JP2019104176A - 熱転写受像シート - Google Patents

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Abstract

【課題】白抜けが発生せず、にじみ、濃淡ムラが起こらない熱転写受像シートを提供すること。【解決手段】少なくとも、基材シート、1層または複数の層で構成される中間層、及び受容層がこの順で積層されてなる熱転写受像シートであって、前記熱転写受像シートの前記受容層側からJIS0601:2013に準じて測定した表面性状におけるうねり曲線の最大谷深さをWvとし、前記熱転写受像シートの前記受容層側に常温環境下で平面状圧子を用いて0.5MPaの圧力を加えた時に前記熱転写受像シートが縮む厚さをdとすると、d≧Wvとなることを特徴とする熱転写受像シート。【選択図】図1

Description

本発明は、熱転写受像シートに関する。
従来から、文字または画像等を被転写体に形成する方式として、昇華型熱転写方式または溶融型熱転写方式等が採用されている。例えば、昇華型熱転写方式の場合、支持体上に染料やバインダー等を含む熱転写層等を設けた感熱転写記録媒体の熱転写層表面と、他の支持体上に染料を受容する染料受容層を設けた被熱転写体の染料受容層表面とを互いに重ね合わせ、熱転写記録媒体の熱転写層を設けていない面から文字または画像情報により温度制御されたサーマルヘッド等により加熱することで、熱転写層中の染料を昇華させ、染料受容層へ移行させることで、所望の文字または画像を形成する。
一方、溶融型熱転写方式の場合、支持体上に顔料やワックス等を含む熱溶融性の熱転写層を設けた熱転写記録媒体の熱転写層表面と、他の支持体上に受容層を設けた被熱転写体の受容層表面とを互いに重ね合わせ、サーマルヘッド等により加熱することで、熱転写層を融着させ、受容層へ移行させることで、所望の文字または画像を形成する。上記の方式のうち、昇華型熱転写方式は、文字や図表などのモノクロプリントや、デジタルカメラ画像またはコンピューターグラフィックス画像などのカラープリントに広く採用されている。
ところで、熱転写シートを用いた昇華型熱転写方式にて印画物を熱転写受像シートに形成することに関し、白抜けが発生するという問題点がある。白抜けとは、熱転写受像シートを用いて印画物を作成する際に、熱転写受像シートにおいて印画されるべき領域内に部分的に印画されてない領域が発生することをいう。白抜け発生の主要な要因として熱転写受像シート表面に凹凸形状が形成されることが挙げられる。
すなわち、昇華型熱転写方式にて熱転写受像シートに印画する際、サーマルヘッド等の加熱手段による加熱にて熱転写シートの染料が熱転写受像シートの所定領域へ転写される際に、熱転写受像シートの表面に凹凸形状が存在すると、その凹凸形状により、熱転写シートとサーマルヘッドとの密着性(追従性)が阻害されて、サーマルヘッドから十分に熱が伝えられない領域が熱転写シートや熱転写受像シートに部分的に発生する。その結果、サーマルヘッドによる熱が十分に伝わらなかった領域に白抜けが生じてしまう。
なお、白抜けの類似した現象として濃淡ムラがある。白抜けは完全に印画されない部分が生じるのに対して、濃淡ムラは周囲より色濃度が淡い部分が生じる現象である。白抜けと同様に熱転写受像シートの凹凸形状の影響を受けるが、白抜けは周期の大きい所謂うねりの影響を受けるのに対して、濃淡ムラは周期の小さい凹凸の影響を受けるとみられる。
上記白抜けに対し、種々の改良技術が提案されている。
たとえば、下記特許文献1には、多孔質層の中空粒子の含有率を制御して高濃度の印画特性を有し、かつ印画均一性を保つ熱転写受像シートの発明が開示されている。
また、特許文献2には、多孔質層の中空粒子の粒子系を制御してざらつきを防止する熱転写受像シートの発明が開示されている。
さらに特許文献3では、紙基材の2層のコート層に中紙の凹凸抑制とクッション性を持たせることにより、インキの転写ムラを防止する熱転写受像シートの発明が開示されてい
る。
特開2006−88691号公報 特開2007−98693号公報 特開2010−234762号公報
しかしながら、特許文献1〜3の熱転写受像シートを用いて印画を実施したところ、白抜けを十分に抑制できず、にじみ、濃淡ムラも発生してしまった。
そこで、本発明は、白抜けが発生せず、さらににじみ、濃淡ムラが起こらない熱転写受像シートを提供することを目的とする。
本発明は、上記の課題を解決するためのものであり、
請求項1に係る発明は、少なくとも、基材シート、1層または複数の層で構成される中間層、及び受容層がこの順で積層されてなる熱転写受像シートであって、前記熱転写受像シートの前記受容層側からJIS0601:2013に準じて測定した表面性状におけるうねり曲線の最大谷深さをWvとし、前記熱転写受像シートの前記受容層側に常温環境下で平面状圧子を用いて0.5MPaの圧力を加えた時に前記熱転写受像シートが縮む厚さをdとすると、d≧Wvとなることを特徴とする熱転写受像シートである。
請求項2に係る発明は、前記熱転写受像シートの厚さをtとし、前記熱転写受像シートの前記受容層側に常温環境下で平面状圧子を用いて0.5MPaの圧力を加えた時に前記熱転写受像シートが縮む厚さをdとすると、
d/t≦1.48%となることを特徴とする請求項1に記載の熱転写受像シートである。
請求項3に係る発明は、前記熱転写受像シートの前記受容層側よりISO14577に準じて測定したマルテンス硬さが、30〜120N/mmであることを特徴とする請求項1または2に記載の熱転写受像シートである。
請求項1に係る熱転写受像シートでは、前記うねり曲線の最大谷深さをWvとし、前記熱転写受像シートが縮む厚さをdとすると、d≧Wvとなることにより、熱転写受像シート1の凹凸が印画時の加圧による収縮で吸収され、サーマルヘッドの接触面が均一になるために白抜けは発生しない。
また、請求項2に係る熱転写受像シートでは、d/t≦1.48%となることにより、加圧による熱転写受像シート1の収縮が過剰にならないために、受容層30と感熱転写記録媒体との離型性が低下せず、接触時間が適性になることで、にじみが発生しない。
また、請求項3に係る熱転写受像シートでは、熱転写受像シートの受容層側よりISO14577に準じて測定したマルテンス硬さ(ISO14577)が30〜120N/mmとなることにより、熱転写受像シート1のクッション性の効果が十分に発揮され、白抜け、濃淡ムラが発生しない。
以上のように、本発明に係る熱転写受像シートであれば、白抜けが発生せず、さらににじみ、濃淡ムラが起こらない熱転写受像シートを提供することができる。
本発明の実施形態に係る熱転写受像シートの構造を示す概略断面図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。また、以下の詳細な説明では、本発明の実施形態の完全な理解を提供するように多くの特定の細部について記載される。しかしながら、かかる特定の細部がなくても1つ以上の実施態様が実施できることは明らかであろう。他にも、図面を簡潔にするために、周知の構造及び装置については、その記載を省略している。
<熱転写受像シート>
本発明の熱転写受像シート1は、図1に示すように基材10の一方の面上に、1層または複数の層で構成される中間層20、受容層30が順に積層されて成る。以下、本発明の熱転写受像シート1の構成を、図1を参照しながら説明する。
(基材10)
本発明における基材10は、中間層20と、受容層30とを保持するという役割を有するとともに、熱転写時には熱が加えられるため、加熱された状態でも取り扱い上支障のない程度の機械的強度を有する材料であることが好ましい。
このような基材10の材料としては、例えば、コンデンサーペーパー、グラシン紙、硫酸紙、またはサイズ度の高い紙、合成紙(ポリオレフィン系、ポリスチレン系)、上質紙、アート紙、コート紙、レジンコート紙、キャストコート紙、壁紙、裏打用紙、合成樹脂又はエマルジョン含浸紙、合成ゴムラテックス含浸紙、合成樹脂内添紙、板紙等、セルロース繊維紙、あるいはポリエステル、ポリアクリレート、ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリイミド、ポリエーテルイミド、セルロース誘導体、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリプロピレン、ポリスチレン、アクリル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ナイロン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、テトラフルオロエチレン、パーフルオロアルキルビニルエーテル、ポリビニルフルオライド、テトラフルオロエチレン・エチレン、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリビニリデンフルオライド等のフィルムが挙げられ、また、これらの合成樹脂に白色顔料や充填剤を加えて成膜した白色不透明フィルムも使用でき、特に限定されない。
また、上記基材の任意の組み合わせによる積層体も使用できる。代表的な積層体の例として、セルロース繊維紙と合成紙或いはセルロース合成紙とプラスチックフィルムとの合成紙が挙げられる。本発明においては、市販の基材を用いることもでき、例えば、RCペーパー(三菱製紙(株)製、商品名)等が好ましい。
なお、基材厚みは、熱転写受像シートに要求される強度や耐熱性等や、基材として採用した素材の材質に応じて、適宜変更可能であり、具体的に、基材の厚みは、50μm〜1000μmの範囲内であることが好ましく、100μm〜300μmの範囲内であることがより好ましい。
(中間層20)
本発明の一実施形態によれば、基材10と受容層30の間に少なくとも断熱層22を含む1層または複数の層の中間層20を設ける。
(断熱層22)
本発明における断熱層22は、熱転写による画像形成時に加えられた熱が、基材10等への伝熱によって損失されることを防止できる断熱性を有するものである。
基材10の一方の面に設けられた断熱層22は、従来公知のもので対応でき、中空粒子とバインダー樹脂によって構成されるものや、発泡ポリプロピレンフィルムや発泡ポリエチレンテレフタレート等の発泡フィルムなどを用いたもの、さらに発泡フィルムの片面または両面にスキン層を設けた複合フィルムを用いた断熱層を挙げることができる。ただし、発泡フィルムなどを用いた断熱層は、コストの面、基材と貼り合わせ行程に発生するカールを考慮すると、中空粒子を用いた断熱層を用いるのが好ましい。
(クッション層21)
本発明の実施の形態によれば、中間層20に含まれる層として、基材10と断熱層22の間に少なくとも1層のクッション層21を設けてもよい。
クッション層21は印画時におけるプラテンローラとサーマルヘッド間の加圧による収縮で、熱転写受像シート1の凹凸を吸収することにより、サーマルヘッドから均一な加熱をさせる機能を持つ層である。同様の機能は基材10と断熱層22にもあるが、それだけでは不十分な場合にクッション層21を設けることができる。
クッション層21には、スチレン−ブタジエン共重合体(スチレンブタジエンゴム(SBR))、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体(NBRラテックス)、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体(MBRラテックス)、スチレン−ブタジエンアクリル系共重合体などの樹脂を単独または2種類以上を混合して用いることができる。
(熱転写受像シートのクッション性)
熱転写受像シート1において、表面に凹凸があると印画時のサーマルヘッドの接触面が不均一になり、加熱ムラによる白抜けが発生する。これを防ぐために、凹凸を吸収するクッション性を熱転写受像シート1に持たせる必要がある。要求されるクッション性を満たすための熱転写受像シートの特性は以下のとおりである。
(1)熱転写受像シート1の受容層30側から測定したうねり曲線の最大谷深さ(JIS0601:2013)をWvとし、熱転写受像シート1の受容層30側に平面状の圧子で0.5MPaの圧力を加えた時に前記熱転写受像シートが縮む厚さをdとすると、
d≧Wv
となること。
(2)熱転写受像シート1の厚みをtとすると、
d/t≦1.48%
となること。
前述の(1)において、d≧Wvであれば熱転写受像シート1の凹凸が印画時の加圧による収縮で吸収され、サーマルヘッドの接触面が均一になるために白抜けは発生しない。
一方、d<Wvとなると、熱転写受像シート1の凹凸が印画時の加圧による収縮で十分に吸収されず、サーマルヘッドの接触面が不均一になるために白抜けが発生してしまう。
前述の(2)において、(1)のd≧Wvを満たし、かつd/t≦1.48%であれば白抜けを抑制しつつ、にじみも発生しない。
一方、d/t>1.48%となると、加圧による熱転写受像シート1の収縮が過剰となり、受容層30と感熱転写記録媒体との離型性が低下し、接触時間が長くなることで、にじみが発生してしまうおそれがある。
(下引き層23)
本発明の一実施形態によれば、中間層20に含まれる層として、断熱層22と受容層30の間に少なくとも1層の下引き層23を設けてもよい。
下引き層23を設けることで、耐溶剤、高温/高湿下での画像保存時の染料拡散バリア、層間接着、白色付与、基材のギラつき感やムラの隠蔽、および帯電防止等の機能を付加することができる。中間層の形成手段としては公知の手段を用いることができ、例えば、下引き層23に、蛍光増白剤、無機微粒子、中空微粒子、および導電性フィラーやポリアニリンスルホン酸のような有機導電材等を添加する方法が挙げられる。
(受容層30)
本発明の受容層30は、熱転写による画像形成時に感熱転写記録媒体から転写される昇華性染料を受容するとともに、受容した昇華性染料を受容層30に保持することで、受容層30の面に画像を形成かつ維持することができる。受容層30は、バインダー樹脂と、離型剤、硬化剤を含んでもよい。好ましい態様によれば、受容層30は、界面活性剤や、造膜助剤を各種目的に応じてさらに含んでもよい。
バインダー樹脂としては、アクリル系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体(塩酢ビ系樹脂)、ポリ塩化ビニリデン等のハロゲン化ポリマー、ポリ酢酸ビニル・アクリル共重合体、ポリアクリル酸エステル等のビニルポリマー、ポリスチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、エチレンやプロピレン等のオレフィンと他のビニルモノマーとの共重合体系樹脂、アイオノマー、セルロースジアセテート等のセルロース系樹脂、ポリカーボネート等、およびこれら樹脂の混合系が挙げられ、好ましくは塩ビ系樹脂である。塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル/アクリル共重合体から選択される少なくとも1種類の塩化ビニル系樹脂であることがさらに好ましい。
受容層30に含有される離型剤としては、例えばシリコーン系、フッ素系、リン酸エステル系といった各種オイルや、界面活性剤や、金属酸化物、シリカ等の各種フィラー、ワックス類等が使用できる。これらは単独、あるいは2種以上を混合しても良い。中でも、シリコーンオイルを使用することが好ましい。
受容層30に含有される硬化剤としては、例えばイソシアネート系硬化剤等が使用できる。イソシアネート系硬化剤としてはポリイソシアネート樹脂を好ましく使用することができる。ポリイソシアネート樹脂としては、従来種々のものが知られているが、そのうち芳香族系イソシアネートのアダクト体を使用することが望ましい。芳香族系ポリイソシアネートとしては、2,4−トルエンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネート、又は、2,4−トルエンジイソシアネートと2,6−トルエンジイソシアネートの混合物、1,5−ナフタレンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、trans−シクロヘキサン、1,4−ジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、トリス(イソシアネートフェニル)チオフォスフェートがあげられ、特に2,4−トルエンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネート、又は、2,4−トルエンジイソシアネートと2,6−トルエンジイソシアネートの混合物が好ましい。
受容層30のバインダー樹脂と硬化剤の配合比率については特に限定はないが、熱転写受像シート1の受溶層30側より測定したマルテンス硬さ(ISO14577)が30〜120N/mmであるように配合比率を調整する必要がある。マルテンス硬さが30〜120N/mmであれば、前述のクッション性の効果が十分に発揮されることにより、白抜けは抑制され、白抜け以外の画質不良も発生しない。
一方、マルテンス硬さが120N/mmを上回ると熱転写受像シート1表面が硬すぎるために、印画時にクッション性が十分にあっても凹凸を相殺できずに白抜けが発生してしまう。また、マルテンス硬さが30N/mmを下回ると、クッション性の効果では相殺しきれない微細な凹凸に影響が出て印画時に濃淡ムラが発生してしまい、良好な印画品
質を得られなくなってしまう。
受容層30の厚さは、0.1μm以上10μm以下の範囲のものが使用可能であるが、より好ましくは0.2μm以上8μm以下程度のものが好ましい。また必要に応じて酸化防止剤、蛍光染料や、公知の添加剤を含有しても良い。
(裏面層)
また、本発明の一実施形態の熱転写受像シート1には、基材10の中間層20が設けられている側とは反対側に、裏面層を設けても良い。裏面層はプリンター搬送性向上や、受容層30とのブロッキング防止、印画前後の熱転写受像シートのカール防止のために設けられる。
裏面層に用いられる材料としては従来公知のもので対応でき、例えばポリエチレン樹脂やポリプロピレン樹脂等のポリオレフィン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアミド等のバインダー樹脂を用いることができる。また必要に応じてフィラーや帯電防止剤等の、公知の添加剤を含有しても良い。
以下に、本発明の各実施例及び各比較例に用いた材料を示す。なお、文中で「部」または%とあるのは、特に断りのない限り重量基準である。また、本発明は実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
<<熱転写受像シート>>
<基材>
厚さ140μmの上質紙を使用し、一方の面に溶融押し出し法により厚さ30μmのポリエチレン樹脂層A(図示せず)を形成した。
次に、上質紙のポリエチレン樹脂層A側とは反対側の面に、厚さ40μmのポリエチレン樹脂層B(図示せず)を形成することで、3層からなる基材10を作製した。
<クッション層>
次に、基材10のポリエチレン樹脂層A上に、下記組成のクッション層用塗布液を乾燥後の膜厚が10μmになるように塗工して、クッション層21を形成した。
「クッション層用塗布液」
・スチレン・ブタジエンゴム溶液
(商品名Nipol LX110、日本ゼオン(株))(固形分40.5%)
74.07部
・純水 25.93部
<断熱層>
基材10のクッション層21上に、乾燥後の膜厚が20μmとなるように下記組成の断熱層用塗布液を塗工し、断熱層22を形成した。
「断熱層用塗布液」
・ゼラチン (商品名:SN、新田ゼラチン(株)) 55部
・中空粒子 (商品名:AF−1055、ダウケミカル日本(株)) 30部
・純水 11部
・エポキシ架橋剤(商品名:カルボジライトE−02、ナガセケムテックス(株)製)
4部
<下引き層>
基材10の断熱層22上に、乾燥後の膜厚が1μmとなるように下記組成の下引き層用塗布液を塗工し、下引き層23を形成した。
「下引き層用塗布液」
・ポリエステル(バイロナールMD−1480、固形分濃度25%、東洋紡積社製)
100部
・純水 25部
<受容層>
基材10の下引き層23上に、乾燥後の膜厚が3μmとなるように下記組成の受容層用塗布液を塗工して受容層30を形成し、熱転写受像シートを得た。
「受溶層用塗布液」
・塩化ビニル系エマルジョン
(ビニブラン900、日信化学工業(株)、Tg=70℃、固形分=40%)
100.00部
・エチレングリコールジエチルエーテル 0.25部
・シリコーン離型剤
(ジメチルシリコン NP2406、旭化成ワッカーシリコン(株)、固形分=60%)
0.17部
・イソシアネート系硬化剤(型番:DNW−6000、DIC(株)) 1.29部
(実施例2)
クッション層の乾燥後の膜厚が15μmになるようにした以外は実施例1と同様にして、熱転写受像シートを作製した。
(実施例3)
クッション層の乾燥後の膜厚が20μmになるようにした以外は実施例1と同様にして熱転写受像シートを作製した。
(実施例4)
クッション層の乾燥後の膜厚が30μmになるようにした以外は実施例1と同様にして熱転写受像シートを作製した。
(実施例5)
イソシアネート系硬化剤の配合比が0.65部になるようにした以外は実施例3と同様にして熱転写受像シートを作製した。
(実施例6)
イソシアネート系硬化剤の配合比が1.03部になるようにした以外は実施例3と同様にして熱転写受像シートを作製した。
(比較例1)
クッション層を設けず、基材のポリエチレン樹脂層Aの上に直接断熱層を設けた以外は実施例1と同様にして熱転写受像シートを作製した。
(比較例2)
クッション層の乾燥後の膜厚が5μmになるようにした以外は実施例1と同様にして熱転写受像シートを作製した。
(比較例3)
クッション層の乾燥後の膜厚が40μmになるようにした以外は実施例1と同様にして熱転写受像シートを作製した。
(比較例4)
イソシアネート系硬化剤の配合比が0.39部になるようにした以外は実施例3と同様にして熱転写受像シートを作製した。
(比較例5)
イソシアネート系硬化剤の配合比が1.94部になるようにした以外は実施例3と同様にして熱転写受像シートを作製した。
<<感熱転写記録媒体>>
基材として、4.5μmの片面易接着処理付きポリエチレンテレフタレートフィルムを使用し、その非易接着処理面に下記組成の耐熱滑性層用塗布液を、乾燥後の塗布量が1.0g/mとなるように塗布、乾燥し、耐熱滑性層付き基材を得た。次に、耐熱滑性層付き基材の易接着処理面に、下記組成の熱転写層用塗布液を、乾燥後の塗布量が1.0g/mとなるように塗布、乾燥して熱転写層を形成し、感熱転写記録媒体を得た。
<耐熱滑性層用塗布液>
・シリコーン系アクリルグラフトポリマー(東亜合成(株)US−350)
50.00部
・メチルエチルケトン 50.00部
<熱転写層用塗布液>
・C.I.ソルベントブルー36 2.50部
・C.I.ソルベントブルー63 2.50部
・ポリビニルアセタール樹脂 5.0部
・トルエン 45.0部
・メチルエチルケトン 45.0部
<<画質評価>>
実施例1〜6、比較例1〜5の熱転写受像シートと感熱転写記録媒体を使用し、サーマルシミュレーターにて印画を行い、白抜け、にじみ、濃淡ムラを評価した。印画は全て下記の条件で行っている。
・印画環境:23℃50%RH
・印加電圧:24V
・印画速度:10inch/sec
・印画密度:主走査300dpi 副走査300dpi
(白抜け評価)
実施例1〜6、比較例1〜5の熱転写受像シートと感熱転写記録媒体を使用し、サーマルシミュレーターにて印画を行い、印画物の白抜けを評価した。評価画像は、白と黒の中間の階調のベタ画像を用いた。評価結果を表1に示す。
なお、評価基準は以下のとおりで、△以上が実用上問題ないレベルである。
○:白抜けが、認められない
△:白抜けが、ごく僅かに認められる
×:白抜けが、全面で認められる
(にじみ評価)
実施例1〜6、比較例1〜5の熱転写受像シートと感熱転写記録媒体を使用し、サーマルシミュレーターにて印画を行い、印画物のにじみを評価した。評価画像は、自然画(人
物画像)を用いた。評価結果を表1に示す。
なお、評価基準は以下のとおりで、△以上が実用上問題ないレベルである。
○:にじみが、認められない
△:にじみが、ごく僅かに認められる
×:にじみが、全面で認められる
(濃淡ムラ評価)
実施例1〜6、比較例1〜5の熱転写受像シートと感熱転写記録媒体を使用し、サーマルシミュレーターにて印画を行い、印画物の濃淡ムラを評価した。評価画像は、白と黒の中間の階調のベタ画像を用いた。評価結果を表1に示す。
なお、評価基準は以下のとおりで、△以上が実用上問題ないレベルである。
○:濃淡ムラが、認められない
△:濃淡ムラが、ごく僅かに認められる
×:濃淡ムラが、全面で認められる
実施例1〜6、比較例1〜5の熱転写受像シートのクッション層膜厚、熱転写受像シートの総膜厚t(以下、総膜厚tと呼ぶ)、受容層側に常温環境下で平面状圧子を用いて0.5MPaの圧力を加えた時に熱転写受像シートが縮む厚さd(縮む厚さとは、圧力によりできる凹みの深さのことである。以下、縮む厚さdと呼ぶ)、d/t、熱転写受像シートの受容層側から測定した表面性状のうねり曲線の最大谷深さWv(以下、最大谷深さWv)、熱転写受像シートの受容層のイソシアネート系硬化剤の配合比、熱転写受像シートの受容層側より測定したマルテンス硬さ(以下、マルテンス硬さ)及び上記画質評価結果を表1に示す。
表1より、マルテンス硬さが同じで縮む厚さdの異なる実施例1〜4、及び比較例1〜3を比べると、縮む厚さdが最大谷深さWv以上の実施例1〜4、比較例3で白抜けが発生していない。一方で、縮む厚さdが最大谷深さWv未満の比較例1、2では白抜けが発生している。このことから、白抜けを発生させないためには、縮む厚さdが最大谷深さWv以上になるようにする必要があることがわかった。
表1より、マルテンス硬さが同じで縮む厚さdを総膜厚tで割ったd/tの異なる実施例1〜4、比較例1〜3を比べると、d/tが1.48%以下である実施例1〜4、比較例1〜2ではにじみが発生していないが、d/tが1.48%を上回る比較例3ではにじみが発生している。このことから、にじみを発生させないためには、d/tが1.48%以下になるようにする必要があることがわかった。
表1より、縮む厚さd、総膜厚t、最大谷深さWvが同じで、マルテンス硬さの異なる実施例3、5、6、比較例4、5を比べると、マルテンス硬さが30N/mm以上120N/mmでは白抜け、濃淡ムラが発生していない。一方で、マルテンス硬さが30N/mm未満の比較例4では濃淡ムラが発生し、マルテンス硬さが120N/mmを上回る比較例5では白抜けが発生している。このことから、白抜け、濃淡ムラを発生させないためには、マルテンス硬度を30N/mm以上120N/mm以上にする必要があることがわかった。
なおここでは、限られた数の実施形態を参照しながら説明したが、権利範囲はそれらに限定されるものではなく、上記の開示に基づく各実施形態の改変は当業者にとって自明なことである。
本発明により得られる熱転写受像シートは、昇華転写方式のプリンタに使用することができ、プリンタの高速・高機能化と併せて、各種画像を簡便にフルカラー形成できる。このため、デジタルカメラのセルフプリント、身分証明書などのカード類、アミューズメント用出力物等に広く利用できる。
1:熱転写受像シート
10:基材
20:中間層
21:クッション層
22:断熱層
23:下引き層
30:受容層
40:裏面層

Claims (3)

  1. 少なくとも、基材シート、1層または複数の層で構成される中間層、及び受容層がこの順で積層されてなる熱転写受像シートであって、前記熱転写受像シートの前記受容層側からJIS0601:2013に準じて測定した表面性状におけるうねり曲線の最大谷深さをWvとし、前記熱転写受像シートの前記受容層側に常温環境下で平面状圧子を用いて0.5MPaの圧力を加えた時に前記熱転写受像シートが縮む厚さをdとすると、
    d≧Wv
    となることを特徴とする熱転写受像シート。
  2. 前記熱転写受像シートの厚さをtとし、前記熱転写受像シートの前記受容層側に常温環境下で平面状圧子を用いて平面状圧子を用いて0.5MPaの圧力を加えた時に前記熱転写受像シートが縮む厚さをdとすると、
    d/t≦1.48%
    となることを特徴とする請求項1に記載の熱転写受像シート。
  3. 前記熱転写受像シートの前記受容層側よりISO14577に準じて測定したマルテンス硬さが、30〜120N/mmであることを特徴とする請求項1または2に記載の熱転写受像シート。
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