JP2020203401A - 熱転写受像シート - Google Patents

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誠司 滝澤
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Abstract

【課題】少なくとも十分な高階調濃度が得られ、白抜けの発生を抑制することができる熱転写受像シートを提供する。【解決手段】少なくとも、基材シート10、断熱層20、及び受容層40がこの順で積層されてなる熱転写受像シート1であって、上記断熱層20が少なくともバインダ樹脂と中空粒子により形成された塗膜であり、上記断熱層の空隙率が44.0%以上61.3%以下であり、上記断熱層20の上記中空粒子内部の空隙を除いた空隙率が8.1%以上22.3%以下であることを特徴とする熱転写受像シート。【選択図】図1

Description

本発明は、熱転写受像シートに関する。
従来から、文字や画像等の印画物を被熱転写体に形成する方式として、昇華型熱転写方式や溶融型熱転写方式等が採用されている。
昇華型熱転写方式の場合、例えば、支持体上に染料やバインダ等を含む熱転写層等を設けた感熱転写記録媒体の熱転写層表面と、他の支持体上に染料を受容する染料受容層を設けた熱転写受像シートの染料受容層表面とを互いに重ね合わせる。そして、重ね合わせた感熱転写記録媒体及び熱転写受像シートに対し、熱転写記録媒体の熱転写層を設けていない面側から、サーマルヘッド等により加熱する。これにより、熱転写層中の染料を昇華させ、染料を染料受容層へ移行させることで、熱転写受像シートに所望の文字や画像等を形成する。
一方、溶融型熱転写方式の場合、例えば、支持体上に顔料やワックス等を含む熱溶融性の熱転写層を設けた熱転写記録媒体の熱転写層表面と、他の支持体上に受容層を設けた被熱転写体の受容層表面とを互いに重ね合わせる。そして、重ね合わせた熱転写記録媒体及び被熱転写体をサーマルヘッド等により加熱することで、熱転写層を融着させ、受容層へ移行させることで、被熱転写体に所望の文字や画像等を形成する。
上記の方式のうち、昇華型熱転写方式は、文字や図表などのモノクロプリントや、デジタルカメラ画像又はコンピューターグラフィックス画像などのカラープリントに広く採用されている。
昇華型熱転写方式の熱転写受像シートとしては、耐熱性及びクッション性の付与を目的として、主成分として中空粒子とバインダ樹脂とからなる断熱層を、支持体と受容層との間に設けた構成が提案されている(特許文献1参照)。
ところで、熱転写シートを用いた昇華型熱転写方式にて印画物を熱転写受像シートに形成することに関し、高階調濃度不足という課題がある。高階調濃度不足は、印画物の高階調の色濃度が低くなってしまう現象である。高階調濃度不足は、熱転写シートの断熱性が不足することにより、プリンタ印画時の熱が失われて昇華転写が不十分になることで生じると考えられる。
また、熱転写シートの印画物の課題として、白抜けの発生も挙げられる。白抜けとは、熱転写受像シートを用いて印画物を作成する際に、熱転写受像シートにおいて印画されるべき領域内に部分的に印画されてない領域が発生することをいう。白抜け発生の主要な要因として、熱転写受像シート表面に凹凸形状が形成されることが挙げられる。
詳しく説明すると、昇華型熱転写方式にて熱転写受像シートに印画する(すなわち、サーマルヘッド等の加熱手段による加熱にて熱転写シートの染料を熱転写受像シートの所定領域に転写する)際に、熱転写受像シートの表面に凹凸形状が存在すると、その凹凸形状により、熱転写シートとサーマルヘッドとの密着性(追従性)が阻害される。これにより、サーマルヘッドから十分に熱が伝えられない領域が熱転写シートや熱転写受像シートに部分的に発生する。その結果、サーマルヘッドによる熱が十分に伝わらなかった領域に白抜けが生じてしまう。
上記高階調濃度不足と白抜けの課題に対し、種々の改良技術が提案されている。例えば、特許文献2には、多孔質層に含有する中空粒子の含有率を制御して高階調濃度の印画特性を有し、かつ印画均一性を保つ熱転写受像シートの発明が開示されている。また、特許文献3には、多孔質層の中空粒子の粒子径を制御してざらつきを防止する熱転写受像シートの発明が開示されている。さらに特許文献4では、紙基材の2層のコート層に中紙の凹凸抑制とクッション性を持たせることにより、インキの転写ムラを防止する熱転写受像シートの発明が開示されている。
特許第4225191号公報 特許第4493565号公報 特開2007−98693号公報 特許第5470978号公報
しかしながら、特許文献1〜4の熱転写受像シートを用いて印画を実施しても、十分な高階調濃度が得られず、白抜けが発生する場合があった。
本発明は、上記のような点を考慮してなされたもので、より高階調濃度が良好となり、且つ白抜けの発生を抑制可能な熱転写受像シートの提供を目的とする。
課題解決のために、本発明の一態様は、基材シートの一方の面側に、断熱層と受容層とがこの順で形成され、上記断熱層は、少なくともバインダ樹脂と中空粒子とを有する塗膜からなり、上記断熱層の空隙率が44.0%以上61.3%以下であり、上記断熱層の上記中空粒子による空隙を除いた空隙率が、8.1%以上22.3%以下である、ことを要旨とする。
本発明の一態様によれば、より高階調濃度が良好となり、且つ白抜けの発生を抑制可能な熱転写受像シートを提供することができる。
本発明の実施形態に係る熱転写受像シートの構成例を示す概略断面図である。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。
ここで、図面は模式的なものであり、厚さと平面寸法との関係、各層の厚さの比率等は現実のものとは異なることがある。また、以下に示す実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための構成を例示するものであって、本発明の技術的思想は、構成部品の材質、形状、構造等が下記のものに特定されるものではない。本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された請求項が規定する技術的範囲内において、種々の変更を加えることができる。
また、以下の詳細な説明では、本発明の実施形態の完全な理解を提供するように多くの特定の細部について記載される。しかしながら、かかる特定の細部がなくても1つ以上の実施態様が実施できることは明らかであろう。他にも、図面を簡潔にするために、周知の構造及び装置については、その記載を省略している。
<熱転写受像シート>
図1は、本発明の実施形態に係る熱転写受像シートの構成例を示す概略断面図である。図1に示すように、本発明の実施形態に係る熱転写受像シート1は、基材シート10と、基材1シート0の一方の面(図1中、上面)側に断熱層20と受容層40とがこの順に少なくとも配置されている。基材シート10の他方の面(図1中、下面)側に裏面層50を備える。また、図1では、断熱層20と受容層40の間に下引き層30を設けている場合が例示されているが、下引き層30が無くてもよい。
以下、熱転写受像シート1の構成を具体的に説明する。
(基材シート)
基材シート10は、断熱層20と受容層40とを保持するという役割を有する。また、基材シート10は、熱転写時に熱が加えられるため、加熱された状態でも取扱い上支障のない程度の機械的強度を有する材料であることが好ましい。
このような基材シート10の材料としては、例えば、コンデンサーペーパー、グラシン紙、硫酸紙、又はサイズ度の高い紙、合成紙(ポリオレフィン系、ポリスチレン系)、上質紙、アート紙、コート紙、レジンコート紙、キャストコート紙、壁紙、裏打用紙、合成樹脂又はエマルジョン含浸紙、合成ゴムラテックス含浸紙、合成樹脂内添紙、板紙等、セルロース繊維紙、あるいはポリエチレンテレフタレート(以下、PET)等のポリエステル、ポリアクリレート、ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリイミド、ポリエーテルイミド、セルロース誘導体、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリプロピレン、ポリスチレン、アクリル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ナイロン(商標登録)、ポリエーテルエーテルケトン、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、テトラフルオロエチレン、パーフルオロアルキルビニルエーテル、ポリビニルフルオライド、テトラフルオロエチレン・エチレン、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリビニリデンフルオライド等のフィルムが挙げられる。また、基材シート10の材料としては、これらの合成樹脂に白色顔料や充填剤を加えて成膜した白色不透明フィルムも使用できる。基材シート1の材料は、特に限定されない。また、基材シート10の材料としては、上記基材の任意の組合せによる積層体も使用できる。代表的な積層体の例として、セルロース繊維紙と合成紙あるいはセルロース合成紙とプラスチックフィルムとの合成紙が挙げられる。本発明の実施形態においては、基材シート10として、市販の基材を用いることもでき、例えば、RCペーパー(三菱製紙(株)製、商品名)等が好ましい。なお、基材シート10の厚さは、熱転写受像シートに要求される強度や耐熱性等や、素材の材質に応じて、適宜変更可能である。具体的に、基材の厚さは、50μm以上1000μm以下の範囲内であることが好ましく、100μm以上300μm以下の範囲内であることがより好ましい。
(断熱層)
基材シート10と受容層40の間に1層又は複数の層で構成された断熱層20を設ける。図1は、断熱層20が一層の場合の例である。
本実施形態の断熱層20は、少なくともバインダ樹脂と中空粒子とを有する塗膜からなる。
断熱層20は、断熱性とクッション性の機能を持っている。
断熱性とは、熱転写による画像形成時に加えられた熱が、基材シート10等への伝熱によって損失されることを抑制する機能である。また、クッション性とは、印画時におけるプラテンローラとサーマルヘッド間の加圧による収縮で、熱転写受像シート1の凹凸を吸収することにより、サーマルヘッドから均一な加熱をさせるための機能である。
本実施形態の断熱層20は、少なくとも中空粒子とバインダ樹脂を含む。断熱層20は、必要に応じて中実の粒子や添加剤を含んでもよい。中実の粒子とは、実質的に、内部に空隙を有さない粒子を指す。以下、中実の粒子を非中空粒子とも記載する。
断熱層20の中空粒子としては、例えば、粒子内部の液体が加熱により揮発して中空になるタイプ、あるいは加熱する前から既に中空になっているタイプ、粒子内部の液体が気化膨張して中空になるタイプなどが知られている。中空粒子として、いずれのタイプも用いることはできる。ただし、優れた平滑性を持たせる観点から、中空粒子として、気化膨張によって中空になるタイプ以外のものを用いることが好ましい。
本実施形態の中空粒子の平均粒径は、断熱機能、平滑性の観点から0.1μm以上5.0μm以下であることが好ましい。平均粒径が小さい中空粒子は外殻が厚くなりやすく、平均粒径が0.1μmを下回ると断熱層20のクッション性が低下してしまう。また、平均粒径が5.0μmを超えると断熱層20の平滑性が低下してしまう。
中空粒子は、内部の空隙により、断熱層20の断熱性を高めて、熱転写受像シート1を印画した際の高階調濃度を高める効果がある。しかしながら、断熱層20への中空粒子の配合比が高すぎると、印画時の熱と圧力で中空粒子が潰れてしまい、高階調濃度が低下する場合がある。
断熱層20の非中空粒子としては、従来公知の非中空粒子を使用すればよい。非中空粒子としては、例えば、シリコーン粒子、ポリエチレン粒子、ポリプロピレン粒子、ポリスチレン粒子、ポリメチルメタクリレート樹脂粒子、ポリウレタン樹脂粒子、メラミン粒子、ベンゾグアナミン系粒子などを挙げることができ、1種類又は複数の種類の非中空粒子を断熱層20内に混合できる。また、非中空粒子の平均粒径は、5.0μm以下であることが望ましい。平均粒径が5.0μmを超えると断熱層20の平滑性が低下してしまう。
断熱層20のバインダとしては、スチレン−ブタジエン共重合体(スチレンブタジエンゴム(SBR))、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体(NBRラテックス)、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体(MBRラテックス)、スチレン−ブタジエンアクリル系共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)などの樹脂を単独又は2種類以上を混合して用いることができる。
断熱層20の空隙は、中空粒子及び非中空粒子を合わせた配合比が低い状態ではほぼ中空粒子の内部空間で形成される空隙のみであるが、中空粒子の配合比が高い場合には中空粒子及び非中空粒子の各粒子間の隙間をバインダが充填することができず、中空粒子及び非中空粒子の間に空隙(以下、中空粒子外空隙とも記載する)ができる。この中空粒子外空隙は、中空粒子内部の空隙と同様に断熱性を持つとともに、中空粒子内部の空隙が持たない機能であるクッション性を持つ。
非中空粒子は内部の空隙を有さないために、中空粒子に比べて断熱層20への断熱性付与の効果は劣る。しかしながら、前述のように中空粒子は配合比が高すぎると、印画時の熱圧で潰れることにより断熱性が低下し、その結果、高階調濃度が低下させてしまう場合がある。その点、非中空粒子は熱圧での破損の考慮は必要なく、中空粒子外空隙による断熱性が十分に得られていれば、安定した高階調濃度を得ることができる。
断熱層20における中空粒子及び非中空粒子とバインダの配合比は、中空粒子の外径や中空粒子内の空隙率などにより最適値が異なるので一概に規定できないが、断熱層20全体の空隙率をRAとし、断熱層20における中空粒子外空隙による空隙率をRBとすると、式(1)、(2)が成り立つことが望ましい。
44.0% ≦ RA ≦ 61.3%・・・(1)
8.1% ≦ RB ≦ 22.3%・・・(2)
RAが44.0%未満であると断熱層20の断熱性が不足し、プリンタ印画時の熱が失われて高階調濃度が不足してしまうおそれがある。一方で、RAが61.3%を超えると、断熱性が高くなり過ぎて低階調で過剰な発色が起こることによりにじみが発生してしまうおそれがある。
また、式(1)を満たした状態でRBが8.1%未満であると、クッション性が低下するとともに、中空粒子及び非中空粒子の配合比が高すぎるために平滑性が低下し、白抜けが発生してしまうおそれがある。一方で、RBが22.3%を超えると、断熱層20上に下引き層30、受容層40などを積層塗工する際に塗液が空隙に入り込んでしまうことで、積層塗工した層と断熱層20の機能が損なわれるおそれがある。特に、断熱層20の断熱性が低下することで濃度不足が起こってしまう。
なお、断熱層20において中空粒子を有し、非中空粒子を有さない構成は、中空粒子内部の空隙と中空粒子外空隙が断熱層20内にできるために、非中空粒子を含まない構成にすることは可能である。一方で、断熱層20において、中空粒子を有さず、非中空粒子を有する構成にすると、空隙が不足することで十分な断熱性が得られず、高階調濃度が不足してしまう。これは、式(1)、(2)において、RAとRBの重なる範囲が無いことからも裏付けられる。
ここで、上記のRAとRBは以下の式(3)〜(11)を順に解くことで求めることができる。
VA=TA×S ・・・(3)
VC=WC/ρC ・・・(4)
VD=WD/ρD ・・・(5)
VE=WE/ρE ・・・(6)
VF=WF/ρF ・・・(7)
VB=VA−VC−VD−VE−VF ・・・(8)
RB=VB/VA ・・・(9)
RC=VC×RX/VA ・・・(10)
RA=RB+RC ・・・(11)
ここで、
RA:断熱層20全体の空隙率
RB:中空粒子外空隙による空隙率
RC:中空粒子内部の空隙による空隙率
RX:個々の中空粒子の空隙率
S:単位面積
TA:断熱層20の膜厚
VA:基材シート10の単位面積当たりに積層されている断熱層の体積
VB:VAのうちの中空粒子外空隙の体積
VC:VAのうちの中空粒子の体積
VD:VAのうちの非中空粒子の体積
VE:VAのうちのバインダの体積
VF:VAのうちの添加剤の体積
WA:基材シート10の単位面積当たりに積層されている断熱層の重量
WC:WAのうちの中空粒子の重量
WD:WAのうちの非中空粒子の重量
WE:WAのうちのバインダの重量
WF:WAのうちの添加剤の重量
ρC:中空粒子の比重
ρD:非中空粒子の比重
ρE:バインダの比重
ρF:添加剤の比重
である。
各データの求め方は表1のようになる。
また、これらの空隙率、体積、重量、比重等の全ての値は、断熱層が完全に乾燥した状態での値を指しているものとする。
Figure 2020203401
断熱層20には、必要に応じて各種の添加剤、例えば界面活性剤、蛍光増白剤、帯電防止剤、無機顔料、有機顔料、樹脂の架橋剤、消泡剤、分散剤、有色染料、離型剤、滑剤等の1種あるいは2種以上を適宜選択して使用してもよい。特に、フッ素系界面活性剤は、塗膜表面近傍に多く存在しやすく、溶媒の蒸発速度を制御する効果がある。そのようなフッ素系界面活性剤は、中空粒子外空隙があるために表面が粗くなりやすい断熱層20においても高い均一塗布性(レベリング性)を発揮することから、平滑化のためにこれを用いることが望ましい。
断熱層20の厚さは、素材の材質に応じて適宜変更可能である。具体的には、10μm以上50μm以下の範囲内であることが好ましく、20μm以上40μm以下の範囲内であることがより好ましい。
(下引き層)
本実施形態に係る熱転写受像シート1は、図1のように、断熱層20と受容層40の間に配置される1層以上の下引き層30を有してもよい。下引き層30を設けることで、耐溶剤性、高温/高湿下での画像保存時の染料拡散バリア、層間接着、白色付与、基材のギラつき感/ムラの隠蔽、及び帯電防止等の機能を付加するこができる。下引き層30の形成手段としては公知の手段を用いることができる。例えば、下引き層23に、蛍光増白剤、無機微粒子、中空微粒子、及び導電性フィラーやポリアニリンスルホン酸のような有機導電材等を添加して上述の機能を付加する方法が挙げられる。
(受容層)
本実施形態に係る受容層40は、熱転写による画像形成時に感熱転写記録媒体から転写される昇華性染料を受容するとともに、受容した昇華性染料を受容層40に保持することで、受容層40の面に画像を形成かつ維持することができる。受容層40は、バインダ樹脂と、離型剤、硬化剤を含んでもよい。好ましい態様によれば、受容層40は、界面活性剤や、造膜助剤を各種目的に応じてさらに含んでもよい。
バインダ樹脂としては、アクリル系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体(塩酢ビ系樹脂)、ポリ塩化ビニリデン等のハロゲン化ポリマー、ポリ酢酸ビニル・アクリル共重合体、ポリアクリル酸エステル等のビニルポリマー、ポリスチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、エチレンやプロピレン等のオレフィンと他のビニルモノマーとの共重合体系樹脂、アイオノマー、セルロースジアセテート等のセルロース系樹脂、ポリカーボネート等、及びこれら樹脂の混合系が挙げられ、好ましくは塩化ビニル系樹脂である。バインダ樹脂は、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル/アクリル共重合体から選択される少なくとも1種類の塩化ビニル系樹脂であることがさらに好ましい。
受容層40に含有される離型剤としては、例えばシリコーン系、フッ素系、リン酸エステル系といった各種オイルや、界面活性剤や、金属酸化物、シリカ等の各種フィラー、ワックス類等が使用できる。離型剤として、これらは単独、あるいは2種以上を混合しても良い。離型剤として、これらの中でも、シリコーンオイルを使用することが好ましい。
受容層40に含有される硬化剤としては、例えばイソシアネート系硬化剤等が使用できる。イソシアネート系硬化剤としてはポリイソシアネート樹脂を好ましく使用することができる。ポリイソシアネート樹脂としては、従来種々のものが知られているが、そのうち芳香族系イソシアネートのアダクト体を使用することが望ましい。芳香族系ポリイソシアネートとしては、2,4−トルエンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネート、又は、2,4−トルエンジイソシアネートと2,6−トルエンジイソシアネートの混合物、1,5−ナフタレンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、trans−シクロヘキサン、1,4−ジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、トリス(イソシアネートフェニル)チオフォスフェートが挙げられ、特に2,4−トルエンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネート、又は、2,4−トルエンジイソシアネートと2,6−トルエンジイソシアネートの混合物が好ましい。
受容層40の厚さは、0.1μm以上10μm以下の範囲のものが使用可能であるが、より好ましくは0.2μm以上8μm以下程度のものが好ましい。また、受容層40は、必要に応じて酸化防止剤、蛍光染料や、公知の添加剤を含有しても良い。
(裏面層)
本実施形態に係る裏面層50は、プリンタ搬送性向上や、受容層40とのブロッキング防止、印画前後の熱転写受像シートのカール防止のために設けられる。裏面層50に用いられる材料としては従来公知のもので対応でき、例えばポリエチレン樹脂やポリプロピレン樹脂等のポリオレフィン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアミド等のバインダ樹脂を用いることができる。また、裏面層50は、必要に応じてフィラーや帯電防止剤等の、公知の添加剤を含有しても良い。
(実施形態の効果)
(1)本実施形態に係る熱転写受像シート1は、少なくとも、基材シート10の一方の面側に、断熱層20と受容層40とがこの順で積層されてなる。断熱層20は、少なくともバインダ樹脂と中空粒子により形成された塗膜からなる。断熱層20全体の空隙率が52%以上56%以下となっている。
この構成によって、高階調濃度が十分に高く、にじみが発生しない。熱転写受像シート1を用いた印画物では、実用レベルで、高階調濃度不足、にじみが発生しない。
(2)本実施形態に係る熱転写受像シート1では、断熱層20の中空粒子内部の空隙以外で構成される空隙による空隙率が12%以上26%以下となっている。
この構成によって、白抜け抑制のために十分なクッション性と平滑性が得られる。また、空隙率が高すぎないので、断熱層20上に積層塗工される塗液が空隙に入り込むことが要因として引き起こされる断熱性低下による高階調濃度不足は起こらない。熱転写受像シート1を用いた印画物では、実用レベルで、白抜け、高階調濃度不足が発生しない。
(3)また、本実施形態に係る熱転写受像シート1では、断熱層20がフッ素系界面活性剤を含む。
この構成によって、断熱層の平滑性が向上し、白抜けが抑制される。熱転写受像シート1を用いた印画物では、実用レベルで、白抜けが発生しない。
以下に、本発明の各実施例及び各比較例に用いた材料を示す。なお、文中で「部」又は%とあるのは、特に断りのない限り重量基準である。また、本発明は実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
<<熱転写受像シート>>
<基材シート>
基材シートとして、両面にコロナ処理を施した、厚さ170μmの両面レジンコート紙を使用した。
<断熱層>
基材シートの一方の面上に、乾燥後の膜厚が40μmとなるように断熱層用塗布液1を塗布、乾燥し、断熱層を形成した。
「断熱層用塗布液1」
断熱層用塗布液1の組成は次の通りである。
・スチレン・ブタジエンゴム溶液
(商品名Nipol LX110、日本ゼオン(株))(固形分40.5%)
37.36部
・中空粒子
(商品名:SN−1055、ダウケミカル日本(株)、固形分26.5%)
58.88部
・非中空粒子
(商品名:MR1−HG、綜研化学(株)、固形分100%)
0.79部
・純水 2.19部
・界面活性剤
(商品名:FolyFox PF−136A、オムノバ製、固形分30%)
0.79部
<受容層>
基材シートの断熱層上に、乾燥後の膜厚が3μmとなるように受容層用塗布液を塗工して受容層を形成し、熱転写受像シートを得た。
「受容層用塗布液」
受容層用塗布液の組成は次の通りである。
・塩化ビニル系エマルジョン
(ビニブラン900、日信化学工業(株)、Tg=70℃、固形分=40%)
100.00部
・エチレングリコールジエチルエーテル 0.25部
・シリコーン離型剤
(ジメチルシリコン NP2406、旭化成ワッカーシリコン(株)、固形分=60%)
0.17部
・イソシアネート系硬化剤(型番:DNW−6000、DIC(株))
1.29部
(実施例2)
断熱層の形成に断熱層用塗布液2を用いたこと以外は、実施例1と同様に熱転写受像シートを作製した。
「断熱層用塗布液2」
断熱層用塗布液2の組成は次の通りである。
・スチレン・ブタジエンゴム溶液
(商品名Nipol LX110、日本ゼオン(株))(固形分40.5%)
35.51部
・中空粒子
(商品名:SN−1055、ダウケミカル日本(株)、固形分26.5%)
44.83部
・非中空粒子
(商品名:MR1−HG、綜研化学(株)、固形分100%)
5.00部
・純水 13.87部
・界面活性剤
(商品名:FolyFox PF−136A、オムノバ製、固形分30%)
0.79部
(実施例3)
断熱層の形成に断熱層用塗布液3を用いたこと以外は、実施例1と同様に熱転写受像シートを作製した。
「断熱層用塗布液3」
断熱層用塗布液3の組成は次の通りである。
・スチレン・ブタジエンゴム溶液
(商品名Nipol LX110、日本ゼオン(株))(固形分40.5%)
31.89部
・中空粒子
(商品名:SN−1055、ダウケミカル日本(株)、固形分26.5%)
29.01部
・非中空粒子
(商品名:MR1−HG、綜研化学(株)、固形分100%)
10.55部
・純水 28.15部
・界面活性剤
(商品名:FolyFox PF−136A、オムノバ製、固形分30%)
0.79部
(実施例4)
断熱層の形成に断熱層用塗布液4を用いたこと以外は、実施例1と同様に熱転写受像シートを作製した。
「断熱層用塗布液4」
断熱層用塗布液4の組成は次の通りである。
・スチレン・ブタジエンゴム溶液
(商品名Nipol LX110、日本ゼオン(株))(固形分40.5%)
32.34部
・中空粒子
(商品名:SN−1055、ダウケミカル日本(株)、固形分26.5%)
66.87部
・界面活性剤
(商品名:FolyFox PF−136A、オムノバ製、固形分30%)
0.79部
(実施例5)
断熱層の形成に断熱層用塗布液5を用いたこと以外は、実施例1と同様に熱転写受像シートを作製した。
「断熱層用塗布液5」
断熱層用塗布液5の組成は次の通りである。
・スチレン・ブタジエンゴム溶液
(商品名Nipol LX110、日本ゼオン(株))(固形分40.5%)
32.12部
・中空粒子
(商品名:SN−1055、ダウケミカル日本(株)、固形分26.5%)
65.87部
・非中空粒子(商品名:MR1−HG、綜研化学(株)、固形分100%)
0.32部
・純水 0.90部
・界面活性剤
(商品名:FolyFox PF−136A、オムノバ製、固形分30%)
0.79部
(実施例6)
断熱層の形成に断熱層用塗布液6を用いたこと以外は、実施例1と同様に熱転写受像シートを作製した。
「断熱層用塗布液6」
断熱層用塗布液6の組成は次の通りである。
・スチレン・ブタジエンゴム溶液
(商品名Nipol LX110、日本ゼオン(株))(固形分40.5%)
31.89部
・中空粒子
(商品名:SN−1055、ダウケミカル日本(株)、固形分26.5%)
64.88部
・非中空粒子
(商品名:MR1−HG、綜研化学(株)、固形分100%)
0.65部
・純水 1.79部
・界面活性剤
(商品名:FolyFox PF−136A、オムノバ製、固形分30%)
0.79部
(実施例7)
断熱層の形成に断熱層用塗布液7を用いたこと以外は、実施例1と同様に熱転写受像シートを作製した。
「断熱層用塗布液7」
断熱層用塗布液7の組成は次の通りである。・スチレン・ブタジエンゴム溶液
(商品名Nipol LX110、日本ゼオン(株))(固形分40.5%)
37.36部
・中空粒子
(商品名:SN−1055、ダウケミカル日本(株)、固形分26.5%)
60.07部
・非中空粒子
(商品名:MR1−HG、綜研化学(株)、固形分100%)
0.47部
・純水 1.31部
・界面活性剤
(商品名:FolyFox PF−136A、オムノバ製、固形分30%)
0.79部
(実施例8)
断熱層の形成に断熱層用塗布液8を用いたこと以外は、実施例1と同様に熱転写受像シートを作製した。
「断熱層用塗布液8」
断熱層用塗布液8の組成は次の通りである。
・スチレン・ブタジエンゴム溶液
(商品名Nipol LX110、日本ゼオン(株))(固形分40.5%)
37.36部
・中空粒子
(商品名:SN−1055、ダウケミカル日本(株)、固形分26.5%)
61.85部
・界面活性剤
(商品名:FolyFox PF−136A、オムノバ製、固形分30%)
0.79部
(実施例9)
断熱層の形成に断熱層用塗布液9を用いたこと以外は、実施例1と同様に熱転写受像シートを作製した。
「断熱層用塗布液9」
断熱層用塗布液9の組成は次の通りである。
・スチレン・ブタジエンゴム溶液
(商品名Nipol LX110、日本ゼオン(株))(固形分40.5%)
31.89部
・中空粒子
(商品名:SN−1055、ダウケミカル日本(株)、固形分26.5%)
29.59部
・非中空粒子
(商品名:MR1−HG、綜研化学(株)、固形分100%)
10.00部
・純水 27.72部
・界面活性剤
(商品名:FolyFox PF−136A、オムノバ製、固形分30%)
0.79部
(実施例10)
断熱層の形成に断熱層用塗布液10を用いたこと以外は、実施例1と同様に熱転写受像シートを作製した。
「断熱層用塗布液10」
断熱層用塗布液10の組成は次の通りである。
・スチレン・ブタジエンゴム溶液
(商品名Nipol LX110、日本ゼオン(株))(固形分40.5%)
31.89部
・中空粒子
(商品名:SN−1055、ダウケミカル日本(株)、固形分26.5%)
46.42部
・非中空粒子(商品名:MR1−HG、綜研化学(株)、固形分100%)
5.54部
・純水 15.35部
・界面活性剤
(商品名:FolyFox PF−136A、オムノバ製、固形分30%)
0.79部
(実施例11)
断熱層の形成に断熱層用塗布液11を用いたこと以外は、実施例1と同様に熱転写受像シートを作製した。
「断熱層用塗布液11」
断熱層用塗布液11の組成は次の通りである。
・スチレン・ブタジエンゴム溶液
(商品名Nipol LX110、日本ゼオン(株))(固形分40.5%)
31.89部
・中空粒子
(商品名:SN−1055、ダウケミカル日本(株)、固形分26.5%)
64.88部
・非中空粒子
(商品名:MR1−HG、綜研化学(株)、固形分100%)
0.65部
・純水 1.79部
・界面活性剤
(商品名:FolyFox PF−136A、オムノバ製、固形分30%)
0.79部
(実施例12)
断熱層の形成に断熱層用塗布液12を用いたこと以外は、実施例1と同様に熱転写受像シートを作製した。
「断熱層用塗布液12」
断熱層用塗布液12の組成は次の通りである。
・スチレン・ブタジエンゴム溶液
(商品名Nipol LX110、日本ゼオン(株))(固形分40.5%)
32.25部
・中空粒子
(商品名:SN−1055、ダウケミカル日本(株)、固形分26.5%)
30.57部
・非中空粒子
(商品名:MR1−HG、綜研化学(株)、固形分100%)
9.64部
・純水 26.74部
・界面活性剤
(商品名:FolyFox PF−136A、オムノバ製、固形分30%)
0.79部
(実施例13)
断熱層の形成に断熱層用塗布液13を用いたこと以外は、実施例1と同様に熱転写受像シートを作製した。
「断熱層用塗布液13」
断熱層用塗布液13の組成は次の通りである。
・スチレン・ブタジエンゴム溶液
(商品名Nipol LX110、日本ゼオン(株))(固形分40.5%)
32.25部
・中空粒子
(商品名:SN−1055、ダウケミカル日本(株)、固形分26.5%)
48.82部
・非中空粒子
(商品名:MR1−HG、綜研化学(株)、固形分100%)
4.81部
・純水 13.33部
・界面活性剤
(商品名:FolyFox PF−136A、オムノバ製、固形分30%)
0.79部
(実施例14)
断熱層の形成に断熱層用塗布液14を用いたこと以外は、実施例1と同様に熱転写受像シートを作製した。
「断熱層用塗布液14」
断熱層用塗布液14の組成は次の通りである。
・スチレン・ブタジエンゴム溶液
(商品名Nipol LX110、日本ゼオン(株))(固形分40.5%)
32.25部
・中空粒子
(商品名:SN−1055、ダウケミカル日本(株)、固形分26.5%)
66.14部
・非中空粒子
(商品名:MR1−HG、綜研化学(株)、固形分100%)
0.22部
・純水 0.60部
・界面活性剤
(商品名:FolyFox PF−136A、オムノバ製、固形分30%)
0.79部
(比較例1)
断熱層の形成に断熱層用塗布液15を用いたこと以外は、実施例1と同様に熱転写受像シートを作製した。
「断熱層用塗布液15」
断熱層用塗布液15の組成は次の通りである。
・スチレン・ブタジエンゴム溶液
(商品名Nipol LX110、日本ゼオン(株))(固形分40.5%)
37.64部
・中空粒子
(商品名:SN−1055、ダウケミカル日本(株)、固形分26.5%)
61.57部
・界面活性剤
(商品名:FolyFox PF−136A、オムノバ製、固形分30%)
0.79部
(比較例2)
断熱層の形成に断熱層用塗布液16を用いたこと以外は、実施例1と同様に熱転写受像シートを作製した。
「断熱層用塗布液16」
断熱層用塗布液16の組成は次の通りである。
・スチレン・ブタジエンゴム溶液
(商品名Nipol LX110、日本ゼオン(株))(固形分40.5%)
37.50部
・中空粒子
(商品名:SN−1055、ダウケミカル日本(株)、固形分26.5%)
60.22部
・非中空粒子(商品名:MR1−HG、綜研化学(株)、固形分100%)
0.39部
・純水 1.09部
・界面活性剤
(商品名:FolyFox PF−136A、オムノバ製、固形分30%)
0.79部
(比較例3)
断熱層の形成に断熱層用塗布液17を用いたこと以外は、実施例1と同様に熱転写受像シートを作製した。
「断熱層用塗布液17」
断熱層用塗布液17の組成は次の通りである。
・スチレン・ブタジエンゴム溶液
(商品名Nipol LX110、日本ゼオン(株))(固形分40.5%)
30.92部
・中空粒子
(商品名:SN−1055、ダウケミカル日本(株)、固形分26.5%)
26.57部
・非中空粒子
(商品名:MR1−HG、綜研化学(株)、固形分100%)
11.05部
・純水 30.66部
・界面活性剤
(商品名:FolyFox PF−136A、オムノバ製、固形分30%)
0.79部
(比較例4)
断熱層の形成に断熱層用塗布液18を用いたこと以外は、実施例1と同様に熱転写受像シートを作製した。
「断熱層用塗布液18」
断熱層用塗布液18の組成は次の通りである。・スチレン・ブタジエンゴム溶液
(商品名Nipol LX110、日本ゼオン(株))(固形分40.5%)
31.01部
・中空粒子
(商品名:SN−1055、ダウケミカル日本(株)、固形分26.5%)
61.61部
・非中空粒子
(商品名:MR1−HG、綜研化学(株)、固形分100%)
1.75部
・純水 4.84部
・界面活性剤(商品名:FolyFox PF−136A、オムノバ製、固形分30%)
0.79部
(比較例5)
断熱層の形成に断熱層用塗布液19を用いたこと以外は、実施例1と同様に熱転写受像シートを作製した。
「断熱層用塗布液19」
断熱層用塗布液19の組成は次の通りである。
・スチレン・ブタジエンゴム溶液
(商品名Nipol LX110、日本ゼオン(株))(固形分40.5%)
30.13部
・中空粒子
(商品名:SN−1055、ダウケミカル日本(株)、固形分26.5%)
59.17部
・非中空粒子(商品名:MR1−HG、綜研化学(株)、固形分100%)
2.62部
・純水 7.28部
・界面活性剤
(商品名:FolyFox PF−136A、オムノバ製、固形分30%)
0.79部
(比較例6)
断熱層の形成に断熱層用塗布液20を用いたこと以外、は実施例1と同様に熱転写受像シートを作製した。
「断熱層用塗布液20」
断熱層用塗布液20の組成は次の通りである。
・スチレン・ブタジエンゴム溶液
(商品名Nipol LX110、日本ゼオン(株))(固形分40.5%)
37.36部
・非中空粒子
(商品名:MR1−HG、綜研化学(株)、固形分100%)
16.39部
・純水 45.46部
・界面活性剤
(商品名:FolyFox PF−136A、オムノバ製、固形分30%)
0.79部
(比較例7)
断熱層の形成に断熱層用塗布液21を用いたこと以外は、実施例1と同様に熱転写受像シートを作製した。
「断熱層用塗布液21」
断熱層用塗布液21の組成は次の通りである。
・スチレン・ブタジエンゴム溶液
(商品名Nipol LX110、日本ゼオン(株))(固形分40.5%)
37.36部
・中空粒子
(商品名:SN−1055、ダウケミカル日本(株)、固形分26.5%)
47.58部
・非中空粒子
(商品名:MR1−HG、綜研化学(株)、固形分100%)
3.78部
・純水 10.49部
・界面活性剤
(商品名:FolyFox PF−136A、オムノバ製、固形分30%)
0.79部
(比較例8)
断熱層の形成に断熱層用塗布液22を用いたこと以外は、実施例1と同様に熱転写受像シートを作製した。
「断熱層用塗布液22」
断熱層用塗布液22の組成は次の通りである。
・スチレン・ブタジエンゴム溶液
(商品名Nipol LX110、日本ゼオン(株))(固形分40.5%)
37.36部
・中空粒子
(商品名:SN−1055、ダウケミカル日本(株)、固形分26.5%)
55.90部
・非中空粒子
(商品名:MR1−HG、綜研化学(株)、固形分100%)
1.58部
・純水 4.37部
・界面活性剤
(商品名:FolyFox PF−136A、オムノバ製、固形分30%)
0.79部
(比較例9)
断熱層の形成に断熱層用塗布液23を用いたこと以外は、実施例1と同様に熱転写受像シートを作製した。
「断熱層用塗布液23」
断熱層用塗布液23の組成は次の通りである。
・スチレン・ブタジエンゴム溶液
(商品名Nipol LX110、日本ゼオン(株))(固形分40.5%)
31.89部
・非中空粒子
(商品名:MR1−HG、綜研化学(株)、固形分100%)
17.84部
・純水 49.47部
・界面活性剤
(商品名:FolyFox PF−136A、オムノバ製、固形分30%)
0.79部
(比較例10)
断熱層の形成に断熱層用塗布液24を用いたこと以外は、実施例1と同様に熱転写受像シートを作製した。
「断熱層用塗布液24」
「断熱層用塗布液24の組成は次の通りである。
・スチレン・ブタジエンゴム溶液
(商品名Nipol LX110、日本ゼオン(株))(固形分40.5%)
31.89部
・中空粒子
(商品名:SN−1055、ダウケミカル日本(株)、固形分26.5%)
23.21部
・非中空粒子
(商品名:MR1−HG、綜研化学(株)、固形分100%)
11.69部
・純水 32.41部
・界面活性剤
(商品名:FolyFox PF−136A、オムノバ製、固形分30%)
0.79部
(比較例11)
断熱層の形成に断熱層用塗布液25を用いたこと以外は、実施例1と同様に熱転写受像シートを作製した。
「断熱層用塗布液25」
断熱層用塗布液25の組成は次の通りである。
・スチレン・ブタジエンゴム溶液
(商品名Nipol LX110、日本ゼオン(株))(固形分40.5%)
31.89部
・中空粒子
(商品名:SN−1055、ダウケミカル日本(株)、固形分26.5%)
26.69部
・非中空粒子
(商品名:MR1−HG、綜研化学(株)、固形分100%)
10.76部
・純水 29.86部
・界面活性剤
(商品名:FolyFox PF−136A、オムノバ製、固形分30%)
0.79部
(比較例12)
断熱層の形成に断熱層用塗布液26を用いたこと以外は、実施例1と同様に熱転写受像シートを作製した。
「断熱層用塗布液26」
断熱層用塗布液26の組成は次の通りである。
・スチレン・ブタジエンゴム溶液
(商品名Nipol LX110、日本ゼオン(株))(固形分40.5%)
31.89部
・中空粒子
(商品名:SN−1055、ダウケミカル日本(株)、固形分26.5%)
67.31部
・界面活性剤
(商品名:FolyFox PF−136A、オムノバ製、固形分30%)
0.79部
(比較例13)
断熱層の形成に断熱層用塗布液27を用いたこと以外は、実施例1と同様に熱転写受像シートを作製した。
「断熱層用塗布液27」
断熱層用塗布液27の組成は次の通りである。
・スチレン・ブタジエンゴム溶液
(商品名Nipol LX110、日本ゼオン(株))(固形分40.5%)
32.25部
・非中空粒子
(商品名:MR1−HG、綜研化学(株)、固形分100%)
17.74部
・純水 49.21部
・界面活性剤
(商品名:FolyFox PF−136A、オムノバ製、固形分30%)
0.79部
(比較例14)
断熱層の形成に断熱層用塗布液28を用いたこと以外は、実施例1と同様に熱転写受像シートを作製した。
「断熱層用塗布液28」
断熱層用塗布液28の組成は次の通りである。
・スチレン・ブタジエンゴム溶液
(商品名Nipol LX110、日本ゼオン(株))(固形分40.5%)
32.25部
・中空粒子
(商品名:SN−1055、ダウケミカル日本(株)、固形分26.5%)
18.60部
・非中空粒子
(商品名:MR1−HG、綜研化学(株)、固形分100%)
12.81部
・純水 35.54部
・界面活性剤
(商品名:FolyFox PF−136A、オムノバ製、固形分30%)
0.79部
(比較例15)
断熱層の形成に断熱層用塗布液29を用いたこと以外は、実施例1と同様に熱転写受像シートを作製した。
「断熱層用塗布液29」
断熱層用塗布液29の組成は次の通りである。
・スチレン・ブタジエンゴム溶液
(商品名Nipol LX110、日本ゼオン(株))(固形分40.5%)
32.25部
・中空粒子
(商品名:SN−1055、ダウケミカル日本(株)、固形分26.5%)
29.29部
・非中空粒子
(商品名:MR1−HG、綜研化学(株)、固形分100%)
9.98部
・純水 27.68部
・界面活性剤
(商品名:FolyFox PF−136A、オムノバ製、固形分30%)
0.79部
(比較例16)
断熱層の形成に断熱層用塗布液30を用いたこと以外は、実施例1と同様に熱転写受像シートを作製した。
「断熱層用塗布液30」
断熱層用塗布液30の組成は次の通りである。
・スチレン・ブタジエンゴム溶液
(商品名Nipol LX110、日本ゼオン(株))(固形分40.5%)
32.25部
・中空粒子
(商品名:SN−1055、ダウケミカル日本(株)、固形分26.5%)
66.96部
・界面活性剤
(商品名:FolyFox PF−136A、オムノバ製、固形分30%)
0.79部
<<感熱転写記録媒体>>
基材として、4.5μmの片面易接着処理付きポリエチレンテレフタレートフィルムを使用した。その基材の非易接着処理面に下記組成の耐熱滑性層用塗布液を、乾燥後の塗布量が1.0g/mとなるように塗布、乾燥し、耐熱滑性層付き基材を得た。次に、耐熱滑性層付き基材の易接着処理面に、下記組成の熱転写層用塗布液を、乾燥後の塗布量が1.0g/mとなるように塗布、乾燥して熱転写層を形成し、感熱転写記録媒体を得た。
<耐熱滑性層用塗布液>
耐熱滑性層用塗布液の組成は次の通りである。・シリコーン系アクリルグラフトポリマー 50.00部
(東亜合成(株)US−350)
・メチルエチルケトン 50.00部
<熱転写層用塗布液>
熱転写層用塗布液の組成は次の通りである。
・C.I.ソルベントブルー36 2.50部
・C.I.ソルベントブルー63 2.50部
・ポリビニルアセタール樹脂 5.0部
・トルエン 45.0部
・メチルエチルケトン 45.0部
<<画質評価>>
実施例1〜14、比較例1〜16の熱転写受像シートと、感熱転写記録媒体とを使用し、サーマルシミュレーターにて印画を行い、高階調濃度、にじみ、白抜けを評価した。印画は全て下記の条件で行っている。
・印画環境:23℃50%RH
・印加電圧:24V
・印画速度:10inch/sec
・印画密度:主走査300dpi 副走査300dpi
(高階調濃度評価)
実施例1〜14、比較例1〜16の熱転写受像シートに感熱転写記録媒体を使用し、サーマルシミュレーターにて印画を行い、印画物の高階調濃度を評価した。評価画像は、高階調のベタ画像を用いた。評価結果を表2示す。
なお、評価基準は以下の通りで、△以上が実用上問題ないレベルである。
○:高階調濃度が十分に高い
△:高階調濃度がやや不足している
×:高階調濃度が不足している
また、白抜けが発生すると濃度の評価ができなくなるため、白抜け評価が×の場合は評価不能とした。
(にじみ評価)
実施例1〜14、比較例1〜16の熱転写受像シートに感熱転写記録媒体を使用し、サーマルシミュレーターにて印画を行い、印画物のにじみを評価した。評価画像は、自然画(人物画像)を用いた。評価結果を表2示す。
なお、評価基準は以下の通りで、△以上が実用上問題ないレベルである。
○:にじみが、認められない
△:にじみが、ごく僅かに認められる
×:にじみが、全面で認められる
また、白抜けが発生すると評価ができなくなるため、白抜け評価が×の場合は評価不能とした。
(白抜け評価)
実施例1〜14、比較例1〜16の熱転写受像シートに感熱転写記録媒体を使用し、サーマルシミュレーターにて印画を行い、印画物の白抜けを評価した。評価画像は、中間の階調のベタ画像を用いた。評価結果を表2示す。
なお、評価基準は以下の通りで、△以上が実用上問題ないレベルである。
○:白抜けが、認められない
△:白抜けが、ごく僅かに認められる
×:白抜けが、全面で認められる
実施例1〜14、比較例1〜16について、熱転写受像シートの断熱層全体の空隙率、断熱層の中空粒子外空隙率、印画物の高階調濃度、にじみ、白抜けの評価結果を表2に示す。
Figure 2020203401
表2から、下記のような結果が確認された。
(a)断熱層の空隙率が44.0%以上であり、かつ中空粒子外空隙率が8.1%以上である実施例1〜14、比較例3〜5、12、16では白抜けが発生しないか、白抜けがごく僅かに認められるだけであった。
(b)断熱層の空隙率が44.0%以上であり、かつ中空粒子外空隙率が8.1%未満である比較例1、2では白抜けが全面で発生した。
このことから、断熱層の空隙率が44%以上において、白抜けを抑えるためには、中空粒子外空隙率を8.1%以上にする必要があることがわかった。ここで、断熱層の空隙率が44%以上において、中空粒子外空隙率が8.1%未満であるとクッション性が不足するとともに、中空粒子の配合比が多くなることで平滑性が悪化するために白抜けが発生すると考えられる。
また、表2から下記のような結果が確認された。
(c)断熱層の空隙率が44%以上であり、かつ中空粒子外空隙率が8.1%以上22.3%以下である実施例1〜14、比較例12、16では高階調濃度が十分高くなった。
(d)断熱層の空隙率が44%未満であり、かつ中空粒子外空隙率が8.1%以上22.3%以下である比較例6〜11、13〜15では高階調濃度が不足となった。
(e)断熱層の空隙率が44%以上であり、かつ中空粒子外空隙率が22.3%を超える比較例3、4、5では高階調濃度が不足となった。
このことから、十分な高階調濃度を得るためには、断熱層の空隙率が44%以上であり、かつ中空粒子外空隙率を8.1%以上22.3%以下にする必要があることがわかった。
断熱層の空隙率が44%未満であると空隙不足により断熱性が不足し、断熱層の空隙率が44%以上においても中空粒子外空隙率が22.3%を超えると断熱層上に塗布する受容層塗液が断熱層の空隙に入り込むことにより断熱性が低下することにより、高階調濃度が低下するものと考えられる。
なお、前述のように断熱層の空隙率が44%以上において中空粒子外空隙率が8.1%未満であると白抜けが発生するために高階調濃度の評価ができなかった。
また、表2から下記のような結果が確認された。
(f)断熱層の空隙率が61.3%以下であり、かつ中空粒子外空隙率が8.1%以上である実施例1〜14、比較例3〜11、13〜15ではにじみが発生しなかった。
(g)断熱層の空隙率が61.3%を超えて、かつ中空粒子外空隙率が8.1%以上である比較例14、16ではにじみが発生した。
このことから、にじみが発生しないようにするには断熱層の空隙率を61.3%以下にする必要があることがわかった。
断熱層の空隙率が61.3%を超えると断熱性が高くなり過ぎて低階調で過剰な発色が起こることによりにじみが発生してしまうものと考えられる。
なお、前述のように断熱層の空隙率が44%以上において中空粒子外空隙率が8.1%未満であると白抜けが発生するためににじみの評価ができなかった。
以上のことから、高階調濃度、にじみ、白抜けの性能を満足するためには、断熱層の空隙率が44%以上61.3%以下であり、かつ中空粒子外空隙率が8.1%以上22.3%以下である必要があることがわかった。
ここでは、限られた数の実施形態を参照しながら説明したが、権利範囲はそれらに限定されるものではなく、上記の開示に基づく各実施形態の改変は当業者にとって自明なことである。
本発明により得られる熱転写受像シートは、昇華転写方式のプリンタに使用することができ、プリンタの高速・高機能化と併せて、各種画像を簡便にフルカラー形成できる。このため、デジタルカメラのセルフプリント、身分証明書などのカード類、アミューズメント用出力物等に広く利用できる。
1:熱転写受像シート
10:基材シート
20:断熱層
30:下引き層
40:受容層
50:裏面層

Claims (3)

  1. 基材シートの一方の面側に、断熱層と受容層とがこの順で形成され、
    上記断熱層は、少なくともバインダ樹脂と中空粒子とを有する塗膜からなり、
    上記断熱層の空隙率が44.0%以上61.3%以下であり、
    上記断熱層の上記中空粒子による空隙を除いた空隙率が、8.1%以上22.3%以下であることを特徴とする熱転写受像シート。
  2. 上記断熱層が、中実の粒子を含むことを特徴とする請求項1に記載の熱転写受像シート。
  3. 上記断熱層が、フッ素系界面活性剤を含むことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の熱転写受像シート。
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