JP4073866B2 - 熱転写受像シートおよびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、熱転写シートと重ね合わせて使用される熱転写受像シートおよびその製造方法に関する。
熱転写を利用した画像の形成方法として、記録材としての昇華性染料を紙やプラスチックフィルム等の基材シートに担持させた熱転写シートと、紙やプラスチックフィルムの一方の面に昇華性染料の受容層を設けた熱転写受像シートとを互いに重ね合わせてフルカラー画像を形成する方法が知られている。この方法は昇華性染料を色材としているためドット単位で濃度階調を自由に調節でき、原稿通りのフルカラー画像を受像シート上にて表現することができる。染料によって形成された画像は非常に鮮明でかつ透明性に優れているため、中間色や階調の再現性にも優れ、銀塩写真に匹敵する高品質の画像を形成することができる。
昇華型熱転写方式のプリンタにおいて高画質のプリント画像を高速で受像シート上に形成するためには、その受像シートの基材上に染料染着性樹脂(染料に染まり易い性質を有する樹脂)を主成分とする染料受容層を設けることが望ましいが、受像シートの基材にコート紙やアート紙の紙材を用いると、これらの素材の熱伝導度が比較的高いために受容層において染料を受容する感度が低くなる。
そこで、受像シートの基材としてポリオレフィン等の熱可塑性樹脂を主成分とし、内部に空隙を有している二軸延伸の発泡フィルムを用いることがある。このようなフィルムを基材に用いた受像シートは厚さが均一であり、柔軟性があり、セルロース繊維からなる紙等と比べて熱伝導度が小さいため、均一で濃度の高い画像が得られるという利点がある。しかし、二軸延伸フィルムを受像シートの基材に用いた場合、延伸時の残留応力がプリント時の熱で緩和され、延伸方向にフィルムが収縮する。その結果、受像シートにカールやシワが発生し、プリンタ内を受像シートが走行する際に紙詰まり等のトラブルが生じることがある。
こうした欠点を改善するために、比較的熱収縮率が小さい芯材や弾性率の大きい芯材に、空隙を有する二軸延伸の発泡フィルムを貼り合わせて積層したラミネートシートを受像シートの基材として用いる例もある。芯材に発泡剤が含まれた接着剤を介して非発泡プラスチックフィルムを重ね合わせ、その状態で発泡剤を発泡させて接着剤層を多孔質構造とした熱転写受像シートも存在する(特許文献1参照)。中空粒子をバインダ樹脂に混ぜた多孔層塗工液を基材に塗布することにより、断熱性とクッション性とを兼ね備えた多孔層を形成する技術も知られている(特許文献2参照)。
特開平6-239040号公報 特開2002-212890号公報
しかしながら、空隙を有する二軸延伸フィルムは伸縮性が大きくてラミネート時のテンションの制御が難しくて生産性に劣る。製造コストも大幅に上昇する。また、紙基材に多孔層塗工液を塗布して多孔層を形成する場合、紙基材の材質やバインダ樹脂の種類によっては、塗工液の水分が紙基材に浸透して乾燥後の多孔層表面に凹凸が生じ、その影響で染料受容層の表面にも凹凸が現われて画像形成時に濃度ムラやドット抜けといった欠陥を生じさせることがある。
そこで、本発明は、発泡フィルムの貼り合わせに伴う生産上の諸問題を回避でき、しかも、多孔層塗工液に含まれる水分が紙基材に浸透する恐れがなくて濃度ムラやドット抜けのない高品質な画像を得ることが可能な熱転写受像シート及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明の熱転写受像シートは、少なくとも、ポリエステル樹脂からなる基材フィルム、該基材フィルムの一方の面側上に少なくとも耐熱温度200℃以上の高耐熱中空粒子とバインダー樹脂からなる第2の多孔層および染料受容層、そして他方の面側上に中空粒子とバインダー樹脂からなる第1の多孔層からなり、第1の多孔層が接着剤層を介して紙基材上に積層されてなる。
この熱転写受像シートによれば、紙基材とは別の基材フィルムの一方の面側に少なくとも第2の多孔層と染料受容層を、他方の面側に少なくとも第1の多孔層をそれぞれ設けており、多孔層塗工時に基材フィルムには水分が浸透しないか、または浸透したとしても紙基材に対する浸透よりは遥かに浸透の程度が少ないので、多孔層を形成する基材の凹凸を抑えて染料受容層を高い平滑度で形成することができる。また、基材フィルムに設けられた第1の多孔層と紙基材とを接着層を介して貼り合わせているから、多孔層の塗工液を乾燥させてから紙基材を貼り合わせれば、水分の紙基材に浸透するおそれがなく、紙基材の種類を問わず凹凸の出現を防止して染料受容層の平滑度を高く維持することができる。これにより、画像形成時において濃度ムラやドット抜けのない高品質な画像を得ることができる。
本発明の一実施形態に係る熱転写受像シートの模式的断面構成図を図1に示す。基材フィルム1、該基材フィルム1の一方の面側に第2の多孔層3、中間層4、染料受容層5、および他方の面側に第1の多孔層2からなり、該第1の多孔層2が接着層6を介して紙基材7上に積層されている。
基材フィルム1は第1、第2の多孔層2、3の塗工時に水分を吸収しないか、殆ど吸収しないものが好ましく、好適にはプラスチックフィルムが使用される。ここで使用されるプラスチックフィルムとしては、例えばPETフィルム、ポリエチレン、ポリプロピレン等の各種の樹脂にて構成されたフィルムが使用できる。基材フィルム1の物性が染料受容層5に与える影響を小さくするため、また染料受容層の感度アップの観点から、基材フィルム1はなるべく薄いことが望ましい。しかし、あまり薄すぎると多孔層の塗工時に水分がフィルムを透過するおそれが生じ、また多孔層を塗工後に十分乾燥させようとすると基材フィルムに熱じわが生じたりする。その熱じわの発生を押さえようとすると多孔層の乾燥が十分でなくなり、巻取りフィルム中にブロッキングが生じたりする。すなわち加工特性がよろしくないという問題がある。左記観点から、基材フィルムは12μm程度以上のものを使用するようにすることが望ましいが、基材フィルムの厚さが厚すぎると、基材フィルムの物性の影響が多孔層のクッション性や断熱性による影響に比して無視できなくなり、基材フィルムの不均一性に起因して画像形成時の濃度ムラ等が生じるおそれがあるので、25μm程度以下の厚さの基材フィルムを使用するようにする。
第1の多孔層2は、少なくとも中空粒子をバインダ樹脂に結着させて形成されるものである。具体的には、バインダ樹脂と中空粒子とを溶媒に溶解、分散させた塗工液を基材フィルム1の下面側に塗工し、これを乾燥させ、乾燥後の膜厚が2〜20μm、好ましくは10〜20μmとなるように形成される。
第1の多孔層2に使用する中空粒子としては、発泡粒子、非発泡粒子のいずれでもよく、例えば架橋スチレン−アクリル等の有機系中空粒子、無機中空ガラス体等が中空粒子として使用できる。発泡粒子を使用する場合には、独立発泡又は連続発泡のいずれでもよい。中空粒子の体積平均粒径は0.1〜10μm、好ましくは0.1〜5μmである。
10μmより大きいと画像に粒子由来のヌケが生じ、0.1μmより小さいと十分な空隙率を確保できないし、またコストが高くなってしまう。中空粒子の空隙率は50%以上が好ましい。空隙率が50%に満たないと多孔層2に十分な断熱性およびクッション性を与えることができないおそれがある。また、第1の多孔層2における中空粒子の含有比率は、70〜90重量%の範囲が好ましい。70重量%未満であれば十分な断熱性及びクッション性が得られないおそれがあり、90重量%を超えるときは結着力が不足して中空粒子層の剥離が生じるおそれがある。
中空粒子層に使用するバインダー樹脂としては、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、酢酸ビニル樹脂、アクリル樹脂およびそれらの共重合体、あるいはそれらをブレンドした樹脂を水に溶解するかまたは分散させるかまたはエマルジョンにしたものや、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース、デンプン、ポリアクリル酸ナトリウムなどの水溶性樹脂が用いられる。基材フィルムにポリエステルが使用される場合は、多孔層バインダーとしてポリエステル樹脂を使用することは、基材フィルムと多孔層の接着性の点から好ましい。例えばポリエステル樹脂(バイロナールMD-1480;東洋紡績社製)が使用可能である。ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース、ポリアクリル酸ナトリウム等の水溶性樹脂は、粘度が高く、保水性に優れるため、基材フィルム1への水分の浸透を防ぐ上で好ましい。
第1の多孔層2はグラビアコート、グラビアリバースコート、コンマコート、ダイコート、リップコート等の一般的な塗工方法で形成できる。
第2の多孔層3は、少なくとも高耐熱中空粒子とバインダー樹脂からなる。このような第2の多孔層3を設けることにより、第1の多孔層2のみを設けた場合に生じる問題、すなわち、3色混色の濃度が単色に比べて低くなるという問題、そして3色混色印画部分に凹みが生じ、画像にエンボスが生じる問題を回避できる。
第2の多孔層3は、少なくとも高耐熱中空粒子をバインダ樹脂に結着させて形成されたものである。具体的には、バインダ樹脂と高耐熱中空熱粒子とを溶媒に溶解、分散させた塗工液を基材フィルム2の下面側に塗工し、これを乾燥させることにより、乾燥後の膜厚が1〜5μmとなるように形成される。1μm未満であると十分な断熱性、クッション性及び耐熱性が得られないおそれがあり、他方で5μmを超えると断熱性が飽和に達し、コスト的に無駄が生じるおそれがある。
高耐熱中空粒子は、耐熱温度200℃以上、好ましくは300℃以上を有し、断熱性を有するるものを使用する。粒子の耐熱温度は、粒子の構成物質、製造条件あるいは入手可能性等に依存するが、高いほど好ましく、係る観点から粒子の耐熱温度の上限は特に限定されない。なお、粒子の耐熱温度は粒子が熱により破壊あるいは潰れることなく耐え得る最大の温度であり、本発明においては熱応力歪み測定装置(TMA)(セイコー電子工業(株)製)により測定した値で表して、上記耐熱温度以上を有していればよい。高耐熱中空粒子の体積平均粒径は0.1〜5μm、好ましくは0.1〜3μmである。5μmより大きいと画像に粒子由来のヌケや濃度ムラが生じ、0.1μmより小さいと十分な空隙率を確保できないし、またコストが高くなってしまう。
高耐熱中空粒子は、樹脂あるいはガラス等で構成されていてよい。樹脂の場合、その種類は特に限定されるものではないが、例えばスチレン系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、スチレン−(メタ)アクリル系樹脂、フェノール系樹脂、フッ素系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリーテル系樹脂、その他の公知の種々の樹脂等の架橋度をさらに高めて耐熱性を高めた中空粒子がある。市販品としては、高架橋スチレン−アクリル系中空樹脂(SX-866;JSR社製)、シリカ系中空粒子(ゴッドボールB-6C;鈴木油脂工業(株)製)等として入手可能である。
第2の多孔層3における高耐熱中空粒子の含有比率は70〜90重量%の範囲が好ましい。70重量%未満であれば十分な断熱性、耐熱性が得られないおそれがあり、90重量%を超えるときは結着力が不足して多孔層の基材フィルムからの剥離が生じるおそれがある。
第2の多孔層に使用するバインダー樹脂としては、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、酢酸ビニル樹脂、アクリル樹脂およびその共重合体、あるいはそれらをブレンドした樹脂を水に溶解するかまたは分散させるかまたはエマルジョンにしたものや、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース、デンプン、ポリアクリル酸ナトリウムなどの水溶性樹脂が用いられる。基材フィルムにポリエステルが使用される場合は、多孔層バインダーとしてポリエステル樹脂を使用することは、基材フィルムと多孔層の接着性の点から好ましい。例えばポリエステル樹脂(バイロナールMD-1480;東洋紡績社製)が使用可能である。ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース、ポリアクリル酸ナトリウム等の水溶性樹脂は、粘度が高く、保水性に優れるため、基材フィルム1への水分の浸透を防ぐ上で好ましい。
中間層4は、基材フィルム1と染料受容層5との間に介在する第2の多孔層以外のすべての層を指す。中間層4は単層構造または複層構造のいずれでもよい。なお、中間層4は必要に応じて設ければよく、これを省略してもよい。また中間層は多孔層構成バインダ樹脂と同様のものを使用することができる。
中間層4には、隠蔽性や白色性を付与するために、また、熱転写受像シート全体の質感を調整するために、無機顔料として、炭酸カルシウム、タルク、カオリン、酸化チタン、酸化亜鉛その他公知の無機顔料や蛍光増白剤を含有させてもよい。それらの配合比は、樹脂固形分比100重量部に対して10〜200重量部が好ましい。10重量部よりも少ないと効果が十分に発揮されず、200重量部を超えると分散安定性に欠け、樹脂の性能が得られないおそれがある。中間層は、その形成の目的にもよるが、0.5〜5g/m2程度の厚さに形成される。形成は、グラビアコート、グラビアリバースコート、コンマコート、ダイコート、リップコート等の一般的な塗工方法で行えばよい。
染料受容層5は、染料によって染め易い樹脂を主成分とするワニスに、必要に応じて離型剤等の各種添加剤を加えて構成する。染料によって染め易い樹脂としては、ポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン等のハロゲン化樹脂、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリル酸エステル等のビニル系樹脂、およびその共重合体、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、エチレンやプロピレン等のオレフィンと他のビニル系モノマーとの共重合体、アイオノマー、セルロール誘導体の単体、または混合物を用いることができる。これらの中でも、ポリエステル系樹脂、およびビニル系樹脂が好ましい。
染料受容層5には、画像形成時に熱転写シートとの熱融着を防ぐために離型剤を配合することもできる。離型剤は、シリコーンオイル、リン酸エステル系可塑剤フッ素系化合物を用いることができるが、特にはシリコーンオイルが好ましく用いられる。シリコーンオイルとしては、エポキシ変性、アルキル変性、アミノ変性、フッ素変性、フェニル変性、エポキシ・ポリエーテル変性等の変性シリコーンが好ましく用いられる。中でも、ビニル変性シリコーンオイルおよびハイドロジェン変性シリコーンオイルとの反応物がよい。離型剤の添加量(合計量)は染料受容層5を形成する樹脂100重量部に対して0.2〜30重量部程度でよい。
染料受容層5はロールコート、バーコート、グラビアコート、グラビアリバースコート等の一般的なコート方法により形成される。染料受容層5の塗布量は0.5〜10g/m2程度である。
紙基材7は熱転写受像シートの全体に、銀塩写真に匹敵する質感や剛性感を与えるために使用される。紙基材7としては、例えば坪量78〜400g/m2、好ましくは150〜300g/m2の上質紙またはアート紙を使用することができる。紙基材7の厚さは40〜300μmの範囲が好適に用いられ、さらに好ましくは60〜200μm範囲に設定される。銀塩写真の印画紙と同等の質感を熱転写受像シートに与えるためには、熱転写受像シート1の全体の厚さを150〜250μmの範囲に設定するとよい。
接着層6は紙基材7と第1の多孔層2とを接合できるものであれば種類を問わないが、典型的にはウレタン系、ポリオレフィン系、ポリエステル系、アクリル系またはエポキシ系の接着性樹脂を用いることができる。また、第1の多孔層2と紙基材7とを接着する方法として、接着層を構成する樹脂を押出しつつその押出し樹脂を挟んで第1の多孔層2と紙基材7とを貼り合わせる、いわゆるECラミネート法を用いて接着層6を形成しつつ第1の多孔層2と紙基材7とを貼り合わせることもできる。このECラミネート法にて使用される押出し樹脂としては、ポリオレフィン系の汎用の樹脂が挙げられる。接着層6は通常3〜30g/m2程度、好ましく4〜20g/m2程度の範囲で形成される。
紙基材7の下面に樹脂コート層を設けることにより、紙基材7のカールを防止する保湿性を付与し、あるいは熱転写受像シートがプリンタにて搬送される際の摩擦抵抗を低減する滑性を付与してもよい。保湿性を付与する目的を達成するためには、樹脂コート層の材料としてポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール等のホイールコントロールスイッチ効果を有する樹脂を利用できる。また、滑性を付与するためには、樹脂コート層の材料として無機または有機フィラーを分散させた樹脂を用いるとよい。さらに、樹脂コート層にシリコーン等の滑剤、または離型剤を添加してもよい。
本発明の熱転写受像シートの形成途中の状態を示す模式的断面構成図を図2に示す。図2に示すように、熱転写受像シートは、基材フィルム1の下面側に第1の多孔層2を、上面側に第2の多孔層3、必要により中間層4および染料受容層5を順次形成して積層体を構成し、その積層体の第1の多孔層2の下面に接着層6を介して紙基材7を貼り合わせるようにする。なお、本発明の熱転写受像シート製法において、基材フィルムに対する第1、第2多孔層、染料受容層形成順序は特に問わない。
本発明の熱転写受像シート及びその製造方法によれば、紙基材とは別の基材フィルムの一方の面側に第2の多孔層、染料受容層を、他方の面側に第1の多孔層をそれぞれ設けており、多孔層塗工時に基材フィルムには水分が浸透しないか、または浸透したとしても紙基材に対する浸透よりは遥かに浸透の程度が少ないので、多孔層を形成する基材の凹凸を抑えて染料受容層を高い平滑度で形成することができる。さらに、第1の多孔層の塗工液を乾燥させてから紙基材を貼り合わせれば、水分の紙基材に浸透するおそれがなく、紙基材の種類を問わず凹凸の出現を防止して染料受容層の平滑度を高く維持することができる。これにより、画像形成時において濃度ムラやドット抜けのない高品質な画像を得ることができる。
また、基材フィルムの一方面上に第1の多孔層、他方の面上に第2の多孔層を形成する構成とすることにより、比較的膜厚の厚い基材フィルム(25μm程度)を使用しても画像のハイライト部(画像低濃度部)、シャドウ部(画像高濃度部)を高感度で受像できる。このように膜厚の厚い基材フィルムを使用できる事により、熱転写受像シート作製時の熱じわ、巻取りフィルム中のブロッキング発生させることなく、すなわち良好な加工性で該受像シートを製造できる。
以下に実施例をあげて、本発明をさらに具体的に説明する。なお、本実施例中、「部」または「%」とあるのは特に断りない限り、質量基準(重量部、重量%)である。
以下に実施例を示し、本発明をより具体的に説明する。
(実施例1)
12μmのポリエステルフイルム上の一方の面に下記組成からなる耐熱多孔層(1)、中間層、受容層をグラビアコートで、それぞれ乾燥後2.0g/m2、1.0g/m2、4.0g/m2となるように塗工および乾燥し耐熱多孔層、中間層、受像層を形成した。
耐熱多孔層
高架橋スチレン−アクリル系中空粒子(SX-866、JSR社製) 80重量部
(体積平均粒径=0.3μm、中空率30%、耐熱温度300〜330℃)
ポリエステル樹脂(バイロナールMD-1480、東洋紡績(株)製) 20重量部
水 400重量部
中間層
ポリエステル樹脂(バイロナールMD-1480、東洋紡績(株)製) 20重量部
水IPA=1/1 100重量部
受容層
塩化ビニル‐酢酸ビニル共重合体(電気化学工業(株)製;#1000A) 120重量部
エポキシ変性シリコーン(信越化学工業(株)製;X22・3000T) 12重量部
変性シリコーン(信越化学工業(株)製;X24-510) 6重量部
メチルエチルケトン/トルエン=8/2 50重量部
上記ポリエステルフィルムの受像層とは反対の面に下記組成からなる高空隙多孔層をグラビアコートで、乾燥後厚みが15μmとなるように塗工および乾燥し多孔層を形成した。
高空隙多孔層
アクリル系中空粒子(ローベイクHP-1055;ロームハンドハース杜製) 80重量部
(体積平均粒径=1μm、中空率50%)
ポリエステル樹脂(バイロナールMD-1480;東洋紡績(株)製) 20重量部
水 400重量部
次いで上記塗工済みポリエステルフィルムの高空隙多孔層側と、基材シートの坪量158g/m2のコート紙を下記組成の押出し樹脂にて、Tダイ法によりECラミネートを行い熱転写受像シート(1)を得た。尚、押出し樹脂による接着剤層の厚さは15g/m2(固形分)である。
押出し樹脂
ポリエチレン樹脂(スミカセン10P;三井住友ポリオレフィン(株)製)
(実施例2)
実施例1のポリエステルフィルムの厚みを25μmにした以外は、実施例1と同様にして、熱転写受像シート(2)を得た。
(実施例3)
実施例1の耐熱多孔層を下記組成の高耐熱多孔層にした以外は、実施例1と同様にして、熱転写受像シート(3)を得た。
中空型クレー(Zeolex 94HP;Huber社製) 80重量部
ポリエステル樹脂(バイロナールMD-1480;東洋紡績(株)製) 20重量部
水 400重量部
(実施例4)
実施例1の高空隙多孔層を下記組成の高空隙多孔層にした以外は、実施例1と同様にして、熱転写受像シート(4)を得た。
熱膨張型マイクロカプセル(エクスパンセル551DU;日本フイライト杜) 50重量部
ポリエステル樹脂(バイロナールMD・1480;東洋紡績(株)製) 50重量部
水 400重量部
(比較例1)
4μmのポリエステルフイルム上の一方の面に実施例1と同様の中間層、受容層をグラビアコートで、それぞれ乾燥後1.0g/m2、4.0g/m2となるように塗工および乾燥し中間層、受像層を形成した。
上記ポリエステルフィルムの受像層とは反対の面に実施例1と同様の高空隙多孔層をグラビアコートで、乾燥後厚みが15μmとなるように塗工および乾燥し多孔層を形成した。
次いで上記塗工済みポリエステルフィルムの高空隙多孔層側と、基材シートの坪量158g/m2のコート紙を実施例1と同様の押出し樹脂にて、Tダイ法によりECラミネートを行い熱転写受像シート(5)を得た。
(比較例2)
比較例1のポリエステルフィルムの厚みが12μmになった以外は、比較例1と同様にして、熱転写受像シート(6)を得た。
(比較例3)
12μmのポリエステルフイルム上の一方の面に実施例1と同様の耐熱多孔層、中間層、受容層をグラビアコートで、それぞれ乾燥後2.0g/m2、1.0g/m2、4.0g/m2となるように塗工および乾燥し耐熱多孔層、中間層、受像層を形成した。
次いで上記塗工済みポリエステルフィルムの非塗工面側と、基材シートの坪量158g/m2のコート紙を実施例1と同様の押出し樹脂にて、Tダイ法によりECラミネートを行い熱転写受像シート(7)を得た。
(評価)
次に、実施例及び比較例で得られた熱転写受像シートについて評価(プリント濃度、プリント物外観、加工性および総合評価)を行なった。結果を下記表1にまとめた。
プリント濃度評価
(熱転写記録)
熱転写フィルムとして、ソニー(株)製昇華転写プリンターUP-D70A用転写フィルムUPC-740を使用し、上記の実施例及び比較例の熱転写受像シートを用い、染料層と染料受容層面とを対向させて重ね合わせ、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、保護層の順番で熱転写フィルムの裏面から下記条件でサーマルヘッドを用い熱転写記録を行った。
下記の条件にて、熱転写記録によりグラデーション画像を形成した。
・サーマルヘツド:KYT-86-12MFW11(京セラ(株)製)
・発熱体平均抵抗値:4412(Ω)
・主走査方向印字密度:300dpi
・副走査方向印字密度:300dpi
・印加電力:0.136(w/dot)
・1ライン周期:6(msec.)
・印字開始温度:30(℃)
・プリントサイズ:100mm×150mm
・階調プリント:1ライン周期中に、1ライン周期を256に等分割したパルス長を持つ分割パルスの数を0から255個まで可変できるマルチパルス方式のテストプリンターを用い、各分割パルスのDuty比を40%固定とし、階調によって、ライン周期あたりのパルス数を1ステップでは0個、2ステップでは17個、3ステップでは34個と0から255個まで17個毎に順次増加ざせることにより、1ステップから16ステップまでの16階調を制御した。
・保護層を転写:1ライン周期中に、1ライン周期を256に等分割したパルス長を持つ分割パルスの数をOから255個まで可変できるマルチパルス方式のテストプリンターを用い、各分割パルスのDuty比を50%固定、ライン周期あたりのパルス数を210個固定とし、ベタプリントを行ない、プリント面全面に保護層を転写した。
上記のプワント物を光学反射濃度計(マクベス杜製、マクベスRD-918)を用いて、ビジュアルフィルターで、最大反射濃度を測定し、下記のようにランク付けした。
○:最大反射濃度2.0以上
×:最大反射濃度2.0未満
プリント物外観評価
キャノン(株)製昇華転写プリンターCP-100およびCP-100用熱転写フィルムを使用し、実施例及び比較例の熱転写受像シートを用いて実画をプリントしプリント物の外観を評価し、下記のようにランク付けした。
○:画像に凹みなし
×:画像に凹みあり。特にブラック印画部。
加工性評価
加工性は基材フィルム1の加工前と加工後(受容層、中間層、多孔層等塗工後、芯材紙と貼りあわせる前の時点)のフィルム巾がどれだけ変化したで評価し、下記のようにランク付けした。
○:フィルム巾の変化(縮み)が3%未満である。
×:フィルム巾の変化(縮み)が3%以上である。
総合評価はプリント濃度、プリント物外観、加工性の3評価が「○」の場合に「○」、3評価のいずれか1つが「×」の場合は、「×」と評価した。
Figure 0004073866
(発明の効果)
本発明の熱転写受像シートは、濃度ムラ、ドット抜け、エンボスのない高品質な画像を形成することができる。
本発明の熱転写受像シートの製造方法に従うと、紙基材の種類を問わず、染料受容層を高い平滑度で形成することができる。
本発明の熱転写受像シートの模式的断面構成図。 本発明の熱転写受像シートの形成途中の状態を表す模式的断面構成図。
符号の説明
1 基材フィルム
2 第1の多孔層
3 第2の多孔層
4 中間層
5 染料受容層
6 接着層
7 紙基材

Claims (4)

  1. 少なくとも、ポリエステル樹脂からなる基材フィルム、該基材フィルムの一方の面側上に少なくとも耐熱温度200℃以上の高耐熱中空粒子とバインダー樹脂からなる第2の多孔層および染料受容層、そして他方の面側上に中空粒子とバインダー樹脂からなる第1の多孔層からなり、第1の多孔層が接着剤層を介して紙基材上に積層されてなる、熱転写受像シート。
  2. 基材フィルムの膜厚が、5〜25μmである、請求項1に記載の熱転写受像シート。
  3. 第1及び第2の多孔層における中空粒子の含有比率が、それぞれ70〜90重量%である、請求項1に記載の熱転写受像シート。
  4. ポリエステル樹脂からなる基材フィルムの一方の面側上に耐熱温度200℃以上の高耐熱中空粒子とバインダー樹脂からなる第2の多孔層および染料受容層、および他方の面側上に中空粒子とバインダー樹脂からなる第1の多孔層を設け、その後に、該第1の多孔層と紙基材を接着層を介して貼り合わせることを特徴とする、熱転写受像シートの製造方法。
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