JP2003277708A - 水性感圧接着剤樹脂組成物、接着剤、接着剤の塗工方法、及びその粘着製品。 - Google Patents

水性感圧接着剤樹脂組成物、接着剤、接着剤の塗工方法、及びその粘着製品。

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JP2003277708A
JP2003277708A JP2002083050A JP2002083050A JP2003277708A JP 2003277708 A JP2003277708 A JP 2003277708A JP 2002083050 A JP2002083050 A JP 2002083050A JP 2002083050 A JP2002083050 A JP 2002083050A JP 2003277708 A JP2003277708 A JP 2003277708A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 粘着剤に大きなせん断速度がか
かる高速での塗工に適し、特に表面エネルギーの非常に
低くハジキやチジミが発生しやすい剥離紙等の基材に高
速塗工された場合でも、ハジキやチジミがなく平滑な塗
工面が得られる、水系感圧接着剤組成物、接着剤とその
塗工方法、これから得られる粘着製品を提供すること。 【解決手段】 アクリル系重合体エマルジョン
[A]とレベリング剤[B]とからなる水性感圧接着剤
組成物であって、固形分15重量%に水希釈した該組成
物の最大泡圧法における表面張力が、泡発生速度0.2
秒/個のとき、50mN/m以下であることを特徴とす
る水性感圧接着剤組成物、水性感圧接着剤、及びその粘
着製品。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】粘着テープ、粘着シール、粘
着ラベル、並びに表面保護用粘着テープ及びシート等の
粘着製品を高速に生産するに好適な塗工方法、接着剤、
及びその粘着製品に関する。
【0002】
【従来の技術】粘着テープ、粘着ラベル等を製造する場
合、テープまたはラベルに使用される基材へ直接塗工し
乾燥した後に剥離紙と貼り合わせる方法と、剥離紙に塗
工し乾燥した後に該基材へ転写する方法とがある。しか
し、基材に直接塗工し乾燥する方法では、基材の種類に
よっては粘着剤の乾燥工程で熱変形する場合があり、良
好な製品を得難いという問題がある。一方、剥離紙に塗
工し乾燥後基材と貼り合わせる方法の場合、剥離紙は粘
着剤の乾燥工程においても熱変形し難く、粘着テープま
たは粘着ラベルの品質に関して、より良好なものが得ら
れる。しかしながら、剥離紙に粘着剤を塗工する方法に
おいては、剥離紙の表面エネルギーが低いために、従来
の溶剤系では問題の無かった塗工が、水系化する場合に
は極めて難しいという問題がある。また、粘着製品の生
産性の向上、生産コストの削減のために、粘着剤を高速
で塗工する事がますます望まれている。
【0003】まず、流動特性については、塗工の各段
階、すなわち塗工前、塗工時、塗工後において粘着剤に
かかるせん断速度は変化するため、その最適な流動特性
を得ることは困難である。すなわち、塗工前(塗工液の
移送時、塗工バンク内)のせん断速度は比較的低く、輸
送効率、気泡混入の抑制においては、低粘度である方が
好ましいが、塗工バンクからの液漏れ抑制については高
粘度である方が好ましい。また、塗工時のせん断速度は
非常に高く、平滑な塗工面を得るためには低粘度である
方が好ましい。さらに塗工後においては、せん断速度は
殆ど掛からないが、塗工液のハジキ、チジミ等を抑制す
るためには、高粘度である方が好ましいことが知られて
いる。この相反する要求性能を満足させるために種々の
試行錯誤がなされているが、より高速に塗工しようとす
ると、せん断速度の変化する範囲が大きくなるために、
より塗工が困難になる。
【0004】また、表面張力については、塗工基材、特
に剥離紙に塗工する場合、剥離紙の表面エネルギーは非
常に低いため、塗工される粘着剤の表面エネルギーも十
分に低くないとハジキ、チジミ等が発生するという問題
が発生する。さらに高速に塗工しようとした場合は、樹
脂表面の更新に表面張力の低下が追従しなくなり、ハジ
キ、チジミ等の塗工欠陥が多発する問題が発生しやすく
なる。
【0005】この様な問題を解決するために、特開平3
−227387号公報、特開平5−68928号公報、
特開平8−218047号公報では、粘着剤の高せん断
速度での流動性を調整することで良好な塗工面を得る方
法を提案している。しかし、これらの方法では、剥離紙
等の表面エネルギーが低い基材に水系の粘着剤を高速で
塗工する場合、粘着剤の濡れ性が十分でないためハジ
キ、チジミを発生しやすいという問題がある。
【0006】また、特開2001−181590号公報
では、粘着剤組成物を水で、重量を2倍に希釈した組成
物の表面張力を25〜38mN/mに調整することで、
剥離紙に塗工した場合でもハジキ、チジミがなく塗工す
る方法が提案されている。しかし、この方法でいう表面
張力は、ウィルヘルミ法を用いて測定された静的表面張
力であり、実際の塗工における動的条件下とは相関性が
なく、特に高速で塗工する場合には、静的表面張力をい
くら低く調整しても実際の塗工ではハジキやチジミの抑
制を達成することは出来なかった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、粘着
剤に大きなせん断速度がかかる高速での塗工に適し、特
に表面エネルギーの非常に低くハジキやチジミが発生し
やすい剥離紙等の基材に高速塗工された場合でも、ハジ
キやチジミがなく平滑な塗工面が得られる、水系感圧接
着剤組成物、接着剤とその塗工方法、これから得られる
粘着製品を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者等は前記問題点
の解決につき鋭意検討の結果、高速に塗工され樹脂表面
が随時更新されるような条件では、動的表面張力が低い
水性感圧接着剤を用いること、更にこれを用いた高速塗
工方法が上記の問題を解決できることを見出し、本発明
を完成した。前記動的表面張力とは、最大泡圧法で測定
した表面張力を意味する。
【0009】また、上記に加えて、水性感圧接着剤が低
せん断速度における粘度と高せん断速度における粘度が
ある特定の流動特性を示すものが、特に好ましいことを
見出した。
【0010】即ち、本発明は、アクリル系重合体エマル
ジョン[A]とレベリング剤[B]とからなる水性感圧
接着剤組成物であって、固形分15重量%に水希釈した
該組成物の最大泡圧法における表面張力が、泡発生速度
0.2秒/個のとき、50mN/m以下である事を特徴
とする水性感圧接着剤組成物、水性感圧接着剤、及びそ
の粘着製品を提供する。
【0011】また、本発明は、アクリル系重合体エマル
ジョン[A]とレベリング剤[B]とからなる水性感圧
接着剤組成物であって、固形分15重量%に水希釈した
該組成物の最大泡圧法における表面張力が、泡発生速度
0.2秒/個のとき、50mN/m以下である水性感圧
接着剤を50〜400m/分で塗工することを特徴とす
る、水性感圧接着剤の塗工方法をも提供する。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の水性感圧接着剤組成物の
動的表面張力としては、固形分15重量%に水希釈した
該組成物の最大泡圧法における表面張力が、泡発生速度
0.2秒/個のとき、30〜50mN/mであることが
好ましく、30〜40mN/mであることが特に好まし
い。なお、前記動的表面張力が50mN/m以上の場
合、剥離紙等の表面エネルギーの低い基材に塗工した場
合、ハジキやチジミが発生して好ましくない。前記「最
大泡圧法における表面張力」とは、協和界面科学(株)
製の自動動的表面張力計「BP−D3」を用いて測定し
たものである。
【0013】本発明において用いられるアクリル系重合
体エマルジョン[A]としては、例えば、(メタ)アク
リル酸アルキルエステルを主成分とするエチレン性不飽
和単量体混合物を、種々の方法によって水媒体中でラジ
カル乳化重合する事により容易に得ることが出来る。乳
化重合においては必要に応じ、連鎖移動剤又は可塑剤等
を添加しても良い。
【0014】前記(メタ)アクリル酸アルキルエステル
としては、例えば、かかるエチレン性不飽和単量体とし
ては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル
(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレー
ト、i−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メ
タ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリ
レート、ヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシ
ル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレー
ト、ノニル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)ア
クリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソボ
ルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メ
タ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ベ
ンジル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エ
ステル類が挙げられる。また、アクリル酸、メタクリル
酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸等
の不飽和(ジ)カルボン酸及び/又はかかる不飽和ジカ
ルボン酸のハーフエステル等のカルボキシル基含有エチ
レン性不飽和カルボン酸;酢酸ビニル、プロピオン酸ビ
ニル等のビニルエステル類;(メタ)アクリロニトリル
等のニトリル基含有エチレン性不飽和単量体;スチレ
ン、α―メチルスチレンなどの芳香族環を有するビニル
化合物;グリシジル(メタ)アクリレート等のグリシジ
ル基含有重合性単量体;2−ヒドロキシエチル(メタ)
アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレ
ート等の水酸基含有重合性単量体;N,N―ジアルキル
アミノアルキル(メタ)アクリレート等のアミノ基含有
重合性単量体;N−メチロール(メタ)アクリルアミド
等のメチロールアミド基あるいはそのアルコキシ化物含
有重合性単量体;ビニルトリメトキシシラン等のシリル
基含有重合性単量体;(メタ)アクリルアミド等のアミ
ド基含有重合性単量体;ジアセトン(メタ)アクリルア
ミド等のカルボニル基含有重合性単量体;エチレングリ
コールジ(メタ)アクリレート、ジアリルフタレート、
アリル(メタ)アクリレート、ジビニルベンゼン等の多
官能エチレン性不飽和単量体等が挙げられる。
【0015】前記エチレン性不飽和単量体を重合する際
に用いる重合開始剤としては、ラジカル重合開始剤が用
いられ、例えば、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、
過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩類、過酸化ベンゾイ
ル、クメンハイドロパーオキサイド、t−ブチルハイド
ロパーオキサイド等の有機過酸化物類、過酸化水素等が
あり、これら過酸化物のみを用いてラジカル重合する
か、或いは前記過酸化物と、アスコルビン酸、ホルムア
ルデヒドスルホキシラートの金属塩、チオ硫酸ナトリウ
ム、重亜硫酸ナトリウム、塩化第二鉄等のような還元剤
とを併用したレドックス重合開始剤系によっても重合で
き、また、4,4’−アゾビス(4−シアノ)吉草
酸)、2,2’−アゾビス(2−アミノジプロパン)二
塩酸塩等のアゾ系開始剤を使用することも可能であり、
これらの1種または2種以上の混合物が使用できる。
【0016】上記のアクリル系重合体エマルジョン
[A]の濃度は、塗工量、流動特性により適宜調整する
ことが可能であるが、例えば、不揮発分40〜65重量
%の範囲が好ましい。
【0017】また、本発明で使用するレベリング剤
(B)としては、固形分15重量%に水希釈した前記組
成物の最大泡圧法における表面張力が、泡発生速度0.
2秒/個のとき、50mN/m以下にする事が出来るも
ので有れば特に限定される物ではなく、陰イオン性界面
活性剤、非イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性
剤、両性イオン性界面活性剤が挙げられ、さらに具体的
には、陰イオン性界面活性剤としては、例えば、高級ア
ルコールの硫酸エステル及びその塩、アルキルベンゼン
スルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルス
ルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルジフェニルエ
ーテルスルホン酸塩、アルキルジフェニルエーテルジス
ルホン酸塩、コハク酸ジアルキルエステルスルホン酸塩
等が挙げられ、非イオン性界面活性剤としては、例え
ば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシ
エチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレ
ンジフェニルエーテル、ポリオキシエチレン−ポリオキ
シプロピレンブロック共重合体、アセチレンジオール系
界面活性剤等が挙げられ、陽イオン性界面活性剤として
は、例えば、アルキル(アミド)ベタイン、アルキルジ
メチルアミンオキシド等が挙げられ、これらの1種また
は2種以上の混合物を使用することが出来る。
【0018】また、上記の界面活性剤の他に、特殊界面
活性剤として、フッ素系界面活性剤や、シリコーン系界
面活性剤を使用することもできる。
【0019】これらの中でも、陰イオン性界面活性剤と
して、コハク酸ジアルキルエステルスルホン酸塩系の界
面活性剤、非イオン性界面活性剤としてアセチレンジオ
ール系界面活性剤、フッ素系界面活性剤としては、メガ
ファックF−142D、メガファックF−1405(大
日本インキ化学工業(株)製)、ZONYL FSN
(デュポン(株)製)等のパーフルオロアルキルエチレ
ンオキサイド付加物、シリコーン系界面活性剤として
は、SILWET FZ−2166(日本ユニカー
(株)製)、BYK 348(ビックケミー・ジャパン
(株)製)等のポリエーテル変性ジメチルシロキサンが
挙げられ、これらの1種または2種以上の混合物を使用
する事が、塗工性に優れる点から好ましい。
【0020】これらの中でも、コハク酸ジアルキルエス
テルスルホン酸塩系界面活性剤であるAEROSOL
OT−75(三井サイテック株式会社製)が好ましい。
【0021】また、更に、アセチレンジオール系界面活
性剤を使用することが、最大泡圧法における泡発生速度
0.2個/秒における表面張力を著しく低下させること
ができ、塗工性に優れるため好ましい。このアセチレン
ジオール系の界面活性剤としては、サーフィノール10
4PA、サーフィノール420、サーフィノール44
0、サーフィノール465、サーフィノール504、サ
ーフィノールPSA204、サーフィノールPSA21
6、サーフィノールPSA336、ダイノール604
(エアープロダクツ・ジャパン(株)製)が挙げられ、
これらの1種または2種以上の混合物を使用する事がで
きる。
【0022】前記レベリング剤(B)の配合量は、泡発
生速度0.2秒/個のとき、50mN/m以下となるよ
うに、調整できれば、特に限定されないが、例えば、ア
クリル系重合体エマルジョン100重量部あたり、0.
1〜5重量部が好ましい。
【0023】更に、レベリング性を向上させるために
は、水溶性溶剤を併用することもでき、例えば、メチル
アルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコー
ル、エチルカルビトール、エチルセルソルブ、ブチルセ
ルソルブ等のアルコール類、N−メチルピロリドン等の
極性溶剤が挙げられ、これらの1種または2種以上の混
合物が使用できる。
【0024】上記手法によって得られたアクリル系重合
体エマルジョンは、その安定性を向上させるために、常
法に従いアルカリ中和例えばアンモニア水による中和を
行うことが出来るほか、目的とする水性感圧接着剤組成
物に要求される物性や性能を付与するために、粘着剤の
分野で使用されている配合剤を必要に応じて添加しても
よい。添加できる配合剤としては、例えば増粘剤、機械
的安定性付与剤、粘着付与樹脂、架橋剤、消泡剤、防腐
剤、顔料、充填剤、凍結防止剤等がある。
【0025】本発明の接着剤は、上記の水性感圧接着剤
樹脂組成物を塗工し、乾燥して得られる。
【0026】次いで、本発明の水性感圧接着剤の塗工方
法について説明する。本発明の塗工方法は、メタ)アク
リル酸アルキルエステルを主成分とするアクリル系重合
体エマルジョン[A]とレベリング剤[B]とからなる
水性感圧接着剤組成物であって、該組成物を固形分15
重量%に水希釈したときの最大泡圧法における表面張力
が、泡発生速度0.2秒/個のとき、50mN/m以下
である事を特徴とする水性感圧接着剤組成物を50〜4
00m/分で塗工する塗工方法である。
【0027】上記の前記水性感圧接着剤としては、前述
の水性感圧接着剤組成物からなる水性感圧接着剤を用い
ることが好ましい。この場合、粘着製品を製造するため
に通常用いられる塗工方法を使用でき、この塗工方法と
して、例えば、ロールコーター、コンマコーター、ファ
ウンテンダイコーター、グラビアコーター、リップコー
ター等を例示できる。この様な塗工方法においては、粘
着剤の移送方法、塗工バンク形状等により取り扱い性を
向上させるために要求される粘度は異なるため、水性感
圧接着剤樹脂組成物を通常に使用される増粘剤により増
粘させる必要がある。この増粘剤としては変性ポリアク
リル酸ソーダ系増粘剤及び変性ポリウレタン系増粘剤等
を例示できる。粘着剤組成物の塗工速度が遅い場合、塗
工機内部において粘着剤組成物が移送されるときに加え
られるせん断速度と、粘着剤組成物が塗工されるときに
加えられるせん断速度には顕著な差は無いが、高速で塗
工する場合、塗工速度を増加するにしたがって、塗工機
内部において粘着剤組成物が移送されるときに加えられ
るせん断速度と、塗工されるときに加えられるせん断速
度には明確な相違が生じることとなる。従って、高速で
粘着製品を製造するために用いる粘着剤組成物について
は、低せん断速度における粘度と高せん断速度における
粘度の双方を考慮し、双方を制御することが必要とな
る。
【0028】すなわち、該水性感圧接着剤組成物の流動
特性が、せん断速度0.1(1/s)の時の粘度[P
a]と、1×10(1/s)の時の粘度[Pb]の比
が、[Pa]/[Pb]=20〜10000であり、
[Pa]/[Pb]=20〜1000であることがより
好ましい。[Pa]/[Pb]=20以下の場合は、ハ
ジキやチジミが発生し、[Pa]/[Pb]=1000
0以上の場合は、塗工面の平滑性が悪く、また樹脂から
の気泡の抜けが悪くなる。ここで、「流動特性」は、R
heometrics社製RFSIIを用いて、測定部
として同軸二重円筒(カップ半径17.0mm、ボブ半
径16.0mm、ボブ長さ33.4mm)で、25℃に
おいて平衡流動測定(測定せん断速度0.1〜1000
(1/s))を行ったときの、0.1(1/s)での粘
度[Pa]と1×10(1/s)での粘度[Pb]の
比[Pa]/[Pb]のことである。前記[Pa]/
[Pb]は、本発明に用いるアクリル系重合体エマルジ
ョン[A]の粒径、濃度等を考慮して、必要に応じて、
前述の例えば変性ポリアクリル酸ソーダ系増粘剤及び変
性ポリウレタン系増粘剤等の増粘剤を調整できる。
【0029】本発明によれば、高速塗工によって良好な
塗工面を容易に得ることができ、特に表面エネルギーの
低い基材に塗工する場合でも、ハジキやチジミがなく、
平滑な塗工面を得ることができる。
【0030】本発明の各種粘着製品は、対応する基材に
塗工、乾燥して粘着テープ、粘着シール、粘着ラベル、
並びに表面保護用粘着テープ及びシート等の粘着製品を
得ることができる。
【0031】
【実施例】以下に実施例について具体的に説明するが、
これに限定されるものではない。なお例中の部および重
量%はすべて重量基準とする。
【0032】合成例1 (1−1)(メタ)アクリル酸アルキルエステルを主成
分とするアクリル系共重合体エマルジョン(A)の調製 攪拌機、還流冷却管、窒素導入管、温度計、滴下漏斗を
備えた反応容器に脱イオン水135部を入れ、窒素を吹
き込みながら75℃まで昇温した。攪拌下、過硫酸カリ
ウム0.1部を添加し、続いて2−エチルヘキシルアク
リレート344部、メチルメタクリレート48部、メタ
クリル酸8部、グリシジルメタクリレート1部からなる
単量体混合物に、ニューコール707SF(日本乳化剤
(株)製:有効成分30%)40部と脱イオン水60部
を加えて乳化させたモノマープレエマルジョン(前記単
量体混合物と乳化剤と水でモノマーを乳化状態にしたも
のを云う)の一部(3部)を添加し、反応容器内温度を
75℃に保ちながら60分間で重合させた。引き続き、
反応容器内温度を75℃に保ちながら、残りのモノマー
プレエマルジョン(498部)と、過硫酸カリウムの水
溶液(有効成分1%)30部を、各々別の滴下漏斗を使
用して、反応容器内温度を75℃に保ちながら240分
間かけて滴下して重合せしめた。滴下終了後、同温度に
て120分間攪拌した。その後、内容物を冷却し、pH
が7.5になるようにアンモニア水(有効成分10%)
で調整した。さらに、固形分濃度が55.0%になるよ
うに脱イオン水で調整した後、100メッシュ金網で濾
過し、本発明のアクリル系共重合体エマルジョン[A−
1]を得た。このアクリル系共重合体エマルジョン
[A]の固形分濃度は55.0%、pHは7.5であ
り、粘度は380mPa・s(BM型粘度計を使用し
て、ローター2番で60rpmで測定)であった。
【0033】実施例1 水性感圧接着剤樹脂組成物 合成例1で得られたアクリル系共重合体エマルジョン
[A−1]100部に、レベリング剤としてダイノール
604(エアプロダクツジャパン(株)製)0.9部と
脱イオン水3.0部を添加混合し、粘度300mPa・
s(BM型粘度計を使用して、ローター2番で60rp
mで測定)の水性感圧接着剤樹脂組成物を得た。この水
性感圧接着剤樹脂組成物を固形分15%に水希釈したと
きの最大泡圧法における表面張力は、泡発生速度0.2
個/秒のとき、36mN/mであり、流動特性は、せん
断速度0.1(1/s)の時の粘度[Pa]=1Pa・
sで、1×10(1/s)のときの粘度[Pb]=
0.05Pa・sで、[Pa]/[Pb]=20であっ
た。また、この水性感圧接着剤樹脂組成物を水でその重
量の2倍に希釈したときの静的表面張力は、32mN/
mであった。この水性感圧接着剤樹脂組成物を、シリコ
ン系離軽剤で表面処理された剥離紙上に、リップコータ
ーを用いて、塗工速度200m/minで乾燥後の塗工
厚が25μmになるように塗工し、得られた塗工面の状
態を観察したところ、筋、ハジキ及びチジミは無く良好
な塗工面であった。ここで「静的表面張力」とは、ウィ
ルヘルミ法により測定した表面張力であって、具体的に
は、協和界面科学(株)製「DIGI−O−MATIC
ES B−IV」を用いて測定した。
【0034】実施例1〜5及び比較例1 実施例と同じアクリル系共重合体エマルジョン[A]を
用いて、増粘後の粘度、レベリング剤の種類、使用量を
変化させた他は、実施例1と同様の操作を行い、得られ
た水性感圧接着剤樹脂組成物について同様に物性値及び
塗工性能を評価した。その結果を実施例1と併せて表1
に示す。なお、表中の塗工性の評価における○は、全く
問題のなかったものを、△は塗工面の一部にそれぞれの
欠陥が認められたもの、×は全面にそれぞれの欠陥が認
められたものを表わす。
【0035】
【表1】
【0036】表中の単位は下記のものを用いる。 *1;(mPa・s/25℃) *2及び*3;(mN
/m)(mN/m)
【0037】
【発明の効果】本発明によれば、高速塗工によって良好
な塗工面を容易に得ることができ、特に表面エネルギー
が低い基材に塗工する場合でも、ハジキやチジミがな
く、平滑な塗工面を得ることが出来る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 今村 絵里香 千葉県佐倉市大崎台2−15−13 Fターム(参考) 4D075 AC02 AC21 AC91 AC94 AC96 CA12 CA48 DA04 DB18 DC36 EA06 EA13 EA35 EB20 EB22 EB33 EB56 EC33 EC35 4J004 AA10 AB01 4J040 DB001 DB021 DB081 DD041 DE011 DF001 DF011 DF091 DG001 JA03 JB09 KA38

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アクリル系重合体エマルジョン[A]と
    レベリング剤[B]とからなる水性感圧接着剤組成物で
    あって、固形分15重量%に水希釈した該組成物の最大
    泡圧法における表面張力が、泡発生速度0.2秒/個の
    とき、50mN/m以下であることを特徴とする水性感
    圧接着剤組成物。
  2. 【請求項2】 レベリング剤[B]が、アセチレンジオ
    ール系界面活性剤を必須成分として含む請求項1に記載
    の水性感圧接着剤組成物。
  3. 【請求項3】 該水性感圧接着剤組成物が、せん断速度
    0.1(1/s)の時の粘度[Pa]と、1×10
    (1/s)の時の粘度[Pb]との比が、[Pa]/
    [Pb]=20〜10000の流動特性をもつものであ
    る請求項1または2に記載の水性感圧接着剤組成物。
  4. 【請求項4】 請求項1、2又は3記載の水性感圧接着
    剤組成物からなることを特徴とする水性感圧接着剤。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の接着剤を塗工速度50〜
    400m/分で塗工することを特徴とする、水性感圧接
    着剤の塗工方法。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載の塗工方法を用いて、塗
    工した粘着製品。
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