JP4963562B2 - 制振性粘着剤組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、粘着性及び制振性に優れた制振性粘着剤組成物に関する。
近年、自動車、工場、空調設備等から発生する振動や騒音は社会問題化しており、その対策が強く望まれている。その対策として、例えば、振動の発生源となる構造物や機器類に対し、振動を吸収する制振材料を制振用粘着剤で貼り付けたり、あるいは発生源となる構造物や機器類に他の部材を制振用の粘着剤で接着する方法が用いられている。
一般に、樹脂材料の制振性は、損失係数で表される。損失係数は、外部からの振動エネルギーが内部摩擦により熱エネルギーに変換される程度を示すパラメータである。損失係数はある一定温度でピークを示し、このピーク温度の近傍で使用するのが最も効果があることが知られている。しかし、制振用粘着剤には、制振性のみならず、振動環境下で強い接着力を維持することが要求される。ここで、常温で損失係数のピークを示す粘着剤はガラス転移温度が低いため、一般的に凝集力が小さく基材に対する接着力が弱いという問題がある。一方、常温で接着力が強い粘着剤は一般的にガラス転移温度が高いため、制振性が良くないという問題がある。そのため、高い制振性と優れた接着性とを有する粘着剤組成物を得るべく、多くの研究がなされている。
例えば、粘着剤に双極子モーメント量を増加させる活性成分を含有させることが提案されている(特許文献1)。しかし、活性成分が結晶化して剥離しやすくなったり、表面にブリードして粘着強度が低下したりするという問題がある。また、添加剤の影響で、正接損失のピーク温度が上がり、粘着強度が低下するという問題もある。
また、粘着剤に、ヒドロキシフェニル基及び/又は置換ヒドロキシフェニル基を合計2個以上有する化合物を添加して、損失係数のピーク温度を-15〜10℃にシフトさせる方法が提案されている(特許文献2)。しかし、損失係数のピーク温度が常温ではなく、制振性も接着強度も十分ではない。
一方、環境衛生上の観点から、制振用の粘着剤にも溶剤系に代えて水系の粘着剤が用いられている。しかし、溶剤系の粘着剤に比べ、端末剥がれ性、保持力、定荷重剥離性を両立させることが困難であるという問題がある。これに対し、例えば、シラン系モノマーを共重合させる一方、シラン系モノマーと結合する無機粒子を添加する方法が提案されているが(特許文献3)、架橋点が増えてタックが減少したり、濡れ性が悪くなって基材との密着性が低下するという問題がある。また、微粒子を含んだプライマーを用いる方法も提案されているが(特許文献4)、プライマーを塗布するという工程が増えるという問題があった。
国際公開99/64535号パンフレット 特開2003−165965号公報 特開2002−241725号公報 特開2000−265134号公報
上述のように、高い制振性と優れた接着性を両立させた粘着剤組成物が得られていないのが現状である。そこで、本発明は、高い制振性と優れた接着性とを有する制振性粘着剤組成物を提供することを目的とした。
本発明者らは、上記問題点を解決するために鋭意検討した結果、特定のアスペクト比を有する板状フィラーを添加することにより、制振性と接着性に優れた粘着剤組成物が得られることを見出して本発明を完成させたものである。すなわち、本発明の制振性粘着剤組成物は、樹脂基剤100重量部に対し、アスペクト比10以上で厚さが100nm以下の板状フィラー0.1〜30重量部と、平均粒径が100nm以下の球状フィラー0.3〜30重量部または平均粒径が1μm以下の樹脂粒子0.1〜10重量部とを配合してなることを特徴とするものである。

また、本発明の粘着剤組成物には、樹脂基剤100重量部に対し、カップリング剤0.1〜20重量部を配合することもできる。
また、本発明の粘着剤組成物には、樹脂基剤にアクリル系樹脂を用いることができる。
また、本発明の粘着剤組成物には、板状フィラー、層状粘土鉱物及び/又は鱗片状シリカを用いることができる。さらに、層状粘土鉱物には、ハイドロタルサイト、カオリン、ハロイサイト、タルク、マイカ、セリサイト、スメクタイト及びバーミキュライトからなる群から選択された少なくとも1種を用いることができる。
本発明によれば、樹脂基剤100重量部に対し、アスペクト比10以上で厚さが100nm以下の板状フィラー0.1〜30重量部を配合してなる組成物を用いることにより、常温において0.1以上の損失係数を有する高い制振性と、優れた接着性を有し、かつ耐熱性にも優れる制振性粘着剤組成物が得られる。本発明の粘着剤組成物は、水系粘着剤と溶剤系粘着剤のいずれにも適用することができる。特に水系粘着剤に適用すると、以下のような効果を得ることができる。すなわち、端末剥がれ性、保持力、そして定荷重剥離性を両立させることができる。また、水系粘着剤の場合、従来は基材毎に粘着剤の組成を調製する必要があったが、本発明の粘着剤組成物を用いることにより、基材毎の組成調製を不要とすることができる。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
本発明の制振性粘着剤組成物は、樹脂基剤100重量部に対し、アスペクト比10以上で厚さが100nm以下の板状フィラー0.1〜30重量部と、平均粒径が100nm以下の球状フィラー0.3〜30重量部または平均粒径が1μm以下の樹脂粒子0.1〜10重量部とを配合してなるものである。

樹脂基剤には、アクリル系樹脂、ゴム系樹脂、エチレン酢ビ系樹脂、天然ゴム系樹脂等の従来公知の粘着剤樹脂を用いることができる。好ましくは、アクリル系樹脂である。アクリル系樹脂は、特に限定されるものではなく、溶剤可溶型や、水分散型又は溶剤分散型のエマルジョン型、そして紫外線硬化型の粘着剤に使用される公知のアクリル系樹脂を用いることができる。アクリル系樹脂を構成する主たる単量体には、例えば、メチル(メタ)アクリレ−ト、エチル(メタ)アクリレ−ト、n-ブチル(メタ)アクリレ−ト、i-ブチル(メタ)アクリレ−ト、t-ブチル(メタ)アクリレ−ト、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレ−ト、シクロヘキシル(メタ)アクリレ−ト、ラウリル(メタ)アクリレ−ト、ステアリル(メタ)アクリレ−トなどの(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレ−トなどの水酸基含有(メタ)アクリル系単量体、(メタ)アクリル酸などのエチレン性不飽和カルボン酸単量体、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレ−トなどのアミノ基含有(メタ)アクリル系単量体、(メタ)アクリルアミドなどのアミド基含有アクリル系単量体、そしてアクリロニトリルなどのニトリル基含有(メタ)アクリル系単量体を1種以上挙げることができる。
さらに、マレイン酸、イタコン酸、クロトン酸、フマル酸などのα、β−エチレン性不飽和カルボン酸、スチレンスルホン酸、ビニルスルホン酸などのスルホン酸含有ビニル単量体、又は無水マレイン酸などの酸無水物などの単量体を共重合することもできる。
さらに、ウレタン結合を形成する単量体やケイ素含有単量体を共重合することもできる。ウレタン結合を有する単量体には、ヘキサメチレンジイソシアンート、キシリレンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルヘタンジイソシアネート等を用いることができる。また、ケイ素含有単量体には、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリプロポキシシラン、ビニルトリブトキシシラン、(メタ)アクルロイルオキシメチルトリメトキシシラン、(メタ)アクリロイルオキシエチルトリメトキシシラン、(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン、(メタ)アクリロイルオキシエチルトリエトキシシラン、(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリブトキシシラン等を挙げることができ、これらの1種又は2種以上を用いることができる。
本発明の粘着剤組成物は、特に限定されるものではなく、溶剤系粘着剤や水系粘着剤に用いることができるが、水系粘着剤、特に水分散型粘着剤に用いることが好ましい。溶剤を用いないため環境衛生上好ましく、耐溶剤性も優れているからである。水分散型粘着剤は、例えば、以下の方法により製造することができる。
本発明の粘着剤組成物の製造には、バッチ乳化重合、モノマ−滴下重合、乳化モノマ−滴下重合法などの公知の乳化重合法を用いることができる。
乳化重合において用いられるラジカル生成開始剤としては、通常の乳化重合に用いられているものを使用することができる。例えば過酸化ベンゾイル、t-ブチルハイドロパ−オキサイド、クメンハイドロパ−オキサイドなどの有機過酸化物、アゾビスシアノ吉草酸、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビス(2,4-ジメチル)バレロニトリル、2,2'-アゾビス(2-メチルプロピオンアミジン)ジハイドロクロライドなどの有機アゾ化合物、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム、過酸化水素などの無機水溶性ラジカル開始剤、さらに、これらの過硫酸塩または、過酸化物と鉄イオンなどの金属イオンおよびピロ亜硫酸ソ−ダ、L-アスコルビン酸などの還元剤を組み合わせて用いる公知のレドックス系開始剤も用いることが出来る。
さらに必要に応じて重合体粒子の分子量を調整するために連鎖移動剤を添加することが出来る。例えば、ラウリルメルカプタン、n−ブチルメルカプタン、t−ブチルメルカプタン、オクチルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン等のアルキルメルカピタン、そしてα−メチルスチレンダイマ−等を挙げることができる。
また、乳化重合において用いられる乳化剤には、例えばアルキルアリルスルホンコハク酸ナトリウム、アルキルベンゼンスルホン酸ソ−ダ、ラウリル硫酸ソ−ダ、ナトリウムジオクチルスルホサクシネ−ト、またはアンモニウム塩などのアニオン性乳化剤、エチレン性不飽和二重結合を有する反応性乳化剤、ポリオキシエチレンアルキルエ−テル、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンプロック共重合体などのノニオン性乳化剤、カチオン系界面活性剤、両性界面活性剤等を挙げることができる。また、ポリビニルアルコ−ル、ヒドロキシエチルセルロ−スなどの水溶性ポリマー、水溶性オリゴマ−等の保護コロイドを用いることもできる。
また、本発明の組成物における重合体粒子の含有量は、固形分で40〜60重量%の範囲にあることが好ましい。
また、重合終了後、樹脂組成物のpHを、6.5〜11.0までの中性からアルカリ性の範囲に調整することが安定性の面から好ましい。中和剤には、アンモニア、トリメチルアミン、プロピルアミン、ジエチルアミン、モルホリン、ジメチルエタノール、トリエタノールアミン等のアミン類、そして水酸化ナトリウムや水酸化カリウム等を用いることができる。
本発明に用いる板状フィラーには、(フィラーの長径/フィラーの厚さ)で規定されるアスペクト比が10以上で、フィラーの厚さが100nm以下であることが必要であり、より好ましくはアスペクト比が100以上である。詳細は明らかではないが、この板状フィラーは、粘着剤の接着性を損なうことなく、粘着剤の制振性を向上させることができる。ここで、板状フィラーには、平板状、薄片状、そして鱗片状のフィラーが含まれる。本発明に用いる好ましい板状フィラーには、層状粘土鉱物及び/又は鱗片状シリカを挙げることができる。より好ましくは、層状粘土鉱物であり、ハイドロタルサイト、カオリン、ハロイサイト、タルク、マイカ、セリサイト、スメクタイト及びバーミキュライトからなる群から選択された少なくとも1種を用いることができる。ここで、スメクタイトには、モンモリロナイト、サポナイト、バイデライト、ノントロナイト、ヘクトライトが含まれる。さらに好ましくは、マイカ、特に膨潤性マイカである。
板状フィラーの添加量は、樹脂基剤100重量部に対し0.3〜30重量部、より好ましくは1〜10重量部である。0.3重量部より少ないと制振性が十分でなく、30重量部を超えると、接着力が低下するからである。
層状粘土鉱物には、水との親和性の良い親水性タイプと、有機分子又は有機イオンを層間にインターカレートさせた溶剤との親和性の良い親油性タイプがある。水分散型粘着剤には親水性タイプを用い、溶剤分散型粘着剤には親油性タイプを用いることができる。
板状フィラーに加え、さらに直径が100nm以下の球状フィラー又は直径が1μm以下の樹脂微粒子を添加することもできる。板状フィラーを一緒に用いることにより、制振性をさらに向上させることができる。詳細は明らかではないが、板状フィラーと球状フィラーとの組合せで、力に対して逆位相を生じさせ、振動の波の位相をずらすことにより振動エネルギーの吸収を促進する効果が得られたためと考えられる。
直径が100nm以下の球状フィラーには、シリカ、アルミナ、ジルコニア、炭酸カルシウム、酸化チタン、酸化亜鉛、ケイ酸カルシウム、チタン酸バリウム、フェライト、そしてカーボンブラック等を挙げることができる。より好ましくは、シリカである。この球状フィラーの添加量は、樹脂基剤100重量部に対し、0.3〜30重量部、より好ましくは3〜15重量部である。また、板状フィラーとの比率は、球状フィラー/板状フィラーが0.5〜50(重量比)、より好ましくは0.5〜5である。
また、直径が1μm以下の樹脂微粒子には、シリコーンゴム微粒子、シリコーン樹脂粒子、ポリエチレン微粒子、ポリプロピレン微粒子、ポリ塩化ビニル微粒子、ポリメチルメタクリレート微粒子、ポリn-ブチルアクリレート微粒子、架橋ポリスチレン微粒子、ナイロン微粒子、メラミン樹脂微粒子、ポリウレタン樹脂微粒子、ポリ酢酸ビニル微粒子、ポリスチレン−酢酸ビニル共重合体微粒子、ポリエステル微粒子及びそれらの中空ポリマーを挙げることができる。好ましくは、メチルメタクリレート−アクリロニトリル共重合体の中空粒子である。この樹脂微粒子の添加量は、樹脂基剤100重量部に対し、0.1〜30重量部、より好ましくは0.1〜5重量部である。また、板状フィラーとの比率は、樹脂粒子/板状フィラーが0.01〜30(重量比)、より好ましくは0.01〜5である。
さらに、樹脂基剤とフィラーの結合を促進し、かつ樹脂基剤と被接着基材との密着性を向上させる目的で、カップリング剤を添加することもできる。このカップリング剤には、シラン系、チタネート系、アルミネート系のカップリング剤が含まれる。シラン系カップリング剤として、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、1,2-エポキシ-4-(2-トリメトキシシリルエチル)シクロヘキサン、1,2-エポキシ-2-メチル-4-(1-メチル-2-トリメトキシシリルエチル)シクロヘキサン、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等のエポキシアルコキシシラン、N-2(アミノエチル)3-アミノプロピルメチルジメトキシシラン等のアミノアルコキシシラン、3-ウレイドプロピルトリメトキシシラン、3-クロロプロピルトリメトキシシラン、3-メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、ビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、3-イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン等を用いることができる。また、チタネート系カップリング剤やアルミネート系カップリング剤としては、例えばプレンアクト(商品名:味の素社製)を用いることができる。好ましいカップリング剤は、3-グリシドキシプロピルトリエトキシシランである。カップリング剤の添加量は、樹脂基剤とフィラーの全量100重量部に対し、0.001〜10重量部、より好ましくは0.01〜2重量部である。
なお、カップリング剤は、予め粘着剤組成物に配合してくこともできるが、粘着剤の使用直前に、粘着剤組成物に混合して用いることが好ましい。基材に対する濡れ性を損なうことなく、基材との密着性を向上させることができるからである。
さらに、必要に応じて架橋剤を添加することもできる。架橋剤には、例えば、トリレンジイソシアネートやジシクロヘキシルメタンジイソシアネート等のポリイソシアネート、アジリジン、金属キレート化合物、エポキシ化合物等を挙げることができる。粘着剤の保持力や耐熱性を高めることができる。なお、架橋剤は塗布直前であって、カップリング剤を添加した後に添加することが好ましい。
本発明の粘着剤組成物は、1液硬化型粘着剤又は2液硬化型粘着剤として用いることができる。2液硬化型粘着剤として用いる場合、上記のアクリル樹脂を構成する単量体を1種以上含むA液と、硬化剤を含むB液とから構成することができる。硬化剤には、例えば、水溶性又は水分散性のエポキシ系硬化剤やイソシアネート系硬化剤を用いることができる。
本発明の粘着剤組成物には、必要に応じて、公知の添加剤、例えば、着色剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤、難燃剤等を添加することができる。
本発明の粘着剤組成物の損失係数は、機械インピーダンス法等の公知の方法を用いて測定可能である。常温(23℃)における損失係数が、機械インピーダンス法における300Hzにおける値が0.1以上、より好ましくは0.11以上である。
本発明の粘着剤組成物は、塗布あるいは吹き付けにより被接着基材の上に保持させ、被接着基材同士を圧着し、あるいは被接着基材を別の基材に圧着する一方、乾燥あるいは紫外線照射により硬化させて粘着剤層を形成させて使用することができる。被接着基材は特に限定されず、自動車部品、家電製品、精密機器、建設機械、構造物、さらにはポリエチレンやウレタンのフォーム、石膏ボード、壁紙、粘着テープ用基材等の種々の基材に対して適用することができる。
以下、実施例を用いて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(試料作製)
5.5milのドクターブレードを使用し、粘着剤組成物を離型紙の上に塗布し、乾燥した。膜厚は、ドライで50〜55ミクロンに調整した。乾燥後、粘着剤フィルムを基材に貼り合わせた。基材には、比較的接着しにくいポリエチレンフォーム(ソフトロン、積水化学社製)を用いた。23℃、65%RHの雰囲気で、10kgロールに通した。2日間養生後、ポリプロピレン板に貼り付けて、接着物性を測定した。
(接着物性測定)
(1)ピールは、23℃で、(25×150mm)の大きさの試料で測定した。
(2)保持力は500gの重りをぶら下げて、23℃で60分間観察した。接着面の大きさは25×100mmとした。
(3)90℃定荷重剥離力は、500gの重りをぶら下げて、23℃で60分間観察した。接着面の大きさは25×100mmとした。
(4)耐熱クリープ性は、310gの重りをぶら下げて、昇温条件3℃/5分で測定した。接着面の大きさは25×25mmとした。
(5)曲げ貼り試験は、80℃×95%RHの環境下で1時間観察した。接着面の大きさは40×30mmとした。
(6)曲面貼り試験は、80℃×95%RHの環境下で24時間観察した。接着面の大きさは25×120mm、曲面は60mmφとした。
なお、曲げ貼り試験と曲面貼り試験により、端末剥がれ性を評価した。
(制振性評価)
制振性能は、塩ビシート(高圧ガス工業社製)を各種接着剤でアルミ板に貼り合わせて、片持ち梁法で、B&K社製損失係数測定装置(3550)を用いて、300Hzで23℃における損失係数を測定した。アルミ板の大きさは、10×150×1mmで、貼り合わせた面は10×130mmである。
参考例1.
水分散型の1液硬化型粘着剤(高圧ガス工業社製LL-6000C)100重量部に、板状フィラーとして膨潤性マイカ(コープケミカル社製ソマシフMEB-3:厚さは数nm、アスペクト比は数百)5重量部を添加・混合して粘着剤組成物を調製した。ここで、用いた1液硬化型粘着剤の樹脂基剤は、エポキシ変性のブチルアクリレート/2-エチルヘキシルアクリレート/アクリル酸共重合エマルジョンである。

参考例2.
水分散型の2液硬化型粘着剤(高圧ガス工業社製LL-6000B)100重量部に、エポキシ硬化剤0.1重量部と膨潤性マイカ(コープケミカル社製ソマシフMEB-3)5重量部を添加・混合して粘着剤組成物を調製した。ここで、用いた2液硬化型粘着剤の樹脂基剤は、ブチルアクリレート/2-エチルヘキシルアクリレート/アクリル酸共重合エマルジョンである。

参考例3.
シリコーンマクロマーを0.8wt%含有する1液硬化型粘着剤(高圧ガス工業社製LL-6000M)100重量部に膨潤性マイカ(コープケミカル社製ソマシフMEB-3)5重量部を添加・混合し、塗工の直前に3-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン(信越シリコーン社製KBE-403)0.5重量部を添加・混合して粘着剤組成物を調製した。ここで、用いた1液硬化型粘着剤の樹脂基剤は、シリコン変性のブチルアクリレート/2-エチルヘキシルアクリレート/アクリル酸共重合エマルジョンである。

参考例4.
1液硬化型粘着剤(高圧ガス工業社製LL-6000C)100重量部に、膨潤性マイカ(コープケミカル社製ソマシフMEB-3)5重量部を添加・混合して粘着剤を調製した。さらに、塗工の直前に、その粘着剤に対し3-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン(信越シリコーン社製KBE-403)0.5重量部を添加・混合して粘着剤組成物を調製した。

実施例
1液硬化型粘着剤(高圧ガス工業社製LL-6000C)100重量部に、膨潤性マイカ(コープケミカル社製ソマシフMEB-3)1重量部を添加・混合して粘着剤を調製した。さらに、その粘着剤に対し球状フィラーとしてアエロジル50(日本アエロジル社製:平均粒径30nm)5重量部を添加・混合して粘着剤組成物を調製した。

実施例
1液硬化型粘着剤(高圧ガス工業社製LL-6000C)100重量部に、(コープケミカル社製ソマシフMEB-3)1重量部を添加・混合して粘着剤を調製した。さらに、その粘着剤に対し樹脂微粒子としてマイクロカプセルであるエクスパンセル551DE(平均粒径30〜50μm)0.2重量部を添加・混合して粘着剤組成物を調製した。

比較例1.
板状フィラーを添加せず1液硬化型粘着剤(高圧ガス工業社製LL-6000C)のみを用いた。
比較例2.
3-メタクリロキシプロピルトリエトキシシランを1wt%共重合した1液硬化型粘着剤(高圧ガス工業社製LL-6000S)100重量部に、微粉末シリカのアエロジル50(日本アエロジル社製:平均粒径30nm)5重量部を添加・混合して粘着剤組成物を調製した。アエロジル50のアスペクト比は、約1である。ここで、用いた1液硬化型粘着剤の樹脂基剤は、シランカップリング剤/ブチルアクリレート/2-エチルヘキシルアクリレート/アクリル酸共重合エマルジョンである。
比較例3.
1液硬化型粘着剤(高圧ガス工業社製LL-6000C)100重量部に、非膨潤性ミクロマイカ(コープケミカル社製ソマシフMK-300)5重量部を添加・混合して粘着剤組成物を調製した。
比較例4.
1液硬化型粘着剤(高圧ガス工業社製LL-6000C)100重量部に、膨潤性マイカ(コープケミカル社製ソマシフMEB-3)5重量部と中空ガラス粒子のフィライト200/7(日本フィライト社製:平均粒径80μm)5重量部を添加・混合して粘着剤組成物を調製した。
比較例5.
1液硬化型粘着剤(高圧ガス工業社製LL-6000C)100重量部に、膨潤性マイカ(コープケミカル社製ソマシフMEB-3)5重量部と樹脂微粒子として中空ガラス粒子のフジバルーンH-30(富士シリシア化学社製:平均粒径40μm)5重量部を添加・混合して接着剤を調製した。
Figure 0004963562

表2.
Figure 0004963562
Figure 0004963562

表1に示すように、参考例1から4および実施例1から2の粘着剤組成物では、保持力、定荷重剥離性、そして端末剥がれ性に優れた接着性が得られた。一方、フィラーを添加しない従来の粘着剤の場合(比較例1)は、保持力、定荷重剥離性、そして端末剥がれ性のいずれも不十分であった。また、シランカップリング剤を共重合した粘着剤を用いても(比較例2)、十分な効果を得ることはできなかった。また、フィラーを添加するにしても、非膨潤性マイカを用いた比較例3、中空ガラス粒子を用いた比較例4と5は、膨潤性マイカを用いた場合に比べ保持力、定荷重剥離性、そして端末剥がれ性について十分な効果を得ることができなかった。さらに、表3に示すように、参考例1から4および実施例1から2の粘着剤組成物は、0.11以上と比較例より大きな損失係数を与え、制振性を向上させることができた。

Claims (5)

  1. 樹脂基剤100重量部に対し、アスペクト比10以上で厚さが100nm以下の板状フィラー0.1〜30重量部と、平均粒径が100nm以下の球状フィラー0.3〜30重量部または平均粒径が1μm以下の樹脂粒子0.1〜10重量部とを配合してなる制振性粘着剤組成物。
  2. 上記樹脂基剤100重量部に対し、カップリング剤0.1〜20重量部を配合してなる請求項1記載の制振性粘着剤組成物。
  3. 上記樹脂基剤が、アクリル系樹脂である請求項1または2に記載の制振性粘着剤組成物。
  4. 上記板状フィラーが、層状粘土鉱物及び/又は鱗片状シリカである請求項1からのいずれか一つに記載の制振性粘着剤組成物。
  5. 上記層状粘土鉱物が、ハイドロタルサイト、カオリン、ハロイサイト、タルク、マイカ、セリサイト、スメクタイト及びバーミキュライトからなる群から選択された少なくとも1種である請求項記載の制振性粘着剤組成物。
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