JP2009083273A - 熱転写受像シート - Google Patents

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誠 青柳
Toru Takahashi
徹 高橋
Chie Fujimoto
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Abstract

【課題】本発明は、基材シート上に、複数の層を同時に形成することにより高効率で製造可能であり、かつ、白抜けの少ない印画物を形成することが可能な熱転写受像シートを提供することを主目的とする。
【解決手段】本発明は、基材シートと、上記基材シート上に形成され、中空粒子および冷却ゲル化剤を含有する多孔質層と、上記多孔質層上に形成され、染料染着性を有する受容層形成用樹脂を含有する受容層と、を備える熱転写受像シートであって、上記基材シートおよび上記多孔質層の間、または上記多孔質層および上記受容層の間の少なくとも一方に、SBR樹脂とゼラチンとを含有するクッション層が形成されていることを特徴とする熱転写受像シートを提供することにより、上記課題を解決するものである。
【選択図】図1

Description

本発明は、昇華型熱転写方式による印画に用いられる熱転写受像シートに関するものである。
熱転写を利用した画像の形成方法として、記録材としての熱拡散型染料(昇華型染料)をプラスチックフィルム等の基材シート上に担持させた熱転写シートと、紙やプラスチックフィルム等の別の基材シート上に受容層を設けた熱転写受像シートとを互いに重ね合わせてフルカラー画像を形成する熱拡散型転写方式(昇華型熱転写方式)が知られている。この方法は、熱拡散型染料を色材としているためドット単位で濃度、階調を自由に調節でき、原稿通りのフルカラー画像を受像シート上に鮮明に表現することができるので、デジタルカメラ、ビデオ、コンピューター等のカラー画像形成に応用されている。その画像は、銀塩写真に匹敵する高品質なものである。
上記熱転写受像シートは、基材シート上に複数の層が積層された構成を有するものであるが、このような熱転写受像シートを製造する方法として、例えば、グラビアコート等により、基材シート上に多孔質層や受容層を順次形成する方法が知られている。しかしながら、この方法は各層を順次形成する方法であるため、工程数が多くなるといった問題があった。そのため、より少ない工程数で熱転写受像シートを得るため、例えば、各層を構成する塗工液を上下に重ねた状態のまま基材シート上に塗布するスライドコート法等を用いて、基材シート上に同時に複数の層を形成する方法が注目を浴びている(例えば、特許文献1〜3)。このような方法は、複数の層を同時に形成することにより、製造効率を著しく向上させることができたり、あるいは製造コストを削減することができる点等において非常に有利な面がある
ところで、上記熱転写シートを用いて熱転写方式より印画物を形成するに際しては、従来より「白抜け」という現象が問題になっている。この「白抜け」は、熱転写受像シートを用いて印画物を作成する際に、部分的に印画がなされてない領域が発生することによって発生するものである。このような「白抜け」が発生する原因としては種々の原因が考えられるが、なかでも主要な要因としては、上記基材シートあるいは上記多孔質層表面に凹凸形状が存在し、それに伴い熱転写受像シート表面が凹凸形状となっていることが挙げられる。すなわち、熱転写受像シートを用いて印画物を作製する際は、染料を備える熱転写シートから熱転写受像シートへ染料を転写させるために、サーマルヘッド等によって加熱する方式が採られるが、熱転写受像シートの表面に凹凸形状が存在すると、上記凹凸形状によってサーマルヘッドと、熱転写シートとの密着性(追従性)が阻害され、部分的に熱が十分に伝わらない領域が発生してしまう。そして、この熱が十分に伝わらなかった部分に「白抜け」が生じてしまうのである。
また、特に上述したスライドコート法においては、基材シート上に塗工される塗膜の表面形状が、基材シートの表面形状に依存する傾向が強いため、基材シートの表面に凹凸形状が存在すると、それが最表面の受容層の表面形状にも反映され、結果として「白抜け」が発生しやすくなってしまうという問題点があった。
特開2006−88691公報 特開平6−171240号公報 特開2006−103040公報
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであり、基材シート上に、複数の層を同時に形成することにより高効率で製造可能であり、かつ、白抜けの少ない印画物を形成することが可能な熱転写受像シートを提供することを主目的とするものである。
上記課題を解決するために本発明は、基材シートと、上記基材シート上に形成され、中空粒子および冷却ゲル化剤を含有する多孔質層と、上記多孔質層上に形成され、染料染着性を有する受容層形成用樹脂を含有する受容層と、を備える熱転写受像シートであって、上記基材シートおよび上記多孔質層の間、または上記多孔質層および上記受容層の間の少なくとも一方に、SBR樹脂とゼラチンとを含有するクッション層が形成されていることを特徴とする熱転写受像シートを提供する。
本発明によれば、上記クッション層が形成されていることにより、上記基材シートあるいは上記多孔質層の表面に凹凸形状がある場合であっても、上記クッション層により当該凹凸形状を平坦化することができる。このため、本発明の熱転写受像シートを用いて印画物を作製するに際しても、サーマルヘッドの上記受容層に対する追従性を向上させることができる結果、白抜けが発生することを効果的に防止することができる。
また、本発明によれば上記クッション層にSBR樹脂およびゼラチンが含まれていることにより、優れた弾性を備えるクッション層を得ることができるため、仮に本発明の熱転写受像シートの表面に凹凸形状が残存していたとしても、クッション層の優れた弾性の作用により、サーマルヘッドの受容層に対する追従性を向上させることができる。このため、本発明によれば、白抜けが発生しにくい熱転写受像シートを得ることができる。
さらに、上記クッション層に含まれるゼラチンは、SBR樹脂と相まって上記クッション層の弾性を向上させる性質を有するのみならず、冷却ゲル化剤としての性質も有するものである。このため、本発明の熱転写受像シートは、基材シート上に、複数の層を同時に形成することにより高効率で製造することも可能であるものである。
このようなことから本発明によれば、基材シート上に、複数の層を同時に形成することにより高効率で製造可能であり、かつ、白抜けの少ない印画物を形成することが可能な熱転写受像シートを提供するができる。
本発明においては、上記クッション層が、上記基材シートおよび上記多孔質層の間に形成されていることが好ましい。これにより本発明の熱転写受像シートの印画感度を損なうことなく、白抜けの発生を防止することができるからである。
また本発明においては、上記受容層形成用樹脂が、水系溶媒に分散・溶解可能な水性樹脂であり、かつ、上記受容層に冷却ゲル化剤が含まれていることが好ましい。上記受容層形成用樹脂が上記水性樹脂であることにより、本発明の熱転写受像シートを製造する際に、上記クッション層、上記多孔質層、および上記受容層を水系溶媒のみを用いて、基材シート上に同時に塗布することが可能になるからである。
本発明の熱転写受像シートは、基材シート上に、複数の層を同時に形成することにより高効率で製造可能であり、かつ、白抜けの少ない印画物を形成することができるという効果を奏するものである。
以下、本発明の熱転写受像シートについて説明する。
上述したように本発明の熱転写受像シートは、基材シートと、上記基材シート上に形成され、中空粒子および冷却ゲル化剤を含有する多孔質層と、上記多孔質層上に形成され、染料染着性を有する受容層形成用樹脂を含有する受容層と、を備えるものであって、上記基材シートおよび上記多孔質層の間、または上記多孔質層および上記受容層の間の少なくとも一方に、SBR樹脂とゼラチンとを含有するクッション層が形成されていることを特徴とするものである。
このような本発明の熱転写受像シートについて図を参照しながら説明する。図1は本発明の熱転写受像シートの一例を示す概略図である。図1に例示するように、本発明の熱転写受像シート10は、基材シート1と、上記基材シート1上に形成され、中空粒子を含有する多孔質層2と、上記多孔質層2上に形成され、染料染着性を有する受容層形成用樹脂を含有する受容層3と、を備えるものである。
このような例において、本発明の熱転写受像シート10は、上記基材シート1および上記多孔質層2の間に、SBR樹脂とゼラチンとを含有するクッション層4が形成されていることを特徴とするものである。
本発明によれば、上記クッション層が形成されていることにより、上記基材シートあるいは上記多孔質層の表面に凹凸形状がある場合であっても、上記クッション層により当該凹凸形状を平坦化することができる。このため、本発明の熱転写受像シートを用いて印画物を作製するに際しても、サーマルヘッドの上記受容層に対する追従性を向上させることができる結果、白抜けが発生することを効果的に防止することができる。
また、本発明によれば上記クッション層にSBR樹脂およびゼラチンが含まれていることにより、優れた弾性を備えるクッション層を得ることができるため、仮に本発明の熱転写受像シートの表面に凹凸形状が残存していたとしても、クッション層の優れた弾性の作用により、サーマルヘッドの受容層に対する追従性を向上させることができる。このため、本発明によれば、白抜けが発生しにくい熱転写受像シートを得ることができる。
さらに、上記クッション層に含まれるゼラチンは、SBR樹脂と相まって上記クッション層の弾性を向上させる性質を有するのみならず、冷却ゲル化剤としての性質も有するものである。このため、本発明の熱転写受像シートは、基材シート上に、複数の層を同時に形成することにより高効率で製造することも可能であるものである。
このようなことから本発明によれば、基材シート上に、複数の層を同時に形成することにより高効率で製造可能であり、かつ、白抜けの少ない印画物を形成することが可能な熱転写受像シートを提供するができる。
本発明の熱転写受像シートは、少なくとも基材シート、クッション層、多孔質層および受容層を有するものであり、必要に応じて他の任意の構成を有してもよいものである。
以下、本発明に用いられる各構成について順に説明する。
1.クッション層
まず、本発明に用いられるクッション層について説明する。本発明に用いられるクッション層は、SBR樹脂およびゼラチンを含有するものであり、本発明の熱転写受像シートの表面を平坦化する機能と、本発明の熱転写受像シートに弾性を付与する機能を有するものである。また、本発明に用いられるクッション層は、後述する基材シートおよび多孔質層の間、または多孔質層および受容層の間の少なくとも一方に形成されるものである。
ここで、本発明に用いられるクッション層は優れた弾性を備えることにより、本発明の熱転写受像シート全体としての弾性の向上にも寄与するものであるが、本発明に用いられるクッション層はSBR樹脂とゼラチンとが組み合わされて含有されることに起因してこのような優れた弾性を実現できるものである。
本発明に用いられるSBR樹脂としては、後述するゼラチンとの作用により、所望の弾性を示すクッション層を形成できるものであれば特に限定されるものではない。また、本発明においては所望の弾性を達成するためにSBR樹脂を2種類以上用いてもよい。
本発明に用いられるSBR樹脂は、Tgが−80℃〜30℃の範囲内であることが好ましく、特に−60℃〜20℃の範囲内であることが好ましく、さらに−40℃〜20℃の範囲内であることが好ましい。Tgが上記範囲よりも高いと、クッション層に所望の弾性を付与することが困難になる場合があるからである。また、上記範囲よりも低いと、クッション層に隣接する層との混合が生じてしまう虞があるからである。
本発明に用いられるSBR樹脂としては、例えば、乳化重合スチレン・ブタジエンゴム、溶液重合スチレン・ブタジエンゴム、非油展スチレン・ブタジエンゴム、油展スチレン・ブタジエンゴム等を挙げることができる。
本発明に用いられるクッション層に含まれるSBR樹脂の量としては、後述するゼラチンの種類や含有量に応じて、所望の弾性を備えるクッション層を得ることができる範囲内であれば特に限定されるものではない。なかでも本発明におけるSBR樹脂の含有量は、クッション層固形分100に対して、重量換算で50〜90の範囲であることが好ましく、特に60〜90の範囲内であること好ましく、さらに70〜90の範囲内であることが好ましい。SBR樹脂の含有量が上記範囲よりも多いと、クッション層の成膜性が損なわれたり、また、例えば本発明の熱転写受像シートをスライドコート法を用いて作製する際に、クッション層に隣接する層との混合が生じてしまう虞があるからである。また、上記範囲よりも少ないとクッション層に所望の弾性を付与することが困難になる場合があるからである。
本発明に用いられるゼラチンは、上記SBR樹脂との作用により、多孔質層の所望の弾性を付与できるものであれば特に限定されるものではなく、上記SBR樹脂の種類等に応じて、適宜選択して用いることができるものである。一般的に工業用に用いられているゼラチンとしては、牛骨ゼラチン(オセインゼラチン)、牛皮ゼラチン、豚皮ゼラチン、および、魚皮ゼラチン等種々の原料に由来するものが知られているが、本発明においてはいずれの原料に由来するゼラチンであっても好適に用いることができる。
なかでも本発明においては、牛骨ゼラチン(オセインゼラチン)が好ましい。
また、一般的に工業的に用いられているゼラチンとしては、上述した原料から抽出する際の製法の相違により、アルカリ処理ゼラチン、酸処理ゼラチン、酵素処理ゼラチン、および、ピペラジン処理ゼラチン等に分類されるが、本発明においてはこれらのいずれの製法で抽出されたゼラチンであっても好適に用いることができる。なかでも本発明においては、アルカリ処理ゼラチンが好ましい。アルカリ処理ゼラチンを使用することで増粘が少なく、酸処理ゼラチンを使用することによって増粘する場合があるからである。
本発明に用いるゼラチンは重量平均分子量10,000〜1,000,000の範囲内であることが好ましい。ゼラチンの分子量が上記範囲よりも多いと粘度が高くなり、塗膜にスジやムラが生じてしまう可能性があるからである。また、ゼラチンの分子量が上記範囲よりも少ないと、本発明の熱転写受像シートを製造するために、クッション層を含む複数の層を同時に基材シート上に塗工した際に、各層が互いに混合しやすくなる可能性があるからである
なお、本発明においては1種類のみのゼラチンを用いてもよく、2種類以上のゼラチンを用いてもよい。
本発明において、クッション層中に含有されるゼラチンの量としては、本発明の熱転写受像シートを製造する際に、クッション層を形成するために用いられるクッション層形成用塗工液の粘度特性を所定の範囲に調整できる範囲であれば特に限定されるものではないが、なかでも本発明においては10重量%〜50重量%の範囲であることが好ましく、10重量%〜40重量%の範囲内であること好ましく、さらに10重量%〜30重量%の範囲内であることが好ましい。ゼラチンの含有量が上記範囲よりも多いと、例えば、本発明の熱転写受像シートを製造するために、ゼラチンを含有するクッション層形成用塗工液を基材シート上に塗布した際に、塗膜にスジやムラが生じてしまう可能性があるからである。また、ゼラチンの含有量が上記範囲よりも少ないと、例えば、本発明の熱転写受像シートを製造するために、クッション層を含む複数の層を同時に基材シート上に塗工した際に、各層が互いに混合しやすくなる可能性があるからである。
本発明に用いられる上記クッション層には、上述したSBR樹脂およびゼラチン以外に他の任意の化合物が含まれていてもよい。このような任意の化合物としては、例えば、ノニオン系シリコーン系等の界面活性剤、イソシアネート化合物等の硬化剤、濡れ剤、および分散剤等を挙げることができる。
本発明に用いられるクッション層の弾性としては、本発明の熱転写受像シートの用途等に応じて、適宜決定されるものであり特に限定されるものではない。また、本発明に用いられるクッション層の厚みとしては、上述したSBR樹脂材料の種類等に応じて、所望のクッション性を達成することができ、かつ、後述する受容層の表面を所望の程度に平坦化できる範囲内であれば特に限定されるものではない。なかでも本発明に用いられるクッション層の厚みは、0.5μm〜20μmの範囲であることが好ましく、1μm〜10μmの範囲であることがより好ましく、2μm〜10μmであることがさらに好ましい。クッション層の厚みが上記範囲よりも少ないと所望のクッション性を達成することができないからである。また、クッション層厚みが上記範囲よりも多いとカール発生やコスト高となる可能性があるためである。
本発明に用いられるクッション層は、後述する基材シートおよび多孔質層の間、または多孔質層および受容層の間の少なくとも一方に形成されるものである。したがって、本発明においてクッション層が形成される態様としては、基材シートおよび多孔質層の間のみに形成される態様、多孔質層および受容層の間のみに形成される態様、基材シートおよび多孔質層の間と、多孔質層および受容層の間とに形成される態様とを挙げることができる。本発明においてはこれらのいずれの態様であっても好適に用いることができるが、なかでも基材シートおよび多孔質層の間のみに形成される態様が好ましい。これにより本発明の熱転写受像シートの印画感度を損なうことなく、白抜けの発生を防止することができるからである。また、一般的に熱転写受像シートの受容層の表面に凹凸形状が存在する場合、当該凹凸形状は基材シートの表面形状に起因することが多いが、クッション層が基材シートおよび多孔質層の間に形成されていることにより、基材シート表面の凹凸形状を平坦化できるため、効果的に受容層の表面を平坦化できるからである。
2.多孔質層
次に、本発明に用いられる多孔質層について説明する。本発明に用いられる多孔質層は、基材シート上に形成されるものであり、中空粒子および冷却ゲル化剤を含み、本発明の熱転写受像シートを用いて画像を形成する際に、サーマルヘッドから受容層に加えられた熱が、基材シート等へ伝熱することによって損失されることを防止する断熱性を有するものである。
以下、このような多孔質層について詳細に説明する。
(1)中空粒子
本発明に用いられる中空粒子は多孔質層に断熱性を付与する機能を有するものである。本発明に用いられる中空粒子としては、多孔質層に所望の断熱性を付与できるものであれば特に限定されるものではない。したがって、本発明に用いられる中空粒子は発泡粒子であってもよく、あるいは、非発泡粒子であってもよい。また、上記発泡粒子は、独立発泡粒子であってもよく、あるいは、連続発泡粒子であってもよい。さらに、本発明に用いられる中空粒子は、樹脂等から構成される有機系中空粒子であってもよく、ガラス等から構成される無機系中空粒子であってもよい。また、上記中空粒子は、架橋中空粒子であってもよい。
上記中空粒子を構成する樹脂としては、例えば、架橋スチレン−アクリル樹脂等のスチレン系樹脂、アクリロニトリル−アクリル樹脂等の(メタ)アクリル系樹脂、フェノール系樹脂、フッ素系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエーテル系樹脂等を挙げることができる。
上記中空粒子の平均粒径は、中空粒子を構成する樹脂の種類等に応じて、多孔質層に所望の断熱性およびクッション性を付与できる範囲であれば特に限定されるものではないが、通常、0.1μm〜15μmの範囲内であることが好ましく、特に0.1μm〜10μmの範囲内であることが好ましい。平均粒径が小さすぎると、中空粒子の使用量が増えコストが高くなり、平均粒径が大きすぎると、平滑な多孔質層を形成することが困難になるからである。
本発明において、多孔質層に含まれる中空粒子の固形分濃度としては、所望の断熱性およびクッション性を有する多孔質層を得ることができれば特に限定されるものではないが、例えば30質量%〜90質量%の範囲内であることが好ましく、なかでも50質量%〜80質量%の範囲内であることが好ましい。含有量が少なすぎると、多孔質層における空隙が少なくなり、充分な断熱性およびクッション性が得られない場合があり、含有量が多すぎると、接着性が劣るからである。
また本発明において、多孔質層中に含有される中空粒子と、冷却ゲル化剤との割合は、所望の断熱性を有する多孔質層を形成することができれば特に限定されるものではない。なかでも、本発明においては、冷却ゲル化剤が、多孔質層中の固形分100に対して、重量換算で10〜50の範囲内であることが好ましく、特に10〜40の範囲内であることが好ましく、さらに12〜40の範囲内であることが好ましい。中空粒子と冷却ゲル化剤の含有比が上記範囲内であることにより、断熱性に優れた多孔質層を形成することができるからである。
(2)冷却ゲル化剤
本発明に用いられる冷却ゲル化剤としては、冷却されることによりゲル化する性質を有するものであり、本発明の熱転写受像シートを、基材シート上に複数の層を同時に形成することによって製造することを可能にするものであれば特に限定されるものではない。
なかでも本発明に用いられる冷却ゲル化剤は、水に溶解した状態での15℃における粘度が80℃における粘度に対して、3倍以上、特に5倍以上、さらには10倍以上であるものが好ましい。
本発明に用いられる冷却ゲル化剤としては、例えば、ゼラチン、ポリビニルアルコール、寒天、κ−カラギーナン、λ−カラギーナン、ι−カラギーナン、ペクチン等を挙げることができる。
ここで、上記ゼラチンは、上述したように三重へリックス構造を有するコラーゲンを変性させることによって得られるペプチド鎖からなるものであり、冷却されることにより部分的に上記三重へリックス構造を回復し、回復された三重へリックス構造を起点として三次元ネットワークを形成することにより、冷却ゲル化特性を示すものである。
上記κ−カラギーナン、λ−カラギーナン、および、ι−カラギーナンは、紅藻類海藻から抽出される分子量100000〜500000程度のガラクトース、3,6−アンヒドロガラクトースを主成分とする天然高分子化合物である。分子内に半エステル型の硫酸基を有することを特徴とするものであり、通常、ローカストビーンガムや、金属塩化合物等の増粘剤が併用されることにより、冷却ゲル化特性を示すものである。
上記ペクチンは、植物の細胞壁を構成する天然多糖類であり、イオン性の化合物と併用されることにより、冷却ゲル化特性を示すものである。
本発明においては、上記冷却ゲル化剤のいずれであっても好適に用いることができる。また、本発明においては、1種類の冷却ゲル化剤のみを用いてもよく、あるいは、2種類以上の冷却ゲル化剤を用いてもよい。
(3)任意の化合物
本発明に用いられる多孔質層は、少なくとも上記冷却ゲル化剤および中空粒子を含有するものであるが、必要に応じて任意の化合物を含むものであってもよい。このような他の化合物としては、例えば、多孔質層形成用バインダー、ノニオン系シリコーン系等の界面活性剤、イソシアネート化合物等の硬化剤、濡れ剤、および、分散剤等を挙げることができる。
上記多孔質層形成用バインダーとしては、通常、水系樹脂が用いられる。このような水系樹脂としては、例えば、アクリル系ウレタン樹脂等のポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ゼラチン、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオイキサイド、ポリビニルピロリドン、プルラン、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、デキストラン、デキストリン、ポリアクリル酸及びその塩、寒天、κ−カラギーナン、λ−カラギーナン、ι−カラギーナン、カゼイン、キサンテンガム、ローカストビーンガム、アルギン酸、アラビアゴム、特開平7−195826号公報及び同7−9757号公報に記載のポリアルキレノキサイド系共重合ポリマー、水溶性ポリビニルブチラール、あるいは、特開昭62−245260号公報に記載のカルボキシル基やスルホン酸基を有するビニルモノマーの単独重合体や共重合体等を挙げることができる。また、上記樹脂の2種類以上を組み合わせて用いても良い。
(4)多孔質層
本発明に用いられる多孔質層は、本発明の熱転写受像シートを用いて画像を形成する際に、サーマルヘッドから受容層に加えられた熱が、基材シート等へ伝熱することによって損失されることを防止する断熱性を有するものである。ここで、本発明に用いられる多孔質層が備える断熱性は、本発明の熱転写受像シートの用途等に応じて適宜調整することができるものである。
なお、多孔質層の断熱性は、例えば、多孔質層の厚みを変更することにより任意の範囲に調整することができる。
また、上記多孔質層の断熱性は、多孔質層の空隙率によっても制御することができる。ここで、本発明に用いられる多孔質層の空隙率は、15%〜80%の範囲内であることが好ましい。
なお、上記空隙率は、(中空粒子の空隙率)×(多孔質層における中空粒子の含有率)で表される値を指すものとする。
また本発明に用いられる多孔質層は、上述した中空粒子が用いられていることにより、クッション性を備えるものである。ここで、本発明に用いられる多孔質層が備えるクッション性は、本発明の熱転写受像シートの用途等に応じて適宜調整することができるものである。なお、多孔質層のクッション性についても、例えば、多孔質層の厚みを変更することにより任意の範囲に調整することができる。
さらに、本発明に用いられる多孔質層の厚みは、上記断熱性、クッション性等を所望の程度に調整できる範囲内であれば特に限定されるものではないが、なかでも本発明においては10μm〜100μmの範囲内であることが好ましく、10μm〜50μmの範囲内であることがより好ましい。また、上記多孔質層の密度は、例えば0.1g/cm〜0.8g/cmの範囲内、なかでも0.2g/cm〜0.7g/cmの範囲内であることが好ましい。
本発明に用いられる多孔質層は、単一の層からなる構成を有するものであってもよく、あるいは、複数の層が積層された構成を有するものであってもよい。ここで、複数の層が積層された構成を有する多孔質層としては、同一組成の層が積層された構成を有するものであってもよく、あるいは、異なる組成の層が積層された構成を有するものであってもよい。なかでも本発明に用いられる多孔質層は、組成の異なる2層が積層された構成を有するものであることが好ましい。このような構成とすることにより、さらに機能的な多孔質層を得ることができるからである。
本発明に用いられる多孔質層が2層構造である場合の一例としては、上記多孔質層が、基材シート側から、中空粒子aを含有する多孔質層Aと、および上記中空粒子aよりも中空率の小さな中空粒子bを含有する多孔質層Bとが積層された構成を有するものを挙げることができる。上記多孔質層としてこのような構成を有するものを用いることにより、印画時に、濃度ムラやハイライト部の白抜けを防止することができるという利点がある。
3.受容層
次に、本発明に用いられる受容層について説明する。本発明に用いられる受容層は、上述した多孔質層上に形成されるものであり、染料染着性を備える受容層形成用樹脂を含み、本発明の熱転写受像シートが印画される際に、染料が染着されて画像を形成する機能を有するものである。
以下、このような受容層について詳細に説明する。
(1)受容層形成用樹脂
最初に上記受容層形成用樹脂について説明する。本発明に用いられる受容層形成用樹脂としては、染料染着性を有するものであれば特に限定されるものではない。なかでも本発明に用いられる上記受容層形成用樹脂は、ガラス転移温度が20℃以上であるものが好ましく、30℃以上であるものがより好ましく、40℃以上であるものがさらに好ましい。また、上記受容層形成用樹脂はガラス転移温度が120℃以下であるものが好ましい。このような範囲のガラス転移温度を有する受容層形成用樹脂を用いることにより、特に耐熱性や離型性に優れた熱転写受像シートを得ることができるからである。
本発明に用いられる受容層形成用樹脂は、有機溶媒に分散・溶解可能な溶剤系樹脂であってもよく、あるいは、水系溶媒に分散・溶解可能な水性樹脂であってもよいが、なかでも本発明においては水性樹脂であることが好ましい。上記受容層形成用樹脂が上記水性樹脂であることにより、本発明の熱転写受像シートを製造する際に、上記多孔質層と上記受容層とを水系溶媒のみを用いて、基材シート上に同時に塗布することが可能になるからである。
ここで、上記「水系溶媒」とは、水を主成分とする溶媒をいう。水系溶媒における水の割合は、通常60質量%以上であり、好ましくは70質量%以上であり、より好ましくは80質量%以上である。上記水以外の溶媒としては、例えばメタノール、エタノール、イソプロパノール、n−プロパノール等のアルコール;エチレングリコール、ジエチレングリコール、グリセリン等のグリコール類;酢酸エチル、酢酸プロピル等のエステル類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド類等を例示することができる。
上記水性樹脂としては、所望の水系溶媒に所定量を分散・溶解可能なものであれば特に限定されるものではない。このような水性樹脂としては、例えば、ポリオレフィン樹脂、ポリビニル系樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリ(メタ)アクリル酸系樹脂、セルロース誘導体系樹脂、または、ポリエーテル系樹脂等を挙げることができる。本発明においては、これらの水性樹脂のいずれであっても好適に用いることができが、なかでもポリビニル系樹脂を用いることが好ましい。
本発明に好適に用いられる上記ポリビニル系樹脂としては、例えば、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル/アクリル化合物共重合体、エチレン/塩化ビニル/アクリル酸エステル共重合体、エチレン/酢酸ビニル/塩化ビニル共重合体等を挙げることができる。
上記塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体は、塩化ビニルと酢酸ビニルとからなる共重合体であれば特に限定されず、塩化ビニルおよび酢酸ビニルに加えてこれら必須単量体と共重合可能な単量体をも少量重合したものであってもよい。
上記塩化ビニル/アクリル化合物共重合体は、塩化ビニルとアクリル化合物とからなる共重合体であれば特に限定されず、塩化ビニルおよびアクリル化合物に加えてこれら必須単量体と共重合可能な単量体をも少量共重合したものであってもよい。
なお、本明細書において、「アクリル化合物」とは、(メタ)アクリル酸および/またはそのアルキルエステルを意味する。
上記アクリル化合物としては、例えば、アクリル酸;アクリル酸カルシウム、アクリル酸亜鉛、アクリル酸マグネシウム、アクリル酸アルミニウム等のアクリル酸塩;メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、2−エトキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、n−ステアリルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート等のアクリル酸エステル;メタクリル酸;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸トリデシル、メタクリル酸シクロヘキシル、ジメタクリル酸トリエチレングリコール、ジメタクリル酸1,3−ブチレン、トリメタクリル酸トリメチロールプロパン等のメタクリル酸エステル等を挙げることができる。
上記エチレン/塩化ビニル/アクリル酸エステル共重合体およびエチレン/酢酸ビニル/塩化ビニル共重合体(以下、各共重合体を総称して、「エチレン/塩化ビニル系共重合体」といもいう。)は、少なくとも、エチレン、塩化ビニルおよびアクリル酸エステルの3種、または、エチレン、酢酸ビニルおよび塩化ビニルの3種の単量体を重合して得られる共重合体であれば特に限定されず、これらの3種の単量体以外に少量の微量単量体をも共重合したものであっても良い。
上記エチレン/酢酸ビニル/塩化ビニル共重合体は、エチレン/酢酸ビニル共重合体(EVA)と塩化ビニルとの共重合体であっても良く、該EVA/塩化ビニル共重合体としては、EVAに塩化ビニルをグラフト共重合したものであっても良い。EVAは、該共重合体における酢酸ビニル単位の全部または一部が鹸化されたものをも含む。
本発明において、上記エチレン/塩化ビニル/アクリル酸エステル共重合体を構成する「アクリル酸エステル」は、アクリル酸エステルに加え、メタクリル酸エステルをも含む概念である。上記アクリル酸エステルとしては、例えば、メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、2−エトキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、n−ステアリルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート等を挙げることができ、上記メタクリル酸エステルとしては、例えばメタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸トリデシル、メタクリル酸シクロヘキシル、ジメタクリル酸トリエチレングリコール、ジメタクリル酸−1,3−ブチレン、トリメタクリル酸トリメチロールプロパン等を挙げることができる。
なお、本発明においては、上記受容層形成用樹脂を1種のみを用いてもよく、単量体組成、平均分子量等が異なる2種以上を用いてもよい。
(2)任意の化合物
本発明に用いられる受容層は、少なくとも上記受容層形成用樹脂を含むものであるが、必要に応じて他の任意の化合物が含まれるものであってもよい。なかでも、本発明においては上記任意の化合物として冷却ゲル化剤を用いることが好ましい。上述したように本発明に用いられる多孔質層は、冷却ゲル化特性を備えるゼラチンが含まれることによって、本発明の熱転写受像シートを形成する際に、多孔質層を含む複数の層が同時に形成される場合であっても多孔質層と他の層とが混合することを防止できるものであるが、受容層にも冷却ゲル化剤が含まれることにより、多孔質層と受容層とを同時に形成することも容易になるからである。
本発明に用いられる冷却ゲル化剤としては、冷却されることによりゲル化する性質を有するものであり、上記多孔質層形成用塗工液に上述した粘度特性を付与できるものであれば特に限定されるものではない。このような冷却ゲル化剤としては、例えば、ゼラチン、ポリビニルアルコール、寒天、κ−カラギーナン、λ−カラギーナン、ι−カラギーナン、ペクチン等を挙げることができる。
ここで、上記ゼラチンは、上述したように三重へリックス構造を有するコラーゲンを変性させることによって得られるペプチド鎖からなるものであり、冷却されることにより部分的に上記三重へリックス構造を回復し、回復された三重へリックス構造を起点として三次元ネットワークを形成することにより、冷却ゲル化特性を示すものである。
上記ポリビニルアルコールは、通常、Naと併用され、四ホウ酸イオンと水素結合を形成することにより、当該水素結合を起点として三次元ネットワークを形成することにより、冷却ゲル化特性を示すものである。
上記κ−カラギーナン、λ−カラギーナン、および、ι−カラギーナンは、紅藻類海藻から抽出される分子量100000〜500000程度のガラクトース、3,6−アンヒドロガラクトースを主成分とする天然高分子化合物である。分子内に半エステル型の硫酸基を有することを特徴とするものであり、通常、ローカストビーンガムや、炭酸塩等の増粘剤が併用されることにより、冷却ゲル化特性を示すものである。
上記ペクチンは、植物の細胞壁を構成する天然多糖類であり、イオン性の化合物と併用されることにより、冷却ゲル化特性を示すものである。
本発明においては、上記冷却ゲル化剤のいずれであっても好適に用いることができる。また、本発明においては、1種類の冷却ゲル化剤のみを用いてもよく、あるいは、2種類以上の冷却ゲル化剤を用いてもよい。
受容層に上記冷却ゲル化剤が含まれる場合、受容層における冷却ゲル化剤の含有量としては、本発明の熱転写受像シートを製造する際に、受容層に形成するために用いられる受容層形成用塗工液に所望の粘度特性を付与できる範囲内であれば特に限定されるものではない。なかでも本発明においては、冷却ゲル化剤が、受容層形成用樹脂100に対して、重量換算で1〜100の範囲内であることが好ましく、特に1〜40の範囲内であることが好ましく、さらに2〜40の範囲内であることが好ましい。冷却ゲル化剤の含有比が上記範囲よりも少ないと、例えば、本発明の熱転写受像シートの製造時に、上記多孔質層と上記受容層とを同時が基材シート上に塗布された際に、両層が混合してしまうおそれがあるからである。また、上記範囲よりも多いと、例えば、上記受容層形成用塗工液を上記基材シート上に塗布する際に、スジやムラなどが生じやすくなる場合があるからである。
上記冷却ゲル化剤以外に、受容層に添加することができる任意の化合物としては、例えば、離型剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、フィラー、顔料、帯電防止剤、可塑剤、熱溶融性物質等を挙げることができる。
上記離型剤としては、シリコーンオイル、リン酸エステル系化合物、フッ素系化合物等、公知のものが挙げられるが、特に、シリコーンオイルが好ましい。
上記シリコーンオイルとしては、エポキシ変性シリコーンオイル、アルキル変性シリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイル、フッ素変性シリコーンオイル、フェニル変性シリコーンオイル、エポキシ・ポリエーテル変性シリコーンオイル、ビニル変性シリコーンオイル、ハイドロジェン変性シリコーンオイル等の変性シリコーンオイルが好ましい。上記離型剤は、上述の受容層形成用樹脂100質量部に対して、0.5質量部〜30質量部の範囲内となるように添加されることが好ましい。
(3)受容層
本発明に用いられる受容層は、上述したクッション層が本発明に用いられていることにより、表面が平坦化されたものになる。本発明に用いられる受容層の表面粗さは、中心面平均値(SPa)0μm〜3μmの範囲内、より好ましくは0μm〜2μm、さらに好ましくは0μm〜1μmの範囲内とされる。
本発明に用いられる受容層の厚みは、上記受容層形成用樹脂の種類に応じて所望の印画感度を発現できる範囲内であれば特に限定されるものではないが、なかでも本発明においては、0.5μm〜30μmの範囲内であることが好ましく、特に0.5μm〜20μmの範囲内であることが好ましく、さらに1μm〜15μmの範囲内であることが好ましい。
4.基材シート
次に、本発明に用いられる基材シートについて説明する。本発明に用いられる基材シートは、上述したクッション層、多孔質層および受容層を支持する機能を有するものである。
以下、このような基材シートについて説明する。
本発明に用いられる基材シートとしては、本発明の熱転写受像シートを用いて画像を形成する際の印画温度等に応じて、所望の耐熱性を備えるものであれば特に限定されるものではないが、具体的には、レジンコート紙、樹脂製フィルム基材、および紙製基材等を挙げることができ、なかでもレジンコート紙が好ましい。
レジンコート紙は、通常、基紙の両面に基材樹脂層を積層してなるものである。上記基紙を構成する原紙としては、例えば、天然パルプ、合成パルプ、それらの混合物から抄紙されるパルプ紙等を挙げることができ、なかでも木材パルプを主成分とする紙を用いることが好ましい。また、上記原紙は、必要に応じて後述するカレンダー処理等の従来公知の処理を施したものであってもよい。
上記基紙は、厚みが10μm〜1000μmの範囲内であることが好ましく、50μm〜300μmの範囲内であることがより好ましい。
上記基紙は、公知の方法によって作製することができるが、原紙に対してカレンダー処理したものが好ましい。原紙にカレンダー処理をした基紙を用いると、平滑度を向上することができ、得られる熱転写受像シートの光沢感を高めることができるからである。
上記基材樹脂層を形成するための樹脂としては、ネックインが小さく、ドローダウン性が良好な樹脂であることが好ましく、例えば、ポリオレフィン樹脂、ポリスチレン系樹脂、ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、アイオノマー樹脂、ナイロン、ポリウレタン等を挙げることができ、耐水性、強度、光沢等に優れたフィルムが得られる点で、ポリオレフィン樹脂が好ましい。
上記ポリオレフィン樹脂としては、例えば高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリペンテン等を挙げることができ、中でも高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、ポリプロピレンが好ましく、特にポリプロピレンが好ましい。
上記基材樹脂層は、上記樹脂を1種もしくは2種以上混合して得られるフィルムまたはシートであっても良いし、上記樹脂に加え、顔料、充填剤等を加えて成膜したフィルムまたはシートであっても良い。また、上記樹脂は、改質剤等の添加剤を配合し、接着性を向上させたものであっても良い。上記改質剤としては、例えば、タフマー(三井化学社製)等のオレフィン系コポリマー等を挙げることができる。
上記レジンコート紙は、例えばドライラミネーション、ウェットラミネーション、エクストリュージョン等の公知の積層方法により作製することができる。上記各層は、層間密着力を向上させることを目的として、その表面に適宜プライマー処理やコロナ放電処理を施すことができる。
上記レジンコート紙の厚みは、全体で、例えば10μm〜1000μmの範囲内、中でも50μm〜300μmの範囲内であることが好ましい。
一方、本発明に用いられる樹脂製フィルム基材としては、例えば、ポリエステル、ポリアクリレート、ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリイミド、ポリエーテルイミド、セルロース誘導体、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリプロピレン、ポリスチレン、アクリル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ナイロン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、テトラフルオロエチレン、パーフルオロアルキルビニルエーテル、ポリビニルフルオライド、テトラフルオロエチレン−エチレン、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリビニリデンフルオライド等を挙げることができる。なかでも本発明においては、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン樹脂を好適に用いることができる。
上記樹脂製フィルム基材の厚みとしては、例えば20μm〜100μmの範囲内、中でも、25μm〜60μmの範囲内、特に30μm〜50μmの範囲内であることが好ましい。
本発明に用いられる紙製基材としては、例えば、コンデンサーペーパー、グラシン紙、硫酸紙、または、サイズ度の高い紙、合成紙(ポリオレフィン系、ポリスチレン系)、上質紙、アート紙、コート紙、キャストコート紙、壁紙、裏打用紙、合成樹脂又はエマルジョン含浸紙、合成ゴムラテックス含浸紙、合成樹脂内添紙、板紙、セルロース繊維紙等を挙げることができる。
上記紙製基材の厚みとしては、例えば80μm〜400μmの範囲内、中でも100μm〜200μmの範囲内、特に100μm〜210μmの範囲内であることが好ましい。
5.任意の構成
本発明の熱転写受像シートは、少なくとも上記基材シートと、クッション層と、多孔質層と、受容層とを有するものであるが、必要に応じて他の任意の構成を有するものであってもよい。このような他の構成としては、例えば、上記基材シートと上記クッション層あるいは上記多孔質層との間に形成され、上記基材シートと上記クッション層あるいは上記多孔質層との接着性を向上させる下引き層、および、上記多孔質層と上記受容層あるいは上記クッション層との間に形成され、上記多孔質層と上記受容層あるいはクッション層との接着性を向上させるプライマー層を挙げることができる。本発明の熱転写受像シートがこれらの層を有するものであることにより、各層の接着性に優れたものにできる。
以下、本発明に用いられるこれらの各層について順に説明する。
(1)下引き層
最初に、上記下引き層について説明する。本発明に用いられる下引き層は、上記基材シートと上記多孔質層あるいはクッション層との間に形成され、上記基材シートと上記多孔質層あるいはクッション層との接着性を向上させる機能を有するものである。
本発明の熱転写受像シートが上記下引き層を有する場合について図を参照しながら説明する。図2は本発明の熱転写受像シートが、上記下引き層を有する場合の一例を示す概略図である。図2に例示するように、本発明の熱転写受像シート10’は、基材シート1と、上記基材シート1上に形成されたクッション層4と、上記クッション層4上に形成された多孔質層2と、上記多孔質層2上に形成された受容層3と、上記基材シート1および上記クッション層4との間に形成され、上記基材シート1と上記クッション層4との接着性を向上させる下引き層5と、を有するものであってもよい。
本発明に用いられる下引き層としては、上記基材シートと上記多孔質層あるいはクッション層との密着性を所望の程度に向上できるものであれば特に限定されるものではない。なかでも本発明においては、水系溶媒に分散・溶解な下引き層形成用樹脂を含むものを用いることが好ましい。
ここで、上記下引き層形成用樹脂としては、上記「2.多孔質層」の項に記載した、多孔質層形成用バインダーとして用いられる水系樹脂と同様のものを用いることができる。
また、本発明に用いられる下引き層には冷却ゲル化剤が含まれることが好ましい。下引き層にも冷却ゲル化剤が含まれることにより、本発明の熱転写受像シートを製造する際に、基材シート上に、下引き層、クッション層、多孔質層および受容層を同時に塗布することが容易になるからである。
ここで、上記冷却ゲル化剤としては、上記「3.受容層」の項において説明したものと同様であるため、ここでの説明は省略する。
上記下引き層として、上記下引き層形成用樹脂と、冷却ゲル化剤とを含むものを用いる場合、下引き層中の下引き層形成用樹脂と、冷却ゲル化剤との比率としては、上記下引き層を形成する際に、下引き層形成用塗工液に所望の粘度特性を付与できる範囲内であれば特に限定されるものではない。なかでも本発明においては、冷却ゲル化剤が、下引き層形成用塗工液を100とした場合、重量換算で1〜100の範囲内であることが好ましく、特に20〜80の範囲内であることが好ましく、さらに25〜75の範囲内であることが好ましい。冷却ゲル化剤の含有比が上記範囲よりも少ないと、例えば、上記下引き層形成用塗工液が基材シート上に塗布された際に、他の塗工液と混合してしまうおそれがあるからである。また、上記範囲よりも多いと、例えば、上記下引き層形成用塗工液を上記基材シート上に塗布する際に、スジやムラなどが生じやすくなる場合があるからである。
なお、本発明に用いられる下引き層には、上記下引き層形成用樹脂および上記冷却ゲル化剤以外に、例えば、ノニオン系シリコーン系等の界面活性剤、イソシアネート化合物等の硬化剤、濡れ材、分散剤等を挙げることができる。上記硬化剤は、例えば、下引き層形成用樹脂として、活性水素を有する熱可塑性樹脂を用いた場合等に特に有効である。
(2)プライマー層
次に、本発明に用いられるプライマー層について説明する。本発明に用いられるプライマー層は、上記多孔質層と上記受容層あるいはクッション層と間に形成され、上記多孔質層と上記受容層あるいはクッション層との接着性を向上させる機能を有するものである。
本発明の熱転写受像シートが上記プライマー層を有する場合について図を参照しながら説明する。図3は本発明の熱転写受像シートが、上記プライマー層を有する場合の一例を示す概略図である。図3に例示するように本発明の熱転写受像シート10’’は、基材シート1と、上記基材シート1上に形成された下引き層5と、上記下引き層5上に形成されたクッション層4と、上記クッション層4上に形成された多孔質層2と、上記多孔質層2上に形成された受容層3と、上記多孔質層2と上記受容層3との間に形成され、上記多孔質層2と上記受容層3との接着性を向上させるプライマー層6を有するものであってもよい。
本発明に用いられるプライマー層としては、所定の性質を備えるものであれば特に限定されるものではない。なかでも本発明に用いられるプライマー層は、水系溶媒に分散・溶解可能なプライマー層形成用樹脂を含むものであることが好ましい。
ここで、上記プライマー層形成用樹脂としては、上記「2.多孔質層」の項に記載した、多孔質層形成用バインダーとして用いられる水系樹脂と同様のものを用いることができる。
また、本発明に用いられるプライマー層には冷却ゲル化剤が含まれることが好ましい。下引き層にも冷却ゲル化剤が含まれることにより、本発明の熱転写受像シートを製造する際に、基材シート上に、下引き層、多孔質層および受容層を同時に塗布することが容易になるからである。
ここで、上記冷却ゲル化剤としては、上記「3.受容層」の項において説明したものと同様であるため、ここでの説明は省略する。
上記プライマー層として、上記プライマー層形成用樹脂と、冷却ゲル化剤とを含むものを用いる場合、プライマー層中の下引き層形成用樹脂と、冷却ゲル化剤との比率としては、上記プライマー層を形成する際に、プライマー層形成用塗工液に所望の粘度特性を付与できる範囲内であれば特に限定されるものではない。なかでも本発明においては、冷却ゲル化剤が、プライマー層形成用塗工液を100とした場合、重量換算で1〜100の範囲内であることが好ましく、特に20〜80の範囲内であることが好ましく、さらに25〜75の範囲内であることが好ましい。冷却ゲル化剤の含有比が上記範囲よりも少ないと、例えば、上記プライマー層形成用塗工液が基材シート上に塗布された際に、他の塗工液と混合してしまうおそれがあるからである。また、上記範囲よりも多いと、例えば、上記プライマー層形成用塗工液を上記基材シート上に塗布する際に、スジやムラなどが生じやすくなる場合があるからである。
なお、本発明に用いられるプライマー層には、上記プライマー層形成用樹脂および上記冷却ゲル化剤以外に、例えば、ノニオン系シリコーン系等の界面活性剤、イソシアネート化合物等の硬化剤、濡れ剤、および、分散剤等が含まれていてもよい。
5.熱転写受像シートの製造方法
次に、本発明の熱転写受像シートの製造方法について説明する。本発明の熱転写受像シートは、一般的に熱転写受像シートを製造する方法として公知の方法を用いて製造することができる。なかでも本発明の熱転写受像シートの製造方法は、SBR樹脂およびゼラチンが水系溶媒に溶解・分散されたクッション層形成用塗工液と、中空粒子および冷却ゲル化剤が水系溶媒に分散・溶解された多孔質層形成用塗工液と、受容層形成用樹脂および冷却ゲル化剤が水系溶媒に分散・溶解された受容層形成用塗工液とを用い、スライドコート法によって、基材シート上に上記クッション層形成用塗工液と、上記多孔質層形成用塗工液と、上記受容層形成用塗工液とを同時に塗布する同時多層塗布工程と、上記同時多層塗布工程によって基材シート上に形成された塗膜を冷却する冷却処理工程と、を用いる方法により高効率で製造することができる。
上記多層同時塗布工程に好適に用いられるスライドコート法とは、例えば、図4に示すように、熱転写受像シートの各層を構成する複数の塗工液11〜13を上下に重ねた状態のまま、バックロール14に巻きつけた基材シート15に塗布する方法である。塗工品質の観点から見ると、スライドコート法は、膜厚均一性に優れ、回転部がないため塗工液の飛散による品質不良が発生しにくく、摩擦部がないため塗布部での原反切れに発生によるロスが発生しにくいという利点を有する。また、塗工液のハンドリング性の観点から見ると、スライドコート法は、塗工液の濃度、粘度、組成が変化しにくく、反応性が高く経時的に変化する塗工液を用いることができ、塗工液を使い切ることができ無駄が生じにくく、高固形分塗工液を用いることができ溶媒使用量を削減することができるという利点を有する。
なお、上記スライドコート法においては、クッション層形成用塗工液、多孔質層形成用塗工液および受容層形成用塗工液が互いに混合しないように、通常、両塗工液間の表面張力の差が一定の範囲内となるように調整される。
上記同時多層塗布工程において、各塗工液を基材シート上に塗布する際の塗工液の温度は、通常、40℃〜80℃の範囲内とされる。
上記冷却処理工程において、基材シート上に形成された塗膜を冷却する方法としては、例えば、冷却された基材シート上に、上記塗膜を塗布する方法、上記基材シートを搬送するロールの表面を冷却し、基材シートを介して上記塗膜を冷却する方法、上記塗膜に冷風を吹き付ける方法、上記塗膜が形成された基材シートを所望の温度以下の室温に調整された冷却ゾーンを通過させる方法等が用いられる。冷却された基材シート上に、上記塗膜を塗布する方法は、上記基材シート上に上記塗膜が塗布された直後に、当該塗膜を強制冷却することができるため、上記多層塗膜を構成する複数の層が混合することを防止できる。
上記冷却処理工程において、上記塗膜を強制冷却する温度は、通常、0℃から常温の範囲とされる。
なお、本発明の熱転写受像シートは、上述した製造方法以外に、例えば、スライドコート法により、基材シート上に多孔質層を含む複数の層を同時に形成した後、別途、上記多孔質層上に受容層を形成する方法によっても製造することができる。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明する。以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明する。各表中の重量部は固形分で記載し、必要に応じて純水にて希釈した。
1.実施例1
基材シートとしてRCペーパー(STF−150、三菱製紙社製)を用い、下記組成のクッション層1形成用塗工液1(表1)、多孔質層形成用塗工液1(表2)、受容層形成用塗工液1(表3)を50℃に加熱し、スライドコーティングを用いて塗布し、5℃にて1分間冷却、ゲル化させ50℃にて5分乾燥することにより、基材シート上にクッション層、多孔質層および受容層がこの順で積層された構成を有する熱転写受像シート1を得た。このとき、クッション層、多孔質層および受容層の厚みは、それぞれ5μm、30μmおよび8μmであった。
2.実施例2
基材シートとしてRCペーパー(STF−150、三菱製紙社製)を用い、下記組成のクッション層2形成用塗工液2(表4)、多孔質層形成用塗工液1(表2)、受容層形成用塗工液1(表3)を50℃に加熱し、スライドコーティングを用いて塗布し、5℃にて1分間冷却、ゲル化させ50℃にて5分乾燥することにより、基材シート上に、多孔質層、クッション層、および受容層がこの順で積層された構成を有する熱転写受像シート2を得た。このとき、クッション層、多孔質層および受容層の厚みは、それぞれ2μm、30μmおよび8μmであった。
3.実施例3
基材シートとしてRCペーパー(STF−150、三菱製紙社製)を用い、下記組成のクッション層1形成用塗工液3(表5)、多孔質層形成用塗工液1(表2)、受容層形成用塗工液1(表3)を50℃に加熱し、スライドコーティングを用いて塗布し、5℃にて1分間冷却、ゲル化させ50℃にて5分乾燥することにより、基材シート上に、クッション層、多孔質層、および受容層がこの順で積層された構成を有する熱転写受像シート3を得た。このとき、クッション層、多孔質層および受容層の厚みは、それぞれ5μm、30μmおよび8μmであった。
4.実施例4
基材シートとしてRCペーパー(STF−150、三菱製紙社製)を用い、下記組成のクッション層1形成用塗工液4(表6)、多孔質層形成用塗工液1(表2)、受容層形成用塗工液1(表3)を50℃に加熱し、スライドコーティングを用いて塗布し、5℃にて1分間冷却、ゲル化させ50℃にて5分乾燥することにより、基材シート上に、クッション層、多孔質層、および受容層がこの順で積層された構成を有する熱転写受像シート4を得た。このとき、クッション層、多孔質層および受容層の厚みは、それぞれ5μm、30μmおよび8μmであった。
5.比較例1
基材シートとしてRCペーパー(STF−150、三菱製紙社製)を用い、多孔質層形成用塗工液1(表2)、受容層形成用塗工液1(表3)を50℃に加熱し、スライドコーティングを用いて塗布し、5℃にて1分間冷却、ゲル化させ50℃にて5分乾燥することにより、基材シート上に、多孔質層、および受容層がこの順で積層された構成を有する熱転写受像シート5を得た。このとき、多孔質層および受容層の厚みは、それぞれ30μmおよび8μmであった。
6.比較例2
基材シートとしてRCペーパー(STF−150、三菱製紙社製)を用い、下記組成のクッション層1形成用塗工液5(表7)、多孔質層形成用塗工液1(表2)、受容層形成用塗工液1(表3)を50℃に加熱し、スライドコーティングを用いて塗布し、5℃にて1分間冷却、ゲル化させ50℃にて5分乾燥することにより、基材シート上に、クッション層、多孔質層、および受容層がこの順で積層された構成を有する熱転写受像シート6を得た。このとき、クッション層、多孔質層および受容層の厚みは、それぞれ5μm、30μmおよび8μmであった。
7.比較例3
基材シートとしてRCペーパー(STF−150、三菱製紙社製)を用い、下記組成のクッション層1形成用塗工液6(表8)、多孔質層形成用塗工液1(表2)、受容層形成用塗工液1(表3)を50℃に加熱し、スライドコーティングを用いて塗布し、5℃にて1分間冷却、ゲル化させ50℃にて5分乾燥することにより、基材シート上に、クッション層、多孔質層、および受容層がこの順で積層された構成を有する熱転写受像シート7を得た。このとき、クッション層、多孔質層および受容層の厚みは、それぞれ5μm、30μmおよび8μmであった。
8.比較例4
基材シートとしてRCペーパー(STF−150、三菱製紙社製)を用い、下記組成のクッション層1形成用塗工液7(表9)、多孔質層形成用塗工液1(表2)、受容層形成用塗工液1(表3)を50℃に加熱し、スライドコーティングを用いて塗布し、5℃にて1分間冷却、ゲル化させ50℃にて5分乾燥することにより、基材シート上に、クッション層、多孔質層、および受容層がこの順で積層された構成を有する熱転写受像シート8を得た。このとき、クッション層、多孔質層および受容層の厚みは、それぞれ5μm、30μmおよび8μmであった。
9.比較例5
基材シートとしてRCペーパー(STF−150、三菱製紙社製)を用い、下記組成のクッション層1形成用塗工液8(表10)、多孔質層形成用塗工液1(表2)、受容層形成用塗工液1(表3)を50℃に加熱し、スライドコーティングを用いて塗布し、5℃にて1分間冷却、ゲル化させ50℃にて5分乾燥することにより、基材シート上に、クッション層、多孔質層、および受容層がこの順で積層された構成を有する熱転写受像シート8を得た。このとき、クッション層、多孔質層および受容層の厚みは、それぞれ5μm、30μmおよび8μmであった。
10.比較例6
基材シートとしてRCペーパー(STF−150、三菱製紙社製)を用い、下記組成のクッション層1形成用塗工液9(表11)、多孔質層形成用塗工液1(表2)、受容層形成用塗工液1(表3)を50℃に加熱し、スライドコーティングを用いて塗布し、5℃にて1分間冷却、ゲル化させ50℃にて5分乾燥することにより、基材シート上に、クッション層、多孔質層、および受容層がこの順で積層された構成を有する熱転写受像シート8を得た。このとき、クッション層、多孔質層および受容層の厚みは、それぞれ5μm、30μmおよび8μmであった。
Figure 2009083273
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9.評価
昇華型熱転写プリンターCP−720(キヤノン社製)を用いて、作製した熱転写受像シート1〜10と昇華型熱転写プリンターCP−720(キヤノン社製)の製品リボンを組み合わせ、以下の印画評価を行なった。
(感度)
ブラックの18ステップに分割された画像を形成し、光学濃度計(グレタグマクベス社製spectrolino)による11ステップの値を測定し、測定感度が0.8以上のものを○、0.7〜0.8のものを△、0.7未満のものを×で示した。
(ざらつき)
ブラックの18ステップに分割された画像を形成し、ハイライト部分の白ヌケを目視にて評価し、均一なブラックの18ステップの画像が得られたものを◎、白く抜けた部分がないが、均一性に劣る画像が得られたものを○、わずかに白く抜けた箇所が観察されたものを△、白く抜けた箇所が多く観察されたものを×とした。
これらの評価結果を、以下の表12に示す。
Figure 2009083273
本発明の熱転写受像シートの一例を示す概略図である。 本発明の熱転写受像シートの他の例を示す概略図である。 本発明の熱転写受像シートの他の例を示す概略図である。 スライドコート法を説明する説明図である。
符号の説明
1,15 … 基材シート
2 … 多孔質層
3 … 受容層
4 … クッション層1
5 … 下引き層
6 … クッション層2
10,10’,10’’ … 熱転写受像シート
11,12,13 … 塗工液
14 … バックロール

Claims (3)

  1. 基材シートと、
    前記基材シート上に形成され、中空粒子および冷却ゲル化剤を含有する多孔質層と、
    前記多孔質層上に形成され、染料染着性を有する受容層形成用樹脂を含有する受容層と、を備える熱転写受像シートであって、
    前記基材シートおよび前記多孔質層の間、または前記多孔質層および前記受容層の間の少なくとも一方に、SBR樹脂とゼラチンとを含有するクッション層が形成されていることを特徴とする、熱転写受像シート。
  2. 前記クッション層が、前記基材シートおよび前記多孔質層の間に形成されていることを特徴とする、請求項1に記載の熱転写受像シート。
  3. 前記受容層形成用樹脂が、水系溶媒に分散・溶解可能な水性樹脂であり、かつ、前記受容層に冷却ゲル化剤が含まれていることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の熱転写受像シート。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US8383546B2 (en) 2009-09-29 2013-02-26 Fujifilm Corporation Heat-sensitive transfer image-receiving sheet

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