JP2009083151A - 感熱転写受像シートおよびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】画像出力後の印画抜けが少なく、高濃度でさらに経時画像滲みの少ない感熱転写受像シートおよびその製造方法を提供する。
【解決手段】支持体上に、少なくとも1層の断熱層及び少なくとも1層受容層を有し、該断熱層から該受容層間を構成する全ての層が水系塗布方式により形成される熱転写受像シートの製造方法であって、該断熱層から該受容層の全ての塗工液において、1回の塗工液中に少なくとも1種の有機溶剤を含有し、該1回の全塗工液中の有機溶剤含量が、該1回の塗工液の質量に対して0.01質量%以上10質量%以下である感熱転写受像シートの製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、熱転写インクシートと重ね合わせて用いられる感熱転写受像シートおよびその製造方法に関する。
従来、種々の熱転写記録方法が知られているが、中でも染料拡散転写記録方式は、銀塩写真の画質に最も近いカラーハードコピーが作製できるプロセスとして注目されている。しかも、銀塩写真に比べて、ドライであること、デジタルデータから直接可視像化できる、複製作りが簡単であるなどの利点を持っている。
この染料拡散転写記録方式では、色素(以下、染料ともいう。)を含有する感熱転写シート(以下、単にインクシートともいう。)と感熱転写受像シート(以下、単に受像シートともいう。)を重ね合わせ、次いで、電気信号によって発熱が制御されるサーマルヘッドによってインクシートを加熱することでインクシート中の色素を受像シートに転写して画像情報の記録を行うものであり、シアン、マゼンタ、イエローの3色あるいはこれにブラックを加えた4色を重ねて記録することで色の濃淡に連続的な変化を有するカラー画像を転写記録することができる。
この様な色素熱転写方式の記録方法において良好な印画特性を得るためには、熱転写受像シートに断熱機能およびクッション機能をいかに持たせるかが重要であることが、認識されていた。
この命題に対し、例えば、基材上に断熱、クッションの両機能を併せ持つ発泡性フィルムを貼合させ、その上に受容層を設ける方法が知られているが、この方法では、受容層塗布時の熱で発泡性フィルムが収縮し、最終製品としてカールが発生してしまう等の課題が生じていた。このような欠点に対し、断熱及びクッション機能を有する機能層を新たに考案する検討や、製造工程の熱履歴に起因するカールをなくすために、発泡性フィルム等々の貼合工程を持たない熱転写受像シート及び製造方法、例えば、塗布方式等の種々の検討がなされてきた。
例えば、中空ポリマーを含有する水性中間層とそれに隣接している離型剤を含有した水性受容層とをウェットオンウェット方式で塗布することにより、製造時の乾燥エネルギー効率、及び受容層と中間層との接着性、更にはインクシートとのブロッキング耐性に優れた熱転写受像シートを供給する製造方法が開示されている( 例えば、特許文献1参照。) 。更に特許文献2には、生産効率を上げるために断熱層から受容層間を構成する全ての層が、水系塗布方式により製造する技術が開示されている。
しかしながら、水系塗布での製造は、原材料の凝集や液のハジキなどによる塗布面状の故障が発生しやすいという製造適性の課題と染料転写後の最高濃度が低いという性能上の課題があった。ハジキとは、塗布液には種々の化合物が添加含有されたことにより凝集物に起因して円状又は筋状の非塗布部分が生じる現象をいう。これらの故障が発生すると、画像出力後に印画抜けとなる場合があり、好ましくない。
塗布面状故障の改良のために原材料を有機溶剤により溶解することも考えられるが、単なる有機溶剤の使用では、別の面状故障発生や保存中に残留する溶剤により拡散し、経時保存時の画像滲みが起こりやすくなるという別の問題が発生してしまう。
特開平6−171240号公報 特開2005−335115号公報
したがって、本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、画像出力後の印画抜けが少なく、高濃度でさらに経時画像滲みの少ない感熱転写受像シートおよびその製造方法を提供することである。
本発明者らは鋭意検討を重ねた結果、下記手段で本発明の上記目的が達成できることを見出した。
(1)支持体上に、少なくとも1層の断熱層及び少なくとも1層受容層を有し、該断熱層から該受容層間を構成する全ての層が水系塗布方式により形成される熱転写受像シートの製造方法であって、該断熱層から該受容層の全ての塗工液において、1回の塗工液中に少なくとも1種の有機溶剤を含有し、該1回の全塗工液中の有機溶剤含量が、該1回の塗工液の質量に対して0.01質量%以上10質量%以下であることを特徴とする感熱転写受像シートの製造方法。
(2)前記受容層の塗工液が、少なくとも1種の有機溶剤を含有し、該塗工液中の有機溶剤含量が、該塗工液の質量に対して0.2質量%以上12質量%以下であり、かつ該断熱層から該受容層のうち互いに隣接する層を水系同時塗布方式で塗布することを特徴とする(1)に記載の感熱転写受像シートの製造方法。
(3)少なくとも1種の前記有機溶剤が、水に対して10質量%以上溶解しうることを特徴とする(1)または(2)に記載の感熱転写受像シートの製造方法。
(4)少なくとも1種の前記有機溶剤が、炭素数5以下の1価の低級アルコール類であることを特徴とする(1)〜(3)のいずれか1項に記載の感熱転写受像シートの製造方法。
(5)前記断熱層が少なくとも1種類の中空ポリマー粒子を含有することを特徴とする(1)〜(4)のいずれか1項に記載の感熱転写受像シートの製造方法。
(6)前記(1)〜(5)のいずれか1項に記載の製造方法で製造されたことを特徴とする感熱転写受像シート。
本発明により、印画後の白抜けが改良され、高濃度でかつ経時画像滲みの少ない感熱転写受像シートおよびその製造方法を提供することができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の感熱転写受像シート(以下本発明の受像シートともいう)は、支持体上に少なくとも1層の受容層(染料受容層)を有し、支持体と受容層との間に少なくとも1層の断熱層(多孔質層)を有する。また、支持体と受容層との間に、例えば白地調整、帯電防止、接着性、レベリングなどの各種機能を付与した中間層が形成されていてもよい。また、転写シートと重ね合わせられる面の最外層には、離型層が形成されてもよい。
本発明においては、断熱層から受容層間を構成する全ての層が水系塗布で塗設される。各層の塗布は、ロールコート、バーコート、グラビアコート、グラビアリバースコート、ダイコート、スライドコート、カーテンコート等の一般的な方法で行われる。受容層、断熱層、および中間層は、各層それぞれ別々に塗布されてもよく、任意の層を組み合わせて同時重層塗布をしてもよい。
支持体の、受容層を塗設した面の他方の面にはカール調整層、筆記層、帯電調整層を設けてもよい。
本発明の感熱転写受像シートは、1回の塗工液中に少なくとも1種の有機溶剤を含有し、該塗工液中の有機溶剤含量が、該1回の塗工液の質量に対して0.01質量%以上10質量%以下であり、好ましくは0.07質量%以上9質量%以下であり、より好ましくは1.0質量%以上8質量%以下である。添加量が0.01質量%より少ないと添加効果が無く、10質量%よりも多いと、印画後の保存時において画像滲みが問題となる。
複数回の塗工を行う場合は、少なくとも1回の塗工液中の有機溶剤が、上記条件を満たす必要があり、N回の塗工を行う場合は、N回全ての塗工液が、上記条件を満たすことが好ましい。
本発明の感熱転写受像シートは、同時重層にて塗工する場合、受容層の塗工液が少なくとも1種の有機溶剤を含有し、各層に平均的に有機溶剤を含有させるより、受容層に局在化させる方が好ましい。この場合、該受容層の塗工液中の有機溶剤含量が0.2質量%以上12質量%以下であることが好ましく、より好ましくは0.3質量%以上10質量%以下であり、更に好ましくは0.5質量%以上8質量%以下である。
本発明で用いられる有機溶剤は、一般的に言われる有機溶剤が使用でき、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−プロパノールなどのアルコール類、エチレングリコール、ジエチレングリコール、グリセリンなどのグリコール系溶剤、酢酸エチル、酢酸プロピル等のエステル系溶剤、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン系溶剤、N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド系溶剤、トルエン、キシレン等の芳香族系溶剤、ヘキサン、シクロヘキサノン等が挙げられる。好ましくは、水温25℃の水に対して10重量%以上溶解しうる有機溶剤であり、更に好ましくは、炭素数5以下の1価の低級アルコールである。炭素数5以下の1価の低級アルコールとして、例えばメタノール、エタノール、イソプロパノール、n−プロパノール、プロピレングリコールモノメチルエーテルが挙げられる。これらの溶剤を添加することにより、本発明の効果を奏することが出来る。
本発明の1回の塗工液とは、同時塗布する塗工液全体を指す。例えば、断熱層、受容層を逐次に別々に塗布する場合、断熱層の塗工液、受容層の塗工液それぞれを1回の塗工液とし、断熱層と受容層を同時重層塗布する場合は、断熱層、受容層の塗工液を合わせた液を1回の塗工液とし、該塗工液中の有機溶剤含量は、単位面積当たりに塗工される塗工液中の有機溶媒の重量換算での含有量とする。
本発明の感熱転写受像シートは、少なくとも染料を受容し得る熱可塑性の受容ポリマーを有する少なくとも1層の受容層を有する。
好ましい受容ポリマーの例としては、ポリ酢酸ビニル、エチレン酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル酢酸ビニル共重合体、塩化ビニルアクリル酸エステル共重合体、塩化ビニルメタクリル酸エステル共重合体、ポリアクリルエステル、ポリスチレン、ポリスチレンアクリル等のビニル系樹脂、ポリビニルホルマール、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール等のアセタール系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリプチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、セルロース系樹脂、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂等のポリアミド系樹脂等が挙げられる。これらの樹脂は、相溶する範囲内で任意にブレンドして用いることもできる。
上記ポリマー中でもポリカーボネート、ポリエステル、ポリウレタン、ポリ塩化ビニルおよびその共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、ポリカプロラクトンまたはこれらの混合物を含有することが好ましく、ポリエステル、ポリ塩化ビニル共重合体あるいはこれらの混合物がさらに好ましい。
以上に挙げたポリマーは、有機溶剤(メチルエチルケトン、酢酸エチル、ベンゼン、トルエン、キシレンなど)を適宜用いて溶解させることで、支持体上に塗布することができるし、ポリマーラテックスとして水系の塗工液に加えて支持体上に塗布することもできる。
また受容層には、紫外線吸収剤、離型剤、滑剤、酸化防止剤、防腐剤、界面活性剤を含有させてもよい。
本発明の感熱転写受像シートに塗設される受容層にはポリマーラテックスを含有させることが好ましい。
受容層に用いるポリマーラテックスは水不溶な疎水性ポリマーが微細な粒子として水溶性の分散媒中に分散したものである。分散状態としてはポリマーが分散媒中に乳化されているもの、乳化重合されたもの、ミセル分散されたもの、あるいはポリマー分子中に部分的に親水的な構造を持ち分子鎖自身が分子状分散したものなどいずれでもよく、分散粒子の平均粒径は1〜50000nm、より好ましくは5〜1000nmの範囲が好ましい。
本発明に用いるポリマーラテックスのガラス転移温度(Tg)は、−30℃〜100℃が好ましく、0℃〜80℃がより好ましく、10℃〜70℃がさらに好ましく、15℃〜60℃が特に好ましい。
このガラス転移温度(Tg)は下記式で計算し推定することができる。
1/Tg=Σ(Xi/Tgi)
ここでは、ポリマーはi=1からnまでのn個のモノマー成分が共重合しているとする。Xiはi番目のモノマーの質量分率(ΣXi=1)、Tgiはi番目のモノマーの単独重合体のガラス転移温度(絶対温度)である。ただしΣはi=1からnまでの和をとる。尚、各モノマーの単独重合体ガラス転移温度の値(Tgi)は「Polymer Handbook(3rd Edition)」(J.Brandrup,E.H.Immergut著(Wiley−Interscience、1989))の値を採用できる。
本発明の感熱転写受像シートに用いるポリマーラテックスの好ましい態様としては、アクリル系ポリマー、ポリエステル類、ゴム類(例えばSBR樹脂)、ポリウレタン類、塩化ビニル酢酸ビニル共重合体、塩化ビニルアクリル酸エステル共重合体、塩化ビニルメタアクリル酸共重合体等の共重合体を含めたポリ塩化ビニル共重合体、エチレン酢酸ビニル共重合体等の共重合体を含めたポリ酢酸ビニル共重合体、ポリオレフィン等のポリマーラテックスを好ましく用いることができる。これらポリマーラテックスとしては直鎖のポリマーでも枝分かれしたポリマーでもまた架橋されたポリマーでもよいし、単一のモノマーが重合したいわゆるホモポリマーでもよいし、2種類以上のモノマーが重合したコポリマーでもよい。コポリマーの場合はランダムコポリマーでも、ブロックコポリマーでもよい。これらポリマーの分子量は数平均分子量で5000〜1000000が好ましく、より好ましくは10000〜500000である。
本発明のポリマーラテックスとしては、ポリエステルラテックス、塩化ビニル/アクリル化合物共重合体ラテックス、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体ラテックス、塩化ビニル/酢酸ビニル/アクリル化合物共重合体ラテックス等の塩化ビニル共重合体ラテックスのいずれか1つまたは任意の組み合わせが好ましい。
このような塩化ビニル共重合体としては、前述のものが挙げられるが、なかでもビニブラン240、ビニブラン270、ビニブラン276、ビニブラン277、ビニブラン375、ビニブラン380、ビニブラン386、ビニブラン410、ビニブラン430、ビニブラン432、ビニブラン550、ビニブラン601、ビニブラン602、ビニブラン609、ビニブラン619、ビニブラン680、ビニブラン680S、ビニブラン681N、ビニブラン683、ビニブラン685R、ビニブラン690、ビニブラン860、ビニブラン863、ビニブラン685、ビニブラン867、ビニブラン900、ビニブラン938、ビニブラン950(以上いずれも日信化学工業(株)製)、SE1320、S−830(以上いずれも住友ケムテック(株)製)が好ましい。
(ポリエステル系ラテックス)
また、ポリエステル系ラテックスとしては、バイロナール MD1200、バイロナール MD1220、バイロナール MD1245、バイロナール MD1250、バイロナール MD1500、バイロナール MD1930、バイロナール MD1985(以上いずれも東洋紡(株)製)が好ましい。
これらのなかでも、塩化ビニル/アクリル化合物共重合体ラテックス、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体ラテックス、塩化ビニル/酢酸ビニル/アクリル化合物共重合体ラテックス等の塩化ビニル共重合体ラテックスがもっとも好ましい。
本発明の感熱転写受像シートにおいては、受容層は水溶性ポリマーを含有することも好ましい態様の一つである。
ここで、水溶性ポリマーとは、20℃における水100gに対し0.05g以上溶解すればよく、より好ましくは0.1g以上、さらに好ましくは0.5g以上、特に好ましくは1g以上である。水溶性ポリマーとしては、天然高分子、半合成高分子および合成高分子のいずれも好ましく用いられる。
本発明の感熱転写受像シートに用いることのできる水溶性ポリマーのうち、天然高分子および半合成高分子について詳しく説明する。植物系多糖類としては、κ−カラギーナン、ι−カラギーナン、λ−カラギーナン、ペクチンなど、微生物系多糖類としては、キサンタンガム、デキストリンなど、動物系天然高分子としては、ゼラチン、カゼインなどが挙げられる。セルロース系としては、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなどが挙げられる。
本発明に用いることのできる天然高分子、半合成高分子のうちゼラチンが好ましい。本発明に用いるゼラチンは分子量10,000から1,000,000までのものを用いることができる。本発明に用いられるゼラチンはCl、SO 2−等の陰イオンを含んでいてもよいし、Fe2+、Ca2+、Mg2+、Sn2+、Zn2+などの陽イオンを含んでいても良い。ゼラチンは水に溶かして添加することが好ましい。
本発明の感熱転写受像シートに用いることのできる水溶性ポリマーのうち、合成高分子については、ポリビニルピロリドン、ポリビニルピロリドン共重合体、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、水溶性ポリエステルなどである。本発明に用いることのできる合成高分子のうちポリビニルアルコール類が好ましい。
ポリビニルアルコールについては、完全けん化物、部分けん化物、変性ポリビニルアルコール等、各種ポリビニルアルコールを用いることができる。これらポリビニルアルコールについては、長野浩一ら共著,「ポバール」(高分子刊行会発行)に記載のものが用いられる。
ポリビニルアルコールは、その水溶液に添加する微量の溶剤あるいは無機塩類によって粘度調整をしたり粘度安定化させたりすることが可能であって、詳しくは上記文献、長野浩一ら共著,「ポバール」,高分子刊行会発行,144〜154頁記載のものを使用することができる。その代表例としてホウ酸およびホウ砂を含有させることで塗布面質を向上させることができ、好ましい。ホウ酸およびホウ砂の添加量は、ポリビニルアルコールに対し0.01〜40重量%であることが好ましい。
ポリビニルアルコールの具体例としては、完全けん化物としてはPVA−105、PVA−110、PVA−117、PVA−117Hなど、−分けん化物としてはPVA−203、PVA−205、PVA−210、PVA−220など、変性ポリビニルアルコールとしてはC−118、HL−12E、KL−118、MP−203が挙げられる。
ポリマーラテックスの添加量は、ポリマーラテックスの固形分が受容層中の全ポリマーの50〜98質量%であることが好ましく、70〜95質量%であることがより好ましい。
本発明の感熱転写受像シートには、紫外線吸収剤を含有させてもよい。その紫外線吸収剤としては、従来公知の無機系紫外線吸収剤、有機系紫外線吸収剤が使用できる。有機系紫外線吸収剤としては、サリシレート系、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、トリアジン系、置換アクリロニトリル系、ヒンダートアミン系等の非反応性紫外線吸収剤や、これらの非反応性紫外線吸収剤に、例えば、ビニル基やアクリロイル基、メタアクリロイル基等の付加重合性二重結合、あるいは、アルコール性水酸基、アミノ基、カルボキシル基、エポキシ基、イソシアネート基等を導入し、アクリル樹脂等の熱可塑性樹脂に共重合若しくは、グラフトしたものを使用することができる。また、樹脂のモノマーまたはオリゴマーに紫外線吸収剤を溶解させた後、このモノマーまたはオリゴマーを重合させる方法が開示されており(特開2006−21333)、こうして得られた紫外線遮断性樹脂を用いることもできる。この場合には紫外線吸収剤は非反応性のもので良い。
これら紫外線吸収剤に中でも、特にベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、トリアジン系が好ましい。これら紫外線吸収剤は画像形成に使用する染料の特性に応じて、有効な紫外線吸収波長域をカバーするように組み合わせて使用することが好ましく、また、非反応性紫外線吸収剤の場合には紫外線吸収剤が析出しないように構造が異なるものを複数混合して用いることが好ましい。
紫外線吸収剤の市販品としては、チヌビン−P(チバガイギー製)、JF−77(城北化学製)、シーソープ701(白石カルシウム製)、スミソープ200(住友化学製)、バイオソープ520(共同薬品製)、アデカスタブLA−32(旭電化製)等が挙げられる。
本発明の感熱転写受像シートには、画像印画時の感熱転写シートと受像シートとの離型性を確保するために離型剤を添加してもよい。
離型剤としては、例えば、ポリエチレンワックス、パラフィンワックス、脂肪酸エステルワックス、アミドワックス等の固形ワックス類、シリコーンオイル、リン酸エステル系化合物、フッ素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤およびその他当該技術分野で公知の離型剤を使用することができる。これらの中で、脂肪酸エステルワックス、フッ素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤、シリコーンオイルおよび/またはその硬化物等のシリコーン系化合物が好ましく用いられる。
また、本発明の感熱転写受像シートは、前記の任意の層に界面活性剤を含有させることが出来る。その中でも、受容層及び中間層中に含有させることが好ましい。
界面活性剤の添加量は、全固形分量に対して0.01〜5質量%であることが好ましく、0.01〜1質量%であることがより好ましく、0.02〜0.2質量%であることが特に好ましい。
界面活性剤としては、アニオン系、ノニオン系、カチオン系など種々の界面活性剤が知られている。本発明で用いることのできる界面活性剤としては、公知のものが使用でき、例えば、「機能性界面活性剤監修/角田光雄、発行/2000年8月、第6章」で紹介されているもの等を用いることができるが、その中でもアニオン系のフッ素含有界面活性剤が好ましい。
本発明の感熱転写受像シートにおいて、ブロッキング防止、離型性付与、滑り性付与のためにマット剤を添加しても良い。マット剤は感熱転写受像シートの受容層が塗布される面、受容層が塗布される他方の面、あるいはその両方の面に添加することができる。
マット剤は、一般に水に不溶の有機化合物の微粒子、無機化合物の微粒子を挙げることができるが、本発明では、分散性の観点から、有機化合物を含有する微粒子が好ましい。有機化合物を含有していれば、有機化合物単独からなる有機化合物微粒子であっても良いし、有機化合物だけでなく無機化合物をも含有した有機/無機複合微粒子であっても良い。マット剤の例としては、例えば米国特許第1,939,213号、同2,701,245号、同2,322,037号、同3,262,782号、同3,539,344号、同3,767,448号等の各明細書に記載の有機マット剤を用いることができる。
本発明の感熱転写受像シートには、防腐剤を添加してもよい。本発明の受像シートに含有される防腐剤としては、特に限定されないが、防腐防黴ハンドブック、技報堂出版(1986)、堀口博著、防菌防黴の化学、三共出版(1986)、防菌防黴剤事典、日本防菌防黴学会発行(1986)等に記載されているものを用いることができる。具体的には、イミダゾール誘導体、デヒドロ酢酸ナトリウム、4−イソチアゾリン−3−オン誘導体、ベンゾイソチアゾリン−3−オン、ベンゾトリアゾール誘導体、アミジングアニジン誘導体、四級アンモニウム塩類、ピロジン,キノリン,グアニジン等の誘導体、ダイアジン、トリアゾール誘導体、オキサゾール、オキサジン誘導体、2−メルカプトピリジン−N−オキサイドまたはその塩等が挙げられる。これらの中でも、4−イソチアゾリン−3−オン誘導体、ベンゾイソチアゾリン−3−オンが好ましい。
受容層の塗布量は、0.5〜10g/m(固形分換算、以下本発明における塗布量は
特に断りのない限り、固形分換算の数値である。)が好ましい。受容層の膜厚は1〜20μmであることが好ましい。
本発明の感熱転写受像シートに塗設される断熱層は1層でも2層以上でも良い。断熱層は、受容層と支持体の間に設けられる。
本発明の感熱転写受像シートにおいて、断熱層は中空ポリマーを含有する。
本発明における中空ポリマーとは粒子内部に空隙を有するポリマー粒子であり、好ましくは水分散物であり、例えば、1)ポリスチレン、アクリル樹脂、スチレン−アクリル樹脂等により形成された隔壁内部に水などの分散媒が入っており、塗布乾燥後、粒子内の水が粒子外に蒸発して粒子内部が中空となる非発泡型の中空ポリマー粒子、2)ブタン、ペンタンなどの低沸点液体を、ポリ塩化ビニリデン、ポリアクリロニトリル、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸エステルのいずれか又はそれらの混合物もしくは重合物よりなる樹脂で覆っており、塗工後、加熱により粒子内部の低沸点液体が膨張することにより内部が中空となる発泡型マイクロバルーン、3)上記の2)をあらかじめ加熱発泡させて中空ポリマーとしたマイクロバルーンなどが挙げられる。
前記1)の具体例としてはロームアンドハース社製ローペイク1055、大日本インキ社製ボンコートPP−1000、JSR社製SX866(B)、日本ゼオン社製ニッポールMH5055(いずれも商品名)などが挙げられる。前記2)の具体例としては松本油脂製薬社製のF−30、F−50(いずれも商品名)などが挙げられる。前記3)の具体例としては松本油脂製薬社製のF−30E、日本フェライト社製エクスパンセル461DE、551DE、551DE20(いずれも商品名)が挙げられる。
これらの中でも、1)の非発泡型の中空ポリマー粒子が好ましく、必要に応じて2種以上混合して使用することができる。
これらの中空ポリマーの平均粒子径は0.1〜5.0μmであることが好ましく、0.2〜3.0μmであることがさらに好ましく、0.3〜1.2μmであることが特に好ましい。
また、中空ポリマーは、空隙率が20〜70%のものが好ましく、20〜60%のものがより好ましい。
本発明において、中空ポリマー粒子のサイズは、透過型電子顕微鏡を用いて、その外径の円相当換算直径を測定し算出する。平均粒径は、中空ポリマー粒子を少なくとも300個透過電子顕微鏡を用いて観察し、その外形の円相当径を算出し、平均して求める。
中空ポリマーの空隙率とは、粒子体積に対する空隙部分の体積の割合から求める。
本発明の感熱転写受像シートに用いる中空ポリマー粒子は、ガラス転移温度が70℃以上200℃以下であることが好ましく、80℃以上170℃以下である中空ポリマーが更に好ましい。
中空ポリマーを含む断熱層中には、中空ポリマー以外にバインダーとして水溶性ポリマーを含有することが好ましい。好ましい例としては、受容層の項で記載した水溶性ポリマーが挙げられる。これら水溶性ポリマーのなかで、ゼラチン、ポリビニルアルコールが好ましい。これらの樹脂は単独又は混合して用いることができる。
中空ポリマーを含む断熱層の厚みは5〜50μmであることが好ましく、5〜40μmであることがより好ましい。
受容層と支持体との間には中間層が形成されていてもよく、中間層の機能としては白地調整、帯電防止、接着性付与、平滑性付与などが挙げられるが、これらに限定されることなく、従来公知の中間層を付与することができる。
本発明の感熱転写受像シートに用いる支持体は、従来公知の支持体を用いることができる。その中でも耐水性支持体が好ましく用いられる。耐水性支持体を用いることで支持体中に水分が吸収されるのを防止して、受容層の経時による性能変化を防止することができる。耐水性支持体としては例えばコート紙やラミネート紙、合成紙を用いることができる。なかでもラミネート紙が好ましい。
本発明に用いる感熱転写受像シートには、必要に応じてカール調整層を形成することが好ましい。カール調整層には、ポリエチレンラミネートやポリプロピレンラミネート等が用いられる。具体的には、例えば特開昭61−110135号公報、特開平6−202295号公報などに記載されたものと同様にして形成することができる。
本発明に用いる感熱転写受像シートには、必要に応じて筆記層・帯電調整層を設けることができる。筆記層、帯電調整層には、無機酸化物コロイドやイオン性ポリマー等を用いることができる。帯電防止剤として、例えば第四級アンモニウム塩、ポリアミン誘導体等のカチオン系帯電防止剤、アルキルホスフェート等のアニオン系帯電防止剤、脂肪酸エステル等のノニオン系帯電防止剤など任意のものを用いることができる。具体的には、例えば特許第3585585号公報などに記載されたものと同様にして形成することができる。
以下、本発明の感熱転写受像シートの製造方法について説明する。
本発明の感熱転写受像シートは、各層をロールコート、バーコート、グラビアコート、グラビアリバースコート等の一般的な方法で塗布し、これを乾燥させることで作製することができる。
また、本発明の感熱転写受像シートは、受容層および断熱層を支持体上に同時重層塗布することでも形成することができる。
支持体上に複数の機能の異なる複数の層(気泡層、断熱層、中間層、受容層など)からなる多層構成の受像シートを製造する場合、特開2004−106283号、同2004−181888号、同2004−345267号等の各公報に示されている如く各層を順次塗り重ねていくか、あらかじめ各層を支持体上に塗布したものを張り合わせることにより製造することが知られている。一方、写真業界では例えば複数の層を同時に重層塗布することにより生産性を大幅に向上させることが知られている。例えば米国特許第2,761,791号、同第2,681,234号、同第3,508,947号、同第4,457,256号、同第3,993,019号、特開昭63−54975号、特開昭61−278848号、同55−86557号、同52−31727号、同55−142565号、同50−43140号、同63−80872号、同54−54020号、特開平5−104061号、同5−127305号、特公昭49−7050号の公報または明細書やEdgar B. Gutoffら著,「Coating and Drying Defects:Troubleshooting Operating Problems」,John Wiley&Sons社,1995年,101〜103頁などに記載のいわゆるスライド塗布(スライドコーティング法)、カーテン塗布(カーテンコーティング法)といわれる方法が知られている。
本発明では、逐次塗布でもその効果を奏するものであるが、同時重層塗布を行うことで、生産性を大幅に向上させると同時に、画像欠陥をより一層減少させることができる。
以下、本発明を実施例に基づき更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例中で、部または%とあるのは、特に断りのない限り質量基準である。
実施例1
(受像シート101の作製:本発明)
支持体として合成紙(ユポFPG200、厚さ200μm、商品名、(株)ユポ・コーポレーション製)を用い、この一方の面に、下記の断熱層1、受容層1の順にバーコーターにより塗布を行った。それぞれの乾燥時の塗布量は断熱層6.5g/m、受容層3.0g/mとなるように塗布を行い、 乾燥は各層110 ℃ で1分間行った。
断熱層1
ポリビニルアルコール 15.0質量部
(ポバールPVA205、商品名、(株)クラレ製)
ゼラチン(10%水溶液) 15.0質量部
気相法シリカ 20.0質量部
(AEROSIL200、商品名、日本アエロジル社製)
水 20.0質量部
受容層1
塩化ビニル系ラテックス 11.0質量部
(ビニブラン900、商品名、日信化学工業(株)製)
塩化ビニル系ラテックス 13.4質量部
(ビニブラン690、商品名、日信化学工業(株)製)
ゼラチン(10%水溶液) 2.0質量部
モンタン酸エステルワックス
(J537、商品名、中京油脂(株)製) 5.0質量部
下記界面活性剤F−1 0.1質量部
メタノール 0.05質量部
Figure 2009083151
(受像シート102の作製:本発明)
受容層を下記組成のものと変更して、それ以外は受像シート101と同様に作製した。
受容層2
塩化ビニル/ 酢酸ビニル共重合体エマルジョン 100.0質量部
(ビニブラン601、商品名、固形分濃度43%;日信化学工業(株)製)
ポリエーテル変性シリコーン 2.15質量部
(KF−615A 、商品名、信越化学工業(株)製)
水 124.0質量部
ジエチレングリコール 0.4質量部
(受像シート103の作製:本発明)
受容層を下記組成のものと変更して、それ以外は受像シート101と同様に作製した。
受容層3
塩化ビニル系ラテックス 9.6質量部
(ビニブラン900、商品名、日信化学工業(株)製)
界面活性剤F−1 0.1質量部
ゼラチン 1.7質量部
水 50.0質量部
酢酸エチル 0.05質量部
(受像シート104の作製:本発明)
受容層を下記組成のものと変更して、それ以外は受像シート101と同様に作製した。
受容層4
塩化ビニル系ラテックス 12.0質量部
(ビニブラン900、商品名、日信化学工業(株)製)
塩化ビニル系ラテックス 12.4質量部
(ビニブラン690、商品名、日信化学工業(株)製)
ゼラチン(10%水溶液) 2.0質量部
モンタン酸エステルワックス 5.0質量部
(J537、商品名、中京油脂(株)製)
前記界面活性剤F−1 0.1質量部
メタノール 3.2質量部
(受像シート105の作製:比較例)
受容層を下記組成のものと変更して、それ以外は受像シート101と同様に作製した。
受容層5
塩化ビニル/ 酢酸ビニル共重合体エマルジョン 50.0質量部
(ビニブラン601、商品名、固形分濃度43% ;日信化学工業(株)製)
ポリエーテル変性シリコーン 1.1質量部
(KF−615A、商品名、信越化学工業(株)製)
界面活性剤F−1 0.05質量部
水 62.0質量部
(受像シート106の作製:比較例)
受容層を下記組成のものと変更して、それ以外は受像シート101と同様に作製した。
受容層6
塩化ビニル系ラテックス 26.3質量部
(ビニブラン900、商品名、日信化学工業(株)製)
ポリビニルアルコール 3.5質量部
(PVA−105、商品名、クラレ(株)製)
モンタン酸エステルワックス 10.0質量部
(J537、商品名、中京油脂(株)製)
界面活性剤F−1 0.2質量部
酢酸エチル 10.0質量部
(受像シート107の作製:比較例)
受容層を下記組成のものと変更して、それ以外は受像シート101と同様に作製した。
受容層7
塩化ビニル/ 酢酸ビニル共重合体エマルジョン 50.0質量部
(ビニブラン601、商品名、固形分濃度43%;日信化学工業(株)製)
ポリエーテル変性シリコーン 1.1質量部
(KF−615A 、商品名、信越化学工業(株)製)
水 15.0質量部
メタノール 50.0質量部
(受像シート108の作製:比較例)
受容層を下記組成のものと変更して、それ以外は受像シート101と同様に作製した。
受容層8
塩化ビニル/ 酢酸ビニル共重合体エマルジョン 50.0質量部
(ビニブラン601、商品名、固形分濃度43% ;日信化学工業(株)製)
ポリエーテル変性シリコーン 1.5質量部
(KF−615A、商品名、信越化学工業(株)製)
界面活性剤F−1 0.05質量部
水 10.0質量部
MEK(メチルエチルケトン) 50.0質量部
(インクシートの作成)
支持体として片面に易接着処理がされている厚さ6.0μmのポリエステルフィルム(ダイアホイルK200E−6F、商品名、三菱化学ポリエステルフィルム(株)製)の易接着処理がされていない面に、乾燥後の固形分塗布量が1g/mとなるように背面層塗工液を塗布した。乾燥後、60℃で熱処理を行い硬化させた。
このようにして作製したポリエステルフィルムの易接着層塗布側に前記塗工液により、イエロー、マゼンタ、シアンの各感熱転写層および転写性保護層積層体を面順次となるように塗布した感熱転写シートを作製した。各染料層の固形分塗布量は、0.8g/mとした。
なお、転写性保護層積層体の形成は、離型層用塗工液を塗布し、乾燥した後に、その上に保護層用塗工液を塗布し、乾燥した後に、さらにその上に接着層塗工液を塗布した。
背面層塗工液
アクリル系ポリオール樹脂 26.0質量部
(アクリディックA−801、商品名、大日本インキ化学工業(株)製)
ステアリン酸亜鉛 0.5質量部
(SZ−2000、商品名、堺化学工業(株)製)
リン酸エステル 1.3質量部
(プライサーフA217、商品名、第一工業製薬(株)製)
イソシアネート(50%溶液) 8.0質量部
(バーノックD−800、商品名、大日本インキ化学工業(株)製)
メチルエチルケトン/トルエン(質量比2/1) 64.0質量部
イエロー染料層塗工液
染料化合物(Y−1) 4.2質量部
染料化合物(Y−2) 4.2質量部
ポリビニルアセタール樹脂 6.1質量部
(エスレックKS−1、商品名、積水化学工業(株)製)
ポリビニルブチラール樹脂 2.1質量部
(デンカブチラール#6000−C、商品名、電気化学工業(株)製)
離型剤 0.05質量部
(X−22−3000T、商品名、信越化学工業(株)製)
離型剤 0.03質量部
(TSF4701、商品名、モメンティブ・パフォーマンス・
マテリアルズ・ジャパン合同会社製)
マット剤 0.15質量部
(フローセンUF、商品名、住友精工(株)製)
メチルエチルケトン/トルエン(質量比2/1) 85.0質量部
Figure 2009083151
マゼンタ染料層塗工液
染料化合物(M−1) 0.2質量部
染料化合物(M−2) 0.7質量部
染料化合物(M−3) 6.6質量部
ポリビニルアセタール樹脂 8.0質量部
(エスレックKS−1、商品名、積水化学工業(株)製)
ポリビニルブチラール樹脂 0.2質量部
(デンカブチラール#6000−C、商品名、電気化学工業(株)製)
離型剤 0.05質量部
(X−22−3000T、商品名、信越化学工業(株)製)
離型剤 0.03質量部
(TSF4701、商品名、モメンティブ・パフォーマンス・
マテリアルズ・ジャパン合同会社製)
マット剤 0.15質量部
(フローセンUF、商品名、住友精工(株)製)
メチルエチルケトン/トルエン(質量比2/1) 84.0質量部
Figure 2009083151
シアン染料層塗工液
染料化合物(C−1) 1.2質量部
染料化合物(C−2) 6.6質量部
ポリビニルアセタール樹脂 7.4質量部
(エスレックKS−1、商品名、積水化学工業(株)製)
ポリビニルブチラール樹脂 0.8質量部
(デンカブチラール#6000−C、商品名、電気化学工業(株)製)
離型剤 0.05質量部
(X−22−3000T、商品名、信越化学工業(株)製)
離型剤 0.03質量部
(TSF4701、商品名、モメンティブ・パフォーマンス・
マテリアルズ・ジャパン合同会社製)
マット剤 0.15質量部
(フローセンUF、商品名、住友精工(株)製)
メチルエチルケトン/トルエン(質量比2/1) 84.0質量部
Figure 2009083151
(転写性保護層積層体)
染料層の作製に使用したものと同じポリエステルフィルムに、以下に示す組成の離型層、保護層および接着層用塗工液を塗布し、転写性保護層積層体を形成した。乾膜時の塗布量は離型層0.3g/m、保護層0.5g/m、接着層2.2g/mとした。
離型層塗工液
変性セルロース樹脂 5.0質量部
(L−30、商品名、ダイセル化学)
メチルエチルケトン 95.0質量部
保護層塗工液
アクリル樹脂溶液(固形分40%) 90.0質量部
(UNO−1、商品名、岐阜セラミック(有)製)
メタノール/イソプロパノール(質量比1/1) 10.0質量部
接着層塗工液
アクリル樹脂 25.0質量部
(ダイアナールBR−77、商品名、三菱レイヨン(株)製)
下記紫外線吸収剤UV−1 1.0質量部
下記紫外線吸収剤UV−2 2.0質量部
下記紫外線吸収剤UV−3 1.5質量部
下記紫外線吸収剤UV−4 1.0質量部
PMMA微粒子(ポリメチルメタクリレート微粒子) 0.5質量部
メチルエチルケトン/トルエン(質量比2/1) 70質量部
Figure 2009083151
(印画抜け評価)
上記受像シートにおいて、塗布後、印画前の受像シートについて、凝集物や液のハジキに由来する画像出力後の印画抜けについて評価した。
それぞれのサンプルを用いて一般の風景画像を50枚出力し、目視評価を行った。印画抜けの枚数が50枚中3枚以下が許容とし、4枚以上は実用上問題があると判断した。
(Dmax評価)
上記インクシートと、上記受像シートを用いて、熱転写型プリンター(ASK−2000 富士フイルム(株)製)により黒ベタ(Dmax)画像の出力を行った。得られた黒ベタ画像のVisual濃度をPhotographic Densitometer(X−Rite Incorporated社製)で測定した。
(画像滲み評価)
一枚のシートに黒ベタ(黒の最高濃度画像)と白画像が半分ずつとなる画像を出力し、この画像を60℃80%の環境下で170時間保存した後、白画像部分に染料が滲んでいるかどうかを目視で評価した。
5:白画像部分への滲みが認められない
4:白画像部分への滲みがわずかに認められるが、実用上問題ないレベルである
3:白画像部分への滲みが認められ、実用上問題となる場合がある
2:白画像部分への滲みが局所的であるが明らかに認められ、実用上問題である
1:白画像部分への滲みが全体的に認められ、実用上問題である
得られた結果を表1に示す。
Figure 2009083151
各評価結果より、受容層塗布時に有機溶剤を用いなかった試料105では、塗布面状故障が多く、Dmaxが低く、有機溶剤塗布量の多い試料106〜108では、塗布面状故障、滲みが劣っていた。本発明の試料103は、塗布面状故障、Dmax(最高濃度)、画像滲みに優れており、水に対して10重量%以上溶解しうる溶媒を使用した本発明の試料101〜102、104は、特に優れていることがわかった。
実施例2
実施例1の試料101〜108において断熱層1を断熱層2に変更した以外は、実施例1の試料101〜108の各々と同様にして感熱転写受像シート試料201〜208を作製した。
断熱層2
中空ポリマー粒子ラテックス 60.0質量部
(MH5055、商品名、日本ゼオン(株)製)
ゼラチン(10%水溶液) 30.0質量部
ポリビニルアルコール 6.0質量部
(ポバールPVA205、商品名、(株)クラレ製)
試料201〜208を評価した結果、実施例1と同様の結果が得られ、本発明の試料が優れていることがわかった。
Figure 2009083151
実施例3
(受像シート301の作製:本発明)
ポリエチレンで両面ラミネートした紙支持体表面に、コロナ放電処理を施した後、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムを含むゼラチン下塗層を設けた。この上に、下記組成の断熱層、受容層下層、受容層上層を支持体側からこの順に積層させた状態で、米国特許第2,761,791号明細書に記載の第9図に例示された方法により、同時重層塗布を行った。それぞれの乾燥時の塗布量が断熱層:8.0g/m、受容層下層:3.0g/m、受容層上層:2.0g/mとなるように塗布を行った。また、下記の組成は、固形分としての質量部を表す。
受容層上層
塩化ビニル系ラテックス 11.0質量部
(ビニブラン900、商品名、日信化学工業(株)製)
塩化ビニル系ラテックス 13.4質量部
(ビニブラン690、商品名、日信化学工業(株)製)
ゼラチン(10%水溶液) 2.0質量部
モンタン酸エステルワックス 5.0質量部
(J537、商品名、中京油脂(株)製)
界面活性剤F−1 0.1質量部
メタノール 0.06質量部
受容層下層
塩化ビニル系ラテックス 22.0質量部
(ビニブラン690、商品名、日信化学工業(株)製)
ゼラチン(10%水溶液) 10.0質量部
界面活性剤F−1 0.1質量部
メタノール 0.06質量部
断熱層
中空ポリマー粒子ラテックス 60.0質量部
(MH5055、商品名、日本ゼオン(株)製)
ゼラチン(10%水溶液) 30.0質量部
(受像シート302の作製:実施例)
受像シート301において下記組成の断熱層、受容層下層、受容層上層と変更して、それ以外は受像シート301と同様に作製した。
受容層上層
塩化ビニル系ラテックス 11.0質量部
(ビニブラン900、商品名、日信化学工業(株)製)
塩化ビニル系ラテックス 13.4質量部
(ビニブラン690、商品名、日信化学工業(株)製)
ゼラチン(10%水溶液) 2.0質量部
モンタン酸エステルワックス 5.0質量部
(J537、商品名、中京油脂(株)製)
界面活性剤F−1 0.1質量部
メタノール 0.33質量部
受容層下層
塩化ビニル系ラテックス 22.0質量部
(ビニブラン690、商品名、日信化学工業(株)製)
ゼラチン(10%水溶液) 10.0質量部
界面活性剤F−1 0.1質量部
メタノール 0.32質量部
断熱層
中空ポリマー粒子ラテックス 60.0質量部
(MH5055、商品名、日本ゼオン(株)製)
ゼラチン(10%水溶液) 30.0質量部
(受像シート303の作製:比較例)
受像シート301において下記組成の断熱層、受容層下層、受容層上層と変更して、それ以外は受像シート301と同様に作製した。
受容層上層
塩化ビニル/ 酢酸ビニル共重合体エマルジョン 50.0質量部
(ビニブラン6 0 1 、商品名、固形分濃度43%;日信化学工業(株)製)
ポリエーテル変性シリコーン 1.1質量部
(KF−615A、商品名、信越化学工業(株)製)
界面活性剤F−1 0.05質量部
水 62質量部
受容層下層
塩化ビニル系ラテックス 22.0質量部
(ビニブラン690、商品名、日信化学工業(株)製)
ゼラチン(10%水溶液) 10.0質量部
界面活性剤F−1 0.1質量部
断熱層
中空ポリマー粒子ラテックス 60.0質量部
(MH5055、商品名、日本ゼオン(株)製)
ゼラチン(10%水溶液) 30.0質量部
(受像シート304の作製:比較例)
受像シート301において下記組成の断熱層、受容層下層、受容層上層と変更して、それ以外は受像シート301と同様に作製した。
受容層上層
塩化ビニル系ラテックス 11.0質量部
(ビニブラン900、商品名、日信化学工業(株)製)
塩化ビニル系ラテックス 13.4質量部
(ビニブラン690、商品名、日信化学工業(株)製)
ゼラチン(10%水溶液) 2.0質量部
モンタン酸エステルワックス 5質量部
(J537、商品名、中京油脂(株)製)
界面活性剤F−1 0.1質量部
酢酸エチル 10.0質量部
受容層下層
塩化ビニル系ラテックス 22.0質量部
(ビニブラン690、商品名、日信化学工業(株)製)
ゼラチン(10%水溶液) 10.0質量部
界面活性剤F−1 0.1質量部
酢酸エチル 10.0質量部
断熱層
中空ポリマー粒子ラテックス 60.0質量部
(MH5055、商品名、日本ゼオン(株)製)
ゼラチン(10%水溶液) 30.0質量部
界面活性剤F−1 0.1質量部
メタノール 10.0質量部
試料301〜304を実施例1と同様の評価を行った結果を下記表3に示す。本発明の試料301は、比較例の試料303、304と比較して印画抜け、Dmax濃度、画像滲みに優れており、受容層中の塗工液の有機溶剤量を0.50質量%とし、溶剤が各層に平均的に存在するよりも、受容層に局在化させた本発明の試料302は、特に優れていた。
Figure 2009083151

Claims (6)

  1. 支持体上に、少なくとも1層の断熱層及び少なくとも1層受容層を有し、該断熱層から該受容層間を構成する全ての層が水系塗布方式により形成される熱転写受像シートの製造方法であって、該断熱層から該受容層の全ての塗工液において、1回の塗工液中に少なくとも1種の有機溶剤を含有し、該1回の全塗工液中の有機溶剤含量が、該1回の塗工液の質量に対して0.01質量%以上10質量%以下であることを特徴とする感熱転写受像シートの製造方法。
  2. 前記受容層の塗工液が、少なくとも1種の有機溶剤を含有し、該塗工液中の有機溶剤含量が、該塗工液の質量に対して0.2質量%以上12質量%以下であり、かつ該断熱層から該受容層のうち互いに隣接する層を水系同時塗布方式で塗布することを特徴とする請求項1に記載の感熱転写受像シートの製造方法。
  3. 少なくとも1種の前記有機溶剤が、水に対して10質量%以上溶解しうることを特徴とする請求項1または2に記載の感熱転写受像シートの製造方法。
  4. 少なくとも1種の前記有機溶剤が、炭素数5以下の1価の低級アルコール類であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の感熱転写受像シートの製造方法。
  5. 前記断熱層が少なくとも1種類の中空ポリマー粒子を含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の感熱転写受像シートの製造方法。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の製造方法で製造されたことを特徴とする感熱転写受像シート。
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