JP2013246932A - 面発光素子およびその面発光素子を用いた照明装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】両面に発光する光透過が可能な面発光素子において、一方面側への発光効率をさらに高めることを可能とする構造を備える、面発光素子およびその面発光素子を用いた照明装置を提供する。
【解決手段】この面発光素子3は、光を発生する発光層34と、発光層34の一方側の面に設けられ、発光層34から発生した光の通過が可能である陽極電極層33と、発光層34の他方側の面に設けられ、発光層34から発生した光の通過が可能である陰極電極層36と、陽極電極層33の発光層34が位置する面とは反対側の面に設けられ、発光層34から発生した光を拡散する光拡散層32と、光拡散層32の陽極電極層33が位置する面とは反対側の面に設けられ、光拡散層32よりも屈折率が小さい光通過層31とを備え、陰極電極層36は、発光層34側に位置する薄膜金属電極層36aと、薄膜金属電極層36aを挟んで陰極電極層36とは反対側に位置し、薄膜金属電極層36aを通過した光を発光層34とは反対側に透過する光反射電極層36bとを有する。
【選択図】図4

Description

本発明は面発光素子の構造およびその面発光素子を用いた照明装置に関する。
新たな光源として面発光素子が挙げられる。特開2004−127942号公報(特許文献1)には、高光抽出型有機発光ダイオードデバイスに関する発明が開示されている。この高光抽出型有機発光ダイオードデバイスにおいては、透明基板と有機EL(Electro−Luminescence)要素との間に光散乱層を挿入することにより、光抽出効率を改善する技術が開示されている。
特開2002−252089号公報(特許文献2)には、両面発光型有機エレクトロルミネッセンス素子に関する発明が開示されている。この両面発光型有機エレクトロルミネッセンス素子においては、透明電極からなる陽極側からのみならず、金属電極を含む陰極側からも発光層における発光を取出す技術が開示されている。
特開2009−266570号公報(特許文献3)には、面状型照明器具に関する発明が開示されている。この面状型照明器具においては、面状型光源と調光ミラーとを組み合わせる技術が開示されている。
特開2004−127942号公報 特開2002−252089号公報 特開2009−266570号公報
たとえば、上述した面状発光素子を窓ガラスに使用した際には、通常時は光が透過し、発光時(照明時)には照明対象物側だけ照らすことが考えられる。その場合には、両面に発光する光透過が可能な面発光素子において、できるだけ効率よく照明対象物側だけに発光させることが期待され、そのような面状発光素子の更なる開発が必要となっている。
したがって、本発明の目的は、両面に発光する光透過が可能な面発光素子において、一方面側への発光効率をさらに高めることを可能とする構造を備える、面発光素子およびその面発光素子を用いた照明装置を提供することにある。
この発明に基づいた面発光素子においては、光を発生する発光層と、上記発光層の一方側の面に設けられ、上記発光層から発生した光の通過が可能である陽極電極層と、上記発光層の他方側の面に設けられ、上記発光層から発生した光の通過が可能である陰極電極層と、上記陽極電極層の上記発光層が位置する面とは反対側の面に設けられ、上記発光層から発生した光を拡散する光拡散層と、上記光拡散層の上記陽極電極層が位置する面とは反対側の面に設けられ、上記光拡散層よりも屈折率が小さい光通過層とを備える。
上記陰極電極層は、上記発光層側に位置する薄膜金属電極層と、上記薄膜金属電極層を挟んで上記発光層とは反対側に位置し、上記薄膜金属電極層を通過した光を上記発光層とは反対側に透過する光反射電極層とを有する。
他の形態では、上記光反射電極層は、金属酸化物層である。
他の形態では、上記光反射電極層は、導電樹脂層である。
他の形態では、上記光拡散層は、樹脂基材に微粒子を分散させた層である。
他の形態では、上記光通過層の上記光拡散層が位置する面とは反対側の面には、上記光通過層よりも光の取り出し効率を高める光取出層がさらに設けられている。
他の形態では、上記光取出層の上記光通過層が位置する面とは反対側の面は、凹凸形状である。
他の形態では、上記光取出層は、樹脂基材に微粒子を分散させた層である。
この発明に基づいた照明装置においては、上述のいずれかに記載の面発光素子と、照明対象物を載置する載置領域とを備え、上記面発光素子の上記光通過層側が、上記載置領域に面している。
この発明によれば、両面に発光する光透過が可能な面発光素子において、一方面側への発光効率をさらに高めることを可能とする構造を備える面発光素子およびその面発光素子を用いた照明装置を提供することを可能とする。
関連技術1における面発光素子の、図2中のI−I線矢視断面図である。 関連技術1における面発光素子の平面図である。 関連技術2における面発光素子の断面図である。 実施の形態1における面発光素子の断面図である。 実施の形態1の他の形態における面発光素子の断面図である。 実施の形態2における照明装置の斜視図である。 実施の形態2における照明装置の縦断面図である。
本発明に基づいた各実施の形態における面発光素子および照明装置について、以下、図を参照しながら説明する。なお、以下に説明する実施の形態において、個数、量などに言及する場合、特に記載がある場合を除き、本発明の範囲は必ずしもその個数、量などに限定されない。また、同一の部品、相当部品に対しては、同一の参照番号を付し、重複する説明は繰り返さない場合がある。また、各実施の形態における構成を適宜組み合わせて用いることは当初から予定されていることである。
(関連技術1、2:面発光素子1、1A)
図1から図3を参照して、本発明に基づいた各実施の形態における面発光素子の構造を説明する前に、関連技術1、2における面発光素子1、2について説明する。
(関連技術1:面発光素子1)
まず、図1および図2を参照して、関連技術1における面発光素子1について説明する。図1は、関連技術1における面発光素子1の断面図で、図2中のI−I線矢視断面である。図2は、関連技術1における面発光素子1の平面図である。
この面発光素子1は、平面視において矩形形状を有している。この面発光素子1は、光を発生する発光層14と、この発光層14の一方側の面(表面)に設けられ、発光層14から発生した光の通過が可能である陽極電極層13と、発光層14の他方側の面(裏面)に設けられる陰極電極層15とを備える。
陽極電極層13の発光層14が位置する面とは反対側の面には、発光層14から発生した光の通過が可能である高屈折率光拡散層12が設けられている。さらに、高屈折率光拡散層12の発光層14が位置する面とは反対側の面には、高屈折率光拡散層12よりも屈折率が小さい光通過層11が設けられている。
発光層14には、たとえば有機EL発光層が用いられ、層厚さは、数十nm程度である。陽極電極層13(陽極層)には、たとえば、透明酸化物半導体(IZO(インジウム酸化物と亜鉛酸化物の混合体)やITO(インジウム酸化物と錫酸化物の混合体)等)が用いられる。陰極電極層15(陰極層)には、たとえば薄膜金属電極(Ag,Al,Au,Cu等)が用いられる。
光通過層11には、ガラス基板の他、発光波長に対して透明な材料であれば良く、石英、サファイア等の無機材料、アクリル、ポリカーボネート、PET(Polyethylene terephthalate:ポリエチレンテレフタラート)、PEN(Polyethylene naphthalate:ポリエチレンナフタレート)等の有機材料が用いられる。
高屈折率光拡散層12は、たとえば、屈折率が1.75程度の樹脂(バインダー)に屈折率が1.47程度の直径2μmのSiO微粒子を分散させた構成である。
有機ELを発光層14に用いた場合、陰極電極層15にマイナス電位を印加し、陽極電極層13にプラス電位を印加すると、陰極電極層15で生じた自由電子と陽極電極層13で生じた正孔とが発光層14で結合して、この発光層14の有機物が励起状態になり、元の安定状態に戻るときに発光する。
発光層14において発生した光は、陽極電極層13および光通過層11を経由して、光通過層11の陽極電極層13とは反対側の面(図示において上方面)側の空気に光が取り出される。
この関連技術1における面発光素子1においては、陽極電極層13と光通過層11との間に高屈折率光拡散層12が設置されている。この高屈折率光拡散層12は、発光層14において生じる光に対して、光通過層11よりも屈折率が高く、発光層14に閉じ込められている導波モードの光を高屈折率光拡散層12にて散乱させることで、光通過層11側での光取出し効率の向上を図っている。
(関連技術2:面発光素子1A)
次に、図3を参照して、関連技術2における面発光素子1Aについて説明する。上述した面発光素子1との相違点は、高屈折率光拡散層12を、陽極電極層13と光通過層11との間ではなく、陰極電極層15の発光層14が面する側とは反対側に高屈折率光拡散層12を設けている点にある。
この構成によっても、図1に示す面発光素子1の場合と同様に、発光層14に閉じ込められている導波モードの光を高屈折率光拡散層12にて散乱させることで、光通過層11側での光取出し効率の向上を図っている。
(実施の形態1)
次に、図4および図5を参照して、本実施の形態における面発光素子3,3Aについて説明する。図4は、本実施の形態における面発光素子3の断面図、図5は、本実施の形態の他の形態における面発光素子3Aの断面図である。なお、図4および図5に示す断面は、図2中のI−I線矢視断面に相当する断面である。
(面発光素子3)
図4を参照して、本実施の形態における面発光素子3について説明する。この面発光素子3は、平面視において矩形形状を有している。この面発光素子3は、光を発生する発光層34と、この発光層34の一方側の面(表面)に設けられ、発光層34から発生した光の通過が可能である陽極電極層33と、発光層34の他方側の面(裏面)に設けられる陰極電極層36とを備える。
陽極電極層33の発光層34が位置する面とは反対側の面には、発光層34から発生した光の通過が可能である高屈折率光拡散層32が設けられている。さらに、高屈折率光拡散層32の発光層34が位置する面とは反対側の面には、高屈折率光拡散層32よりも屈折率が小さい光通過層31が設けられている。
発光層34には、たとえば有機EL発光層が用いられ、層厚さは、数十nm程度である。陽極電極層33には、たとえば、透明酸化物半導体(IZO(インジウム酸化物と亜鉛酸化物の混合体)やITO(インジウム酸化物と錫酸化物の混合体)等)が用いられ、層厚さは、約数nm〜百数十nm程度である。
本実施の形態においては、陰極電極層36は、発光層34側に位置する薄膜金属電極層36aと、この薄膜金属電極層36aを挟んで陰極電極層36とは反対側に位置し、薄膜金属電極層36aを通過した光を、発光層34側に反射するとともに発光層34とは反対側にも透過する光反射電極層36bとを有する。
薄膜金属電極層36aとしては、たとえば薄膜金属電極(Ag,Al,Au,Cu等)が用いられ、層厚さは、約100nm〜200nm程度である。また、光反射電極層36bとしては、金属酸化物層、導電樹脂層が用いられる。金属酸化物層としては、IZO、ITOが用いられ、導電樹脂層としては、PEDOT(Poly(3,4-ethylenedioxythiophene))/PSS(Poly(4-styrenesulfonate))、P3HT(Poly(3-hexylthiophene))、P3OT(Poly(3-octylthiophene)、P3DDT((Poly(3-dodecylthiophene-2,5-Diyl))))、F8T2(フルオレンとバイチオフェンとの共重合体)が用いられる。層厚さは、約数十nm〜百数十nm程度である。
高屈折率光拡散層32として、屈折率が1.75程度の樹脂(バインダー)に屈折率が1.47程度の直径2μmのSiO微粒子を分散させたものを用いた。
また、他の構成の高屈折率光拡散層32として、たとえばITOに近い屈折率を有する高屈折率樹脂のマイクロレンズアレイを半球高さ2μm、周期4μm、三角格子配置にて形成する。このマイクロレンズアレイを後述の光通過層31とほぼ同等の樹脂に埋め込み、層厚さ10μm程度に構成してもよい。
光通過層31には、ガラス基板の他、発光波長に対して透明な材料であれば良く、石英、サファイア等の無機材料、アクリル、ポリカーボネート、PET(Polyethylene terephthalate:ポリエチレンテレフタラート)、PEN(Polyethylene naphthalate:ポリエチレンナフタレート)等の有機材料が用いられ、層厚さは、約0.7mm程度である。
発光層34に有機ELを用いた場合、陰極電極層36にマイナス電位を印加し、陽極電極層33にプラス電位を印加すると、陰極電極層36で生じた自由電子と陽極電極層33で生じた正孔とが発光層34で結合して、この発光層34の有機物が励起状態になり、元の安定状態に戻るときに発光する。
発光層34において発生した光は、陽極電極層33および光通過層31を経由して、光通過層31の陽極電極層33とは反対側の面(図示において上方面)側の空気に光が取り出される。
このように、本実施の形態における面発光素子1の特徴的構成としては、陰極電極層36において、薄膜金属電極層36aと光反射電極層36bとを積層させ、薄膜金属電極層36aと光反射電極層36bとにより透明の陰極電極を構成している。また、光通過層31と陽極電極層33との間に、高屈折率光拡散層32を配置し、導波モードの光を光通過層31に散乱させて取り出している。
ここで、薄膜金属電極層36aおよび光反射電極層36bを用いる場合の、各層の配置の組合せについて検討する。薄膜金属電極層36aと光反射電極層36bを陰極電極層36として構成する組合せは、以下の4パターンが考えられる。
(パターン1) 光通過層31/高屈折率光拡散層32/陽極電極層33/発光層34/薄膜金属電極層36a/光反射電極層36b
(パターン2) 光通過層31/高屈折率光拡散層32/薄膜金属電極層36a/光反射電極層36b/発光層34/陽極電極層33
(パターン3) 光通過層31/陽極電極層33/発光層34/薄膜金属電極層36a/光反射電極層36b/高屈折率光拡散層32
(パターン4) 光通過層31/光反射電極層36b/薄膜金属電極層36a/発光層34/陽極電極層33/高屈折率光拡散層32
ここで、できるだけ片側(本実施の形態では、光通過層31側)に光を取り出したい場合、(i)薄膜金属電極層36aによる光の反射が無視できないため、薄膜金属電極層36a側には光は取り出しにくい。また、(ii)光通過層31と空気とに関しては屈折率が高い光通過層31(ITOに屈折率が近い)側に光が取り出しやすい。
この(i)および(ii)の現象が発生するため、光通過層31側になるべく光を取り出すためには(パターン1)および(パターン3)の構成がよい。
また、導波モードの光を散乱させるためには、反射が大きく屈折率の実部が小さい薄膜金属電極層36aよりも、陽極電極層33側のほうに光が強く分布するため、高屈折率光拡散層は陽極電極層33側に設置した方がよい。そのためには(パターン1)および(パターン4)の構成がよい。
このように、光の取り出しやすさの観点、および、導波モードの光の散乱の観点から、面発光素子の構成としては、上記4つのパターンのうち、(パターン1)が最も適している。
ここで、薄膜金属電極層36aを有する陰極電極層36が、薄膜金属電極層36aを有さない陰極電極層36に比べて、光取り出しが低くなる理由を説明する。
発光層34は陰極電極層36と陽極電極層33に挟まれて存在する。陰極電極層36と陽極電極層33との間に電圧を印加することで電子が加速されて注入され、発光層で電子の運動エネルギーが光子に変換されることで陰極電極層36および陽極電極層33から光が取り出される。
一般的に、電子注入を容易にするために、陰極電極層36と陽極電極層33とには、異なる材料を用いる。たとえば、陰極電極層36として電子注入に適した仕事関数を持つ薄膜金属電極(Ag,Al,Au,Cu等)が用いられ、陽極電極層33として正孔注入に適した仕事関数を持つ透明酸化物半導体電極(ITO,IZO等)が用いられる。
薄膜金属電極は電子輸送性に優れるが、光学透過率が低いので透明電極(陰極電極層36)として用いる場合には透過率を上げるために数nm〜数10nmの膜厚のものが適している。
また、陽極電極層33として透明酸化物半導体を用いた場合には、透明電極(陰極電極層36)よりも厚さあたりの面抵抗大きく透過率が高いという特徴があるため、透明酸化物半導体を陽極電極層33として用いる場合には、面抵抗を下げるために100nm〜200nmの膜厚のものが適している。
一方、陰極電極層36と陽極電極層33とに同種の透明電極を用いた場合には、電子注入性能が低下し駆動電圧が高くなり発光効率が低下するので望ましくない。したがって、陰極電極層36と陽極電極層33とには、上記したようにそれぞれ異なる材料を用いて、陰極側は電子注入性をよくし、陽極側は正孔注入性をよくすることが望ましい。
陰極電極層36と陽極電極層33とで電極材料が異なる構成の場合には、発光層34と陰極電極層36および陽極電極層33の各界面における光の反射率を考えた場合に、陰極電極層36と陽極電極層33とで反射率が異なる。
陰極電極層36側の反射率が高く陽極電極層33側の反射率が低い場合には、高屈折率光拡散層32と薄膜金属電極層36aとによる多重反射の結果、陰極電極層36側に取り出される光は少なくなり、陽極電極層33の外側に取り出される光を多くすることが可能となる。
通常、面発光素子は発光層を2つの透明電極(陽極電極および陰極電極)で挟んだ構成となっている。有機EL層(発光層)にホールを供給するためには、陽極電極として透明電極材料である金属酸化物(ITOなど)が適している。また、有機EL層に電子を供給する陰極電極には、透明な薄膜金属が適している。
発光時の光量を片側(照明対象物側)に大きくしたい場合、薄膜金属ではない透明電極(陽極電極)を光通過層側に構成する方がよい。透明電極(陽極電極)と発光層で閉じ込められている導波モード光を外に取り出すために、透明電極(陽極電極)側に高屈折率光拡散層を設けることが効果的であり、高屈折率光拡散層を薄膜金属(陰極電極)ではない方の透明電極自体(陽極電極)または近傍に設けると効果が高い。
なお、さらに光取出し効率を高めるため、図5に示す面発光素子3Aに示すように、光通過層31の高屈折率光拡散層32が位置する面とは反対側の面には、光通過層31よりも光の取り出し効率を高める光取出層38を設けるとよい。
光取出層38としては、たとえば、光通過層31の表面を凹凸のマイクロレンズアレイ状に加工したり、別途マイクロレンズアレイ状のシートを設けることができる。
マイクロレンズアレイの加工例としては、光通過層31の表面(光放射面)側に、直径が約30μm程度の半球を2次元に配列する。直径は、10μm〜100μmが好ましい。10μm以上であれば、回折の効果および色付きが発生しにくく、100μm以下であれば薄型化を図ることができる。また、効率良く、空気側に光を取り出すことを可能とする。
また、他の光取出層38としては、微粒子分散タイプの拡散層が用いられている。この拡散層には、たとえば、株式会社きもと製の拡散フィルム「ライトアップ(登録商標)100NSH」を用いた。この「ライトアップ(登録商標)100NSH」は、100μmのPET基材(樹脂基材)に、拡散ビーズ(微粒子)を分散させた拡散層が積層された構成である。
微粒子を分散させた拡散層を用いることで、製造プロセス上、後の成膜工程の平滑性を容易に得ることができる。なお、光通過層31から空気に光を取り出し、方向による色ずれも同時に抑えるためには、光取出層38の空気側表面に微粒子を用いた散乱層が効果的である。
高屈折率光拡散層32の外側の材質は空気か光通過層31かが考えられるが、高屈折率光拡散層32に対して屈折率の差が小さい部材の方が光を取り出しやすい。さらに、光通過層31から空気への光取り出しに関しても、光通過層31の屈折率が低い方が光を取り出しやすい。
したがって、高屈折率光拡散層32、光通過層31、空気と徐々に屈折率が小さくなる順番が光取り出し効率には望ましい。したがって、面発光素子3の構成に加えて、面発光素子3Aに示すように、光取出層38を光通過層31の表面に設けることで、最も効率よく片側(基板側)に光を発光させつつ、透明な面発光素子3Aを実現することが可能となる。
以上、本発明に基づいた面発光素子1,1Aにおいては、透明で両面に光る面発光素子で薄膜金属を用いていない陽極電極層33の近傍に高屈折率光拡散層32を設けることで発光層34の近傍に閉じ込められている光を効率よく、光通過層31側に取り出すことができる。
また、陰極電極層36に、薄膜金属電極層36aと導電性を有する金属酸化物または導電性樹脂からなり、薄膜金属電極層36aを通過した光を発光層34側に反射する光反射電極層36bとの積層構造を採用することで、高い電子注入性、高い透過率、および高い電気伝導性を満たすことができる。
また、面発光素子3Aに示すように、高屈折率光拡散層32で光通過層31に取り出された光を空気側(外側に、光通過層31の表面に光取出層38を設置することで、さらに効率良く光を取り出すことを可能としている。
(実施の形態2)
次に、実施の形態2として、上記した面発光素子3を用いた照明装置100について、図6および図7を参照して説明する。なお、上記した面発光素子3Aを用いてもよい。なお、図6は、本実施の形態における照明装置100の斜視図、図7は、本実施の形態における照明装置の縦断面図である。
この照明装置100は、本体筐体101と、照明対象物200を載置する載置領域120とを有する。載置領域120には、外窓用ガラス110が嵌め入れられている。この外窓用ガラス110は、上記した面発光素子3から構成され、この面発光素子3の光通過層31側が、載置領域120に面している。
この照明装置100は、たとえば、子供用のおもちゃ、食品(リンゴ等)等を展示するためのショーケースである。この照明装置100は、透明で片面側(載置領域120側)に偏った発光を実現し、消光時は透明なガラス板として機能する。
図6および図7に示すショーケースとしての照明装置100の場合には、内部の展示品のみに均一な柔らかい照明を実現する。また、展示品を見る人間側にはほとんど発光せず向こう側が透けて見えるので空間に拡がりを持たせることができる。
なお、図6および図7では、ショーケースの窓として用いたが、透明な照明自体をショーケースに用いてもよい。この場合は上下左右に発光が均一な照明になり影のない展示品の照明が可能になる。また、ショーケースに限られず、たとえば、家、車の窓の照明装置としても用いることができる。
以上、本発明の各実施の形態における面発光素子および照明装置について説明したが、今回開示された実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。したがって、本発明の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
1 面発光素子、11,31 光通過層、12,32 高屈折率光拡散層、13,33 陽極電極層、14,34 発光層、15,36 陰極電極層、36a 薄膜金属電極層、36b 光反射電極層、38 光取出層、100 照明装置、101 本体筐体、110 外窓用ガラス、120 載置領域、200 照明対象物。

Claims (8)

  1. 光を発生する発光層と、
    前記発光層の一方側の面に設けられ、前記発光層から発生した光の通過が可能である陽極電極層と、
    前記発光層の他方側の面に設けられ、前記発光層から発生した光の通過が可能である陰極電極層と、
    前記陽極電極層の前記発光層が位置する面とは反対側の面に設けられ、前記発光層から発生した光を拡散する光拡散層と、
    前記光拡散層の前記陽極電極層が位置する面とは反対側の面に設けられ、前記光拡散層よりも屈折率が小さい光通過層と、
    を備え、
    前記陰極電極層は、
    前記発光層側に位置する薄膜金属電極層と、
    前記薄膜金属電極層を挟んで前記発光層とは反対側に位置し、前記薄膜金属電極層を通過した光を前記発光層とは反対側に透過する光反射電極層とを有する、面発光素子。
  2. 前記光反射電極層は、金属酸化物層である、請求項1に記載の面発光素子。
  3. 前記光反射電極層は、導電樹脂層である、請求項1に記載の面発光素子。
  4. 前記光拡散層は、樹脂基材に微粒子を分散させた層である、請求項1から3のいずれかに記載の面発光素子。
  5. 前記光通過層の前記光拡散層が位置する面とは反対側の面には、前記光通過層よりも光の取り出し効率を高める光取出層がさらに設けられている、請求項1から4のいずれかに記載の面発光素子。
  6. 前記光取出層の前記光通過層が位置する面とは反対側の面は、凹凸形状である、請求項5に記載の面発光素子。
  7. 前記光取出層は、樹脂基材に微粒子を分散させた層である、請求項5に記載の面発光素子。
  8. 請求項1から7のいずれかに記載の面発光素子と、
    照明対象物を載置する載置領域と、を備え、
    前記面発光素子の前記光通過層側が、前記載置領域に面している、照明装置。
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