JP3834262B2 - 水性エマルジョン型粘着剤および粘着シート - Google Patents

水性エマルジョン型粘着剤および粘着シート Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、水性エマルジョン型粘着剤および粘着シートに関するものであり、詳しくは、該水性エマルジョン型粘着剤中に内分泌撹乱物質であるアルキルフェノール基含有化合物を含有せず、該水性エマルジョン型粘着剤を剥離シート上に塗工した際粘着剤層に筋、ハジキ、チヂミ、液ダレ等が発生せず、かつ生産性に優れる水性エマルジョン型粘着剤および粘着シートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から粘着シートは、ラベル、ステッカー、シール、ワッペン、オーバーラミネートフィルム、保護シート等に加工され、標示識別、装飾、被覆マスキング、封緘シール、情報伝達、防災安全等の目的で、商業用、産業用、事務用、家庭用等の広範囲に使用されている。
粘着シートは、一般的に表面基材と剥離シートとの間に粘着剤層を形成したものである。通常、表面基材には、紙、フィルム、金属箔等が用いられ、剥離シートには、グラシン紙、クレーコート紙、フィルムラミネート紙、ポリエステルフィルム、ポリエチレンフィルム等にシリコン化合物の剥離剤を塗布したもの等が使用されている。粘着剤としては、溶剤型、水性エマルジョン型、ホットメルト型等があり、アクリル系、ゴム系、ウレタン系、シリコン系等の樹脂系のものが使用されている。粘着シートの粘着剤層に用いられる粘着剤により用途、性質が大きく異なることから粘着シートを特徴付けるには、粘着剤層に用いる粘着剤が重要な要素となる。
【0003】
現在、地球環境、労働環境等を配慮して、コストが安く、且つ有機溶剤を殆ど含有しないこと等から水性エマルジョン型粘着剤が多くの粘着シートに使用され広く普及してきている。さらに最近、環境問題では、特にアルキルフェノール基を含有している界面活性剤による内分泌撹乱物質が問題として挙げられ、その対応が要望されている。一方、経済的観点から生産性を上げるために、粘着シートの製造において、粘着剤の塗工速度を高速にする要望や、粘着剤の塗工量を少なくする要望がある。
水性エマルジョン型粘着剤の塗工速度を高速にする試みは、塗工装置の改良と水性エマルジョン型粘着剤の改良の両面で試みられている。塗工装置としては、従来からよく使用されているリバースロールコーター、エアーナイフコーター、ナイフコーター、コンマコーター等の他に、粘着剤を加圧して押し出して基材に塗布するスロットダイコーター、リップコーター、カーテンダイコーター等のファウンテンコーター等が開発され、塗工速度をかなり高速にすることが可能になった。
一方、水性エマルジョン型粘着剤の改良の試みとしては、高速塗工適性を良くするために、低せん断粘度を低くする方法が不可欠であるが、低せん断粘度を低くすると、剥離シートに塗工した時にハジキやチジミが発生したり、液ダレや、粘着剤層が広がり過ぎる問題点が発生する。そのために、従来は、水性エマルジョン型粘着剤の低せん断粘度を高くする必要があるとしている。しかしながら、従来、水性エマルジョン型粘着剤の塗工速度を高速にすると低せん断粘度が高過ぎるために、粘着剤の塗工面が綺麗な粘着シートを製造するには不十分であるのが現状である。特に水性エマルジョン型粘着剤を400m/分以上の速度で塗工して粘着シートを製造した場合や、100m/分以上の速度で塗工してオーバーラミネートフィルム等の透明性を要求される粘着シートを製造した場合に、粘着剤塗工面の仕上がりが悪くなる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
したがって本発明の目的は、水性エマルジョン型粘着剤中に内分泌撹乱物質であるアルキルフェノール基含有化合物を含有せず、該水性エマルジョン型粘着剤を剥離シート上に塗工した際粘着剤層に筋、ハジキ、チヂミ、液ダレ等が発生せず、かつ生産性に優れる水性エマルジョン型粘着剤、粘着シートおよびその製造方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
そこで本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意研究の結果、特定範囲の粒子径、固形分、低せん断粘度および水性エマルジョンから形成される乾燥皮膜のテトラヒドロフラン不溶分を有し、以下に示す不飽和単量体類および界面活性剤を含み、かつアルキルフェノール基含有化合物を含まない水性エマルジョン型粘着剤が、前記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0006】
すなわち本発明は、アルキル基の炭素数が1〜14の(メタ)アクリル酸アルキルエステルからなる不飽和単量体(A)、カルボキシル基含有不飽和単量体(B)、および下記式(1)〜(6)で示される少なくとも1種の界面活性剤(C)を含み、かつアルキルフェノール基含有化合物を含まない水性エマルジョンからなる水性エマルジョン型粘着剤であって、(a)該水性エマルジョンを構成する粒子の平均粒子径が0.1〜1μmであり、(b)固形分が50重量%以上であり、(c)B型粘度計の23℃、60rpmでの粘度が50mPa・s以上2000mPa・s未満であり、かつ(d)該水性エマルジョンから形成される乾燥皮膜のテトラヒドロフランの不溶分が20〜80重量%であることを特徴とする水性エマルジョン型粘着剤を提供するものである。
【0007】
【化5】
Figure 0003834262
【0008】
【化6】
Figure 0003834262
【0009】
【化7】
Figure 0003834262
【0010】
【化8】
Figure 0003834262
【0011】
(前記式中、Rはアルキル基、Mはアンモニウム塩または金属塩、AOはエチレンオキサイド(EO)、プロピレンオキサイド(PO)を含むアルキレンオキサイド、phはジスチレン化フェニル基であり、nは0〜50の整数を示す)
また本発明は、(A)、(B)および(C)成分全体に対し、不飽和単量体(A)が85〜99.8重量%、カルボキシル基含有不飽和単量体(B)が0.1〜5重量%、界面活性剤(C)が0.1〜10重量%の割合で含まれる前記の水性エマルジョン型粘着剤を提供するものである。
また本発明は、剥離シート上に、前記の水性エマルジョン型粘着剤を塗工してなる粘着シートを提供するものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
本発明に使用するアルキル基の炭素数が、1〜14の(メタ)アクリル酸アルキルエステルからなる不飽和単量体(A)は、メチルアクリレート、エチルアクリレート、イソプロピルアクリレート、n−プロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、n−オクチルアクリレート、イソオクチルアクリレート、ノニルアクリレート、等のアクリル酸エステル;メチルメタアクリレート、n−ブチルメタアクリレート、イソブチルメタアクリレート、2−エチルヘキシルメタアクリレート等のメタアクリル酸エステル等が挙げられ、1種もしくは2種以上が用いられる。なお、アルキル基の炭素数が15以上では、不飽和単量体の汎用性が損われ、得られる水性エマルジョンがコスト高となり好ましくない。
不飽和単量体(A)は、(A)、(B)および(C)成分全体に対し85〜99.8重量%含まれるのがよい。85重量%未満であると、得られる水性エマルジョンの粘度が増大し好ましくなく、99.8重量%を超えると重合安定性が悪くなり好ましくない。
【0013】
本発明に使用するカルボキシル基含有不飽和単量体(B)としては、アクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸、イタコン酸、β−カルボキシエチルアクリレート、2−(メタ)アクリロキシエチルコハク酸等の各種カルボン酸系モノマーが挙げられ、中でもアクリル酸、メタクリル酸が好ましい。
カルボキシル基含有不飽和単量体(B)は、(A)、(B)および(C)成分全体に対し0.1〜5重量%含まれるのがよい。0.1重量%未満であると、各種基材に対する十分な接着力や、湿潤面に対する接着力、低温下での接着力等が発現できず好ましくなく、5重量%を超えると重合安定性が悪くなり好ましくない。好ましくは0.2〜4重量%である。
【0014】
本発明に使用する界面活性剤(C)は、前記式(1)〜()で示される少なくとも1種である。なお前記式中、Rは例えば炭素数10〜30のアルキル基、Mはアンモニウム塩またはカリウム、ナトリウム等の金属塩、AOはエチレンオキサイド(EO)、プロピレンオキサイド(PO)を含むアルキレンオキサイド、phはジスチレン化フェニル基であり、nは0〜50の整数を示している。なお、界面活性剤(C)としては、公知の各種界面活性剤を利用することができる。例えば、式(1)の界面活性剤としては、アクアロンKH−05、KH−10(第一工業製薬(株))等がある。式)の界面活性剤としては、例えば、エレミノールJS−2(三洋化成(株))等がある。式()の界面活性剤としては、例えば、ラテムルS−180A、S−180(花王(株))等がある。式)の界面活性剤としては、例えば、アデカリアソープSRシリーズ(旭電化工業(株))等がある。式()の界面活性剤としては、例えば、エマルゲン100番シリーズ、400番シリーズ、1100番シリーズ(花王(株))、ノイゲンETシリーズ、YXシリーズ、DKS−NLシリーズ(第一工業製薬(株))、ニューコール1000系、1100系、1200系、1300系、1600系、1800系(日本乳化剤(株))等がある。式)の界面活性剤としては、例えば、ノイゲンEA−167、EA−177(第一工業製薬(株))、ニューコール700系、2600系、B系(日本乳化剤(株))等がある。
【0015】
式(1)〜式()の界面活性剤(C)の使用量は、(A)、(B)および(C)成分全体に対し、0.1〜10重量%、好ましくは0.2〜7重量%がよい。0.1重量%未満の場合、安定性が良好な水性エマルジョンを作製することができず、また10重量%を超えると、粘着剤としてのタックや被着体に対する接着性が損なわれ、好ましくない。
【0016】
なお、本発明では前記成分以外のその他の共重合可能な単量体を用いることができる。その例としては、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、アクリロニトリル、メタアクリロニトリル、スチレン、ビニルトルエン等のビニル化合物;アクリルアミド、メタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド等のアミド化合物;N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタアクリルアミド等のN−アルキロール誘導体;;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシルプロピルアクリレート等の水酸基含有単量体;グリシジルアクリレート、グリシジルメタアクリレート等のエポキシ基含有単量体;シビニルベンゼン、ジアリルフタレート、ジエチレングリコールジメタアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタアクリレート等の多官能不飽和単量体;ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリ(2−メトキシエトキシ)シラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等のビニルアルコキシシラン類;グリシドキシアルコキシシラン類単量体等が挙げられる。これらのその他の共重合可能な単量体は、(A)、(B)および(C)成分全体に対し、0〜20重量%の割合で添加することが望ましい。
【0017】
また本発明では、連鎖移動剤を使用することも勿論可能である。連鎖移動剤としては、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール、ドデシルメルカプタン、2−エチルヘキシルチオグリコーレート等のメルカプタン等が挙げられ、これらは単独で、あるいは併用して用いることができる。
【0018】
本発明における水性エマルジョンの調製において、重合条件はとくに制限されないが、例えば30〜85℃の温度で行うことができる。このときに使用する重合開始剤としては、ターシャリーブチルハイドロパーオキサイド、過酸化水素、ベンゾイルパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド等の過酸化物や、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩が挙げられ、これらは単独で、あるいは併用して使用することができる。さらに必要に応じて還元剤を使用することができる。その例としては、亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、アスコルビン酸、硝酸等が用いられる。
【0019】
さらに本発明における水性エマルジョンには、アンモニア、各種のアミン、各種消泡剤、防腐剤、レベリング剤、架橋剤、粘着付与剤、酸化チタン、炭酸カルシウム等の充填剤等、本発明の効果を阻害しない範囲で各種添加剤を添加してもよいことは言うまでもない。
【0020】
本発明における水性エマルジョンを構成する粒子の平均粒子径は、0.1〜1μmであり好ましくは、0.2〜0.8μmである。平均粒子径が0.1μm未満の場合、粘度および構造粘性が高くなりレベリング性が悪くなるため、粘着塗工面の仕上がりが悪くなる。逆に平均粒子径が1μmを超えると、水性エマルジョン粒子の経時的な沈降を生じ、また粘着剤層の透明性が悪くなる。
【0021】
また、本発明における水性エマルジョンの固形分は50重量%以上であることが必要である。固形分が50重量%未満の場合、乾燥速度が遅く実用性に欠け好ましくない。
【0022】
また本発明における水性エマルジョンの粘度は、B型粘度計の23℃、60rpmでの測定において、50mPa・s以上2000mPa・s未満である必要がある。粘度が50mPa・s未満の場合は、粘着剤の塗工速度を高速(100m/分以上)にすると、剥離シート上に塗工された粘着剤表面の全面にハジキやチヂミが発生する。また、2000mPa・s以上の場合は、塗工速度が高速(100m/分以上)になると塗工面にリブ模様の発生や、空気同伴による微細な泡の欠陥が発生する。特に粘度のより好ましい範囲は200〜1500mPa・sである。
【0023】
さらに本発明における水性エマルジョンから形成される乾燥皮膜のテトラヒドロフランの不溶分が、20〜80重量%である必要がある。乾燥皮膜のテトラヒドロフランの不溶分が20重量%未満の場合は、40℃下の保持力が低下する。逆に80重量%を超えると各種基材に対する接着力、特にPE、PP等のポリオレフィンに対する接着力が低下し好ましくない。尚本発明の水性エマルジョンから形成される乾燥皮膜のテトラヒドロフランの不溶分を所定の範囲内に制御するには、モノマー成分の組み合わせ、重合温度、重合開始剤の種類、量、連鎖移動剤の種類、量、架橋性モノマーの併用等を適宜組み合わせればよい。
【0024】
本発明で使用する基材としては、とくに制限されるものではなく、従来から公知の材料を適宜選択することができる。例えば、各種紙、フィルム、金属箔等が挙げられる。
【0025】
本発明の水性エマルジョンからなる粘着剤は、剥離シート上への高速塗工(例えば100m/分以上の速度)が可能である。そのための塗工装置としては、リバースロールコーター、エアーナイフコーター、ナイフコーター、コンマコーター、リバースグラビアコーター、スロットダイコーター、リップコーター、カーテンダイコーター等が挙げられるが、粘着剤を加圧して押し出して基材に塗布する高速塗工に適したファウンテンコーターであるスロットダイコーター、リップコーター、カーテンダイコーター等も望ましい。
本発明の粘着剤の塗工量はとくに制限されないが、例えば10〜30g/mである。
なお、本発明によれば、100m/分未満の通常速度ないし低速塗工の場合であっても粘着剤層に筋、ハジキ、チヂミ、液ダレ等が発生せず、かつ生産性に優れる粘着シートが得られることは勿論である。
【0026】
なお、使用する剥離シートとしては、とくに制限されるものではなく、従来から公知の材料を適宜選択することができる。例えば、グラシン紙、クレーコート紙、フィルムラミネート紙、ポリエステルフィルム、ポリエチレンフィルム等にシリコン化合物の剥離剤を塗布したもの等が挙げられる。
【0027】
【実施例】
以下、本発明を実施例および比較例により説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。なお、例中、%および部は重量基準である。
(実施例1)
攪拌機、温度計、環流冷却器、滴下ロートを有する容器中に、イオン交換水を150部仕込み80℃まで昇温した。一方、イオン交換水200部、アクリル酸ブチル285部、2−エチルヘキシルアクリレート200部、アクリル酸15部、エレミノールJS−2(有効成分40%、三洋化成工業(株)、前記式()の界面活性剤)25部をホモミキサーで乳化し、混合乳化液(A)をつくった。上記容器中に、3%過硫酸カリウム水溶液を10部仕込み、乳化重合を開始した。重合は混合乳化液(A)と3%過硫酸カリウム水溶液30部をそれぞれ3時間かけて容器中に滴下することにより行った。この間容器内は80℃に保った。滴下終了後、1時間、80℃に保ち、熟成を行った。その後冷却を開始し、30℃まで冷却後、アンモニア水を添加しpHを8に調整した。得られた水性エマルジョンの粘度は、400mPa・s(B型粘度計、60rpmでの測定。以下同様)、固形分は、55.9%、平均粒子径は、0.51μmであった。
【0028】
(実施例2)
実施例1において、界面活性剤をエレミノールJS−2(有効成分40%)、40部に変更した以外は実施例1と同様に重合をおこなった。得られた水性エマルジョンの粘度は、1550mPa・s、固形分は、55.6%、平均粒子径は、0.29μmであった。
【0029】
(実施例3)
実施例1において、界面活性剤をエレミノールJS−2(有効成分40%)25部およびエマルゲン1118S−70(有効成分70%、花王(株)、前記式()の界面活性剤)7.1部に変更した以外は実施例1と同様に重合を行った。得られた水性エマルジョンの粘度は、1000mPa・s、固形分は 、56.0%、平均粒子径は、0.38μmであった。
【0030】
(実施例4)
実施例1において、界面活性剤をラテムルS−180A(有効成分40%、花王(株)、式()の界面活性剤)25部に変更した以外は実施例1と同様に重合を行った。得られた水性エマルジョンの粘度は550mPa・s、固形分は56.1 %、平均粒子径は0.47μmであった。
【0031】
(実施例5)
実施例1において、アクリル酸量を7.5部に変更した以外は実施例1と同様に重合を行った。得られた水性エマルジョンの粘度は、450mPa・s、固形分は、55.5%、平均粒子径は、0.47μmであった。
【0032】
(実施例6)
実施例2において、ドデシルメルカプタン0.5部添加した以外は実施例2と同様に重合を行った。得られた水性エマルジョンの粘度は、1800mPa・s、固形分55.6%、平均粒子径は、0.25μmであった。
【0033】
(実施例7)
実施例2において、ジビニルベンゼン0.2部添加した以外は実施例2と同様に重合を行った。得られた水性エマルジョンの粘度は、1450mPa・s、固形分55.4%、平均粒子径は、0.30μmであった。
【0034】
(比較例1)
実施例1において、界面活性剤をエレミノールJS−2(有効成分40%)1部に変更した以外は実施例1と同様に重合を行った。得られた水性エマルジョンの粘度は、30mPa・s、固形分は56.3%、平均粒子径は1.15μmであった。
【0035】
(比較例2)
実施例1において、界面活性剤をエレミノールJS−2(有効成分40%)、175部に変更した以外は実施例1と同様に重合を行った。得られた水性エマルジョンの粘度は、9600mPa・s、固形分は53.6%、平均粒子径は0.08μmであった。
【0036】
(比較例3)
実施例1で得られた水性エマルジョンを、増粘剤UH−420(旭電化工業(株))を用いて、粘度を4700mPa・sに調整した。
【0037】
(比較例4)
実施例1において、界面活性剤をエレミノールJS−2(有効成分40%)12.5部およびノイゲンEA−80(第一工業製薬(株))5部に変更した以外は実施例1と同様に重合行った。得られた水性エマルジョンの粘度は、400mPa・s、固形分は56.3%、平均粒子径は0.57μmであった。
【0038】
(比較例5)
実施例2において、ドデシルメルカプタン1.5部添加した以外は実施例2と同様に重合を行った。得られた水性エマルジョンの粘度は、1850mPa・s、固形分55.2%、平均粒子径は、0.23μmであった。
【0039】
(比較例6)
実施例2において、ジビニルベンゼン3部添加した以外は実施例2と同様に重合を行った。得られた水性エマルジョンの粘度は、1300mPa・s、固形分55.5%、平均粒子径は、0.33μmであった。
【0040】
実施例1〜7および比較例1〜6で得られた水性エマルジョンを用い、下記に示す物性試験を行った。
<塗工性>
水性エマルジョン型粘着剤をコンマコーター(ヒラノテクシード(株)製マルチコーター)を用い、離型処理したポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム上に塗工量が18g/m(DRY)となるように塗工し、100℃の乾燥炉で乾燥した。
塗工性の評価として、粘着剤塗工面のハジキ・チヂミ、平滑性を確認し、また樹脂の乾燥性を目視にて評価した。
【0041】
<粘着物性>
(加工品作製条件)
基材 55g/m2上質紙
塗工 転写18g/m2(dry)
乾燥 105℃×120秒
養生 室温×1日
(加工品物性の測定)
JIS Z 0237に準じて測定した。
粘着力(180°剥離):20℃×65%RH雰囲気下で、SUS#304板に2kgのローラーを1往復させて貼合し、20分後、180°剥離力を測定した(剥離速度 300mm/分)。(合格:1000g/in< )
保持力:20℃×65%RH雰囲気下で、SUS#304板に貼合し、20分間放置後、40℃での保持力を測定した。(合格:24hr<)
ボールタック:20℃×65%RH雰囲気下で、ボールタックを測定した。(J.Dow法)(合格:7<)
【0042】
<平均粒子径>
日機装社の粒子径分布測定器(Microtrac(UPA150))を使用した(50%頻度値を採用)。
結果を表1および2に示す。
【0043】
<乾燥皮膜のテトラヒドロフランの不溶分>
剥離シート上に水性エマルジョンを0.1mmの厚みで流延し、20℃、65%RH下で、3日間乾燥させ乾燥皮膜を作成した。得られた乾燥皮膜0.5gを50mlのテトラヒドロフラン(THF)に20℃下で1日浸績後、60メッシュのフィルターでろ過後、ろ過成分を乾燥し、秤量後、下式よりTHF不溶分を算出した。
THF不溶分(%)=(乾燥ろ過残分重量)/(THF浸績前重量)×100
【0044】
【表1】
Figure 0003834262
【0045】
【表2】
Figure 0003834262
【0046】
【発明の効果】
本発明によれば、水性エマルジョン型粘着剤中に内分泌撹乱物質であるアルキルフェノール基含有化合物を含有せず、該水性エマルジョン型粘着剤を剥離シート上に塗工した際、粘着剤層に筋、ハジキ、チヂミ、液ダレ等が発生せず、かつ生産性に優れる水性エマルジョン型粘着剤および粘着シートが提供される。

Claims (3)

  1. アルキル基の炭素数が1〜14の(メタ)アクリル酸アルキルエステルからなる不飽和単量体(A)、カルボキシル基含有不飽和単量体(B)、および下記式(1)〜(6)で示される少なくとも1種の界面活性剤(C)を含み、かつアルキルフェノール基含有化合物を含まない水性エマルジョンからなる水性エマルジョン型粘着剤であって、(a)該水性エマルジョンを構成する粒子の平均粒子径が0.1〜1μmであり、(b)固形分が50重量%以上であり、(c)B型粘度計の23℃、60rpmでの粘度が50mPa・s以上2000mPa・s未満であり、かつ(d)該水性エマルジョンから形成される乾燥皮膜のテトラヒドロフランの不溶分が20〜80重量%であることを特徴とする水性エマルジョン型粘着剤。
    Figure 0003834262
    Figure 0003834262
    Figure 0003834262
    Figure 0003834262
    (前記式中、Rはアルキル基、Mはアンモニウム塩または金属塩、AOはエチレンオキサイド(EO)、プロピレンオキサイド(PO)を含むアルキレンオキサイド、phはジスチレン化フェニル基であり、nは0〜50の整数を示す)
  2. (A)、(B)および(C)成分全体に対し、不飽和単量体(A)が85〜99.8重量%、カルボキシル基含有不飽和単量体(B)が0.1〜5重量%、界面活性剤(C)が0.1〜10重量%の割合で含まれる請求項1に記載の水性エマルジョン型粘着剤。
  3. 剥離シート上に、請求項1または2に記載の水性エマルジョン型粘着剤を塗工してなる粘着シート。
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