JP2015117284A - 光散乱層形成用塗料 - Google Patents

光散乱層形成用塗料 Download PDF

Info

Publication number
JP2015117284A
JP2015117284A JP2013260610A JP2013260610A JP2015117284A JP 2015117284 A JP2015117284 A JP 2015117284A JP 2013260610 A JP2013260610 A JP 2013260610A JP 2013260610 A JP2013260610 A JP 2013260610A JP 2015117284 A JP2015117284 A JP 2015117284A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mass
light scattering
titania particles
alkoxysilane
scattering layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2013260610A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6163097B2 (ja
Inventor
和馬 渡邉
Kazuma Watanabe
和馬 渡邉
隆喜 水野
Takayoshi Mizuno
隆喜 水野
中島 昭
Akira Nakajima
昭 中島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JGC Catalysts and Chemicals Ltd
Original Assignee
JGC Catalysts and Chemicals Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by JGC Catalysts and Chemicals Ltd filed Critical JGC Catalysts and Chemicals Ltd
Priority to JP2013260610A priority Critical patent/JP6163097B2/ja
Publication of JP2015117284A publication Critical patent/JP2015117284A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6163097B2 publication Critical patent/JP6163097B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Optical Elements Other Than Lenses (AREA)
  • Electroluminescent Light Sources (AREA)
  • Paints Or Removers (AREA)

Abstract

【課題】基板上にムラなく形成することができるため、均一性の高い光散乱能を備える光散乱層を得ることができる光散乱層形成用塗料の提供。
【解決手段】動的光散乱法で求められる平均粒子径が100〜500nmであるチタニア粒子の表面をアルコキシシランで処理してなるコアシェル型シリカチタニア粒子:100質量部、アルコキシシランの加水分解生成物からなるシリカオリゴマー:5〜50質量部、沸点100℃以上の高沸点溶媒:100〜600質量部、を含む、光散乱層形成用塗料。
【選択図】図1

Description

本発明は光散乱層形成用塗料に関する。
有機EL素子は、有機発光層を一対の電極によって挟んだ構造である発光素子を透明基板上に有するものであり、自己発光機能を有し、消費電力が小さいことを特徴する。
従来、有機EL素子は有機発光層からの光の取り出し効率を高めるために、電極と透明基板との界面に、可視光線の波長以下の微細かつ周期的な凹凸構造が設けられる場合がある。そして、このような構造を形成するために、透明基板上に凹凸構造をなす光散乱層が設けられる場合がある。
このような光散乱層として、従来、微粒子を含む層が提案されている。
例えば、特許文献1には、80〜700nmまたは150nm〜8μmの粒子サイズの粒子を含む光散乱層が記載されている。
例えば、特許文献2には、5nm以上50nm以下の無機微粒子を含む光散乱層が記載されている。
特開2006−286616号公報 特開2011−39375号公報
しかしながら、特許文献1、2に記載のような従来の光散乱層を基板上にムラなく形成することは困難であった。そのため、光散乱能の均一性を得ることは困難であった。
本発明は上記のような課題を解決することを目的とする。すなわち、本発明は、基板上にムラなく形成することができるため、均一性の高い光散乱能を備える光散乱層を得ることができる光散乱層形成用塗料を提供することを目的とする。
本発明者は上記課題を解決するため鋭意検討し、本発明を完成させた。
本発明は以下の(1)〜(3)である。
(1)動的光散乱法で求められる平均粒子径が100〜500nmであるチタニア粒子の表面をアルコキシシランで処理してなるコアシェル型シリカチタニア粒子:100質量部、
アルコキシシランの加水分解生成物からなるシリカオリゴマー:5〜50質量部、
沸点100℃以上の高沸点溶媒:100〜600質量部、を含む、光散乱層形成用塗料。
(2)前記コアシェル型シリカチタニア粒子がTiO2およびSiO2を、TiO2:100質量部に対して、SiO2:0.2〜35質量部の比で含む、上記(1)に記載の光散乱層形成用塗料。
(3)前記シリカオリゴマーを構成するアルコキシシランの加水分解生成物の重量平均分子量が700以上5000未満である上記(1)または(2)に記載の光散乱層形成用塗料。
本発明によれば、分散性が高く、塗料の分離・沈降が起こりにくいため、ムラなく形成することができ、均一性の高い光散乱能を備える光散乱層を得ることができる光散乱層形成用塗料を提供することができる。
実施例1の光散乱層形成用塗料を塗布したガラス板の写真である。
本発明について説明する。
本発明は、動的光散乱法で求められる平均粒子径が100〜500nmであるチタニア粒子の表面をアルコキシシランで処理してなるコアシェル型シリカチタニア粒子:100質量部、アルコキシシランの加水分解生成物からなるシリカオリゴマー:5〜50質量部、沸点100℃以上の高沸点溶媒:100〜600質量部、を含む、光散乱層形成用塗料である。
このような光散乱層形成用塗料を、以下では「本発明の塗料」ともいう。
本発明の塗料が含むコアシェル型シリカチタニア粒子について説明する。
コアシェル型シリカチタニア粒子は、核(コア)であるチタニア粒子をアルコキシシランによって表面処理して得られるものであり、チタニア粒子の表面に殻(シェル)としてアルコキシシランからなる層を有している。
チタニア粒子はチタン酸化物からなる粒子を意味する。チタン酸化物はTiO2の態様であることが好ましいが、チタン原子と酸素原子とがモル比で1:2で結合したものでなくてもよい。
チタニア粒子は、動的光散乱法で求められる平均粒子径が100〜500nmである。この平均粒子径は100〜400nmであることが好ましく、150〜300nmであることがより好ましい。
ここで、動的光散乱法で求められる平均粒子径とは、次のような方法で測定し、算出される平均粒子径を意味するものとする。
固形分20質量%のチタニア水ゾル1.5gを、pH11の水溶液で20gに希釈し、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)を14滴(約0.5〜1.0ml)加えて、超音波を3分間かける。その後、レーザー回折式粒度分布測定装置にて前記チタニア水ゾルの光強度パターンを測定し、動的光散乱法によって粒度分布(体積基準)を求め、平均粒子径(メジアン径)を求める。
コアシェル型シリカチタニア粒子は上記のようなチタニア粒子の表面にアルコキシシランからなる層を有している。
アルコキシシランは、RaSi(OR')4-a(ここでRはビニル基、アリール基、アクリル基、炭素数1〜8のアルキル基、水素原子またはハロゲン原子であり、R'はビニル基、アリール基、アクリル基、炭素数1〜8のアルキル基、−C24OCn2n+1(n=1〜4)または水素原子であり、aは0〜3の整数である。)で表されるものであることが好ましい。
このようなアルコキシシランとしては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン(TEOS)、テトライソプロポキシシラン、テトラブトキシシラン、テトラオクチルシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、メチルトリイソプロポキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシランなどが挙げられる。
チタニア粒子をアルコキシシランによって表面処理する際の具体的な方法については後述する。
チタニア粒子をアルコキシシランによって表面処理してなるコアシェル型シリカチタニア粒子において、チタニアおよびシリカの含有量の比は特に限定されないが、TiO2の100質量部に対して、SiO2を0.2〜35質量部の比で含むことが好ましく、0.2〜10質量部で含むことがより好ましく、0.2〜5質量部で含むことがさらに好ましい。
ここでコアシェル型シリカチタニア粒子が含むTiO2およびSiO2の含有量は、ICP発光分光分析装置を用いてコアシェル型シリカチタニア粒子が含むTiまたはSiの濃度を測定し、各々の全量がTiO2またはSiO2の態様の酸化物であると仮定して求めるものとする。
このようなコアシェル型シリカチタニア粒子を含む本発明の塗料は分散性が高く、塗料の分離・沈降が起こりにくい。
本発明の塗料が含むシリカオリゴマーについて説明する。
シリカオリゴマーは、アルコキシシランの加水分解生成物からなる。
アルコキシシランは、前記チタニア粒子の表面に被覆するアルコキシシランと同様のものを用いることができる。ただし、前記コアシェル型シリカチタニア粒子を構成するアルコキシシランと、シリカオリゴマーを生成するアルコキシシランとは、異なる物であってもよいが、同じ物であることが好ましい。光散乱層形成用塗料において、混合(分散)状態がより安定し得るからである。
シリカオリゴマーは、このようなアルコキシシランの少なくとも一部を加水分解して得られる加水分解生成物(部分加水分解物、加水分解重縮合物等)からなる。
シリカオリゴマーを構成するアルコキシシランの加水分解生成物の重量平均分子量は700以上5000未満であることが好ましく、1000〜4000であることがより好ましく、2000〜3500であることがさらに好ましい。このような範囲であると、塗料中でコアシェル型シリカチタニア粒子とシリカオリゴマーとの分離がより起き難く、かつ成膜時により高い強度となり得るからである。
本発明の塗料が含む高沸点溶媒について説明する。
高沸点溶媒は、沸点100℃以上の溶媒であれば特に限定されない。このような溶媒として、1−メトキシ−2−プロパノール、イソプロピルアルコール、ジアセトンアルコール(DAA)、エチレングリコールなどが挙げられる。
本発明の塗料は、上記のようなコアシェル型シリカチタニア粒子、シリカオリゴマーおよび高沸点溶媒を特定の質量比で含有する。
シリカオリゴマーは、コアシェル型シリカチタニア粒子100質量部に対して、5〜50質量部含有し、5〜35質量部含有することが好ましく、10〜20質量部含有することがより好ましい。
高沸点溶媒は、コアシェル型シリカチタニア粒子100質量部に対して、100〜600質量部含有し、150〜400質量部含有することが好ましく、200〜300質量部含有することがより好ましい。
本発明の塗料は、上記のようなコアシェル型シリカチタニア粒子、シリカオリゴマーおよび高沸点溶媒以外に、その他の成分としてメタノール、エタノール、変性アルコール、水を含んでもよい。その他の成分は、コアシェル型シリカチタニア粒子100質量部に対して500質量部以下で含むことが好ましい。
このような本発明の塗料は分散性に優れ、凝集や沈降が発生し難いため、基板上にムラなく塗布することができる。よって、これより得られる基板上の光散乱層は、光散乱の均一性に優れる。
また、厚膜化しなくても光散乱性能が高いと考えられる。具体的には、膜厚が100〜1000nmであることが好ましく、250〜700nmであることがより好ましい。また、強度が高いと考えられる。
次に、本発明の塗料の製造方法について説明する。
本発明の塗料は、以下に説明する方法で製造することが好ましい。
チタニア粒子の製造方法について説明する。
初めに、チタン化合物を含む水溶液を用意し、ここへ酸または塩基、あるいは水を混合して加水分解してゲルを得る。
ここで、チタン化合物として、塩化チタン、四塩化チタン、硫酸チタン、水素化チタン、硫酸チタニル等のチタン塩、チタンテトラアルコキシド、チタンテトラエトキシド、チタンテトライソプロポキシド等のチタンアルコキシドが挙げられる。
水溶液におけるチタン化合物の濃度は特に制限されないが、酸化物として概ね20質量%以下であることが好ましく、10質量%以下であることがより好ましい。濃度が高すぎると、加水分解した際のゲルの粘度が高くなり、所望の態様を備えるチタニア粒子が得難くなる。また、得られる本発明の塗料に含まれる微粒子が凝集する可能性があり、その場合、膜の形成が容易でなくなる場合がある。
次に、チタン化合物を加水分解する。チタン化合物の加水分解は、水溶液と酸または塩基と、あるいは水とを混合して行うことができる。塩基としてはNaOH、KOH、Na2CO3等のアルカリ金属水溶液、アンモニア、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド等を用いることができる。酸としては塩酸、硝酸、硫酸などを用いることができる。
また、混合する際の温度は特に制限はないが、10〜40℃で行うことが好ましく、
15〜30℃で行うことがさらに好ましい。
また、この時のpHを8〜11とすることが好ましく、8.5〜10とすることがより好ましい。
次に、加水分解して得たゲルを洗浄することが好ましい。洗浄することによって生成する塩、あるいはアルコール等を除去することができる。洗浄方法は、生成する塩、あるいはアルコール等を除去できれば特に制限はなく、従来公知の方法を採用することができる。例えば、生成したゲルの分散液を濾過し、純水あるいは希アンモニア水等を掛けることによって洗浄することができる。
洗浄後、ゲルはケーキ状となるが、これに純水等を加えてスラリーとすることが好ましい。この場合、スラリーにおける固形分濃度を0.1〜10質量%とすることが好ましく、0.5〜8質量%とすることがより好ましく、1〜5質量%とすることがさらに好ましい。
次に、酸化剤を加え、加熱し、スラリー状のゲルを溶解する。
酸化剤は過酸化水素であることが好ましい。
酸化剤として過酸化水素を用いる場合、過酸化水素の使用量はゲルを溶解することができれば特に制限されないが、過酸化水素(H22)の質量と、ゲルの酸化物(TiO2)としての質量との比(H22/TiO2)を1〜40とすることが好ましく、2〜30とすることがより好ましい。
ゲルを溶解する際の加熱温度は、酸化剤(過酸化水素が好ましい)の使用量によっても異なるが30〜100℃であることが好ましく、80〜99℃であることがより好ましい。なお、溶解時間は、温度によっても異なるが、通常0.5〜12時間である。
次に、4級アルキルアンモニウム化合物(TAA)を加えることが好ましい。水熱処理の際にチタン酸化物の結晶性を高くするからである。
また、4級アルキルアンモニウム化合物(TAA)のモル数(MAR)と、TiO2のモル数(MT)のモル数とのモル比((MAR)/(MT))が0.05〜5の範囲となるように添加することが好ましい。
4級アルキルアンモニウム化合物として、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)、テトラエチルアンモニウムハイドロオキサイド、テトラプロピルアンモニウムハイドロオキサイド等が挙げられる。
次に、水熱処理する。ここで水熱処理温度は100〜300℃とすることが好ましく、150〜280℃とすることがより好ましい。水熱処理時間は温度によっても異なるが、概ね1〜200時間である。
水熱処理した後は、常温にまで冷却することが好ましい。
次に、酸を用いてpHを酸性側に調整する。具体的にはpHを0.2〜2.5とすることが好ましく、0.5〜1.5とすることがより好ましい。
ここで酸は従来公知のものであってよく、例えば塩酸水溶液、硫酸水溶液、硝酸水溶液等を用いることができる。
その後、必要に応じて水系溶媒を分離除去する。また、必要に応じて非水系溶媒を添加する。添加する非水系溶媒は従来公知のものであってよく、例えばメタノール、エタノール等を用いることができる。
なお、非水系溶媒を添加する前または添加しながら、酸調整して得られた分散液(チタニア粒子を含む液体)を洗浄することが好ましい。例えば遠心分離器を用いて濃縮した後、固形分を回収する操作を1回以上行うことで前記分散液を洗浄することができる。この洗浄は遠心分離器以外に限外膜を用いることもできる。
このような方法によって、チタニア粒子を含む分散液(チタニア粒子分散液)を得る。
チタニア粒子分散液が含むチタニア粒子の濃度は1〜30質量%であることが好ましく、2〜20質量%であることがより好ましく、5〜15質量%であることがさらに好ましい。
コアシェル型シリカチタニア粒子の製造方法について説明する。
上記のようにして得たチタニア粒子分散液をアルコキシシランを用いて処理する。例えばチタニア粒子分散液へアルコキシシランを加えて撹拌混合する方法が挙げられる。撹拌混合は常温で行ってもよいが、20〜40℃(好ましくは30℃程度)に加熱して行うことが好ましい。
ここでチタニア粒子分散液が含むTiO2の質量と、アルコキシシランが含むSiO2の質量の比(SiO2/TiO2比)が0.01〜6.4となるように、混合することが好ましい。この比は0.15〜3とすることが好ましく、0.15〜0.5とすることがより好ましく、0.02程度とすることがさらに好ましい。
この分散液が含むコアシェル型シリカチタニア粒子(固形分として存在)におけるSiO2濃度はTiO2に対して、0.05〜10質量%であることが好ましく、0.1〜5質量%であることがより好ましく、0.5〜3質量%であることがより好ましく、0.8質量%程度であることがさらに好ましい。
なお、ここでSiO2濃度とは、シリカチタニア粒子が含むSi量を求め、その全てがSiO2として存在していると仮定して質量を算出して求める値を意味する。
アルコキシシランの加水分解生成物からなるシリカオリゴマーの製造方法を説明する。
シリカオリゴマーは前記アルコキシシランを加水分解して得ることができる。
例えば、前記アルコキシシランへ酸またはアルカリを添加して加水分解し、必要に応じて熟成することによって加水分解することができる。
次に、沸点100℃以上の高沸点溶媒を得る。
本発明の塗料において用いることができる高沸点溶媒を用いることができる。
次に、前記コアシェル型シリカチタニア粒子と、前記シリカオリゴマーと、前記高沸点溶媒と、を混合して光散乱層形成用塗料を得る。
これらを混合する方法は特に限定されない。例えば従来公知の撹拌方法を適用することができる。
また、各々の混合比は前記コアシェル型シリカチタニア粒子:100質量部に対して、前記シリカオリゴマー:5〜50質量部、前記高沸点溶媒:100〜600質量部とする。
以下に本発明の実施例について説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
<酸化チタン微粒子分散液の調製>
四塩化チタン溶液(TiO2濃度:27.8質量%)183.5gを、純水でTiO2濃度が8質量%となるまで希釈し、さらに、pHが9.3となるように15質量%濃度のアンモニア水を加え、よく混合して、酸化チタン水和物ヒドロゲルスラリーを得た。
次に、得られた酸化チタン水和物ヒドロゲルスラリーを純水を用いてろ過洗浄した後、回収したケーキに純水を加えてTiO2濃度が3質量%となるように調整した。
次に、得られたスラリー800gに対して、濃度5質量%過酸化水素液400gを混合し、ついで95℃で2時間加熱して溶解し、TiO2としての濃度が2質量%であるペルオキソチタン酸水溶液を得た。
次に、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)の濃度が0.1質量%となるように、濃度25質量%のTMAH水溶液を加えた。そして、オートクレーブを用いて240℃にて96時間熟成した後、常温に冷却した。
次に、硝酸水溶液を用いてpHが1.0となるように調整し、遠心分離器を用いて固液分離して上澄みを除去した後、除去した上澄みと同量のメタノールを固形分に加え、さらに遠心分離器を用いて固液分離を行った。その後、上澄みを除去し、TiO2濃度が10質量%となるよう、固形分にメタノールを加え、これを分散液として回収した。
このようにして酸化チタン微粒子分散液を得た。
得られた酸化チタン微粒子分散液が含む酸化チタン微粒子について、HORIBA LA−300(株式会社堀場製作所製)を用いて、前述の動的光散乱法により平均粒子径を求めた。その結果、粒子径は100〜600nmの範囲であり、平均粒子径は210nmであった。
<コアシェル型シリカチタニア粒子の調製>
得られた酸化チタン微粒子分散液を撹拌しながら、酸化チタン微粒子分散液が含むTiO2の質量とTEOSが含むSiO2の質量の比(SiO2/TiO2比)が0.02となるように、テトラエトキシシラン(TEOS)0.8gを加え、その後、マグネティックスターラー(As one製、HPS−100)を用いて、500rpmの回転数で、室温にて撹拌した。
そして、遠心分離器を行い、上澄みを除去した後、除去した上澄みと同量のエタノールを固形分に加えて、さらに遠心分離器を用いて固液分離を行った。その後、上澄みを除去し、TiO2およびSiO2の固形分濃度が35質量%となるよう、固形分にエタノールを加え、これを分散液として回収した。この分散液に含まれる固形分中のSiO2濃度はTiO2に対して0.8質量%であった。
このようにしてコアシェル型シリカチタニア粒子分散液を得た。
<シリカ系バインダーの調製>
変性アルコール(日本アルコール販売社製、商品名:ソルミックスAP−11、組成:エタノール85.5%、メタノール4.7%、イソプロピルアルコール9.8%)1350gに、硝酸濃度1.0質量%の硝酸水溶液を300g加え、よく撹拌した後、さらにテトラエトキシシラン(TEOS)350gを加えて、2時間撹拌することで、SiO2換算の濃度が5質量%であるシリカ系バインダーを得た。
<光散乱層形成用塗料の調製>
得られたコアシェル型シリカチタニア粒子分散液とシリカ系バインダーとを混合した。ここで、シリカ系バインダーが含むSiO2と、コアシェル型シリカチタニア粒子分散液が含むTiO2との質量比(SiO2/TiO2)が0.11となるように混合した。そして、溶媒中におけるTiO2(コアシェル型シリカチタニア粒子分散液由来)とSiO2(コアシェル型シリカチタニア粒子分散液およびシリカ系バインダー由来)の合計の質量濃度が15質量%となるように、1−メトキシ−2−プロパノール(PGME)、ジアセトンアルコールおよびエタノールを添加した。なお、溶媒が含む、エタノールと、変性アルコールと、PGMEと、ジアセトンアルコールとの質量比は、33.4:33.4:18.2:15である。
その後、エバポレータを用いて固形分濃度を25質量%に調整し、さらにプロピレングリコールおよびエタノールを7:1の質量比で添加して、溶媒中におけるTiO2(コアシェル型シリカチタニア粒子分散液由来)とSiO2(コアシェル型シリカチタニア粒子分散液およびシリカ系バインダー由来)の合計の質量濃度が20質量%とした後、撹拌混合を行うことで、光散乱層形成用塗料を調整した。なお、溶媒が含む、低沸点溶媒(エタノール+変性アルコール)と、PGMEと、ジアセトンアルコールと、プロピレングリコールとの質量比は、50:25:22:3である。
<沈降確認テスト>
得られた光散乱層形成用塗料10mlをガラス瓶に入れ、2時間静置した。塗料上部に離漿水は見られず、また、ガラス瓶底への沈降物も見られなかった。得られた塗料が分散性に優れているために、分離・沈降が発生しなかったことが考えられる。
<塗布試験>
次に、得られた光散乱層形成用塗料を、バーコーダー(テスター産業製、RODNo.7)でガラス板上に塗布した。図1に、得られた光散乱層形成用塗料を塗布したガラス板の写真を示す。
得られた光散乱層形成用塗料は分散性に優れ、凝集や沈降が発生し難いため、図1に示すようにムラなく塗布することができた。よって、これを乾燥し、焼成して得られるガラス板上の皮膜は、光散乱の均一性に優れる。

Claims (2)

  1. 動的光散乱法で求められる平均粒子径が100〜500nmであるチタニア粒子の表面をアルコキシシランで処理してなるコアシェル型シリカチタニア粒子:100質量部、
    アルコキシシランの加水分解生成物からなるシリカオリゴマー:5〜50質量部、
    沸点100℃以上の高沸点溶媒:100〜600質量部、を含む、光散乱層形成用塗料。
  2. 前記コアシェル型シリカチタニア粒子がTiO2およびSiO2を、TiO2:100質量部に対して、SiO2:0.2〜35質量部の比で含む、請求項1に記載の光散乱層形成用塗料。
JP2013260610A 2013-12-17 2013-12-17 光散乱層形成用塗料 Expired - Fee Related JP6163097B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013260610A JP6163097B2 (ja) 2013-12-17 2013-12-17 光散乱層形成用塗料

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013260610A JP6163097B2 (ja) 2013-12-17 2013-12-17 光散乱層形成用塗料

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015117284A true JP2015117284A (ja) 2015-06-25
JP6163097B2 JP6163097B2 (ja) 2017-07-12

Family

ID=53530328

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013260610A Expired - Fee Related JP6163097B2 (ja) 2013-12-17 2013-12-17 光散乱層形成用塗料

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6163097B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2021040029A (ja) * 2019-09-03 2021-03-11 出光興産株式会社 微小構造体、微小構造体の製造方法および光電変換素子
WO2023159359A1 (zh) * 2022-02-22 2023-08-31 耐酷时科技有限责任公司 光催化核壳中空结构纳米粒子的制备方法

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001166104A (ja) * 1999-09-28 2001-06-22 Fuji Photo Film Co Ltd 反射防止膜、偏光板、及びそれを用いた画像表示装置
JP2006232919A (ja) * 2005-02-23 2006-09-07 Fuji Photo Film Co Ltd コアシェル粒子の製造方法
JP2007102208A (ja) * 2005-09-09 2007-04-19 Fujifilm Corp 光学フィルム、反射防止フィルム、並びに該光学フィルムまたは該反射防止フィルムを用いた偏光板および画像表示装置
JP2009251190A (ja) * 2008-04-03 2009-10-29 Fujifilm Corp 光学フィルム、偏光板、画像表示装置
JP2011132484A (ja) * 2009-11-30 2011-07-07 Jgc Catalysts & Chemicals Ltd 高屈折率金属酸化物微粒子を含む水分散ゾルの調製方法、該方法から得られる水分散ゾルおよび前記微粒子を含む有機溶媒分散ゾル並びに塗料組成物
JP2012155177A (ja) * 2011-01-27 2012-08-16 Fujifilm Corp 光拡散層形成材料、及び光取り出し部材、並びに有機電界発光装置及びその製造方法
JP2013114938A (ja) * 2011-11-29 2013-06-10 Fujifilm Corp 積層体、及び有機電界発光装置

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001166104A (ja) * 1999-09-28 2001-06-22 Fuji Photo Film Co Ltd 反射防止膜、偏光板、及びそれを用いた画像表示装置
JP2006232919A (ja) * 2005-02-23 2006-09-07 Fuji Photo Film Co Ltd コアシェル粒子の製造方法
JP2007102208A (ja) * 2005-09-09 2007-04-19 Fujifilm Corp 光学フィルム、反射防止フィルム、並びに該光学フィルムまたは該反射防止フィルムを用いた偏光板および画像表示装置
JP2009251190A (ja) * 2008-04-03 2009-10-29 Fujifilm Corp 光学フィルム、偏光板、画像表示装置
JP2011132484A (ja) * 2009-11-30 2011-07-07 Jgc Catalysts & Chemicals Ltd 高屈折率金属酸化物微粒子を含む水分散ゾルの調製方法、該方法から得られる水分散ゾルおよび前記微粒子を含む有機溶媒分散ゾル並びに塗料組成物
JP2012155177A (ja) * 2011-01-27 2012-08-16 Fujifilm Corp 光拡散層形成材料、及び光取り出し部材、並びに有機電界発光装置及びその製造方法
JP2013114938A (ja) * 2011-11-29 2013-06-10 Fujifilm Corp 積層体、及び有機電界発光装置

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2021040029A (ja) * 2019-09-03 2021-03-11 出光興産株式会社 微小構造体、微小構造体の製造方法および光電変換素子
WO2023159359A1 (zh) * 2022-02-22 2023-08-31 耐酷时科技有限责任公司 光催化核壳中空结构纳米粒子的制备方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP6163097B2 (ja) 2017-07-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4550753B2 (ja) 表面処理された酸化チタンゾルの製造法
KR101437200B1 (ko) 표면 피복된 이산화티탄졸, 그 제조법 및 그것을 포함한 코팅 조성물
KR102092523B1 (ko) 금속 산화물 나노 입자와 실세스퀴옥산 중합체의 복합체 및 그의 제조 방법, 및 그 복합체를 사용하여 제조한 복합 재료
JP6323861B2 (ja) 表面修飾メソポーラスシリカナノ粒子の製造方法
JP6430940B2 (ja) シロキサン化合物を含む反射防止コーティング組成物、これを用いた反射防止フィルム
JP5047488B2 (ja) シリカエアロゲル膜の製造方法
KR20110110221A (ko) 복합 입자 및 그 제조 방법, 중공 입자, 그 제조 방법 및 용도
TWI741116B (zh) 二氧化矽粒子分散液及其製造方法
JP6329959B2 (ja) シロキサン化合物を含む超親水性反射防止コーティング組成物、それを用いた超親水性反射防止フィルムおよびその製造方法
JP2018123043A (ja) シリカ系粒子分散液の製造方法、シリカ系粒子分散液、透明被膜形成用塗布液及び透明被膜付基材
JP6163097B2 (ja) 光散乱層形成用塗料
JP2014224166A (ja) 表面改質金属酸化物微粒子、薄膜形成用の塗布液、薄膜付き基材、光電気セル、及び表面改質金属酸化物微粒子の製造方法
JP5241199B2 (ja) 繊維状中空シリカ微粒子の製造方法および反射防止被膜付基材
JP6592897B2 (ja) シリカエアロゲル膜の製造方法
JP2015038036A (ja) シリカ粒子材料、フィラー含有樹脂組成物、およびシリカ粒子の表面処理方法
KR101163539B1 (ko) 체인 무기 산화물 미립자 그룹, 미립자 그룹 분산의제조방법 및 미립자 그룹의 이용
JP5284632B2 (ja) 導電性繊維状中空シリカ微粒子分散質およびその製造方法
TW201139535A (en) Modified cerium(IV) oxide colloidal particles and production method thereof
JP6582414B2 (ja) 多孔質の光学薄膜用塗工液及びその製造方法
JP5961421B2 (ja) 熱可塑性樹脂組成物及びその製造方法
JP6163096B2 (ja) 高屈折率無機平坦化層形成用塗料およびその製造方法
JP5766251B2 (ja) 透明被膜形成用塗料の製造方法
JP6507655B2 (ja) 多孔質膜用塗工液及びその製造方法
JP2007039286A (ja) 酸化チタンゾルの製造方法および酸化チタンゾル
JP2005352121A (ja) 反射防止膜

Legal Events

Date Code Title Description
RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20160531

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20160606

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20161007

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20161007

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20170523

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170530

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170616

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6163097

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees