JP4660265B2 - 熱転写受像シート及びその製造方法 - Google Patents

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本発明は、昇華転写用熱転写シートと重ね合わせて使用される熱転写受像シート及びその製造方法に関し、詳しくは、その受像シートはビデオプリンター等、各種のカラープリンターの分野で幅広く利用でき、プリント濃度が高く、生産性の良い熱転写受像シートとその製造方法に関するものである。
従来、種々の熱転写方法が公知であるが、それらの中で昇華性染料を記録材とし、これを紙やプラスチックフィルム等の基材シートに担持させて熱転写シートとし、昇華性染料で染着可能な熱転写受像シート、例えば紙やプラスチックフィルムの表面に染料受容層を設けた熱転写受像シート上に各種のフルカラー画像を形成する方法が提案されている。この方法は昇華性染料を色材としている為、濃度階調を自由に調節ができ、原稿のフルカラー画像が表現できる。また、染料により形成された画像は非常に鮮明で、かつ透明性に優れているため、中間色の再現性や階調再現性に優れ、銀塩写真に匹敵する高品質の画像を形成することが可能である。
このような昇華型熱転写プリンターにより、高画質のプリント画像を高速で受像シート上に形成するためには、基材上に染料染着性樹脂を主成分とする受像層が設けられるが、受像シートの基材として、コート紙やアート紙等の紙を用いると、熱伝導度が比較的高いため、画像形成用染料を受容する感度が低いという欠点がある。
そこで、特許文献1に示すように、受像シートの基材としてポリオレフィンなどの熱可塑性樹脂を主成分とし、空隙を有する二軸延伸フィルムを用いることが知られている。このようなフィルムを基材とした受像シートは、厚さが均一で、柔軟性があり、セルロース繊維からなる紙等に比べ熱伝導度が小さいため、均一で濃度の高い画像が得られるという長所がある。しかし、これらのフィルムを用いた場合、受像層の積層及び芯材とのラミネーション等の工程が更に必要となり、生産効率に欠け、また製品コストも大幅に上昇するという欠点を有する。
また、特許文献2には、加熱により移行する色素を含む色素供与材料と組み合わせて用いられ、加熱により移行してくる色素を受容する受容層を有する熱転写受像材料であって、少なくとも前記受容層がポリエステル又はポリエステルを主成分とする樹脂を溶融押出法によって製膜し面積倍率で1.2倍以上、3.6倍以下に延伸処理されたフィルムの層からなることが示されている。しかし、上記の受容層では空隙を有していないので断熱性が充分ではなく、画像形成された印画物において、印画濃度の高さが満足できるレベルではない。
特開平5−16539号公報 特開平9−1943号公報
本発明は、従来技術の欠点、すなわち支持体としてコート紙等のパルプ紙を用いた場合の感度低下、および空隙含有二軸延伸フィルムと芯材の積層貼合シートを用いた場合の生産性低下、コスト増等の欠点を解決し、安価で、濃度むらやドット抜けがなく、高濃度、高解像度の画像が得られる高性能であり、生産性の良い熱転写受像シートを提供することを目的とするものである。
本発明は、請求項1として、少なくとも断熱層及び画像受容層が形成された熱転写受像シートであって、熱可塑性樹脂と、フィラーからなる断熱層と、熱可塑性樹脂からなる受容層を溶融共押出法によって製膜した後、延伸処理されたフィルムの積層体からなり、該フィラーの平均粒径がコールターカウンター法により、1〜4μmであり、1μm以下のフィラーが15%以下で、3μm以上のフィラーが15%以下となる粒度分布を有することを特徴とする。請求項2として、請求項1に記載の断熱層及び受容層の少なくとも1つの層で使用される熱可塑性樹脂がポリエステル系樹脂であることを特徴とする。
請求項3として、請求項1または2に記載の断熱層のフィラーがシリコーン樹脂微粒子又はシリコーン樹脂被覆微粒子であることを特徴とする。請求項4として、前記の請求項1〜3のいずれかに記載の得られたフィルム積層体の断熱層側と、支持体が溶融押出しラミネートされたことを特徴とする。上記フィルムは延伸適性の向上および、支持体とのラミネート適性向上のために断熱層側にさらに層を形成した後に、延伸処理してもよい。すなわち、請求項5として、少なくとも易接着層、断熱層及び画像受容層がこの順に形成された熱転写受像シートであって、熱可塑性樹脂からなる易接着層と、熱可塑性樹脂と、フィラーからなる断熱層と、熱可塑性樹脂からなる受容層を溶融共押出法によって製膜した後、延伸処理されたフィルムの積層体からなり、該フィラーの平均粒径がコールターカウンター法により、1〜4μmであり、1μm以下のフィラーが15%以下で、3μm以上のフィラーが15%以下となる粒度分布を有することを特徴とする。請求項6として、請求項5に記載の易接着層、断熱層及び受容層の中で、少なくとも1つの層で使用される熱可塑性樹脂がポリエステル系樹脂であることを特徴とする。請求項7として、請求項5または6に記載の得られたフィルム積層体の易接着層側と、支持体が溶融押出しラミネートされたことを特徴とする。
請求項8として、請求項2、6のいずれかに記載の受容層に、非晶性のポリエステル樹脂を含有することを特徴とする。非晶性のポリエステル樹脂を含有することで受容層の染料染着性が向上し、印画濃度が向上する。請求項9として、請求項1〜8のいずれかに記載の熱転写受像シートの延伸処理の倍率が、面積倍率で3.6倍以上25倍以下であることを特徴とする。
請求項10として、少なくとも断熱層及び画像受容層からなる熱転写受像シートの製造方法であって、熱可塑性樹脂と、フィラーからなる断熱層と、熱可塑性樹脂からなる受容層を溶融共押出法によって製膜した後、延伸処理して、フィルムの積層体を形成し、使用するフィラーの平均粒径がコールターカウンター法により、1〜4μmであり、1μm以下のフィラーが15%以下で、3μm以上のフィラーが15%以下となる粒度分布を有することを特徴とする。請求項11として、請求項10に記載の断熱層及び受容層の少なくとも1つの層で使用される熱可塑性樹脂がポリエステル系樹脂であることを特徴とする。請求項12として、支持体上に断熱層及び画像受容層を形成する熱転写受像シートの製造方法であって、請求項10または請求項11に記載のフィルムの積層体を形成後、引き続き得られた積層体の断熱層側と支持体を溶融押出ラミネートすることを特徴とする。
請求項13として、少なくとも易接着層、断熱層及び画像受容層がこの順に形成される熱転写受像シートの製造方法であって、熱可塑性樹脂からなる易接着層と、熱可塑性樹脂と、フィラーからなる断熱層と、熱可塑性樹脂からなる受容層を溶融共押出法によって製膜した後、延伸処理して、フィルムの積層体を形成し、使用するフィラーの平均粒径がコールターカウンター法により、1〜4μmであり、1μm以下のフィラーが15%以下で、3μm以上のフィラーが15%以下となる粒度分布を有することを特徴とする。請求項14として、請求項13に記載の易接着層、断熱層及び受容層の中で、少なくとも1つの層で使用される熱可塑性樹脂がポリエステル系樹脂であることを特徴とする。請求項15として、支持体上に易接着層、断熱層及び画像受容層をこの順に形成する熱転写受像シートの製造方法であって、請求項13または請求項14に記載のフィルムの積層体を形成後、引き続き得られた積層体の易接着層側と支持体を溶融押出ラミネートすることを特徴とする。請求項16として、請求項10〜15のいずれかに記載の延伸処理の倍率が、面積倍率で3.6倍以上25倍以下であることを特徴とする。
本発明の熱転写受像シートの製造方法は、熱転写受像シートが断熱層及び画像受容層からなるもの、あるいは支持体上に断熱層及び画像受容層を形成したもので、ポリエステル系樹脂のような熱可塑性樹脂と、フィラーからなる断熱層と、ポリエステル系樹脂のような熱可塑性樹脂からなる受容層を溶融共押出法によって製膜した後、延伸処理して、フィルムの積層体を形成するもので、断熱層において、その使用するフィラーの平均粒径がコールターカウンター法により、1〜4μmであり、1μm以下のフィラーが15%以下で、3μm以上のフィラーが15%以下となる粒度分布を有するもので、粒径のバラツキが少なく、粒子径が揃った均一なフィラーであり、そのフィラーがポリエステル系樹脂のような熱可塑性樹脂の中で、溶融押出し、延伸工程で、その熱可塑性樹脂との界面で空隙を安定して、発生させることができた。つまり、断熱層中にボイドを均一に分散させて形成させ、これにより、断熱層の耐熱性、クッション性が向上し、印画物における高濃度、高解像度の画像が得られる。上記フィラーとしてシリコーン樹脂微粒子又はシリコーン樹脂被覆微粒子を用いると、さらに高い空隙率が得られ、印画物における高濃度、高解像度の画像が得られる。印画物また、断熱層形成工程及び受容層形成工程、支持体との溶融押出しのラミネート工程を含めて、希釈や溶液化等による溶剤を用いることがなくなり、製造工程の無溶剤化が実現でき、作業環境、排気問題等で安全性の高いものとなる。さらに、溶剤を乾燥させることが必要なく、製造工程の高速化が進められる。
また、本発明の熱転写受像シートの製造方法は、熱転写受像シートが易接着層、断熱層及び画像受容層がこの順に形成されたもの、あるいは支持体上に易接着層、断熱層及び画像受容層をこの順に形成したもので、熱可塑性樹脂からなる易接着層と、熱可塑性樹脂と、フィラーからなる断熱層と、熱可塑性樹脂からなる受容層を溶融共押出法によって製膜した後、延伸処理して、フィルムの積層体を形成するもので、断熱層において、その使用するフィラーの平均粒径がコールターカウンター法により、1〜4μmであり、1μm以下のフィラーが15%以下で、3μm以上のフィラーが15%以下となる粒度分布を有するもので、粒径のバラツキが少なく、粒子径が揃った均一なフィラーであり、そのフィラーがポリエステル系樹脂のような熱可塑性樹脂の中で、溶融押出し、延伸工程で、その熱可塑性樹脂との界面で空隙を安定して、発生させることができた。つまり、断熱層中にボイドを均一に分散させて形成させ、これにより、断熱層の耐熱性、クッション性が向上し、印画物における高濃度、高解像度の画像が得られる。また、易接着層形成工程、断熱層形成工程及び受容層形成工程、支持体との溶融押出しのラミネート工程を含めて、希釈や溶液化等による溶剤を用いることがなくなり、製造工程の無溶剤化が実現でき、作業環境、排気問題等で安全性の高いものとなる。さらに、溶剤を乾燥させることが必要なく、製造工程の高速化が進められる。
本発明の熱転写受像シートの製造方法に関し、図1に示す製造装置1を例にして説明する。まず、ポリエステル系樹脂と、フィラーを混合した断熱層材料14と、ポリエステル系樹脂からなる受容層材料3を、別個の経路でダイヘッド2へ供給し、そのダイヘッド2の出口4から、断熱層材料と受容層材料を溶融状態で共押出して、受容層8、断熱層15の2層からなるフィルム層を製膜し、引き続き一対の延伸ロール6により、互いに周速差をもたせて該ロール6で縦延伸し、その後にテンター式横延伸機7で、横延伸処理を行い、受容層8、断熱層15の2層からなる積層体が形成される。この2層の積層体で、熱転写受像シートを構成することができる。また、その後に必要に応じて、ダイヘッド9から接着剤10を溶融押出して、供給する支持体11と、上記の積層体を該接着剤10を間にして、ラミネートロール12とプレスロール13の間に通し、両者のロールで加圧することで、ECラミネートする。これにより、支持体11上に、接着剤層10、断熱層15、受容層8をこの順に設けた熱転写受像シート16が得られる。上記の例では、断熱性材料及び受容層材料で、ポリエステル系樹脂を使用したものを示したが、これに限らず、ポリエステル系樹脂以外の熱可塑性樹脂と、フィラーを混合した断熱層材料、そしてポリエステル系樹脂以外の熱可塑性樹脂からなる受容層材料でもよい。
また、本発明の熱転写受像シートの製造方法の例として、図示はしないが、支持体上に、接着剤層、易接着層、断熱層、受容層をこの順に設けた構成の熱転写受像シートに関し、説明する。ポリエステル系樹脂のような熱可塑性樹脂からなる易接着層と、ポリエステル系樹脂のような熱可塑性樹脂と、フィラーを混合した断熱層材料と、ポリエステル系樹脂のような熱可塑性樹脂からなる受容層材料を、別個の経路でダイヘッドへ供給し、そのダイヘッドの出口から、易接着層材料と断熱層材料と受容層材料とを溶融状態で共押出して、易接着層、受容層、断熱層の3層からなるフィルム層を製膜し、引き続き一対の延伸ロールにより、互いに周速差をもたせて該ロールで縦延伸し、その後にテンター式横延伸機で、横延伸処理を行い、易接着層、受容層、断熱層の3層からなる積層体が形成される。この3層の積層体で、熱転写受像シートを構成することができる。また、その後に必要に応じて、ダイヘッドから接着剤を溶融押出して、供給する支持体と、上記の積層体を該接着剤を間にして、ラミネートロールとプレスロールの間に通し、両者のロールで加圧することで、ECラミネートする。これにより、支持体上に、接着剤層、易接着層、断熱層、受容層をこの順に設けた熱転写受像シートが得られる。(図1を参照)
(熱転写受像シートの製造方法)
本発明の熱転写受像シートの製造方法は、大別すると2通りの方法がある。まず、断熱層及び画像受容層からなる熱転写受像シートの製造方法であり、ポリエステル系樹脂のような熱可塑性樹脂と、フィラーからなる断熱層と、熱可塑性樹脂からなる受容層を溶融共押出法により製膜後、延伸処理して、フィルムの積層体を形成するものである。また二つ目は、易接着層と断熱層及び画像受容層からなる熱転写受像シートの製造方法であり、熱可塑性樹脂からなる易接着層と、ポリエステル系樹脂のような熱可塑性樹脂と、フィラーからなる断熱層と、熱可塑性樹脂からなる受容層を溶融共押出法により製膜後、延伸処理して、フィルムの積層体を形成するものである。上記の2通りの方法のいずれにおいても、支持体を供給して、断熱層と受容層の積層体、あるいは易接着層、断熱層、受容層からなる積層体と、支持体を溶融押出しラミネートすることが好ましく行なわれる。支持体をラミネートすることにより、カール防止性、取扱いにおける物理的強度向上を高めることができる。
上記の溶融押出法は、Tダイによる方法、丸ダイを使用したインフレーション法などの押出し方法をとることができる。また、上記の共押出法についても、フィールドブロック法、マルチマニホールド法、マルチスロットダイ法等のTダイによる共押出しや、インフレーション法による共押出法を使用することができる。また、延伸処理は、図示したような縦横延伸に限らず、縦方向のみの延伸、あるいは横方向のみの延伸をおこなうことができる。また、縦横の二軸延伸については、図示したような縦延伸後に、横延伸処理することに限らず、横延伸後に、縦延伸処理したり、縦横延伸を同時に行なうこともできる。また、縦延伸、横延伸を何回かに分割して実施してもよい。また分割しその一部ずつを交互に実施してもよい。
また、本発明では、上記の延伸処理において、その延伸倍率が、面積倍率で3.6倍以上25倍以下であることが好ましい。その延伸倍率が3.6倍より低いと、延伸が充分行なわれないため、延伸フィルムにおいて、空隙のボイドの発生が充分でなく、耐熱性、クッション性が充分に発揮できない。一方で、その延伸倍率が25倍を越えるようになると、延伸条件が強すぎて、延伸されたフィルムの平滑性が低下してきて好ましくない。この延伸倍率を上記の範囲に調整するには、例えば、延伸ロールの表面温度や延伸処理の環境温度の調整や、延伸ロールの回転速度やフィルム走行速度の調整など適切に行なうことが必要である。例えば、延伸時の延伸ロールの表面温度や延伸処理の環境温度の温度は、延伸する材料を構成する樹脂のガラス転移点以上融点未満で行われる。具体的な温度としては、例えば、60〜160℃、好ましくは80〜130℃の範囲に設定する。
本発明の製造方法では、支持体を供給して、断熱層と受容層の積層体、あるいは易接着層、断熱層、受容層からなる積層体と、支持体を溶融押出しラミネートすることが好ましく行なわれる。尚、そのラミネート条件は接着剤を溶融押出して、支持体と、断熱層と受容層の積層体、あるいは易接着層、断熱層、受容層からなる積層体をラミネートするだけでなく、その接着剤をグラビアコーティング等の印刷方式で、塗工して、ウェットラミ、あるいはドライラミを行なってもよい。また、上記で説明した溶融、押出し工程、延伸処理工程、支持体のラミネート工程の後に、カレンダ処理を行うことができ、より平滑な熱転写受像シートを得ることができる。
次に、本発明で得られる熱転写受像シートを構成する各層の説明を以下に行なう。
(支持体)
本発明の熱転写受像シートは、断熱層と受容層の2層で受像シートを構成することができるが、支持体上に、断熱層と受容層の2層、あるいは易接着層、断熱層、受容層の3層を形成することが望ましい。支持体は、断熱層や受容層等を保持するという役割を有するとともに、熱転写時には熱が加えられるため、加熱された状態でも取扱い上支障のない程度の機械的強度を有することが好ましい。このような支持体の材料は、例えば、コンデンサーペーパー、グラシン紙、硫酸紙、またはサイズ度の高い紙、合成紙(ポリオレフィン系、ポリスチレン系)、上質紙、アート紙、コート紙、キャストコート紙、壁紙、裏打用紙、合成樹脂またはエマルジョン含浸紙、合成ゴムラテックス含浸紙、合成樹脂内添紙、板紙等、セルロース繊維紙、あるいはポリエステル、ポリアクリレート、ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリイミド、ポリエーテルイミド、セルロース誘導体、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリプロピレン、ポリスチレン、アクリル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ナイロン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル、ポリビニルフルオライド、テトラフルオロエチレン・エチレン、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリビニリデンフルオライド等のフィルムが挙げられ、また、これらの合成樹脂に白色顔料や充填剤を加えて成膜した白色不透明フィルムあるいは発泡させた発泡シートも使用できる。
本発明では上記の支持体の中でも、特に上質紙、アート紙、コート紙、キャストコート紙等のパルプ紙を使用することがコスト低減等が可能となり、好ましい。尚、上記支持体の任意の組み合わせによる積層体も使用できる。支持体の厚みは、任意でよく、通常10〜300μm程度である。また、上記支持体とその上に設ける層との密着性が乏しい場合には、支持体の表面に各種プライマー処理やコロナ放電処理を施すのが好ましい。
(接着剤)
上記の支持体と、断熱層と受容層の積層体、あるいは易接着層、断熱層、受容層からなる積層体をラミネートする際の溶融押出される接着剤は、以下に示すような樹脂から構成する。例えば高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢ビ共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体(EAA)、エチレン−メタクリル酸共重合体(EMAA)、エチレン−マレイン酸共重合体、エチレン−フマル酸共重合体、エチレン−無水マレイン酸共重合体、エチレン−アクリル酸メチル共重合体、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体等ポリオレフィン樹脂;ポリエチレンテレフタレート等ポリエステル樹脂;アイオノマー樹脂;ナイロン;ポリスチレン、ポリウレタンなどネックイン(フィルム幅がダイ幅よりも狭くなる現象や程度)が小さく、比較的ドローダウン性(高速延展性、高速加工性の目安となる)の良い樹脂を用いるのが好ましい。
また、接着剤として、アクリル系樹脂を用いて溶融押出しすることもできる。そのアクリル系樹脂としては、主成分がアクリル酸(メタクリル酸を含む)およびその誘導体であるアクリルアミド、アクリロニトリルを重合することにより得られるアクリル樹脂、他のアクリル酸エステル、スチレン等の他のモノマーとの共重合体樹脂などであり、たとえば、ポリ(メタ)アクリル酸メチル、ポリ(メタ)アクリル酸エチル、ポリ(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸ブチル共重合体、(メタ)アクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル共重合体、(メタ)アクリル酸ブチル−(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル共重合体、(メタ)アクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル共重合体、(メタ)アクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸ブチル−(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸メチル共重合体等の(メタ)アクリル酸エステルを含む単独または共重合体からなるものが挙げられる。なお、ここで、(メタ)アクリル酸とは、アクリル酸およびメタクリル酸の意味で用いるものとする。以上に説明した接着剤を構成する樹脂は単独でも良いし、数種混合しても良い。この接着剤の厚さは、適宜変更することができるが、通常1〜50g/m2(固形分)程度である。
(断熱層)
断熱層は、熱可塑性樹脂と、フィラーを混合した材料を主成分として構成される。使用するフィラーは、平均粒径がコールターカウンター法により、1〜4μmであり、1μm以下のフィラーが15%以下で、3μm以上のフィラーが15%以下となる粒度分布を有するがコールターカウンター法により、1〜4μmであり、1μm以下のフィラーが15%以下で、3μm以上のフィラーが15%以下となる粒度分布を有することを特徴としているものである。コールターカウンター法とは、粒径、粒径分布の測定法の一つであり、電解溶液中に1個の小孔のある隔壁を設け、その両側に電極をおいて電圧を加えると、電流が流れるが、その抵抗は隔壁の小孔部の体積で決まる。この電解質溶液中に粉体粒子を分散させて希薄な懸濁液とし、隔壁の一方から吸引すると、粒子が小孔中を通過するとき、その体積分だけ電解質が減るので、電気抵抗が増大する。したがって、この抵抗の変化量が粒子体積を、抵抗変化の発生数が粒子を示すから、粒径分布が得られる。
また、本発明で用いるコールターカウンター法において、粒度分布を示す際、体積基準による数値で出されたものである。本発明における熱転写受像シートの断熱層で使用されるフィラーのコールターカウンター法による粒度分布のグラフの例を図2に示す。グラフの横軸には、フィラーの粒径(単位はμm)をとり、縦軸には、そのフィラーの体積頻度(単位%)をとったもので、粒径が1.2μm〜3.5μmの範囲にあり、平均粒径は約2μmを示している。また1.0μm以下のフィラーは約0%を示し、また3.0μm以上のフィラーは約5%を示していて、1.0μm以下のフィラーが15%以下で、3.0μm以上のフィラーが15%以下の条件は満足している。
図2に示すように、本発明の断熱層で使用するフィラーは、粒度分布が狭く(シャープであり)、粒径の大きさでバラツキが少なく、粒子径が揃った均一なフィラーである。したがって、そのフィラーがポリエステル系樹脂のような熱可塑性樹脂の中で、溶融押出し、延伸工程で、その熱可塑性樹脂との界面で空隙を安定して、発生させることができる。よって断熱層中にボイドを均一に分散させて形成させることができ、これにより、断熱層の耐熱性、クッション性が向上し、印画物における高濃度、高解像度の画像が得られる。
そのフィラーは、断熱層のベース樹脂である熱可塑性樹脂と非相溶であり、熱可塑性樹脂中に分散状態で均一に混入し、延伸時にベース樹脂との界面で、剥離を起こして、空隙のボイドを発生させる源となる。そのフィラーとしては、シリカ、カオリン、タルク、炭酸カルシウム、ゼオライト、アルミナ、硫酸バリウム、カーボンブラック、酸化亜鉛、酸化チタン等の無機フィラー;ポリスチレン系樹脂、メラミン系樹脂、アクリル系樹脂、有機シリコーン系樹脂や、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン6,10、ナイロン12等のポリアミド樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリイミド樹脂、ポリスルフォン樹脂等の有機フィラーが挙げられる。また、有機フィラーとして、上記に挙げた樹脂を架橋させたものがフィラー自体の強度が高く外形が変形しづらく好ましく使用できる。本発明では、ポリエステル系樹脂のような熱可塑性樹脂中で、効率的で、かつ均一に分散した状態で空隙を発生できるフィラーとして、有機シリコーン樹脂が好ましく、具体的には三次元網目状に架橋した構造を有するポリオルガノシルセスキオキサン硬化物等のフィラーが挙げられる。このような有機シリコーン樹脂の微粒子として、信越化学工業(株)製のシリコーンレジンパウダーKMP−590、KMP−701、X−52−854等の商品で入手し、使用することができる。
また、断熱層のフィラーとして、シリコーンゴム微粒子の表面をシリコーン樹脂で被覆したシリコーン樹脂被覆の微粒子が、ポリエステル系樹脂のような熱可塑性樹脂中で、効率的で、かつ均一に分散した状態で空隙を発生できる。このようなシリコーン樹脂被覆微粒子として、信越化学工業(株)製のシリコーン複合パウダーKMP−605等の商品で入手し、使用することができる。また、上記のフィラーにおいて、断熱層のベース樹脂との非相溶性を高めるために、シリコン系樹脂、シロキサン系樹脂、フッ素系樹脂、ポリビニルピリジン樹脂等で、フィラーの表面を覆うように、表面処理することもできる。断熱層は、熱可塑性樹脂とフィラーが必須成分であるが、必要により、断熱層を構成する材料として、更に他の成分として、帯電防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤、着色剤等を適量添加することも可能である。
断熱層を構成する熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等のハロゲン化ポリマー、ポリ酢酸ビニル、エチレン酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル酢酸ビニル共重合体、ポリアクリルエステル等のビニル系樹脂、ポリビニルホルマール、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール等のアセタール樹脂、飽和・不飽和の各種ポリエステル樹脂、ポリカーボネート系樹脂、セルロースアセテート等のセルロース系樹脂、ポリスチレン、アクリル−スチレン共重合体、アクリロニトリル−スチレン共重合体等のスチレン系樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂等のポリアミド樹脂、等が挙げられる。これらの樹脂は、押出加工性を維持し、相溶する範囲内で任意にブレンドし用いることもできる。上記の熱可塑性樹脂の中で、特にポリエステル系樹脂が好ましい。
上記のポリエステル系樹脂としては、例えばテレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸またはそのエステルと、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコールなどのグリコールとを重縮合して得られるポリエステル樹脂が挙げられる。このポリエステル樹脂として、代表的なもので、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレン・ブチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレート等が例示される。これらのポリエステルは単独重合体であってもよく、あるいは第3成分を共重合せしめた共重合体であってもよい。
ベースとなる熱可塑性樹脂中に十分に分散させ、かつその界面を強化して物性をさらに向上させるために、いわゆる相溶化剤を用いることができる。相溶化剤として、ブロック共重合体やグラフト共重合体、または末端や側鎖に官能基を有するポリマーやポリマーの末端に重合性基を有する高分子マクロマーなどが挙げられる。断熱層は、熱可塑性樹脂からなる受容層とともに、溶融共押出法によって製膜された後、延伸処理されて熱転写受像シートの構成の一つとなる。この熱転写受像シートの中で占める断熱層の厚さとしては、延伸処理後で10〜100μm程度である。断熱層の厚さが小さすぎると、充分に満足のいく耐熱性、クッション性等が発揮できなくなり、また厚さが大きすぎると、耐熱性、機械的強度が低下するなど問題が生じやすい。
(易接着層)
前記の支持体と、断熱層、受容層からなる積層体を接着剤によりラミネートする際、接着剤層と断熱層との接着性を向上させるために、易接着層を設けることが好ましく行なわれる。すなわち、支持体/接着剤層/易接着層/断熱層/受容層の層構成の熱転写受像シートとなる。易接着層を構成する樹脂は、接着剤層及び断熱層に対して、接着性を有するものであり、溶融押出し加工できるものであれば、限定されるものではない。
(受容層)
本発明の熱転写受像シートでは、少なくとも断熱層及び画像受容層から構成される熱転写受像シートである。この熱転写受像シートでは、受容層は熱可塑性樹脂から構成され、熱可塑性樹脂と、フィラーからなる断熱層と、その受容層とが溶融共押出法によって製膜した後、延伸処理されたフィルムの積層体からなるものである。その受容層は、熱可塑性樹脂を主成分で構成され、断熱層で説明した熱可塑性樹脂がそのまま使用できる。その受容層はボイドを有するものではない。受容層は、ベース樹脂となる熱可塑性樹脂の中で、ポリエステル系樹脂が好ましく用いられる。これらの樹脂は、押出加工性を維持し、相溶する範囲内で任意にブレンドし用いることもできる。上記の熱可塑性樹脂の中で、好ましくはポリエステル系樹脂、更に好ましくは押出加工性を損なわない程度に非晶性ポリエステル樹脂を含有することが望ましい。
上記のポリエステル系樹脂としては、例えばテレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸またはそのエステルと、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコールなどのグリコールとを重縮合して得られるポリエステル樹脂が挙げられる。このポリエステル樹脂として、代表的なもので、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレン・ブチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレート等が例示される。これらのポリエステルは単独重合体であってもよく、あるいは第3成分を共重合せしめた共重合体であってもよい。
また上記のポリエステル系樹脂として、非晶性ポリエステル樹脂を使用することができる。その非晶性ポリエステル樹脂としては、以下のようなものが挙げられる。まず、ポリエステル樹脂は実質的に非晶性であれば、どのようなものでもよい。例えばテレフタル酸およびエチレングリコールを主成分とし、他の酸成分および/または他のグリコール成分を共重合成分として含有するポリエステル樹脂である。他の酸成分としては、脂肪族の二塩基酸(例えば、アジピン酸、セバチン酸、アゼライン酸)や芳香族の二塩基酸(例えば、イソフタル酸、ジフェニルジカルボン酸、5−第3ブチルイソフタル酸、2,2,6,6−テトラメチルビフェニル−4,4−ジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、1,1,3−トリメチル−3−フェニルインデン−4,5−ジカルボン酸)が用いられる。グリコール成分としては、脂肪族ジオール(例えば、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオール)、脂環族ジオール(例えば、1,4−シクロヘキサンジメタノール)または芳香族ジオール(例えば、キシリレングリコール、ビス(4−β−ヒドロキシフェニル)スルホン、2,2−(4−ヒドロキシフェニル)プロパン誘導体)が用いられる。
受容層を構成する樹脂は、画像形成の熱転写時に染料を保持する染料層のバインダー樹脂と融着を起こす場合もあるので、良好な離型性を得る為に、リン酸エステル、界面活性剤、フッ素系化合物、フッ素系樹脂、シリコーン化合物、シリコーンオイル、シリコーン樹脂等の各種離型剤を受容層材料中に内添することが好ましく、特に変成シリコーンオイルを添加し、硬化させたものが好ましい。
離型剤は1種若しくは2種以上のものが使用される。また、離型剤の添加量は受容層形成用樹脂100質量部に対し、0.5〜30質量部が好ましい。この添加量の範囲を満たさない場合は、昇華型熱転写シートと熱転写受像シートの染料受容層との融着若しくは印画感度の低下等の問題が生じる場合がある。このような離型剤を受容層に添加することによって、受容層の表面に離型剤がブリードアウトして離型層が形成される。また、これらの離型剤は受容層材料中に添加せず、受容層上に別途塗工してもよい。受容層の厚さは、延伸処理後で、10〜100μm程度である。
本発明の熱転写受像シートは、上記の説明に限定されず、支持体の他方の面に、裏面層を設けたり、図示したいずれかの層と隣接した層の間に中間層を設けたり、必要に応じて層を追加することが可能である。
次に、実施例及び比較例を挙げて、本発明を更に詳述する。尚、文中、部又は%とあるのは、特に断りのない限り質量基準である。
(実施例1)
下記組成からなる受容層材料を厚み36μm、断熱層材料を360μm、易接着層を36μmで溶融共押出し、東洋精機(株)製2軸延伸機にて面積倍率で9倍に延伸し、微細な空隙であるボイドを有する厚み48μmの受容層/断熱層/易接着層フィルムを得た。
(受容層材料)
ポリエステル樹脂(バイロン290、東洋紡績(株)製) 100部
シリコーンオイルマスターバッチ
(X−22−2158、信越化学工業(株)製) 2部
(断熱層材料)
ポリエステル樹脂(ダイヤナイトMA−521H、三菱レイヨン(株)製) 85部
シリコーンフィラー
(KMP−590、信越化学工業(株)製 粒度分布1〜4μm) 15部
(易接着層材料)
ポリエステル樹脂(SI−173、東洋紡績(株)製) 70部
EMAA樹脂(ニュクレルN09008C、三井・デュポンポリケミカル(株)製) 30部
上記の受容層/断熱層/易接着層フィルムの易接着層側と、下記条件の基材シート(裏面層/支持体)の非裏面層側を下記組成からなる接着剤材料にて、熱溶融押出しラミネートすることにより、実施例1の熱転写受像シートを得た。
支持体として、坪量158g/m2の両面コート紙の一方の面に、下記組成からなる裏面層を厚み25μmで熱溶融押出し、基材シートを得た。
(裏面層材料)
ポリプロピレン樹脂(ジェイアロマーLR711−5、日本ポリオレフィン(株)製)
100部
(接着剤材料)
EMAA樹脂(ニュクレルN09008C、三井・デュポンポリケミカル(株)製)100部
(実施例2)
実施例1の断熱層材料を下記組成にした以外は、実施例1と同様にして、実施例2の熱転写受像シートを得た。
(断熱層材料)
ポリエステル樹脂(ダイヤナイトMA−521H、三菱レイヨン(株)製) 92部
シリコーンフィラー
(KMP−590、信越化学工業(株)製 粒度分布1〜4μm) 8部
(実施例3)
実施例1の断熱層材料を下記組成にした以外は、実施例1と同様にして、実施例3の熱転写受像シートを得た。
(断熱層材料)
ポリエステル樹脂(ダイヤナイトMA−521H、三菱レイヨン(株)製) 85部
架橋アクリル粒子
(MX−180TA、綜研化学(株)製 粒度分布1〜3.5μm) 15部
(実施例4)
実施例1の断熱層材料を下記組成にした以外は、実施例1と同様にして、実施例4の熱転写受像シートを得た。
(断熱層材料)
ポリエステル樹脂(ダイヤナイトMA−521H、三菱レイヨン(株)製) 85部
炭酸カルシウムフィラー
(CUBEタイプ、丸尾カルシウム(株)製 粒度分布1〜4μm) 15部
(実施例5)
実施例1の断熱層材料を下記組成にした以外は、実施例1と同様にして、実施例5の熱転写受像シートを得た。
(断熱層材料)
ポリエステル樹脂(ダイヤナイトMA−521H、三菱レイヨン(株)製) 85部
ポリメチルペンテン樹脂粒子(粒度分布1〜4μm) 15部
上記の実施例1〜5における各熱転写受像シートの断熱層で使用したフィラーは、全て平均粒径がコールターカウンター法により、1〜4μmであり、1μm以下のフィラーが15%以下で、3μm以上のフィラーが15%以下となる粒度分布を有するものである。実施例4で使用した炭酸カルシウムフィラーは、市販品を調整して上記の粒度分布のものにした。
(比較例1)
実施例1の断熱層材料を下記組成にした以外は、実施例1と同様にして、比較例1の熱転写受像シートを得た。
(断熱層材料)
ポリエステル樹脂(ダイヤナイトMA−521H、三菱レイヨン(株)製) 85部
炭酸カルシウム
(PO−120−B−10、白石カルシウム(株)製 粒度分布0.5〜13μm) 15部
(比較例2)
実施例1の断熱層材料を下記組成にした以外は、実施例1と同様にして、比較例2の熱転写受像シートを得た。
(断熱層材料)
ポリエステル樹脂(ダイヤナイトMA−521H、三菱レイヨン(株)製) 85部
アクリル粒子(綜研化学(株)製 粒度分布0.6〜12μm) 15部
(比較例3)
実施例1の延伸倍率を面積倍率で3.5倍にした以外は、実施例1と同様にして、比較例3の熱転写受像シートを得た。
(評価)
次に、下記のようにして、実施例及び比較例の熱転写受像シートの評価を行なった。
<評価方法>
(熱転写記録)熱転写フィルムとして、ソニー(株)製昇華転写プリンターUP−D70A用転写フィルムUPC−740を使用し、上記の実施例及び比較例の熱転写受像シートを用い、染料層と染料受容面とを対向させて重ね合わせ、Y,M,C,保護層の順番で熱転写フィルムの裏面から、下記条件でサーマルヘッドを用い熱転写記録を行った。
(プリント印字A)下記の条件にて、熱転写記録によりグラデーション画像を形成した。
・サーマルヘッド:KYT−86−12MFW11(京セラ(株)製)
・発熱体平均抵抗値:4412(Ω)
・主走査方向印字密度:300dpi
・副走査方向印字密度:300dpi
・印加電力:0.136(w/dot)
・1ライン周期:6(msec.)
印字開始温度:30(℃)
プリントサイズ:100mm×150mm
・階調プリント:1ライン周期中に、1ライン周期を256に等分割したパルス長を持つ分割パルスの数を0から255個まで可変できるマルチパルス方式のテストプリンターを用い、各分割パルスのDuty比を40%固定とし、階調によって、ライン周期あたりのパルス数を1ステップでは0個、2ステップでは17個、3ステップでは34個と0から255個まで17個毎に順次増加ざせることにより、1ステップから16ステップまでの16階調を制御した。
・保護層を転写:1ライン周期中に、1ライン周期を256に等分割したパルス長を持つ分割パルスの数を0から255個まで可変できるマルチパルス方式のテストプリンターを用い、各分割パルスのDuty比を50%固定、ライン周期あたりのパルス数を210個固定とし、ベタプリントを行ない、プリント面全面に保護層を転写した。
(プリント濃度)上記のプリント物を光学反射濃度計(マクベス社製、マクベスRD−918)を用いて、ビジュアルフィルターで、最大反射濃度を測定した。
評価:○・・・・最大反射濃度2.0以上。
×・・・・最大反射濃度2.0未満。
(断熱層の密度、空隙率)
上記の各実施例及び比較例で得られた熱転写受像シートにおいて、ボイドを有するフィルム層の断熱層に対して、密度(ρ)を測定した。さらに、各実施例及び比較例で得られた熱転写受像シートにおける断熱層の空隙率(V)を、空隙率(V)=(1−ρ/ρ0)×100(%)で算出した。尚、ρは断熱層の密度で、ρ0は断熱層を構成する樹脂、フィラー等の固形分全体の密度である。
上記の評価結果は下記の表1の通りである。
Figure 0004660265
上表の通り、実施例におけるプリント物は全て、最大反射濃度が2.0以上の高濃度であり、また高解像度の画像が得られた。それに対し、比較例におけるプリント物は、全て最大反射濃度が2.0に到らず、最高の印画濃度として満足できるものではない。また、実施例で製造したボイドを有する断熱層は、空隙率が、35〜51%であり、また密度は0.62〜0.85g/cm3以下であり、適正な空隙のボイドを有したものである。それに対し、比較例で製造した断熱層は、空隙率が全て、25%未満であり、また密度が1.02〜1.15g/cm3であり、適正な空隙であるボイドが発生していないと判断される。
本発明の熱転写受像シートの製造方法を説明する製造装置の例を示す概略図である。 本発明における熱転写受像シートの断熱層で使用されるフィラーのコールターカウンター法による粒度分布の例を示すグラフである。
符号の説明
1 製造装置
2 ダイヘッド
3 受容層材料
4 出口
6 延伸ロール
7 横延伸機
8 受容層
9 ダイヘッド
10 接着剤
11 支持体
12 ラミネートロール
13 プレスロール
14 断熱層材料
15 断熱層
16 熱転写受像シート

Claims (16)

  1. 少なくとも断熱層及び画像受容層が形成された熱転写受像シートであって、熱可塑性樹脂と、フィラーからなる断熱層と、熱可塑性樹脂からなる受容層を溶融共押出法によって製膜した後、延伸処理されたフィルムの積層体からなり、該フィラーの平均粒径がコールターカウンター法により、1〜4μmであり、1μm以下のフィラーが15%以下で、3μm以上のフィラーが15%以下となる粒度分布を有することを特徴とする熱転写受像シート。
  2. 前記の断熱層及び受容層の少なくとも1つの層で使用される熱可塑性樹脂がポリエステル系樹脂であることを特徴とする請求項1に記載の熱転写受像シート。
  3. 前記断熱層のフィラーがシリコーン樹脂微粒子又はシリコーン樹脂被覆微粒子であることを特徴とする請求項1または2に記載の熱転写受像シート。
  4. 前記の得られたフィルム積層体の断熱層側と、支持体が溶融押出しラミネートされたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の熱転写受像シート。
  5. 少なくとも易接着層、断熱層及び画像受容層がこの順に形成された熱転写受像シートであって、熱可塑性樹脂からなる易接着層と、熱可塑性樹脂と、フィラーからなる断熱層と、熱可塑性樹脂からなる受容層を溶融共押出法によって製膜した後、延伸処理されたフィルムの積層体からなり、該フィラーの平均粒径がコールターカウンター法により、1〜4μmであり、1μm以下のフィラーが15%以下で、3μm以上のフィラーが15%以下となる粒度分布を有することを特徴とする熱転写受像シート。
  6. 前記の易接着層、断熱層及び受容層の中で、少なくとも1つの層で使用される熱可塑性樹脂がポリエステル系樹脂であることを特徴とする請求項5に記載の熱転写受像シート。
  7. 前記の得られたフィルム積層体の易接着層側と、支持体が溶融押出しラミネートされたことを特徴とする請求項5または6に記載の熱転写受像シート。
  8. 請求項2、6のいずれかに記載の受容層に、非晶性のポリエステル樹脂を含有することを特徴とする熱転写受像シート。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載の熱転写受像シートの延伸処理の倍率が、面積倍率で3.6倍以上25倍以下であることを特徴とする熱転写受像シート。
  10. 少なくとも断熱層及び画像受容層からなる熱転写受像シートの製造方法であって、熱可塑性樹脂と、フィラーからなる断熱層と、熱可塑性樹脂からなる受容層を溶融共押出法によって製膜した後、延伸処理して、フィルムの積層体を形成し、使用するフィラーの平均粒径がコールターカウンター法により、1〜4μmであり、1μm以下のフィラーが15%以下で、3μm以上のフィラーが15%以下となる粒度分布を有することを特徴とする熱転写受像シートの製造方法。
  11. 請求項10に記載の断熱層及び受容層の少なくとも1つの層で使用される熱可塑性樹脂がポリエステル系樹脂であることを特徴とする熱転写受像シートの製造方法。
  12. 支持体上に断熱層及び画像受容層を形成する熱転写受像シートの製造方法であって、請求項10または請求項11に記載のフィルムの積層体を形成後、引き続き得られた積層体の断熱層側と支持体を溶融押出ラミネートすることを特徴とする熱転写受像シートの製造方法。
  13. 少なくとも易接着層、断熱層及び画像受容層がこの順に形成される熱転写受像シートの製造方法であって、熱可塑性樹脂からなる易接着層と、熱可塑性樹脂と、フィラーからなる断熱層と、熱可塑性樹脂からなる受容層を溶融共押出法によって製膜した後、延伸処理して、フィルムの積層体を形成し、使用するフィラーの平均粒径がコールターカウンター法により、1〜4μmであり、1μm以下のフィラーが15%以下で、3μm以上のフィラーが15%以下となる粒度分布を有することを特徴とする熱転写受像シートの製造方法。
  14. 請求項13に記載の易接着層、断熱層及び受容層の中で、少なくとも1つの層で使用される熱可塑性樹脂がポリエステル系樹脂であることを特徴とする熱転写受像シートの製造方法。
  15. 支持体上に易接着層、断熱層及び画像受容層をこの順に形成する熱転写受像シートの製造方法であって、請求項13または請求項14に記載のフィルムの積層体を形成後、引き続き得られた積層体の易接着層側と支持体を溶融押出ラミネートすることを特徴とする熱転写受像シートの製造方法。
  16. 請求項10〜15のいずれかに記載の延伸処理の倍率が、面積倍率で3.6倍以上25倍以下であることを特徴とする熱転写受像シートの製造方法。
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