JP2002289363A - 有機エレクトロルミネッセンス素子用透明電極およびそれを用いてなる有機エレクトロルミネッセンス素子 - Google Patents

有機エレクトロルミネッセンス素子用透明電極およびそれを用いてなる有機エレクトロルミネッセンス素子

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JP2002289363A
JP2002289363A JP2001385100A JP2001385100A JP2002289363A JP 2002289363 A JP2002289363 A JP 2002289363A JP 2001385100 A JP2001385100 A JP 2001385100A JP 2001385100 A JP2001385100 A JP 2001385100A JP 2002289363 A JP2002289363 A JP 2002289363A
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thin film
organic
metal
metal oxide
transparent electrode
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JP2001385100A
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English (en)
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Akimasa Katayama
晶雅 片山
Tetsuya Takeuchi
哲也 竹内
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Sumitomo Riko Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Riko Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】低コストで、柔軟性および耐久性に優れた有機
エレクトロルミネッセンス素子用透明電極およびそれを
用いてなる有機エレクトロルミネッセンス素子を提供す
る。 【解決手段】有機エレクトロルミネッセンス素子に用い
られる陽極電極2であって、金属薄膜と有機金属酸化物
薄膜とからなる有機エレクトロルミネッセンス素子用透
明電極である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、有機エレクトロル
ミネッセンス素子(以下「有機EL素子」と略す)用透
明電極およびそれを用いてなる有機EL素子に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】一般に、有機EL素子は、透明基板上に
陽極電極を成膜し、その表面に発光層を含む有機物層を
成膜し、さらにその表面に陰極電極を成膜して構成され
ている。上記陽極電極としては、発光を取り出すため、
通常、透明で導電性を有する酸化インジウム錫(IT
O)膜が用いられている。そして、このITO膜は、一
般的には真空蒸着法(イオンプレーティング法、スパッ
タ法)により作製されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記I
TOの蒸着膜は、蒸着速度が非常に遅いため、有機EL
素子に必要とされる表面抵抗を得るために厚膜化を行う
場合、時間がかかるとともに、ITO自身も非常に高価
であるため、コストが高いという難点がある。また、上
記ITOの蒸着膜は、表面の凹凸が激しいため、電極間
隔の異なる場所が発生し、電圧が集中する点が発生す
る。そのため、電圧が集中する点の素子のみ劣化が進
み、発光しないダークスポットが発生し、有機EL素子
の性能低下の原因となっている。加えて、ITO膜は基
本的にセラミック膜であるため柔軟性に乏しく、柔軟性
に優れた樹脂シートを透明基板として用いた場合でも機
械的強度が低く、柔軟な有機EL素子としての機能を果
たすことは難しい。また、樹脂シート基板はガラス基板
と違い水分や酸素を透過させるため、それらに弱い発光
層の劣化が通常より速く進行し、耐久性に劣るという難
点がある。
【0004】本発明は、このような事情に鑑みなされた
もので、低コストで、柔軟性および耐久性に優れた有機
EL素子用透明電極およびそれを用いてなる有機EL素
子の提供をその目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明は、有機EL素子に用いられる陽極電極であ
って、金属薄膜と有機金属酸化物薄膜とからなる有機E
L素子用透明電極を第1の要旨とする。また、本発明
は、上記第1の要旨の有機EL素子用透明電極を用いて
なる有機EL素子を第2の要旨とする。
【0006】本発明者らは、低コストで、柔軟性および
耐久性に優れた有機EL素子を得るべく、陽極電極を中
心に鋭意研究を重ねた。その結果、金属薄膜と有機金属
酸化物薄膜とをそれぞれ少なくとも1層含む、2層以上
の多層構造からなる透明電極を用いると、所期の目的が
達成できることを見いだし、本発明に到達した。すなわ
ち、上記有機金属酸化物薄膜は、金属アルコキシド系化
合物等に由来する有機成分を含有する金属酸化物を、ウ
エットコーティングすることにより容易に形成できるた
め、スパッタ蒸着により作製する場合に比べて、低コス
トでの作製が可能となる。また、透明電極表面の凹凸が
ほとんどなく、表面平滑性に優れるとともに、厚膜化を
図る必要もないため、低コスト化を実現できる。しか
も、金属アルコキシド系化合物等の加水分解および熱分
解の際に、金属酸化物薄膜中に有機成分(アルキル基
等)を残存させることができるため、スパッタ蒸着法に
より薄膜を形成する場合に比べて、透明基板等との接着
性が向上する。また、有機成分を含有しない通常の金属
酸化物薄膜(例えば、酸化チタン薄膜)はセラミック膜
であるため曲げにくく柔軟性に劣るのに対して、有機成
分を含有する金属酸化物薄膜はセラミック膜でないため
曲げやすく、柔軟性に優れるという利点もある。
【0007】
【発明の実施の形態】つぎに、本発明の実施の形態を説
明する。
【0008】本発明の有機EL素子用透明電極を用いて
なる有機EL素子としては、例えば、図1に示すよう
に、透明基板1上に陽極電極2が形成され、その表面に
発光層3が形成され、さらにその表面に陰極電極4が形
成されて構成されたものをあげることができる。なお、
図において、矢印方向は光の取り出し方向を示す。そし
て、本発明は、上記陽極電極2が金属薄膜と有機金属酸
化物薄膜とからなる透明電極であることが最大の特徴で
ある。
【0009】上記透明基板1としては、透明性に優れた
ものであれば特に限定はなく、例えば、ガラス基板、フ
ィルム基板等があげられる。なかでも、柔軟性に優れる
点で、フィルム基板が好ましい。上記フィルム基板用材
料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(P
ET)、ポリイミド(PI)、ポリカーボネート(P
C)、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、ポリエチ
レンナフタレート(PEN)、ポリアリレート等があげ
られる。
【0010】上記透明基板1の厚みは、通常、0.00
3〜10mmであり、好ましくは0.025〜5mmで
ある。
【0011】上記陽極電極(透明電極)2は、金属薄膜
と有機金属酸化物薄膜とをそれぞれ少なくとも1層含
む、2層以上の多層構造であれば特に限定はないが、金
属薄膜を有機金属酸化物薄膜でサンドイッチした3層構
造のもの(有機金属酸化物薄膜/金属薄膜/有機金属酸
化物薄膜)が好ましい。また、発光層3に金属薄膜を隣
接させた金属薄膜/有機金属酸化物薄膜の2層構造のも
のも、低コストの面から好ましい。
【0012】上記陽極電極2の総厚みは、通常、6〜7
50nmであり、好ましくは15〜430nmである。
【0013】上記有機金属酸化物薄膜用材料としては、
有機成分を含有する金属酸化物であれば特に限定はない
が、金属アルコキシド系化合物、金属アシレート系化合
物および金属キレート系化合物からなる群から選ばれた
少なくとも一つに由来する有機成分を含有する金属酸化
物が好適に用いられる。このように、金属アルコキシド
系化合物等に由来する有機成分を含有する金属酸化物を
用いると、例えば、ウエットコーティングにより薄膜を
形成する際に、金属アルコキシド系化合物等の加水分解
および熱分解により、金属酸化物薄膜中に有機成分(ア
ルキル基等)を残存させることができるため、スパッタ
蒸着法により薄膜を形成する場合に比べて、透明基板1
もしくは発光層3との接着性が向上するとともに、コス
トが安くなるため好ましい。また、有機成分を含有しな
い通常の金属酸化物薄膜(例えば、酸化チタン薄膜)は
セラミック膜であるため曲げにくく柔軟性に劣るのに対
して、有機成分を含有する金属酸化物薄膜はセラミック
膜でないため曲げやすく、柔軟性に優れるという利点も
ある。
【0014】上記金属アルコキシド系化合物は、M−O
−R結合(Rはアルキル基を示し、Mはチタン、ジルコ
ニウム、タンタル、インジウム、アルミニウム、錫、亜
鉛等の金属原子を示す)を有する化合物であれば特に限
定はなく、例えばテトラ−n−ブトキシチタン、ジ−i
−プロポキシ−ビス(アセチルアセトナト)チタン、ジ
−n−ブトキシ−ビス(トリエタノールアミナト)チタ
ン等があげられる。上記金属アシレート系化合物として
は、例えば、M−O−CO−R結合(Rはアルキル基を
示し、Mはチタン、ジルコニウム、タンタル、インジウ
ム、アルミニウム、錫、亜鉛等の金属原子を示す)を有
する化合物であれば特に限定はなく、例えば、ヒドロキ
シチタンステアレート等があげられる。上記金属キレー
ト系化合物としては、例えば、ジプロポキシチタンビス
(アセチルアセトネート)等があげられる。
【0015】また、上記金属アルコキシド系化合物等か
ら生成する金属酸化物としては、例えば、酸化チタン
(TiO2 )、酸化ジルコニウム(ZrO2 )、酸化イ
ンジウム(In2 3 )、酸化インジウム錫(IT
O)、酸化アルミニウム(Al2 3 )、酸化タンタル
(Ta2 5 )、酸化錫(SnO2 )、酸化亜鉛(Zn
O)等があげられる。
【0016】上記有機金属酸化物薄膜の厚みは、通常、
5〜350nmであり、好ましくは10〜200nmで
ある。
【0017】上記金属薄膜用材料としては、特に限定は
なく、例えば、金、銀、銅、アルミニウム、パラジウ
ム、白金もしくはこれらの合金等があげられる。これら
のなかでも、低抵抗、高透明性、耐久性、エネルギー準
位等を考慮して、銀系合金が好適に用いられる。
【0018】上記金属薄膜の厚みは、通常、1〜50n
mであり、好ましくは5〜30nmである。
【0019】上記発光層3用材料としては、特に限定は
なく、例えば、ベンゾチアゾール系、ベンゾイミダゾー
ル系、ベンゾオキサゾール系等の蛍光増白剤、スチリル
ベンゼン系化合物、12−フタロペリノン、1,4−ジ
フェニル−1,3−ブタジエン、1,1,4,4−テト
ラフェニル−1,3−ブタジエン、ナフタルイミド誘導
体、ペリレン誘導体、オキサジアゾール誘導体、アルダ
ジン誘導体、ピラジリン誘導体、シクロペンタジエン誘
導体、ピロロピロール誘導体、スチリルアミン誘導体、
クマリン系化合物、国際公開公報WO90/13148
やAppl.Phys.Lett.,vol 58,18,P1982(1991) に記載され
ているような高分子化合物、芳香族ジメチリディン化合
物、下記の一般式(1)で表される化合物等の有機発光
材料があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併
せて用いられる。
【0020】
【化1】(R−Q)2 −Al−O−L …(1) 〔式中、Rはアルミニウム原子に置換8−キノリラート
配位子が2個を上回って結合するのを立体的に妨害する
ように選ばれた8−キノリノラート環置換基、Qは置換
キノリノラート配位子、Lはフェニル部分を含んでなる
炭素数6〜24の炭化水素基、O−Lはフェノラート配
位子をそれぞれ示す。〕
【0021】上記発光層3の厚みは、通常、5〜200
nmであり、好ましくは10〜100nmである。
【0022】上記陰極電極4用材料としては、特に限定
はなく、例えば、アルミニウム、マグネシウム、インジ
ウム、銀、リチウム、ナトリウム、カリウムもしくはこ
れらの合金等があげられる。
【0023】上記陰極電極4の厚みは、通常、5〜50
0nmであり、好ましくは10〜400nmである。
【0024】そして、本発明の有機EL素子用透明電極
を用いてなる有機EL素子は、例えば、つぎのようにし
て作製することができる。すなわち、まず、金属アルコ
キシド系化合物等に由来する有機成分を含有する金属酸
化物液を準備し、これを透明基板1の表面にスピンコー
ト法やグラビアコート法により塗布し、乾燥、加水分
解、熱分解させることにより有機金属酸化物薄膜を成膜
する(ウエットコーティング法)。つぎに、この有機金
属酸化物薄膜の表面に金属のスパッタ蒸着によって金属
薄膜を成膜する。続いて、この金属薄膜の表面に上記と
同様のウエットコーティング法により、有機金属酸化物
薄膜を成膜する。これにより、透明基板1上に、有機金
属酸化物薄膜と金属薄膜と有機金属酸化物薄膜とからな
る3層構造の陽極電極2を形成する。つぎに、この陽極
電極2の有機金属酸化物薄膜の表面に発光層3および陰
極電極4を真空蒸着等により順次成膜し、有機EL素子
を得ることができる(図1参照)。
【0025】なお、本発明の有機EL素子用透明電極を
用いてなる有機EL素子において、陽極電極2と陰極電
極4との間に設けられる有機物層は、図1に示したよう
な、発光層3のみの単層構造に限定されるものではな
く、例えば、正孔注入層と発光層との2層構造、発光層
と電子注入層との2層構造、正孔注入層と発光層と電子
注入層の3層構造等があげられる。
【0026】上記正孔注入層用材料としては、特に限定
はなく、例えば、トリアゾール誘導体、オキサジアゾー
ル誘導体、イミダゾール誘導体、ポリアリールアルカン
誘導体、ピラゾリン誘導体、ピラゾロン誘導体、フェニ
レンジアミン誘導体、アリールアミン誘導体、アミノ置
換カルコン誘導体、オキサゾール誘導体、スチリルアン
トラセン誘導体、フルオレノン誘導体、ヒドラゾン誘導
体、スチルベン誘導体、シラザン誘導体、ポリシラン、
アニリン系共重合体、導電性高分子オリゴマー(好まし
くはチオフェンオリゴマー)、ポリフィリン化合物、芳
香族第三級アミン化合物、スチリルアミン化合物、有機
発光材料としても用いることができる芳香族ジメチリデ
ィン系化合物、p型−Siやp型−SiC等の無機半導
体等があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併
せて用いられる。
【0027】上記正孔注入層の厚みは、通常、1〜10
0nmであり、好ましくは10〜50nmである。
【0028】また、上記電子注入層用材料としては、特
に限定はなく、例えば、ニトロ置換フルオレノン誘導
体、アントラキノジメタン誘導体、ジフェニルキノン誘
導体、チオピランジオキシド誘導体、ナフタレンペリレ
ン等の複素環テトラカルボン酸無水物、カルボジイミ
ド、フルオレニリデンメタン誘導体、アントロン誘導
体、オキサジアゾール誘導体、特開昭59−19439
3号公報において発光層の材料として開示されている一
連の電子伝達性化合物、オキサジアゾール環の酸素原子
を硫黄原子に置換したチアゾール誘導体、電子吸引基と
して知られているキノキサリン環を有したキノキサリン
誘導体、8−キノリノール誘導体の金属錯体、メタルフ
リーもしくはメタルフタロシアニンまたはこれらの末端
がアルキル基,スルホン基等で置換されているもの、ジ
スチリルピラジン誘導体、n型−Siやn型−SiC等
の無機半導体等があげられる。これらは単独でもしくは
2種以上併せて用いられる。
【0029】上記電子注入層の厚みは、通常、1〜10
0nmであり、好ましくは10〜50nmである。
【0030】なお、本発明の有機EL素子用透明電極を
用いてなる有機EL素子は、前記図1に示したような、
透明基板1上に陽極電極2が形成され、その表面に発光
層3が形成され、さらにその表面に陰極電極4が形成さ
れて構成されたものに限定されるものではなく、例え
ば、図2に示すように、基板5上に陰極電極4が形成さ
れ、その表面に発光層3が形成され、さらにその表面に
陽極電極2が形成されて構成されたもの等をあげること
ができる。なお、図において、矢印方向は光の取り出し
方向を示す。
【0031】上記基板5としては、基板5の表面に、金
属薄膜や有機金属酸化物薄膜を蒸着法等により形成でき
るものであれば特に限定はないが、柔軟性に優れる点
で、フィルム基板が好ましい。上記フィルム基板用材料
としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PE
T)、ポリイミド(PI)、ポリカーボネート(P
C)、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、ポリエチ
レンナフタレート(PEN)、ポリアリレート等があげ
られる。なお、図2に示した有機EL素子は、基板5も
しくは陰極電極4で光を反射させて陽極電極2側から光
を取り出すタイプであるため、上記基板5には非透明性
の材料を用いることも可能である。
【0032】上記基板5の厚みは、通常、0.003〜
10mmであり、好ましくは0.025〜5mmであ
る。
【0033】つぎに、実施例について比較例と併せて説
明する。
【0034】
【実施例1】まず、ジ−i−プロポキシ−ビス(アセチ
ルアセトナト)チタン(日本曹達社製のT−50)を、
イソプロピルアルコールとn−ヘキサンの混合溶媒に溶
解した溶液を調製し、これを透明基板〔PETフィルム
(25mm×75mm、厚み0.1mm)〕の表面にス
ピンコート法により塗布し、乾燥、加水分解、熱分解さ
せることにより有機金属酸化物薄膜(厚み30nm)を
成膜した。つぎに、この有機金属酸化物薄膜の表面に、
マグネトロンスパッタ蒸着装置を用いてAg系合金を蒸
着し金属薄膜(厚み7nm)を成膜し、有機金属酸化物
薄膜と金属薄膜との2層構造からなる透明電極(陽極電
極)を形成した。この透明電極の金属薄膜の表面にアル
ミキノリーム錯体(Alq3 )を真空蒸着機を用いて蒸
着して発光層(厚み50nm)を成膜した。さらに、こ
の発光層の表面にアルミニウム−リチウム系合金を真空
蒸着機を用いて蒸着して陰極電極(厚み200nm)を
成膜した。このようにして、有機EL素子を作製した。
【0035】
【実施例2】有機金属酸化物薄膜と金属薄膜との2層構
造からなる透明電極(陽極電極)に代えて、有機金属酸
化物薄膜と金属薄膜と有機金属酸化物薄膜とからなる3
層構造の透明電極(陽極電極)を用いた。それ以外は、
実施例1と同様にして、有機EL素子を作製した。すな
わち、金属薄膜の表面に上記と同様にして有機金属酸化
物薄膜(厚み30μm)を成膜し、有機金属酸化物薄膜
と金属薄膜と有機金属酸化物薄膜とからなる3層構造の
透明電極(陽極電極)を形成した。
【0036】
【実施例3】まず、基板〔PETフィルム(25mm×
75mm、厚み0.1mm)〕の表面に、アルミニウム
−リチウム系合金を真空蒸着機を用いて蒸着して陰極電
極(厚み200nm)を成膜した。つぎに、この陰極電
極の表面に、アルミキノリーム錯体(Alq3 )を真空
蒸着機を用いて蒸着して発光層(厚み50nm)を成膜
した。続いて、この発光層の表面に、マグネトロンスパ
ッタ蒸着装置を用いてAg系合金を蒸着し金属薄膜(厚
み7nm)を成膜した。ついで、ジ−i−プロポキシ−
ビス(アセチルアセトナト)チタン(日本曹達社製のT
−50)をイソプロピルアルコールとn−ヘキサンの混
合溶媒に溶解した溶液を、上記金属薄膜の表面にスピン
コート法により塗布し、乾燥、加水分解、熱分解して有
機金属酸化物薄膜(厚み30nm)を成膜することによ
り、金属薄膜と有機金属酸化物薄膜との2層構造からな
る透明電極(陽極電極)を形成した。このようにして、
有機EL素子を作製した。
【0037】
【実施例4】金属薄膜と有機金属酸化物薄膜との2層構
造からなる透明電極(陽極電極)に代えて、有機金属酸
化物薄膜と金属薄膜と有機金属酸化物薄膜とからなる3
層構造の透明電極(陽極電極)を用いた。それ以外は、
実施例3と同様にして、有機EL素子を作製した。すな
わち、発光層の表面に、上記と同様にして有機金属酸化
物薄膜(厚み30nm)を成膜した後、この有機金属酸
化物薄膜の表面に、上記と同様にして金属薄膜(厚み7
nm)を成膜した。そして、この金属薄膜の表面に、上
記と同様にして有機金属酸化物薄膜(厚み30nm)を
成膜し、有機金属酸化物薄膜と金属薄膜と有機金属酸化
物薄膜とからなる3層構造の透明電極(陽極電極)を形
成した。
【0038】
【比較例1】有機金属酸化物薄膜と金属薄膜とからなる
2層構造の透明電極に代えて、ITO膜からなる透明電
極を用いた。それ以外は、実施例1と同様にして、有機
EL素子を作製した。すなわち、透明基板上にマグネト
ロンスパッタ蒸着装置を用いてITOを蒸着しITO膜
(厚み400nm)を成膜し、これを透明電極とした。
【0039】
【比較例2】有機金属酸化物薄膜と金属薄膜とからなる
2層構造の透明電極に代えて、銀系合金のみからなる透
明電極を用いた。それ以外は、実施例1と同様にして、
有機EL素子を作製した。すなわち、透明基板上にマグ
ネトロンスパッタ蒸着装置を用いてAg系合金を蒸着し
金属薄膜(厚み7nm)を成膜し、これを透明電極とし
た。
【0040】
【比較例3】有機金属酸化物薄膜と金属薄膜と有機金属
酸化物薄膜との3層構造からなる透明電極に代えて、金
属酸化物薄膜と金属薄膜と金属酸化物薄膜とからなる3
層構造の透明電極を用いた。それ以外は、実施例2と同
様にして、有機EL素子を作製した。すなわち、透明基
板の表面に、マグネトロンスパッタ蒸着装置を用いて酸
化チタンを蒸着し金属酸化物薄膜(厚み30nm)を成
膜した。つぎに、この金属酸化物薄膜の表面に、マグネ
トロンスパッタ蒸着装置を用いてAg系合金を蒸着し金
属薄膜(厚み7nm)を成膜し、さらにこの金属薄膜の
表面にマグネトロンスパッタ蒸着装置を用いて酸化チタ
ンを蒸着し金属酸化物薄膜(厚み30nm)を成膜し
て、金属酸化物薄膜と金属薄膜と金属酸化物薄膜とから
なる3層構造の透明電極を形成した。
【0041】このようにして得られた実施例品および比
較例品の有機EL素子を用いて、透明電極の可視光透過
率、発光効率および透明電極コストについて比較評価を
行った。これらの結果を、下記の表1に併せて示した。
【0042】
【表1】
【0043】上記表の結果から、実施例1,2品は、有
機金属酸化物薄膜を用いて透明電極を構成しているた
め、透明基板との接着性に優れるとともに、透明電極を
厚膜にする必要がないため、比較例1品に比べて、透明
電極コストが1/10であることがわかる。また、実施
例3,4品も、透明電極を厚膜にする必要がないため、
比較例1品に比べて、透明電極コストが1/10である
ことがわかる。
【0044】これに対して、比較例1品は、透明電極に
ITO膜を用いているため膜厚が厚くなり、その分コス
トが高くなることがわかる。比較例2品は、金属薄膜の
みからなる透明電極を用い、有機金属酸化物薄膜を用い
ていないため、透明性に劣ることがわかる。比較例3品
は、スパッタ蒸着にて成膜した有機成分を含有しない通
常の金属酸化物薄膜(酸化チタン薄膜)を用いているた
め、透明基板との接着性に劣り、コストも高くなること
がわかる。また、有機成分を含有しない通常の金属酸化
物薄膜(酸化チタン薄膜)はセラミック膜であるため曲
げにくく、柔軟性に劣っていた。
【0045】
【発明の効果】以上のように、本発明の有機EL素子用
透明電極は、金属薄膜と有機金属酸化物薄膜とからなる
ものである。そして、上記有機金属酸化物薄膜は、金属
アルコキシド系化合物等に由来する有機成分を含有する
金属酸化物を、ウエットコーティングすることにより容
易に形成できるため、スパッタ蒸着により作製する場合
に比べて、低コストでの作製が可能となる。また、透明
電極表面の凹凸がほとんどなく、表面平滑性に優れると
ともに、厚膜化を図る必要もないため、低コスト化を実
現できる。しかも、金属アルコキシド系化合物等の加水
分解および熱分解の際に、金属酸化物薄膜中に有機成分
(アルキル基等)を残存させることができるため、スパ
ッタ蒸着法により薄膜を形成する場合に比べて、透明基
板等との接着性が向上する。また、有機成分を含有しな
い通常の金属酸化物薄膜(例えば、酸化チタン薄膜)は
セラミック膜であるため曲げにくく柔軟性に劣るのに対
して、有機成分を含有する金属酸化物薄膜はセラミック
膜でないため曲げやすく、柔軟性に優れるという利点も
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の有機EL素子用透明電極を用いてなる
有機EL素子の一例を示す模式図である。
【図2】本発明の有機EL素子用透明電極を用いてなる
有機EL素子の他の例を示す模式図である。
【符号の簡単な説明】
1 透明基板 2 陽極電極 3 発光層 4 陰極電極

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有機エレクトロルミネッセンス素子に用
    いられる陽極電極であって、金属薄膜と有機金属酸化物
    薄膜とからなることを特徴とする有機エレクトロルミネ
    ッセンス素子用透明電極。
  2. 【請求項2】 上記有機金属酸化物薄膜は、金属アルコ
    キシド系化合物、金属アシレート系化合物および金属キ
    レート系化合物からなる群から選ばれた少なくとも一つ
    に由来する有機成分を含有する金属酸化物のコーティン
    グ薄膜である請求項1記載の有機エレクトロルミネッセ
    ンス素子用透明電極。
  3. 【請求項3】 上記金属薄膜が、金、銀、銅、アルミニ
    ウム、パラジウムおよび白金からなる群から選ばれた少
    なくとも一つを含有している請求項1または2記載の有
    機エレクトロルミネッセンス素子用透明電極。
  4. 【請求項4】 上記金属薄膜の厚みが1〜50nmであ
    る請求項1〜3のいずれか一項に記載の有機エレクトロ
    ルミネッセンス素子用透明電極。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか一項に記載の有
    機エレクトロルミネッセンス素子用透明電極を用いてな
    ることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素
    子。
JP2001385100A 2001-01-17 2001-12-18 有機エレクトロルミネッセンス素子用透明電極およびそれを用いてなる有機エレクトロルミネッセンス素子 Withdrawn JP2002289363A (ja)

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