JP2012155177A - 光拡散層形成材料、及び光取り出し部材、並びに有機電界発光装置及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】光触媒不活性処理した酸化チタン微粒子を含むバインダーと、光拡散粒子とを少なくとも含有し、前記光触媒不活性処理した酸化チタン微粒子の屈折率が2.2以上3.0以下であり、前記バインダーの屈折率Aと前記光拡散粒子の屈折率Bとの屈折率差|A−B|が0.2以上1.0以下であり、前記光触媒不活性処理した酸化チタン微粒子の含有量が、前記バインダーに対し、10体積%以上30体積%以下である光拡散層形成材料とする。
【選択図】図1
Description
また、ナノサイズ粒子自体も光拡散層への入射光に対して散乱を発生する。この散乱は光拡散粒子よりも後方散乱(入射方向とは反対方向の辺りにでるもの)が強く、その結果、光取り出し効果を抑制してしまうので、ナノサイズ粒子による散乱も極力抑えることが必要となる。
しかし、この提案では、ナノサイズの酸化チタン微粒子についての記載はあるが、その光触媒効果を抑えることについての記載はなく、光触媒活性を有する酸化チタンをそのまま用いると、バインダー、及び光拡散粒子の屈折率の変化、光拡散(散乱)特性に変化が生じて、光取り出し効率が低下するおそれがある。
<1> 光触媒不活性処理した酸化チタン微粒子を含むバインダーと、光拡散粒子とを少なくとも含有し、
前記光触媒不活性処理した酸化チタン微粒子の屈折率が2.2以上3.0以下であり、前記バインダーの屈折率Aと前記光拡散粒子の屈折率Bとの屈折率差|A−B|が0.2以上1.0以下であり、
前記光触媒不活性処理した酸化チタン微粒子の含有量が、前記バインダーに対し、10体積%以上30体積%以下であることを特徴とする光拡散層形成材料である。
<2> 光触媒不活性処理した酸化チタン微粒子が、酸化チタン微粒子表面をアルミナ、シリカ、及びジルコニアの少なくとも1種で被覆した酸化チタン微粒子である前記<1>に記載の光拡散層形成材料である。
<3> 被覆した酸化チタン微粒子の被覆表面に樹脂を被覆してなる前記<2>に記載の光拡散層形成材料である。
<4> 光拡散粒子が、架橋状態の樹脂粒子である前記<1>から<3>のいずれかに記載の光拡散層形成材料である。
<5> 光拡散粒子の屈折率が、1.0〜3.0である前記<1>から<4>のいずれかに記載の光拡散層形成材料である。
<6> 重合開始剤を更に含有する前記<1>から<5>のいずれかに記載の光拡散層形成材料である。
<7> 基板と、該基板上に前記<1>から<6>のいずれかに記載の光拡散層形成材料により形成された光拡散層とを有することを特徴とする光取り出し部材である。
<8> 光拡散層上に、光触媒不活性処理した酸化チタン微粒子を含むバインダーを含有する平坦化層を有する前記<7>に記載の光取り出し部材である。
<9> 光拡散層における光拡散粒子の含有量が30体積%以上66体積%以下である前記<7>から<8>のいずれかに記載の光取り出し部材である。
<10> 光拡散層の平均厚みが1μm〜10μmであり、かつ前記光拡散層と平坦化層の合計平均厚みが2μm〜15μmである前記<7>から<9>のいずれかに記載の光取り出し部材である。
<11> 基板と、該基板上に、透明電極と、反射電極と、前記透明電極と前記反射陰極の間に有機電界発光層とを備えた有機電界発光装置であって、
前記基板が、前記<7>から<10>のいずれかに記載の光取り出し部材であり、
封止缶内に、少なくとも、前記透明電極、前記反射電極、前記有機電界発光層、及び前記光拡散層が封入されていることを特徴とする有機電界発光装置である。
<12> 基板と、該基板上に、透明電極と、反射電極と、前記透明電極と前記反射陰極の間に有機電界発光層とを備えた有機電界発光装置であって、
前記基板が、前記<8>から<10>のいずれかに記載の光取り出し部材であり、
前記透明電極と、前記平坦化層又は前記光拡散層との間に、バリア層を有することを特徴とする有機電界発光装置である。
<13> 基板上に、前記<1>から<6>のいずれかに記載の光拡散層形成材料を塗布し、光拡散層を形成する光拡散層形成工程と、
前記光拡散層上に、前記<1>から<6>のいずれかに記載の光拡散層形成材料から光拡散粒子を除いた平坦化層形成材料を塗布し、平坦化層を形成する平坦化層形成工程と、
を少なくとも含むことを特徴とする有機電界発光装置の製造方法である。
本発明の光拡散層形成材料は、光触媒不活性処理した酸化チタン微粒子を含むバインダーと、光拡散粒子とを少なくとも含有してなり、重合開始剤、溶媒、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。
前記バインダーは、光触媒不活性処理した酸化チタン微粒子と、ポリマーとを含有してなり、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。
前記光触媒不活性処理した酸化チタン微粒子は、光触媒活性を有していなければ特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、(1)酸化チタン微粒子表面をアルミナ、シリカ、及びジルコニアの少なくとも1種で被覆した酸化チタン微粒子、(2)前記(1)の被覆した酸化チタン微粒子の被覆表面に樹脂を被覆してなる酸化チタン微粒子などが挙げられる。前記樹脂としては、例えばポリメタクリル酸メチル(PMMA)などが挙げられる。
前記酸化チタン微粒子は、酸化チタン以外の金属酸化物を添加して複合化させても構わない。
前記酸化チタン微粒子に複合化させることができる金属酸化物としては、Sn、Zr、Si、Zn、及びAlから選択される少なくとも1種の金属酸化物が好ましい。
前記金属酸化物のチタンに対する添加量は、1モル%〜40モル%が好ましく、2モル%〜35モル%がより好ましく、3モル%〜30モル%が更に好ましい。
前記一次平均粒径は、例えば、X線回折装置で測定された回折パターンの半値幅からの計算や電子顕微鏡(TEM)撮影像の直径からの統計計算などにより測定することができる。
前記酸化チタン微粒子の形状は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、米粒状、球形状、立方体状、紡錘形状、又は不定形状が好ましい。前記酸化チタン微粒子は、1種を単独で用いてもよいが、2種類以上を併用して用いることもできる。
ここで、前記酸化チタン微粒子のように屈折率が高く(1.8以上)、平均一次粒径が1〜100nm程度の微粒子の屈折率を測定することは困難であるが、次のようにして屈折率を測定することができる。屈折率既知の樹脂材料に前記酸化チタン微粒子をドープし、前記酸化チタン微粒子が分散された樹脂材料をSi基板、又は石英基板上に塗布膜を形成する。前記塗布膜の屈折率をエリプソメーターで測定し、前記塗布膜を構成する樹脂材料と酸化チタン微粒子の体積分率から、前記酸化チタン微粒子の屈折率が判る。
前記ポリマーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、(1)熱可塑性樹脂、(2)反応性硬化性樹脂と硬化剤との組み合わせ、又は(3)バインダー前駆体(後述する硬化性の多官能モノマーや多官能オリゴマーなど)と重合開始剤との組み合わせ、などが挙げられる。
前記(1)の熱可塑性樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリスチレン樹脂、ポリエステル樹脂、セルロース樹脂、ポリエーテル樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、塩ビニル−酸ビ共重合体樹脂、ポリアクリル樹脂、ポリメタアクリル樹脂、ポリオレフィン樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂、イミド樹脂、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、ポリアクリル樹脂、ポリメタクリル樹脂が好ましく、フルオレン構造を有するアクリル又はメタクリルから誘導されるポリアクリル樹脂、ポリメタクリル樹脂がより好ましく、フルオレン構造を有するポリアクリル樹脂が特に好ましい。
前記(2)の反応性硬化性樹脂としては、熱硬化型樹脂及び/又は電離放射線硬化型樹脂を使用することが好ましい。
前記熱硬化型樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えばフェノール樹脂、尿素樹脂、ジアリルフタレート樹脂、メラミン樹脂、グアナミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アミノアルキッド樹脂、メラミン−尿素共縮合樹脂、珪素樹脂、ポリシロキサン樹脂などが挙げられる。
前記電離放射線硬化型樹脂には、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ラジカル重合性不飽和基{(メタ)アクリロイルオキシ基、ビニルオキシ基、スチリル基、ビニル基等}及び/又はカチオン重合性基(エポキシ基、チオエポキシ基、ビニルオキシ基、オキセタニル基等)の官能基を有する樹脂で、例えば、比較的低分子量のポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、(メタ)アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、アルキッド樹脂、スピロアセタール樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリチオールポリエン樹脂などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
以下、硬化したバインダーの好ましい形成方法である前記(3)の組み合わせを用いて、光照射により硬化性化合物を架橋又は重合反応させて硬化したバインダーを形成する方法について、主に説明する。
前記バインダーには、重合開始剤を含有することが好ましい。前記重合開始剤としては、熱重合開始剤、光重合開始剤などが挙げられる。
前記重合開始剤は、光及び/又は熱照射により、ラジカルもしくは酸を発生する化合物が好ましい。前記光重合開始剤は、極大吸収波長が400nm以下が好ましい。このように吸収波長を紫外線領域にすることにより、取り扱いを白灯下で実施することができる。また、近赤外線領域に極大吸収波長を持つ化合物を用いることもできる。
前記光酸発生剤としては、光カチオン重合の光開始剤、色素類の光消色剤、光変色剤、又はマイクロレジスト等に使用されている公知の光酸発生剤等、公知の化合物及びそれらの混合物等が挙げられる。また、前記光酸発生剤としては、例えば、有機ハロゲン化化合物、ジスルホン化合物、オニウム化合物などが挙げられる。これらの中でも、有機ハロゲン化化合物、ジスルホン化合物が特に好ましい。前記有機ハロゲン化合物、ジスルホン化合物の具体例は、前記ラジカルを発生する化合物の記載と同様のものが挙げられる。
前記溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えばアルコール類、ケトン類、エステル類、アミド類、エーテル類、エーテルエステル類、脂肪族炭化水素類、ハロゲン化炭化水素類などが挙げられる。具体的には、アルコール(例えばメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ベンジルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、エチレングリコールモノアセテート等)、ケトン(例えばメチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン等)、エステル(例えば酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、蟻酸エチル、蟻酸プロピル、蟻酸ブチル、乳酸エチル等)、脂肪族炭化水素(例えばヘキサン、シクロヘキサン)、ハロゲン化炭化水素(例えばメチルクロロホルム等)、芳香族炭化水素(例えばベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等)、アミド(例えばジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、n−メチルピロリドン等)、エーテル(例えばジオキサン、テトラハイドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル等)、エーテルアルコール(例えば1−メトキシ−2−プロパノール、エチルセルソルブ、メチルカルビノール等)が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、芳香族炭化水素、ケトン類が好ましく、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンがより好ましく、トルエン、キシレンが特に好ましい。
前記光拡散粒子としては、光を拡散可能なものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、有機粒子であっても、無機粒子であってもよく、2種以上の粒子を含有していても構わない。
前記無機粒子としては、例えばZrO2、TiO2、Al2O3、In2O3、ZnO、SnO2、Sb2O3、などが挙げられる。これらの中でも、TiO2、ZrO2、ZnO、SnO2が特に好ましい。
前記光拡散粒子が、架橋状態の樹脂粒子であることは、溶剤、例えばトルエン中に分散させ、樹脂粒子の溶け難さを見ることで確認することができる。
前記光拡散粒子の屈折率は、例えば自動屈折率測定器(KPR−2000、株式会社島津製作所製)を用い、屈折液の屈折率を測定してから、精密分光計(GMR−1DA、株式会社島津製作所製)で、シュリブスキー法により測定することができる。
前記光拡散粒子の平均粒径は、例えば日機装株式会社製ナノトラックUPA−EX150等の動的光散乱法を利用した装置や、電子顕微鏡写真の画像処理により測定することができる。
本発明の光取り出し部材は、基板と、該基板上に光拡散層とを有し、平坦化層、更に必要に応じてその他の層を有してなる。
前記光拡散層は、本発明の前記光拡散層形成材料により形成される。
前記光拡散層は、本発明の前記光拡散層形成材料を、基板上に、例えばディップコート法、エアーナイフコート法、カーテンコート法、ローラーコート法、ワイヤーバーコート法、グラビアコート法、マイクログラビアコート法、エクストルージョンコート法等の公知の薄膜形成方法で塗布し、乾燥、光及び/又は熱照射することにより作製することができる。好ましくは、光照射による硬化が、迅速硬化の点から有利である。更には、光硬化処理の後、光重合開始剤による拡散層の硬化(重合反応)を止める上で加熱処理することも好ましい。この場合、加熱温度としては、60℃〜105℃が好ましく、70℃〜100℃がより好ましく、70℃〜90℃が更に好ましい。
前記光拡散層の平均厚みは、例えば光拡散層の一部を切り取り、走査型電子顕微鏡(S−3400N、日立ハイテク株式会社製)で測定して、求めることができる。
また前記光拡散層中のバインダーの屈折率は、有機電界発光層中の発光層の屈折率と同等乃至高いことが好ましい。
前記光拡散層の光出射面を平坦にする方法としては、例えば前記光拡散層形成材料から前記光拡散粒子を取り除いた平坦化層形成材料を硬化後した前記光拡散層上に積層する方法などが挙げられる。
前記平坦化層としては、前記光拡散層において前記光拡散粒子を含まない組成であることが好ましく、前記光拡散層と同様にして形成することができる。
前記平坦化層の平均厚みは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1μm〜10μmが好ましく、2μm〜8μmがより好ましく、3μm〜6μmが特に好ましい。前記平坦化層の平均厚みが、1μm未満であると、突出した元の光拡散層の表面を平坦化できず、10μmを超えると、前記平坦化層の光の吸収により光取り出し能が低下してしまうことがある。
前記光拡散層と前記平坦化層の合計平均厚みは、2μm〜15μmが好ましく、3μm〜14μmがより好ましく、5μm〜12μmが特に好ましい。前記合計平均厚みが2μm未満では十分な拡散、平坦化ができず、15μmを超えると、前記平坦化層での吸収、前記光拡散層での過剰な拡散により光取り出し効率が低下することがある。
前記平坦化層の屈折率は、1.7〜2.2が好ましく、1.7〜2.1がより好ましく、1.7〜2.0が更に好ましい。前記平坦化層の屈折率が、1.7未満であると、前記平坦化層とバリア層又は透明電極層との界面での全反射が増え、光取り出し効率が低下することがあり、2.2を超えると、前記平坦化層中のバインダー内の光触媒不活性処理した酸化チタン微粒子量が増えているため、光散乱が強くなりすぎ、光取り出し効率が低下することがある。
前記平坦化層の屈折率は、前記光拡散層の屈折率と同等乃至高いことが好ましい。
前記基板としては、その形状、構造、大きさ、材料等については、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、前記形状としては、例えば平板状などが挙げられ、前記構造としては、単層構造であってもよいし、積層構造であってもよく、前記大きさとしては、前記光取り出し部材の大きさ等に応じて適宜選択することができる。
前記基板の表面は、その上に設ける光拡散層との密着性を向上させるため、表面活性化処理を行うことが好ましい。前記表面活性化処理としては、例えばグロー放電処理、コロナ放電処理などが挙げられる。
前記基板の厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、10μm以上が好ましく、50μm以上がより好ましい。
前記基板の屈折率は、1.3〜1.8が好ましく、1.4〜1.7がより好ましく、1.4〜1.6が更に好ましい。前記基板の屈折率が、1.3未満であると、前記基板と光拡散層の屈折率差が大きくなり、前記光拡散層からの光が入射する際、フレネル反射が強くなり、光取り出し効率が低下することがあり、1.8を超えると、基板と空気(光出射側)の屈折率差が大きくなり、フレネル反射が強くなり、光取り出し効率が低下することがある。
本発明の有機電界発光装置は、第1の形態では、基板と、該基板上に、透明電極と、反射電極と、前記透明電極と前記反射陰極の間に有機電界発光層とを備え、
前記基板が、本発明の前記光取り出し部材であり、
封止缶内に、少なくとも、前記透明電極、前記反射電極、前記有機電界発光層、及び前記光拡散層が封入されている。なお、封止缶内に、前記透明電極、前記反射電極、前記有機電界発光層、前記平坦化層、及び前記光拡散層が封入されていることが好ましい。
本発明の有機電界発光装置は、第2の形態では、基板と、該基板上に、透明電極と、反射電極と、前記透明電極と前記反射陰極の間に有機電界発光層とを備え、
前記基板が、本発明の前記光取り出し部材であり、
前記透明電極と、前記平坦化層又は前記光拡散層との間に、バリア層を有する。
本発明の有機電界発光装置の製造方法は、基板上に、本発明の前記光拡散層形成材料を塗布し、光拡散層を形成する光拡散層形成工程と、
前記光拡散層上に、本発明の前記光拡散層形成材料から光拡散粒子を除いた平坦化層形成材料を塗布し、平坦化層を形成する平坦化層形成工程とを含み、更に必要に応じてその他の工程を含んでなる。
前記光拡散層形成工程が、光拡散層形成材料に重合開始剤を添加してから24時間以内に行われ、
前記平坦化層形成工程が、平坦化層形成材料に重合開始剤を添加してから24時間以内に行われることが、前記光拡散層形成材料及び前記平坦化層形成材料の重合が進行して徐々に粘度が変化し、塗布後の膜厚異常、硬化不足などを防ぐことができる点で好ましい。
前記有機電界発光層としては、少なくとも発光層を有する。前記発光層以外の機能層としては、正孔輸送層、電子輸送層、正孔ブロック層、電子ブロック層、正孔注入層、電子注入層等の各層が挙げられる。
また、前記発光層と正孔輸送層との間に正孔輸送性中間層(電子ブロック層)を設けてもよく、発光層と電子輸送層との間に電子輸送性中間層(正孔ブロック層)を設けてもよい。各機能層は複数の二次層に分かれていてもよい。
前記発光層は、電界印加時に、陽極、正孔注入層、又は正孔輸送層から正孔を受け取り、陰極、電子注入層、又は電子輸送層から電子を受け取り、正孔と電子の再結合の場を提供して発光させる機能を有する層である。
前記発光層は、発光材料を含む。前記発光層は発光材料のみで構成されていてもよいし、ホスト材料と発光材料の混合層でもよい(後者の場合、発光材料を「発光性ドーパント」もしくは「ドーパント」と称する場合がある)。前記発光材料は蛍光発光材料でも燐光発光材料であってもよく、2種以上が混合されていてもよい。ホスト材料は電荷輸送材料が好ましい。ホスト材料は1種であっても2種以上であってもよい。更に、発光層中に電荷輸送性を有さず、発光しない材料を含んでいてもよい。
前記発光材料は、燐光発光材料、蛍光発光材料等のいずれも好適に用いることができる。
前記発光材料は、ホスト化合物との間で、イオン化ポテンシャルの差(ΔIp)と電子親和力の差(ΔEa)が、1.2eV>△Ip>0.2eV、及び/又は1.2eV>△Ea>0.2eVの関係を満たすドーパントであることが、駆動耐久性の観点で好ましい。
前記発光層中の発光材料は、前記発光層中に一般的に発光層を形成する全化合物質量に対して、0.1質量%〜50質量%含有されるが、耐久性、外部量子効率の観点から1質量%〜50質量%含有されることが好ましく、2質量%〜50質量%含有されることがより好ましい。
前記燐光発光材料としては、一般に、遷移金属原子又はランタノイド原子を含む錯体を挙げることができる。
前記遷移金属原子としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えばルテニウム、ロジウム、パラジウム、タングステン、レニウム、オスミウム、イリジウム、金、銀、銅、及び白金が挙げられ、より好ましくは、レニウム、イリジウム、及び白金であり、更に好ましくはイリジウム、白金である。
前記蛍光発光材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えばベンゾオキサゾール、ベンゾイミダゾール、ベンゾチアゾール、スチリルベンゼン、ポリフェニル、ジフェニルブタジエン、テトラフェニルブタジエン、ナフタルイミド、クマリン、ピラン、ペリノン、オキサジアゾール、アルダジン、ピリジン、シクロペンタジエン、ビススチリルアントラセン、キナクリドン、ピロロピリジン、チアジアゾロピリジン、シクロペンタジエン、スチリルアミン、芳香族ジメチリディン化合物、縮合多環芳香族化合物(アントラセン、フェナントロリン、ピレン、ペリレン、ルブレン、又はペンタセンなど)、8−キノリノールの金属錯体、ピロメテン錯体や希土類錯体に代表される各種金属錯体、ポリチオフェン、ポリフェニレン、ポリフェニレンビニレン等のポリマー化合物、有機シラン、又はこれらの誘導体などを挙げることができる。
前記ホスト材料としては、正孔輸送性に優れる正孔輸送性ホスト材料(正孔輸送性ホストと記載する場合がある)及び電子輸送性に優れる電子輸送性ホスト化合物(電子輸送性ホストと記載する場合がある)を用いることができる。
前記正孔輸送性ホスト材料としては、例えば、以下の材料を挙げることができる。即ち、ピロール、インドール、カルバゾール、アザインドール、アザカルバゾール、トリアゾール、オキサゾール、オキサジアゾール、ピラゾール、イミダゾール、チオフェン、ポリアリールアルカン、ピラゾリン、ピラゾロン、フェニレンジアミン、アリールアミン、アミノ置換カルコン、スチリルアントラセン、フルオレノン、ヒドラゾン、スチルベン、シラザン、芳香族第三級アミン化合物、スチリルアミン化合物、芳香族ジメチリディン系化合物、ポルフィリン系化合物、ポリシラン系化合物、ポリ(N−ビニルカルバゾール)、アニリン系共重合体、チオフェンオリゴマー、ポリチオフェン等の導電性高分子オリゴマー、有機シラン、カーボン膜、又はそれらの誘導体などが挙げられる。
これらの中でも、インドール誘導体、カルバゾール誘導体、芳香族第三級アミン化合物、チオフェン誘導体、分子内にカルバゾール基を有するものが好ましく、t−ブチル置換カルバゾール基を有する化合物がより好ましい。
前記電子輸送性ホスト材料としては、例えば、ピリジン、ピリミジン、トリアジン、イミダゾール、ピラゾール、トリアゾール、オキサゾール、オキサジアゾール、フルオレノン、アントラキノジメタン、アントロン、ジフェニルキノン、チオピランジオキシド、カルボジイミド、フルオレニリデンメタン、ジスチリルピラジン、フッ素置換芳香族化合物、ナフタレンペリレン等の複素環テトラカルボン酸無水物、フタロシアニン、又はそれらの誘導体(他の環と縮合環を形成してもよい)、8−キノリノール誘導体の金属錯体やメタルフタロシアニン、ベンゾオキサゾールやベンゾチアゾールを配位子とする金属錯体に代表される各種金属錯体等を挙げることができる。これらの中でも、耐久性の点から金属錯体化合物が好ましく、金属に配位する少なくとも1つの窒素原子又は酸素原子又は硫黄原子を有する配位子をもつ金属錯体がより好ましい。前記金属錯体電子輸送性ホストとしては、例えば特開2002−235076号公報、特開2004−214179号公報、特開2004−221062号公報、特開2004−221065号公報、特開2004−221068号公報、特開2004−327313号公報等に記載の化合物が挙げられる。
前記正孔注入層、又は前記正孔輸送層は、陽極又は陽極側の層から正孔を受け取り陰極側に輸送する機能を有する層である。これらの層に用いられる正孔注入材料、正孔輸送材料は、低分子化合物であっても高分子化合物であってもよい。具体的には、ピロール誘導体、カルバゾール誘導体、トリアゾール誘導体、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、ポリアリールアルカン誘導体、ピラゾリン誘導体、ピラゾロン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、アリールアミン誘導体、アミノ置換カルコン誘導体、スチリルアントラセン誘導体、フルオレノン誘導体、ヒドラゾン誘導体、スチルベン誘導体、シラザン誘導体、芳香族第三級アミン化合物、スチリルアミン化合物、芳香族ジメチリディン系化合物、フタロシアニン系化合物、ポルフィリン系化合物、チオフェン誘導体、有機シラン誘導体、カーボン、等を含有する層が好ましい。
具体的には、無機化合物は塩化第二鉄や塩化アルミニウム、塩化ガリウム、塩化インジウム、五塩化アンチモンなどのハロゲン化金属、五酸化バナジウム、及び三酸化モリブデンなどの金属酸化物などが挙げられる。有機化合物の場合は、置換基としてニトロ基、ハロゲン、シアノ基、トリフルオロメチル基などを有する化合物、キノン系化合物、酸無水物系化合物、フラーレンなどを好適に用いることができる。
これらの電子受容性ドーパントは、単独で用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。電子受容性ドーパントの使用量は、材料の種類によって異なるが、正孔輸送層材料に対して0.01質量%〜50質量%が好ましく、0.05質量%〜40質量%が更に好ましく、0.1質量%〜30質量%が特に好ましい。
前記電子注入層、又は前記電子輸送層は、陰極又は陰極側の層から電子を受け取り陽極側に輸送する機能を有する層である。これらの層に用いる電子注入材料、電子輸送材料は低分子化合物であっても高分子化合物であってもよい。
具体的には、ピリジン誘導体、キノリン誘導体、ピリミジン誘導体、ピラジン誘導体、フタラジン誘導体、フェナントロリン誘導体、トリアジン誘導体、トリアゾール誘導体、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、フルオレノン誘導体、アントラキノジメタン誘導体、アントロン誘導体、ジフェニルキノン誘導体、チオピランジオキシド誘導体、カルボジイミド誘導体、フルオレニリデンメタン誘導体、ジスチリルピラジン誘導体、ナフタレン、ペリレン等の芳香環テトラカルボン酸無水物、フタロシアニン誘導体、8−キノリノール誘導体の金属錯体やメタルフタロシアニン、ベンゾオキサゾールやベンゾチアゾールを配位子とする金属錯体に代表される各種金属錯体、シロールに代表される有機シラン誘導体、等を含有する層が好ましい。
これらの電子供与性ドーパントは、単独で用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。電子供与性ドーパントの使用量は、材料の種類によって異なるが、電子輸送層材料に対して0.1質量%〜99質量%が好ましく、1.0質量%〜80質量%が更に好ましく、2.0質量%〜70質量%が特に好ましい。
前記正孔ブロック層は、陽極側から発光層に輸送された正孔が陰極側に通り抜けることを防止する機能を有する層であり、通常、発光層と陰極側で隣接する有機化合物層として設けられる。
一方、前記電子ブロック層は、陰極側から発光層に輸送された電子が陽極側に通り抜けることを防止する機能を有する層であり、通常、発光層と陽極側で隣接する有機化合物層として設けられる。
前記正孔ブロック層を構成する化合物の例としては、BAlq等のアルミニウム錯体、トリアゾール誘導体、BCP等のフェナントロリン誘導体、等が挙げられる。電子ブロック層を構成する化合物の例としては、例えば前述の正孔輸送材料として挙げたものが利用できる。
前記正孔ブロック層及び電子ブロック層の厚みは、1nm〜500nmであるのが好ましく、5nm〜200nmであるのがより好ましく、10nm〜100nmであるのが更に好ましい。また、前記正孔ブロック層及び電子ブロック層は、上述した材料の1種又は2種以上からなる単層構造であってもよいし、同一組成又は異種組成の複数層からなる多層構造であってもよい。
前記有機電界発光素子は、透明電極及び反射電極、即ち陽極と陰極とを含む。有機電界発光素子の性質上、陽極及び陰極のうち少なくとも一方の電極は透明が好ましい。
通常、陽極は有機化合物層に正孔を供給する電極としての機能を有していればよく、陰極は有機化合物層に電子を注入する電極としての機能を有していればよい。その形状、構造、大きさ等については特に制限はなく、発光素子の用途、目的に応じて、公知の電極材料の中から適宜選択することができる。電極を構成する材料としては、例えば、金属、合金、金属酸化物、導電性化合物、又はこれらの混合物等が好適に挙げられる。
前記バリア層としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択すればよく、有機材料からなる有機層単独、又は無機材料からなる無機層単独であってもよいが、有機材料からなる有機層と、無機材料からなる無機層とを積層した多層構造であってもよい。
前記無機材料としては、例えばSiNx、SiON、SiO2、Al2O3、TiO2などが挙げられる。
前記有機材料としては、例えばシリコーン系ポリマー、エポキシ系ポリマー、アクリル系ポリマー、ウレタン系ポリマーなどが挙げられる。
前記バリア層の屈折率(多層構造の場合は、平均屈折率)は、1.7以上が好ましく、1.8〜2.2がより好ましい。前記バリア層の屈折率が、1.7未満であると、透明電極とバリア層の界面で、有機電界発光層からの光の全反射が多くなり、光取り出し効率が低下することがある。
前記バリア層の光学的性質は、光線透過率が80%以上が好ましく、85%以上がより好ましく、90%以上が更に好ましい。
前記バリア層の平均厚みは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.1μm〜10μmが好ましく、0.1μm〜5μmがより好ましく、0.2μm〜3μmが更に好ましい。前記バリア層の平均厚みが、0.1μm未満であると、大気中の酸素及び水分の透過を防ぐ封止機能が不充分であることがあり、10μmを超えると、光線透過率が低下し、透明性を損なうこと、また、無機材料を単層で用いる場合、応力差により割れ、隣接層との剥離等、バリア性が損なわれることがある。
前記封止缶としては、前記透明電極、前記反射電極、前記有機電界発光層、前記平坦化層、及び前記光拡散層からなる積層体が封入できる大きさ、形状、構造などを有していれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記封止缶と前記透明電極、前記反射電極、前記有機電界発光層、前記平坦化層、及び前記光拡散層からなる積層体の間の空間には、水分吸収剤又は不活性液体を封入してもよい。
前記水分吸収剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、酸化バリウム、酸化ナトリウム、酸化カリウム、酸化カルシウム、硫酸ナトリウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、五酸化燐、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、塩化銅、フッ化セシウム、フッ化ニオブ、臭化カルシウム、臭化バナジウム、モレキュラーシーブ、ゼオライト、酸化マグネシウムなどが挙げられる。
前記不活性液体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、パラフィン類、流動パラフィン類;パーフルオロアルカン、パーフルオロアミン、パーフルオロエーテル等のフッ素系溶剤;塩素系溶剤、シリコーンオイル類などが挙げられる。
また、図2に示すように、光拡散層2、平坦化層3、透明電極4、有機電界発光層5、及び反射電極6が封止缶7内に封入することにより、経時安定性を向上させることができる。
また、図3に示すように、図1において、光取り出し部材11の平坦化層3上にバリア層8を形成することにより、経時安定性を向上させることができる。
前記有機電界発光装置をフルカラータイプのものとする方法としては、例えば「月刊ディスプレイ」、2000年9月号、33〜37ページに記載されているように、色の3原色(青色(B)、緑色(G)、赤色(R))に対応する光をそれぞれ発光する層構造を基板上に配置する3色発光法、白色発光用の層構造による白色発光をカラーフィルタ層を通して3原色に分ける白色法、青色発光用の層構造による青色発光を蛍光色素層を通して赤色(R)及び緑色(G)に変換する色変換法、などが知られている。
この場合は、青色(B)、緑色(G)、赤色(R)の画素ごとにレーザーパワー、厚みを適宜調整することが好ましい。
また、上記方法により得られる、異なる発光色の層構造を複数組み合わせて用いることにより、所望の発光色の平面型光源を得ることができる。例えば、青色及び黄色の発光素子を組み合わせた白色発光光源、青色(B)、緑色(G)、及び赤色(R)の有機電界発光素子を組み合わせた白色発光光源、等である。
以下に説明する実施例及び比較例において、光拡散層の平均厚み、平坦化層の平均厚み、及びバインダーの屈折率については、以下のようにして測定した。
前記光拡散層及び平坦化層の平均厚みは、例えば光拡散層又は平坦化層の一部を切り取り、走査型電子顕微鏡(S−3400N、日立ハイテク株式会社製)を用いて、求めることができる。
前記光拡散層及び平坦化層を構成するバインダーの屈折率は、Si基板、又は石英基板上に光の波長程度の厚さに前記バインダーを成膜し、その成膜した基板上のバインダーをエリプソメーター測定して屈折率を求めることができる。
−シリカ/ポリマー被覆酸化チタン微粒子の調製−
硫酸チタニアを加水分解し得られた、含水酸化チタン(酸化チタン30質量%)10kgを水酸化ナトリウム水溶液(50質量%)15kgで処理した。更にその材料を塩酸中で加熱し、更に平均粒径15nmの酸化チタン微粒子が1Lあたり150gとなるように調整した強塩酸のチタニアゾル15Lに珪酸ナトリウム水溶液0.2Lを加え攪拌し、その後、濾過、水洗浄を行った。水洗浄した前記材料1,000gにイソプロピルアルコール2,000gを加え、更に蒸留水とアンモニア水(質量比15:1)の混合液400gを入れ攪拌した。攪拌されたものをナノマイザー(ナノマイザー株式会社製)を用い、微粒化(凝集を解く)し、微粒化後の材料にMKCシリケートMS51(三菱化学株式会社製)100gとイソプロピルアルコール50gを攪拌しながら加えた。得られた材料を真空加熱し、更にジェットミル装置(スイスミクロマチナチオーネ社製)で粉砕し、シリカで被覆された酸化チタン微粒子を得た。
次に、遠心分離機により微粒子のみを分離、真空加熱により乾燥を行うことで、酸化チタン微粒子のシリカ被膜の表面にポリメタクリル酸メチルが被覆されたシリカ/ポリマー被覆酸化チタン微粒子(屈折率2.38)を得た。
−アルミナ/ポリマー被覆酸化チタン微粒子の調製−
調製例1において、珪酸ナトリウム水溶液をアルミン酸ナトリウム水溶液に代えることで、酸化チタンの表面にアルミナ被覆が得られた。ここで用いたアルミン酸ナトリウム水溶液の代わりに硫酸アルミニウム水溶液等の水溶性アルミニウム塩類から適宜選択して用いてもよい。その後、調製例1と同様にして、アルミナ被覆酸化チタン微粒子の外側をポリマーで被覆してなるアルミナ/ポリマー被覆酸化チタン微粒子(屈折率2.42)を得た。
光触媒活性の測定は、一般的な方法として公知の「メチレンブルー法」を用いる。「メチレンブルー法」は石英管にメチレンブルー水溶液を入れ、その中に各粒子をドープし、光照射前の透過率を測定後、光照射を行い、メチレンブルー水溶液の透過率の変化を確認することで光触媒活性を定量的に測定した。
<有機電界発光装置の作製>
−バインダー1(平坦化層形成材料1)の調製−
調製例1で得られたシリカ/ポリマー被覆酸化チタン微粒子10gを、分散材料(4−オクチル安息香酸)1.3gと共にトルエン10gに混合し、オムニミキサー、超音波(ソニファイヤー、ブランソン社製)を用い、十分に攪拌し、分散させ、酸化チタン分散液を得た。
前記酸化チタン分散液、樹脂材料「材料名:フルオレン誘導体、商品名:オグソールEA−0200」10g、及びトルエン6gをローラーミキサー、スターラーにより攪拌して溶解し、更に超音波によりシリカ/ポリマー被覆酸化チタン微粒子を分散させて、バインダー1を得た。
得られたバインダー1は、そのまま平坦化層の形成材料となるので、以下、平坦化層形成材料1と称することもある。
得られたバインダー1を19gに光拡散粒子(平均直径1.5μmの架橋アクリル系粒子、屈折率1.49)「材料名:EX−150」4.2g、及びトルエン14gをスターラーにて攪拌しながら添加し、超音波(ソニファイヤー)にて光拡散粒子をバインダー1に十分に分散させ、更にスターラーで攪拌し、光拡散粒子の含有量が40体積%となる光拡散層形成材料1を得た。
次に、ガラス基板(コーニング社製、Eagle XG、屈折率1.51)を洗浄容器に入れ、中性洗剤中で超音波洗浄した後、純水中で超音波洗浄し、120℃で120分間加熱乾燥を行った。
ガラス基板にワイヤーバーを用いて光拡散層形成材料1を塗布し、その後、窒素雰囲気下でUV照射(365nm)を10分間行い硬化させ、平均厚み5μmの光拡散層を作製した。
次に、光拡散層の上にワイヤーバーを用いて平坦化層形成材料1を塗布し、UV照射を行い硬化させ、平均厚み5μmの平坦化層を形成し、光取り出し部材1を作製した。なお、有機電界発光装置を組み立てた際に、光拡散層及び平坦化層が封止缶内に収まる大きさとなるように塗布した。
その後、作製した光取り出し部材1をイソプロピルアルコール(IPA)、純水の順に超音波洗浄を行い、120℃で2時間、乾燥した。
次に、作製した光取り出し部材1の平坦化層上に、スパッタ法によりITO(Indium Tin Oxide)を厚みが100nmとなるように成膜した。
次に、前記ITO上に、下記構造式で表される4,4’,4”−トリス(N,N−(2−ナフチル)−フェニルアミノ)トリフェニルアミン(2−TNATA)に、下記構造式で表されるF4−TCNQを0.3質量%ドープした正孔注入層を厚みが250nmになるように共蒸着した。
次に、前記正孔輸送層上に、下記構造式で表される有機材料Aを真空蒸着して、厚み3nmの第2の正孔輸送層を形成した。
次に、作製した積層体を、窒素ガス雰囲気中にて乾燥剤を貼り付け、基板との設置面に封止材を塗った封止ガラス缶にて基板の有機層側を封止した。以上により、有機電界発光装置1を作製した。
外部量子収率の測定は、浜松ホトニクス株式会社製の外部量子効率測定装置「C9920−12」を用いて、直流定電流を各有機電界発光装置に印加して発光させ測定した。
光取り出し効率は、下式で定義する。
光取り出し率=(各実施例及び比較例の外部量子効率/比較例7の外部量子効率)×100
発光面積のシュリンク測定にて有機電界発光装置の経時変化の評価を行った。温度40℃、湿度90%RH中に各有機電界発光装置を入れ、1週間放置した。1週間放置前後の発光面積の変化を比較し、変化が大きければ経時に弱く、変化が少なければ経時に強い結果となる。
光拡散層、及び平坦化層を成膜プロセス毎に、目視にて表面を観察することで、表面の凹凸、剥離等を確認した。
−有機電界発光装置の作製−
実施例1において、調製例1のシリカ/ポリマー被覆酸化チタン微粒子を、調製例2のアルミナ/ポリマー被覆酸化チタン微粒子に代え、前記アルミナ/ポリマー被覆酸化チタン微粒子9gを、分散材料(4−オクチル安息香酸)1.3gと共にトルエン10gに混合し、実施例1と同様に、オムニミキサー、超音波(ソニファイヤー)を用い、十分に攪拌し、分散させ、酸化チタン分散液を得た。
前記酸化チタン分散液、樹脂材料「オグソールEA−0200」10g、及びトルエン6gをローラーミキサー、スターラーにより攪拌して溶解し、更に超音波によりシリカ/ポリマー被覆酸化チタン微粒子を分散させて、バインダー2を得た。
得られたバインダー2を18gに、光拡散粒子「EX−150」4.2g及びトルエン14gを実施例1と同様にスターラーにて攪拌しながら添加し、超音波(ソニファイヤー)にて光拡散粒子をバインダー2に十分に分散、更にスターラーで良く攪拌し、平坦化層形成材料2、及び光拡散粒子の含有量が40体積%となる光拡散層形成材料2を作製した。
次に、実施例1と同様にして、重合開始剤(IRGACURE819)を光拡散層形成材料2、及び平坦化層形成材料2に添加し、これらを用いた以外は、実施例1と同様にして、光取り出し部材2、及び有機電界発光装置2を作製した。
−有機電界発光装置の作製−
実施例1において、酸化チタン分散液の代わりに、表面をアルミナ及びジルコニアで被覆した酸化チタン分散液(平均直径15nmの酸化チタン微粒子が分散、屈折率2.45)「材料名:酸化チタン分散トルエン、商品名:高透明性酸化チタンスラリーHTD−760T」を用いた。
前記酸化チタン分散液21gに「オグソールEA−0200」11g、及びトルエン6gを混合し、超音波(ソニファイヤー)、スターラーを用い、十分に攪拌し、分散させ、バインダー3を得た。次に、バインダー3を19g用い、光拡散粒子「EX−150」3.8g、及びトルエン7gを加え、実施例1と同様にして、平坦化層形成材料3、光拡散粒子の含有量が40体積%となる光拡散層形成材料3を作製した。
次に、実施例1と同様にして、重合開始剤(IRGACURE819)を光拡散層形成材料3、及び平坦化層形成材料3に添加し、これらを用いた以外は、実施例1と同様にして、光取り出し部材3、及び有機電界発光装置3を作製した。
−有機電界発光装置の作製−
実施例3で作製したバインダー3を19gに光拡散粒子「EX−150」5.6g、及びトルエン11gをスターラーにて攪拌しながら添加し、超音波(ソニファイヤー)にて光拡散粒子をバインダー3に十分に分散させ、更にスターラーで攪拌し、光拡散粒子の含有量が50体積%となる光拡散層形成材料4を得た。
次に、実施例1と同様にして、重合開始剤(IRGACURE819)を光拡散層形成材料4、及び平坦化層形成材料3に添加し、これらを用いた以外は、実施例1と同様にして、光取り出し部材4、及び有機電界発光装置4を作製した。
−有機電界発光装置の作製−
実施例4において作製した光拡散層形成材料3をガラス基板全面上に塗布し、光拡散層を作製し、この光拡散層全面上に平坦化層形成材料4を塗布し、光拡散層、平坦化層をガラス基板全面上に形成した以外は、実施例4と同様にして、光取り出し部材5を作製した。
次に、作製した光取り出し部材5の平坦化層の表面にCVD法によりSiN層を厚み1,000nmに成膜した(バリア層形成)。
次に、SiN層上に、実施例1と同様にして、積層体を作製した。
次に、作製した積層体を、窒素ガス雰囲気中にて乾燥剤を貼り付け、基板との設置面に封止材を塗った封止ガラス缶にて基板の有機層側を封止した。以上により、有機電界発光装置5を作製した。
−有機電界発光装置の作製−
実施例3で作製した光拡散層形成材料3、及び平坦化層形成材料3をUV(365nm)で24時間照射した。その後、実施例1と同様にして、重合開始剤(IRGACURE819)を光拡散層形成材料3、及び平坦化層形成材料3に添加し、これらを用いた以外は、実施例1と同様にして、光取り出し部材6、及び有機電界発光装置6を作製した。
−有機電界発光装置の作製−
実施例3で作製した光拡散層形成材料3、及び平坦化層形成材料3を用い、実施例1と同様にして、重合開始剤(IRGACURE819)を光拡散層形成材料3、及び平坦化層形成材料3に添加し、ガラス基板にワイヤーバーを用いて光拡散層形成材料3を塗布し、その後、窒素雰囲気下でUV照射(365nm)を10分間行い硬化させ、平均厚み10μmの光拡散層を作製した。
次に、光拡散層の上にワイヤーバーを用いて平坦化層形成材料3を塗布し、UV照射を行い硬化させ、平均厚み8μmの平坦化層を形成し、光取り出し部材7を作製した。その後は実施例1と同様にして、有機電界発光装置7を作製した。
−有機電界発光装置の作製−
酸化ジルコニウム微粒子(一次平均粒径15nm、屈折率2.05)13gを分散材料(4−オクチル安息香酸)1.3gと共にトルエン10gに混合し、オムニミキサー、超音波(ソニファイヤー)を用い、十分に攪拌し、分散させて酸化ジルコニウム分散液を得た)。
実施例1と同様にして、前記酸化ジルコニウム分散液24.3gと樹脂材料「EA−0200」10g、及びトルエン6gをローラーミキサー、スターラーにより攪拌し、溶解し、更に超音波(ソニファイヤー)により酸化ジルコニウム粒子を十分に分散させ、バインダー4を得た。バインダー4の硬化後の固形物の割合(酸化ジルコニウム分散液の固形分と樹脂材料の固形分の体積分率)が実施例1の酸化チタン分散液の固形物の割合(酸化チタン分散液の固形分:樹脂材料の固形分=20:80)と同等となった。分散剤を含む酸化ジルコニウム分散液の固形分の屈折率(2.05)は実施例1〜4の酸化チタン分散液の固形分の屈折率(2.3〜2.5)より低いため、バインダー4の屈折率は1.69であった。
次いで、実施例1と同様にして、バインダー4を20gに光拡散粒子「EX−150」4.2gとトルエン14gをスターラー、超音波(ソニファイヤー)にて攪拌し、分散させ、平坦化層形成材料4と硬化後の固形物の光拡散粒子の含有量が40体積%となる光拡散層形成材料5を得た。
その後、実施例1と同様にして、重合開始剤(IRGACURE819)を光拡散層形成材料5、平坦化層形成材料4に添加し、これらを用いた以外は、実施例1と同様にして、光取り出し部材8、及び有機電界発光装置8を作製した。
−有機電界発光装置の作製−
比較例1と同様にして、酸化ジルコニウム微粒子(一次平均粒径15nm、屈折率2.05)28gを分散材料(4−オクチル安息香酸)1.4gと共にトルエン10gに混合し、オムニミキサー、超音波(ソニファイヤー)を用い、十分に攪拌し、分散させて酸化ジルコニウム分散液を得た。
酸化ジルコニウム分散液39.4gと樹脂材料「EA−0200」7.5g、及びトルエン6gをローラーミキサー、スターラーにより攪拌し、溶解した。更に、超音波(ソニファイヤー)により酸化ジルコニウム微粒子をバインダーに十分に分散させ、屈折率が1.78のバインダー5、平坦化層形成材料5を得た。分散剤を含む酸化ジルコニウム分散液の固形分の屈折率(2.05)は実施例1〜4の酸化チタン分散液の固形分の屈折率(2.3〜2.5)より低いため、バインダー5中の割合は40体積%であった。
次いで、実施例1と同様にして、バインダー5を26gに光拡散粒子「EX−150」5gとトルエン14gをスターラー、超音波(ソニファイヤー)にて攪拌し、分散させ、光拡散粒子の含有量が40体積%である光拡散層形成材料6を得た。
その後、実施例1と同様にして、重合開始剤(IRGACURE819)を光拡散層形成材料6、及び平坦化層形成材料5に添加し、これらを基板上に順に塗布し、硬化させたが、一部分で光拡散層及び平坦化層の剥離が発生した。これは、バインダー5に含まれる酸化ジルコニウム微粒子の割合が多く、樹脂「EA−0200」の結合が低下し、脆くなったためと推測される。以上により、光取り出し部材9を作製した。
次に、作製した光取り出し部材8を用いた以外は、実施例1と同様にして、有機電界発光装置9を作製した。
−有機電界発光装置の作製−
比較例1において、酸化ジルコニウム微粒子を酸化チタン微粒子(一次平均粒径15μm、屈折率2.7)に代え、比較例1と同様にして、前記酸化チタン微粒子10gを分散材料(4−オクチル安息香酸)1.3gと共にトルエン10gに混合し、オムニミキサー、超音波(ソニファイヤー)を用い、十分に攪拌し、分散させて酸化チタン分散液を得た。
次に、比較例2と同様にして、酸化チタン分散液22.3gと樹脂材料「EA−0200」10g、及びトルエン6gをローラーミキサー、スターラーにより攪拌し溶解して、超音波(ソニファイヤー)により酸化チタン微粒子を十分に分散させ、屈折率が1.78のバインダー6、及び平坦化層形成材料6を得た。
次いで、実施例1と同様にして、バインダー6を18gに光拡散粒子「EX−150」4.2gとトルエン14gをスターラー、超音波(ソニファイヤー)にて攪拌し、分散させて、光拡散粒子の含有量が40体積%となる光拡散層形成材料7を得た。
次に、実施例1と同様にして、重合開始剤(IRGACURE819)を光拡散層形成材料7、及び平坦化層形成材料6に添加し、これらを用いた以外は、実施例1と同様にして、光取り出し部材10、及び有機電界発光装置10を作製した。
−有機電界発光装置の作製−
実施例3と同様にして、バインダー3を19gに光拡散粒子を「EX−150」から「オプトビーズ2000M、平均直径2μm、屈折率1.69」5.2gに変更し、トルエン7gと共にスターラー、超音波(ソニファイヤー)にて攪拌し、分散させ、光拡散粒子の含有量が40体積%となる光拡散層形成材料8を得た。
次いで、実施例1と同様にして、重合開始剤(IRGACURE819)を光拡散層形成材料8、及び平坦化層形成材料3に添加し、これらを用いた以外は、実施例1と同様にして、光取り出し部材11、及び有機電界発光装置11を作製した。
−有機電界発光装置の作製−
実施例4と同様にして、平坦化層形成材料3と光拡散層形成材料4を調製し、それぞれに重合開始剤(IRGACURE819)を添加し、攪拌後、ガラス基板全面に光拡散層形成材料4、及び平坦化層形成材料3の順に積層し、光取り出し部材12を作製した。
次に、作製した光取り出し部材12を用いた以外は、実施例1と同様にして、有機電界発光装置12を作製した。
−有機電界発光装置の作製−
比較例3と同様にして平坦化層形成材料6と光拡散層形成材料7を作製した。その後、実施例6と同様にして、UV(365nm)で24時間照射した後、実施例1と同様にして、重合開始剤(IRGACURE819)を添加し、ガラス基板上に光拡散層形成材料6、及び平坦化層形成材料7の塗布を行ったが、粘度が少し変わり、膜厚に変動がみられた。以上により、光取り出し部材13を作製した。
次に、作製した光取り出し部材13を用いた以外は、実施例1と同様にして、有機電界発光装置13を作製した。
−有機電界発光装置の作製−
実施例1において、光取り出し部材1を、洗浄済みのガラス基板(コーニング社製、Eagle XG、屈折率1.51)に代えた以外は、実施例1と同様にして、有機電界発光装置14を作製した。この比較例7の有機電界発光装置14は、光取り出し効率の基準となる。
これに対し、比較例1の光取り出し効率は145%であり、ほぼ同様な構成で作製された実施例1よりも悪い結果となった。これはバインダー4中に分散した酸化ジルコニウム微粒子の屈折率が低いため、バインダー4全体の屈折率が低くなり、有機電界発光層からの発光の一部が全反射により入らなかったためと推測される。
また、比較例2の光取り出し効率は135%となり、ほぼ同様な構成で作製された実施例1よりも悪い結果となった。これはバインダー5中に分散した酸化ジルコニウム微粒子の割合が多く、光散乱が強くなったためと推測される。
また、比較例3の光取り出し効率は149%となり、ほぼ同じ構成の実施例1〜3より悪い結果となった。これは、酸化チタン微粒子が光触媒不活性処理を行っていなかったため、バインダー中の樹脂や光拡散粒子の一部が分解し、屈折率が変化し光学的なバランスが崩れ、光取り出し効率が低下しものと推測される。
また、比較例4の光取り出し効率は143%となり、ほぼ同じ構成の実施例1〜3より悪い結果となった。使用した光拡散粒子の屈折率が大きく、バインダー3の屈折率1.78と近いため(|A−B|=0.13)、実施例1〜3と同じ光拡散粒子の割合ではあるが、光拡散性能が低下し、よって光取り出し効率が低下したものと推測される。
また、比較例5の光取り出し効率は、バリア層を有さない以外ほぼ同構成の実施例5と同等の175%を示した。しかし、比較例5では、上記有機電界発光装置の経時変化の評価方法による結果において、光取り出し効率の低下は無かったが、発光面積のシュリンク(縮小)が見られた。
また、比較例6の光取り出し効率は145%となり、ナノ粒子が酸化チタン微粒子である以外は、ほぼ同じ構成の実施例1〜3より悪い結果となった。これは、比較例3と同じく、酸化チタン微粒子が光触媒不活性処理を行っていなかったため、バインダー中の樹脂や光拡散粒子の一部が分解し、屈折率が変化し光学的なバランスが崩れ、光取り出し効率が低下したものと推測される。
2 光拡散層
3 平坦化層
4 透明電極
5 有機電界発光層
6 反射電極
7 封止缶
8 バリア層
10 有機電界発光装置
11 光取り出し部材
12 光拡散粒子
13 酸化チタン微粒子
14 ポリマー
15 バインダー
Claims (13)
- 光触媒不活性処理した酸化チタン微粒子を含むバインダーと、光拡散粒子とを少なくとも含有し、
前記光触媒不活性処理した酸化チタン微粒子の屈折率が2.2以上3.0以下であり、前記バインダーの屈折率Aと前記光拡散粒子の屈折率Bとの屈折率差|A−B|が0.2以上1.0以下であり、
前記光触媒不活性処理した酸化チタン微粒子の含有量が、前記バインダーに対し、10体積%以上30体積%以下であることを特徴とする光拡散層形成材料。 - 光触媒不活性処理した酸化チタン微粒子が、酸化チタン微粒子表面をアルミナ、シリカ、及びジルコニアの少なくとも1種で被覆した酸化チタン微粒子である請求項1に記載の光拡散層形成材料。
- 被覆した酸化チタン微粒子の被覆表面に樹脂を被覆してなる請求項2に記載の光拡散層形成材料。
- 光拡散粒子が、架橋状態の樹脂粒子である請求項1から3のいずれかに記載の光拡散層形成材料。
- 光拡散粒子の屈折率が、1.0〜3.0である請求項1から4のいずれかに記載の光拡散層形成材料。
- 重合開始剤を更に含有する請求項1から5のいずれかに記載の光拡散層形成材料。
- 基板と、該基板上に請求項1から6のいずれかに記載の光拡散層形成材料により形成された光拡散層とを有することを特徴とする光取り出し部材。
- 光拡散層上に、光触媒不活性処理した酸化チタン微粒子を含むバインダーを含有する平坦化層を有する請求項7に記載の光取り出し部材。
- 光拡散層における光拡散粒子の含有量が30体積%以上66体積%以下である請求項7から8のいずれかに記載の光取り出し部材。
- 光拡散層の平均厚みが1μm〜10μmであり、かつ前記光拡散層と平坦化層の合計平均厚みが2μm〜15μmである請求項7から9のいずれかに記載の光取り出し部材。
- 基板と、該基板上に、透明電極と、反射電極と、前記透明電極と前記反射陰極の間に有機電界発光層とを備えた有機電界発光装置であって、
前記基板が、請求項7から10のいずれかに記載の光取り出し部材であり、
封止缶内に、少なくとも、前記透明電極、前記反射電極、前記有機電界発光層、及び前記光拡散層が封入されていることを特徴とする有機電界発光装置。 - 基板と、該基板上に、透明電極と、反射電極と、前記透明電極と前記反射陰極の間に有機電界発光層とを備えた有機電界発光装置であって、
前記基板が、請求項8から10のいずれかに記載の光取り出し部材であり、
前記透明電極と、前記平坦化層又は前記光拡散層との間に、バリア層を有することを特徴とする有機電界発光装置。 - 基板上に、請求項1から6のいずれかに記載の光拡散層形成材料を塗布し、光拡散層を形成する光拡散層形成工程と、
前記光拡散層上に、請求項1から6のいずれかに記載の光拡散層形成材料から光拡散粒子を除いた平坦化層形成材料を塗布し、平坦化層を形成する平坦化層形成工程と、
を少なくとも含むことを特徴とする有機電界発光装置の製造方法。
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