる、
(×):表面に基材層のボコツキが見られる、
(2)搬送性
A3サイズのシート20枚を連続で通紙し、スムーズに給排紙するか観察した。
搬送性:
(○):全て問題なくスムーズに給排紙した、
(×):途中で紙詰まりを起こし、プリンターが停止した、
(3)インキの密着性
ニチバン(株)製粘着テープ「セロテープ」(商標名)を印刷面上に強く接着させ、次いで印字面に沿って素早く粘着テープを剥離し、紙面上のインキの残留程度を目視判定した。
インキ残留率:100〜95%良好 (○)
95〜80%やや不良(△)
80〜0%不良 (×)
(4)発泡倍率
下記に示す計算方法により、本発明の基材層(A)の発泡倍率を算出した。
発泡倍率(倍) = 発泡前のシート密度/発泡後のシート密度
(5)肉厚
本発明における肉厚は、JIS−P−8118に記載の方法により測定した。また積層体各層の厚みは、積層体断面の電子顕微鏡観察結果と上記方法との組み合わせにより算出した。
(6)光沢度
本発明における光沢度は、JIS−P−8142に記載の方法により測定した。
(7)不透明度
本発明における不透明度は、JIS−P−8138に記載の方法に準拠し、試料背面に黒色板を当てて測定した値を、同試料背面に白色板を当てて測定した値で除した数値を百分率で表示したものである。
Figure 2004216890

Claims (18)

  1. 発泡剤を含有する熱可塑性樹脂(a1 )を有する発泡倍率が1.4〜8.5倍の基材層(A)の少なくとも片面に、インキ受容層を有する熱可塑性樹脂フィルム(B)をインキ受容層が表面を形成するように貼り合わせたことを特徴とするインクジェット記録用シート。
  2. 基材層(A)が、熱可塑性樹脂(a1 )と充填剤含有熱可塑性樹脂(a2 )とを積層してなるものであることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録用シート。
  3. 熱可塑性樹脂(a1 )及び充填剤含有熱可塑性樹脂(a2 )がオレフィン系樹脂よりなることを特徴とする請求項1または2に記載のインクジェット記録用シート。
  4. オレフィン系樹脂がプロピレン系樹脂及び/又はエチレン系樹脂であることを特徴とする請求項3に記載のインクジェット記録用シート。
  5. 肉厚が100〜5,000μmであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のインクジェット記録用シート。
  6. 熱可塑性樹脂フィルム(B)が熱可塑性樹脂を35〜100重量%、無機微細粉末及び/又は有機微細粉末を65〜0重量%含有することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のインクジェット記録用シート。
  7. 熱可塑性樹脂フィルム(B)がオレフィン系樹脂であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のインクジェット記録用シート。
  8. オレフィン系樹脂がプロピレン系樹脂及び/又はエチレン系樹脂であることを特徴とする請求項7に記載のインクジェット記録用シート。
  9. 熱可塑性樹脂フィルム(B)のインキ受容層側の光沢度が70%以下であることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載のインクジェット記録用シート。
  10. Tダイより押出した基材層(A)が溶融状態を保つうちに、その熱を利用し少なくとも片面に熱可塑性樹脂フィルム(B)のインキ受容層の反対面を金属ロールまたはゴムロールにより加圧融着させ貼り合わせてなることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載のインクジェット記録用シート。
  11. 基材層(A)に結合層(C)を介し熱可塑性樹脂フィルム(B)を貼り合わせてなることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載のインクジェット記録用シート。
  12. Tダイより共押出した基材層(A)と結合層(C)が溶融状態を保つうちに、その熱を利用し少なくとも片面に熱可塑性樹脂フィルム(B)のインキ受容層が表層になるように金属ロールまたはゴムロールにより加圧融着させ貼り合わせてなることを特徴とする請求項11に記載のインクジェット記録用シート。
  13. 結合層(C)が熱可塑性樹脂であることを特徴とする請求項11に記載のインクジェット記録用シート。
  14. 熱可塑性樹脂がオレフィン系樹脂を含むものであることを特徴とする請求項13に記載のインクジェット記録用シート。
  15. オレフィン系樹脂がプロピレン系樹脂及び/又はエチレン系樹脂であることを特徴とする請求項14に記載のインクジェット記録用シート。
  16. 結合層(C)と熱可塑性樹脂フィルム(B)が粘着剤によって貼り合わせてなることを特徴とする請求項11に記載のインクジェット記録用シート。
  17. 不透明度が70%を越えて100%以下であることを特徴とする請求項1〜16のいずれかに記載のインクジェット記録用シート。
  18. 不透明度が30〜70%であることを特徴とする請求項1〜16のいずれかに記載のインクジェット記録用シート。
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