JP2017217844A - 昇華転写用受像シート - Google Patents

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Abstract

【課題】高温高湿環境下にて、十分な画質が得られる昇華転写用受像シートを提供する。【解決手段】基材2と、基材2の一方の面2a上に順に積層された断熱層3および染料受容層4と、を備え、断熱層3は中空粒子を含有し、染料受容層4は、ガラス転移温度(Tg)が40℃以上50℃以下の塩化ビニル−アクリル酸エステル共重合体(A)と、ガラス転移温度(Tg)が0℃以下の樹脂(B)と、を含み、塩化ビニル−アクリル酸エステル共重合体(A)と樹脂(B)との質量比((B)/(A))が、0.5/99.5〜25.0/75.0である昇華転写用受像シート1。【選択図】図1

Description

本発明は、昇華転写用受像シートに関する。
一般に、熱転写記録媒体は、熱転写方式プリンタで用いられる、いわゆるサーマルリボンと呼ばれるインクリボンのことである。このインクリボンは、例えば、基材と、その基材の一方の面に設けられたインクを含む熱転写層と、その基材の他方の面に設けられた耐熱滑性層(バックコート層)と、を備える。熱転写方式プリンタでは、インクリボンの熱転写層にサーマルヘッドで発生する熱を加えることにより、熱転写層に含まれるインクを昇華(昇華転写方式)あるいは溶融(溶融転写方式)させて、そのインクを熱転写受像シートに転写し、その熱転写受像シートにインクからなる膜を形成する。このインクからなる膜によって、熱転写受像シートに文字や画像が形成される。
熱転写方式プリンタの中でも昇華転写方式プリンタは、プリンタの高機能化により各種画像を簡便にフルカラーで形成することができるため、デジタルカメラのセルフプリント、身分証明書等のカード類の印刷、アミューズメント用出力物の印刷等に広く利用されている。このような熱転写方式プリンタの多様化に伴って、プリンタの小型化、高速化および低コスト化や、得られる印画物の耐久性が求められている。近年、基材の同一面側に、複数の熱転写層と印画物への耐久性を付与する保護層等とが、互いに重ならないように設けられた昇華転写用記録媒体が普及している。
そのような状況の中、熱転写方式プリンタの用途の多様化と普及拡大に伴って、環境面への配慮から、インクに有機溶剤を含まない昇華転写用受像シートが求められている。昇華転写用受像シートでは、従来、断熱層として発泡フィルムが用いられていたが、環境保全の観点から、中空粒子を含む断熱層の検討が進められている。
しかしながら、インクに有機溶剤を用いる代わりに、エマルジョンを用いた場合、エマルジョンがインクの膜を形成し難いため、十分な画質の印画を行えないことが確認されている。
このような問題を解決するために、例えば、ガラス転移温度(Tg)が60℃〜80℃である水分散型共重合ポリエステルに、ガラス転移温度(Tg)が−40℃〜40℃である水性ウレタン樹脂等を添加することが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許第4368329号公報
しかしながら、特許文献1に記載されている熱転写受像シートを用いて、高速印画プリンタにて高温高湿環境下で印画を行ったところ、画質が十分ではない上に、印画物の保存後に画質不良が発生するという課題があった。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、高温高湿環境下にて、十分な画質が得られる昇華転写用受像シートを提供することを目的とする。
本発明者らは、昇華転写用受像シートを構成する染料受容層の材料と、その材料の配合比とを規定することによって、上記課題を達成することを見出し、本発明を完成するに至った。
上記課題を解決するため、本発明の一態様に係る昇華転写用受像シートは、基材と、該基材の一方の面上に順に積層された断熱層および染料受容層と、を備え、前記断熱層は中空粒子を含有し前記染料受容層は、ガラス転移温度(Tg)が40℃以上50℃以下の塩化ビニル−アクリル酸エステル共重合体(A)と、ガラス転移温度(Tg)が0℃以下の樹脂(B)と、を含み、前記塩化ビニル−アクリル酸エステル共重合体(A)と前記樹脂(B)との質量比((B)/(A))が、0.5/99.5〜25.0/75.0であることを特徴とする。
上記本発明の一態様に係る昇華転写用受像シートにおいて、前記樹脂(B)は、塩化ビニル−アクリル酸エステル共重合体であってもよい。
上記本発明の一態様に係る昇華転写用受像シートにおいて、前記塩化ビニル−アクリル酸エステル共重合体(A)と前記樹脂(B)との質量比((B)/(A))が、1.0/99.0〜7.0/93.0であってもよい。
上記本発明の一態様に係る昇華転写用受像シートにおいて、前記染料受容層は、前記塩化ビニル−アクリル酸エステル共重合体(A)および前記樹脂(B)と、硬化剤とに基づく化学結合を含んでいてもよい。
上記本発明の一態様に係る昇華転写用受像シートにおいて、前記染料受容層は、前記塩化ビニル−アクリル酸エステル共重合体(A)と前記樹脂(B)から構成されていてもよい。
本発明によれば、高温高湿環境下にて、十分な画質が得られる昇華転写用受像シートを提供することができる。
本発明の実施形態に係る昇華転写用受像シートを模式的に示す断面図である。
本発明の昇華転写用受像シートの実施の形態について説明する。
なお、本実施の形態は、発明の趣旨をより良く理解させるために具体的に説明するものであり、特に指定のない限り、本発明を限定するものではない。
[昇華転写用受像シート]
図1は、本発明の実施形態に係る昇華転写用受像シートを模式的に示す断面図である。
本実施形態に係る昇華転写用受像シート1は、基材2と、基材2の一方の面2a上に順に積層された断熱層3および染料受容層4と、を備える。
基材2としては、特に限定されず、従来公知のものが用いられる。基材2としては、例えば、合成樹脂からなるフィルム、上質紙、中質紙、コート紙、アート紙、樹脂ラミネート紙等が挙げられる。合成樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレート等のポリエステル、ポリプロピレンやポリエチレン等のポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリビニルアルコール、ポリスチレン、ポリアミド等が挙げられる。基材2としては、これらのフィルムや紙の1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて複合体として用いてもよい。
基材2の厚さは、25μm以上250μm以下であることが好ましく、50μm以上200μm以下であることがより好ましい。
基材2の厚さが上記の範囲内であれば、印刷物を形成した場合に、その印刷物に要求される弾力性、強度および耐熱性が十分に得られる。
断熱層3は、中空粒子と、樹脂と、を含む。
中空粒子としては、特に限定されず、従来公知のものが用いられる。中空粒子としては、例えば、粒子内部に多数の微細な空洞を有するアクリル系多孔粒子、中空構造を持つシリカ粒子(中空シリカ)等が挙げられる。
中空粒子の平均粒子径は、0.3μm以上5.0μm以下であることが好ましく、0.5μm以上2.0μm以下であることがより好ましい。中空粒子の平均粒子径は、粒度分布測定装置を用い、レーザー回折法により測定することができる。
断熱層3を構成する樹脂は、断熱層3を構成する中空粒子同士の隙間を埋めて、中空粒子同士を結着させ、また、基材2と断熱層3とを接合する。
このような樹脂としては、特に限定されず、従来公知のものが用いられる。樹脂としては、例えば、ゼラチン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、スチレンブタジエンラテックス、アクリル、ポリエステル等が挙げられる。
中空粒子(a)と樹脂(b)との質量比((b)/(a))が、50/50〜2/98であることが好ましく、70/30〜95/5であることがより好ましい。
中空粒子(a)の質量比が50以上であれば、断熱層3には十分な断熱性が得られ、熱転写時に基材2が熱変形したり、溶融したりすることがなく、十分な画質が得られる。一方、中空粒子(a)の質量比が95以下であれば、十分な強度が得られる。
断熱層3の厚さは、5μm以上100μm以下であることが好ましく、10μm以上60μm以下程度であることがより好ましい。
断熱層3の厚さが5μm以上であれば、断熱層3には十分な断熱性が得られる。一方、断熱層3の厚さが100μm以下であれば、印刷物を形成した場合に、その印刷物に要求される弾力性が得られる。
断熱層3の密度は、0.15g/cm〜0.85g/cmであることが好ましく、0.3g/cm〜0.7g/cmであることがより好ましい。
断熱層3の密度が0.15g/cm以上であれば、断熱層3における中空粒子の含有率が多くなり過ぎて、断熱層3の凝集力が低下し、基材2に対する断熱層3の密着性が低下することがない上に、断熱層3には十分な断熱性が得られる。一方、断熱層3の密度が0.85g/cm以下であれば、断熱層3には適度に中空粒子が含まれるため、断熱層3には十分な断熱性が得られる。
なお、図1には、断熱層3が1層から構成される場合を例示したが、本実施形態の昇華転写用受像シート1はこれに限定されない。本実施形態の昇華転写用受像シート1では、断熱層3が、中空粒子の種類や、中空粒子と樹脂の質量比が互いに異なる2層以上から構成されていてもよい。
染料受容層4は、ガラス転移温度(Tg)が40℃以上50℃以下の塩化ビニル−アクリル酸エステル共重合体(A)と、ガラス転移温度(Tg)が0℃以下の樹脂(B)と、を含む。
ここで、ガラス転移温度(Tg)とは、減圧乾燥して固形化した試料(ガラス転移温度(Tg)が40℃以上50℃以下の塩化ビニル−アクリル酸エステル共重合体(A)、ガラス転移温度(Tg)が0℃以下の樹脂(B))を、示差走査熱量測定(Differential Scanning Calorimeter、DSC)にて測定したものである。
ガラス転移温度(Tg)が40℃以上50℃以下の塩化ビニル−アクリル酸エステル共重合体(A)としては、特に限定されず、従来公知のものが用いられる。ガラス転移温度(Tg)が40℃以上50℃以下の塩化ビニル−アクリル酸エステル共重合体(A)としては、例えば、塩化ビニルモノマーと、(メタ)アクリルモノマー((メタ)アクリル酸エステル)とを従来公知の方法で重合して得られたものが用いられる。
(メタ)アクリル酸エステルは、アクリル酸エステルとメタクリル酸エステルを含む。
アクリル酸エステルとしては、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸ヒドロキシエチル、アクリル酸−2−ヒドロキシプロピル等が挙げられる。
メタクリル酸エステルとしては、例えば、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸グリシジル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸プロピル等が挙げられる。
染料受容層4が、ガラス転移温度(Tg)が40℃以上50℃以下の塩化ビニル−アクリル酸エステル共重合体(A)を含むことにより、染料受像層4は発色性に優れたものとなる。
染料受容層4が、ガラス転移温度(Tg)が0℃以下の樹脂(B)を含むことにより、染料受容層4を十分に形成することができる。しかしながら、染料受容層4が、ガラス転移温度(Tg)が50℃を超える塩化ビニル−アクリル酸エステル共重合体を含む場合、ガラス転移温度(Tg)が0℃以下の樹脂を含んだとしても、染料受容層4を十分に形成することができない。なお、ガラス転移温度(Tg)が50℃を超える塩化ビニル−アクリル酸エステル共重合体を用いて染料受容層4を形成するために、過剰な乾燥を施した場合、基材2の表面性の悪化や、基材2の収縮によるカール、断熱層3のひび割れ等の不具合が生じるため、染料受容層4を形成することは難しいと判断した。さらに、ガラス転移温度(Tg)が50℃を超える塩化ビニル−アクリル酸エステル共重合体は、黄色みを帯びることも確認されている。従って、染料受像層4が、ガラス転移温度(Tg)が50℃を超える塩化ビニル−アクリル酸エステル共重合体を含むと、染料受像層4の発色性が悪くなる。
ガラス転移温度(Tg)が0℃以下の樹脂(B)としては、特に限定されず、従来公知のものが用いられる。ガラス転移温度(Tg)が0℃以下の樹脂(B)としては、例えば、ポリエステル、塩化ビニル−アクリル酸エステル共重合体、アクリル、ウレタン、スチレンブタジエンラテックス、アクリルブタジエンラテックス等が用いられる。
染料受容層4が、ガラス転移温度(Tg)が0℃以下の樹脂(B)を含むことにより、染料受容層4を十分に形成することができる。そのため、印画熱により、エマルジョンを含むインクの膜の形成状態の変化を防ぐことができる。理由は定かではないが、高温高湿環境下では、エマルジョンを含むインクの膜の形成状態による画質不良が発生しやすい。本実施形態では、染料受容層4が、ガラス転移温度(Tg)が0℃以下の樹脂(B)を含むことにより、十分な画質が得られると考えられる。また、インクの膜の形成状態に起因していると考えられる印画物の保存後の画質不良(割れや亀裂)も防ぐことができる。さらに、染料受容層4が、ガラス転移温度(Tg)が0℃以下の樹脂(B)を含むことにより、染料受容層4を乾燥したときに割れや亀裂が生じることを防ぐことができる上に、染料受容層4と断熱層3の密着性も向上することができる。
染料受容層4において、ガラス転移温度(Tg)が40℃以上50℃以下の塩化ビニル−アクリル酸エステル共重合体(A)とガラス転移温度(Tg)が0℃以下の樹脂(B)との質量比((B)/(A))は、0.5/99.5〜25.0/75.0であることが好ましく、1.0/99.0〜7.0/93.0であることがより好ましい。
ガラス転移温度(Tg)が0℃以下の樹脂(B)の質量比が0.5以上であれば、高温高湿環境下にて、十分な画質が得られる。また、印画物の保存後の画質不良(割れや亀裂)も防ぐことができる。一方、ガラス転移温度(Tg)が0℃以下の樹脂(B)の質量比が25.0以下であれば、高温高湿環境下にて、十分な画質が得られる。
染料受容層4は、ガラス転移温度(Tg)が40℃以上50℃以下の塩化ビニル−アクリル酸エステル共重合体(A)およびガラス転移温度(Tg)が0℃以下の樹脂(B)と、硬化剤とに基づく化学結合を含むことが好ましい。染料受容層4に含まれる化学結合は、硬化剤と、ガラス転移温度(Tg)が40℃以上50℃以下の塩化ビニル−アクリル酸エステル共重合体(A)およびガラス転移温度(Tg)が0℃以下の樹脂(B)とを反応させることによって形成される。染料受容層4がこのような化学結合を含むことにより、染料受容層4の機械的強度が向上し、十分な画質が得られ、印画物の保存後の画質不良も防ぐことができる。
硬化剤としては、例えば、アジリジン、イソシアネート、オキサゾリン、エポキシ等が挙げられる。
染料受容層4は、離型剤を含むことが好ましい。
離型剤としては、例えば、シリコーン系、フッ素系、リン酸エステル系等の各種オイルや、エマルジョン、界面活性剤、金属酸化物、シリカ等の各種フィラー、ワックス類等が挙げられる。これらの離型剤の中でもシリコーンオイルを用いることが好ましい。
これらの離型剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
染料受容層4には、必要に応じて、コロイダルシリカ、無機高分子、樹脂、レベリング剤、界面活性剤等の添加剤を添加してもよい。
染料受容層4は、ガラス転移温度が40℃以上50℃以下の塩化ビニル−アクリル酸エステル共重合体(A)と、ガラス転移温度が0℃以下の樹脂(B)とからなること、すなわち、ガラス転移温度が40℃以上50℃以下の塩化ビニル−アクリル酸エステル共重合体(A)と、ガラス転移温度が0℃以下の樹脂(B)とのみから構成されることが好ましい。
染料受容層4の厚さは、0.1μm以上10μm以下であることが好ましく、0.2μm以上8μm以下であることがより好ましい。
染料受容層4の厚さが0.1μm以上であれば、染料受容層4に十分な機械的強度が得られるため、画質不良が生じ難くなる。一方、染料受容層4の厚さが10μm以下であれば、コストメリットが大きい。
また、本実施形態の昇華転写用受像シート1は、基材2と断熱層3の接着性を改善するために、基材2と断熱層3の間に接着層を設けてもよい。
接着層を形成する材料としては、特に限定されず、従来公知のものが用いられる。接着層を形成する材料としては、例えば、ポリエチレン等のポリオレフィン系樹脂、ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂等が挙げられる。これらの中でも、ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂が好ましい。
また、本実施形態の昇華転写用受像シート1には、基材2における断熱層3が設けられている面(一方の面)2aとは反対の面(他方の面)2b側に、裏面層が設けられていてもよい。
この裏面層は、プリンタ搬送性の向上や、染料受容層4とのブロッキング防止、印画前後の昇華転写用受像シート1のカール防止のために設けられる。
裏面層を形成する材料としては、特に限定されず、従来公知のものが用いられる。裏面層を形成する材料としては、例えば、ポリエチレン樹脂やポリプロピレン樹脂等のポリオレフィン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアミド等のバインダ樹脂等が挙げられる。
また、裏面層を形成する材料には、必要に応じて、フィラーや帯電防止剤等の公知の添加剤を添加してもよい。
また、本実施形態の昇華転写用受像シート1には、断熱層3と染料受容層4の間に、本実施形態の昇華転写用受像シート1の性能を損なわない範囲で下引き層が設けられていてもよい。
下引き層の厚さは、0.1μm以上6μm以下であることが好ましく、0.2μm以上5μm以下であることがより好ましい。
下引き層の厚さが0.1μm以上であれば、下引き層の膜厚調整が容易であるばかりではなく、印画濃度にバラツキが生じ難い。また、下引き層と、断熱層3および染料受容層4との密着性が十分となる。一方、下引き層の厚さが6μm以下であれば、高速印画時における印画濃度が低下することがない。また、コスト面の観点からも、下引き層の厚さは6μm以下であることが好ましい。
下引き層に用いられる樹脂としては従来公知のもので対応でき、例えば、ゼラチンやポリビニルアルコール、アクリル、ポリエステル、スチレンブタジエンラテックス、ポリビニルピロリドン等が挙げられる。
本実施形態の昇華転写用受像シート1によれば、断熱層が中空粒子を含有し、染料受容層が、ガラス転移温度(Tg)が40℃以上50℃以下の塩化ビニル−アクリル酸エステル共重合体(A)と、ガラス転移温度(Tg)が0℃以下の樹脂(B)と、を含み、塩化ビニル−アクリル酸エステル共重合体(A)と樹脂(B)との質量比((B)/(A))が、0.5/99.5〜25.0/75.0であるため、高温高湿環境下にて、十分な画質が得られる。
以下、実施例および比較例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
なお、文中で「部」とあるのは、特に断りのない限り質量基準である。
[実施例1]
基材として厚さ140μmの上質紙を用い、その一方の面に、溶融押し出し法により、厚さ30μmの第1のポリエチレン樹脂層を形成した。さらに、その上質紙の他方の面に、溶融押し出し法により、厚さ40μmの第2のポリエチレン樹脂層を形成した。
次に、第2のポリエチレン樹脂層の上に、下記の組成からなる断熱層塗布液を、乾燥後の厚さが20μmとなるように塗布して塗膜を形成し、その塗膜を乾燥することにより、断熱層を形成した。
「断熱層塗布液」
中空粒子(スチレンアクリル、粒径0.3μm、固形分30質量%):90.0質量部
ポリビニルアルコール(商品名:PVA−117、クラレ社製):10.0質量部
その後、断熱層(3)の上に、下記の組成の染料受容層塗布液−1を、乾燥後の厚さが3μmとなるように塗布して塗膜を形成し、その塗膜を乾燥することにより、染料受容層を形成し、実施例1の昇華転写用受像シートを得た。
「染料受容層塗布液−1」
ポリエステル(商品名:バイロナールMD−1930、東洋紡社製、Tg:−10℃、固形分31質量%):7.6質量部
塩化ビニル−アクリル酸エステル共重合体(商品名:ビニブラン690、日信化学工業社製、Tg:46℃、固形分54質量%):50.3質量部
シリコーンオイル(商品名:KF−354L、信越化学工業社製): 0.5質量部
純水:41.6質量部
Tgが46℃の塩化ビニル−アクリル酸エステル共重合体(表1にて樹脂(A)と記す。):Tgが−10℃のポリエステル(表1にて樹脂(B)と記す。)=92.0:8.0(質量比)
[実施例2]
染料受容層を、下記の組成の染料受容層塗布液−2を用いて形成したこと以外は、実施例1と同様にして、実施例2の昇華転写用受像シートを得た。
なお、Tgが40℃の塩化ビニル−アクリル酸エステル共重合体は、乳化剤および重合開始剤を用いて、塩化ビニルモノマー:アクリル酸ブチルモノマー=7:3(質量比)の比率で乳化重合することで合成した。
「染料受容層塗布液−2」
塩化ビニル−アクリル酸エステル共重合体(商品名:ビニブラン271、日信化学工業社製、Tg:−3℃、固形分43質量%):5.5質量部
塩化ビニル−アクリル酸エステル共重合体(Tg:40℃、固形分50質量%):54.3質量部
シリコーンオイル(商品名:KF−354L、信越化学工業社製):0.5質量部
純水:39.7質量部
Tgが40℃の塩化ビニル−アクリル酸エステル共重合体(表1にて樹脂(A)と記す。):Tgが−3℃の塩化ビニル−アクリル酸エステル共重合体(表1にて「塩ビアクリル」と略記する。また、樹脂(B)と記す。)=92.0:8.0(質量比)
[実施例3]
染料受容層を、下記の組成の染料受容層塗布液−3を用いて形成したこと以外は、実施例1と同様にして、実施例3の昇華転写用受像シートを得た。
なお、Tgが50℃の塩化ビニル−アクリル酸エステル共重合体は、乳化剤および重合開始剤を用いて、塩化ビニルモノマー:アクリル酸ヒドロキシエチルモノマー=7:3(質量比)の比率で乳化重合することで合成した。
「染料受容層塗布液−3」
塩化ビニル−アクリル酸エステル共重合体(商品名:ビニブラン271、日信化学工業社製、Tg:−3℃、固形分43質量%):5.5質量部
塩化ビニル−アクリル酸エステル共重合体(Tg:50℃、固形分50質量%):54.3質量部
シリコーンオイル(商品名:KF−354L、信越化学工業社製):0.5質量部
純水:39.7質量部
Tgが50℃の塩化ビニル−アクリル酸エステル共重合体(表1にて樹脂(A)と記す。):Tgが−3℃の塩化ビニル−アクリル酸エステル共重合体(表1にて「塩ビアクリル」と略記する。また、樹脂(B)と記す。)=92.0:8.0(質量比)
[実施例4]
染料受容層を、下記の組成の染料受容層塗布液−4を用いて形成したこと以外は、実施例1と同様にして、実施例4の昇華転写用受像シートを得た。
「染料受容層塗布液−4」
塩化ビニル−アクリル酸エステル共重合体(商品名:ビニブラン271、日信化学工業社製、Tg:−3℃、固形分43質量%):5.5質量部
塩化ビニル−アクリル酸エステル共重合体(商品名:ビニブラン690、日信化学工業社製、Tg:46℃、固形分54質量%):50.3質量部
シリコーンオイル(商品名:KF−354L、信越化学工業社製):0.5質量部
純水:43.8質量部
Tgが46℃の塩化ビニル−アクリル酸エステル共重合体(表1にて樹脂(A)と記す。):Tgが−3℃の塩化ビニル−アクリル酸エステル共重合体(表1にて「塩ビアクリル」と略記する。また、樹脂(B)と記す。)=92.0:8.0(質量比)
[実施例5]
染料受容層を、下記の組成の染料受容層塗布液−5を用いて形成したこと以外は、実施例1と同様にして、実施例5の昇華転写用受像シートを得た。
「染料受容層塗布液−5」
塩化ビニル−アクリル酸エステル共重合体(商品名:ビニブラン271、日信化学工業社製、Tg:−3℃、固形分43質量%):17.2質量部
塩化ビニル−アクリル酸エステル共重合体(商品名:ビニブラン690、日信化学工業社製、Tg:46℃、固形分54質量%):41.0質量部
シリコーンオイル(商品名:KF−354L、信越化学工業社製):0.5質量部
純水:41.4質量部
Tgが46℃の塩化ビニル−アクリル酸エステル共重合体(表1にて樹脂(A)と記す。):Tgが−3℃の塩化ビニル−アクリル酸エステル共重合体(表1にて「塩ビアクリル」と略記する。また、樹脂(B)と記す。)=75.0:25.0(質量比)
[実施例6]
染料受容層を、下記の組成の染料受容層塗布液−6を用いて形成したこと以外は、実施例1と同様にして、実施例6の昇華転写用受像シートを得た。
「染料受容層塗布液−6」
塩化ビニル−アクリル酸エステル共重合体(商品名:ビニブラン271、日信化学工業社製、Tg:−3℃、固形分43質量%):0.3質量部
塩化ビニル−アクリル酸エステル共重合体(商品名:ビニブラン690、日信化学工業社製、Tg:46℃、固形分54質量%):54.4質量部
シリコーンオイル(商品名:KF−354L、信越化学工業社製):0.5質量部
純水:44.8質量部
Tgが46℃の塩化ビニル−アクリル酸エステル共重合体(表1にて樹脂(A)と記す。):Tgが−3℃の塩化ビニル−アクリル酸エステル共重合体(表1にて「塩ビアクリル」と略記する。また、樹脂(B)と記す。)=99.5:0.5(質量比)
[実施例7]
染料受容層を、下記の組成の染料受容層塗布液−7を用いて形成したこと以外は、実施例1と同様にして、実施例7の昇華転写用受像シートを得た。
「染料受容層塗布液−7」
塩化ビニル−アクリル酸エステル共重合体(商品名:ビニブラン271、日信化学工業社製、Tg:−3℃、固形分43%):0.7質量部
塩化ビニル−アクリル酸エステル共重合体(商品名:ビニブラン690、日信化学工業社製、Tg:46℃、固形分54質量%):54.1質量部
シリコーンオイル(商品名:KF−354L、信越化学工業社製):0.5質量部
純水:44.7質量部
Tgが46℃の塩化ビニル−アクリル酸エステル共重合体(表1にて樹脂(A)と記す。):Tgが−3℃の塩化ビニル−アクリル酸エステル共重合体(表1にて「塩ビアクリル」と略記する。また、樹脂(B)と記す。)=99.0:1.0(質量比)
[実施例8]
染料受容層を、下記の組成の染料受容層塗布液−8を用いて形成したこと以外は、実施例1と同様にして、実施例8の昇華転写用受像シートを得た。
「染料受容層塗布液−8」
塩化ビニル−アクリル酸エステル共重合体(商品名:ビニブラン271、日信化学工業社製、Tg:−3℃、固形分43質量%):4.8質量部
塩化ビニル−アクリル酸エステル共重合体(商品名:ビニブラン690、日信化学工業社製、Tg:46℃、固形分54質量%):50.8質量部
シリコーンオイル(商品名:KF−354L、信越化学工業社製):0.5質量部
純水:43.9質量部
Tgが46℃の塩化ビニル−アクリル酸エステル共重合体(表1にて樹脂(A)と記す。):Tgが−3℃の塩化ビニル−アクリル酸エステル共重合体(表1にて「塩ビアクリル」と略記する。また、樹脂(B)と記す。)=93.0:7.0(質量比)
[実施例9]
染料受容層を、下記の組成の染料受容層塗布液−9を用いて形成したこと以外は、実施例1と同様にして、実施例9の昇華転写用受像シートを得た。
「染料受容層塗布液−9」
塩化ビニル−アクリル酸エステル共重合体(商品名:ビニブラン271、日信化学工業社製、Tg:−3℃、固形分43質量%):2.7質量部
塩化ビニル−アクリル酸エステル共重合体(商品名:ビニブラン690、日信化学工業社製、Tg:46℃、固形分54質量%):52.4質量部
硬化剤(商品名:エポクロスWS−500、日本触媒社製):0.2質量部
シリコーンオイル(商品名:KF−354L、信越化学工業社製):0.5質量部
純水:44.1質量部
Tgが46℃の塩化ビニル−アクリル酸エステル共重合体(表1にて樹脂(A)と記す。):Tgが−3℃の塩化ビニル−アクリル酸エステル共重合体(表1にて「塩ビアクリル」と略記する。また、樹脂(B)と記す。)=96.0:4.0(質量比)
[比較例1]
染料受容層を、下記の組成の染料受容層塗布液−10を用いて形成したこと以外は、実施例1と同様にして、比較例1の昇華転写用受像シートを得た。
「染料受容層塗布液−10」
塩化ビニル−アクリル酸エステル共重合体(商品名:ビニブラン271、日信化学工業社製、Tg:−3℃、固形分43質量%):2.7質量部
塩化ビニル−アクリル酸エステル共重合体(商品名:ビニブラン902、日信化学工業社製、Tg:60℃、固形分50質量%):56.6質量部
シリコーンオイル(商品名:KF−354L、信越化学工業社製):0.5質量部
純水:40.1質量部
Tgが60℃の塩化ビニル−アクリル酸エステル共重合体(表1にて樹脂(A)と記す。):Tgが−3℃の塩化ビニル−アクリル酸エステル共重合体(表1にて「塩ビアクリル」と略記する。また、樹脂(B)と記す。)=96.0:4.0(質量比)
[比較例2]
染料受容層を、下記の組成の染料受容層塗布液−11を用いて形成したこと以外は、実施例1と同様にして、比較例2の昇華転写用受像シートを得た。
「染料受容層塗布液−11」
塩化ビニル−アクリル酸エステル共重合体(商品名:ビニブラン271、日信化学工業社製、Tg:−3℃、固形分43質量%):2.7質量部
塩化ビニル−アクリル酸エステル共重合体(商品名:ビニブラン278、日信化学工業社製、Tg:33℃、固形分50質量%):65.9質量部
シリコーンオイル(商品名:KF−354L、信越化学工業社製):0.5質量部
純水:30.9質量部
Tgが33℃の塩化ビニル−アクリル酸エステル共重合体(表1にて樹脂(A)と記す。):Tgが−3℃の塩化ビニル−アクリル酸エステル共重合体(表1にて「塩ビアクリル」と略記する。また、樹脂(B)と記す。)=96.0:4.0(質量比)
[比較例3]
染料受容層を、下記の組成の染料受容層塗布液−12を用いて形成したこと以外は、実施例1と同様にして、比較例3の昇華転写用受像シートを得た。
「染料受容層塗布液−12」
塩化ビニル−アクリル酸エステル共重合体(商品名:ビニブラン271、日信化学工業社製、Tg:−3℃、固形分43質量%):20.6質量部
塩化ビニル−アクリル酸エステル共重合体(商品名:ビニブラン690、日信化学工業社製、Tg:46℃、固形分54質量%):38.2質量部
シリコーンオイル(商品名:KF−354L、信越化学工業社製):0.5質量部
純水:40.7質量部
Tgが46℃の塩化ビニル−アクリル酸エステル共重合体(表1にて樹脂(A)と記す。):Tgが−3℃の塩化ビニル−アクリル酸エステル共重合体(表1にて「塩ビアクリル」と略記する。また、樹脂(B)と記す。)=70.0:30.0(質量比)
[比較例4]
染料受容層を、下記の組成の染料受容層塗布液−13を用いて形成したこと以外は、実施例1と同様にして、比較例4の昇華転写用受像シートを得た。
「染料受容層塗布液−13」
塩化ビニル−アクリル酸エステル共重合体(商品名:ビニブラン271、日信化学工業社製、Tg:−3℃、固形分43質量%):0.2質量部
塩化ビニル−アクリル酸エステル共重合体(商品名:ビニブラン690、日信化学工業社製、Tg:46℃、固形分54質量%):54.5質量部
シリコーンオイル(商品名:KF−354L、信越化学工業社製):0.5質量部
純水:44.8質量部
Tgが46℃の塩化ビニル−アクリル酸エステル共重合体(表1にて樹脂(A)と記す。):Tgが−3℃の塩化ビニル−アクリル酸エステル共重合体(表1にて「塩ビアクリル」と略記する。また、樹脂(B)と記す。)=99.7:0.3(質量比)
[比較例5]
染料受容層を、下記の組成の染料受容層塗布液−14を用いて形成したこと以外は、実施例1と同様にして、比較例5の昇華転写用受像シートを得た。
「染料受容層塗布液−14」
ポリエステル(商品名:バイロナールMD−1335、東洋紡社製、Tg:4℃、固形分30質量%):7.9質量部
塩化ビニル−アクリル酸エステル共重合体(商品名:ビニブラン690、日信化学工業社製、Tg:46℃、固形分54質量%):50.3質量部
シリコーンオイル(商品名:KF−354L、信越化学工業社製):0.5質量部
純水:41.4質量部
Tgが46℃の塩化ビニル−アクリル酸エステル共重合体(表1にて樹脂(A)と記す。):Tgが4℃のポリエステル(表1にて樹脂(B)と記す。)=92.0:8.0(質量比)
[比較例6]
染料受容層を、下記の組成の染料受容層塗布液−15を用いて形成したこと以外は、実施例1と同様にして、比較例6の昇華転写用受像シートを得た。
「染料受容層塗布液−15」
塩化ビニル−アクリル酸エステル共重合体(商品名:ビニブラン271、日信化学工業社製、Tg:−3℃、固形分43質量%):5.5質量部
ポリエステル(商品名:バイロナールMD−1100、東洋紡社製、Tg:40℃、固形分30質量%):90.5質量部
シリコーンオイル(商品名:KF−354L、信越化学工業社製):0.5質量部
純水:3.5質量部
Tgが40℃のポリエステル(表1にて樹脂(A)と記す。):Tgが−3℃の塩化ビニル−アクリル酸エステル共重合体(表1にて「塩ビアクリル」と略記する。また、樹脂(B)と記す。)=92.0:8.0(質量比)
[熱転写記録媒体の作製]
基材として、厚さ4.5μmの片面易接着処理付きポリエチレンテレフタレートフィルムを用い、その非易接着処理面に下記の組成の耐熱滑性層塗布液を、乾燥後の塗布量が1.0g/mとなるように塗布、乾燥し、耐熱滑性層付き基材を得た。
次に、耐熱滑性層付き基材の易接着処理面に、下記の組成の熱転写層塗布液を、乾燥後の塗布量が1.0g/mとなるように塗布、乾燥して熱転写層を形成し、熱転写記録媒体を得た。
「耐熱滑性層塗布液」
シリコーン系アクリルグラフトポリマー(商品名:US−350、東亜合成社製):50.0質量部
メチルエチルケトン:50.0質量部
「熱転写層塗布液」
C.I.ソルベントブルー36:2.5質量部
C.I.ソルベントブルー63:2.5質量部
ポリビニルアセタール樹脂:5.0質量部
トルエン:45.0質量部
メチルエチルケトン:45.0質量部
「印画評価」
(1)画質評価1(印画直後)
上記の熱転写記録媒体を用い、35℃、湿度80%の環境下にて、印画速度が1.5msec/line、解像度が300×300DPIの評価用サーマルプリンタにより、実施例1〜9および比較例1〜6の昇華転写用受像シートのそれぞれに、未印画からベタ部までのグラデーション画像の印画を行い、それぞれの印画物について、目視にて画質を評価した。
画質の評価を、以下の基準にて行った。結果を表1に示す。
◎:画質が非常に良好であり、光沢にムラ等も一切見られない
○:画質や光沢にムラがほとんど見られず良好である
△:実用上問題のない範囲でわずかに画質や光沢にムラがある
×:画質や光沢にムラがある
(2)画質評価2(1週間保存後)
画質評価1にて印画した印画物を50℃、湿度10%の環境下にて1週間保存し、保存後の印画物について、目視にて画質を評価した。
画質の評価を、以下の基準にて行った。結果を表1に示す。
◎:画質が非常に良好であり、顕微鏡でも亀裂が見られない
○:目視上亀裂が見られず、画質が良好である
△:実用上問題のない範囲でごくわずかに亀裂がある
×:亀裂がある
(3)最高反射濃度評価
上記の熱転写記録媒体を用い、印画速度が1.5msec/line、解像度が300×300DPIの評価用サーマルプリンタにより、実施例1〜9および比較例1〜6の昇華転写用受像シートのそれぞれに、ベタ画像の印画を行い、それぞれの印画について最高反射濃度を評価した。
最高反射濃度とは、ベタ印画時の濃度を示す。
また、最高反射濃度の評価は、反射分光濃度計X−Rite528にて行った。
最高反射濃度の評価を、以下の基準にて行った。結果を表1に示す。
◎:最高反射濃度が非常に高い
○:最高反射濃度が高い
△:最高反射濃度が実用上問題ない
×:最高反射濃度が低い
Figure 2017217844
表1の結果から、実施例1〜9の基材の一方の面上に断熱層および染料受容層を備える昇華転写用受像シートは、断熱層が中空粒子を含有し、染料受容層が、ガラス転移温度(Tg)が40℃以上50℃以下の塩化ビニル−アクリル酸エステル共重合体(A)と、ガラス転移温度(Tg)が0℃以下の樹脂(B)と、を含み、塩化ビニル−アクリル酸エステル共重合体(A)と樹脂(B)との質量比((B)/(A))が、0.5/99.5〜25.0/75.0であるため、印画直後の画質、保存後の画質および最高反射濃度に優れることが分かった。
実施例1と実施例4から、ガラス転移温度(Tg)が0℃以下の樹脂(B)としてポリエステルを用いるよりも、塩化ビニル−アクリル酸エステル共重合体を用いた方が、最高反射濃度が高くなることが分かった。
実施例4〜8から、ガラス転移温度(Tg)が0℃以下の樹脂(B)の含有率が高いほど、最高反射濃度に懸念が生じるものの、画質が良好になることが分かった。また、ガラス転移温度(Tg)が40℃以上50℃以下の塩化ビニル−アクリル酸エステル共重合体(A)の含有率が高い場合、保存後の画質に懸念が生じるものの、最高反射濃度が高くなることが分かった。特に、塩化ビニル−アクリル酸エステル共重合体(A)と樹脂(B)との質量比((B)/(A))が、1.0/99.0〜7.0/93.0の範囲が好ましいことが分かった。
実施例9から、硬化剤を添加することにより、画質および保存後の画質がさらに向上することが分かった。
これに対して、比較例1では、染料受容層にガラス転移温度(Tg)が50℃より大きい塩化ビニル−アクリル酸エステル共重合体を含むため、最高反射濃度はさらに向上したものの、保存後の画質が不十分であった。
比較例2では、ガラス転移温度(Tg)が40℃以上50℃以下の塩化ビニル−アクリル酸エステル共重合体を含まず、ガラス転移温度(Tg)が33℃の樹脂を含むため、最高反射濃度が不十分となることが分かった。
比較例3では、ガラス転移温度(Tg)が0℃以下の樹脂の比率が25を超えると、最高反射濃度が悪化することが分かった。
比較例4では、ガラス転移温度(Tg)が0℃以下の樹脂の比率が0.5未満では、保存後の画質が悪化することがわかった。
比較例5では、ガラス転移温度(Tg)が0℃以下の樹脂を含まず、ガラス転移温度(Tg)が4℃のポリエステルを含むため、画質および保存後の画質が不十分となることが分かった。
比較例6では、ガラス転移温度(Tg)が40℃以上50℃以下の塩化ビニル−アクリル酸エステル共重合体を含まず、ガラス転移温度(Tg)が40℃のポリエステルを含むため、最高反射濃度が不十分となることが分かった。
本発明の昇華転写用受像シートは、昇華転写方式のプリンタに適用することができ、プリンタの高速・高機能化と併せて、各種画像を簡便にフルカラー形成できるため、デジタルカメラのセルフプリント、身分証明書等のカード類、アミューズメント用出力物等に広く利用することができる。
1・・・昇華転写用受像シート
2・・・基材
3・・・断熱層
4・・・染料受容層

Claims (5)

  1. 基材と、該基材の一方の面上に順に積層された断熱層および染料受容層と、を備え、
    前記断熱層は中空粒子を含有し、
    前記染料受容層は、ガラス転移温度(Tg)が40℃以上50℃以下の塩化ビニル−アクリル酸エステル共重合体(A)と、ガラス転移温度(Tg)が0℃以下の樹脂(B)と、を含み、
    前記塩化ビニル−アクリル酸エステル共重合体(A)と前記樹脂(B)との質量比((B)/(A))が、0.5/99.5〜25.0/75.0であることを特徴とする昇華転写用受像シート。
  2. 前記樹脂(B)は、塩化ビニル−アクリル酸エステル共重合体であることを特徴とする請求項1に記載の昇華転写用受像シート。
  3. 前記塩化ビニル−アクリル酸エステル共重合体(A)と前記樹脂(B)との質量比((B)/(A))が、1.0/99.0〜7.0/93.0であることを特徴とする請求項1または2に記載の昇華転写用受像シート。
  4. 前記染料受容層は、前記塩化ビニル−アクリル酸エステル共重合体(A)および前記樹脂(B)と、硬化剤とに基づく化学結合を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の昇華転写用受像シート。
  5. 前記染料受容層は、前記塩化ビニル−アクリル酸エステル共重合体(A)と前記樹脂(B)からなることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の昇華転写用受像シート。
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