JP4332773B2 - 水性感圧接着剤樹脂組成物、接着剤、接着剤の塗工方法、及びその粘着製品。 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
粘着テープ、粘着シール、粘着ラベル、並びに表面保護用粘着テープ及びシート等の粘着製品を高速に生産するに好適な塗工方法、接着剤、及びその粘着製品に関する。
【0002】
【従来の技術】
粘着テープ、粘着ラベル等を製造する場合、テープまたはラベルに使用される基材へ直接塗工し乾燥した後に剥離紙と貼り合わせる方法と、剥離紙に塗工し乾燥した後に該基材へ転写する方法とがある。しかし、基材に直接塗工し乾燥する方法では、基材の種類によっては粘着剤の乾燥工程で熱変形する場合があり、良好な製品を得難いという問題がある。一方、剥離紙に塗工し乾燥後基材と貼り合わせる方法の場合、剥離紙は粘着剤の乾燥工程においても熱変形し難く、粘着テープまたは粘着ラベルの品質に関して、より良好なものが得られる。しかしながら、剥離紙に粘着剤を塗工する方法においては、剥離紙の表面エネルギーが低いために、従来の溶剤系では問題の無かった塗工が、水系化する場合には極めて難しいという問題がある。また、粘着製品の生産性の向上、生産コストの削減のために、粘着剤を高速で塗工する事がますます望まれている。
【0003】
まず、流動特性については、塗工の各段階、すなわち塗工前、塗工時、塗工後において粘着剤にかかるせん断速度は変化するため、その最適な流動特性を得ることは困難である。すなわち、塗工前(塗工液の移送時、塗工バンク内)のせん断速度は比較的低く、輸送効率、気泡混入の抑制においては、低粘度である方が好ましいが、塗工バンクからの液漏れ抑制については高粘度である方が好ましい。また、塗工時のせん断速度は非常に高く、平滑な塗工面を得るためには低粘度である方が好ましい。さらに塗工後においては、せん断速度は殆ど掛からないが、塗工液のハジキ、チジミ等を抑制するためには、高粘度である方が好ましいことが知られている。この相反する要求性能を満足させるために種々の試行錯誤がなされているが、より高速に塗工しようとすると、せん断速度の変化する範囲が大きくなるために、より塗工が困難になる。
【0004】
また、表面張力については、塗工基材、特に剥離紙に塗工する場合、剥離紙の表面エネルギーは非常に低いため、塗工される粘着剤の表面エネルギーも十分に低くないとハジキ、チジミ等が発生するという問題が発生する。さらに高速に塗工しようとした場合は、樹脂表面の更新に表面張力の低下が追従しなくなり、ハジキ、チジミ等の塗工欠陥が多発する問題が発生しやすくなる。
【0005】
この様な問題を解決するために、特開平3−227387号公報、特開平5−68928号公報、特開平8−218047号公報では、粘着剤の高せん断速度での流動性を調整することで良好な塗工面を得る方法を提案している。しかし、これらの方法では、剥離紙等の表面エネルギーが低い基材に水系の粘着剤を高速で塗工する場合、粘着剤の濡れ性が十分でないためハジキ、チジミを発生しやすいという問題がある。
【0006】
また、特開2001−181590号公報では、粘着剤組成物を水で、重量を2倍に希釈した組成物の表面張力を25〜38mN/mに調整することで、剥離紙に塗工した場合でもハジキ、チジミがなく塗工する方法が提案されている。しかし、この方法でいう表面張力は、ウィルヘルミ法を用いて測定された静的表面張力であり、実際の塗工における動的条件下とは相関性がなく、特に高速で塗工する場合には、静的表面張力をいくら低く調整しても実際の塗工ではハジキやチジミの抑制を達成することは出来なかった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、粘着剤に大きなせん断速度がかかる高速での塗工に適し、特に表面エネルギーの非常に低くハジキやチジミが発生しやすい剥離紙等の基材に高速塗工された場合でも、ハジキやチジミがなく平滑な塗工面が得られる、水系感圧接着剤組成物、接着剤とその塗工方法、これから得られる粘着製品を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は前記問題点の解決につき鋭意検討の結果、高速に塗工され樹脂表面が随時更新されるような条件では、動的表面張力が低い水性感圧接着剤を用いること、更にこれを用いた高速塗工方法が上記の問題を解決できることを見出し、本発明を完成した。前記動的表面張力とは、最大泡圧法で測定した表面張力を意味する。
【0009】
また、上記に加えて、水性感圧接着剤が低せん断速度における粘度と高せん断速度における粘度がある特定の流動特性を示すものが、特に好ましいことを見出した。
【0010】
即ち、本発明は、アクリル系重合体エマルジョン[A]とレベリング剤[B]とからなる水性感圧接着剤組成物であって、固形分15重量%に水希釈した該組成物の最大泡圧法における表面張力が、泡発生速度0.2秒/個のとき、30〜41mN/mであり、かつ、前記レベリング剤[B]がアセチレンジオール系界面活性剤であることを特徴とする水性感圧接着剤組成物、水性感圧接着剤、及びその粘着製品を提供する。
【0011】
また、本発明は、前記水性感圧接着剤を50〜400m/分で塗工することを特徴とする、水性感圧接着剤の塗工方法をも提供する。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の水性感圧接着剤組成物の動的表面張力としては、固形分15重量%に水希釈した該組成物の最大泡圧法における表面張力が、泡発生速度0.2秒/個のとき、30〜41mN/mであることが特に好ましい。なお、前記動的表面張力が50mN/m以上の場合、剥離紙等の表面エネルギーの低い基材に塗工した場合、ハジキやチジミが発生して好ましくない。前記「最大泡圧法における表面張力」とは、協和界面科学(株)製の自動動的表面張力計「BP−D3」を用いて測定したものである。
【0013】
本発明において用いられるアクリル系重合体エマルジョン[A]としては、例えば、(メタ)アクリル酸アルキルエステルを主成分とするエチレン性不飽和単量体混合物を、種々の方法によって水媒体中でラジカル乳化重合する事により容易に得ることが出来る。乳化重合においては必要に応じ、連鎖移動剤又は可塑剤等を添加しても良い。
【0014】
前記(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、例えば、かかるエチレン性不飽和単量体としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル類が挙げられる。また、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸等の不飽和(ジ)カルボン酸及び/又はかかる不飽和ジカルボン酸のハーフエステル等のカルボキシル基含有エチレン性不飽和カルボン酸;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル類;(メタ)アクリロニトリル等のニトリル基含有エチレン性不飽和単量体;スチレン、α―メチルスチレンなどの芳香族環を有するビニル化合物;グリシジル(メタ)アクリレート等のグリシジル基含有重合性単量体;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等の水酸基含有重合性単量体;N,N―ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート等のアミノ基含有重合性単量体;N−メチロール(メタ)アクリルアミド等のメチロールアミド基あるいはそのアルコキシ化物含有重合性単量体;ビニルトリメトキシシラン等のシリル基含有重合性単量体;(メタ)アクリルアミド等のアミド基含有重合性単量体;ジアセトン(メタ)アクリルアミド等のカルボニル基含有重合性単量体;エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジアリルフタレート、アリル(メタ)アクリレート、ジビニルベンゼン等の多官能エチレン性不飽和単量体等が挙げられる。
【0015】
前記エチレン性不飽和単量体を重合する際に用いる重合開始剤としては、ラジカル重合開始剤が用いられ、例えば、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩類、過酸化ベンゾイル、クメンハイドロパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド等の有機過酸化物類、過酸化水素等があり、これら過酸化物のみを用いてラジカル重合するか、或いは前記過酸化物と、アスコルビン酸、ホルムアルデヒドスルホキシラートの金属塩、チオ硫酸ナトリウム、重亜硫酸ナトリウム、塩化第二鉄等のような還元剤とを併用したレドックス重合開始剤系によっても重合でき、また、4,4’−アゾビス(4−シアノ)吉草酸)、2,2’−アゾビス(2−アミノジプロパン)二塩酸塩等のアゾ系開始剤を使用することも可能であり、これらの1種または2種以上の混合物が使用できる。
【0016】
上記のアクリル系重合体エマルジョン[A]の濃度は、塗工量、流動特性により適宜調整することが可能であるが、例えば、不揮発分40〜65重量%の範囲が好ましい。
【0017】
また、本発明で使用するレベリング剤(B)としては、固形分15重量%に水希釈した前記組成物の最大泡圧法における表面張力が、泡発生速度0.2秒/個のとき、30〜41mN/mにする事が出来るもので有れば特に限定される物ではない。
【0021】
また、更に、アセチレンジオール系界面活性剤を使用することが、最大泡圧法における泡発生速度0.2個/秒における表面張力を著しく低下させることができ、塗工性に優れるため好ましい。このアセチレンジオール系の界面活性剤としては、サーフィノール104PA、サーフィノール420、サーフィノール440、サーフィノール465、サーフィノール504、サーフィノールPSA204、サーフィノールPSA216、サーフィノールPSA336、ダイノール604(エアープロダクツ・ジャパン(株)製)が挙げられ、これらの1種または2種以上の混合物を使用する事ができる。
【0022】
前記レベリング剤(B)の配合量は、泡発生速度0.2秒/個のとき、30〜41mN/mとなるように、調整できれば、特に限定されないが、例えば、アクリル系重合体エマルジョン100重量部あたり、0.1〜5重量部が好ましい。
【0023】
更に、レベリング性を向上させるためには、水溶性溶剤を併用することもでき、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、エチルカルビトール、エチルセルソルブ、ブチルセルソルブ等のアルコール類、N−メチルピロリドン等の極性溶剤が挙げられ、これらの1種または2種以上の混合物が使用できる。
【0024】
上記手法によって得られたアクリル系重合体エマルジョンは、その安定性を向上させるために、常法に従いアルカリ中和例えばアンモニア水による中和を行うことが出来るほか、目的とする水性感圧接着剤組成物に要求される物性や性能を付与するために、粘着剤の分野で使用されている配合剤を必要に応じて添加してもよい。添加できる配合剤としては、例えば増粘剤、機械的安定性付与剤、粘着付与樹脂、架橋剤、消泡剤、防腐剤、顔料、充填剤、凍結防止剤等がある。
【0025】
本発明の接着剤は、上記の水性感圧接着剤樹脂組成物を塗工し、乾燥して得られる。
【0026】
次いで、本発明の水性感圧接着剤の塗工方法について説明する。本発明の塗工方法は、メタ)アクリル酸アルキルエステルを主成分とするアクリル系重合体エマルジョン[A]とレベリング剤[B]とからなる水性感圧接着剤組成物であって、該組成物を固形分15重量%に水希釈したときの最大泡圧法における表面張力が、泡発生速度0.2秒/個のとき、50mN/m以下である事を特徴とする水性感圧接着剤組成物を50〜400m/分で塗工する塗工方法である。
【0027】
上記の前記水性感圧接着剤としては、前述の水性感圧接着剤組成物からなる水性感圧接着剤を用いることが好ましい。この場合、粘着製品を製造するために通常用いられる塗工方法を使用でき、この塗工方法として、例えば、ロールコーター、コンマコーター、ファウンテンダイコーター、グラビアコーター、リップコーター等を例示できる。この様な塗工方法においては、粘着剤の移送方法、塗工バンク形状等により取り扱い性を向上させるために要求される粘度は異なるため、水性感圧接着剤樹脂組成物を通常に使用される増粘剤により増粘させる必要がある。この増粘剤としては変性ポリアクリル酸ソーダ系増粘剤及び変性ポリウレタン系増粘剤等を例示できる。粘着剤組成物の塗工速度が遅い場合、塗工機内部において粘着剤組成物が移送されるときに加えられるせん断速度と、粘着剤組成物が塗工されるときに加えられるせん断速度には顕著な差は無いが、高速で塗工する場合、塗工速度を増加するにしたがって、塗工機内部において粘着剤組成物が移送されるときに加えられるせん断速度と、塗工されるときに加えられるせん断速度には明確な相違が生じることとなる。従って、高速で粘着製品を製造するために用いる粘着剤組成物については、低せん断速度における粘度と高せん断速度における粘度の双方を考慮し、双方を制御することが必要となる。
【0028】
すなわち、該水性感圧接着剤組成物の流動特性が、せん断速度0.1(1/s)の時の粘度[Pa]と、1×103(1/s)の時の粘度[Pb]の比が、[Pa]/[Pb]=20〜10000であり、[Pa]/[Pb]=20〜1000であることがより好ましい。[Pa]/[Pb]=20以下の場合は、ハジキやチジミが発生し、[Pa]/[Pb]=10000以上の場合は、塗工面の平滑性が悪く、また樹脂からの気泡の抜けが悪くなる。ここで、「流動特性」は、Rheometrics社製RFSIIを用いて、測定部として同軸二重円筒(カップ半径17.0mm、ボブ半径16.0mm、ボブ長さ33.4mm)で、25℃において平衡流動測定(測定せん断速度0.1〜1000(1/s))を行ったときの、0.1(1/s)での粘度[Pa]と1×103(1/s)での粘度[Pb]の比[Pa]/[Pb]のことである。前記[Pa]/[Pb]は、本発明に用いるアクリル系重合体エマルジョン[A]の粒径、濃度等を考慮して、必要に応じて、前述の例えば変性ポリアクリル酸ソーダ系増粘剤及び変性ポリウレタン系増粘剤等の増粘剤を調整できる。
【0029】
本発明によれば、高速塗工によって良好な塗工面を容易に得ることができ、特に表面エネルギーの低い基材に塗工する場合でも、ハジキやチジミがなく、平滑な塗工面を得ることができる。
【0030】
本発明の各種粘着製品は、対応する基材に塗工、乾燥して粘着テープ、粘着シール、粘着ラベル、並びに表面保護用粘着テープ及びシート等の粘着製品を得ることができる。
【0031】
【実施例】
以下に実施例について具体的に説明するが、これに限定されるものではない。なお例中の部および重量%はすべて重量基準とする。
【0032】
合成例1
(1−1)(メタ)アクリル酸アルキルエステルを主成分とするアクリル系共重合体エマルジョン(A)の調製
攪拌機、還流冷却管、窒素導入管、温度計、滴下漏斗を備えた反応容器に脱イオン水135部を入れ、窒素を吹き込みながら75℃まで昇温した。攪拌下、過硫酸カリウム0.1部を添加し、続いて2−エチルヘキシルアクリレート344部、メチルメタクリレート48部、メタクリル酸8部、グリシジルメタクリレート1部からなる単量体混合物に、ニューコール707SF(日本乳化剤(株)製:有効成分30%)40部と脱イオン水60部を加えて乳化させたモノマープレエマルジョン(前記単量体混合物と乳化剤と水でモノマーを乳化状態にしたものを云う)の一部(3部)を添加し、反応容器内温度を75℃に保ちながら60分間で重合させた。引き続き、反応容器内温度を75℃に保ちながら、残りのモノマープレエマルジョン(498部)と、過硫酸カリウムの水溶液(有効成分1%)30部を、各々別の滴下漏斗を使用して、反応容器内温度を75℃に保ちながら240分間かけて滴下して重合せしめた。滴下終了後、同温度にて120分間攪拌した。その後、内容物を冷却し、pHが7.5になるようにアンモニア水(有効成分10%)で調整した。さらに、固形分濃度が55.0%になるように脱イオン水で調整した後、100メッシュ金網で濾過し、本発明のアクリル系共重合体エマルジョン[A−1]を得た。このアクリル系共重合体エマルジョン[A]の固形分濃度は55.0%、pHは7.5であり、粘度は380mPa・s(BM型粘度計を使用して、ローター2番で60rpmで測定)であった。
【0033】
実施例1
水性感圧接着剤樹脂組成物
合成例1で得られたアクリル系共重合体エマルジョン[A−1]100部に、レベリング剤としてダイノール604(エアプロダクツジャパン(株)製)0.9部と脱イオン水3.0部を添加混合し、粘度300mPa・s(BM型粘度計を使用して、ローター2番で60rpmで測定)の水性感圧接着剤樹脂組成物を得た。この水性感圧接着剤樹脂組成物を固形分15%に水希釈したときの最大泡圧法における表面張力は、泡発生速度0.2個/秒のとき、36mN/mであり、流動特性は、せん断速度0.1(1/s)の時の粘度[Pa]=1Pa・sで、1×103(1/s)のときの粘度[Pb]=0.05Pa・sで、[Pa]/[Pb]=20であった。また、この水性感圧接着剤樹脂組成物を水でその重量の2倍に希釈したときの静的表面張力は、32mN/mであった。この水性感圧接着剤樹脂組成物を、シリコン系離軽剤で表面処理された剥離紙上に、リップコーターを用いて、塗工速度200m/minで乾燥後の塗工厚が25μmになるように塗工し、得られた塗工面の状態を観察したところ、筋、ハジキ及びチジミは無く良好な塗工面であった。ここで「静的表面張力」とは、ウィルヘルミ法により測定した表面張力であって、具体的には、協和界面科学(株)製「DIGI−O−MATICES B−IV」を用いて測定した。
【0034】
実施例1〜3及び比較例1〜3実施例と同じアクリル系共重合体エマルジョン[A]を用いて、増粘後の粘度、レベリング剤の種類、使用量を変化させた他は、実施例1と同様の操作を行い、得られた水性感圧接着剤樹脂組成物について同様に物性値及び塗工性能を評価した。その結果を実施例1と併せて表1に示す。なお、表中の塗工性の評価における○は、全く問題のなかったものを、△は塗工面の一部にそれぞれの欠陥が認められたもの、×は全面にそれぞれの欠陥が認められたものを表わす。
【0035】
【表1】
【0036】
表中の単位は下記のものを用いる。
*1;(mPa・s/25℃) *2及び*3;(mN/m)
(mN/m)
【0037】
【発明の効果】
本発明によれば、高速塗工によって良好な塗工面を容易に得ることができ、特に表面エネルギーが低い基材に塗工する場合でも、ハジキやチジミがなく、平滑な塗工面を得ることが出来る。
Claims (5)
- アクリル系重合体エマルジョン[A]とレベリング剤[B]とからなる水性感圧接着剤組成物であって、固形分15重量%に水希釈した該組成物の最大泡圧法における表面張力が、泡発生速度0.2秒/個のとき、30〜41mN/mであり、かつ、前記レベリング剤[B]がアセチレンジオール系界面活性剤であることを特徴とする水性感圧接着剤組成物。
- 該水性感圧接着剤組成物が、せん断速度0.1(1/s)の時の粘度[Pa]と、1×103(1/s)の時の粘度[Pb]との比が、[Pa]/[Pb]=20〜10000の流動特性をもつものである請求項1に記載の水性感圧接着剤組成物。
- 請求項1または2記載の水性感圧接着剤組成物からなることを特徴とする水性感圧接着剤。
- 請求項3記載の接着剤を塗工速度50〜400m/分で塗工することを特徴とする、水性感圧接着剤の塗工方法。
- 請求項4に記載の塗工方法を用いて、塗工した粘着製品。
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