JP4006992B2 - 記録材料の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、インクジェット記録方式に適した記録材料の製造方法に関する。より詳細には、水系顔料インクを用いたインクジェット記録方式において、画像濃度が高く、発色性に優れた高画質な記録が可能であり、かつ、記録後に野外展示した場合においても経時安定性に優れる記録材料の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、コンピューターの性能向上及び普及とともに、ハードコピー技術が急速に発達した。ハードコピーの記録方式としては、昇華転写記録方式、電子写真方式、インクジェット方式等の方式が知られている。
【0003】
インクジェット方式によるプリンターは、ノズルから被記録紙に向けてインク液滴を高速で噴射する方式のものであり、カラー化、小型化がしやすいこと、印字騒音が低いことから、オフィス、ホーム、パーソナルコンピューター等の端末として、近年急速に普及しつつある。更に、インクジェット方式によるプリンターは、銀塩写真に迫るほどに記録品質が向上してきたことや、大型化が容易であることから、大型看板等の産業分野への応用が期待されている。
【0004】
インクジェット方式に使用されるインクとしては、水性染料インク、すなわち水或いは水と親水性溶剤との混合溶媒中に各種の水溶性染料を溶解し、必要に応じて各種の添加剤を混合したものが主流である。これは水性インクが色調の鮮やかな記録が可能であること、インクの粘度を調節しやすいこと、安全性の面で優位であるためである。しかしながら、水性染料インクは水溶性染料を用いていることから、耐水性、耐候性が劣るという欠点があり、それを改善した方策が各種提案されている(特開昭55−150396号公報、特開昭56−58869号公報、特開昭56−77154号公報、特開昭59−196285号公報、特開昭62−141194号公報、特開平2−80279号公報)。しかし、これらの水性染料インクを用いてインクジェット方式で記録された画像は、野外で展示できる程の耐水性や耐候性を有するものではなく、画像の表面に紫外線吸収性のラミネートフィルムを張る必要がある。そのため、コストが上昇する問題がある。
【0005】
水性染料インクの欠点を補うために、水性顔料インク、すなわち、有機顔料、無機顔料を水或いは水と親水性溶剤との混合溶液に分散し、かつ必要に応じて各種の添加剤を添加したインクが提案されている。水性顔料インクを用いてインクジェット方式で記録した場合には、印刷後の記録材料を十分に乾燥させれば完全な耐水性を得ることが可能である。そのため、水性顔料インクは、近年、簡易的な看板、短期間の野外看板、ポスター、電飾等に数多く使用されるようになりつつある。
【0006】
一方、記録材料としては、水性染料インクに対して記録品質を満足させるべく、各種のものが提案されている。例えば、顔料と樹脂を含有した多孔質層を支持体上に設けたもの(特開昭55−11829号公報、特開昭56−157号公報、特開昭56−99692号公報、特開昭56−148582号公報、特開昭56−148583号公報、特開昭57−107879号公報、特開昭57−126691号公報、特開昭58−136480号公報、特開昭60−222281号公報、特開昭62−233284号公報、特開平3−56552号公報、特開平3−24905号公報、特開平2−76775号公報、特開平4−128091号公報、特開平5−221115号公報)、水溶性樹脂を支持体上に設けたもの(特開昭59−45188号公報、特開昭60−56587号公報、特開昭60−234879号公報、特開昭61−172786号公報、特開昭61−189985号公報、特開平1−190483号公報、特開平4−263984号公報、特開平4−201595号公報、特開昭63−162674号公報)、透明支持体上に不透明なインク受容層を設けて画像を記録した面とは反対側の面から鑑賞するバックプリント方式(特開昭61−92885号公報、特開昭61−40181号公報、特開昭61−135786号公報、特開昭61−148091号公報、特開昭61−148092号公報、特開昭61−35275号公報、特開昭61−35276号公報、特開昭61−35986号公報、特開昭61−35988号公報、特開昭61−35989号公報、特開昭61−92886号公報、特開昭61−135787号公報、特開昭61−135788号公報、特開昭61−49884号公報、特開昭61−49885号公報、特開昭61−57378号公報、特開昭61−41587号公報、特開昭61−41588号公報、特開昭61−41589号公報、特開昭62−222885号公報、特開昭62−222887号公報)、更には耐水性、ニジミが生じないこと等の性能向上させるための各種の添加剤(特開昭60−83882号公報、特開昭61−47290号公報、特開昭61−74880号公報、特開昭61−89082号公報)等が提案されている。
【0007】
顔料インクの性能を引き出すように、インク受容層を設計した各種のものが提案されている。例えば、特開平10−109473号公報に開示の記録材料は、基材上にインク受容層を有し、インク受容層は、水溶性樹脂、硬化剤、界面活性剤から主として構成される。この記録材料は印刷特性に優れ、更には顔料インクの優れた耐光性、耐水性により野外展示に使用可能な記録材料としての基本的な性能を有しており、簡易的な看板、短期間の看板等には使用可能である。
【0008】
さらに、特開2000−355161号公報や、特開平10−119428号公報には、基材としてオレフィン系フィルムを用いたインクジェット記録材料が提案されている。この記録材料は、オレフィン系フィルムを用いているので、柔軟で曲面等に追従可能である。しかし、この記録材料に黒ベタ等の濃色を主体とする画像を印刷して野外展示に供すると、1日後ないしは1ヶ月後には、表面の平面性が悪くなり、窪みや浮き、剥がれ等の問題が多々発生し、野外展示に使用できるものではなかった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、インクジェット記録方式に適した記録材料の製造方法を提供することにある。より詳細には、本発明の目的は、水系顔料インクを用いたインクジェット記録方式において、画像濃度が高く、発色性に優れた高画質な記録が可能であり、かつ、曲面追従性があり、記録後に野外展示した場合においても経時安定性に優れる記録材料の製造方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、水系顔料インクの性能を最大限に発揮でき、発色濃度、耐水性に優れ、更に長期間の展示に耐え得る記録材料という観点で鋭意検討した結果、本発明に到達した。
【0011】
発明において、インク受容層とは、インクジェットプリンターから噴射されたインクを吸収し、定着させる層のことである。また、多孔質構造とは、表面から内部に連通した空隙を有する構造のことである。
【0022】
本発明は、基材上にプライマー層を有し、前記プライマー層上に多孔質構造のインク受容層を有する記録材料であって、前記基材が空洞含有ポリオレフィン系フィルムを含み、前記プライマー層が、エチレン酢酸ビニル共重合体、アクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリエステルウレタン樹脂、ポリブチルアセテート樹脂、ポリビニルアセタール及びポリビニルブチラールから選ばれる樹脂を少なくとも含有し、前記インク受容層が、無機微粒子及び有機微粒子から選ばれる微粒子と、結着剤と、架橋剤とを含有し、インク受容層の単位面積当たりの重量が5g/m 2 以上50g/m 2 以下であり、記録材料の100℃、120分間の熱処理による加熱収縮率が−1%以上1%以下であり、且つ記録材料の全光線透過率が30%以下である記録材料を製造する方法であって、
空洞含有ポリオレフィン系フィルムを含む基材上に、プライマー層用塗工液を塗布、乾燥して、プライマー層を形成し、前記プライマー層上に、インク受容層用塗工液を乾燥後の単位面積当たりの重量が5g/m2 以上50g/m2 以下となるように塗布し、3kg/m以上30kg/m以下の張力下で走行させて、80℃以上120℃以下の温度で乾燥して、多孔質構造のインク受容層を形成して、100℃、120分間の熱処理による加熱収縮率が−1%以上1%以下である記録材料を製造する方法である。
【0023】
本発明は、インク受容層の形成後に、30℃以上50℃以下でエージング処理を施す、前記の記録材料の製造方法である。
【0025】
本発明は、プライマー層の形成前及び/又は形成後に、100℃以上160℃以下の温度雰囲気中を、3kg/m以上30kg/m以下の張力下で走行させてアニール処理を施す、前記の記録材料の製造方法である。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳しく説明する。図1は、本発明により製造される記録材料の一例を示す断面図である。図1において、記録材料は、基材(1) 上にプライマー層(3) を有し、プライマー層(3) 上に多孔質構造のインク受容層(2) を有する。
【0027】
本発明における基材(1) は、空洞含有ポリオレフィン系フィルムを含んで構成される。空洞含有ポリオレフィン系フィルムは、プロピレン、エチレン、ブテン、4−メチルぺンテン−1等の公知のオレフィンをモノマー成分とする単独重合体や共重合体、もしくはそれらの任意の混合物より成る重合物からなるポリオレフィン系フィルムの内部に空洞を有し、この空洞により不透明化されたフィルムである。この空洞含有ポリオレフィン系フィルムは、ポリオレフィン系合成紙とも呼ばれ、耐水性に優れ、適度な強度と伸度を有すると共に、紙に類似した軽量性、クッション性を有し、本発明の必須要素である。
【0028】
空洞含有ポリオレフィン系フィルムは、全光線透過率が30%以下であることが好ましい。この程度の不透明度(全光線遮蔽性)を有することにより、得られる記録材料の全光線透過率が30%以下となり、印刷後の記録材料を壁等に貼り付けた際に裏地が見える問題がない。
【0029】
ポリオレフィン系フィルムに空洞を含有させる方法は、特に限定されるものではないが、ポリオレフィン樹脂に空洞形成開始剤を混合し、溶融、押出しした未延伸シートを少なくとも1軸方向に延伸することにより、内部に微細な空洞を多数含有させる方法が好ましい。
【0030】
空洞形成開始剤は、延伸工程において、ポリオレフィン系樹脂との界面で剥離が生じて空洞を形成し得るものであり、ポリオレフィン系樹脂と非相溶であり、ポリオレフィン系樹脂の溶融成形温度で溶融することがなく、かつ同温度に耐える耐熱性を有する材料からなる粒子であれば特に制限はなく、例えば次の無機質微粒子や有機質微粒子が挙げられる。無機質微粒子は、ポリオレフィン系樹脂に不活性な無機質微粒子であり、例えば炭酸カルシウム、二酸化チタン、二酸化珪素、硫酸バリウム、酸化アルミニウム、ゼオライト、カオリン、タルク等が挙げられる。有機質微粒子としては、例えば、ポリスチレン樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂、アクリロニトリル−スチレン樹脂、スチレン−ブタジエンブロックコポリマー等のスチレン樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル樹脂、シクロペンタジエン系の石油樹脂等の高分子からなる微粒子及びこれらの架橋された微粒子物が挙げられる。これらの中で、安価に入手可能な無機質微粒子が好ましく、特に、各種の用途で使用されており、安価な炭酸カルシウムが好ましい。
【0031】
上記空洞形成開始剤をポリオレフィン系樹脂と混合する方法としては、特に限定しないが、分散性の向上のために、ポリオレフィン系樹脂に空洞形成開始剤を高濃度で混合したマスターバッチを予め作成して、このマスターバッチの混合物をポリオレフィン系樹脂に添加することが好ましい。
【0032】
上記空洞形成開始剤の混合量は、ポリオレフィン系樹脂100重量部に対して、好ましくは2〜40重量部、より好ましくは10〜30重量部である。この含有量が2重量部未満の場合、ポリオレフィン系フィルムに十分な空洞を形成することができず、得られるフィルムの不透明性、軽量性及びクッション性が不十分となり、逆に40重量部を超えるとフィルムの製膜性、延伸性が劣り生産性が悪くなるだけではなく、得られるフィルムの柔軟性や腰等の機械的特性が劣り好ましくない。
【0033】
上記空洞形成開始剤の好ましい粒径は、0.1〜10μm、より好ましくは0.3〜7.0μmである。この平均粒径が0.1μm未満の場合、微粒子の含有量がたとえ多くても十分な空洞を形成することができず、得られるフィルムの不透明性、軽量性及びクッション性が不十分となり、逆に10μmを超える場合、フィルムの製膜性、延伸性が劣るので好ましくない。上記空洞形成開始剤微粒子は、均一な構造を有し、巨大粒子による成膜時の破断等を防ぐために粒度分布の小さいものが好ましい。
【0034】
本発明において、空洞含有ポリオレフィン系フィルム中に隠蔽性を向上させるために、屈折率の高い微粒子を混合しても良い。高屈折率の微粒子としては、二酸化チタン、硫酸バリウム、酸化アルミニウム等が挙げられるが、これらに特に限定するものではない。
【0035】
また、用途に応じて、通常のポリオレフィン系フィルムに配合される公知の安定剤、酸化防止剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、蛍光増白剤、加工肋剤、可塑剤、着色剤、減粘剤などを適宜配合することも可能である。
【0036】
本発明においては、空洞含有ポリオレフィン系フィルムは、表層と中心層を積層したいわゆる複合フィルムとしてもよい。その積層方法は特に限定されるものではない。しかし生産性を考慮すると、表層と中心層の原料は別々の押出機から押出し、1つのダイスに導き未延伸シートを得た後、少なくとも1軸に配向させる、いわゆる共押出法による積層が最も好ましい。
【0037】
空洞含有ポリオレフィン系フィルムが積層フィルムの場合には、表層と中心層が同一組成でも構わないが、別の組成とすることが好ましい。表層における空洞形成開始剤の含有量を少なくし、空洞の含有量を表層部分で少なくすることにより、軽量性及びクッション性を維持しつつ、より表面強度の優れた積層フィルムとなる。
【0038】
空洞含有ポリオレフィン系フィルムを製造する具体的な方法としては、ポリオレフィン系樹脂に空洞形成開始剤及び各種の添加剤を混合し、160℃〜300℃に温度設定された押出し機より溶融押出してシート状成形物を得て、得られたシート状成形物を5〜80℃の冷却ロールで冷却成形した後に、面積倍率で8〜50倍程度、好ましくは10〜40倍程度に延伸する方法が挙げられる。
【0039】
延伸方法としては、チューブラ法延伸、同時二軸延伸、逐次二軸延伸等が挙げられが、平面性、寸法安定性、厚みムラがないこと等から逐次二軸延伸が好ましい。逐次二軸延伸の具体例としては、120〜150℃で予熱してアニール処理をすることにより長手方向に3〜7倍に延伸した後に、130〜190℃で予熱して幅方向に5〜10倍に延伸し、更に、130℃〜220℃に加熱し、1〜10%緩和させながら熱固定を行なう方法が挙げられる。
【0040】
本発明において基材(1) は空洞含有ポリオレフィン系フィルムのみから構成されてもよく、空洞含有ポリオレフィン系フィルムと通常のポリオレフィン系フィルムとが積層されたものでもよい。あるいは、基材(1) は空洞含有ポリオレフィン系フィルムと、例えば、ポリエステル、ポリスチレン、ナイロン、ポリカーボネート、ノルボルネン、ビニロン、アクリル等のポリオレフィン系以外の他の樹脂フィルム又はシート、これらの材料に無機顔料及び/又は発泡剤を混合した不透明樹脂フィルム、ポリエステル系布、ポリエステル/綿混合布、綿布、不織布、パルプ、樹脂含浸紙、キャストコート紙、レジンコート紙の中から選ばれる任意の1種又は2種以上とが積層されたものでもよい。
【0041】
基材(1) は白色であることが好ましく、JIS−Z−8730のハンター表色式による値において、好ましい範囲はL≧80、−5≦a≦5、−5≦b≦5である。
【0042】
本発明において、基材(1) としての空洞含有ポリオレフィン系フィルムの100℃で120分間の熱処理による加熱収縮率の絶対値は小さい方が好ましく、縦及び横方向共に−1%以上1%以下であることが好ましく、−0.5%以上0.5%以下であることが更に好ましい。基材(1) の前記加熱収縮率が−1%以上1%以下の範囲から外れる場合には、プライマー層の形成前に基材をアニール処理することも好ましい。アニール処理条件としては、例えば、熱風あるいは赤外線ヒーターを用いて100℃以上160℃以下の温度雰囲気中を、3kg/m以上30kg/m以下の張力下で基材を走行させる方法が挙げられる。このようなアニール処理の高熱により、基材を予め収縮又は膨張させ、熱に対して安定な状態とすると良い。
【0043】
しかし、プライマー層の形成前のアニール処理を行わない場合でも、後述するプライマー層形成後の基材のアニール処理によって加熱収縮率の絶対値を低下させる方法、及び/又はインク受容層形成の際の乾燥温度及び張力の制御によって加熱収縮率の絶対値を低下させる方法を用いることにより、本発明に合致する加熱収縮率を有する記録材料を得ることは可能である。
【0044】
本発明で使用する基材(1) の厚みは特に限定されないが、好ましくは30μm〜200μmである。30μmよりも薄い場合には印刷時の搬送性が悪くなるばかりか、印刷後の記録材料の施工時の取り扱いも不良となる。200μmよりも厚い場合には、腰が強すぎて曲面へ追従させること等の施工時の作業性が不良となる。
【0045】
本発明においては、インク受容層(2) と基材(1) との密着性の向上を目的に、基材(1) のインク受容層(2) を形成すべき側の面にプライマー層(3) を設ける。プライマー層(3) は、基材(1) 上に、プライマー層用塗工液を塗布、乾燥して形成される。
【0046】
プライマー層は樹脂を主体として構成される層である。プライマー層用の樹脂としては、例えば、エチレン酢酸ビニル共重合体、アクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリエステルウレタン樹脂、ポリブチルアセテート樹脂、ポリビニルアセタール、ポリビニルブチラール、及びそれらのブレンド等が適用可能である。更に、プライマー層に、イソシアネート、メラミン、エポキシ等の架橋剤を混合しても構わない。架橋剤を含有させることにより、プライマー層の耐水性や、インク受容層と基材との密着性を向上させるばかりか、インク受容層とプライマー層との間で架橋反応が起こり、インク受容層の耐水性を向上させることが可能となる。
【0047】
プライマー層中には、滑り性の改善、表面凹凸形成によるインク受容層との密着性向上を目的に各種の顔料粒子を混合することが好ましい。例えば、シリカ、カオリナイト、タルク、炭酸カルシウム、ゼオライト、アルミナ、硫酸バリウム、カーボンブラック、酸化亜鉛、酸化チタン等の無機粒子、アクリル、ナイロン、スチレン、ポリエステル、ベンゾグアナミン・ホルマリン縮合物等の有機粒子が挙げられる。
【0048】
プライマー層における顔料粒子の混合量としては、プライマー層全体に対して、0.1重量%以上75重量%以下であることが好ましい。顔料粒子の混合量が0.1重量%よりも少ない場合には、滑り性が不良となり、搬送性が不良になるばかりか、塗工後の巻取りでブロッキング等の問題が発生する傾向がある。一方、混合量が75重量%よりも多い場合には、プライマー層の塗膜強度が低下し、インク受容層の表面に物理的な力が掛かった際にプライマー層が破壊され、実質的に表面強度の弱い記録材料となることがある。
【0049】
顔料粒子の平均粒径は、0.1μm以上10μm以下であることが好ましい。顔料粒子の平均粒径が0.1μmよりも小さい場合には滑り性の改善効果が得られにくい。一方、平均粒径が10μmよりも大きい場合には、顔料粒子がインク受容層の内部にまで存在し、滲み発生等の問題が発生することがある。
【0050】
プライマー層の単位面積当たりの重量(すなわち、乾燥後の塗工量)が0.01g/m2 以上10g/m2 以下となるように、プライマー層を塗工することが好ましい。塗工量が0.01g/m2 より少ない場合には、基材上に均一なプライマー層塗膜となりにくいため、受容層と基材との密着性を上げる効果が得られない。一方、塗工量が10g/m2 よりも多い場合には、密着性を上げる効果の点では良いが、コストが高くなるばかりか、基材の風合い、カール等の問題が発生することがある。
【0051】
プライマー層には各種の目的で、更に、界面活性剤、帯電防止剤、蛍光染料、蛍光増白剤、紫外線吸収剤等を添加しても良い。
【0052】
プライマー層は、単層であることがコスト面から好ましいが、基材と受容層との密着性をさらに向上させたい目的で、組成の異なる2層以上の層が積層された複層としても構わない。
【0053】
プライマー層を設ける方法としては、樹脂及び顔料を溶解或いは分散したプライマー層用塗工液を基材上に塗工し、熱風乾燥、赤外線加熱等の加熱乾燥を行うことが好ましい。更には、紫外線硬化性材料を用いた場合には、塗工後に紫外線硬化しても構わない。塗工方法としては、グラビアコート方式、キスコート方式、ディップ方式、スプレイコート方式、カーテンコート方式、エアナイフコート方式、ブレードコート方式、リバースロールコート方式など通常用いられている方法が適用でき、基材フィルムの成膜工程でプライマー層を設けるインラインコート方式、又は基材フィルム成膜後にプライマー層を設けるオフラインコート方式のいずれをも適用できる。
【0054】
プライマー層を設ける前に、プライマー層形成時の塗工性、プライマー層と基材との密着性向上のために、各種の処理を基材上に実施しても良い。具体的な処理としては、コロナ放電処理、不活性ガス雰囲気下でのコロナ放電処理、火炎処理、紫外線照射処理が挙げられる。
【0055】
本発明において、プライマー層(3) が形成された後の基材(1) の100℃で120分間の熱処理による加熱収縮率は、縦及び横方向共に−1%以上1%以下であることが好ましく、−0.5%以上0.5%以下であることが更に好ましい。加熱収縮率が−1%以上1%以下の範囲から外れる場合には、プライマー層の形成後に基材をアニール処理することが好ましい。アニール処理条件としては、例えば、熱風あるいは赤外線ヒーターを用いて100℃以上160℃以下の温度雰囲気中を、3kg/m以上30kg/m以下の張力下で基材を走行させる方法が挙げられる。このようなアニール処理の高熱により、基材を予め収縮又は膨張させ、熱に対して安定な状態とすると良い。
【0056】
しかし、この段階でのアニール処理を行わない場合でも、後述するインク受容層形成の際の乾燥温度及び張力の制御によって加熱収縮率の絶対値を低下させる方法を用いることにより、本発明に合致する加熱収縮率を有する記録材料を得ることは可能である。
【0057】
本発明においては、上記プライマー層(3) 上に、インク受容層用塗工液を乾燥後の単位面積当たりの重量が5g/m2 以上50g/m2 以下となるように塗布、乾燥して、多孔質構造のインク受容層(2) を形成する。多孔質構造を形成する方法としては、各種の方法が好適に使用できるが、微粒子と結着剤を用いることにより多孔質構造を形成することが、コスト面、空隙の制御のし易さの点で好ましい。インク受容層用塗工液は、無機微粒子及び有機微粒子から選ばれる微粒子と、結着剤と、架橋剤とを含有することが好ましい。インク受容層用塗工液に用いる各成分について説明する。
【0058】
インク受容層用の微粒子としては、シリカ、カオリナイト、タルク、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、ゼオライト、アルミナ、硫酸バリウム、カーボンブラック、酸化亜鉛、硫酸亜鉛、炭酸亜鉛、二酸化チタン、サチンホワイト、珪酸アルミニウム、ケイソウ土、珪酸カルシウム、水酸化アルミニウム、加水ハロイサイト、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム等の無機粒子、アクリル或いはメタアクリル系、塩化ビニル系、酢酸ビニル系、ナイロン、スチレン/アクリル系、スチレン/ブタジエン系、ポリスチレン/アクリル系、ポリスチレン/イソプレン系、メチルメタアクリレート/ブチルメタアクリレート系、メラミン系、ポリカーボネート系、尿素系、エポキシ系、ウレタン系、フェノール系、ジアリルフタレート系、ポリエステル系等の有機樹脂微粒子が挙げられる。
【0059】
上記の微粒子の中でシリカが、低屈折率、コスト等の面から好ましく、表面に細孔を有する合成非晶質シリカが更に好ましい。シリカ微粒子の特性としては、平均粒径が1μm〜30μm、比表面積が100〜500m2 /gが好ましい。平均粒径が1μmよりも小さい場合には、インク受容層中に十分な空隙が得られにくく、逆に30μmよりも大きい場合には、インク受容層表面が粗面化しすぎて品位が低下することがある。比表面積が100m2 /gよりも小さい場合には、インク中の溶媒を吸着する能力が低くなり易く、逆に500m2 /gよりも大きい場合には、インク受容層の強度が低下する問題が発生することがある。また、使用する粒子の粒度分布は狭い方が好ましい。粒度分布が広い場合には巨大粒子、特に粒径35μm以上の粒子がインク受容層中に含まれることがあり、その際には分級等により巨大粒子を除去することが好ましい。粒径35μm以上の粒子が存在すると、インク受容層の表面に突起が形成され易くなり、インクジェット記録後にラミネートした場合にラミネートフィルムとインク受容層の間に隙間が発生する。
【0060】
シリカ微粒子としては、1種のみを用いても良いが、平均粒径の異なる2種を混合することが好ましい。粒径の異なるシリカ微粒子を用いることにより、単一の平均粒径のシリカ微粒子を用いる場合よりも、塗膜の強度を維持したまま空隙の量を増やすことが可能となる。
【0061】
シリカ微粒子は、必要に応じて表面改質されたものでも良い。表面処理としては、有機シラン、有機チタネートなどを用いる化学処理、パラフィンワックスやグリコール系を表面に付着させる物理処理などがある。
【0062】
このようなシリカ微粒子としては、市販物を好適に選択できる。例えば、水沢化学製ミズカシル、徳山ソーダ製トクシール、ファインシール、シオノギ製薬製カープレックス、富士シリシア製サイリシア、グレースデビソン製サイロイド、サイロジェット等が挙げられる。
【0063】
微粒子を結合する結着剤としては、水に難溶性の樹脂、水溶性樹脂等の各種の樹脂が使用可能である。具体的には、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステルウレタン樹脂、アクリル系樹脂、アラビアゴム、ポリアクリルアミド、スチレン−ブタジエンゴム等の樹脂が挙げられる。本発明においては、水系顔料インクの吸収性の点等から水溶性樹脂を用いることが好ましい。
【0064】
水溶性樹脂としては、ポリビニルアルコール、デンプン、ポリビニルブチラール、ゼラチン、カゼイン、セルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルピロリドン等が挙げられる。これらの樹脂としては、1種又は2種以上を使用できるが、ポリビニルアルコールが好ましい。水溶性樹脂を用いることにより塗工液の粘度を調節し易く、粒子の沈降等を発生しにくくすることが可能である。水溶性樹脂を用いると、インク受容層の耐水性が低下するので、架橋剤を併用して耐水性を向上させる。
【0065】
架橋剤としては、水溶性樹脂を硬化し水への溶解性を低下させるものであれば公知の架橋剤を使用でき、例えばメラミン樹脂、エポキシ樹脂、イソシアネート、グリオキザール、イソバン、ほう砂、尿素系樹脂等が使用できる。本発明においては、耐熱性が十分ではないポリオレフィン系フィルムを基材に用いているので、110℃以下の温度で架橋反応を開始する架橋剤を用いることが好ましく、メラミン、尿素系樹脂が好ましい。ポリビニルアルコールとメラミン又は尿素系樹脂との組合せが好ましい。
【0066】
インク受容層中に含有させる架橋剤の添加量は、特に限定されるものではないが、水溶性樹脂の乾燥重量100重量部に対して、架橋剤0.5〜50重量部が好ましい。架橋剤が0.5重量部未満では、インク受容層の耐水性が不足することがあり、一方、50重量部を超えると、塗膜の強度が低下する傾向がある。また、それぞれの架橋剤の反応促進効果を有する触媒化合物を適宜添加してもよい。
【0067】
水系顔料インクに好適な記録材料を提供することが本発明の目的であるが、水系染料インクへの適合性をある程度付与するために、前記結着剤として前記水溶性樹脂の他に、カチオン系樹脂を用いることが好ましい。カチオン系樹脂をインク受容層中に混合することにより、染料インク中のアニオン性染料がカチオン性樹脂のカチオン基と錯体構造を形成し、染料インクに対する適合性が向上する。錯体構造を形成するため、記録材料表面に水が付着した際にも、アニオン性染料が容易に水に溶解しにくくなり、耐水性も向上する。
【0068】
カチオン系樹脂としては公知のものが使用でき、例えば、カチオン変性したポリビニルアルコール、カチオン変性ポリエステル、カチオン変性ポリアミド、ジアリルアミン重合体、ジメチルジアリルアンモニウムクロライド重合体、カチオン変性界面活性剤など、カチオン変性したものならば限定せずに使用できる。
【0069】
カチオン系樹脂を用いる場合の添加量は、特に限定されるものではないが、水溶性樹脂の乾燥重量100重量部に対して、カチオン系樹脂0.1〜30重量部が好ましい。カチオン系樹脂0.1重量部以上でインク受容層のアニオン染料インク定着性が得られ、一方、30重量部を超えるとインク吸収能が低下するので好ましくない。
【0070】
本発明において、インク受容層における前記微粒子量は、(水溶性樹脂とカチオン系樹脂を含む)結着剤合計量100重量部に対して、微粒子150重量部〜250重量部が好ましい。微粒子が150重量部よりも少ない場合には、多孔質構造を形成できにくく、インク吸収性が不良となる。一方、250重量部を超える場合には、塗膜の強度が低下する問題が発生することがある。
【0071】
インク受容層には、さらに界面活性剤を添加することも好ましい。界面活性剤の添加により、塗工時のレベリング性の向上、塗工液の消泡性の向上だけではなく、インクの浸透性向上、滲み防止等の効果が得られる。
【0072】
界面活性剤は、カチオン性、アニオン性又はノニオン性などいずれのものでもよく、界面活性能を有する公知のものを好適に使用できる。界面活性能に優れ、印刷特性を向上させることが可能なシリコン系界面活性剤又はフッ素系界面活性剤が好ましい。
【0073】
シリコーン系界面活性剤としては、公知のものを用いることができ、例えば、ジメチルシリコン、アミノシラン、アクリルシラン、ビニルベンジルシラン、ビニルベンジシルアミノシラン、グリシドシラン、メルカプトシラン、ジメチルシラン、ポリジメチルシロキサン、ポリアルコキシシロキサン、ハイドロジェン変性シロキサン、ビニル変性シロキサン、ビトロキシ変性シロキサン、アミノ変性シロキサン、カルボキシル変性シロキサン、ハロゲン化変性シロキサン、エポキシ変性シロキサン、メタクリロキシ変性シロキサン、メルカプト変性シロキサン、フッ素変性シロキサン、アルキル基変性シロキサン、フェニル変性シロキサン、アルキレンオキシド変性シロキサン等が挙げられる。
【0074】
フッ素系界面活性剤としては、公知のものを用いることができ、例えば、四フッ化エチレン、パーフルオロアルキルアンモニウム塩、パーフルオロアルキルスルホン酸アミド、パーフルオロアルキルスルホン酸ナトリウム、パーフルオロアルキルカリウム塩、パーフルオロアルキルカルボン酸塩、パーフルオロアルキルスルホン酸塩、パーフルオロアルキルエチレンオキシド付加物、パーフルオロアルキルトリメチルアンモニウム塩、パーフルオロアルキルアミノスルホン酸塩、パーフルオロアルキルりん酸エステル、パーフルオロアルキルアルキル化合物、パーフルオロアルキルアルキルベタイン、パーフルオロアルキルハロゲン化物等が挙げられる。
【0075】
本発明においては、上記シリコーン系界面活性剤及びフッ素系界面活性剤のうちの1種を単独で用いても良いし、これらの2種以上を併用しても良い。これらの界面活性剤のうち、フッ素系、シリコーン系のノニオン系界面活性剤がインク定着性、耐水性の点から好ましい。
【0076】
界面活性剤の添加量としては、印刷特性、強度、耐水性等の本発明の目的を阻害しない程度の添加量とすることが好ましく、インク受容層(乾燥重量)に対して、界面活性剤2〜20重量%が好ましい。界面活性剤が2重量%未満では、レベリング性等の効果が得られにくく、一方、20重量%を超えると、インク受容層の力学強度が低下したり、インク吸収能が低下する傾向にある。
【0077】
インク受容層には各種の添加剤を印刷特性及び他の物性を損なわない程度に加えても構わない。添加剤としては、例えば、蛍光染料、蛍光増白剤、可塑剤、紫外線吸収剤、顔料分散剤、抑泡剤、消泡剤、防腐剤等が挙げられる。
【0078】
以上の各成分を含むインク受容層用塗工液を、上記プライマー層(3) 上に塗布、乾燥して、多孔質構造のインク受容層(2) を形成する。塗布量は、インク受容層(2) の乾燥後の単位面積当たりの重量が5g/m2 以上50g/m2 以下、好ましくは10g/m2 以上40g/m2 以下となるように決定する。5g/m2 未満では、インク吸収速度が遅くインク吸収量も不足する。逆に、50g/m2 を超えると、コスト的に問題が発生する。インク受容層は、1層から成っていても、2層以上の複数層から成っていてもよい。
【0079】
インク受容層用塗工液の塗布方法としては、特に限定されないが、グラビアコート方式、キスコート方式、ディップ方式、スプレイコート方式、カーテンコート方式、エアナイフコート方式、ブレードコート方式、リバースロールコート方式、バーコート方式など通常用いられている方法が適用できる。
【0080】
塗布後のインク受容層の乾燥には、注意が必要である。初期段階では比較的緩やかに乾燥し、後半に強く乾燥することが好ましい。初期乾燥の段階で、急速に乾燥すると塗膜表面が荒れることがあり、インクジェット記録後にインク受容層をラミネートした際にラミネートフィルムとの間に隙間ができ、ラミネート後の発色濃度が低下する。この急速乾燥の悪影響は、巨大な粒子、特に粒径35μm以上の粒子が塗工液中に存在する場合に顕著に現れる。初期段階で徐々に乾燥すると、レベリングされ平滑な表面が得られる。
【0081】
また、インク受容層の乾燥の際には、記録材料の走行の張力と、温度に注意が必要である。張力が低すぎる場合には、加熱収縮率の低減された記録材料は得られるが、塗工時の搬送性等で実用的ではない。一方、張力が高すぎる場合には、予め基材をアニール処理して加熱収縮率の絶対値を小さくしておいても、加熱収縮率の絶対値の大きくなった記録材料となる。この張力による加熱収縮率の変化は、乾燥温度の影響が強く、乾燥温度が高い場合には顕著に変化し、逆に乾燥温度が低い場合には張力による加熱収縮率の変化が発生しにくい。具体的には、3kg/m以上30kg/m以下の張力下で、80℃以上120℃以下の温度でインク受容層の乾燥を行うことが好ましい。温度が120℃を超える場合には、熱シワが発生し平面性が不良となり易く、逆に80℃未満の場合には、乾燥効率が悪く、コスト的に問題がある。張力が3kg/m未満の場合には、走行安定性が不良となり易く、張力が30kg/mを超える場合には、加熱収縮率の絶対値の大きくなった記録材料となり易い。
【0082】
インク受容層を形成する前の(プライマー層が形成された)基材について、加熱収縮率が本発明の範囲(−1%以上1%以下)でない場合には、インク受容層を塗布し乾燥する際の乾燥温度を上記の範囲内で高く、張力を上記の範囲内で低くすることが好ましい。逆に、インク受容層を形成する前の(プライマー層が形成された)基材について、本発明の範囲の加熱収縮率(−1%以上1%以下)を達成している場合には、平面性等から乾燥温度を上記の範囲内で極力低くし、かつ、張力を安定的に走行できる様に上記の範囲内である程度高めに設定することが好ましい。以上のようにして、インク受容層(2) が形成される。
【0083】
インク受容層の形成後に、必要に応じてエージング処理を施しても良い。インク受容層の乾燥のみでは架橋反応が十分ではない場合には有効である。エージング処理の方法は特に限定されるものではないが、30℃以上50℃以下の環境下で10日間以上実施することが好ましい。30℃以下ではエージング効果が得られにくく、逆に50℃以上では巻き締り等の問題が発生することがある。ロール状でエージングした場合に、巻き芯部と巻き外部で昇温のしかたが異なるため、エージング期間としては過剰に実施することが好ましく、10日間以上が好ましい。このエージング処理も記録材料の加熱収縮率の絶対値の低減に効果を有する。
【0084】
以上のようにして、本発明の記録材料が得られる。すなわち、プライマー層の形成前及び/又は形成後に基材にアニール処理を施すこと、インク受容層の形成において、3kg/m以上30kg/m以下の張力下で、80℃以上120℃以下の温度で乾燥を行うこと、インク受容層の形成後に、30℃以上50℃以下でエージング処理を施すこと等を必要に応じて行って、100℃、120分間の熱処理による加熱収縮率が縦方向(製造流れ方向)及び横方向(幅方向)共に−1%以上1%以下、好ましくは−0.5%以上0.5%以下とされた本発明の記録材料が得られる。記録材料の加熱収縮率が−1%未満あるいは1%を超える場合には、記録材料の熱的安定性が不十分であるため、印刷後に記録材料を野外展示した場合に表面の平面性が悪くなり、窪みや浮き、剥がれ等が発生する。この現象は、黒ベタ等の濃色を印刷した際に顕著となる。
【0085】
また、本発明の記録材料は、全光線透過率が30%以下、好ましくは20%以下である。全光線透過率が30%以下であることにより、印刷後の記録材料を壁等に貼り付けた際に裏地が見える問題がない。
【0086】
本発明の記録材料は、水系顔料インクを用いたインクジェット記録方式において、画像濃度が高く、発色性に優れた高画質な記録が可能であり、かつ、曲面追従性があり、野外展示における経時安定性に優れる。
【0087】
【実施例】
次に本発明の実施例及び比較例を示すが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。まず、本発明に用いる測定・評価方法を以下に示す。
【0088】
(1)加熱収縮率
JIS K−6734に規定する方法により測定した。具体的には、作成した記録材料から一辺が120mmの正方形の試験片を2片切り出して用意し、これら2つの試験片を100℃に保った試験機の中に120分間水平状態に置き、その後常温まで冷却した。MD方向(Machine Direction;製造流れ方向)については試験片の上下縁部10mm計20mmを除く中心域AB間の長さ100mmを、TD方向 (Transverse Direction; 幅方向) 方向については試験片の左右縁部10mm計20mmを除く中心域CD間の長さ100mmを、それぞれ標点間距離として測定し、2つの試験片について上下の測定点間距離AB及び左右の測定点間距離CDのそれぞれ2個の平均を求め、次の式により加熱収縮率S(%)を測定した。
S(%)=(L2 −L1 )/L1 ×100
L1 は加熱前の標点間距離(mm)、L2 は加熱後の標点間距離(mm)
【0089】
プライマー層形成前の基材についても、同様に加熱収縮率を測定した。
【0090】
(2)全光線透過率
JIS K−7105に準じて測定した。
【0091】
(3)野外展示性
顔料インクを用いたインクジェットプリンター(ミマキエンジニアリング製、JV2−130)により、1m×1mの大きさの各記録材料に画像を印刷した。記録材料の裏面を両面粘着シートによりトタン板に貼り付け、野外で3ヶ月間放置した。放置後の状態を目視で以下の判断基準で評価した。
○:変化が無い。
△:表面にやや窪み、浮き等の発生があるが、実用レベルである。
×:表面に窪み、浮き等の発生がある。
【0092】
(4)印刷特性
顔料インクを用いたインクジェットプリンター(ミマキエンジニアリング製、JV2−130)により、各記録材料にイラスト調の画像を印刷した。印刷画像を目視で以下の判断基準で評価した。
○:ニジミがなくシャープで、画像濃度が高くコントラストが優れている。
△:ややニジミがあり、ぼやけているが実用レベルである。
×:ニジミがある、又は、発色濃度が低く、実用レベルではない。
【0093】
(5)耐水性
顔料インクを用いたインクジェットプリンター(ミマキエンジニアリング製、JV2−130)により、各記録材料に黒色ベタを印刷し、その後に流水下で印刷表面を指で擦り、以下の判断基準で評価した。
○:変化なし。
△:若干、インクが流れる。
×:インクが流れ、受容層が溶け出す。
【0094】
(5)裏写り性
上記(3)と同様にして印刷物を作成し、模様のある壁紙上に貼り付け、目視により裏写り性を評価した。
○:壁紙の模様が見えない。
△:壁紙の模様が薄く見える。
×:壁紙の模様がはっきりと見える。
【0095】
(6)曲面追従性
A0サイズの各記録材料に顔料インクを用いて記録した。これを、100mm角で高さ5mmの表面突起が一部分に存在するアクリル板上に両面テープを介して貼り付け、下記のような目視評価により曲面追従性を評価した。
○:浮き剥がれなし。
△:浮き剥がれわずかにあり。
×:浮き剥がれあり。
【0096】
[実施例1]
80μm厚の空洞含有ポリオレフィン系フィルム基材(FPG#80、王子油化合成紙製)を5kg/mの張力下で120℃の炉内を1分間通してアニール処理を施した。その後に、組成1のプライマー層用塗工液をマイクログラビア方式により乾燥後の重量で2g/m2 になるように塗工し、10kg/mの張力下で90℃の炉を30秒間通過させて乾燥させた。
【0097】
次いで、プライマー層上に、組成2のインク受容層用塗工液をリップ方式により乾燥後の重量で20g/m2 になるように塗工し、10kg/mの張力下で100℃の炉内を1分間通過させて乾燥させ、40℃で10日間エージングを実施して記録材料を得た。得られた記録材料の評価結果は表1に示す通りで、本発明に合致する物性値を有し、野外展示性、曲面追従性、印刷特性、耐水性、裏写り性に優れた記録材料であった。
【0098】
(組成1:プライマー層用塗工液)
水 75.9重量部
エチレン酢酸ビニル共重合体 20重量部
(住友化学工業製、スミカフレックス400HQ)
シリカ 5重量部
(富士シリシア製、サイリシア310、平均粒径1.4μm)
界面活性剤 0.1重量部
(日本ユニカー製、L−77)
【0099】
(組成2:インク受容層用塗工液)
水 51.5重量部
ポリビニルアルコール 30重量部
(クラレ(株)製、RS−117、10重量%溶解液)
架橋剤 6重量部
(住友化学工業(株)製、スミレーズレジンSR5004、固形分40重量%)
カチオン性樹脂 2重量部
(センカ(株)製、パピオゲンP105、固形分60重量%)
界面活性剤 0.5重量部
(大日本インキ化学工業(株)製、メガファックF−1405)
平均粒子径5μmのシリカ 5重量部
(富士シリシア製、サイリシア450)
平均粒径12μmのシリカ 5重量部
(富士シリシア製、サイリシア470)
【0100】
[実施例2]
プライマー層塗工前の基材のアニール処理を5kg/mの張力下100℃の炉内を1分間通して行ったこと以外は、実施例1と同様にして記録材料を得た。得られた記録材料は、実施例1と同様に、本発明に合致する物性値を有し優れた記録材料であった。
【0101】
[実施例3]
基材としてナンヤ製の80μm厚のポリオレフィン系フィルム(PI80)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして記録材料を得た。得られた記録材料は、実施例1と同様に、本発明に合致する物性値を有し優れた記録材料であった。
【0102】
[実施例4]
プライマー層塗工前の基材のアニール処理を施さず、かつ、インク受容層を5kg/mの張力下で100℃の炉内を1分間通過させて乾燥させたこと以外は、実施例1と同様にして記録材料を得た。得られた記録材料は、実施例1と同様に、本発明に合致する物性値を有し優れた記録材料であった。
【0103】
[実施例5]
インク受容層形成後に、エージング処理を施さなかったこと以外は、実施例3と同様にして記録材料を得た。得られた記録材料は、本発明に合致する物性値を有したが、エージング処理を施さなかったので、実施例1〜4と比べ、野外展示性、耐水性がやや劣っていた。
【0104】
[比較例1]
インク受容層用塗工液の塗工量を乾燥後の重量で4g/m2 としたこと以外は実施例1と同様に記録材料を得た。インク受容層用の塗工量が少ないので、得られた記録材料は、印刷特性に劣っていた。
【0105】
[比較例2]
プライマー層塗工前の基材のアニール処理を施さなかったこと以外は、実施例1と同様に記録材料を得た。得られた記録材料の加熱収縮率が本発明の範囲外であり、長期間の野外展示で問題が発生した。
【0106】
[比較例3]
35kg/mの張力下で100℃の炉内を1分間通過させてインク受容層を乾燥させたこと以外は、実施例1と同様に記録材料を得た。得られた記録材料の加熱収縮率が本発明の範囲外であり、長期間の野外展示で問題が発生した。
【0107】
[比較例4]
1kg/mの張力下で100℃の炉内を1分間通過させてインク受容層を乾燥させたこと以外は、実施例1と同様の操作を行ったが、走行安定性、塗工性が不安定のため、記録材料を得ることができなかった。
【0108】
[比較例5]
基材として半透明タイプの空洞含有ポリプロピレンフィルム(王子油化合成紙製TPGA90)を用いたこと以外は、実施例1と同様に記録材料を得た。得られた記録材料は、隠蔽性が劣るため裏写り性が不良で、展示用には不適切であった。
【0109】
[比較例6]
基材として75μm厚の空洞含有ポリエステル系合成紙(東洋紡績製、クリスパーG1212−75μ)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして記録材料を得た。得られた記録材料は、基材が硬いために曲面追従性が不良であった。
【0110】
【表1】
Figure 0004006992
【0111】
【発明の効果】
本発明によれば、インクジェット記録方式において、画像濃度が高く、発色性に優れた高画質な記録が可能であり、かつ、曲面追従性があり、記録後に野外展示した場合においても経時安定性に優れる記録材料が提供される。特に、本発明により製造される記録材料は、水系顔料インクを用いたインクジェット記録に好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の記録材料の一例を示す断面図である。
【符号の説明】
(1) :基材
(2) :インク受容層
(3) :プライマー層

Claims (3)

  1. 基材上にプライマー層を有し、前記プライマー層上に多孔質構造のインク受容層を有する記録材料であって、前記基材が空洞含有ポリオレフィン系フィルムを含み、前記プライマー層が、エチレン酢酸ビニル共重合体、アクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリエステルウレタン樹脂、ポリブチルアセテート樹脂、ポリビニルアセタール及びポリビニルブチラールから選ばれる樹脂を少なくとも含有し、前記インク受容層が、無機微粒子及び有機微粒子から選ばれる微粒子と、結着剤と、架橋剤とを含有し、インク受容層の単位面積当たりの重量が5g/m 2 以上50g/m 2 以下であり、記録材料の100℃、120分間の熱処理による加熱収縮率が−1%以上1%以下であり、且つ記録材料の全光線透過率が30%以下である記録材料を製造する方法であって、
    空洞含有ポリオレフィン系フィルムを含む基材上に、プライマー層用塗工液を塗布、乾燥して、プライマー層を形成し、前記プライマー層上に、インク受容層用塗工液を乾燥後の単位面積当たりの重量が5g/m2 以上50g/m2 以下となるように塗布し、3kg/m以上30kg/m以下の張力下で走行させて、80℃以上120℃以下の温度で乾燥して、多孔質構造のインク受容層を形成して、100℃、120分間の熱処理による加熱収縮率が−1%以上1%以下である記録材料を製造する方法。
  2. インク受容層の形成後に、30℃以上50℃以下でエージング処理を施す、請求項1に記載の記録材料の製造方法。
  3. プライマー層の形成前及び/又は形成後に、100℃以上160℃以下の温度雰囲気中を、3kg/m以上30kg/m以下の張力下で走行させてアニール処理を施す、請求項1又は2に記載の記録材料の製造方法。
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