JP2007272208A - 光拡散シートおよび光拡散板、ならびにそれらを用いたバックライトユニットおよび液晶表示装置 - Google Patents

光拡散シートおよび光拡散板、ならびにそれらを用いたバックライトユニットおよび液晶表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】光拡散性や集光性に優れると共に、高い全光線透過率および輝度が得られるという基本的な光学特性を維持しながら、バックライトユニットの部材を削減することができ、しかも耐傷付性に優れる光拡散シートおよび光拡散板、ならびにそれらを用いたバックライトユニットおよび液晶表示装置を提供すること。
【解決手段】光拡散シート10および光拡散板は、透光性樹脂13に少なくとも1種類の微粒子群14を分散させた光拡散層Aを有し、該透光性樹脂13が無機超微粒子または有機無機複合超微粒子を含有する(メタ)アクリル系樹脂であり、かつ該光拡散層Aを構成する透光性樹脂13と少なくとも1種類の微粒子群14との屈折率差の絶対値が0.05以上である。バックライトユニットは、前記光拡散シート10および/または前記光拡散板を利用しており、液晶表示装置は、前記バックライトユニットを備えている。
【選択図】図1

Description

本発明は、光拡散シートおよび光拡散板、ならびにそれらを用いたバックライトユニットおよび液晶表示装置に関する。
現在、液晶表示装置は、携帯電話、PDA端末、デジタルカメラ、テレビ、パーソナルコンピュータ用ディスプレイ、ノートパソコンなどの幅広い分野で利用されている。液晶表示装置においては、例えば、液晶表示パネルの背後にバックライトユニットを配置し、このバックライトユニットからの光を液晶表示パネルに供給することにより、画像を表示する。このような液晶表示装置に用いられるバックライトユニットは、その表示画像を見やすくするために、液晶表示パネルに均一な光を供給するだけでなく、できるだけ多くの光を供給することが要求される。つまり、バックライトユニットは、光拡散性に優れると共に高い輝度が得られるという光学特性が要求される。
従来のバックライトユニットは、例えば、図14に示すように、光源141の他に、光源141から後方に出射した光を液晶表示パネル(図示せず)の方向(以下「正面方向」ということがある。)に反射する役割を果たす反射シート142;光源141(線光源)からの光を拡散し、面光源とすると共に、光源の形状を消す役割を果たす光拡散板143;光拡散板143を通過した光をさらに拡散し、光源の形状を消すと共に、光を正面方向に集光し、輝度を向上させる役割を果たす光拡散シート144;光拡散シート144を通過した光を正面方向に集光し、輝度を向上させる役割を果たすプリズムシート145;などの多くの部材から構成されている。図14のバックライトユニット140では、光拡散シートおよびプリズムシートを各々1枚ずつ示したが、通常、バックライトユニットには、高い輝度を得るために、複数枚の光拡散シートおよびプリズムシートが用いられる。
ここで、従来の光拡散板は、例えば、図15に示すように、例えば、ポリメチルメタクリレート、MS樹脂、ポリカーボネート、環状ポリオレフィンなどの透明熱可塑性樹脂151にシリコーン系樹脂やアクリル系樹脂などの微粒子群152を混練した組成物を板状に押出成形したものやキャスト成形したものが用いられている。図15に示す光拡散板150は、透明熱可塑性樹脂151に分散させた微粒子群152により光を拡散する。また、従来の光拡散シートは、例えば、図16に示すように、ポリエチレンテレフタレートフィルムなどの透明フィルム161の表面に、透光性樹脂162に微粒子群163を混練した組成物を直接コーティングしたものが用いられている。図16に示す光拡散シート160では、光拡散層164において、透光性樹脂162に完全に埋設された微粒子群により光を拡散し、透光性樹脂162から部分的に突出した微粒子群により光を正面方向に集光する。さらに、従来のプリズムシートは、図示していないが、例えば、ポリエステルフィルムの表面にアクリル系樹脂のプリズムパターンを均一に精密成形したものが用いられている。
しかし、図14に示す従来のバックライトユニットのように、部材の数が多いと、組み立てに要するコストが高くなる。また、光源からの光が液晶表示パネルに到達するまでに多くの部材を通過するので、光線の損失が生じ、全光線透過率や輝度が低下する。その結果、例えば、輝度を向上させるために、光源の数を増やしたり、光源の電力を高くしたりすることが必要となっている。さらに、輝度を向上するために複数枚のプリズムシートや光拡散シートを重ねると、シート間における光の干渉に起因するモアレが生じ、表示画像の画質が低下するという問題がある。それゆえ、バックライトユニットの構成において、全光線透過率や輝度を低下させることなく、また、光の干渉を起こすことなく、部材の削減や機能の複合化が求められている。
バックライトユニットの部材を削減したり、機能を複合化したりする試みとしては、例えば、光拡散板となるガラス基板上に光拡散シートを貼り付ける方法(例えば、特許文献1を参照)、光拡散板を用いずに、透明部材に保持された光拡散シートだけで構成する方法(例えば、特許文献2を参照)、プリズムシートに代えて光拡散板の表面にプリズム列を形成する方法(例えば、特許文献3を参照)、光拡散板の表面にプリズム形状などの立体模様を有する樹脂シートを貼り合わせる方法(例えば、特許文献4を参照)、プリズム面で構成される入光制御層と配光層との間に拡散子を含有する拡散層を設ける方法(例えば、特許文献5を参照)などが挙げられる。
しかし、特許文献1および2に記載の方法は、それぞれ、光拡散板と光拡散シートとを一体化するか、あるいは拡散板を省略する方法であるが、充分な拡散光が得られないので、光源の形状を完全に消すことができず、しかも、プリズムシートを用いていないので、低い輝度しか得られないという問題点がある。また、特許文献3〜5に記載の方法は、いずれも光拡散板とプリズムシートとの一体化を行う方法であるが、輝度が向上し、光源の形状を完全に消すことができる反面、プリズム形状などの形成を精度よく工業的規模で行うのは困難であり、製造コストが増大するという問題点がある。
その一方で、光拡散シートの光拡散性や輝度を向上させる試みも盛んに行われている。このような試みとしては、例えば、透明な基材フィルム上に形成した光拡散層中に微粒子群を一部は完全に、残部は部分的に埋設する方法(例えば、特許文献6を参照)、透光性基体上に球状微粒子を単層で配列する方法(例えば、特許文献7を参照)、透明支持基材上に形成した光吸収層に微小球レンズを埋設する方法(例えば、特許文献8を参照)などが挙げられる。
しかし、特許文献6に記載の方法は、光拡散性に優れるが、光拡散層から部分的に突出した状態の微粒子が少ないので、集光性が低く、低い輝度しか得られず、また、特許文献7および8に記載の方法は、集光性に優れるが、球状微粒子や微小球レンズを単層に配列しているだけであるので、光拡散性が不充分であり、光源形状が完全には消せないという問題点がある。
ところで、微粒子を含有する光拡散層を設けた光拡散シートは、製造時、保管時、運搬時、ディスプレイに設置時などに、光拡散層の凸部が接触する他の部材との摩擦により、光拡散シートおよび接触部材に傷が発生する。例えば、光拡散シートは、ロール状に保管されるが、その際、光拡散層は対向する基材フィルムに強く押し付けられるので、光拡散シートおよび基材フィルムに傷が発生する。また、ディスプレイに設置時には、光拡散シートの上に、さらに光拡散シート、プリズムシート、輝度向上シートなどの光学シートが設置されることがある。その際、光拡散層の凸部が光学シートと接触することにより、光拡散シートおよび光学シートに傷が発生する。このように、光拡散シートに傷が発生すると、光拡散性や全光線透過率などの光学的特性が低下する。
光拡散シートの耐傷付性を向上させる試みとしては、例えば、光拡散層に圧縮強度および平均粒子径を調節した架橋(メタ)アクリル酸エステル系重合体微粒子を含有させる方法(例えば、特許文献9を参照)、光拡散層に圧縮強度を調節した樹脂粒子と粒子状滑剤とを含有させる方法(例えば、特許文献10を参照)、光拡散シートを形成した基材フィルムの裏面にハードコート剤を含有する樹脂層からなるスティッキング防止層を設ける方法(例えば、特許文献11を参照)などが挙げられる。
しかし、特許文献9に記載の方法は、架橋(メタ)アクリル酸エステル系重合体微粒子が透明樹脂バインダーで被覆されているので、光拡散層から部分的に突出した微粒子を被覆している透明樹脂バインダーが摩擦などにより剥離することがあり、また、特許文献10に記載の方法は、光拡散剤の樹脂粒子に加えて粒子状滑剤を用いているので、光拡散層の光拡散性を低下させることがあり、さらに、特許文献11に記載の方法は、スティッキング防止層の硬度が光拡散層より高い(鉛筆硬度2H〜3H)ので、光拡散層を形成した基材フィルムの裏面に傷が発生することを防止できても、光拡散層に傷が発生することは防止できないという問題点がある。
特開2005−129346号公報 特開2003−272406号公報 特開2003−016819号公報 特開2004−163575号公報 特開2005−107020号公報 特開平11−64611号公報 特許第3509703号公報 特開2001−281420号公報 特許第3531668号公報 特開2003−270410号公報 特開2003−107219号公報
上述した状況の下、本発明が解決すべき課題は、光拡散性や集光性に優れると共に高い全光線透過率および輝度が得られるという基本的な光学特性を維持しながら、バックライトユニットの部材を削減することができ、しかも光拡散層の耐傷付性に優れた光拡散シートおよび光拡散板、ならびにそれらを用いたバックライトユニットおよび液晶表示装置を提供することにある。
本発明者らは、種々検討の結果、光拡散シートや光拡散板における光拡散層を構成する透光性樹脂と微粒子群との屈折率差を規定し、かつ光拡散層の表面粗さを規定すれば、光拡散シートや光拡散板が単独で高い光拡散性と集光性とを有するので、従来技術のように光拡散シートと光拡散板とを併用したり、プリズムシートを用いたりする必要がないことから、バックライトユニットの基本的な光学特性を維持しながら、その部材を削減できること、ならびに、無機超微粒子または有機無機複合超微粒子を含有する(メタ)アクリル系樹脂を透光性樹脂として用いれば、かかる樹脂は無機超微粒子または有機無機複合超微粒子に由来する適度な硬度および靭性を有するので、光拡散層から部分的に突出した光拡散剤の微粒子を被覆することにより、光拡散層および接触部材に傷が発生しにくいことを見出して、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、透明フィルムの少なくとも片面に、透光性樹脂に少なくとも1種類の微粒子群を分散させた光拡散層が形成された光拡散シートであって、該透光性樹脂が無機超微粒子または有機無機複合超微粒子を含有する(メタ)アクリル系樹脂であり、かつ該光拡散層を構成する透光性樹脂と少なくとも1種類の微粒子群との屈折率差の絶対値が0.05以上であることを特徴とする光拡散シートを提供する。
また、本発明は、透明支持体の表面に、透光性樹脂に少なくとも1種類の微粒子群を分散させた光拡散層が形成された光拡散板であって、該透光性樹脂が無機超微粒子または有機無機複合超微粒子を含有する(メタ)アクリル系樹脂であり、かつ該光拡散層を構成する透光性樹脂と少なくとも1種類の微粒子群との屈折率差の絶対値が0.05以上であることを特徴とする光拡散板;ならびに、透明フィルムの表面に、透光性樹脂に少なくとも1種類の微粒子群を分散させた光拡散層が形成された光拡散シートが透明支持体の表面に接着剤または粘着剤で貼り合わされた光拡散板であって、該透光性樹脂が無機超微粒子または有機無機複合超微粒子を含有する(メタ)アクリル系樹脂であり、かつ該光拡散層を構成する透光性樹脂と微粒子群との屈折率差の絶対値が0.05以上であることを特徴とする光拡散板;を提供する。
本発明の光拡散シートまたは光拡散板において、前記光拡散層は、好ましくは2種類の微粒子群を含有し、かつ前記光拡散層の表面粗さは、好ましくは0.5μm以上、7μm以下である。
さらに、本発明は、光源と、反射シートと、透明支持体と、前記光拡散シートとを有することを特徴とするバックライトユニット;ならびに、光源と、反射シートと、前記光拡散板とを有することを特徴とするバックライトユニット;ならびに、光源と、反射シートと、前記光拡散シートとを有することを特徴とするバックライトユニット;ならびに、これらのバックライトユニットのいずれかを備えていることを特徴とする液晶表示装置;を提供する。
本発明の光拡散シートおよび光拡散板によれば、光源形状を完全に消すことができ、線光源を面光源にする機能を有するので、光拡散性や集光性に優れると共に、高い全光線透過率および輝度を与えることができるという基本的な光学特性を維持しながら、バックライトユニットの部材を削減することができる。それゆえ、このような光拡散シートおよび光拡散板を用いた本発明のバックライトユニットおよび液晶表示装置は、液晶表示装置を用いた種々の製品のコストを低減することができる。また、部材の削減により、部材間を通過する際の光線の損失が減少するので、光源の数を減少させたり、光源の電力を低下させたりすることができる。さらには、部材の削減により、シート間における光の干渉を起こすことがないので、表示画像の画質が向上する。しかも、光拡散層が耐傷付性に優れるので、本発明の光拡散シートおよび光拡散板は、製造時、保管時、運搬時、使用時などの取り扱いが容易であり、歩留りが向上する。
≪光拡散シート≫
本発明の光拡散シートは、透明フィルムの少なくとも片面に、透光性樹脂に少なくとも1種類の微粒子群を分散させた光拡散層が形成された光拡散シートであって、該透光性樹脂が無機超微粒子または有機無機複合超微粒子を含有する(メタ)アクリル系樹脂であり、かつ該光拡散層を構成する透光性樹脂と少なくとも1種類の微粒子群との屈折率差の絶対値が0.05以上であることを特徴とする。ここで、光拡散層において「透光性樹脂に少なくとも1種類の微粒子群を分散させた」とは、光拡散層を構成する透光性樹脂に1種類の微粒子群が実質的に均一に分散しているか、あるいは2種類の微粒子群が実質的に均一に分散しているか、あるいは3種類以上の微粒子群が実質的に均一に分散していることを意味する。ただし、粒子径の差が充分に大きい2種類または3種類以上の微粒子群を用いた場合は、粒子径が小さい微粒子群は、粒子径が大きい微粒子群の表面を被覆する透光性樹脂中にも存在する。なお、微粒子群が1種類の場合には、好ましくは、大部分の微粒子群が光拡散層を構成する透光性樹脂に埋没しており、微粒子群が2種類または3種類以上である場合には、好ましくは、光拡散層を構成する透光性樹脂に大部分が埋没した微粒子群(例えば、粒子径が比較的小さい微粒子群)と光拡散層を構成する透光性樹脂から部分的に突出した微粒子群(例えば、粒子径が比較的大きい微粒子群)とが存在する。
以下、透明フィルムの「表面(おもて面)」とは、得られた光拡散シートが、使用時に、例えば、液晶表示パネルに対向する側(正面方向)の面を意味し、他方の面を「裏面(うら面)」と表現するが、透明フィルムを取り扱う際に表面と裏面とを区別する必要はなく、一方の面を表面とすれば、他方の面が裏面になること以外に特別な意味はない。
このような光拡散シートは、例えば、透光性樹脂中における微粒子群の含有量や、透光性樹脂と少なくとも1種類の微粒子群との屈折率差、微粒子群を構成する各微粒子の形状や微粒子群の平均粒子径を調節することにより、光拡散層の光拡散性を制御することができる。また、好ましい実施態様として、透光性樹脂に2種類の微粒子群を分散させた光拡散層の場合、さらに光拡散層の表面粗さ、すなわち透光性樹脂に分散させた微粒子群を構成する各微粒子の埋設状態(または部分的な突出状態)などを調節することにより、光拡散層の光拡散性および集光性を制御することができる。つまり、光拡散層を構成する透光性樹脂に2種類の微粒子群を分散させ、かつ光拡散層の表面粗さを調節すれば、光拡散性を有する光拡散層に集光性を付与することができる。以下、このような光拡散層を特に「光拡散・集光層」ということがある。
例えば、光拡散層を構成する透光性樹脂と微粒子群との屈折率差が大きいほど、透光性樹脂と各微粒子との界面において光が大きく屈折するので、光を充分に拡散させることができる。そこで、本発明の光拡散シートでは、光拡散層における微粒子群の光拡散性の程度を表現するために、光拡散層を構成する透光性樹脂と少なくとも1種類の微粒子群との屈折率差の絶対値を0.05以上に規定している。前記屈折率差の絶対値が0.05未満であると、透光性樹脂と少なくとも1種類の微粒子群を構成する各微粒子との界面において光が大きく屈折せず、光を充分に拡散できないので、光源形状を完全に消すことができず、線光源を面光源にする機能を有しないことがある。前記屈折率差の絶対値は、好ましくは0.07以上、より好ましくは0.09以上である。また、前記屈折率差の絶対値の上限は、特に限定されるものではないが、好ましくは2.0以下、より好ましくは1.5以下である。なお、透光性樹脂の屈折率は、厚さ40μmのフィルムを成形し、このフィルムの屈折率を多波長アッベ屈折計(例えば、DR−M2、(株)アタゴ製)で測定した値とする。ただし、測定波長は589.3nm、測定温度は25℃である。また、微粒子群の屈折率は、数種類のカーギル標準屈折液(例えば、スタンダードシリーズ、(株)モリテックス製;屈折率範囲n 25=1.300〜2.11)を用意し、予想される屈折率の標準屈折液に微粒子群を浸漬し、25℃で透過光学顕微鏡(例えば、デジタルマイクロスコープVHX−200、(株)キーエンス製;光源ランプは、12V、100Wのハロゲンランプ(色温度3,100K(最大光量時)))を用いて観察し、微粒子群と屈折標準液との界面が最も見えにくい時に用いた標準屈折液の屈折率とする。ただし、微粒子群と標準屈折液との界面が最も見えにくい時に用いた標準屈折液が屈折率の連続した2種類存在する場合は、それらの屈折率の中間値を微粒子群の屈折率とする。また、微粒子群の屈折率がカーギル標準屈折液の屈折率範囲外である場合は、その材質の屈折率を微粒子群の屈折率とする。
好ましい実施態様として、光拡散層に2種類の微粒子群を分散させた場合、透光性樹脂に分散させた微粒子群は、光拡散層に大部分が埋没した微粒子群と光拡散層から部分的に突出した微粒子群とからなり、後者の微粒子群は、光拡散層に部分的に埋設され、残りの部分が光拡散層から突出した状態であり、この突出した部分(凸部)により光が集光される。そこで、本発明の光拡散シートでは、光拡散層における微粒子群の埋設状態(または部分的な突出状態)を表現するために、光拡散層の表面粗さを算術平均粗さで好ましくは0.5μm以上、7μm以下に規定している。前記表面粗さが算術平均粗さで0.5μm未満であると、光拡散層から微粒子群が部分的に突出しにくいので、光を充分に集光できないことがある。逆に、前記表面粗さが算術平均粗さで7μmを超えると、光拡散層から微粒子群が部分的に突出しすぎるので、光を充分に集光できないことがある。前記表面粗さは、好ましくは0.7μm以上、6μm以下、より好ましくは0.9μm以上、5μm以下である。なお、表面粗さは、表面粗さ計(例えば、Dektak3030、日本真空技術(株)製)を用いて、各試料あたり無作為に選択した5個所以上で算術平均粗さを測定し、得られた測定値の平均値である。
また、好ましい実施態様として、光拡散層に2種類の微粒子群を分散させた場合、光拡散層における平均粒子径の大きい方の微粒子群の埋設状態(または部分的な突出状態)を別の形で表現すれば、光拡散層における微粒子群の平均粒子径に対する層厚の比率(光拡散層の層厚/光拡散層における微粒子群の平均粒子径)は、好ましくは1.0以上、4.0以下である。前記比率が1.0未満であると、光拡散層から微粒子群が部分的に突出しすぎるので、光を充分に集光できないことがある。逆に、前記比率が4.0を超えると、光拡散層から微粒子群が部分的に突出しにくいので、光を充分に集光できないことがある。前記比率は、より好ましくは1.05以上、3.0以下、さらに好ましくは1.1以上、2.5以下である。なお、微粒子群の平均粒子径は、粒度分布測定装置(例えば、マルチサイザーII型、コールター(株)製)を用いて測定した体積平均粒子径である。また、光拡散層の層厚は、厚み測定器(例えば、ダイヤルシックネスゲージG−6、(株)尾崎製作所製)を用いて、各試料あたり5点以上で層厚を測定し、得られた測定値の平均値である。ここで、光拡散層の層厚とは、光拡散層が透明フィルムなどと接する裏面から透光性樹脂が存在する最大高さ部分までの厚さをいう。それゆえ、例えば、微粒子群が透光性樹脂で被覆されている場合、最大高さ部分とは、透光性樹脂で被覆された微粒子群のうち、光拡散層から最も部分的に突出した微粒子を被覆する透光性樹脂の頂点をいう。
<透光性樹脂>
本発明の光拡散シートにおいて、光拡散層は、透光性樹脂および少なくとも1種類の微粒子群から構成されている。光拡散層を構成する透光性樹脂は、無機超微粒子または有機無機複合超微粒子を含有する(メタ)アクリル系樹脂である。ここで、「有機無機複合超微粒子」とは、無機超微粒子の表面に有機ポリマーが固定されてなる複合超微粒子を意味する。また、「超微粒子」とは、透光性樹脂に分散させる少なくとも1種の微粒子群と区別するための表現であり、下記で説明するように、後者の微粒子群に比べて平均粒子径が小さい微粒子を意味する。
透光性樹脂を構成する(メタ)アクリル系樹脂としては、例えば、シクロアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルに由来する繰り返し単位、(メタ)アクリル酸メチルに由来する繰り返し単位、(メタ)アクリル酸イソブチルに由来する繰り返し単位および(メタ)アクリル酸t−ブチルに由来する繰り返し単位よりなる群から選択される少なくとも1種の繰り返し単位を有する(メタ)アクリル系樹脂が好適であり、シクロアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルに由来する繰り返し単位および/または(メタ)アクリル酸メチルに由来する繰り返し単位を有する(メタ)アクリル系樹脂がより好適であり、シクロアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルに由来する繰り返し単位を有する(メタ)アクリル系樹脂が特に好適である。
シクロアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルに由来する繰り返し単位は、好ましくは、下記式(1):
Figure 2007272208
[式中、Rは水素原子またはメチル基であり、Rは水素原子、メチル基またはエチル基であり、Rは有機残基であり、mは0以上、4以下の整数であり、nは0以上、2以下の整数であり、mが2以上、4以下である場合には、Rは同一であっても異なっていてもよく、nが2である場合には、Rは同一であっても異なっていてもよい]
で示される。
上記式(1)において、Rで表される有機残基としては、例えば、炭素数1以上、10以下の直鎖状、分枝状または環状のアルキル基、炭素数1以上、5以下のヒドロキシアルキル基、炭素数1以上、5以下のアルコキシアルキル基、炭素数1以上、5以下のアセトキシアルキル基、炭素数1以上、5以下のハロゲン化(例えば、塩素化、臭素化またはフッ素化)アルキル基などが挙げられる。これらの有機残基のうち、炭素数1以上、4以下のアルキル基、炭素数1以上、2以下のヒドロキシアルキル基、炭素数1以上、2以下のアルコキシアルキル基、炭素数1以上、2以下のアセトキシアルキル基が好適である。
上記式(1)において、nが2である場合、2個のRによって環が形成されていてもよい。例えば、2個のRによって環が形成されて、上記式(1)中のシクロヘキシル基がイソボルニル基となっていてもよい。また、Rのシクロヘキシル基への結合位置は、特に限定されるものではないが、nが1または2である場合、好ましくは、1個のRがシクロヘキシル基の3位または4位に結合している。
上記式(1)で示される繰り返し単位は、特に限定されるものではないが、例えば、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシルエチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシルプロピル(メタ)アクリレート、シクロヘキシルブチル(メタ)アクリレート、4−メチルシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、4−エチルシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシメチルシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレートなどの単量体を用いて導入することができる。これらの単量体のうち、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、4−メチルシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレートが好適である。すなわち、上記式(1)で示される繰り返し単位は、好ましくは、Rが水素原子またはメチル基であり、Rが水素原子であり、Rがメチル基であり、mが0または1であり、nが0または1である。
透光性樹脂を構成する(メタ)アクリル系樹脂は、(メタ)アクリル酸メチルに由来する繰り返し単位を含有していてもよい。(メタ)アクリル酸メチルに由来する繰り返し単位とは、「−CH−CH(COOCH)−」または「−CH−C(CH)(COOCH)−」で示される繰り返し単位を意味する。(メタ)アクリル酸メチルに由来する繰り返し単位を含有する(メタ)アクリル系樹脂を用いると、光拡散層の耐熱性、耐湿性、硬度などが向上する。
透光性樹脂を構成する(メタ)アクリル系樹脂は、(メタ)アクリル酸イソブチルに由来する繰り返し単位を含有していてもよい。(メタ)アクリル酸イソブチルに由来する繰り返し単位とは、「−CH−CH(COOCHCH(CH)−」または「−CH−C(CH)(COOCHCH(CH)−」で示される繰り返し単位を意味する。(メタ)アクリル酸イソブチルに由来する繰り返し単位を含有する(メタ)アクリル系樹脂を用いると、光拡散層の耐熱性、耐湿性、硬度などが向上する。
透光性樹脂を構成する(メタ)アクリル系樹脂は、(メタ)アクリル酸t−ブチルに由来する繰り返し単位を含有していてもよい。(メタ)アクリル酸t−ブチルに由来する繰り返し単位とは、「−CH−CH(COOC(CH)−」または「−CH−C(CH)(COOC(CH)−」で示される繰り返し単位を意味する。(メタ)アクリル酸t−ブチルに由来する繰り返し単位を含有する(メタ)アクリル系樹脂を用いると、光拡散層の耐熱性、耐湿性、硬度などが向上する。
透光性樹脂を構成する(メタ)アクリル系樹脂は、好ましくは、シクロアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルに由来する繰り返し単位、(メタ)アクリル酸メチルに由来する繰り返し単位、(メタ)アクリル酸イソブチルに由来する繰り返し単位、または、(メタ)アクリル酸t−ブチルに由来する繰り返し単位の少なくとも1種を含有する。
透光性樹脂を構成する(メタ)アクリル系樹脂は、他の繰り返し単位を含有していてもよい。(メタ)アクリル系樹脂を合成するために用いられうる単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸などのカルボキシル基を有する重合性不飽和単量体;エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル酸アルキルエステル;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、カプロラクトン変成ヒドロキシ(メタ)アクリレートなどの水酸基を有する重合性不飽和単量体;ビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸、スルホエチル(メタ)アクリレートなどのスルホン酸基を有する重合性不飽和単量体;2−(メタ)アクリロイルオキシエチルアシッドホスフェート、2−(メタ)アクリロイルオキシプロピルアシッドホスフェート、2−メタクリロイルオキシエチルフェニルリン酸などの酸性リン酸エステル系重合性不飽和単量体;グリシジル(メタ)アクリレートなどのエポキシ基を有する重合性不飽和単量体;(メタ)アクリルアミド、N,N’−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレートなどの窒素原子を有する重合性不飽和単量体;塩化ビニル、塩化ビニリデンなどのハロゲン原子を有する重合性不飽和単量体;スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエンなどの芳香族系重合性不飽和単量体;酢酸ビニルなどのビニルエステル;ビニルエーテル;(メタ)アクリロニトリルなどの不飽和シアン化合物;などが挙げられる。他に使用される単量体およびその配合量は、透光性樹脂に所望する耐熱性、透光性、硬度などの特性を考慮して、決定すればよい。
透光性樹脂を構成する(メタ)アクリル系樹脂における各繰り返し単位の含有量は、特に限定されるものではない。光拡散シートの撓みを効果的に防止するためには、好ましくは、(メタ)アクリル系樹脂におけるシクロアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルに由来する繰り返し単位、(メタ)アクリル酸メチルに由来する繰り返し単位、(メタ)アクリル酸イソブチルに由来する繰り返し単位および(メタ)アクリル酸t−ブチルに由来する繰り返し単位の総量が、重合性不飽和単量体に対して、好ましくは5.0質量%以上、98.0質量%以下、より好ましくは30.0質量%以上、80.0質量%以下である。
共重合体の製造方法は、単量体の種類や作業環境などに応じて適宜選択すればよく、特に限定されるものではない。
透光性樹脂は、ガラス転移温度が好ましくは0℃以上、120℃以下、より好ましくは10℃以上、110℃以下、さらに好ましくは20℃以上、100℃以下である。なお、ガラス転移温度は、FOXの計算式:
Figure 2007272208
[式中、Tgは透光性樹脂のガラス転移温度(K)、Wは単量体iの質量分率、Tgは単量体iから構成される樹脂のガラス転移温度(K)を表す]
で算出されるガラス転移温度(K)を絶対温度(K)から摂氏温度(℃)に換算して求めることができる。
透光性樹脂は、ヘイズが好ましくは0%以上、20%以下、より好ましくは0%以上、10%以下、さらに好ましくは0%以上、5%以下であり、および/または、全光線透過率が好ましくは70%以上、100%以下、より好ましくは80%以上、100%以下である。なお、ヘイズおよび全光線透過率は、濁度計(例えば、NDH−1001DP、日本電色工業(株)製)を用いて、JIS K7105に準拠した測定法により測定した値である。
透光性樹脂を構成する(メタ)アクリル樹脂は、無機超微粒子または有機無機複合超微粒子を含有する。これらの無機超微粒子や有機無機複合超微粒子を含有させると、光拡散層の耐熱性が向上し、熱による光拡散層の変形が抑制され、液晶表示パネルの表示画面における輝度ムラが解消される。また、これらの無機超微粒子や有機無機複合超微粒子を含有させると、透光性樹脂が適度な硬度および靭性を有するので、他の部材との摩擦により、光拡散シートおよび接触部材に傷が発生することが少なく、耐傷付性に優れ、製造時、保管時、運搬時、使用時などの取り扱いが容易であり、歩留りが向上する。さらに、光拡散シートから微粒子群が脱落することを防止することができる。
無機超微粒子の材質としては、特に限定されるものではないが、例えば、金属元素(本発明では、ケイ素を含むものとする。)が主に酸素原子を介して3次元ネットワークを構成している金属酸化物が挙げられる。金属酸化物を構成する金属元素としては、短周期型の元素周期律表における第2族〜第6族に属する金属元素が好ましく、第3族〜第5族に属する金属元素がより好ましく、ケイ素、アルミニウム、チタン、ジルコニウムが特に好ましく、ケイ素が最も好ましい。無機超微粒子としては、ケイ素の酸化物のうち、コロイダルシリカが特に好適である。
なお、無機超微粒子は、単一の材質から形成されていても2種以上の材質から形成されていてもよく、また、材質が同じ1種類の微粒子から構成されていても材質が異なる2種類以上の微粒子から構成されていてもよい。
無機超微粒子の形状としては、例えば、球状、針状、板状、鱗片状、破砕状などが挙げられる。これらの形状を有する無機超微粒子は、単独で用いても2種以上を併用してもよい。
有機無機複合超微粒子は、上記したように、無機超微粒子の表面に有機ポリマーが固定されてなる複合超微粒子である。無機超微粒子の表面に有機ポリマーを固定することによって、透光性樹脂中における無機超微粒子の分散性および透光性樹脂と無機超微粒子との親和性が向上し、その結果、得られる光拡散層の全光線透過率が向上する。ここで、「固定」とは、単なる接着や付着ではなく、無機超微粒子と有機ポリマーとの間で化学結合が形成されていることを意味する。従って、有機無機複合超微粒子を任意の有機溶剤で洗浄した場合、有機溶剤中に有機ポリマーが実質的に検出されない。なお、無機超微粒子および有機無機複合超微粒子は、微粒子内に有機ポリマーを内包していてもよく、この場合には、無機超微粒子の中心部に適度な軟らかさと靭性とを付与することができる。
有機ポリマーとは、有機成分から構成されるポリマーを意味し、分子量、形状、組成、官能基の有無などに関しては、特に限定されるものではない。有機ポリマーを構成する樹脂としては、例えば、(メタ)アクリル系樹脂;スチレン系樹脂;酢酸ビニル系樹脂;ポリエチレンやポリプロピレンなどのオレフィン系樹脂;ノルボルネン樹脂などの環状オレフィン系樹脂;塩化ビニル系樹脂;塩化ビニリデン系樹脂;ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル系樹脂;これらの共重合体;などが挙げられる。これらの樹脂は、単独で用いても2種以上を併用してもよい。これらの樹脂は、アミノ基、エポキシ基、水酸基、カルボキシル基などの官能基で部分的に変性されていてもよい。なお、有機無機複合超微粒子における有機ポリマーの含有量は、例えば、無機超微粒子に対して、好ましくは0.5質量%以上、50質量%以下である。
無機超微粒子や有機無機複合超微粒子の平均粒子径は、好ましくは5nm以上、100nm未満であり、より好ましくは5nm以上、50nm以下である。平均粒子径が5nm未満であると、微粒子の表面エネルギーが高くなり、凝集などが起こりやすくなることがある。逆に、平均粒子径が100nm以上であると、光拡散層を通過する光の量が減少し、輝度が低下することがあり、また、(メタ)アクリル系樹脂と複合化した際に透光性を保つことができず、全光線透過率が低下し、ヘイズが高くなることがある。なお、平均粒子径は、サブミクロン粒子径アナライザー(例えば、NICOMP MODEL 370、野崎産業(株)製)を用いて測定した体積平均粒子径である。
透光性樹脂を構成する(メタ)アクリル系樹脂中における無機超微粒子や有機無機複合超微粒子の含有量は、例えば、透光性樹脂100質量部に対して、好ましくは1質量部以上、200質量部以下、より好ましくは5質量部以上、100質量部以下である。ここで、「透光性樹脂100質量部に対して」とは、透光性樹脂の固形分100質量部を基準にすることを意味する。無機超微粒子や有機無機複合超微粒子の含有量が1質量部未満であると、光拡散層の熱変形や、光拡散層および接触部材の傷付きを充分に防止できないことがある。逆に、無機超微粒子や有機無機複合超微粒子の含有量が200質量部を超えると、光拡散層のコーティングが困難になることや、光拡散層を通過する光量が減少し、全光線透過率および輝度が低下することがある。
透光性樹脂には、多官能性イソシアネート化合物を含有していてもよい。多官能性イソシアネート化合物を含有し、さらに、水酸基を有する成分を含有すると、多官能性イソシアネート化合物と水酸基を有する成分との間で架橋構造を形成することができる。その結果、光拡散層の耐湿性、可撓性、耐久性などの特性がさらに向上する。
また、透光性樹脂には、例えば、安定化剤、劣化防止剤、可塑剤、分散剤、蛍光増白剤などの添加剤を配合してもよい。これらの添加剤の配合量は、その種類などに応じて適宜調節すればよく、特に限定されるものではない。
<微粒子群>
本発明の光拡散シートにおいて、光拡散層は、透光性樹脂および少なくとも1種類の微粒子群から構成されている。微粒子群を構成する各微粒子の材質としては、例えば、ポリメチルメタクリレートなどの(メタ)アクリル系樹脂;ポリスチレンなどのスチレン系樹脂;メラミンやベンゾグアナミンなどのアミノ化合物とホルムアルデヒドとの縮合物であるアミノ系ホルマリン架橋樹脂;ポリウレタン系樹脂;ポリエステル系樹脂;シリコーン系樹脂;フッ素系樹脂;これらの共重合体;スメクタイト、カオリナイトなどの粘土化合物;シリカ、チタニア、アルミナ、シリカアルミナ、ジルコニア、酸化亜鉛、酸化バリウム、酸化ストロンチウムなどの無機酸化物;炭酸カルシウム、炭酸バリウム、塩化バリウム、硫酸バリウム、硝酸バリウム、水酸化バリウム、水酸化アルミニウム、炭酸ストロンチウム、塩化ストロンチウム、硫酸ストロンチウム、硝酸ストロンチウム、水酸化ストロンチウム、ガラス粒子などの無機微粒子;透明もしくは半透明樹脂とシリカ微粒子とのシリカ複合樹脂粒子;などが挙げられる。これらの材質のうち、光拡散層を構成する透光性樹脂と少なくとも1種類の微粒子群との屈折率差の絶対値が0.05以上であるという条件を満足する微粒子群(以下「微粒子群A」ということがある。)を構成する各微粒子の材質としては、(メタ)アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、アミノ系ホルマリン架橋樹脂、シリコーン系樹脂、シリカ、チタニア、アルミナ、酸化亜鉛などの無機酸化物、炭酸カルシウム、硫酸バリウムなどが好適であり、(メタ)アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、アミノ系ホルマリン架橋樹脂、シリコーン系樹脂、チタニア、アルミナ、炭酸カルシウム、硫酸バリウムが特に好適である。また、光拡散層を構成する透光性樹脂と少なくとも1種類の微粒子群との屈折率差の絶対値が0.05以上であるという条件を必ずしも満足する必要がない微粒子群(以下「微粒子群B」ということがある。)を構成する各微粒子の材質としては、(メタ)アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、アミノ系ホルマリン架橋樹脂、シリコーン系樹脂、シリカ複合樹脂粒子などが好適であり、(メタ)アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、シリコーン系樹脂、シリカ複合樹脂粒子が特に好適である。
微粒子群AおよびBを構成する各微粒子は、単一の材質から形成されていても2種以上の材質から形成されていてもよい。
微粒子群AおよびBを構成する各微粒子の形状としては、例えば、球状、板状、楕円体状、椀型、多角形状、円盤型、星型、表面しわ状、中空状、破砕状などが挙げられる。これらの形状を有する微粒子は、単独で用いても2種以上を併用してもよい。これらの形状を有する微粒子のうち、微粒子群Aを構成する各微粒子は、球状粒子が好適であるが、球状粒子よりも強い光拡散性を有しており、少量の添加で光拡散性に優れると共に高い全光線透過率および輝度が得られることから、板状、楕円体状、椀型、多角形状、円盤型、星型、表面しわ状、中空状、破砕状などの異形粒子が好適な場合もある。微粒子群Bを構成する各微粒子は、光を集光する観点から、球状粒子が特に好適である。
微粒子群Aの平均粒子径は、好ましくは0.2μm以上、30μm以下、より好ましくは0.25μm以上、20μm以下、さらに好ましくは0.3μm以上、10μm以下である。微粒子群Aの平均粒子径が0.2μm未満であると、光拡散層に入射した光を充分に拡散できないことがある。逆に、微粒子群Aの平均粒子径が30μmを超えると、光拡散層を通過する光量が減少し、全光線透過率および輝度が低下することがある。なお、微粒子群Aの平均粒子径は、粒度分布測定装置(例えば、マルチサイザーII型、コールター(株)製)を用いて測定した体積平均粒子径である。
微粒子群Bの平均粒子径は、好ましくは1μm以上、50μm以下、より好ましくは2μm以上、40μm以下、さらに好ましくは5μm以上、30μm以下である。微粒子群Bの平均粒子径が1μm未満であると、光拡散層に入射した光を充分に集光できないことがある。逆に、微粒子群Bの平均粒子径が50μmを超えると、光拡散層を通過する光量が減少し、全光線透過率および輝度が低下することがある。なお、微粒子群Bの平均粒子径は、粒度分布測定装置(例えば、マルチサイザーII型、コールター(株)製)を用いて測定した体積平均粒子径である。
光拡散層を構成する透光性樹脂中における微粒子群Aの含有量は、例えば、透光性樹脂100質量部に対して、好ましくは1質量部以上、300質量部以下、より好ましくは5質量部以上、200質量部以下である。微粒子群Aの含有量が1質量部未満であると、光拡散層に入射した光が充分に拡散されないことがある。逆に、微粒子群Aの含有量が300質量部を超えると、光拡散層の形成が困難になることや、光拡散層を通過する光量が減少し、全光線透過率および輝度が低下することがある。
光拡散層を構成する透光性樹脂中における微粒子群Bの含有量は、例えば、透光性樹脂100質量部に対して、好ましくは5質量部以上、700質量部以下、より好ましくは10質量部以上、500質量部以下である。微粒子群Bの含有量が5質量部未満であると、光拡散層に入射した光が充分に集光されないことがある。逆に、微粒子群Bの含有量が700質量部を超えると、光拡散層の形成が困難になることや、光拡散層を通過する光量が減少し、全光線透過率および輝度が低下することがある。
<光拡散層>
本発明の光拡散シートにおいて、光拡散層は、透光性樹脂に少なくとも1種類の微粒子群が分散されている。
好ましい実施態様として、光拡散層を構成する透光性樹脂に1種類の微粒子群を分散させた場合、これらの微粒子群は、光拡散層を構成する透光性樹脂と少なくとも1種類の微粒子群との屈折率差の絶対値が0.05以上であるという条件を満足する微粒子群Aである。微粒子群Aは、好ましくは、実質的に全部の微粒子群が光拡散層を構成する透光性樹脂に埋没しており、光拡散層に入射した光を充分に拡散させる機能を有する。透明フィルムの少なくとも片面に形成される光拡散層は、1種類の微粒子群Aを分散させた透光性樹脂から構成され、入射した光を充分に拡散する機能を有する。光拡散層が透明フィルムの片面に形成されている場合は、透明フィルムに入射して通過した光が光拡散層に入射して、透明フィルムの表面に形成された光拡散層で、微粒子群Aにより、充分に拡散される。また、光拡散層が透明フィルムの両面に形成されている場合は、透明フィルムの裏面に形成された光拡散層に入射した光が光拡散層で、微粒子群Aにより、充分に拡散された後、透明フィルムに入射して通過し、透明フィルムの表面に形成された光拡散層に入射して、微粒子群Aにより、さらに充分に拡散される。なお、このように光拡散層を構成する透光性樹脂に1種類の微粒子群を分散させた光拡散シートを用いる場合には、光拡散層を構成する透光性樹脂に2種類または3種類以上の微粒子群を分散させた光拡散シートや、従来公知の光拡散シートを併用することが望ましい。
好ましい実施態様として、光拡散層を構成する透光性樹脂に2種類または3種類以上の微粒子群を分散させた場合、これらの微粒子群は、光拡散層を構成する透光性樹脂と少なくとも1種類の微粒子群との屈折率差の絶対値が0.05以上であるという条件を満足する微粒子群Aと、光拡散層を構成する透光性樹脂と少なくとも1種類の微粒子群との屈折率差の絶対値が0.05以上であるという条件を必ずしも満足する必要がない微粒子群Bとである。微粒子群Aは、好ましくは、その大部分が光拡散層を構成する透光性樹脂に埋没しており、光拡散層に入射した光を充分に拡散させる機能を有するのに対し、微粒子群Bは、好ましくは、その大部分が光拡散層を構成する透光性樹脂から部分的に突出しており、微粒子群Aにより充分に拡散された光を部分的に突出した凸部で正面方向に集光する機能を有する。それゆえ、このような光拡散層を、以下「光拡散・集光層」ということがある。透明フィルムの少なくとも片面に形成される光拡散・集光層は、2種類または3種類以上の微粒子AおよびBを分散させた透光性樹脂から構成され、入射した光を充分に拡散すると共に、正面方向に集光する機能を有する。光拡散・集光層が透明フィルムの片面に形成されている場合は、透明フィルムに入射して通過した光が光拡散・集光層に入射して、透明フィルムの表面に形成された光拡散・集光層で、微粒子群Aにより、充分に拡散され、微粒子群Bの凸部により、正面方向に集光される。また、光拡散・集光層が透明フィルムの両面に形成されている場合は、透明フィルムの裏面に形成された光拡散・集光層に入射した光が光拡散・集光層で、微粒子群Bの凸部により集光されると共に、微粒子群Aにより、充分に拡散された後、透明フィルムに入射して通過し、透明フィルムの表面に形成された光拡散・集光層に入射して、微粒子群Aにより、さらに充分拡散され、微粒子群Bの凸部により、正面方向に集光される。なお、光拡散・集光層から部分的に突出した微粒子群Bの表面は、光拡散・集光層を構成する透光性樹脂で被覆されていても被覆されていなくてもよいが、光拡散シートの耐傷付性を向上させる観点からは、被覆されている方が好ましい。いずれの場合にも、微粒子群Bが光拡散・集光層の表面に凹凸を形成していればよく、光拡散・集光層に入射した光が光拡散・集光層の表面に形成された微粒子群Bの凸部で正面方向に集光される。
上記したように、光拡散層を構成する透光性樹脂と少なくとも1種類の微粒子群との屈折率差の絶対値は、0.05以上、好ましくは0.07以上、より好ましくは0.09以上である。また、屈折率差の絶対値の上限は、特に限定されるものではないが、好ましくは2.0以下、より好ましくは1.5以下である。それゆえ、光拡散層を構成する透光性樹脂と微粒子群Aとしては、屈折率差の絶対値がこの範囲内に収まるように、上記で説明した透光性樹脂および微粒子群の中から適宜選択して組み合わせた材料が適宜調節した配合量で用いられる。
光拡散層の厚さは、好ましくは1μm以上、60μm以下、より好ましくは5μm以上、40μm以下である。光拡散層の厚さが1μm未満であると、光拡散層に入射した光が充分に拡散されないことがある。逆に、光拡散層の厚さが60μmを超えると、光拡散層を通過する光量が減少し、全光線透過率および輝度が低下することがある。
光拡散層は、単層から形成されていても2層以上から形成されていてもよく、また、材質が同じ1種類の単層から構成されていても材質が異なる2種類以上の複層から構成されていてもよい。
上記したように、光拡散・集光層の表面粗さは、算術平均粗さで、好ましくは0.5μm以上、7μm以下、より好ましくは0.7μm以上、6μm以下、さらに好ましくは0.9μm以上、5μm以下である。また、光拡散・集光層における微粒子群Bの平均粒子径に対する層厚の比率は、好ましくは1.0以上、4.0以下、より好ましくは1.05以上、3.0以下、さらに好ましくは1.1以上、2.5以下である。それゆえ、光拡散・集光層を構成する透光性樹脂と微粒子群Bとしては、平均粒子径に対する層厚の比率や表面粗さがこの範囲内に収まるように、上記で説明した透光性樹脂および微粒子群の中から適宜選択して組み合わせた材料が上記で説明した配合量の範囲内で適宜調節して用いられる。
光拡散・集光層の厚さは、好ましくは1μm以上、60μm以下、より好ましくは5μm以上、40μm以下である。光拡散・集光層の厚さが1μm未満であると、光拡散・集光層に入射した光が充分に拡散され、かつ集光されないことがある。逆に、光拡散・集光層の厚さが60μmを超えると、光拡散・集光層を通過する光量が減少し、全光線透過率および輝度が低下することがある。
光拡散・集光層は、単層から形成されていても2層以上から形成されていてもよく、また、材質が同じ1種類の単層から構成されていても材質が異なる2種類以上の複層から構成されていてもよい。
なお、光拡散・集光層から部分的に突出した微粒子群上に、透光性樹脂と異なる屈折率を有する層を形成してもよい。屈折率が異なる層のうち、透光性樹脂より低い屈折率を有する層が特に好ましい。光拡散・集光層から部分的に突出した微粒子群と低い屈折率を有する層との界面、および、低い屈折率を有する層と空気層との界面における全反射が減少し、その結果、後方への光の散乱が減少し、全光線透過率および輝度が向上する。
本発明の光拡散シートは、光拡散層や光拡散・集光層を構成する透光性樹脂として用いる樹脂が適度な硬度および靭性を有するので、他の部材との摩擦により、光拡散シートおよび接触部材に傷が発生することが少なく、耐傷付性に優れ、製造時、保管時、運搬時、使用時などの取り扱いが容易であり、歩留りが向上する。
<透明フィルム>
本発明の光拡散シートにおいて、透明フィルムの材質としては、例えば、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレートなどのポリエステル系樹脂;ポリメチルメタクリレートなどの(メタ)アクリル系樹脂;2−(ヒドロキシアルキル)アクリル酸エステルに由来するラクトン環構造単位を含有するラクトン環含有樹脂;ポリカーボネート系樹脂;ポリエチレンやポリプロピレンなどのオレフィン系樹脂;ノルボルネン樹脂などの環状オレフィン系樹脂;塩化ビニル系樹脂;塩化ビニリデン系樹脂;スチレン系樹脂;ポリアミド6、ポリアミド66などのポリアミド系樹脂;トリアセチルセルロースなどのセルロース誘導体;これらの共重合体;などが挙げられる。これらの材質のうち、ポリエステル系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、ラクトン環含有樹脂、ポリカーボネート系樹脂が好適であり、ポリエチレンテレフタレート、ラクトン環含有樹脂、ポリカーボネート系樹脂が特に好適である。
透明フィルムは、単一の材質から形成されていても2種以上の材質から形成されていてもよく、また、単一の層から構成されていても複数の層から構成されていてもよい。
透明フィルムの厚さは、好ましくは5μm以上、500μm以下、より好ましくは10μm以上、400μm以下、さらに好ましくは20μm以上、300μm以下である。透明フィルムの厚さが5μm未満であると、光拡散シートの機械的強度が低下することがある。逆に、透明フィルムの厚さが500μmを超えると、透明フィルムを通過する光量が減少し、全光線透過率および輝度が低下することがある。
透明フィルムは、ヘイズが好ましくは0%以上、20%以下、より好ましくは0%以上、10%以下、さらに好ましくは0%以上、5%以下であり、および/または、全光線透過率が好ましくは70%以上、100%以下、より好ましくは80%以上、100%以下である。なお、ヘイズおよび全光線透過率は、濁度計(例えば、NDH−1001DP、日本電色工業(株)製)を用いて、JIS K7105に準拠した測定法により測定した値である。
なお、透明フィルムや光拡散層のように光源からの光を直接受ける部材は、紫外線の影響を防止するために、これらの部材に紫外線防止剤を含有させておくか、あるいは光源からの光を受ける面に紫外線防止層を設けておいてもよく、また、透明フィルムや光拡散層のように空気層と接触する部材は、空気中の塵埃の影響を防止するために、これらの部材に帯電防止剤を含有させておくか、あるいは空気層と接触する面に帯電防止層を設けておいてもよい。
また、光拡散層が透明フィルムの表面のみに形成されている場合、通常、透明フィルムの裏面は、平滑面であるが、例えば、エンボス加工などを施して、光拡散性やスティッキング防止性を付与してもよい。あるいは、透明フィルムの裏面に、スティッキング防止層を設けてもよい。スティッキング防止層は、例えば、上記のような透光性樹脂に上記のような微粒子群を混練した組成物を透明フィルムの裏面に直接コーティングすることにより形成される。ただし、スティッキング防止層に分散させる微粒子群の平均粒子径は、好ましくは0.5μm以上、20μm以下、より好ましくは1μm以上、15μm以下である。なお、微粒子群の平均粒子径は、粒度分布測定装置(例えば、マルチサイザーII型、コールター(株)製)を用いて測定した体積平均粒子径である。スティッキング防止層の厚さは、好ましくは0.5μm以上、20μm以下、より好ましくは1μm以上、15μm以下である。透光性樹脂中における微粒子群の含有量は、特に限定されるものではないが、比較的少量であり、微粒子群を構成する各微粒子が互いに離隔して透光性樹脂中に分散し、微粒子群の一部が透光性樹脂から部分的に突出している程度であればよい。
<光拡散シートの構成例>
ここで、本発明の光拡散シートの具体的な構成例を図1〜4に示す。なお、図1は、透明フィルムの表面に、透光性樹脂に2種類の微粒子群を分散させた光拡散・集光層が形成された光拡散シートに対応している。図2は、透明フィルムの表面および裏面に、透光性樹脂に2種類の微粒子群を分散させた光拡散・集光層が形成された光拡散シートに対応している。図3は、透明フィルムの表面に、透光性樹脂に1種類の微粒子群を分散させた光拡散層が形成された光拡散シートに対応している。図4は、透明フィルムの表面および裏面に、透光性樹脂に1種類の微粒子群を分散させた光拡散層が形成された光拡散シートに対応している。このほか、図示していないが、透明フィルムの表面に、透光性樹脂に2種類または3種類以上の微粒子群を分散させた光拡散・集光層が形成され、透明フィルムの裏面に、透光性樹脂に1種類の微粒子群を分散させた光拡散層が形成された光拡散シートや、透明フィルムの表面に、透光性樹脂に1種類の微粒子群を分散させた光拡散層が形成され、透明フィルムの裏面に、透光性樹脂に2種類または3種類以上の微粒子群を分散させた光拡散・集光層が形成された光拡散シートが考えられる。
図1に示す光拡散シート10は、透明フィルム11の表面に、透光性樹脂13に2種類の微粒子群14および15を分散させた光拡散・集光層Aが形成されている。微粒子群14および15は、光拡散・集光層A中に、実質的に均一に分散しており、一部の微粒子群は、光拡散・集光層Aから部分的に突出している。ここで、透光性樹脂13と微粒子群14との屈折率差の絶対値は0.05以上である。透明フィルム11の裏面に入射した光は、該透明フィルム11を通過して光拡散・集光層Aに入射する。光拡散・集光層Aでは、透光性樹脂13に分散させた微粒子群14により充分に拡散された後、該透光性樹脂13から部分的に突出した微粒子群15の突出部分(凸部)により、光が正面方向に集光される。光拡散・集光層Aの実質的に全体に微粒子群15が存在するので、より多くの光が正面方向に集光されると共に、輝度のムラが減少する。
図2に示す光拡散シート20は、透明フィルム21の表面に、透光性樹脂23に2種類の微粒子群24および25を分散させた光拡散・集光層Aが形成され、該透明フィルム21の裏面に、同様に、透光性樹脂23に2種類の微粒子群24および25を分散させた光拡散・集光層Aが形成されている。微粒子群24および25は、光拡散・集光層A中に、実質的に均一に分散しており、一部の微粒子群は、光拡散・集光層Aから部分的に突出している。ここで、透光性樹脂23と微粒子群24との屈折率差の絶対値は0.05以上である。透明フィルム21の裏面に形成された光拡散・集光層Aに入射した光は、一部は透光性樹脂23に分散させた微粒子群24により充分に拡散され、一部は透光性樹脂23から部分的に突出した微粒子群25の突出部分(凸部)により集光された後、透明フィルム21を経て、該透明フィルム21の表面に形成された光拡散・集光層Aに入射する。光拡散・集光層Aでは、透光性樹脂23に分散させた微粒子群25により充分に拡散された後、該透光性樹脂23から部分的に突出した微粒子群25の突出部分(凸部)により、光が正面方向に集光される。光拡散・集光層Aの実質的に全体に微粒子群15が存在するので、より多くの光が正面方向に集光されると共に、輝度のムラが減少する。
図3に示す光拡散シート30は、透明フィルム31の表面に、透光性樹脂33に1種類の微粒子群34を分散させた光拡散層Bが形成されている。微粒子群34は、光拡散層B中に、実質的に均一に分散しており、実質的に全部の微粒子群が透光性樹脂33に埋没した状態である。ここで、透光性樹脂33と微粒子群34との屈折率差の絶対値は0.05以上である。透明フィルム31の裏面に入射した光は、該透明フィルム31を通過して光拡散層Bに入射する。光拡散層Bでは、透光性樹脂33に分散させた微粒子群34により充分に拡散された後、拡散光が出射される。光拡散層Bの実質的に全体に微粒子群34が存在するので、より多くの拡散光が出射されると共に、輝度のムラが減少する。
図4に示す光拡散シート40は、透明フィルム41の表面に、透光性樹脂43に1種類の微粒子群44を分散させた光拡散層Bが形成され、該透明フィルム41の裏面に、同様に、透光性樹脂43に1種類の微粒子群44を分散させた光拡散層Bが形成されている。微粒子群44は、光拡散層B中に、実質的に均一に分散しており、実質的に全部の微粒子群が透光性樹脂43に埋没した状態である。ここで、透光性樹脂43と微粒子群44との屈折率差の絶対値は0.05以上である。透明フィルム41の裏面に形成された光拡散層Bに入射した光は、透光性樹脂43に分散させた微粒子群44により充分に拡散された後、透明フィルム41を経て、該透明フィルム41の表面に形成された光拡散層Bに入射する。光拡散層Bでは、透光性樹脂43に分散させた微粒子群44により充分に拡散された後、拡散光が出射される。光拡散層Bの実質的に全体に微粒子群44が存在するので、より多くの拡散光が出射されると共に、輝度のムラが減少する。
<光拡散シートの製造方法>
本発明の光拡散シートのうち、例えば、図1に示す光拡散シート10は、まず、光拡散・集光層Aを構成する透光性樹脂13に2種類の微粒子群14および15を混練した組成物を透明フィルム11の表面に直接コーティングした後、該透光性樹脂13を乾燥させて光拡散・集光層Aを形成することにより、製造することができる。
また、例えば、図2に示す光拡散シートは、まず、光拡散・集光層Aを構成する透光性樹脂23に2種類の微粒子群24および25を混練した組成物を透明フィルム21の表面に直接コーティングした後、該透光性樹脂23を乾燥させて光拡散・拡散層Aを形成し、次いで、上記と同様の組成物を該透明フィルム21の裏面に直接コーティングした後、該透光性樹脂23を乾燥させて光拡散・集光層Aを形成することにより、製造することができる。もちろん、透明フィルム21の裏面に光拡散・集光層Aを形成した後で、該透明フィルム21の表面に光拡散・集光層Aを形成してもよい。
さらに、例えば、図3に示す光拡散シート30は、まず、光拡散層Bを構成する透光性樹脂33に1種類の微粒子群34を混練した組成物を透明フィルム31の表面に直接コーティングした後、該透光性樹脂33を乾燥させて光拡散層Bを形成することにより、製造することができる。
さらに、例えば、図4に示す光拡散シートは、まず、光拡散層Bを構成する透光性樹脂43に1種類の微粒子群44を混練した組成物を透明フィルム41の表面に直接コーティングした後、該透光性樹脂43を乾燥させて光拡散層Bを形成し、次いで、上記と同様の組成物を該透明フィルム41の裏面に直接コーティングした後、該透光性樹脂43を乾燥させて光拡散層Bを形成することにより、製造することができる。もちろん、透明フィルム41の裏面に光拡散層Bを形成した後で、該透明フィルム41の表面に光拡散層Bを形成してもよい。
なお、透光性樹脂に微粒子群を混練する際に、有機溶剤を用いてもよい。有機溶剤は、各成分の溶解性、作業性、コストなどを考慮して適宜選択すればよく、特に限定されるものではないが、具体的には、例えば、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素系溶剤;ヘキサン、ヘプタンなどの脂肪族炭化水素系溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル系溶剤;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン系溶剤;イソプロピルアルコール、ブチルアルコールなどのアルコール系溶剤;脂肪族炭化水素を主成分とする種々の沸点範囲の石油留分;などが挙げられる。これらの有機溶剤は、単独で用いても2種以上を併用してもよい。
また、透光性樹脂に微粒子群を混練した組成物を直接コーティングする方法としては、従来公知のコーティング技術を採用すればよく、特に限定されるものではない。透光性樹脂を乾燥させる方法についても、従来公知の乾燥方法を採用すればよく、特に限定されるものではない。
<光拡散シートの用途>
本発明の光拡散シートは、直下型またはエッジライト型バックライトユニットの光拡散シートとして、従来公知の直下型またはエッジライト型バックライトユニットに用いてもよいが、下記で説明する本発明の直下型バックライトユニットに用いることが好ましい。また、本発明の光拡散シートは、例えば、投射型表示装置用のスクリーン、プラズマ表示装置、エレクトロルミネッセンス表示装置などの視野角を拡大する用途などに幅広く利用することもできる。
≪光拡散板≫
本発明の光拡散板は、透明支持体の表面に、透光性樹脂に少なくとも1種類の微粒子群を分散させた光拡散層が形成された光拡散板であって、該透光性樹脂が(メタ)アクリル系樹脂と無機超微粒子または有機無機複合超微粒子とを含有する樹脂であり、かつ該光拡散層を構成する透光性樹脂と少なくとも1種類の微粒子群との屈折率差の絶対値が0.05以上であることを特徴とするか、あるいは、透明支持体の表面に、透光性樹脂に少なくとも1種類の微粒子群を分散させた光拡散層が形成された光拡散シートが透明支持体の表面に接着剤または粘着剤で貼り合わされた光拡散板であって、該透光性樹脂が(メタ)アクリル系樹脂と無機超微粒子または有機無機複合超微粒子とを含有する樹脂であり、かつ該光拡散層を構成する透光性樹脂と少なくとも1種類の微粒子群との屈折率差の絶対値が0.05以上であることを特徴とする。なお、透明フィルムまたは透明支持体の「表面(おもて面)」とは、得られた光拡散板が、使用時に、例えば、液晶表示パネルに対抗する側(正面方向)の面を意味し、他方の面を「裏面(うら面)」と表現するが、透明フィルムや透明支持体を取り扱う際に表面と裏面とを区別する必要はなく、一方の面を表面とすれば、他方の面が裏面になること以外に特別な意味はない。
本発明の光拡散板において、光拡散層を構成する透光性樹脂および微粒子群、透光性樹脂に微粒子群を分散させた光拡散層や光拡散・集光層、透明フィルムなどについては、上記で説明した光拡散シートの場合と同様であるので、ここでは説明を省略する。なお、上記の光拡散シートに関する説明を援用する場合は、「光拡散シート」は、必要に応じて、「光拡散板」に読み替えるものとする。
本発明の光拡散板は、光拡散層や光拡散・集光層を構成する透光性樹脂として用いる樹脂が適度な硬度および靭性を有するので、他の部材との摩擦により、光拡散板および接触部材に傷が発生することが少なく、耐傷付性に優れ、製造時、保管時、運搬時、使用時などの取り扱いが容易であり、歩留りが向上する。
<透明支持体>
本発明の光拡散板において、透明支持体の材質としては、例えば、ポリメチルメタクリレートなどの(メタ)アクリル系樹脂;2−(ヒドロキシアルキル)アクリル酸エステルに由来するラクトン環構造単位を含有するラクトン環含有樹脂;MS樹脂などのスチレン系樹脂;ポリエチレンやポリプロピレンなどのオレフィン系樹脂;ノルボルネン樹脂などの環状オレフィン系樹脂;塩化ビニル系樹脂;塩化ビニリデン系樹脂;ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレートなどのポリエステル系樹脂;ポリカーボネート系樹脂;これらの共重合体;などの透明熱可塑性樹脂、ならびにガラスなどの無機材料などが挙げられる。これらの材質のうち、(メタ)アクリル系樹脂、ラクトン環含有樹脂、MS樹脂、環状オレフィン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ガラスが好適である。
透明支持体の材質のうち、透明熱可塑性樹脂には、例えば、安定化剤、劣化防止剤、可塑剤、分散剤などの添加剤を配合してもよい。これらの添加剤の配合量は、その種類などに応じて適宜調節すればよく、特に限定されるものではない。
透明支持体は、単一の材質から形成されていても2種以上の材質から形成されていてもよく、また、単一の層から構成されていても複数の層から構成されていてもよい。
透明支持体の厚さは、透明支持体自体が撓まない、かつ光拡散シートを撓ませない程度の機械的強度を有する程度であればよく、特に限定されるものではないが、好ましくは0.3mm以上、10mm以下、より好ましくは0.5mm以上、7mm以下、さらに好ましくは1mm以上、5mm以下である。透明支持体の厚さが0.3mm未満であると、光拡散板の機械的強度が低下することがある。逆に、透明支持体の厚さが10mmを超えると、バックライトユニットの厚さが増大することがある。
透明支持体は、ヘイズが好ましくは0%以上、20%以下、より好ましくは0%以上、10%以下、さらに好ましくは0%以上、5%以下であり、および/または、全光線透過率が好ましくは70%以上、100%以下、より好ましくは80%以上、100%以下である。なお、ヘイズおよび全光線透過率は、濁度計(例えば、NDH−1001DP、日本電色工業(株)製)を用いて、JIS K7105に準拠した測定法により測定した値である。
なお、透明支持体や光拡散層のように光源からの光を直接受ける部材は、紫外線の影響を防止するために、これらの部材に紫外線吸収剤を含有させておくか、あるいは光源からの光を受ける面に紫外線吸収層を設けておいてもよく、また、透明支持体や光拡散層のように空気層と接触する部材は、空気中の塵埃の影響を防止するために、これらの部材に帯電防止剤を含有させておくか、あるいは空気層と接触する面に帯電防止層を設けておいてもよい。
<光拡散板の構成例>
ここで、本発明の光拡散板の具体的な構成例を図5〜8に示す。なお、図5は、透明支持体の表面に、透光性樹脂に2種類の微粒子群を分散させた光拡散層が形成され光拡散板に対応している。図6は、透明支持体の表面に、透光性樹脂に1種類の微粒子群を分散させた光拡散層が形成された光拡散板に対応している。図7は、透明フィルムの表面に、透光性樹脂に2種類の微粒子群を分散させた光拡散層が形成された光拡散シートが透明支持体の表面に接着剤または粘着剤で貼り合わされた光拡散板に対応している。図8は、透明フィルムの表面に、透光性樹脂に1種類の微粒子群を分散させた光拡散層が形成された光拡散シートが該透明支持体の表面に接着剤または粘着剤で貼り合わされた光拡散板に対応している。
図5に示す光拡散板50は、透明支持体52の表面に、透光性樹脂53に2種類の微粒子群54および55を分散させた光拡散・集光層Aが形成されている。微粒子群54および55は、光拡散・集光層A中に、実質的に均一に分散しており、一部の微粒子群は、光拡散・集光層Aから部分的に突出している。ここで、透光性樹脂53と微粒子群54との屈折率差の絶対値は0.05以上である。透明支持体52の裏面から入射した光は、該透明支持体52を通過して光拡散・集光層Aに入射する。光拡散・集光層Aでは、入射した光が微粒子群54により充分に拡散された後、透光性樹脂53から部分的に突出した微粒子群55の突出部分(凸部)により正面方向に集光され、液晶表示パネル(図示せず)に向かう。
図6に示す光拡散板60は、透明支持体62の表面に、透光性樹脂63に1種類の微粒子群64を分散させた光拡散層Bが形成されている。微粒子群64は、光拡散層B中に、実質的に均一に分散しており、実質的に全部の微粒子群が透光性樹脂63に埋没した状態である。ここで、透光性樹脂63と微粒子群64との屈折率差の絶対値は0.05以上である。透明支持体62の裏面から入射した光は、微粒子群64により充分に拡散された後、液晶表示パネル(図示せず)に向かう。
図7に示す光拡散板70は、透明フィルム71の表面に、透光性樹脂73に2種類の微粒子群74および75を分散させた光拡散・集光層Aが形成された光拡散シートが透明支持体72の表面に接着剤または粘着剤78で貼り合わされている。微粒子群74および75は、光拡散・集光層A中に、実質的に均一に分散しており、一部の微粒子群は、光分散・集光層Aから部分的に突出している。ここで、透光性樹脂73と微粒子群74との屈折率差の絶対値は0.05以上である。透明支持体72の裏面から入射した光は、該透明支持体72、接着剤または粘着剤78、および透明フィルム71を通過し、光拡散・集光層Aに入射する。光拡散・集光層Aでは、入射した光が微粒子群74により充分に拡散された後、透光性樹脂73から部分的に突出した微粒子群75の突出部分(凸部)により正面方向に集光され、液晶表示パネル(図示せず)に向かう。
図8に示す光拡散板80は、透明フィルム81の表面に、透光性樹脂83に1種類の微粒子群84を分散させた光拡散層Bが形成された光拡散シートが透明支持体82の表面に接着剤または粘着剤88で貼り合わされている。微粒子群84は、光拡散層B中に、実質的に均一に分散しており、実質的に全部の微粒子群が透光性樹脂83に埋没した状態である。ここで、透光性樹脂83と微粒子群84との屈折率差の絶対値は0.05以上である。透明支持体82の裏面から入射した光は、該透明支持体82、接着剤または粘着剤88、透明フィルム81を通過して、光拡散層Aに入射する。光拡散層Aでは、入射した光が微粒子群84により充分に拡散された後、液晶表示パネル(図示せず)に向かう。
<光拡散板の製造方法>
本発明の光拡散板のうち、例えば、図5に示す光拡散板は、まず、光拡散・集光層Aを構成する透光性樹脂53に2種類の微粒子群54および55を混練した組成物を透明支持体52の表面に直接コーティングした後、該透光性樹脂53を乾燥させて光拡散・集光層Aを形成することにより、製造することができる。あるいは、透明支持体52が透明熱可塑性樹脂から構成されている場合には、透明支持体52を構成する透明熱可塑性樹脂と、透光性樹脂53に2種類の微粒子群54および55を混練した組成物とを共押出して、透明支持体52の表面に光拡散・集光層Aを形成することにより、製造することができる。
また、例えば、図6に示す光拡散板は、まず、光拡散層Bを構成する透光性樹脂63に1種類の微粒子群64を混練した組成物を透明支持体62の表面に直接コーティングした後、該透光性樹脂63を乾燥させて光拡散層Bを形成することにより、製造することができる。あるいは、透明支持体62が透明熱可塑性樹脂から構成されている場合には、透明支持体62を構成する透明熱可塑性樹脂と、透光性樹脂63に1種類の微粒子群64を混練した組成物とを共押出して、透明支持体62の表面に光拡散層Bを形成することにより、製造することができる。
さらに、例えば、図7に示す光拡散板は、まず、光拡散・集光層Aを構成する透光性樹脂73に2種類の微粒子群74および75を混練した組成物を透明フィルム71の表面に直接コーティングした後、該透光性樹脂73を乾燥させて光拡散・集光層Aを形成することにより、光拡散シートを作製しておき、次いで、この光拡散シートを透明支持体72の表面に、光拡散シートの透明フィルム71が透明支持体72に対向するようにして、接着剤または粘着剤78で貼り合わせることにより、製造することができる。
さらに、例えば、図8に示す光拡散板は、まず、光拡散層Bを構成する透光性樹脂83に1種類の微粒子群84を混練した組成物を透明フィルム81の表面に直接コーティングした後、該透光性樹脂83を乾燥させて光拡散層Bを形成することにより、光拡散シートを作製しておき、次いで、この光拡散シートを透明支持体82の表面に、光拡散シートの透明フィルム81が透明支持体82に対向するようにして、接着剤または粘着剤88で貼り合せることにより、製造することができる。
なお、透光性樹脂に微粒子群を混練する際に、有機溶剤を用いてもよい。有機溶剤は、各成分の溶解性、作業性、コストなどを考慮して適宜選択すればよく、特に限定されるものではないが、具体的は、例えば、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素系溶剤;ヘキサン、ヘプタンなどの脂肪族炭化水素系溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル系溶剤;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン系溶剤;イソプロピルアルコール、ブチルアルコールなどのアルコール系溶剤;脂肪族炭化水素を主成分とする種々の沸点範囲の石油留分;などが挙げられる。これらの有機溶剤は、単独で用いても2種以上を併用してもよい。
また、透光性樹脂に微粒子群を混練した組成物を直接コーティングする方法としては、従来公知のコーティング技術を採用すればよく、特に限定されるものではない。透光性樹脂を乾燥させる方法についても、従来公知の乾燥方法を採用すればよく、特に限定されるものではない。
光拡散シートを貼り合わせるのに用いる接着剤としては、例えば、アクリル系接着剤、ポリエステル系接着剤、ポリアミド系接着剤、ポリウレタン系接着剤、イソシアネート系接着剤、エポキシ系接着剤などが挙げられる。これらの接着剤は、単独で用いても2種以上を併用してもよい。これらの接着剤のうち、ポリウレタン系接着剤、イソシアネート系接着剤、アクリル系接着剤が好適であり、ポリウレタン系接着剤が特に好適である。光拡散シートを貼り合わせるのに用いる粘着剤としては、例えば、アクリル系粘着剤、シリコーン系粘着剤などが挙げられる。これらの粘着剤は、単独で用いても2種以上を併用してもよい。これらの粘着剤のうち、アクリル系粘着剤が特に好適である。
<光拡散板の用途>
本発明の光拡散板は、直下型バックライトユニットの光拡散板として、従来公知の直下型バックライトユニットに用いてもよいが、下記で説明する本発明の直下型バックライトユニットに用いることが好ましい。
≪バックライトユニット≫
本発明のバックライトユニットは、光源と、反射シートと、透明支持体と、上記で説明した本発明の光拡散シートとを有することを特徴とするか、あるいは、光源と、反射シートと、上記で説明した本発明の光拡散板とを有することを特徴とするか、あるいは、光源と、反射シートと、上記で説明した本発明の光拡散シートとを有することを特徴とする。ここで、本発明の光拡散シートおよび光拡散板は、上記したように、光拡散・集光層による高い光拡散性および高い集光性を発揮するか、あるいは光拡散層による高い光拡散性を発揮する。それゆえ、このような光拡散シートまたは光拡散板を用いた本発明のバックライトユニットは、光を拡散するための光拡散板や光拡散シート、光を集光するためのプリズムシートや光拡散シートを用いてなくても、バックライトユニットを構成することができる。つまり、本発明によれば、光拡散性や集光性に優れると共に高い全光線透過率および輝度が得られるという基本的な光学特性を維持しながら、バックライトユニットの部材を削減することができる。
<光源および反射シート>
本発明のバックライトユニットにおいて、光源としては、従来公知のバックライトユニットに用いられている各種の光源の中から適宜選択すればよく、特に限定されるものではないが、例えば、冷陰極蛍光灯(CCFL)、外部電極蛍光灯(EEFL)、平面蛍光灯(FFL)、発光ダイオード(LED)などが挙げられる。また、反射シートとしては、従来公知のバックライトユニットに用いられている各種の反射シートの中から適宜選択すればよく、特に限定されるものではないが、例えば、酸化チタンなどの白色顔料を分散させた合成樹脂シート、光を散乱させるための気泡を分散させた合成樹脂シート、表面をマット状に形成した合成樹脂シート、銀やアルミニウムなどの金属または合金を表面に蒸着した合成樹脂シートなどが挙げられる。
<透明支持体>
本発明のバックライトユニットにおいて、透明支持体の材質、厚さ、構成、特性などは、本発明の光拡散板を説明した際に記載したものと同様であるので、ここでは説明を省略する。
ただし、本発明の光拡散板に用いる透明支持体ではなく、本発明の光拡散シートを支持するために用いる透明支持体は、光拡散シートに対向する側の表面にパターン形状を設けてもよい。パターン形状としては、プリズム状(具体的には、プリズムレンズ部が略平行に配置された形状)、ピラミッド状(具体的には、三角錐状または四角錐状の凸部または凹部が規則的に配置された形状)、半球状(具体的には、半球状の凸部または凹部が規則的に配置された形状)などの規則的な形状や、様々なエンボス模様(例えば、プリズムレンズ部が不規則に配置された形状、三角錐状または四角錐状の凸部または凹部が不規則に配置された形状、半球状の凸部または凹部が不規則に配置された形状、そのほか任意形状の凸部または凹部が不規則に配置された形状)などの不規則形状が挙げられる。これらのパターン形状は、単独で用いても2種以上を併用してもよい。なお、パターン形状は、透明支持体の表面全体に設けてもよいし、透明支持体の表面の一部に設けてもよい(すなわち、パターン形状を設けていない部分があってもよい)。透明支持体の表面に規則的形状を設ければ、光拡散シートに導かれる光を制御することができるので、光源からの光をより効率的に拡散することができる。なお、光の拡散は光線シミュレータにより容易にシミュレーションすることができる。また、透明支持体の表面に不規則形状を設ければ、光源からの光をある程度拡散することができるので、光拡散効果をより一層高めることができる。透明支持体の表面にパターン形状を設ける方法としては、透明支持体が熱可塑性樹脂で構成されている場合には、例えば、透明支持体を押出成形する際に、パターン形状を有するエンボスロールを用いてエンボス加工する方法;パターン形状を有するグラビアロールで樹脂組成物を塗布して乾燥または硬化させる方法;光硬化性樹脂を塗布した後、レーザー光干渉法により露光を行ってパターン形状を形成する方法;などが挙げられ、また、透明支持体が無機材料で構成されている場合には、例えば、レーザー加工や、湿式または乾式のエッチング加工などにより、透明支持体の表面にパターン形状を形成する方法などが挙げられる。これらの方法は、単独で用いても2種以上を併用してもよい。パターン形状が規則的形状の場合、パターン形状のピッチは、好ましくは1μm以上、1,000μm以下、より好ましくは5μm以上、800μm以下、さらに好ましくは10μm以上、500μm以下である。パターン形状のピッチが1μm未満であるか、あるいは1,000μmを超えると、光源からの光を効率的に拡散する効果が発揮できないことがある。
もちろん、本発明の光拡散シートを支持するために用いる透明支持体についても、紫外線の影響を防止するために、紫外線吸収剤を含有させておくか、あるいは光源からの光を受ける面に紫外線吸収層を設けておいてもよく、また、空気中の塵埃の影響を防止するために、帯電防止剤を含有させておくか、あるいは空気層と接触する面に帯電防止層を設けておいてもよい。
<光拡散シートおよび光拡散板>
本発明のバックライトユニットにおいて、光拡散シートとしては、上記で説明した本発明の光拡散シート(例えば、図1〜4に示す光拡散シート)が用いられる。また、光拡散板としては、上記で説明した本発明の光拡散板(例えば、図5〜8に示す光拡散板)が用いられる。なお、本発明のバックライトにおいて、本発明の光拡散シートおよび本発明の光拡散板は、いずれか一方を用いても両方を併用してもよく、また、従来公知の光拡散シートやプリズムシート、輝度上昇フィルム(例えば、3M社製のDBEF)を併用してもよい。
<バックライトユニットの構成例>
ここで、本発明のバックライトユニットの具体的な構成例を図9〜13に示す。なお、図9および10は、光源と、反射シートと、透明支持体と、上記で説明した本発明の光拡散シートとを有することを特徴とするバックライトユニットに対応している。また、図11および12は、光源と、反射シートと、上記で説明した本発明の光拡散板とを有することを特徴とするバックライトユニットに対応している。さらに、図13は、光源と、反射シートと、上記で説明した本発明の光拡散シートとを有するバックライトユニットに対応している。
図9に示すバックライトユニット90は、光源91と、反射シート92と、透明支持体93と、光拡散シート94とを有する。ここで、光拡散シート94としては、図1〜4に示す光拡散シートが用いられる。光源91から出射した光は、一部は透明支持体93に向かい、一部は反射シート92で反射されてから透明支持体93に向かう。透明支持体93に入射した光は、該透明支持体93を通過して光拡散シート94に入射する。光拡散シート94に入射した光は、図1および2に示す光拡散シート10または20を用いた場合は、充分に拡散され、正面方向に集光された後、あるいは、図3および4に示す光拡散シート30または40を用いた場合には、充分に拡散された後、液晶表示パネル(図示せず)に向かう。
図10に示すバックライトユニット100は、光源101と、反射シート102と、透明支持体103と、光拡散シート104とを有する。ここで、光拡散シート104としては、図1〜4に示す光拡散シートが用いられる。光源101から出射した光は、一部は透明支持体103に向かい、一部は反射シート102で反射されてから透明支持体103に向かう。透明支持体103に入射した光は、該透明支持体103を通過して行き、該透明支持体103の表面に形成されたパターン形状(図10では、具体例として半球状のパターン形状を示すが、この形状に限定されることはない)で効率的に拡散された後、光拡散シート104に入射する。光拡散シート104に入射した光は、図1および2に示す光拡散シート10または20を用いた場合は、充分に拡散され、正面方向に集光された後、あるいは、図3および4に示す光拡散シート30または40を用いた場合には、充分に拡散された後、液晶表示パネル(図示せず)に向かう。
図11に示すバックライトユニット110は、光源111と、反射シート112と、光拡散板113とを有する。ここで、光拡散板113としては、図5および6に示す光拡散板50または60が用いられる。光源111から出射した光は、一部は光拡散板113に向かい、一部は反射シート112で反射されてから光拡散板113に向かう。光拡散板113に入射した光は、透明支持体114を通過した後、光拡散層115(光拡散・集光層Aまたは光拡散層B)に入射する。光拡散層115に入射した光は、図5に示す光拡散板50を用いた場合は、充分に拡散され、正面方向に集光された後、あるいは、図6に示す光拡散板60を用いた場合には、充分に拡散された後、液晶表示パネル(図示せず)に向かう。
図12に示すバックライトユニット120は、光源121と、反射シート122と、光拡散板123とを有する。ここで、光拡散板123は、図7および8に示す光拡散板70または80が用いられる。光源121から出射した光は、一部は光拡散板123に向かい、一部は反射シート122で反射されてから光拡散板123に向かう。光拡散板123に入射した光は、透明支持体124、接着剤または粘着剤128、透明フィルム125を通過した後、光拡散層115(光拡散・集光層Aまたは光拡散層B)に入射する。光拡散層115に入射した光は、図7に示す光拡散板70を用いた場合は、充分に拡散され、正面方向に集光された後、あるいは、図8に示す光拡散板80を用いた場合には、充分に拡散された後、液晶表示パネル(図示せず)に向かう。
なお、図9〜12に示すバックライトユニットでは、本発明の光拡散シートまたは光拡散板のいずれか一方を用いているが、上記したように、本発明の光拡散シートおよび光拡散板の両方を併用してもよく、また、従来公知の光拡散シートやプリズムシート、輝度上昇フィルム(例えば、3M社製のDBEF)を併用してもよい。
図13に示すバックライトユニット130は、光源131と、反射シート132と、光拡散シート133とを有する。ここで、光拡散シート133としては、図1〜4に示す光拡散シートが用いられる。なお、光拡散シート133は、透明支持体を用いずに、支持部材(図示せず)により支持されている。光源131から出射した光は、一部は光拡散シート134に向かい、一部は反射シート132で反射されてから光拡散シート133に向かう。光拡散シート133に入射した光は、図1および2に示す光拡散シート10または20を用いた場合は、充分に拡散され、正面方向に集光された後、あるいは、図3および4に示す光拡散シート30または40を用いた場合は、充分に拡散された後、液晶表示パネル(図示せず)に向かう。
図13に示すバックライトユニットにおいて、光拡散シート133を支持する方法としては、平面性を保ち、光源の熱や経時による撓みや歪みなどを防止できる方法である限り、特に限定されることはなく、従来公知の支持方法の中から適宜選択すればよい。例えば、特開2003−203503号公報に開示された方法に準拠して、光拡散シートを筐体の開口部上に載置し、光拡散シートの中央部の撓みや歪みをピン、糸、挟着体などで防止したり、特開2005−44747号公報に開示された方法に準拠して、筐体の周縁部からバネやバネなどの弾性部材で張力を与えながら光拡散シートを支持したり、特開2004−219926号公報に開示された方法に準拠して、光拡散シートの外縁をバネやゴムなどの弾性部材を含む張力調整部材を介して固定枠に取り付けたりすることができる。これらの方法は、単独で用いても2種以上を併用してもよい。これらの方法のうち、光拡散シートの撓みや歪みを長期間にわたって防止できることから、光拡散シートに張力を与えながら支持する方法が好適である。
なお、図13に示すバックライトユニットでは、本発明の光拡散シートだけを用いているが、上記したように、本発明の光拡散シートおよび光拡散板の両方を併用してもよく、また、従来公知の光拡散シートやプリズムシート、輝度上昇フィルム(例えば、3M社製のDBEF)を併用してもよい。
<バックライトユニットの製造方法>
本発明のバックライトユニットは、従来公知のバックライトユニットに用いられている光拡散板やプリズムシートを必ずしも用いる必要がないこと以外は、少なくとも、光源と、反射シートと、透明支持体と、光拡散シートとから、あるいは、光源と、反射シートと、光拡散板とから、あるいは、光源と、反射シートと、光拡散シートとから、従来公知のバックライトユニットと同様に組み立てることができる。それゆえ、本発明のバックライトユニットの組立方法は、特に限定されるものではない。本発明のバックライトユニットの場合、光拡散シートや光拡散板が単独で高い光拡散性および高い集光性あるいは高い光拡散性を有するので、光拡散シートと光拡散板とを併用したり、プリズムシートを用いたり、場合によっては、透明支持体を用いる必要がないことから、バックライトユニットの部材を少なくとも1〜3個削減することができ、ひいては組み立てに要するコストを低減することができる。
<バックライトユニットの用途>
本発明のバックライトユニットは、透過型液晶表示装置の画像表示用光源として、特に液晶テレビや液晶ディスプレイなどの用途に好適に使用することができる。
≪液晶表示装置≫
本発明の液晶表示装置は、上記で説明した本発明のバックライトユニットを備えていることを特徴とする。本発明のバックライトユニットは、直下型のバックライトユニットであるから、本発明の液晶表示装置は、好ましくは、比較的大きい画面サイズを有する。それゆえ、本発明の液晶表示装置は、特に、比較的大きい画面サイズを有する液晶テレビや液晶ディスプレイなどの用途に好適に使用することができる。
本発明の液晶表示装置は、バックライトユニットが本発明のバックライトユニットであること以外は、従来公知の液晶表示装置と同様の構成要素を有する。それゆえ、本発明の液晶表示装置は、バックライトユニットとして本発明のバックライトユニットを用いること以外は、従来公知の液晶表示装置と同様にして製造することができる。
本発明の液晶表示装置は、本発明のバックライトユニットを用いているので、高い輝度を示し、表示ムラが少ない均一で明るい表示を与えることができる。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はもとより下記実施例により制限を受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に含まれる。
まず、光拡散シートを構成する要素の物性値を測定する方法および光拡散シートの性能を評価する方法について説明する。
<微粒子群の平均粒子径>
微粒子群の平均粒子径は、粒度分布測定装置(マルチサイザーII型、コールター(株)製)を用いて測定した体積平均粒子径である。
<光拡散層の層厚>
光拡散層の層厚は、厚み測定器(ダイヤルシックネスゲージ、(株)尾崎製作所製)を用いて、各試料あたり5点以上で層厚を測定し、得られた測定値の平均値である。
<透光性樹脂の屈折率>
光拡散層を構成する透光性樹脂の屈折率は、透光性樹脂の水酸基(OH基)と多官能イソシアネート化合物(デスモジュールN3200、住化バイエルウレタン(株)製)のイソシアネート基(NCO基)とがOH基/NCO基=1(当量比)となるように、透光性樹脂に多官能イソシアネート化合物を添加した後、バーコーターを用いて、厚さ40μmのフィルムを成形し、このフィルムの屈折率を多波長アッベ屈折計(DR−M2、(株)アタゴ製)で測定した。測定波長は589.3nm、測定温度は25℃であった。
<微粒子群Aの屈折率>
光拡散層を構成する透光性樹脂に分散させた微粒子群Aの屈折率は、数種類のカーギル標準屈折液(スタンダードシリーズ、(株)モリテックス製;屈折率範囲n 25=1.300〜2.11)を用意し、スライドグラスに微粒子群Aを載置し、予想される屈折率の標準屈折液を添加し、カバーガラスで挟んだ後、25℃で透過光学顕微鏡(デジタルマイクロスコープVHX−200、(株)キーエンス製;光源ランプは、12V、100Wのハロゲンランプ(色温度3,100K(最大光量時)))を用いて観察し、微粒子群Aと標準屈折液との界面が最も見えにくい時に用いた標準屈折液の屈折率を微粒子群Aの屈折率とした。ただし、微粒子群Aと標準屈折液との界面が最も見えにくい時に用いた標準屈折液が屈折率の連続した2種類存在する場合は、それらの屈折率の中間値を微粒子群Aの屈折率とし、また、微粒子群Aの屈折率がカーギル標準屈折液の屈折率範囲外である場合は、その材質の屈折率を微粒子群Aの屈折率とした。
<光拡散層の表面粗さ>
光拡散層の表面粗さは、表面粗さ計(Dektak3030、日本真空技術(株)製)を用いて、各試料あたり無作為に選択した5個所以上の算術平均粗さを測定し、得られた測定値の平均値である。
<全光線透過率およびヘイズ>
試料の全光線透過率およびヘイズは、濁度計(NDH−1001DP、日本電色工業(株)製)を用いて測定した。
<正面輝度>
試料の正面輝度は、光源として、冷陰極管(光源上輝度:約10,000cd/m)を用いて、下記の方法により測定した。
測定方法:
冷陰極管の表面から5mm離して厚さ2mmのポリカーボネート製透明支持体を設置し、その上に試料を載置した。試料から50cm離れた位置に輝度計(BM−7、(株)トプコン製)を固定し、光源上の輝度を測定した。
<光源形状>
正面輝度の測定時に、目視で光源の形状を観察し、下記の基準で評価した。
○:光源形状が確認できなかった;
△:光源形状がぼやけていた;
×:光源形状が明確に確認できた。
<耐傷付性>
耐傷付性は、摩擦試験機(FR−2型、スガ試験機(株)製)を用いて評価した。まず、摩擦試験機の摩擦子摺動面にポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(コスモシャインA−4300、東洋紡績(株)製;厚さ100μm)を設置し、その上に光拡散層が対向するように光拡散シートを載置し、200gの荷重をかけ、摩擦子を10回往復させた。その後、光拡散シートの表面における傷の発生状況を光学顕微鏡(450倍)で観察し、PETフィルムの表面における傷の発生状況を目視で観察することにより、光拡散シートおよびPETフィルムの耐傷付性を下記の基準で評価した。
◎:全く傷が観察されなかった
○:わずかな傷が観察された;
△:かなりの傷が観察された;
×:著しい傷が観察された。
<微粒子脱落性>
微粒子群の脱落性は、摩擦試験機(FR−2型、スガ試験機(株)製)を用いて評価した。まず、摩擦試験機の摩擦子摺動面に不織布(ベンコット、旭化成(株)製)を設置し、その上に光拡散層が対向するように光拡散シートを載置し、200gの荷重をかけ、10回往復させた。その後、不織布の表面における脱落微粒子の付着状況を光学顕微鏡(450倍)で観察し、光拡散シートの微粒子脱落性を下記の基準で評価した。
◎:脱落微粒子が全く観察されなかった;
○:微量の脱落微粒子が観察された;
△:少量の脱落微粒子が観察された;
×:多量の脱落微粒子が観察された。
次に、実施例および比較例で用いた(メタ)アクリル系樹脂(以下、「共重合体A」または「共重合体B」ということがある。)および有機無機複合超微粒子の調製方法について説明する。
<共重合体Aの調製>
攪拌機、温度計、冷却器、滴下ロートおよび窒素ガス導入管を備えた四つ口フラスコに、溶媒として酢酸ブチル100質量部を入れ、還流温度まで昇温した。次いで、窒素ガスを導入しながら、単量体としてのシクロヘキシルメタクリレート40質量部、ブチルメタクリレート37.7質量部、ブチルアクリレート7.3質量部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート13.9質量部、およびメタクリル酸1.1質量部、ならびに重合開始剤としてのt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート(商品名パーブチルO、日本油脂(株)製)3.0質量部からなる単量体混合物を、3時間かけて滴下ロートから滴下した。さらに、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン(商品名パーヘキサ3M、日本油脂(株)製)0.2質量部を30分間間隔で3回添加し、還流温度で2時間保持した。その後、反応溶液を室温まで冷却して共重合体Aの溶液を得た。得られた共重合体Aの固形分濃度は50.3%であった。共重合体Aの分子量は数平均分子量(Mn)/重量平均分子量(Mw)=5,300/10,500であった。FOXの計算式から算出した理論的なガラス転移温度は40℃であり、また、理論的な水酸基価は60であった。
<共重合体Bの調製>
共重合体Aの調製において、単量体混合物に含有される単量体の組成を、メチルメタクリレート37.2質量部、ブチルメタクリレート39.3質量部、2−エチルヘキシルアクリレート8.5質量部、ヒドロキシエチルメタクリレート13.9質量部、およびメタクリル酸1.1質量部に変更したこと以外は、共重合体Aの調製と同様にして、共重合体Bの溶液を得た。得られた共重合体Bの固形分濃度は50.1%であった。共重合体Bの分子量は数平均分子量(Mn)/重量平均分子量(Mw)=5,700/10,200であった。FOXの計算式から算出した理論的なガラス転移温度は40℃であり、また、理論的な水酸基価は60であった。
<有機無機複合超微粒子の調製>
特開平11−5940号公報の段落0056〜段落0061に記載の方法に従って、無機超微粒子(シリカ)の表面に有機ポリマー((メタ)アクリル系樹脂)が固定されてなる有機無機複合超微粒子(以下、単に「複合超微粒子」ということがある。)が酢酸ブチルに分散した分散体を得た。複合超微粒子の濃度は30.0質量%、複合超微粒子中の無機物含有量は57.8質量%であった。複合超微粒子の平均粒子径は55nm、変動係数は18.0%であった。複合超微粒子中に存在するアルコキシ基としては、0.12mol/gのメトキシ基が含有されていた。また、複合超微粒子は経時安定性も良好であった。この複合超微粒子分散体を遠心分離機にかけて得られた上澄み液をゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)で分析したが、有機ポリマーは検出されなかった。また、上記複合超微粒子分散体の遠心分離後の沈降物である各複合超微粒子をテトラヒドロフランまたは水で洗浄し、その洗液をゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)で分析したが、有機ポリマーは検出されなかった。以上の結果は、複合超微粒子においては、有機ポリマーが無機超微粒子に単に付着しているのではなく、強固に固定されていることを示している。
なお、複合超微粒子濃度は、複合超微粒子分散体を1.33×10Pa(100mmHg)の圧力下、130℃で24時間乾燥し、下記の式により算出した。
複合超微粒子濃度(質量%)=100×D/W
[式中、Dは乾燥後の複合超微粒子の質量(g)、Wは乾燥前の複合超微粒子分散体の質量(g)を表す]
複合超微粒子中の無機物含有量は、複合超微粒子分散体を1.33×10Pa(100mmHg)の圧力下、130℃で24時間乾燥したものについて元素分析を行い、灰分を複合超微粒子中の無機物含有量とした。
複合超微粒子の平均粒子径は、サブミクロン粒子径アナライザー(NICOMPMODEL370、野崎産業(株)製)を用いて、動的光散乱測定法により、23℃で測定した。測定した平均粒子径は、体積平均粒子径である。測定試料は、複合超微粒子濃度が0.1〜2.0質量%であるテトラヒドロフランに分散させた複合超微粒子分散体(複合超微粒子中の有機ポリマーがテトラヒドロフランに溶解しない場合には、有機ポリマーが溶解する溶媒に分散させた分散体)を用いた。
複合超微粒子の平均粒子径の変動係数は、下記式により算出した。
変動係数(%)=複合超微粒子の粒子径の標準偏差/複合超微粒子の平均粒子径
複合超微粒子中のアルコキシ基含有量は、複合超微粒子分散体を1.33×10Pa(100mmHg)の圧力下、130℃で24時間乾燥した複合超微粒子5gを、アセトン50g、2N−NaOH水溶液50gの混合物に分散させ、室温で24時間攪拌し、その後、ガスクロマトグラフィーで分散液中のアルコールを定量して算出した。
複合超微粒子の経時安定性は、複合超微粒子分散体をガードナー粘度チューブ中に密閉し、50℃で1ヶ月保存した後、複合超微粒子の凝集や沈降、粘度の上昇などが認められないものを「良好」とした。
≪実施例1≫
上記で得られた複合超微粒子の酢酸ブチル分散体100質量部に対し、上記で得られた共重合体Aの溶液27質量部を混合することにより、固形分中の無機物含有量が40質量%である共重合体Aと複合超微粒子とを含有する透光性樹脂溶液を得た。なお、透光性樹脂の屈折率は1.51であった。
この透光性樹脂溶液に、微粒子群Aとして、ベンゾグアナミン・ホルムアルデヒド縮合物の球状微粒子(エポスターMS、(株)日本触媒製;屈折率1.66、平均粒子径1.6μm)を透光性樹脂溶液に対して30質量%と、微粒子群Bとして、ポリメタクリル酸メチル系架橋物の球状微粒子(エポスターMA1013、(株)日本触媒製;屈折率1.51、平均粒子径13.5μm)を透光性樹脂溶液に対して70質量%とを添加した。その後、この混合物に、多官能イソシアネート化合物(デスモジュールN3200、住化バイエルウレタン(株)製)をOH基/NCO基=1(当量比)となる量だけ秤量して添加した。得られた樹脂組成物を、バーコーターを用いて、透明フィルムとしてのポリエチレンテレフタレートフィルム(コスモシャインA−4300、東洋紡績(株)製;厚さ100μm)上に塗布し、室温で1時間放置した後、80℃で2時間乾燥させ、厚さ25μmの光拡散層を有する光拡散シートを得た。なお、光拡散層を構成する透光性樹脂と微粒子群Aとの屈折率差の絶対値は0.15であり、光拡散層の表面粗さは1.55μmであった。
得られた光拡散シートの全光線透過率およびヘイズは、それぞれ71%および93%であった。また、正面輝度は7,253cd/mであり、光源形状は確認できなかった。これらの結果と光拡散シートの性能を表1に示す。
≪実施例2≫
実施例1において、共重合体Aの溶液に代えて、上記で得られた共重合体Bの溶液を用いて、透光性樹脂溶液を調製したこと以外は、実施例1と同様にして、厚さ24μmの光拡散層を有する光拡散シートを得た。なお、透光性樹脂の屈折率は1.51であった。また、光拡散層を構成する透光性樹脂と微粒子群Aとの屈折率差の絶対値は0.15であり、光拡散層の表面粗さは1.52μmであった。
得られた光拡散シートの全光線透過率およびヘイズは、それぞれ70%および94%であった。また、正面輝度は7,186cd/mであり、光源形状は確認できなかった。これらの結果と光拡散シートの性能を表1に示す。
≪実施例3≫
実施例1において、透光性樹脂溶液に、微粒子群Aとして、酸化チタン微粒子(TIPAQUE CR−95、石原産業(株)製;平均粒子径250nm)を透光性樹脂溶液に対して20質量%と、微粒子群Bとして、ポリメタクリル酸メチル系架橋物の球状微粒子(エポスターMA1013、(株)日本触媒製;屈折率1.51、平均粒子径13.5μm)を透光性樹脂溶液に対して70質量%とを添加したこと以外は、実施例1と同様にして、厚さ26μmの光拡散層を有する光拡散シートを得た。なお、光拡散層を構成する透光性樹脂と微粒子群Aとの屈折率差の絶対値は1.20であり、光拡散層の表面粗さは1.49μmであった。
得られた光拡散シートの全光線透過率およびヘイズは、それぞれ46%および92%であった。また、正面輝度は4,658cd/mであり、光源形状は確認できなかった。これらの結果と光拡散シートの性能を表1に示す。
≪実施例4≫
実施例1において、透光性樹脂溶液に、微粒子群Aとして、ベンゾグアナミン・ホルムアルデヒド縮合物の球状微粒子(エポスターMS、(株)日本触媒製;屈折率1.66、平均粒子径1.6μm)を透光性樹脂溶液に対して30質量%だけ添加したが、微粒子群Bとして、ポリメタクリル酸メチル系架橋物の球状微粒子(エポスターMA1013、(株)日本触媒製;屈折率1.51、平均粒子径13.5μm)を添加しなかったこと以外は、実施例1と同様にして、厚さ23μmの光拡散層を有する光拡散シートを得た。なお、光拡散層を構成する透光性樹脂と微粒子群Aとの屈折率差の絶対値は0.15であり、光拡散層の表面粗さは0.49μmであった。
得られた光拡散シートの全光線透過率およびヘイズは、それぞれ79%および93%であった。また、正面輝度は6,621cd/mであり、光源形状は確認できなかった。これらの結果と光拡散シートの性能を表1に示す。
≪実施例5≫
実施例1において、透光性樹脂溶液に、微粒子群Aとして、酸化亜鉛微粒子(LPZINC−2、堺化学工業(株)製;屈折率1.95、平均粒子径2μm)を透光性樹脂溶液に対して20質量%と、微粒子群Bとして、ポリメタクリル酸メチル系架橋物の球状微粒子(エポスターMA1013、(株)日本触媒製;屈折率1.51、平均粒子径13.5μm)を透光性樹脂溶液に対して70質量%とを添加したこと以外は、実施例1と同様にして、厚さ22μmの光拡散層を有する光拡散シートを得た。なお、光拡散層を構成する透光性樹脂と微粒子群Aとの屈折率差の絶対値は0.44であり、光拡散層の表面粗さは1.48μmであった。
得られた光拡散シートの全光線透過率およびヘイズは、それぞれ70%および90%であった。また、正面輝度は7,013cd/mであり、光源形状は確認できなかった。これらの結果と光拡散シートの性能を表1に示す。
≪比較例1≫
実施例1において、共重合体Aの溶液に複合超微粒子を添加せずに透光性樹脂溶液を調製したこと以外は、実施例1と同様にして、厚さ24μmの光拡散層を有する光拡散シートを得た。なお、光拡散層を構成する透光性樹脂と微粒子群Aとの屈折率差の絶対値は0.17であり、光拡散層の表面粗さは1.53μmであった。
得られた光拡散シートの全光線透過率およびヘイズは、それぞれ70%および91%であった。また、正面輝度は7,213cd/mであり、光源形状は確認できなかった。これらの結果と光拡散シートの性能を表1に示す。
≪比較例2≫
実施例2において、共重合体Bの溶液に複合超微粒子を添加せずに透光性樹脂溶液を調製したこと以外は、実施例2と同様にして、厚さ26μmの光拡散層を有する光拡散シートを得た。なお、光拡散層を構成する透光性樹脂と微粒子群Aとの屈折率差の絶対値は0.05であり、光拡散層の表面粗さは1.47μmであった。
得られた光拡散シートの全光線透過率およびヘイズは、それぞれ70%および92%であった。また、正面輝度は7,159cd/mであり、光源形状は確認できなかった。これらの結果と光拡散シートの性能を表1に示す。
≪比較例3≫
実施例3において、共重合体Aの溶液に複合超微粒子を添加せずに透光性樹脂溶液を調製したこと以外は、実施例3と同様にして、厚さ23μmの光拡散層を有する光拡散シートを得た。なお、光拡散層を構成する透光性樹脂と微粒子群Aとの屈折率差の絶対値は1.22であり、光拡散層の表面粗さは1.47μmであった。
得られた光拡散シートの全光線透過率およびヘイズは、それぞれ45%および92%であった。また、正面輝度は4,523cd/mであり、光源形状は確認できなかった。これらの結果と光拡散シートの性能を表1に示す。
≪比較例4≫
実施例5において、共重合体Aの溶液に複合超微粒子を添加せずに透光性樹脂溶液を調製したこと以外は、実施例5と同様にして、厚さ21μmの光拡散層を有する光拡散シートを得た。なお、光拡散層を構成する透光性樹脂と微粒子群Aとの屈折率差の絶対値は0.46であり、光拡散層の表面粗さは1.46μmであった。
得られた光拡散シートの全光線透過率およびヘイズは、それぞれ71%および88%であった。また、正面輝度は7,002cd/mであり、光源形状は確認できなかった。これらの結果と光拡散シートの性能を表1に示す。
≪比較例5≫
実施例1において、透光性樹脂溶液に、微粒子群Aとして、ポリメタクリル酸メチル系架橋物の球状微粒子(エポスターMA1004、(株)日本触媒製;屈折率1.51、平均粒子径4.3μm)を透光性樹脂溶液に対して30質量%と、微粒子群Bとして、ポリメタクリル酸メチル系架橋物の球状微粒子(エポスターMA1013、(株)日本触媒製;屈折率1.51、平均粒子径13.5μm)を透光性樹脂溶液に対して70質量%とを添加したこと以外は、実施例1と同様にして、厚さ24μmの光拡散層を有する光拡散シートを得た。なお、光拡散層を構成する透光性樹脂と微粒子群Aとの屈折率差の絶対値は0.00であり、光拡散層の表面粗さは1.58μmであった。
得られた光拡散シートの全光線透過率およびヘイズは、それぞれ75%および90%であった。また、正面輝度は9,012cd/mであり、光源形状は明確に確認できた。これらの結果と光拡散シートの性能を表1に示す。
≪比較例6≫
実施例4において、透光性樹脂溶液に、微粒子群Aとして、ポリメタクリル酸メチル系架橋物の球状微粒子(エポスターMA1004、(株)日本触媒製;屈折率1.51、平均粒子径4.3μm)を添加したが、微粒子群Bとして、ポリメタクリル酸メチル系架橋物の球状微粒子(エポスターMA1013、(株)日本触媒製;屈折率1.51、平均粒子径13.5μm)を添加しなかったこと以外は、実施例4と同様にして、厚さ22μmの光拡散層を有する光拡散シートを得た。なお、光拡散層を構成する透光性樹脂と微粒子群Aとの屈折率差の絶対値は0.00であり、光拡散層の表面粗さは0.78μmであった。
得られた光拡散シートの全光線透過率およびヘイズは、それぞれ78%および85%であった。また、正面輝度は9,312cd/mであり、光源形状は明確に確認できた。これらの結果と光拡散シートの性能を表1に示す。
Figure 2007272208
表1から明らかなように、光拡散層を構成する透光性樹脂が(メタ)アクリル系樹脂と有機無機複合超微粒子とを含有する樹脂であり、かつ該光拡散層を構成する透光性樹脂と少なくとも1種類の微粒子群(微粒子群A)との屈折率差の絶対値が0.05以上であるという条件を満足する実施例1〜5の光拡散シートは、充分な全光線透過率と、高いヘイズ、充分な正面輝度を示すと共に、光源の形状を完全に消すことができ、線光源を面光源にする機能を有するので、光拡散シートとして充分な光拡散性と集光性とを兼ね備えていることがわかる。しかも、耐傷付性に優れているので、例えば、ロール状で保管する場合に、光拡散シートおよび接触部材のいずれをも傷付くことがなく、また、光拡散層を構成する微粒子群が脱落することもなく、製造時、保管時、運搬時、使用時などの取り扱いが容易であり、歩留りが向上することがわかる。
これに対し、光拡散層を構成する透光性樹脂が無機超微粒子または有機無機複合超微粒子を含有しない(メタ)アクリル系樹脂であり、上記条件を満足しない比較例1〜4の光拡散シートは、充分な全光線透過率、正面輝度、ヘイズを示すと共に、光源の形状を完全に消すことができ、線光源を面光源にする機能を有するので、光拡散シートとして充分な光拡散性と集光性とを兼ね備えているが、耐傷付性および微粒子脱落性に劣るので、製造時、保管時、運搬時、使用時などの取り扱いが容易ではなく、光拡散シートとして実用的ではないことがわかる。また、光拡散層を構成する透光性樹脂と少なくとも1種類の微粒子群(微粒子群A)との屈折率差の絶対値が0.05未満であり、上記条件を満足しない比較例5および6の光拡散シートは、耐傷付性および微粒子脱落性が良好または比較的良好であるが、充分な全光線透過率、正面輝度、ヘイズを示すにもかかわらず、光源の形状を完全に消すことができず、線光源を面光源にする機能を有しないので、光拡散シートとして実用的ではない。
本発明は、光源形状を完全に消すことができ、線光源を面光源にする機能を有するので、光拡散性や集光性に優れると共に、高い全光線透過率および輝度を与えることができるという基本的な光学特性を維持しながら、バックライトユニットの部材を削減することができ、しかも光拡散層の耐傷付性に優れ、光拡散シートや光拡散板の取り扱いが容易であり、歩留まりを向上させるので、液晶表示装置を用いる幅広い分野でコスト低減に多大の貢献をなすものである。
本発明の光拡散シートの構成例を示す概略断面図である。 本発明の光拡散シートの他の構成例を示す概略断面図である。 本発明の光拡散シートの他の構成例を示す概略断面図である。 本発明の光拡散シートの他の構成例を示す概略断面図である。 本発明の光拡散板の構成例を示す概略断面図である。 本発明の光拡散板の他の構成例を示す概略断面図である。 本発明の光拡散板の他の構成例を示す概略断面図である。 本発明の光拡散板の他の構成例を示す概略断面図である。 本発明のバックライトユニットの構成例を示す概略説明図である。 本発明のバックライトユニットの他の構成例を示す概略説明図である。 本発明のバックライトユニットの他の構成例を示す概略説明図である。 本発明のバックライトユニットの他の構成例を示す概略説明図である。 本発明のバックライトユニットの他の構成例を示す概略説明図である。 従来のバックライトユニットの構成例を示す概略説明図である。 従来の光拡散板の構成例を示す概略断面図である。 従来の光拡散シートの構成例を示す概略断面図である。
符号の説明
A 光拡散・集光層
B、164 光拡散層
10、20、30、40、94、104、133、144、160 光拡散シート
11、21、31、41、71、81、125、161 透明フィルム
13、23、33、43、53、63、73、83、162 透光性樹脂
14、15、24、25、34、44、54、55、64、74、75、84、152、163 微粒子群
78、88、128 接着剤または粘着剤
52、62、72、82、93、103、114、124 透明支持体
50、60、70、80、113、123、143、150 光拡散板
90、100、110、120、130、140 バックライトユニット
91、101、111、121、131、141 光源
92、102、112、122、132、142 反射シート
115、126 光拡散・集光層または光拡散層
145 プリズムシート
151 透明熱可塑性樹脂

Claims (9)

  1. 透明フィルムの少なくとも片面に、透光性樹脂に少なくとも1種類の微粒子群を分散させた光拡散層が形成された光拡散シートであって、該透光性樹脂が無機超微粒子または有機無機複合超微粒子を含有する(メタ)アクリル系樹脂であり、かつ該光拡散層を構成する透光性樹脂と少なくとも1種類の微粒子群との屈折率差の絶対値が0.05以上であることを特徴とする光拡散シート。
  2. 前記光拡散層が2種類の微粒子群を含有し、かつ前記光拡散層の表面粗さが0.5μm以上、7μm以下である請求項1記載の光拡散シート。
  3. 透明支持体の表面に、透光性樹脂に少なくとも1種類の微粒子群を分散させた光拡散層が形成された光拡散板であって、該透光性樹脂が無機超微粒子または有機無機複合超微粒子を含有する(メタ)アクリル系樹脂であり、かつ該光拡散層を構成する透光性樹脂と少なくとも1種類の微粒子群との屈折率差の絶対値が0.05以上であることを特徴とする光拡散板。
  4. 前記光拡散層が2種類の微粒子群を含有し、かつ前記光拡散層の表面粗さが0.5μm以上、7μm以下である請求項3記載の光拡散板。
  5. 透明フィルムの表面に、透光性樹脂に少なくとも1種類の微粒子群を分散させた光拡散層が形成された光拡散シートが透明支持体の表面に接着剤または粘着剤で貼り合わされた光拡散板であって、該透光性樹脂が無機超微粒子または有機無機複合超微粒子を含有する(メタ)アクリル系樹脂であり、かつ該光拡散層を構成する透光性樹脂と微粒子群との屈折率差の絶対値が0.05以上であることを特徴とする光拡散板。
  6. 前記光拡散層が2種類の微粒子群を含有し、かつ前記光拡散層の表面粗さが0.5μm以上、7μm以下である請求項5記載の光拡散板。
  7. 光源と、反射シートと、透明支持体と、請求項1または2項記載の光拡散シートとを有することを特徴とするバックライトユニット。
  8. 光源と、反射シートと、請求項3〜6のいずれか1項記載の光拡散板とを有することを特徴とするバックライトユニット。
  9. 請求項7または8記載のバックライトユニットを備えていることを特徴とする液晶表示装置。
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