JP2002289362A - 有機エレクトロルミネッセンス素子 - Google Patents

有機エレクトロルミネッセンス素子

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JP2002289362A
JP2002289362A JP2001385101A JP2001385101A JP2002289362A JP 2002289362 A JP2002289362 A JP 2002289362A JP 2001385101 A JP2001385101 A JP 2001385101A JP 2001385101 A JP2001385101 A JP 2001385101A JP 2002289362 A JP2002289362 A JP 2002289362A
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JP
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thin film
metal oxide
thickness
metal
organic
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JP2001385101A
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English (en)
Inventor
Akimasa Katayama
晶雅 片山
Tetsuya Takeuchi
哲也 竹内
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Sumitomo Riko Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Riko Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】両面から発光を取り出すことができ、また素子
の向こう側を見透すことができ、しかも低コストな有機
エレクトロルミネッセンス素子を提供する。 【解決手段】透明基板1と透明陽極電極2と発光層(有
機物層)3と陰極電極4とを有する有機エレクトロルミ
ネッセンス素子である。そして、上記陰極電極4が金属
薄膜と金属酸化物薄膜とからなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、有機エレクトロル
ミネッセンス素子(以下「有機EL素子」と略す)に関
するものであり、詳しくは有機EL素子の陰極電極に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、有機EL素子は、透明基板上に
陽極電極を成膜し、その表面に発光層を含む有機物層を
成膜し、さらにその表面に陰極電極を成膜して構成され
ている。上記陽極電極としては、発光を取り出すため、
通常、透明で導電性を有する酸化インジウム錫(IT
O)膜が用いられている。一方、上記陰極電極として
は、電子の注入のしやすさから、エネルギー準位の低い
金属、例えば、マグネシウム、リチウム、アルミニウ
ム、銀等からなる金属合金電極が用いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記陰極電極に用いら
れる金属合金電極は、通常、発光を余すことなく得るた
め、厚膜化を行い陰極電極側への発光を陽極電極側へ反
射させていた。逆に言えば、そのため陰極電極側からは
発光を取り出すことはできなかった。そこで、酸化亜鉛
にアルミニウムを添加した膜を陰極電極とすることによ
り、陰極電極側からも発光を取り出せるようにした有機
EL素子が提案されている。しかしながら、酸化亜鉛に
アルミニウムを添加した膜は、金属薄膜ほど低抵抗でな
いため厚膜化が必要であり、コストが非常に高くなると
ともに、透明性も落ちるという難点がある。
【0004】本発明は、このような事情に鑑みなされた
もので、両面から発光を取り出すことができ、また素子
の向こう側を見透すことができ、しかも低コストな有機
EL素子の提供をその目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明の有機EL素子は、透明基板と透明陽極電極
と有機物層と陰極電極とを有する有機EL素子であっ
て、上記陰極電極が金属薄膜と金属酸化物薄膜とからな
るという構成をとる。
【0006】すなわち、本発明者らは、両面から発光を
取り出すことができ、また素子の向こう側を見透すこと
ができ、しかも低コストな有機EL素子を得るべく、陰
極電極を中心に鋭意研究を重ねた。その結果、陽極電極
にはこれまで通りITO膜等の透明で導電性を有する膜
を用い、さらに金属薄膜と金属酸化物薄膜とをそれぞれ
少なくとも1層含む2層以上の多層構造からなる陰極電
極を用いると、陰極電極の膜厚が薄くなるため透明性に
優れ、両面から発光を取り出すことができ、しかも陰極
電極の膜厚を従来のように厚くする必要がないため、コ
ストを抑制することができることを見いだし、本発明に
到達した。
【0007】
【発明の実施の形態】つぎに、本発明の実施の形態を説
明する。
【0008】本発明の有機EL素子としては、例えば、
図1に示すように、透明基板1上に透明陽極電極2が形
成され、その表面に発光層3が形成され、さらにその表
面に陰極電極4が形成されて構成されたもの、もしく
は、図2に示すように、透明基板1上に陰極電極4が形
成され、その表面に発光層3が形成され、さらにその表
面に透明陽極電極2が形成されて構成されたもの等をあ
げることができる。なお、図において、矢印方向は光の
取り出し方向を示す。そして、本発明は、上記陰極電極
4が金属薄膜と金属酸化物薄膜とからなる透明電極であ
ることが最大の特徴である。
【0009】上記透明基板1としては、透明性に優れた
ものであれば特に限定はなく、例えば、ガラス基板、樹
脂フィルム基板等があげられる。なかでも、柔軟性に優
れる点で、樹脂フィルム基板が好ましい。上記樹脂フィ
ルム基板用材料としては、例えば、ポリエチレンテレフ
タレート(PET)、ポリイミド(PI)、ポリカーボ
ネート(PC)、ポリメタクリル酸メチル(PMM
A)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリアリ
レート等があげられる。
【0010】上記透明基板1の厚みは、通常、0.00
3〜10mmであり、好ましくは0.025〜5mmで
ある。
【0011】上記透明陽極電極2は、透明性に優れたも
のであれば特に限定はなく、例えば、酸化インジウム錫
(ITO)膜、酸化亜鉛(ZnO)膜、酸化錫(SnO
2 )膜等があげられる。また、上記透明陽極電極2は、
金属薄膜と金属酸化物薄膜とをそれぞれ少なくとも1層
含む2層以上の多層構造とすることも可能であり、コス
トの点から、金属酸化物薄膜は有機金属酸化物薄膜を用
いることが好ましい。上記金属薄膜と有機金属酸化物薄
膜との多層構造としては、例えば、金属薄膜と有機金属
酸化物薄膜との2層構造、金属薄膜を有機金属酸化物薄
膜でサンドイッチした3層構造のもの(有機金属酸化物
薄膜/金属薄膜/有機金属酸化物薄膜)等があげられ
る。
【0012】上記透明陽極電極2の総厚みは、通常、1
0〜400nmであり、好ましくは20〜200nmで
ある。
【0013】上記有機金属酸化物薄膜用材料としては、
有機成分を含有する金属酸化物であれば特に限定はない
が、金属アルコキシド系化合物、金属アシレート系化合
物および金属キレート系化合物からなる群から選ばれた
少なくとも一つに由来する有機成分を含有する金属酸化
物が好適に用いられる。このように、金属アルコキシド
系化合物等に由来する有機成分を含有する金属酸化物を
用いると、例えば、ウエットコーティングにより薄膜を
形成する際に、金属アルコキシド系化合物等の加水分解
および熱分解により、金属酸化物薄膜中に有機成分(ア
ルキル基等)を残存させることができるため、スパッタ
蒸着法により薄膜を形成する場合に比べて、透明基板1
もしくは発光層3との接着性が向上するとともに、コス
トが安くなるため好ましい。また、有機成分を含有しな
い通常の金属酸化物薄膜(例えば、酸化チタン薄膜)は
セラミック膜であるため曲げにくく柔軟性に劣るのに対
して、有機成分を含有する金属酸化物薄膜はセラミック
膜でないため曲げやすく、柔軟性に優れるという利点も
ある。
【0014】上記金属アルコキシド系化合物は、M−O
−R結合(Rはアルキル基を示し、Mはチタン、ジルコ
ニウム、タンタル、インジウム、アルミニウム、錫、亜
鉛等の金属原子を示す)を有する化合物であれば特に限
定はなく、例えばテトラ−n−ブトキシチタン、ジ−i
−プロポキシ−ビス(アセチルアセトナト)チタン、ジ
−n−ブトキシ−ビス(トリエタノールアミナト)チタ
ン等があげられる。上記金属アシレート系化合物として
は、例えば、M−O−CO−R結合(Rはアルキル基を
示し、Mはチタン、ジルコニウム、タンタル、インジウ
ム、アルミニウム、錫、亜鉛等の金属原子を示す)を有
する化合物であれば特に限定はなく、例えば、ヒドロキ
シチタンステアレート等があげられる。上記金属キレー
ト系化合物としては、例えば、ジプロポキシチタンビス
(アセチルアセトネート)等があげられる。
【0015】また、上記金属アルコキシド系化合物等か
ら生成する金属酸化物としては、例えば、酸化チタン
(TiO2 )、酸化ジルコニウム(ZrO2 )、酸化イ
ンジウム(In2 3 )、酸化インジウム錫(IT
O)、酸化アルミニウム(Al2 3 )、酸化タンタル
(Ta2 5 )、酸化錫(SnO2 )、酸化亜鉛(Zn
O)等があげられる。
【0016】上記有機金属酸化物薄膜の厚みは、通常、
5〜350nmであり、好ましくは10〜200nmで
ある。
【0017】上記金属薄膜用材料としては、特に限定は
なく、例えば、金、銀、銅、アルミニウム、パラジウ
ム、白金もしくはこれらの合金等があげられる。これら
のなかでも、低抵抗、高透明性、耐久性、エネルギー準
位等を考慮して、銀系合金が好適に用いられる。
【0018】上記金属薄膜の厚みは、通常、1〜50n
mであり、好ましくは5〜30nmである。
【0019】上記発光層3用材料としては、特に限定は
なく、例えば、ベンゾチアゾール系、ベンゾイミダゾー
ル系、ベンゾオキサゾール系等の蛍光増白剤、スチリル
ベンゼン系化合物、12−フタロペリノン、1,4−ジ
フェニル−1,3−ブタジエン、1,1,4,4−テト
ラフェニル−1,3−ブタジエン、ナフタルイミド誘導
体、ペリレン誘導体、オキサジアゾール誘導体、アルダ
ジン誘導体、ピラジリン誘導体、シクロペンタジエン誘
導体、ピロロピロール誘導体、スチリルアミン誘導体、
クマリン系化合物、国際公開公報WO90/13148
やAppl.Phys.Lett.,vol 58,18,P1982(1991) に記載され
ているような高分子化合物、芳香族ジメチリディン化合
物、下記の一般式(1)で表される化合物等の有機発光
材料があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併
せて用いられる。
【0020】
【化1】(R−Q)2 −Al−O−L …(1) 〔式中、Rはアルミニウム原子に置換8−キノリラート
配位子が2個を上回って結合するのを立体的に妨害する
ように選ばれた8−キノリノラート環置換基、Qは置換
キノリノラート配位子、Lはフェニル部分を含んでなる
炭素数6〜24の炭化水素基、O−Lはフェノラート配
位子をそれぞれ示す。〕
【0021】上記発光層3の厚みは、通常、5〜200
nmであり、好ましくは10〜100nmである。
【0022】上記陰極電極4は、金属薄膜と金属酸化物
薄膜とからなる多層構造であれば特に限定はないが、金
属薄膜と金属酸化物薄膜との2層構造、金属薄膜を金属
酸化物薄膜でサンドイッチした3層構造のもの(金属酸
化物薄膜/金属薄膜/金属酸化物薄膜)が好ましい。そ
して、発光層3上に、金属薄膜と金属酸化物薄膜とを成
膜して2層構造の陰極電極4を形成する場合、透明性、
発光性の観点から、発光層3上に金属薄膜を成膜し、そ
の表面に金属酸化物薄膜を成膜することが好ましい。
【0023】上記金属酸化物薄膜用材料としては、例え
ば、酸化チタン(TiO2 )、酸化ジルコニウム(Zr
2 )、酸化インジウム(In2 3 )、酸化インジウ
ム錫(ITO)、酸化アルミニウム(Al2 3 )、酸
化タンタル(Ta2 5 )、酸化錫(SnO2 )、酸化
亜鉛(ZnO)等の金属酸化物があげられる。これらの
なかでも、透明性の点から、TiO2 が好ましい。
【0024】なお、本発明においては、上記陰極電極4
における金属酸化物薄膜として、有機金属酸化物薄膜を
用いることも可能である。上記有機金属酸化物薄膜用材
料としては、前記透明陽極電極2における有機金属酸化
物薄膜用材料と同様のもの、例えば、金属アルコキシド
系化合物、金属アシレート系化合物および金属キレート
系化合物からなる群から選ばれた少なくとも一つに由来
する有機成分を含有する金属酸化物が好適に用いられ
る。そして、上記金属アルコキシド系化合物等から生成
する金属酸化物としては、例えば、酸化チタン(TiO
2 )、酸化ジルコニウム(ZrO2 )、酸化インジウム
(In2 3 )、酸化インジウム錫(ITO)、酸化ア
ルミニウム(Al2 3 )、酸化タンタル(Ta
2 5 )、酸化錫(SnO2 )、酸化亜鉛(ZnO)等
があげられる。
【0025】上記金属酸化物薄膜の厚みは、通常、5〜
350nmであり、好ましくは10〜200nmであ
る。
【0026】上記金属薄膜用材料としては、特に限定は
なく、例えば、金、銀、銅、アルミニウム、パラジウ
ム、白金もしくはこれらの合金等があげられる。これら
のなかでも、低抵抗、高透明性、耐久性、エネルギー準
位等を考慮して、銀系合金が好適に用いられる。
【0027】上記金属薄膜の厚みは、通常、1〜50n
mであり、好ましくは5〜30nmである。
【0028】上記陰極電極4の総厚み(金属薄膜+金属
酸化物薄膜)は、通常、6〜750nmであり、好まし
くは15〜430nmである。
【0029】そして、本発明の有機EL素子は、例え
ば、つぎのようにして作製することができる。すなわ
ち、まず、金属アルコキシド系化合物等に由来する有機
成分を含有する金属酸化物液を準備し、これを透明基板
1の表面にスピンコート法やグラビアコート法により塗
布し、乾燥、加水分解、熱分解させることにより有機金
属酸化物薄膜を成膜する(ウエットコーティング法)。
つぎに、この有機金属酸化物薄膜の表面に金属のスパッ
タ蒸着によって金属薄膜を成膜する。続いて、この金属
薄膜の表面に上記と同様のウエットコーティング法によ
り、有機金属酸化物薄膜を成膜する。これにより、透明
基板1上に、有機金属酸化物薄膜と金属薄膜と有機金属
酸化物薄膜とからなる3層構造の透明陽極電極2を形成
する。つぎに、この透明陽極電極2の有機金属酸化物薄
膜の表面に発光層3を真空蒸着等により成膜する。続い
て、上記発光層3の表面にマグネトロンスパッタ蒸着装
置を用いて金属酸化物を蒸着し金属酸化物薄膜を成膜し
た後、この金属酸化物薄膜の表面にマグネトロンスパッ
タ蒸着装置を用いて金属を蒸着し金属薄膜を成膜し、さ
らにこの金属薄膜の表面にマグネトロンスパッタ蒸着装
置を用いて金属酸化物を蒸着し金属酸化物薄膜を成膜し
て、金属酸化物薄膜と金属薄膜と金属酸化物薄膜とから
なる3層構造の陰極電極4を形成する。このようにし
て、有機EL素子を得ることができる(図1参照)。
【0030】なお、本発明の有機EL素子において、透
明陽極電極2と陰極電極4との間に設けられる有機物層
は、図1に示したような、発光層3のみの単層構造に限
定されるものではなく、例えば、正孔注入層と発光層と
の2層構造、発光層と電子注入層との2層構造、正孔注
入層と発光層と電子注入層の3層構造等があげられる。
【0031】上記正孔注入層用材料としては、特に限定
はなく、例えば、トリアゾール誘導体、オキサジアゾー
ル誘導体、イミダゾール誘導体、ポリアリールアルカン
誘導体、ピラゾリン誘導体、ピラゾロン誘導体、フェニ
レンジアミン誘導体、アリールアミン誘導体、アミノ置
換カルコン誘導体、オキサゾール誘導体、スチリルアン
トラセン誘導体、フルオレノン誘導体、ヒドラゾン誘導
体、スチルベン誘導体、シラザン誘導体、ポリシラン、
アニリン系共重合体、導電性高分子オリゴマー(好まし
くはチオフェンオリゴマー)、ポリフィリン化合物、芳
香族第三級アミン化合物、スチリルアミン化合物、有機
発光材料としても用いることができる芳香族ジメチリデ
ィン系化合物、p型−Siやp型−SiC等の無機半導
体等があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併
せて用いられる。
【0032】上記正孔注入層の厚みは、通常、1〜10
0nmであり、好ましくは10〜50nmである。
【0033】また、上記電子注入層用材料としては、特
に限定はなく、例えば、ニトロ置換フルオレノン誘導
体、アントラキノジメタン誘導体、ジフェニルキノン誘
導体、チオピランジオキシド誘導体、ナフタレンペリレ
ン等の複素環テトラカルボン酸無水物、カルボジイミ
ド、フルオレニリデンメタン誘導体、アントロン誘導
体、オキサジアゾール誘導体、特開昭59−19439
3号公報において発光層の材料として開示されている一
連の電子伝達性化合物、オキサジアゾール環の酸素原子
を硫黄原子に置換したチアゾール誘導体、電子吸引基と
して知られているキノキサリン環を有したキノキサリン
誘導体、8−キノリノール誘導体の金属錯体、メタルフ
リーもしくはメタルフタロシアニンまたはこれらの末端
がアルキル基,スルホン基等で置換されているもの、ジ
スチリルピラジン誘導体、n型−Siやn型−SiC等
の無機半導体等があげられる。これらは単独でもしくは
2種以上併せて用いられる。
【0034】上記電子注入層の厚みは、通常、1〜10
0nmであり、好ましくは10〜50nmである。
【0035】つぎに、実施例について比較例と併せて説
明する。
【0036】
【実施例1】透明基板〔PETフィルム(25mm×7
5mm、厚み0.1mm)〕を準備し、この表面に、マ
グネトロンスパッタ蒸着装置を用いてITOを蒸着しI
TO膜(厚み400nm)を成膜し、これを透明陽極電
極とした。つぎに、このITO膜の表面にアルミキノリ
ーム錯体(Alq3 )を真空蒸着機を用いて蒸着して発
光層(厚み50nm)を成膜した。この発光層の表面に
マグネトロンスパッタ蒸着装置を用いてAg系合金を蒸
着し金属薄膜(厚み7nm)を成膜した後、この表面に
マグネトロンスパッタ蒸着装置を用いて酸化チタンを蒸
着し金属酸化物薄膜(厚み30nm)を成膜し、金属薄
膜と金属酸化物薄膜との2層構造からなる透明陰極電極
を形成した。このようにして、有機EL素子を作製し
た。
【0037】
【実施例2】透明基板〔PETフィルム(25mm×7
5mm、厚み0.1mm)〕を準備し、この表面に、マ
グネトロンスパッタ蒸着装置を用いて酸化チタンを蒸着
し金属酸化物薄膜(厚み30nm)を成膜した。つぎ
に、この金属酸化物薄膜の表面に、マグネトロンスパッ
タ蒸着装置を用いてAg系合金を蒸着し金属薄膜(厚み
7nm)を成膜した。さらに、この金属薄膜の表面に、
マグネトロンスパッタ蒸着装置を用いて酸化チタンを蒸
着し金属酸化物薄膜(厚み30nm)を成膜した。この
ようにして、金属酸化物薄膜と金属薄膜と金属酸化物薄
膜とからなる3層構造の透明陽極電極を形成した。つぎ
に、この透明陽極電極の金属酸化物薄膜の表面に、アル
ミキノリーム錯体(Alq3 )を真空蒸着機を用いて蒸
着して発光層(厚み50nm)を成膜した。この発光層
の表面にマグネトロンスパッタ蒸着装置を用いてAg系
合金を蒸着し金属薄膜(厚み7nm)を成膜した後、こ
の表面にマグネトロンスパッタ蒸着装置を用いて酸化チ
タンを蒸着し金属酸化物薄膜(厚み30nm)を成膜
し、金属薄膜と金属酸化物薄膜との2層構造からなる透
明陰極電極を形成した。このようにして、有機EL素子
を作製した。
【0038】
【実施例3】まず、ジ−i−プロポキシ−ビス(アセチ
ルアセトナト)チタン(日本曹達社製のT−50)を、
イソプロピルアルコールとn−ヘキサンの混合溶媒に溶
解した溶液を調製し、これを透明基板〔PETフィルム
(25mm×75mm、厚み0.1mm)〕の表面にス
ピンコート法により塗布し、乾燥、加水分解、熱分解さ
せることにより有機金属酸化物薄膜(厚み30nm)を
成膜した。つぎに、この有機金属酸化物薄膜の表面に、
マグネトロンスパッタ蒸着装置を用いてAg系合金を蒸
着し金属薄膜(厚み7nm)を成膜した。続いて、この
金属薄膜の表面に上記と同様にして、有機金属酸化物薄
膜(厚み30μm)を成膜した。このようにして、有機
金属酸化物薄膜と金属薄膜と有機金属酸化物薄膜との3
層構造からなる透明陽極電極を形成した。つぎに、この
透明陽極電極の有機金属酸化物薄膜の表面に、アルミキ
ノリーム錯体(Alq3 )を真空蒸着機を用いて蒸着し
て発光層(厚み50nm)を成膜した。この発光層の表
面にマグネトロンスパッタ蒸着装置を用いてAg系合金
を蒸着し金属薄膜(厚み7nm)を成膜した後、この表
面にマグネトロンスパッタ蒸着装置を用いて酸化チタン
を蒸着し金属酸化物薄膜(厚み30nm)を成膜し、金
属薄膜と金属酸化物薄膜との2層構造からなる透明陰極
電極を形成した。このようにして、有機EL素子を作製
した。
【0039】
【実施例4】透明基板〔PETフィルム(25mm×7
5mm、厚み0.1mm)〕を準備し、この表面に、マ
グネトロンスパッタ蒸着装置を用いてITOを蒸着しI
TO膜(厚み400nm)を成膜し、これを透明陽極電
極とした。つぎに、このITO膜の表面にアルミキノリ
ーム錯体(Alq3 )を真空蒸着機を用いて蒸着して発
光層(厚み50nm)を成膜した。この発光層の表面に
マグネトロンスパッタ蒸着装置を用いて、酸化チタンを
蒸着し金属酸化物薄膜(厚み30nm)を成膜した。つ
ぎに、この金属酸化物薄膜の表面にAg系合金を蒸着し
金属薄膜(厚み7nm)を成膜した後、この表面にマグ
ネトロンスパッタ蒸着装置を用いて酸化チタンを蒸着し
金属酸化物薄膜(厚み30nm)を成膜し、金属酸化物
薄膜と金属薄膜と金属酸化物薄膜との3層構造からなる
透明陰極電極を形成した。このようにして、有機EL素
子を作製した。
【0040】
【実施例5】透明基板〔PETフィルム(25mm×7
5mm、厚み0.1mm)〕を準備し、この表面に、マ
グネトロンスパッタ蒸着装置を用いて酸化チタンを蒸着
し金属酸化物薄膜(厚み30nm)を成膜した。つぎ
に、この金属酸化物薄膜の表面に、マグネトロンスパッ
タ蒸着装置を用いてAg系合金を蒸着し金属薄膜(厚み
7nm)を成膜した。さらに、この金属薄膜の表面に、
マグネトロンスパッタ蒸着装置を用いて酸化チタンを蒸
着し金属酸化物薄膜(厚み30nm)を成膜した。この
ようにして、金属酸化物薄膜と金属薄膜と金属酸化物薄
膜とからなる3層構造の透明陽極電極を形成した。つぎ
に、この透明陽極電極の金属酸化物薄膜の表面に、アル
ミキノリーム錯体(Alq3 )を真空蒸着機を用いて蒸
着して発光層(厚み50nm)を成膜した。この発光層
の表面にマグネトロンスパッタ蒸着装置を用いて、酸化
チタンを蒸着し金属酸化物薄膜(厚み30nm)を成膜
した。つぎに、この金属酸化物薄膜の表面にAg系合金
を蒸着し金属薄膜(厚み7nm)を成膜した後、この表
面にマグネトロンスパッタ蒸着装置を用いて酸化チタン
を蒸着し金属酸化物薄膜(厚み30nm)を成膜し、金
属酸化物薄膜と金属薄膜と金属酸化物薄膜との3層構造
からなる透明陰極電極を形成した。このようにして、有
機EL素子を作製した。
【0041】
【実施例6】まず、ジ−i−プロポキシ−ビス(アセチ
ルアセトナト)チタン(日本曹達社製のT−50)を、
イソプロピルアルコールとn−ヘキサンの混合溶媒に溶
解した溶液を調製し、これを透明基板〔PETフィルム
(25mm×75mm、厚み0.1mm)〕の表面にス
ピンコート法により塗布し、乾燥、加水分解、熱分解さ
せることにより有機金属酸化物薄膜(厚み30nm)を
成膜した。つぎに、この有機金属酸化物薄膜の表面に、
マグネトロンスパッタ蒸着装置を用いてAg系合金を蒸
着し金属薄膜(厚み7nm)を成膜した。続いて、この
金属薄膜の表面に上記と同様にして、有機金属酸化物薄
膜(厚み30μm)を成膜した。このようにして、有機
金属酸化物薄膜と金属薄膜と有機金属酸化物薄膜との3
層構造からなる透明陽極電極を形成した。つぎに、この
透明陽極電極の有機金属酸化物薄膜の表面に、アルミキ
ノリーム錯体(Alq3 )を真空蒸着機を用いて蒸着し
て発光層(厚み50nm)を成膜した。この発光層の表
面にマグネトロンスパッタ蒸着装置を用いて、酸化チタ
ンを蒸着し金属酸化物薄膜(厚み30nm)を成膜し
た。つぎに、この金属酸化物薄膜の表面にAg系合金を
蒸着し金属薄膜(厚み7nm)を成膜した後、この表面
にマグネトロンスパッタ蒸着装置を用いて酸化チタンを
蒸着し金属酸化物薄膜(厚み30nm)を成膜し、金属
酸化物薄膜と金属薄膜と金属酸化物薄膜との3層構造か
らなる透明陰極電極を形成した。このようにして、有機
EL素子を作製した。
【0042】
【実施例7】透明基板〔PETフィルム(25mm×7
5mm、厚み0.1mm)〕を準備し、この表面に、マ
グネトロンスパッタ蒸着装置を用いてITOを蒸着しI
TO膜(厚み400nm)を成膜し、これを透明陽極電
極とした。つぎに、このITO膜の表面にアルミキノリ
ーム錯体(Alq3 )を真空蒸着機を用いて蒸着して発
光層(厚み50nm)を成膜した。この発光層の表面に
マグネトロンスパッタ蒸着装置を用いて、酸化チタンに
マグネシウムを添加したものを蒸着し金属酸化物薄膜
(厚み30nm)を成膜した。つぎに、この金属酸化物
薄膜の表面にAg系合金を蒸着し金属薄膜(厚み7n
m)を成膜した後、この表面にマグネトロンスパッタ蒸
着装置を用いて酸化チタンを蒸着し金属酸化物薄膜(厚
み30nm)を成膜し、金属酸化物薄膜と金属薄膜と金
属酸化物薄膜との3層構造からなる透明陰極電極を形成
した。このようにして、有機EL素子を作製した。
【0043】
【実施例8】透明基板〔PETフィルム(25mm×7
5mm、厚み0.1mm)〕を準備し、この表面に、マ
グネトロンスパッタ蒸着装置を用いて酸化チタンを蒸着
し金属酸化物薄膜(厚み30nm)を成膜した。つぎ
に、この金属酸化物薄膜の表面に、マグネトロンスパッ
タ蒸着装置を用いてAg系合金を蒸着し金属薄膜(厚み
7nm)を成膜した。さらに、この金属薄膜の表面に、
マグネトロンスパッタ蒸着装置を用いて酸化チタンを蒸
着し金属酸化物薄膜(厚み30nm)を成膜した。この
ようにして、金属酸化物薄膜と金属薄膜と金属酸化物薄
膜とからなる3層構造の透明陽極電極を形成した。つぎ
に、この透明陽極電極の金属酸化物薄膜の表面に、アル
ミキノリーム錯体(Alq3 )を真空蒸着機を用いて蒸
着して発光層(厚み50nm)を成膜した。この発光層
の表面にマグネトロンスパッタ蒸着装置を用いて、酸化
チタンにマグネシウムを添加したものを蒸着し金属酸化
物薄膜(厚み30nm)を成膜した。つぎに、この金属
酸化物薄膜の表面にAg系合金を蒸着し金属薄膜(厚み
7nm)を成膜した後、この表面にマグネトロンスパッ
タ蒸着装置を用いて酸化チタンを蒸着し金属酸化物薄膜
(厚み30nm)を成膜し、金属酸化物薄膜と金属薄膜
と金属酸化物薄膜との3層構造からなる透明陰極電極を
形成した。このようにして、有機EL素子を作製した。
【0044】
【実施例9】まず、ジ−i−プロポキシ−ビス(アセチ
ルアセトナト)チタン(日本曹達社製のT−50)を、
イソプロピルアルコールとn−ヘキサンの混合溶媒に溶
解した溶液を調製し、これを透明基板〔PETフィルム
(25mm×75mm、厚み0.1mm)〕の表面にス
ピンコート法により塗布し、乾燥、加水分解、熱分解さ
せることにより有機金属酸化物薄膜(厚み30nm)を
成膜した。つぎに、この有機金属酸化物薄膜の表面に、
マグネトロンスパッタ蒸着装置を用いてAg系合金を蒸
着し金属薄膜(厚み7nm)を成膜した。続いて、この
金属薄膜の表面に上記と同様にして、有機金属酸化物薄
膜(厚み30μm)を成膜した。このようにして、有機
金属酸化物薄膜と金属薄膜と有機金属酸化物薄膜との3
層構造からなる透明陽極電極を形成した。つぎに、この
透明陽極電極の有機金属酸化物薄膜の表面に、アルミキ
ノリーム錯体(Alq3 )を真空蒸着機を用いて蒸着し
て発光層(厚み50nm)を成膜した。この発光層の表
面にマグネトロンスパッタ蒸着装置を用いて、酸化チタ
ンにマグネシウムを添加したものを蒸着し金属酸化物薄
膜(厚み30nm)を成膜した。つぎに、この金属酸化
物薄膜の表面にAg系合金を蒸着し金属薄膜(厚み7n
m)を成膜した後、この表面にマグネトロンスパッタ蒸
着装置を用いて酸化チタンを蒸着し金属酸化物薄膜(厚
み30nm)を成膜し、金属酸化物薄膜と金属薄膜と金
属酸化物薄膜との3層構造からなる透明陰極電極を形成
した。このようにして、有機EL素子を作製した。
【0045】
【実施例10】透明基板〔PETフィルム(25mm×
75mm、厚み0.1mm)〕を準備し、この表面に、
マグネトロンスパッタ蒸着装置を用いてITOを蒸着し
ITO膜(厚み400nm)を成膜し、これを透明陽極
電極とした。つぎに、このITO膜の表面にアルミキノ
リーム錯体(Alq3 )を真空蒸着機を用いて蒸着して
発光層(厚み50nm)を成膜した。ついで、ジ−i−
プロポキシ−ビス(アセチルアセトナト)チタン(日本
曹達社製のT−50)をイソプロピルアルコールとn−
ヘキサンの混合溶媒に溶解した溶液を、上記発光層の表
面にスピンコート法により塗布し、乾燥、加水分解、熱
分解させることにより有機金属酸化物薄膜(厚み30n
m)を成膜した。つぎに、この有機金属酸化物薄膜の表
面に、マグネトロンスパッタ蒸着装置を用いてAg系合
金を蒸着し金属薄膜(厚み7nm)を成膜した。続い
て、この金属薄膜の表面に上記と同様にして、有機金属
酸化物薄膜(厚み30μm)を成膜し、有機金属酸化物
薄膜と金属薄膜と有機金属酸化物薄膜との3層構造から
なる透明陰極電極を形成した。このようにして、有機E
L素子を作製した。
【0046】
【実施例11】透明基板〔PETフィルム(25mm×
75mm、厚み0.1mm)〕を準備し、この表面に、
マグネトロンスパッタ蒸着装置を用いて酸化チタンを蒸
着し金属酸化物薄膜(厚み30nm)を成膜した。つぎ
に、この金属酸化物薄膜の表面に、マグネトロンスパッ
タ蒸着装置を用いてAg系合金を蒸着し金属薄膜(厚み
7nm)を成膜した。さらに、この金属薄膜の表面に、
マグネトロンスパッタ蒸着装置を用いて酸化チタンを蒸
着し金属酸化物薄膜(厚み30nm)を成膜した。この
ようにして、金属酸化物薄膜と金属薄膜と金属酸化物薄
膜とからなる3層構造の透明陽極電極を形成した。つぎ
に、この透明陽極電極の金属酸化物薄膜の表面に、アル
ミキノリーム錯体(Alq3 )を真空蒸着機を用いて蒸
着して発光層(厚み50nm)を成膜した。ついで、ジ
−i−プロポキシ−ビス(アセチルアセトナト)チタン
(日本曹達社製のT−50)をイソプロピルアルコール
とn−ヘキサンの混合溶媒に溶解した溶液を、上記発光
層の表面にスピンコート法により塗布し、乾燥、加水分
解、熱分解させることにより有機金属酸化物薄膜(厚み
30nm)を成膜した。つぎに、この有機金属酸化物薄
膜の表面に、マグネトロンスパッタ蒸着装置を用いてA
g系合金を蒸着し金属薄膜(厚み7nm)を成膜した。
続いて、この金属薄膜の表面に上記と同様にして、有機
金属酸化物薄膜(厚み30μm)を成膜し、有機金属酸
化物薄膜と金属薄膜と有機金属酸化物薄膜との3層構造
からなる透明陰極電極を形成した。このようにして、有
機EL素子を作製した。
【0047】
【実施例12】まず、ジ−i−プロポキシ−ビス(アセ
チルアセトナト)チタン(日本曹達社製のT−50)
を、イソプロピルアルコールとn−ヘキサンの混合溶媒
に溶解した溶液を調製し、これを透明基板〔PETフィ
ルム(25mm×75mm、厚み0.1mm)〕の表面
にスピンコート法により塗布し、乾燥、加水分解、熱分
解させることにより有機金属酸化物薄膜(厚み30n
m)を成膜した。つぎに、この有機金属酸化物薄膜の表
面に、マグネトロンスパッタ蒸着装置を用いてAg系合
金を蒸着し金属薄膜(厚み7nm)を成膜した。続い
て、この金属薄膜の表面に上記と同様にして、有機金属
酸化物薄膜(厚み30μm)を成膜した。このようにし
て、有機金属酸化物薄膜と金属薄膜と有機金属酸化物薄
膜との3層構造からなる透明陽極電極を形成した。つぎ
に、この透明陽極電極の有機金属酸化物薄膜の表面に、
アルミキノリーム錯体(Alq3 )を真空蒸着機を用い
て蒸着して発光層(厚み50nm)を成膜した。つい
で、ジ−i−プロポキシ−ビス(アセチルアセトナト)
チタン(日本曹達社製のT−50)をイソプロピルアル
コールとn−ヘキサンの混合溶媒に溶解した溶液を、上
記発光層の表面にスピンコート法により塗布し、乾燥、
加水分解、熱分解させることにより有機金属酸化物薄膜
(厚み30nm)を成膜した。つぎに、この有機金属酸
化物薄膜の表面に、マグネトロンスパッタ蒸着装置を用
いてAg系合金を蒸着し金属薄膜(厚み7nm)を成膜
した。続いて、この金属薄膜の表面に上記と同様にし
て、有機金属酸化物薄膜(厚み30μm)を成膜し、有
機金属酸化物薄膜と金属薄膜と有機金属酸化物薄膜との
3層構造からなる透明陰極電極を形成した。このように
して、有機EL素子を作製した。
【0048】
【比較例1】透明基板〔PETフィルム(25mm×7
5mm、厚み0.1mm)〕を準備し、この表面に、マ
グネトロンスパッタ蒸着装置を用いてITOを蒸着しI
TO膜(厚み400nm)を成膜し、これを透明陽極電
極とした。つぎに、このITO膜の表面にアルミキノリ
ーム錯体(Alq3 )を真空蒸着機を用いて蒸着して発
光層(厚み50nm)を成膜した。この発光層の表面に
アルミニウム−リチウム系合金を真空蒸着機を用いて蒸
着して陰極電極(厚み200nm)を成膜した。このよ
うにして、有機EL素子を作製した。
【0049】
【比較例2】透明基板〔PETフィルム(25mm×7
5mm、厚み0.1mm)〕を準備し、この表面に、マ
グネトロンスパッタ蒸着装置を用いてITOを蒸着しI
TO膜(厚み400nm)を成膜し、これを透明陽極電
極とした。つぎに、このITO膜の表面にアルミキノリ
ーム錯体(Alq3 )を真空蒸着機を用いて蒸着して発
光層(厚み50nm)を成膜した。この発光層の表面
に、酸化亜鉛にアルミニウムを添加したものを真空蒸着
機を用いて蒸着して透明陰極電極(厚み400nm)を
成膜した。このようにして、有機EL素子を作製した。
【0050】このようにして得られた実施例品および比
較例品の有機EL素子を用いて、有機EL素子全体の可
視光透過率、陰極電極の可視光透過率、発光効率(片
面)および電極コスト(陽極電極コスト+陰極電極コス
ト)について比較評価を行った。なお、陰極電極の可視
光透過率については、透明基板の可視光透過率およびこ
の透明基板上に陰極電極を形成したものの可視光透過率
から算出した。これらの結果を、下記の表1〜表3に併
せて示した。
【0051】
【表1】
【0052】
【表2】
【0053】
【表3】
【0054】一般に、市販熱線反射ガラスの可視光透過
率は20%程度であることから、有機EL素子全体の可
視光透過率が20%以上であれば、シースルーであると
みなすことができる。上記表の結果から、実施例品は、
有機EL素子全体の可視光透過率がいずれも20%以上
であることから、シースルーであり、両面からの発光を
確認することができ、しかも比較例2品に比べて、電極
コストも低く抑えることができることがわかる。
【0055】これに対して、比較例1品は、アルミニウ
ム−リチウム系合金を用いて陰極電極を形成しているた
め、電極として使用に耐え得る表面抵抗を得るためには
厚膜とせざるを得ず、不透明であるため、可視光透過率
が0%であることがわかる。比較例2品は、酸化亜鉛に
アルミニウムを添加したものを陰極電極としているた
め、両面から発光を確認できたが、陰極電極の膜厚を極
めて厚くしなければならず、電極コストが非常に高いこ
とがわかる。
【0056】
【発明の効果】以上のように、本発明の有機EL素子
は、透明基板と透明陽極電極と有機物層と陰極電極とを
有する有機EL素子であって、上記陰極電極が金属薄膜
と金属酸化物薄膜とからなるものである。このように、
上記金属薄膜と金属酸化物薄膜とを用いて陰極電極を構
成しているため、陰極電極の膜厚が薄く透明性に優れ、
両面から発光を取り出すことができ、また素子の向こう
側を見透すことができ、しかも陰極電極の膜厚を従来の
ように厚くする必要がないため、コストを抑制すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の有機EL素子の一例を示す模式図であ
る。
【図2】本発明の有機EL素子の他の例を示す模式図で
ある。
【符号の簡単な説明】
1 透明基板 2 透明陽極電極 3 発光層 4 陰極電極

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明基板と透明陽極電極と有機物層と陰
    極電極とを有する有機エレクトロルミネッセンス素子で
    あって、上記陰極電極が金属薄膜と金属酸化物薄膜とか
    らなることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス
    素子。
  2. 【請求項2】 上記金属薄膜が、金、銀、銅、アルミニ
    ウム、パラジウムおよび白金からなる群から選ばれた少
    なくとも一つを含有している請求項1記載の有機エレク
    トロルミネッセンス素子。
  3. 【請求項3】 上記金属薄膜の厚みが1〜50nmであ
    る請求項1または2記載の有機エレクトロルミネッセン
    ス素子。
  4. 【請求項4】 有機エレクトロルミネッセンス素子全体
    の可視光透過率が20%以上である請求項1〜3のいず
    れか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  5. 【請求項5】 上記陰極電極の可視光透過率が30%以
    上である請求項1〜4のいずれか一項に記載の有機エレ
    クトロルミネッセンス素子。
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