JP5915337B2 - 熱転写受像シートおよびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、熱転写受像シートおよびその製造方法に関し、より詳細には、基材と、基材上に、中空層と、受容層とをこの順に有してなる、熱転写受像シートおよびその製造方法に関する。
従来、種々の印字方法が知られているが、その中でも熱拡散型転写方式(昇華型熱転写方式)は、昇華性染料を色材としているため、濃度階調を自由に調節でき、中間色や階調の再現性にも優れ、銀塩写真に匹敵する高品質の画像を形成することができる。
この熱拡散型転写方式とは、色素(昇華性染料)を含有する熱転写インクシートと熱転写受像シートとを重ね合わせ、次いで、電気信号によって発熱が制御されるサーマルヘッドによってインクシートを加熱することでインクシート中の色素を受像シートに転写して画像情報の記録を行うものである。このような熱拡散型転写方式が普及するなかで、印画速度の高速化が進んでおり、従来の熱転写インクシートと熱転写受像シートを用いて従来の熱エネルギーを印画しても十分な発色濃度を得られない等の問題が生じている。
さらに、熱拡散型転写方式では、その他の種々の問題も存在している。例えば、受像シートの離型性不足に起因して、印画の際にインクシートが受像シートの受容層表面に貼り付き、印画後にインクシートを画像受容層から剥離する際に、剥離音の発生、走行不良、および画像上の剥離線の発生等の問題が生じている。
一般的に、離型性を向上させるためには、樹脂のガラス転移温度(Tg)を上げる等の方法が存在するが、併せて濃度および/または耐光性が低下するという問題が存在する。そこで、少なくとも1種のパラフィンワックス分散物および塩化ビニル系ラテックスを含有させた受容層を有する熱転写受像シートを用いることが提案されているが、高温多湿環境下での印画においては、剥離音が激しく、組成変更によっては剥離線が発生するなどの課題があった(例えば、特許文献1を参照)。
熱転写方式を含めたハードコピーにおいては、シャドー部の画像濃度をできるだけ高く、逆に、ハイライト部画像濃度を増大させるためには、少なくとも1種のパラフィンワックス分散物および塩化ビニル系ラテックスを含有させた受容層を有する熱転写受像シートを用いることが提案されているが(例えば、特許文献2を参照)、単に塩化ビニル系ラテックスにパラフィンワックスを添加しただけでは、ハイライト部の画像濃度も増加し、軟調な自然画を仕上げることはできなかった。
したがって、今尚、高温多湿環境下における印画時の離型性を改善し、作製した印画物のシャドー部の濃度を向上するとともに、ハイライト濃度を低減することで、広範囲の濃度領域における自然画を忠実に実現できる、熱転写受像シートの開発が切望されている。
特開2008−6789号公報 特開2011−073340号公報
本発明は上記の背景技術に鑑みてなされたものであり、その目的は、高温多湿環境下における印画時の離型性を改善し、作製した印画物のシャドー部の濃度を向上するとともに、ハイライト濃度を低減することで、広範囲の濃度領域における自然画を忠実に実現できる、熱転写受像シートおよびその製造方法を提供することにもある。
本発明者らは、上記課題を解決するため、鋭意検討した結果、特定の層構成を有する熱転写受像シートにおいて、受容層に、バインダー樹脂と、特定のワックス添加剤と、油溶性シリコーン離型剤とを含有させることで、上記課題を解決できることを知見した。本発明は、かかる知見に基づいて完成されたものである。
すなわち、本発明の一態様によれば、
基材と、該基材上に、中空層と、受容層とをこの順に有してなる、熱転写受像シートであって、
該受容層が、バインダー樹脂と、カルナバワックスとパラフィンワックスの混合物を含むワックス添加剤と、油溶性シリコーン離型剤とを含んでなる、熱転写受像シートが提供される。
本発明の態様においては、該カルナバワックスとパラフィンワックスの混合比が、1:0.5〜1:20であることが好ましい。
本発明の態様においては、カルナバワックスとパラフィンワックスの混合物が、50〜90℃の融点を有することが好ましい。
本発明の態様においては、該シリコーン離型剤が、粘度が100〜10000mm/sであり、かつエポキシ当量が50〜2000であるエポキシ変性シリコーンを含んでなることが好ましい。
本発明の態様においては、該バインダー樹脂が、塩化ビニル系樹脂、塩ビアクリル系樹脂、および塩酢ビ系樹脂からなる群から選択される少なくとも1種を含むことが好ましい。
本発明の態様においては、該バインダー樹脂が、60〜110℃のガラス転移温度を有することが好ましい。
本発明の態様においては、該基材の該受容層を有する面側を構成する全ての層が、水系塗布により形成されたものであることが好ましい。
本発明の別の態様によれば、基材と、該基材上に、中空層と、受容層とをこの順に有してなる、熱転写受像シートの製造方法であって、
バインダー樹脂と、カルナバワックスとパラフィンワックスの混合物を含むワックス添加剤と、油溶性シリコーン離型剤とを含んでなる水系分散塗布液を用いて、受容層を形成する工程
を含んでなる、熱転写受像シートの製造方法が提供される。
本発明の熱転写受像シートによれば、高温多湿環境下における印画時の離型性を改善し、作製した印画物のシャドー部の濃度を向上するとともに、ハイライト濃度を低減することで、広範囲の濃度領域における自然画を忠実に実現できる。
本発明による熱転写受像シートの一実施形態を示した模式断面図である。
熱転写受像シート
本発明の熱転写受像シートは、基材と、基材の一方の面に、基材上に、中空層と、受容層とをこの順に有してなるものである。好ましい態様では、熱転写受像シートは、基材と受容層の間に、中間層やプライマー層をさらに有してもよい。以下、本発明の熱転写受像シートの構成を、図面を参照しながら説明する。
本発明の一態様によれば、基材の一方の面上に、中空層と、プライマー層と、受容層とをこの順に有してなる、熱転写受像シートが提供される。具体的に、本発明による熱転写受像シートの一実施形態の模式断面図を図1に示す。図1に示される熱転写受像シート10は、基材11と、該基材11の一方の面に、中空層12と、プライマー層13と、受容層14とをこの順に有してなるものである。以下、本発明の熱転写受像シートを構成する各層について説明する。
基材
本発明における基材は、中空層と、受容層とを保持するという役割を有するとともに、熱転写時には熱が加えられるため、加熱された状態でも取り扱い上支障のない程度の機械的強度を有する材料であることが好ましい。
このような基材の材料としては、例えば、コンデンサーペーパー、グラシン紙、硫酸紙、またはサイズ度の高い紙、合成紙(ポリオレフィン系、ポリスチレン系)、上質紙、アート紙、コート紙、レジンコート紙、キャストコート紙、壁紙、裏打用紙、合成樹脂又はエマルジョン含浸紙、合成ゴムラテックス含浸紙、合成樹脂内添紙、板紙等、セルロース繊維紙、あるいはポリエステル、ポリアクリレート、ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリイミド、ポリエーテルイミド、セルロース誘導体、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリプロピレン、ポリスチレン、アクリル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ナイロン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、テトラフルオロエチレン、パーフルオロアルキルビニルエーテル、ポリビニルフルオライド、テトラフルオロエチレン・エチレン、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリビニリデンフルオライド等のフィルムが挙げられ、また、これらの合成樹脂に白色顔料や充填剤を加えて成膜した白色不透明フィルム、または多孔質フィルムも使用でき、特に限定されない。また、上記基材の任意の組み合わせによる積層体も使用できる。代表的な積層体の例として、セルロース繊維紙と合成紙或いはセルロース繊維紙とプラスチックフィルム或いはプラスチックフィルムと合成紙の組み合わせ等が挙げられる。更にセルロース繊維紙の表裏をポリエチレンやポリプロピレン樹脂で被覆したレジンコート紙(RCペーパー)を使用することができる。本発明においては、市販の基材を用いることもでき、例えば、三菱製紙(株)社製の写真用のRCペーパー等が好ましい。なお、基材厚みは、熱転写受像シートに要求される強度や耐熱性等や、基材として採用した素材の材質に応じて、適宜変更可能であり、具体的に、基材の厚みは、50μm〜1000μmの範囲内であることが好ましく、100μm〜300μmの範囲内であることがより好ましい。
中空層
本発明における中空層は、熱転写による画像形成時に加えられた熱が、基材等への伝熱によって損失されることを防止できる断熱性を有するものである。好ましい態様では、中空層は、中空粒子を含むものであり、親水性バインダーやその他の添加剤をさらに含んでもよい。好ましい態様によれば、中空層は2層以上からなるものであってもよい。中空層は、中空粒子を含むことにより、クッション性を備える。ここで、中空層のクッション性の程度は、熱転写受像シートの用途等に応じて適宜調整することができるものである。なお、中空層のクッション性の程度についても、例えば、中空層の厚みを変更することにより任意の範囲に調整することができる。中空層の厚みは、断熱性、クッション性等を所望の程度に調整できる範囲内であれば特に限定されるものではないが、10μm〜100μmの範囲内であることが好ましく、10μm〜50μmの範囲内であることがより好ましい。また、中空層の密度は、例えば0.1g/cm〜0.8g/cmの範囲内、なかでも0.2g/cm〜0.7g/cmの範囲内であることが好ましい。
本発明で用いる中空粒子の平均粒子径は、好ましくは0.1〜10μm、より好ましくは0.3〜5μmである。中空粒子の平均粒子径が、上記範囲程度であれば、断熱性およびクッション性を中空層に与えることができる。平均粒子径が小さすぎると、中空粒子の使用量が増えコストが高くなり、平均粒子径が大きすぎると、平滑な中空層を形成することが困難になるからである。また、中空粒子の平均中空率は、好ましくは20%以上、より好ましくは30〜80%である。中空粒子の平均中空率が、上記範囲程度であれば、断熱性およびクッション性を中空層に与えることができる。さらに、樹脂等から構成される有機系中空粒子であってもよく、ガラス等から構成される無機系中空粒子であってもよい。また、上記中空粒子は、架橋中空粒子であってもよい。本発明においては、市販の中空粒子を用いることもでき、例えば、ローペイクHP−1055、ローペイクHP−91、ローペイクOP−84J、ローペイクウルトラおよびローペイクSE(ロームアンドハース(株)製)、二ポールMH−5055(日本ゼオン(株))、SX8782、SX866(JSR(株))等が好ましい。
受容層
本発明における受容層は、熱転写による画像形成時に熱転写インクシートから転写される昇華性染料を受容するとともに、受容した昇華性染料を受容層に保持することで、受容層の面に画像を形成かつ維持することができる。受容層は、バインダー樹脂と、ワックス添加剤と、油溶性シリコーン離型剤とを含むものであり、ワックス添加剤をさらに含んでもよい。好ましい態様によれば、受容層は、離型剤や界面活性剤等を、各種目的に応じて含んでもよい。
受容層に含有されるバインダー樹脂としては、アクリル系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体(塩酢ビ系樹脂)、ポリ塩化ビニリデン等のハロゲン化ポリマー、ポリ酢酸ビニル・アクリル共重合体、ポリアクリル酸エステル等のビニルポリマー、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、エチレンやプロピレン等のオレフィンと他のビニルモノマーとの共重合体系樹脂、アイオノマー、セルロースジアセテート等のセルロース系樹脂、ポリカーボネート等、およびこれら樹脂の混合系が挙げられ、好ましくは塩ビ系樹脂であり、例えば、塩化ビニル系樹脂、塩ビアクリル系樹脂、および塩酢ビ系樹脂からなる群から選択される1種以上であり、特に好ましくは、塩酢ビ系樹脂、ポリエステル系樹脂である。本発明においては、市販の塩ビ系樹脂、ポリエステル系樹脂を用いる事ができる。市販の塩ビ系樹脂としては、例えば、日信化学(株)社製のビニブラン900、985、690、603、278が好ましい。市販のポリエステル系樹脂としては、例えば、互応化学社製プラスコートZ−690、Z−687、Z−561、Z−565、Z−570、Z−105、Z−735、Z−221、Z−446、Z−730、Z−880、Z-3310が好ましい。バインダー樹脂のガラス転移温度(Tg)としては、60〜110が好ましく、70〜90がより好ましく、75〜85がさらに好ましい。なお、Tgは、JIS K 7121に準拠して測定したものである。
受容層に含有されるワックス添加剤は、カルナバワックスとパラフィンワックスの混合物を含むものである。本発明において、カルナバワックスとは、天然のカルナバワックスならびにその精製物および誘導体を含み、添加剤等により改質されたものも含むものである。好ましい態様によれば、カルナバワックスの融点は80〜90℃であり、酸価は10mg・KOH/g以下であり、けん化価は78〜88mg・KOH/gである。また、パラフィンワックスとは、天然のパラフィンワックスならびにその精製物および誘導体を含み、添加剤等により改質されたものも含むものである。パラフィンワックスの融点は、好ましくは40〜105℃であり、より好ましくは40〜90℃であり、さらに好ましくは60〜90℃である。なお、融点は、JIS K 0064に準拠して測定したものである。 また、本発明のカルナバワックスとパラフィンワックスの混合物の融点は、これらの融点と配合分立から算出された値であり、好ましくは50〜90℃であり、より好ましくは60〜80℃であり、さらに好ましくは65〜75℃である。
ワックス添加剤としては、カルナバワックスおよびパラフィンワックスを乳化剤により乳化させたエマルジョン型のものを用いてもよく、乳化方法は公知の方法を用いることができる。本発明においては、ワックス添加剤として、カルナバワックスとパラフィンワックスの混合物を用いることで、各ワックスの単独使用における課題であった、受容層用塗布液の安定性低下が改善し、製造工程における生産性を向上することができる。カルナバワックスとパラフィンワックスの混合比は、好ましくは1:0.5〜1:20であり、より好ましくは1:1〜1:5である。混合比が上記範囲程度であれば、受容層用塗布液の安定性をより向上できる。また、受容層中のカルナバワックスとパラフィンワックスの合計含有量は、バインダー樹脂の固形分質量に対して、好ましくは1〜50質量%、より好ましくは1〜30質量%、さらに好ましくは5〜20質量%である。カルナバワックスおよびパラフィンワックスの合計含有量が上記範囲程度であれば、受容層用塗布液の安定性をより向上できる。本発明においては、市販のワックス添加剤を用いることもできる。また、ワックス添加剤は、カルナバワックスとパラフィンワックスを、それぞれ別々に乳化しても同時に乳化して調整しても良いが、ワックス添加剤液(エマルジョン)や受容層塗工液の機械安定性の観点からは、同時に乳化することが好ましい。なお、受容層用塗布液に添加する親水性バインダーの量が少なくなる程、受容層用塗布液の生産安定性や静置安定性等が低下する可能性があるが、この様な場合であっても上記のワックス添加剤を用いることで、受容層用塗布液の生産安定性や静置安定性等を改善することができる。
乳化剤
本発明においては、カルナバワックスおよびパラフィンワックスを、乳化剤、好ましくはノニオン性乳化剤により乳化することが好ましい。ノニオン性乳化剤としては、例えば、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンモノステアレート等のソルビタン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート等のポリオキシアルキレン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル等のポリオキシアルキレンエーテル類、ポリキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル等のポリオキシアルキレンアルキルアリルエーテル類、およびポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロック共重合体等が挙げられる。これらのノニオン性乳化剤は二種以上を組み合わせて用いても良い。ノニオン性乳化剤は、イオン性がないため、印画の際の熱転写シートと熱転写受像シートとの剥離において、離型性を悪化させる効果が小さいと考えられる。このため、一定期間保存後であっても、熱転写受像シートの離型性を維持することができる。
また、本発明においては、アニオン性乳化剤を用いることもできる。アニオン性乳化剤としては、例えば、アルキルカルボン酸塩、アルキル硫酸エステル塩、高級脂肪酸アミドスルホン酸塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、スルホコハク酸塩、N−アシルグルタミン酸塩、アルキルエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩、リン酸エステル塩、アルキルリン酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルリン酸エステル塩などのナトリウム塩、カリウム塩、トリエタノールアミン塩、アミノ酸系の塩等が挙げられる。これらのアニオン性乳化剤は二種以上を組み合わせて用いても良い。これらのアニオン性乳化剤は、極性基を有するためハイライトの濃度アップを抑制し、画像保存時の染料にじみを低減することができる。
これらのノニオン性乳化剤およびアニオン性乳化剤は、それぞれ単独でも使用しても良いし、適切な2種類以上の材料を適度な割合で混合使用することで、それぞれに優位な特性を生かしつつ、カルナバワックス、ポリエステルワックスの同時混合乳化物の液安定性、機械安定性、また、そのワックスを使用した熱転写受容層塗布液の液安定性、機械安定性に優れた塗布液を作製することもできる。
受容層に含有される油溶性シリコーン離型剤は、粘度が100〜10000mm/s、好ましくは300〜9000mm/s、より好ましくは500〜6000mm/s、さらに好ましくは、1000〜3000mm/sであり、かつエポキシ当量が50〜2000、好ましくは80〜1800、より好ましくは100〜1000であるエポキシ変性シリコーンを含むものである。なお、粘度は、JIS Z 8803:液体の粘度−測定方法の各種方法により測定することできる。また、エポキシ当量(g/eq)とは、官能基一個当たりのエポキシ架橋剤の分子量の値のことである。粘度が100〜10000mm/sであり、かつエポキシ当量が50〜2000であるエポキシ変性シリコーンを用いることで、印画時の離型性や印画物の耐熱・耐湿性を向上することができる。本発明においては、市販のエポキシ変性シリコーンを用いることもでき、例えば、X22−3000TおよびKF101(信越化学工業(株)製)等が挙げられる。このようなエポキシ変性シリコーンを用いることが、上記のバインダー樹脂との組み合わせの観点から好ましい。
本発明においては、上記のエポキシ変性シリコーンを1種で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。2種以上を混合する場合には、粘度やエポキシ当量等の各性質について、その平均値が上記範囲内であればよい。
他の好ましい態様によれば、シリコーン離型剤は、上記のエポキシ変性シリコーン以外のシリコーンオイルをさらに含んでもよい。シリコーンオイルとしては、例えば、アミノ変性シリコーン、アルコール変性シリコーン、ビニル変性シリコーン、ウレタン変性シリコーン、ポリエステル変性シリコーン、ポリエーテル変性シリコーン、ポリエステル変性シリコーン、アクリル変性シリコーン、アラルキル変性シリコーン、およびアミド変性シリコーン等が挙げられる。本発明においては、エポキシ変性シリコーンと、1種以上のその他のシリコーンオイルとを混合して用いてもよい。なお、エポキシ変性シリコーンとその他のシリコーンオイルの混合比を、好ましくは100:0〜40:60、より好ましくは90:10〜50:50、さらに好ましくは85:15〜60:40とするのがよい。このような混合したシリコーン離型剤を用いることで、各種環境下での印画時の離型性や印画物の耐熱・耐湿性を向上することができる。また、受容層中のシリコーン離型剤の混合比は、ワックス添加剤に対して0.1:1〜10:1、より好ましくは0.5:1〜2:1である。これによって離型性、ハイライトの濃度、及び高濃度部の濃度がさらに優れた受容層とすることができる。
その他の層
本発明の熱転写受像シートは、上記の層以外の他の層をさらに有してもよい。好ましい態様では、熱転写受像シートは、受容層側に、プライマー層、中間層、および離型層等のその他の層をさらに有することができる。
プライマー層
本発明におけるプライマー層は、中空層と受容層とを良好に接着する役割を有するとともに、高温高湿度環境下における、染料の中空層側への移行を防止して画像保存性を向上させる機能を有するものである。好ましい態様では、プライマー層は、中空粒子、樹脂、および親水性バインダーを含むものであり、樹脂としては、アクリル系樹脂を含むものが好ましい。プライマー層の厚みとしては特に限定されるものではないが、例えば1μm〜40μmであることが好ましく、1μm〜20μmがより好ましく、1μm〜10μmがさらに好ましい。
本発明において、アクリル系樹脂とは、アクリル酸またはメタクリル酸のモノマーの重合体もしくはその誘導体、アクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステルのモノマーの重合体もしくはその誘導体、アクリル酸またはメタクリル酸のモノマーと他のモノマーとの共重合体もしくはその誘導体、およびアクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステルのモノマーと他のモノマーとの共重合体もしくはその誘導体を含むものである。
本発明の好ましい態様によれば、アクリル系樹脂は、アクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステルのモノマーと他のモノマーとの共重合体もしくはその誘導体であるのが好ましい。アクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステルのモノマーとしては、例えば、アルキルアクリレートおよびアルキルメタクリレート等、好ましくは、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、ブチルアクリレート、ブチルメタクリレート、ラウリルアクリレート、およびラウリルメタクリレート等を挙げることができる。他のモノマーとしては、例えば、芳香族炭化水素、アリール基含有化合物、アミド基含有化合物、および塩化ビニル等、好ましくは、スチレン、ベンジルスチレン、フェノキシエチルメタクリレート、アクリルアミド、およびメタクリルアミド等を挙げることができる。本発明においては、アルキルアクリレートまたはアルキルメタクリレートと、芳香族炭化水素、アリール基含有化合物、およびアミド基含有化合物からなる群から選択される少なくとも1種の他のモノマーとの共重合体もしくはその誘導体を用いることが特に好ましい。上記のようなモノマーを共重合させることで、濃度および離型性を向上させることができる。なお、2種以上のアクリル系樹脂を混合して用いてもよい。
本発明の好ましい態様によれば、上記の中空層やプライマー層等に含まれる親水性バインダーとしては、ゼラチンおよびその誘導体、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオイキサイド、ポリビニルピロリドン、プルラン、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、デキストラン、デキストリン、ポリアクリル酸およびその塩、寒天、κ−カラギーナン、λ−カラギーナン、ι−カラギーナン、カゼイン、キサンテンガム、ローカストビーンガム、アルギン酸、ならびにアラビアゴムを挙げることができ、特にゼラチンが好ましい。このような親水性バインダーを用いることで、各層の層間接着性を向上させることができる。特に、水系塗布および同時重層塗布方式により各層を形成する場合には、ゼラチンを用いることで、各塗布液の粘度を所望の範囲に調整し、所望の膜厚を得ることができる。本発明においては、市販のゼラチンを用いることもでき、例えば、RR、R、CLV、およびG1236(新田ゼラチン(株)製)等が好ましい。
中間層
本発明においては、中空層とプライマー層の間やプライマー層と受容層の間に少なくとも1層の中間層を設けてもよい。中間層を設けることで、耐溶剤、高温/高湿下での画像保存時の染料拡散バリア、層間接着、白色付与、基材のギラつき感/ムラの隠蔽、および帯電防止等の機能を付加するこができる。中間層の形成手段としては公知の手段を用いることができ、例えば、中間層に、蛍光増白剤、無機微粒子、中空微粒子、および導電性フィラーやポリアニリンスルホン酸のような有機導電材等を添加する方法が挙げられる。
離型層
本発明においては、上記の離型剤を受容層に添加せず、受容層上に別途離型層として設けても良い。
裏面層
本発明における裏面層は、インクジェット方式やドットインパクト方式、筆記具等で使用するインキの定着性を有しており、記録部のにじみが生じ難く速乾性に優れたバックプリントを可能とする(バックプリント適性を向上させる)ものである。さらに、以下に示す受像紙裏面としての基本特性を有するものでもある。
1.受容層面と重ね合わせた際に、温度や加重をかけて保存しても貼り付き(ブロッキング)を生じない。
2.誤って受像紙の表裏面を逆にしてプリンターに装着し、熱転写シートと重ね合わせて熱転写を行った場合であっても、熱転写シートと貼り付いてプリンター内で詰まる事が無く、印字物が排出される(裏面離型性を有している)。
3.受容層面と擦れても受容層面を傷付けず、また、裏面層からの粒子成分の脱落(粉落ち)を生じない。
また、裏面層は、バインダー樹脂および無機微粒子を含むことが好ましく、その他の添加剤、例えば、消泡剤や帯電防止剤等を裏面層に適宜添加することができる。近年では環境配慮の観点から水系塗布方式が好まれているが、本発明の裏面層は、 水系塗布方式で受容層を形成した受像紙の裏面として特に好適に用いることができる。
裏面層に含有されるバインダー樹脂は、スチレン・アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、およびアクリル樹脂からなる群から選択される少なくとも1種である。このようなバインダー樹脂を用いることで、基材への接着性が良好であり、かつ、良好なバックプリント適性を持たせることが可能になる。本発明においては、市販のバインダー樹脂を用いることもでき、バイナロールMD1500(東洋紡績(株)製)、プラスコートZ690(以上、互応化学工業(株)製)、スーパーフレックス130(第一工業製薬(株)製)等が好ましい。
裏面層に含有される無機微粒子は、コロイダルアルミナ、コロイダルシリカ、およびシリカ粒子からなる群から選択される少なくとも1種である。このような無機微粒子を用いることで、バックプリント適性を向上させ、ブロッキングを防止することができる。
本発明において、裏面層の塗布量は特に限定されるものではないが、塗布量は乾燥後0.1g/m〜3.0g/mの範囲内であることが好ましく、0.3g/m〜1.5g/mの範囲内であることがより好ましい。塗布量が上記範囲程度であれば、十分なバックプリント適性が得られる。
熱転写受像シートの製造方法
本発明の熱転写受像シートの製造方法は、基材と、該基材上に、中空層と、受容層とをこの順に有してなる、熱転写受像シートの製造方法であって、バインダー樹脂と、カルナバワックスとパラフィンワックスの混合物を含むワックス添加剤と、油溶性シリコーン離型剤とを含んでなる水系分散塗布液を用いて、受容層を形成する工程を含んでなるものである。本発明においては、受容層を有する面側を構成する全ての層を、水系塗布により、好ましくは水系塗布かつ同時重層塗布方式により形成することが好ましい。熱転写受像シートの各層の塗布には、ロールコート、バーコート、グラビアコート、グラビアリバースコート、ダイコート、スライドコート、およびカーテンコート等の公知の方法を用いることができ、受容層を有する面側においてはスライドコートやカーテンコート等の複数の層を同時重層塗布できる方法が好ましい。このような製造方法により、熱転写受像シートの各層の層間接着性の向上やコスト改善等の効果が得られる。
水系分散塗布液
本発明において受容層の形成に用いる水系分散塗布液は、バインダー樹脂と、ワックス添加剤と、油溶性シリコーン離型剤とを公知の方法により、水中に分散(乳化)させて得ることができる。例えば、水系分散塗布液は、水系分散液の状態のワックス添加剤と、他の水系分散液とを混合して調製できる。水系分散液は、まず、水系溶液と溶剤系溶液を別々に調製する。水系溶液は、上記の乳化剤と水とを混合して得られる。一方、溶剤系溶液は、上記のカルナバワックスおよびパラフィンワックスと、公知の有機溶媒(溶剤)とを混合して得られる。また、溶剤系溶液はカルナバワックスおよびパラフィンワックスを加熱溶融させることによっても得ることができる。ワックス添加剤を調整する際に有機溶剤を字除去する必要がないという点では、カルナバワックスおよびパラフィンワックスを加熱溶融させて有機系溶液とすることが好ましい。より低温で有機系溶液を調整できるという点では、(少量の)有機溶媒を用いることが好ましい。この水系溶液および溶剤系溶液を、混合・撹拌した後、ホモジナイザーを用いて分散を行い、分散体を調製する。その後、分散体を30〜60℃に加温しながら減圧下で脱溶剤し、脱溶剤分の体積変化を純水の追添加により補正し、固形分を調製することで、水系分散液が得られる。
なお、本発明において、「水系溶液」とは、水を媒体とする溶液であり、「溶剤系溶液」とは、有機溶媒を媒体とする溶液である。溶剤系溶液の調製に用いる有機溶媒としては、染料を溶解させるものであれば良く、酢酸エチル、トルエンやベンゼン等の芳香族炭化水素系溶媒、アセトンやメチルエチルケトン等のケトン系溶媒、およびそれらの混合物からなる群から選択されるものが挙げられる。このような有機溶媒を用いることで、分散性を上げ、また水との適度な分散状態を維持する事ができる。これによって受容層用の水系分散塗布液を得ることができる。本発明においては、分散後、または分散と同時に、加熱および/または減圧などの手段によって有機溶剤を除去する工程を入れても良い。
熱転写インクシート
本発明の熱転写受像シートと共に用いる熱転写インクシートは、基材シートの一方の面に熱転写性色材層が設けられており、基材シートの他方の面に耐熱滑性層が設けられている層構成を有するものがよい。以下、熱転写インクシートを構成する各層について説明する。
基材シート
本発明に用いられる熱転写インクシートを構成する基材シートの材料は、従来公知のものを使用することができ、また、それ以外のものであっても、ある程度の耐熱性と強度とを有していれば使用することができる。例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリイミド、ナイロン、酢酸セルロース、アイオノマー等の樹脂フィルム、コンデンサー紙、パラフィン紙等の紙類、不織布等が挙げられる。これらを単独で使用してもよいし、これらを任意に組み合わせた積層体を使用してもよい。これらの中でも、薄膜化可能で安価な汎用性プラスチックであるポリエチレンテレフタレートが好ましい。
基材シートの厚さは、強度、耐熱性等が適切になるように材料に応じて適宜選択することができるが、通常は0.5〜50μm程度が好ましく、より好ましくは1〜20μm、さらに好ましくは1〜10μmである。
基材シートは、隣接する層との接着性を向上させるため、表面処理が施されていてもよい。上記表面処理としては、コロナ放電処理、火炎処理、オゾン処理、紫外線処理、放射線処理、粗面化処理、化学薬品処理、プラズマ処理、およびグラフト化処理等の、公知の樹脂表面改質技術を適用することができる。上記表面処理は、1種のみ施されてもよいし、2種以上施されてもよい。
さらに、上記基材シートの接着処理として、基材シート上に接着層を塗工して形成することも可能である。接着層は、例えば、以下の有機材料および無機材料から形成することができる。上記有機材料としては、ポリエステル系樹脂、ポリアクリル酸エステル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、スチレンアクリレート系樹脂、ポリアクリルアミド系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂やポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルピロリドンおよびその変性体等のビニル系樹脂、ならびにポリビニルアセトアセタールやポリビニルブチラール等のポリビニルアセタール系樹脂等が挙げられる。上記無機材料としては、シリカ(コロイダルシリカ)、アルミナあるいはアルミナ水和物(アルミナゾル、コロイダルアルミナ、カチオン性アルミニウム酸化物またはその水和物、疑ベークマイト等)、珪酸アルミニウム、珪酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、および酸化チタン等のコロイド状無機顔料超微粒子等が挙げられる。
また、上記の表面処理として、プラスチックフィルムを延伸処理して製造する場合、未延伸フィルムにプライマー液を塗布し、その後に延伸処理して行うこともできる(プライマー処理)。
熱転写性色材層
本発明に用いられる熱転写インクシートは、基材シートの一方の面に熱転写性色材層が設けられている。熱転写インクシートが昇華型熱転写インクシートの場合には、熱転写性色材層として昇華性染料を含有する層を形成し、熱溶融型熱転写インクシートの場合には、着色剤を含む熱溶融組成物からなる熱溶融性のインクを含有する層を形成する。なお、昇華性染料を含有する層領域と、着色剤を含む熱溶融組成物からなる熱溶融性のインクを含有する層領域と、を連続した1枚の基材シート上に面順次に設けてもよい。
熱転写性色材層の材料は、従来公知の染料を使用することができるが、印画材料として良好な特性を有するもの、例えば、十分な着色濃度を有し、光、熱、温度等により変褪色しないものが好ましい。例えば、赤色染料としては、MS Red G(三井東圧化学社製)、Macrolex Red Violet R(バイエル社製)、CeresRed 7B(バイエル社製)、Samaron Red F3BS(三菱化学社製)等が、黄色染料としては、ホロンブリリアントイエロー6GL(クラリアント社製)、PTY−52(三菱化成社製)、マクロレックスイエロー6G(バイエル社製)等が、青色染料としては、カヤセットブルー714(日本化薬社製)、ワクソリンブルーAP−FW(ICI社製)、ホロンブリリアントブルーS−R(サンド社製)、MSブルー100(三井東圧化学社製)等が挙げられる。
上記染料を担持するためのバインダー樹脂としては、例えば、エチルセルロース樹脂、ヒドロキシエチルセルロース樹脂、エチルヒドロキシセルロース樹脂、メチルセルロース樹脂、酢酸セルロース樹脂等のセルロース系樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルピロリドン等のビニル系樹脂、ポリ(メタ)アクリレート、ポリ(メタ)アクリルアミド等のアクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリアミド系樹脂、およびポリエステル系樹脂等が挙げられる。これらの中でも、セルロース系、ビニル系、アクリル系、ポリウレタン系、ポリエステル系等の樹脂が耐熱性、染料の移行性等の点から好ましい。
熱転写性色材層の形成方法としては、例えば、以下の方法が挙げられる。上記染料およびバインダー樹脂に、必要に応じて離型剤等の添加剤を加え、トルエン、メチルエチルケトン等の適当な有機溶剤に溶解させ、あるいは、水に分散させ、得られた熱転写性色材層用塗布液(溶解液または分散液)を、例えば、グラビア印刷法、グラビア版を用いたリバースロールコーティング法、ロールコーター、バーコーター等の形成手段により、基材シートの一方の面に塗布し、乾燥させることにより形成することができる。熱転写性色材層は、厚みが0.2〜5.0μm程度であり、また、熱転写性色材層中の昇華性染料の含有量は、5〜90質量%、好ましくは5〜70質量%であることが好ましい。
保護層
本発明に用いられる熱転写インクシートは、熱転写性色材層と同一面側に面順次で保護層を設けてもよい。熱転写受像シートに色材を転写した後、この保護層を転写して画像を被覆することにより、画像を光、ガス、液体、擦過等から保護することができる。保護層として接着層、剥離層、離型層、または、下引き層等のその他の層を設けてなるものであってもよい。
耐熱滑性層
耐熱滑性層は、主に耐熱性樹脂からなるものである。耐熱性樹脂としては、特に限定されず、例えば、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルアセトアセタール樹脂、ポリエステル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリブタジエン樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体樹脂、アクリルポリオール、ポリウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート、ポリエーテルアクリレート、エポキシアクリレート、ウレタンまたはエポキシのプレポリマー、ニトロセルロース樹脂、セルロースナイトレート樹脂、セルロースアセテートプロピオネート樹脂、セルロースアセテートブチレート樹脂、セルロースアセテート−ヒドロジエンフタレート樹脂、酢酸セルロース樹脂、芳香族ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、および塩素化ポリオレフィン樹脂等が挙げられる。
耐熱滑性層は、上記耐熱性樹脂に加え、滑り性付与剤、架橋剤、離型剤、有機粉末、無機粉末等の添加剤を配合してなるものであってもよい。
耐熱滑性層は、一般に、上述の耐熱性樹脂、並びに、所望により添加する上記滑り性付与剤および添加剤を溶剤中に加えて、各成分を溶解または分散させて耐熱滑性層塗布液を調製した後、該耐熱滑性層塗布液を基材の上に塗工し、乾燥させて形成することができる。上記耐熱滑性層塗布液における溶剤としては、上述の染料インキにおける溶剤と同様のものを使用することができる。
耐熱滑性層塗布液の塗工法としては、例えば、ワイヤーバーコーティング、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、グラビア版を用いたリバースロールコーティング法等が挙げられるが、なかでもグラビアコーティングが好ましい。耐熱滑性層塗布液は、乾燥塗布量が好ましくは0.1〜3g/m、より好ましくは1.5g/m以下となるよう塗布すればよい。
画像形成方法
本発明の熱転写受像シートを用いる画像形成方法においては、熱転写受像シートと、熱拡散性色素を含有する熱転写インクシートとを重ね合わせて、記録信号に応じて加熱することにより、該熱転写インクシートが含有する熱拡散性色素を、該熱転写受像シートに転写することにより画像形成することできる。
このような画像形成方法で用いることのできる熱転写記録装置としては、公知のものを用いることができ、特に限定されない。本発明においては、市販の熱転写記録装置を用いることができ、例えば、昇華型熱転写プリンター(ALTECH ADS社製、型式:MEGAPIXELIII)が挙げられる。
以下に、実施例と比較例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定解釈されるものではない。なお、表記の質量部は固形分で記載し、必要に応じて純水にて希釈した。
実施例1
熱転写受像シート1の作製
基材としてRCペーパー(三菱製紙(株)製)を用い、下記組成の中空層A用塗布液1、中空層B用塗布液1、プライマー層用塗布液1、および受容層用塗布液1を40℃にそれぞれ加熱し、スライドコーティングを用いて、乾燥後の塗布量がそれぞれ2.0g/m、3.0g/m、3.0g/m、3.0g/mとなるように同時重層塗布し、5℃にて30秒間冷却した後、50℃にて2分間乾燥し、熱転写受像シート1(層構成:裏面層/基材/中空層A/中空層B/プライマー層/受容層)を得た。なお、塗布速度は、毎分20mであった。この熱転写受像シートは、図1に示されるような層構成を有していた。
中空層A用塗布液1(下層用)の組成
・中空粒子(体積平均粒径:0.5μm、平均中空率:45%、ロームアンドハース(株)製、商品名:ローペイクST) 55質量部
・ゼラチン(新田ゼラチン(株)製、商品名:G1236) 26質量部
・バインダー樹脂(スチレン・アクリル樹脂、新中村化学工業(株)製、商品名:ニューコートB−13) 8質量部
・バインダー樹脂(スチレン・アクリル樹脂、BASFジャパン(株)製、商品名:ジョンクリル62J) 8質量部
中空層B用塗布液1(上層用)の組成
・中空粒子(体積平均粒径:0.5μm、平均中空率:45%、ロームアンドハース(株)製、商品名:ローペイクST) 59質量部
・ゼラチン(新田ゼラチン(株)製、商品名:G1236) 28質量部
・バインダー樹脂(スチレン・アクリル樹脂、新中村化学工業(株)製、商品名:ニューコートB−13) 5質量部
・バインダー樹脂(スチレン・アクリル樹脂、BASFジャパン(株)製、商品名:ジョンクリル62J) 8質量部
プライマー層用塗布液1の組成
・中空粒子(架橋中空粒子、体積平均粒径:0.4μm、平均中空率:39%、ロームアンドハース(株)製、商品名:OA−39) 70質量部
・ゼラチン(新田ゼラチン(株)製、商品名:G1236) 16質量部
・蛍光増白剤(昭和化学工業(株)製、商品名:WN−1) 4質量部
・バインダー樹脂(スチレン・アクリル樹脂、新中村化学工業(株)製、商品名:ニューコートB−13) 2質量部
・バインダー樹脂(スチレン・アクリル樹脂、BASFジャパン(株)製、商品名:ジョンクリル62J) 2質量部
受容層用塗布液1の組成
・バインダー樹脂1 100質量部
・ウレタン会合型増粘剤(粘度:2000、粘度比:3.0ADEKA(株)製、商品名:UH−526) 3.8質量部
・ワックス添加剤1(水系分散液、カルナバワックスとパラフィンワックスの1:9混合物) 10質量部
・離型剤(シリコーン分散液1) 10質量部
・エポキシ架橋剤(ナガセケムテックス(株)製、商品名:デナコールEX512)
5質量部
・界面活性剤(ジオクチルスルホコハク酸、第一工業製薬(株)製) 2.5質量部
バインダー樹脂1の調製
受容層用塗布液1で用いたバインダー樹脂1は、以下のように調製した。2.5Lオートクレーブ中に脱イオン水600g、塩化ビニル単量体438.8g(全仕込み単量体に対して97.5質量%)、過硫酸カリウム2.25gを仕込んだ。この反応混合物を撹拌翼で回転数120rpmを維持するように撹拌し、反応混合物の温度を60℃に上げて重合を開始した。グリシジルメタクリレート11.2g(全仕込み単量体に対して2.5質量%)を、重合開始〜4hr後まで2.8g/hrで連続添加し、重合圧が60℃における塩化ビニル単量体の飽和蒸気圧から0.6MPa降下した時に重合を停止して、塩化ビニル系樹脂ラテックスを得た。
シリコーン分散液1の調製
受容層用塗布液1で用いたシリコーン分散液1は、以下のように分散させて、水系分散液を調製した。まず、下記の組成となるように、水系溶液1および溶剤系溶液1を調製した。この水系溶液1と溶剤系溶液1とを、混合・撹拌した後、ホモジナイザーを用いて分散を行い、分散体を調製した。その後、分散体を30〜60℃に加温しながら減圧下で脱溶剤し、脱溶剤分の体積変化を純水の追添加により補正し、固形分が17%になるように調製して、水系分散液を得た。
水系溶液1の組成
・トリイソプロピルナフタレンスルフォン酸Na塩(アニオン性乳化剤、固形分10%)
10質量部
・純水 56質量部
溶剤系溶液1の組成
・シリコーン(信越化学工業(株)製、商品名:X−22−3000T) 11質量部
・シリコーン(信越化学工業(株)製、商品名:KF−410) 6質量部
・酢酸エチル 17質量部
ワックス添加剤1の調製
受容層用塗布液1で用いたワックス添加剤1は、以下のように分散させて、水系分散液を調製した。まず、下記の組成となるように、水系溶液2を調製した。この水系溶液2(80質量部)と、加温によって溶融させた以下のワックス1(30質量部)とを、混合・撹拌した後、ホモジナイザーを用いて分散を行い、分散体を調製した。その後、分散体を30〜60℃に加温しながら固形分が17%になるように調製して、ワックス添加剤1の水系分散液を得た。
水系溶液2の組成
・トリイソプロピルナフタレンスルフォン酸Na塩(アニオン性乳化剤、固形分10%)
10質量部
・純水 70質量部
ワックス1の組成
・カルナバワックス(カルナバ1号、(株)加藤洋行製、融点83℃) 3質量部
・パラフィンワックス(Paraffin Wax−155、日本精鑞(株)製、融点69℃) 27質量部
実施例2
熱転写受像シート2の作製
受容層用塗布液のワックス添加剤として、ワックス添加剤2を使用して受容層用塗布液2を調製した以外は、実施例1と同様にして熱転写受像シート2を得た。
ワックス添加剤2の調製
ワックスとして以下のワックス2を使用した以外は、ワックス添加剤1と同様にしてワックス添加剤2の水系分散液を得た。
ワックス2の組成
・カルナバワックス(カルナバ1号、(株)加藤洋行製、融点83℃) 10質量部
・パラフィンワックス(Paraffin Wax−155、日本精鑞(株)製、融点69℃) 20質量部
実施例3
熱転写受像シート3の作製
受容層用塗布液のワックス添加剤として、ワックス添加剤3を使用して受容層用塗布液3を調製した以外は、実施例1と同様にして熱転写受像シート3を得た。
ワックス添加剤3の調製
ワックスとして以下のワックス3を使用した以外は、ワックス添加剤1と同様にしてワックス添加剤3の水系分散液を得た。
ワックス3の組成
・カルナバワックス(カルナバ1号、(株)加藤洋行製、融点83℃) 15質量部
・パラフィンワックス(Paraffin Wax−155、日本精鑞(株)製、融点69℃) 15質量部
実施例4
熱転写受像シート4の作製
受容層用塗布液のワックス添加剤として、ワックス添加剤4を使用して受容層用塗布液4を調製した以外は、実施例1と同様にして熱転写受像シート4を得た。
ワックス添加剤4の調製
ワックスとして以下のワックス4を使用した以外は、ワックス添加剤1と同様にしてワックス添加剤4の水系分散液を得た。
ワックス4の組成
・カルナバワックス(カルナバ1号、(株)加藤洋行製、融点83℃) 20質量部
・パラフィンワックス(Paraffin Wax−155、日本精鑞(株)製、融点69℃) 10質量部
実施例5
熱転写受像シート5の作製
受容層用塗布液のワックス添加剤として、ワックス添加剤5を使用して受容層用塗布液5を調製した以外は、実施例1と同様にして熱転写受像シート5を得た。
ワックス添加剤5の調製
水系溶液として以下の水系溶液3を、ワックスとして以下のワックス5を使用した以外は、ワックス添加剤1と同様にしてワックス添加剤5の水系分散液を得た。
水系溶液3の組成
・トリイソプロピルナフタレンスルフォン酸Na塩(アニオン性乳化剤、固形分10%)
5質量部
・ポリオキシアルキレン分岐デシルエーテル(ノニオン性乳化剤、第一工業製薬(株)製、商品名:ノイゲン XL−140) 5質量部
・純水 70質量部
ワックス5の組成
・カルナバワックス(カルナバ1号、(株)加藤洋行製、融点83℃) 2質量部
・パラフィンワックス(Paraffin Wax−155、日本精鑞(株)製、融点69℃) 28質量部
比較例1
熱転写受像シート6の作製
受容層用塗布液のワックス添加剤として、ワックス添加剤6を使用して受容層用塗布液6を調製した以外は、実施例1と同様にして熱転写受像シート6を得た。
ワックス添加剤6の調製
ワックスとしてパラフィンワックス(Paraffin Wax−155、日本精鑞(株)製、融点69℃)を使用した以外は、ワックス添加剤1と同様にしてワックス添加剤4の水系分散液を得た。
比較例2
熱転写受像シート7の作製
受容層用塗布液のワックス添加剤として、ワックス添加剤7を使用して受容層用塗布液7を調製した以外は、実施例1と同様にして熱転写受像シート7を得た。
ワックス添加剤7の調製
ワックスとしてカルナバワックス(カルナバ1号、東洋アドレ(株)製、融点83℃)を使用した以外は、ワックス添加剤1と同様にしてワックス添加剤7の水系分散液を得た。
比較例3
熱転写受像シート8の作製
受容層用塗布液の組成を下記のとおりにした以外は、実施例1と同様にして熱転写受像シート8を作製した。
受容層用塗布液8の組成
・バインダー樹脂(塩酢ビ系樹脂ラテックス、塩ビ/酢ビ=97.5/2.5):固形分36%)
100質量部
・油溶性シリコーン離型剤(信越化学工業(株)製、商品名:X−22−3000T)
10質量部
・界面活性剤(ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム水溶液:固形分20%)
2.5質量部
比較例4
熱転写受像シート9の作製
受容層用塗布液の組成を下記のとおりにした以外は、実施例1と同様にして熱転写受像シート9を作製した。
受容層用塗布液9の組成
・バインダー樹脂(塩酢ビ系樹脂ラテックス、塩ビ/酢ビ=97.5/2.5):固形分36%)
100質量部
・ワックス添加剤2 12質量部
・界面活性剤(ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム水溶液:固形分20%)
2.5質量部
比較例5
熱転写受像シート10の作製
受容層用塗布液の組成を下記のとおりにした以外は、実施例1と同様にして熱転写受像シート10を作製した。
受容層用塗布液10の組成
・バインダー樹脂(塩酢ビ系樹脂ラテックス、塩ビ/酢ビ=97.5/2.5):固形分36%)
100質量部
・水性シリコーン離型剤(中京油脂(株)製、商品名:X−22−6696B)
10質量部
・界面活性剤(ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム水溶液:固形分20%)
2.5質量部
比較例6
熱転写受像シート11の作製
受容層用塗布液の組成を下記のとおりにした以外は、実施例1と同様にして熱転写受像シート11を作製した。
受容層用塗布液11の組成
・バインダー樹脂(塩酢ビ系樹脂ラテックス、塩ビ/酢ビ=97.5/2.5):固形分36%)
100質量部
・ワックス添加剤8(マイクロクリスタリンワックス、中京油脂(株)製、商品名:セロゾールM) 12質量部
・界面活性剤(ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム水溶液:固形分20%)
2.5質量部
熱転写受像シートの評価
上記で作製した熱転写受像シート1〜11について、(1)画像濃度評価、(2)離型性評価、(3)液安定性評価、および(4)機械安定性評価を行った。
(1)画像濃度評価
上記で作製した熱転写受像シートに、昇華型熱転写プリンター(ALTECH ADS社製、型式:MEGAPIXELIII)と、インクリボン(メガピクセルIII用、アルテックエーディーエス(株)純正品)とを使用して、RGB値が15×n(n=0〜17)の18階調グラデーション画像を印画し、光学濃度計(グレタグマクベス社製spectrolino)(Ansi−A、D65))による光学反射濃度が最大となる値を測定し、ブラックのOD値(光学的濃度)を示した(max)。また、低濃度部グレー(n=0)のOD値(OD)と第2ステップ(n=1)のOD値(OD)との差(ΔOD2−1)からハイライト特性を評価した(HL)。
評価基準(max)
3:OD値が1.85以上1.90未満であった。
2:OD値が1.80以上1.85未満であった。
1:OD値が1.80未満であった。
評価基準(HL)
3:ΔOD2−1が0.02未満であった。
2:ΔOD2−1が0.02以上0.03未満であった。
1:ΔOD2−1が0.03以上であった。
(2)離型性評価
上記で作製した熱転写受像シートに、昇華型熱転写プリンター(ALTECH ADS(株)製、型式:MEGAPIXELIII)およびインクリボン(メガピクセルIII用、アルテックエーディーエス(株)純正品)を用いて、黒ベタ画像を印画して、その際に発生する剥離音を官能評価した。また、同様に、高温高湿環境下40℃85%RH)に結露なきよう3時間放置後、その環境下において黒ベタ画像を印画して、その際に発生する剥離音を官能評価した。
評価基準
3:3色目印画時にほんのわずかに剥離音が聞こえたが、実用上問題ない程度であった。
2:3色目印画時に大きな剥離音が聞こえ、実用上やや問題があった。
1:印画できなかった。
(3)液安定性評価
上記の実施例および比較例で用いた受容層用塗布液1〜10について、一定期間保存後の安定性を目視外観にて評価した。
(i)安定性評価の条件
・保存期間:1日
・保存温度:40℃
・保存状態:静置。
(ii)安定性評価の条件
2:塗布液の粘度が変化しなかった。
1:塗布液の粘度が変化した。
(4)機械安定性評価
上記の実施例および比較例で用いた受容層用塗布液1〜10について、分散機(高速・乳化分散機、T.K.ホモミクサーMARKII 2.5型(primix(株)製))にて、6000rpmで3分間せん断をかけて、機械安定性を目視外観にて評価した。
評価基準
2:塗布液の状態に変化がなかった。
1:塗布液が一部ゲル化した。
(5)耐湿・耐熱性評価
上記で作製した熱転写受像シートに、昇華型熱転写プリンター(ALTECH ADS社製、型式:MEGAPIXELIII)を用いて、0.5mm巾の直線画像(黒色)を印画し、印画物を60℃Freeおよび40℃90%環境に一週間保存したものの、画像にじみを目視にて官能評価した。
評価基準
3:にじんでいなかった。
2:はっきりと線がにじんでいた。
1:線が完全ににじみ、元が線だと確認できなかった。
上記の各評価の結果を表1に示す。各評価結果は、数値が大きいほど良好であることを示す。本発明の組成を満たす実施例1〜3の熱転写受像シートは、比較例1〜6の熱転写受像シートと比較して、高温多湿環境下における印画時の離型性を改善し、作製した印画物のシャドー部の濃度を向上するとともに、ハイライト濃度を低減することで、広範囲の濃度領域における自然画を忠実に実現できることがわかる。
Figure 0005915337
10 熱転写受像シート
11 基材
12 中空層
13 プライマー層
14 受容層

Claims (8)

  1. 基材と、前記基材上に、中空層と、受容層とをこの順に有してなる、熱転写受像シートであって、
    前記受容層が、バインダー樹脂と、カルナバワックスとパラフィンワックスの混合物を含むワックス添加剤と、油溶性シリコーン離型剤とを含んでなる、熱転写受像シート。
  2. 前記カルナバワックスとパラフィンワックスの混合比が、1:0.5〜1:20である、請求項1に記載の熱転写受像シート。
  3. 前記カルナバワックスとパラフィンワックスの混合物が、50〜90℃の融点を有する、請求項1または2に記載の熱転写受像シート。
  4. 前記シリコーン離型剤が、粘度が100〜10000mm/sであり、かつエポキシ当量が50〜2000であるエポキシ変性シリコーンを含んでなる、請求項1〜3のいずれか一項に記載の熱転写受像シート。
  5. 前記バインダー樹脂が、塩化ビニル系樹脂、塩ビアクリル系樹脂、および塩酢ビ系樹脂からなる群から選択される少なくとも1種を含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の熱転写受像シート。
  6. 前記バインダー樹脂が、60〜110℃のガラス転移温度を有する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の熱転写受像シート。
  7. 前記基材の前記受容層を有する面側を構成する全ての層が、水系塗布層である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の熱転写受像シート。
  8. 基材と、前記基材上に、中空層と、受容層とをこの順に有してなる、熱転写受像シートの製造方法であって、
    バインダー樹脂と、カルナバワックスとパラフィンワックスの混合物を含むワックス添加剤と、油溶性シリコーン離型剤とを含んでなる水系分散塗布液を用いて、受容層を形成する工程
    を含んでなる、熱転写受像シートの製造方法。
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