JP4393788B2 - エレクトロルミネッセンス素子、面光源および表示装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、本来外部に取り出されることのない無効発光を効率よく外部に導くことができる高輝度のエレクトロルミネッセンス素子に関し、またこのエレクトロルミネッセンス素子を用いた高効率な面光源および表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
電極間に発光層を設け、電気的に発光を得るエレクトロルミネッセンス素子や発光ダイオードは、ディスプレイ表示装置としての利用はもちろん、平面型照明、光ファイバー用光源、液晶ディスプレイ用バックライト、液晶プロジェクタ用バックライトなどの各種光源としても、盛んに研究開発が進んでいる。特に有機エレクトロルミネッセンス素子は発光効率、低電圧駆動、軽量、低コストという点ですぐれており、近年、注目を浴びている。これら光源用途において最大の関心事は発光効率の向上であり、蛍光灯に匹敵する発光効率を目標として、素子構成、材料、駆動方法、製造方法などの改良が検討されている。
【0003】
しかし、エレクトロルミネッセンス素子のように発光層自体から発光を取り出す固体内発光素子では、発光層の屈折率と出射媒質との屈折率により決まる臨界角以上の発光光は全反射し内部に閉じ込められ、導波光として失われる。古典論的な屈折の法則(スネルの法則)による計算では、発光層の屈折率をnとすると、発生した光が外部に取り出される光取り出し効率ηは、η=1/(2n2)で近似される。仮に発光層の屈折率が1.7である場合、η≒17%程度となり、80%以上の光は導波光として素子側面方向の損失光として失われる。
【0004】
導波光を外部に取り出すには、発光層と出射面との間に光の反射・屈折角を乱れさせる領域を形成し、スネルの法則を崩して、本来導波光として全反射される光の伝送角を変化させてやるか、発光自体に集光性を持たせる必要がある。しかし、導波光をすべて外部に出射させる領域を形成するのは容易でなく、このため、できるだけ多くの導波光を取り出す提案がなされている。
【0005】
例えば、取り出し効率を改善する方法として、基板自体に集光性を持たせることで取り出し効率を向上させる方法や、発光層をディスコチック液晶で形成し、発光光自体の正面指向性を向上させる方法、素子自体に立体構造や傾斜面、回折格子などを形成する方法が提案されている。
【0006】
しかしながら、これらの提案には、構成が複雑であったり、発光層自体の発光効率が低くなるなどの問題がある。
【0007】
比較的簡単な方法として、光拡散層を形成し、光の屈折角を変化させ全反射条件にある光を減らす方法も提案されている。
【0008】
例えば、内部と表面で屈折率の異なる屈折率分布構造を有する粒子を透明基材中に分散させた拡散板を使用する方法(例えば、特許文献1)、透光性基体上に単粒子層を並べた拡散部材を使用する方法(例えば、特許文献2)、発光層と同じ材質中に散乱粒子を分散させる方法(例えば、特許文献3)など、数多くの提案がある。
【0009】
これらは、分散粒子の特性、基材と分散粒子の屈折率差、粒子の分散形態、光拡散層の形成場所などに特徴を見出したものである。そして液晶表示装置等に使用されるこれらの光拡散層は、通常、全光線透過率は高く維持し、通過できる光の量を多くして、ヘイズを制御して設計されている。光拡散層における光の散乱度合いを定量化する指標として、例えば、JIS K 6714−1977やASTM D1003に示されるヘイズ率が用いられる。
【特許文献1】
特開平6−347617号公報
【特許文献2】
特開2001−356207号公報
【特許文献3】
特開平6−151061号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、エレクトロルミネッセンス素子において、従来、素子内部に導波光として閉じ込められていた損失光を、簡便に効率よく取り出すことができるエレクトロルミネッセンス素子を提供することを目的とし、さらに本発明のエレクトロルミネッセンス素子を用いた高効率な面光源および表示装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を行った。その結果、発光層を含む少なくとも1層の有機層、当該有機層を挟持する反射性電極および透明電極とからなる一対の電極、並びに発光層からの発光光が透明電極を介して観測者側に出射されるまでの間に空気を介さずに設けられた光拡散層からなるエレクトロルミネッセンス素子において、光拡散層の発光光の取り出し効率とヘイズ率とには相関がないこと、そして意外にも、これまで高く設定されていた光拡散層の全光線透過率が高すぎると、かえって光の取り出し効率が低下することを見出した。そして、光拡散層の全光線透過率が55%以上85%以下であり、かつ有機層とこれを挟持する反射性電極と透明電極とからなる一対の電極が、光の出射面から観測者側に放射される発光光の正面輝度値と50度〜70度方向の輝度値が、式(1);正面輝度値<50度〜70度方向の輝度値、の関係を満たすように形成されてなるときに、エレクトロルミネッセンス素子内部に導波光として失われていた光を高い効率で取り出すことができ、簡単且つ低コストな方法で極めて高輝度のエレクトロルミネッセンス素子を実現できることを見出し、本発明を完成させた。
【0012】
すなわち、本発明は、発光層を含む少なくとも1層の有機層、当該有機層を挟持する反射性電極および透明電極とからなる一対の電極、並びに発光層からの発光光が透明電極を介して観測者側に出射されるまでの間に空気を介さずに設けられた光拡散層からなるエレクトロルミネッセンス素子において、光拡散層の全光線透過率が55%以上85%以下であり、かつ有機層とこれを挟持する反射性電極と透明電極とからなる一対の電極が、光の出射面から観測者側に放射される発光光の正面輝度値と50度〜70度方向の輝度値が、式(1);正面輝度値<50度〜70度方向の輝度値、の関係を満たすように形成されてなることを特徴とするエレクトロルミネッセンス素子(以下、単にEL素子という。)に係るものである。
【0014】
また、本発明は、上記EL素子の特に好ましい態様として、正孔と電子の再結合発光領域の中心部と反射性電極との距離をd(nm)、発光層に用いている材料の蛍光発光スペクトルのピーク波長をλ(nm)、発光層と反射性電極との問の有機層の屈折率をnとすると、式(2);(0.3/n)λ<d<(0.5/n)λ、の関係を満たすEL素子に係るものである。
【0015】
また、本発明は、光拡散層が、透明材料中にこれとは屈折率の異なる透明材料または不透明材料を分散分布させた光拡散部位からなる上記各構成のEL素子、光拡散層が、レンズ構造からなる上記各構成のEL素子、並びに光拡散層が、凹凸面からなる上記各構成のEL素子に係るものである。
【0016】
さらに、本発明は、上記各構成のEL素子を具備することを特徴とする面光源に係るものであり、また上記各構成のEL素子を具備することを特徴とする表示装置に係るものである。
【0017】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
本発明のEL素子は、少なくとも、発光層、当該発光層を挟持する反射性電極および透明電極とからなる一対の電極、並びに発光層からの発光光が透明電極を介して観測者側に出射されるまでの間に空気を介さずに形成される光拡散層からなる。当該EL素子は、無機EL素子および有機EL素子のいずれであってもよく、好ましくは有機EL素子である。
【0018】
そして本発明のEL素子は、上記光拡散層の全光線透過率が55%以上85%以下、好ましくは70%付近であることを特徴とする。
【0019】
なお、上記光拡散層の全光線透過率は、ASTM D1044に示されるヘイズメーターにより計測される物理量であって、例えば、村上色彩技術研究所社製反射・透過率計HR−100型により計測することができる。
【0020】
本発明のEL素子における光拡散層は、その全光線透過率が上記範囲にある限り、基本的に、全反射角以上の角度にある光の伝送角を効率良く全反射角以下の伝送角に乱すことができ、素子内部に閉じ込められている導波光をより多く外部に出射できるように形成されておればよく、その形成方法については、特に限定はない。全光線透過率が上記範囲であれば、従来提案されているものを適用できる。
【0021】
本発明の光拡散層として、好ましくは、透明材料中にこれとは屈折率の異なる透明材料または不透明材料を分散分布させた光拡散部位を形成すればよい。当該光拡散部位の屈折率の不均一構造は、屈折率が断続的に変化するものであってもよいし、連続的に変化するものであってもよい。
【0022】
上記光拡散部位の基材となる透明材料およびこれに分散分布される透明材料または不透明材料は、それらによって形成される光拡散部位が上記全光線透過率の範囲を満たす限りにおいて、特に制限されない。
【0023】
光拡散部位の基材となる透明材料としては、その加工性とそれを用いた光拡散部位の形成のさせやすさの観点から、ポリマー材料が適している。最終的にはそれに分散分布させる透明材料または不透明材料との屈折率差を考慮して適宜選択すればよく、特に限定はない。例を挙げると、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレートなどのポリエステル系樹脂、ポリスチレンやアクリロニトリル・スチレン共重合体(ASポリマー類)の如きスチレン系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン・プロピレン共重合体、シクロ系ないしノルボルネン構造を有するポリオレフィンの如きオレフィン系樹脂、カーボネート系樹脂、アクリル系樹脂、塩化ビニル系樹脂、セルロース系樹脂、アミド系樹脂、イミド系樹脂、スルホン系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂、ポリエーテルエーテルケトン系樹脂、ポリフェニレンスルフィド系樹脂、ビニルアルコール系樹脂、塩化ビニリデン系樹脂、ビニルブチラール系樹脂、アリレート系樹脂、ポリオキシメチレン系樹脂、シリコーン系樹脂、ウレタン系樹脂、およびそれらのブレンド物、並びにフェノール系、メラミン系、アクリル系、ウレタン系、ウレタンアクリル系およびエポキシ系等の熱硬化型ないし紫外線硬化型のポリマーなどが挙げられる。また、ゴム系ポリマー等の粘着剤を用いてもよい。
【0024】
また、分散分布させる透明材料および不透明材料としては、シリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、ガラス並びにアクリル系樹脂、ポリアクリロニトリル、ポリエステル、エポキシ系樹脂、メラミン系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリカーボネート、ポリスチレンおよびシリコーンなどのポリマー等の粒子が好適であり、これらを1種または2種以上併用してもよい。また上記基材となる透明材料中に気泡を分散分布させて光拡散部位を形成させてもよい。
【0025】
光拡散部位を光が伝搬すると散乱を受けるが、その散乱の程度や散乱光の指向性などは、光拡散部位を形成する上記材料の屈折率差、並びに分散分布される透明材料または不透明材料の粒子の大きさ、形状、分布状態および数などにより顕著に変化する。屈折率差が大きいときは、拡散能力が高くなり全光線透過率も低くなるので、分散分布される材料の粒子の配合量を少なくしてやればよく、一方、屈折率差が小さいときは、拡散能力が低く、全光線透過率も高くなるので、分散分布される材料の配合量を多くしてやればよい。また、分散分布される材料の粒子径が大きいと、単位体積あたりの粒子数が少ないため散乱次数が小さくなり全光線透過率が高くなるので、該粒子の配合量を多くすればよい。そして分散分布される材料の粒子径は、小さい方が全光線透過率を制御しやすく、光拡散部位の設計のしやすさの観点からその粒子径は、0.1〜10μm、特に5μm以下であることが好ましい。また光拡散部位を形成する基材とそれに分散分布される材料の屈折率差は、0.05以上であることが好ましい。
【0026】
また、光拡散層として、レンズ構造も好適に用いることができる。レンズ構造とは、同心円状、互いに平行な複数本の線状、格子状などに配列ないし形成された複数のレンズ、プリズム、V字溝などによって、直進する光の方向を変化させる薄型板状透明物質を意味する。具体例としては、レンティキュラーレンズシート、フレネルレンズシート、コーナーキューブレンズシート、ハエの目レンズシート、猫の目レンズシート、二重ハエの目レンズシート、二重レンティキュラーレンズシート、放射状レンティキュラーレンズシート、プリズムレンズフィルム、マイクロプリズムレンズフィルムなどや、これらのレンズシートおよびレンズフィルムの凸面を凹面に変えてなるレンズシート、透明球または半透明球を面状に並べたものなどが挙げられる。また、V字溝などの、溝を彫ることによって光の方向を変化させたものでもよい。材質はガラスであってもよいし、樹脂であってもよい。
【0027】
さらに、光拡散層として、物理的な凹凸面を形成することもできる。具体的には、例えば、後述の支持基板表面等に艶消し処理したり、有機層(ポリマー層)表面に周期的な凹凸構造を熱転写するなどして、形成することができる。
【0028】
本発明のEL素子は、上記特定の全光線透過率を有する光拡散層を設け、かつ有機層とこれを挟持する反射性電極と透明電極とからなる一対の電極が、光の出射面から観測者側に放射される発光光の正面輝度値と50度〜70度方向の輝度値が、式(1);正面輝度値<50度〜70度方向の輝度値、の関係を満たすように形成されてなることのほかは、従来公知のEL素子と同様の構成を有することができる。本発明のEL素子の具体的構成例を図に示し、説明する。
【0029】
図1は、2層型の有機EL素子の一例を示したものである。この素子は、基本構成として、支持基盤1上に透明電極2、正孔輸送層4、電子輸送性発光層5および反射性電極3が順次積層された構成を有している。
【0030】
つまり、正孔輸送層4および電子輸送性発光層5からなる有機層が透明電極2と反射性電極3とからなる一対の電極間に挟持された構成を有しており、動作時には正孔輸送層4と電子輸送性発光層5の界面層から約10nm程度電子輸送性発光層側の領域で再結合が生じ、図示される発光領域6で集中して発光が生じる。
【0031】
本発明では、上記の基本構成(すなわち、本発明の上記光拡散層を設ける前)として、特に、正面方向の発光光は弱め合うが、素子内部に閉じ込められる導波光は強め合うような構成とされている。すなわち、正面輝度値、つまり正面0度方向の輝度値が低く、かつ広角度になるほど輝度が高くなる。このように、通常は導波光として素子内部に閉じ込められる広角度成分の光を強め合うように基本構成を決定し、大部分の光量が分布する導波光を増幅した上で、上記光拡散層を形成すると、外部に出射できる正面方向の光が強め合うように基本構成を決定するよりも、発光効率が高められたEL素子が得られる。具体的には、輝度の角度依存性において、式(1);正面輝度値<50度〜70度方向の輝度値、の関係を満たすように基本構成を構成する。この関係は、例えば、電子輸送性発光層5の厚さの違いにより簡単に達成できるが、発光層5を含む有機層と一対の電極の材料や厚さなどを適宜選択することにより、任意に達成できるものである。また、さらに、正孔と電子の再結合発光領域6の中心部と反射性電極3との距離をd、発光層(この場合は電子輸送性発光層5)に用いている材料の蛍光発光スペクトルのピーク波長をλ、発光層と反射性電極3の間の有機層(この場合は電子輸送性発光層5)の屈折率をnとしたときに、式(2);(0.3/n)λ<d<(0.5/n)λ、の関係を満たすように、基本構成が構成されているのが特に望ましい。
【0032】
例えば、上記の例で、電子輸送性発光層5の蛍光発光のピーク波長が540nmの緑色光であり、その屈折率が1.65であれば、上記距離dは98.2〜163.6nmの範囲となるようにされているのが、望ましい。
【0033】
本発明のEL素子の好ましい実施態様は、基本構成として、支持基盤1上に透明電極2、正孔輸送層4、電子輸送性発光層5および反射性電極が順次積層された構成を有し、当該基本構成に、発光層と観測者側の出射媒質との間に全光線透過率が55%以上85%以下の光拡散層7を設けたものであり、好ましくは式(1)を満たし、さらに好ましくは式(1)および(2)を満たす基本構成を有する。
【0034】
なお、光拡散層の形成位置については、上記図1に限定されるものではなく、任意の位置に形成できる。例えば、支持基板1の表面に粘着剤や接着剤を介して光拡散層としての拡散フィルムを貼り合せたり、支持基板1自体に光拡散性を持たせてもよく、また透明電極2と支持基板1の間に形成してもよい。発光面積が比較的大きい照明用途に用いる場合は、基板表面に形成すればよいが、表示装置のように発光面積が小さくなる場合は、発光層と光拡散層との伝送距離による視差を提言するため、できるだけ発光層近傍に形成するのが好ましい。
【0035】
本発明のEL素子において、前記の基本構成となる有機材料、電極材料、層構成や各層の膜厚に関しては特に限定はなく、従来公知のものを適用することができる。有機層は低分子系材料を真空蒸着して形成してもよいし、高分子系材料を塗布法により形成してもよく、特に制限はない。
【0036】
具体的な構成として、前記した2層型の有機EL素子である陽極/正孔輸送層/電子輸送性発光層/陰極のほか、3層型の有機EL素子である陽極/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/陰極、これらの積層型素子とは異なる陽極/発光層/陰極などの種々の構成を選択でき、特に限定はない。
【0037】
陽極界面に正孔注入層や陰極界面に電子注入層を設けたり、再結合効率を高めるための電子ブロック層、正孔ブロック層を挿入した構成としてもよい。基本的には、発光効率が高くなる構成、材料、形成方法を選択すると、少ない消費電力で強度のEL発光が得られ、本発明の効果をより高められる。
【0038】
電極材料も、適宜最適なものを選択できる。通常のEL素子において、陽極には酸化インジウム錫(ITO)、酸化錫などの透明導電膜が用いられ、陰極にはマグネシウムと銀をおよそ10:1の原子比で共蒸着したものや、カルシウム電極、リチウムを微量ドープしたアルミニウム電極などが陰極の低仕事関数化による電子注入効率向上の観点から応用されているが、特に限定されるものではない。
【0039】
本発明に用いられる支持基板は、透明性の有無に関わらず、一般的なものが使用できる。ガラス基板を用い、発光を透明電極を介してガラス基板側に取り出す方法のほかに、不透明な金属板を支持基板に用い、当該支持基板とは逆の方面から光を取り出すような構成としてもよい。
【0040】
また、陽極を透明電極とする以外に、例えば陰極として有機層界面から厚さ数nm〜十数nmの透光性を維持できる薄さの金属電極を形成し、その後、ITOを形成するなどして、陰極を透明電極としてもよい。もちろん、ポリマーフィルムのように可撓性のある材料を基板に用いてもよいし、基板自体に光拡散層を形成したものであってもよい。
【0041】
本発明においては、このような構成からなるEL素子を発光素子として具備することを特徴とする面光源と、さらに上記EL素子を発光素子として具備することを特徴とする表示装置を、提供できる。これらにより発光効率の高い面光源および表示装置を提供できるものである。
【0042】
【実施例】
次に、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明をかかる実施例のみに限定するものではない。
【0043】
<全光線透過率の測定>
村上色彩技術研究所社製反射・透過率計HR−100型を用い、コリメートした19mmφの光(平行度は光軸に対して3%以内)を照射し、積分球入り口に光拡散層を設置しない場合の光量(T1)と設置した場合の光量(T2)を測定し、T2/T1を百分率で求めた。
【0044】
実施例1
<有機EL素子の基本構成の作製>
ガラス基板の片側にITOセラミックターゲット(In2O3:SnO2=90重量%:10重量%)から、DCスパッタリング法にて厚さ100nmのITO膜を形成し、透明電極(陽極)を形成した。その後、フォトレジストを用いて、ITOをエッチングすることで、発光面積が15mm×15mmとなるようにパターンを形成した。そして超音波洗浄を行った後、低圧UVランプを用いてオゾン洗浄した。
【0045】
つぎに、ITO面上に、真空蒸着法により、有機層を順次形成した。まず、正孔注入層として式(3)で表されるCuPcを、蒸着速度0.3nm/sで、15nmの厚さに形成した。つぎに、正孔輸送層として、式(4)で表されるα−NPDを、蒸着速度0.3nm/sで、40nmの厚さに形成した。最後に、電子輸送性発光層として、式(5)で表されるAlqを、蒸着速度0.3nm/sで、130nmの厚さに形成した。
【0046】
【化1】
【0047】
【化2】
【0048】
【化3】
【0049】
その後、Mgを1nm/s、Agを0.1nm/sの蒸着速度にて共蒸着し、厚さ100nmのMgAgを形成後、MgAgの酸化防止の観点から、さらにその上にAgを50nm形成して、反射性電極(陰極)とした。
真空蒸着装置から取り出したのち、陰極電極側に紫外線硬化性エポキシ樹脂を滴下し、その上にスライドガラスを被せ、十分にエポキシ樹脂が広がった時点で、高圧UVランプを用いてエポキシ樹脂を硬化させ、素子を封止した。
【0050】
このように作製したサンプルに14.5Vの電圧を印加したところ、7.2mA/cm2の電流密度で素子に電流が通じ、発光が観測された。
【0051】
市販の輝度計(トプコン社製 品名BM9)を用い、図2に示す如く、θ方向の素子の輝度を0度〜80度方向まで、10度おきに測定したところ、表1の結果となった。また、φ方向に測定方向を変えて、輝度の角度依存性を測定したが、ほぼ全方向で輝度値は同じであった。
【0052】
よって、φ方向に関しては、発光は均一に分布していると仮定し、80度方向までの空間に照射する単位面積当たりの光束量[lm/m2]を、数値的に積分して算出した。この結果も合わせて、表1に示した。
【0053】
表1の如く、作製した有機EL素子は本発明の(1)式を十分に満たしたものであった。また、この素子において、正孔と電子の再結合は、ほぼα−NPDとAlqの界面で起こる。よって、本発明でいうところの正孔と電子の再結合発光領域の中心部と反射性電極との距離dはおよそ130nmである。
【0054】
また励起光源に発光波長が365nmのブラックライトを用い、ガラス基板上に蒸着したAlq薄膜に照射した際の蛍光スペクトルのピーク波長λはおよそ530nmであった。また、分光エリプソメータを用いて測定したAlq薄膜の屈折率nはおよそ1.67であった。よって、上記の有機EL素子の基本構成は、(2)式も満足するものである。
【0055】
【表1】
【0056】
<光拡散層の作製>
塩化メチレンを15gに、屈折率1.43、粒子径0.5μmのシリコーン粒子を加え、よく攪拌した。さらに、屈折率が1.49であるポリメチルメタクリレート(PMMA)樹脂を、濃度が25%となるように、塩化メチレンにシリコーン粒子を加えた溶液に加えて溶解させた。このときのシリコーン粒子の配合量はPMMAに対して、それぞれ、60重量部、70重量部、80重量部とした。その後、PMMA層の厚みが約60μmとなるように、アプリケーターを用いてコーティングし、乾燥して、光拡散層を作製した。
【0057】
つぎに、前記のように作製した有機EL素子の基本構成のガラス基板表面上に、上記の光拡散層を、空気を介さずにPMMAと屈折率が同じアクリル系粘着剤で貼り合せた。その後、この素子に、14.5Vの印加電圧を印加して、7.2mA/cm2の電流密度で素子に電流を流した際の輝度を、0度〜80度の範囲で測定し、単位面積あたりの光束量を積算した。表2に正面輝度と全光束量を示した。なお、作製した光拡散層の全光線透過率は、本発明の全光線透過率の範囲を満足するものであった。
【0058】
【表2】
【0059】
比較例1
実施例1におけるシリコーン粒子に代えて、それぞれ、屈折率1.43、粒子径3μmのシリコーン粒子を40重量部、50重量部または60重量部、配合して光拡散層を作製した以外は、実施例1と同様に行った。結果を表3に示した。なお、作製した光拡散層の全光線透過率は、本発明の全光線透過率の範囲を満足しないものであった。
【0060】
【表3】
【0061】
実施例2
実施例1においてシリコーン粒子に代えて、それぞれ、屈折率1.76、粒子径が0.9μmまたは1.4μmのアルミナ粒子を30重量部、50重量部、配合して光拡散層を作製した以外は、実施例1と同様に行った。結果を表4に示した。なお、作製した光拡散層の全光線透過率は、本発明の全光線透過率の範囲を満足するものであった。
【0062】
【表4】
【0063】
比較例2
実施例1においてシリコーン粒子に代えて、それぞれ、屈折率1.76、粒子径が0.9μmあるいは1.4μmのアルミナ粒子を70重量部、または粒子径が9μmのアルミナ粒子を30重量部、配合して光拡散層を作製した以外は、実施例1と同様に行った。結果を表5に示した。なお、作製した光拡散層の全光線透過率は、本発明の全光線透過率の範囲を満足しないものであった。
【0064】
【表5】
【0065】
実施例3
実施例1においてシリコーン粒子に代えて、高屈折率である屈折率2、粒子径が1μmの酸化ジルコニウム粒子を20重量部、15重量部、10重量部あるいは5重量部、または屈折率2.3、粒子径0.6μmの酸化チタン粒子を5重量部、配合して光拡散層を作製した以外は、実施例1と同様に行った。結果を6表に示した。なお、作製した光拡散層の全光線透過率は、本発明の全光線透過率の範囲を満足するものであった。
【0066】
【表6】
【0067】
比較例3
実施例1においてシリコーン粒子に代えて、それぞれ、高屈折率である屈折率2、粒子径が1μmの酸化ジルコニウム粒子を30重量部あるいは1重量部、または屈折率2.3、粒子径0.6μmの酸化チタン粒子を10重量、配合して光拡散層を作製した以外は、実施例1と同様に行った。結果を表7に示した。なお、作製した光拡散層の全光線透過率は、本発明の全光線透過率の範囲を満足しないものであった。
【0068】
【表7】
【0069】
上記の結果から明らかなように、本発明である全光線透過率の範囲を外れる方に向かうほど正面輝度と全光束量の増加度が低くなることがわかる。
【0070】
これまで、光拡散層は、通常、全光線透過率を高く維持し、通過できる光の量を多くし、かつヘイズを制御して設計されていたが、EL素子に使用される場合、表2〜7の結果に示したようにヘイズには相関がないことがわかった。そして、上記の結果から明らかなように、粒子の種類、屈折率、粒子径などにかかわらず、光拡散層の全光線透過率を55%以上85%以下の間に設計することで、正面輝度と全光束量が共に極めて高い高輝度のEL素子を実現できた。
【0071】
【発明の効果】
以上のように本発明の光拡散層をEL素子に形成し、かつ有機層とこれを挟持する反射性電極と透明電極とからなる一対の電極が、式(1)の関係を満たすように形成されてなることにより、簡単かつ低コストでもって、効率よく本来EL素子内部に導波光として失われる光を取り出すことが可能となり、極めて高輝度のEL素子を実現できる。また、本発明の有機EL素子を用いることで、高効率な、面光源や表示装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のEL素子の一例を示す断面図である。
【図2】本発明のEL素子の特性に係る説明図である。
【符号の説明】
1 支持基板
2 透明電極(陽極)
3 反射性電極(陰極)
4 正孔輸送層
5 電子輸送性発光層
6 発光領域
7 光拡散層
Claims (7)
- 発光層を含む少なくとも1層の有機層、当該有機層を挟持する反射性電極および透明電極とからなる一対の電極、並びに発光層からの発光光が透明電極を介して観測者側に出射されるまでの間に空気を介さずに設けられた光拡散層からなるエレクトロルミネッセンス素子において、光拡散層の全光線透過率が55%以上85%以下であり、かつ有機層とこれを挟持する反射性電極と透明電極とからなる一対の電極が、光の出射面から観測者側に放射される発光光の正面輝度値と50度〜70度方向の輝度値が、式(1);正面輝度値<50度〜70度方向の輝度値、の関係を満たすように形成されてなることを特徴とするエレクトロルミネッセンス素子。
- 正孔と電子の再結合発光領域の中心部と反射性電極との距離をd(nm)、発光層に用いている材料の蛍光発光スペクトルのピーク波長をλ(nm)、発光層と反射性電極との問の有機層の屈折率をnとすると、式(2);(0.3/n)λ<d<(0.5/n)λ、の関係を満たす請求項1記載のエレクトロルミネッセンス素子。
- 光拡散層が、透明材料中にこれとは屈折率の異なる透明材料または不透明材料を分散分布させた光拡散性部位からなる請求項1または2に記載のエレクトロルミネッセンス素子。
- 光拡散層が、凹凸面からなる請求項1または2に記載のエレクトロルミネッセンス素子。
- 光拡散層が、レンズ構造からなる請求項1または2に記載のエレクトロルミネッセンス素子。
- 請求項1〜5のいずれかに記載のエレクトロルミネッセンス素子を具備することを特徴とする面光源。
- 請求項1〜5のいずれかに記載のエレクトロルミネッセンス素子を具備することを特徴とする表示装置。
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