JPH07157741A - 再剥離型水性感圧接着剤組成物 - Google Patents

再剥離型水性感圧接着剤組成物

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JPH07157741A
JPH07157741A JP31006693A JP31006693A JPH07157741A JP H07157741 A JPH07157741 A JP H07157741A JP 31006693 A JP31006693 A JP 31006693A JP 31006693 A JP31006693 A JP 31006693A JP H07157741 A JPH07157741 A JP H07157741A
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JP
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emulsion
parts
weight
aqueous
pressure
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JP31006693A
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English (en)
Inventor
Kazuhiko Ide
和彦 井出
Kouichi Iibuchi
幸一 飯渕
Masaki Utsugi
正貴 宇都木
Katsuyuki Ueki
克行 植木
Takashi Mihoya
隆 三保谷
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Toyo Ink Mfg Co Ltd
Original Assignee
Toyo Ink Mfg Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明は、被着体に貼付した後に容易に剥離可
能な再剥離型粘着ラベルに好適に用いられる、再剥離型
水性感圧接着剤組成物の提供を目的とする。 【構成】(A) 炭素数が 2〜14のアルキル基を有するアク
リル酸エステルおよびまたはメタクリル酸エステル80〜
95重量%および脂肪族α,β−不飽和カルボン酸1〜5
重量%を乳化重合して得られる水性エマルションを不揮
発分として 100重量部、(B) リン酸およびまたはリン酸
エステルを 0.001重量部以上 0.1重量部未満および(C)
分子内に平均2個以上のグリシジル基を有するエポキシ
化合物を前記(A) の水性樹脂エマルションの有するカル
ボキシル基 1個に対してグリシジル基が 0.1〜2 個の割
合になるよう含有してなる再剥離型水性感圧接着剤組成
物。 【効果】本発明により、各種被着体に対する良好な接着
性、再剥離性を有する再剥離型粘着ラベル等が得られる
ようになった。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、粘着ラベル、粘着シー
ト、粘着テープ等に用いられる水性感圧接着剤組成物に
関する。更に詳しくは、前記粘着ラベル等を被着体に貼
付した後に容易に剥離することが可能な再剥離型粘着ラ
ベル等に好適に用いられる、再剥離型水性感圧接着剤組
成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来一般的に、粘着剤の成分としては天
然ゴム、合成ゴム等の弾性体またはアクリル系樹脂が使
用されている。これらの粘着剤よりなる層を紙、プラス
ティックフィルム、布、金属板等の支持体面に形成して
なる粘着ラベル、粘着シート、粘着テープ等は、常温に
おいて指圧程度の圧力で被着体面に容易に接着できるた
め、各種分野において様々な用途に幅広く用いられてい
る。このような粘着ラベル類には、被着体に張り付けた
場合に容易に脱落しないことが要求されるのは当然であ
るが、被着体に貼付された後に容易に剥離できることが
要求される場合が多い。このような場合、粘着ラベル等
と被着体の接着力が高すぎると、剥離しようとする場合
に被着体上に粘着剤が残ったり、また支持体が紙である
ような場合には支持体が破壊されいわゆる紙破れがおき
たりして再剥離が困難となる。また、粘着ラベル等と被
着体の接着力が低すぎると、再剥離は容易にできるもの
の、被着体との接着或いは粘着が十分になされず、粘着
ラベル等に本来期待される目的を果たすことが困難とな
る。
【0003】また、一般に、粘着ラベル等は被着体の素
材、被着体への貼付後の経時変化、温度・湿度等の環境
の変化等によりその接着力が大きく変動するが、これら
様々な要因による粘着力の変化を抑えることは非常に困
難であった。さらに、従来、感圧粘着剤は溶液重合によ
り得られた樹脂溶液を用い各種添加剤等を配合し使用さ
れてきたが、溶剤型粘着剤に大量に含有される有機溶剤
は粘着ラベル等の製造時に揮散させられるために、作業
者の安全衛生、有機溶剤の排出による環境保全の見地等
から問題をはらむものであった。近年、このような問題
を解消するため溶剤型粘着剤から水性粘着剤への転換が
急務とされている。
【0004】このような環境の中で、上記した様々な特
性を満足させるべく様々な試みがなされている。例え
ば、粘着剤を構成する樹脂をジイソシアネート化合物、
グリシジル化合物等の硬化剤により架橋せしめることに
より、粘着剤層の凝集力を高め、被着体上への粘着剤残
りを低減させることが行われている。架橋剤を配合した
粘着剤は、凝集力が増大し感温性も向上するが、凝集力
の増大にしたがって被着体への粘着性が乏しくなり、接
着力が低下する。特にポリオレフィンに対しては接着力
の著しい低下や曲面接着性の悪化が認められ、更に湿熱
経時における凝集力の低下や低温時における接着力の低
下が起こりやすく、これが粘着剤の性能を低下させる原
因となる。このように、再剥離性を満足させるために
は、被着体への接着力をある程度犠牲にせざるを得なか
った。
【0005】また、特開平1-234485号公報や特開平4-31
8090号公報には、一般的な水性アクリルエマルション系
粘着剤用樹脂にリン酸エステルとエポキシ化合物を配合
した粘着剤が開示されている。具体的には、アクリル系
樹脂の不揮発分 100重量部に対してリン酸エステル 0.1
〜10重量部または 1〜20重量部およびグリシジル化合物
をアクリル系樹脂中のカルボキシル基1当量当たり 0.1
〜3 当量または水性エポキシ化合物を 0.1重量部以上配
合してなる水系粘着剤である。しかし、該粘着剤および
粘着剤水性樹脂組成物は、リン酸エステル類の配合量が
多すぎるため、実用的な特性上大きな問題を有するもの
である。
【0006】すなわち、リン酸エステル系界面活性剤を
単量体のラジカル乳化重合時に乳化剤として 0.1重量部
以上用い粘着剤を調製すると、被着体がプラスティック
である場合には良好な接着性を発現するが、被着体が金
属である場合には実用的な接着力を得られなくなる。ま
た、粘着剤用樹脂エマルションにリン酸エステル類を0.
1重量部以上添加し粘着剤を調製した場合には、各種被
着体に対して良好な接着性を発現するが貼付した粘着ラ
ベル等の再剥離性に劣り、被着体上に添加したリン酸エ
ステルに由来すると思われる曇りが生じたり、粘着剤残
りがみられる場合がある。また特に高湿度下で粘着ラベ
ル等を保存した場合には接着力の変化が著しく、使用さ
れる環境に関わらず安定した特性を持つ粘着ラベル等を
得ることが困難であることが現状である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、上記課
題を解決するために鋭意検討を行なった結果、特定の水
性樹脂エマルションに特定量のリン酸エステル類と特定
量のエポキシ化合物を配合してなる再剥離型水性感圧接
着剤が、粘着ラベル等の被着体への実用上十分な接着力
と、被着体上に貼付された粘着ラベル等の良好な再剥離
性の双方を満足させることを独自に見出し、本発明を完
成するに至った。さらに、該再剥離型水性感圧接着剤
が、保存環境あるいは使用環境に関わらず各種被着体に
対して良好な粘着特性および再剥離特性を示すことを見
出した。
【0008】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、(A)
炭素数が 2〜14のアルキル基を有するアクリル酸エステ
ルおよびまたはメタクリル酸エステル80〜95重量%およ
び脂肪族α,β−不飽和カルボン酸 1〜5 重量%を乳化
重合して得られる水性エマルションを不揮発分として 1
00重量部、(B) リン酸およびまたはリン酸エステルを
0.001重量部以上0.1重量部未満および(C) 分子内に平均
2個以上のグリシジル基を有するエポキシ化合物を前記
(A) の水性樹脂エマルションの有するカルボキシル基 1
個に対してグリシジル基が 0.1〜2 個の割合になるよう
に含有してなる再剥離型水性感圧接着剤組成物を提供す
る。
【0009】以下、本発明を詳細に説明する。本発明の
構成要素である水性樹脂エマルション(A) は、炭素数が
2〜14のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステ
ル80〜95重量%および脂肪族α,β−不飽和カルボン酸
1〜5 重量%を乳化重合して得られる。(メタ)アクリ
ル酸エステルの配合量が80重量%未満であると、得られ
る樹脂の粘着力が低くなりすぎるため、被着体への適切
な接着が困難となる。一方、配合量が95重量%を超える
と、得られる樹脂の凝集力が低くなりすぎるために、こ
れを粘着剤に用いて作成した粘着ラベル等は被着体から
再剥離する際に粘着剤残り等の不都合を生じる。また、
(メタ)アクリル酸エステルのアルキル基の炭素数が 2
〜14の範囲を逸脱すると、本発明の目的とする粘着特性
を実現することはできない。
【0010】炭素数が 2〜14のアルキル基を有する(メ
タ)アクリル酸エステルとしては、アクリル酸エチル、
アクリル酸ブチル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸オ
クチル、アクリル酸2-エチルヘキシル、アクリル酸デシ
ル、アクリル酸ドデシル等の直鎖または分岐脂肪族アル
コールのアクリル酸エステル及び対応するメタクリル酸
エステル等を挙げることができるが、これらに限定され
るものではない。これらは、単独あるいは2種類以上の
混合物として用いることができる。
【0011】また、脂肪族α,β−不飽和カルボン酸の
配合量が 1重量%未満であると粘着剤として用いた場合
に粘着剤層の凝集力が不足して被着体上に粘着剤残りが
生じるばかりでなく、得られた水性樹脂エマルションの
分散安定性、機械安定性等が著しく劣り、工業的に使用
できないことがある。一方、脂肪族α,β−不飽和カル
ボン酸の配合量が 5重量%を超えると、エマルションの
粘度が高くなりすぎたり、粘着剤層への湿度の影響が大
きくなるといった不都合がある。脂肪族α,β−不飽和
カルボン酸としては、アクリル酸、メタクリル酸、イタ
コン酸、クロトン酸等が挙げられるが、これらに限定さ
れるものではない。これらは、単独あるいは2種類以上
の混合物として用いることができる。
【0012】水性樹脂エマルション(A) を乳化重合する
際には、上記化合物とラジカル共重合可能な、他の化合
物 0〜24重量%を配合することができる。このような化
合物は、得られる粘着剤の特性に支配的な影響を与える
ものではないが、特性の微調整、生産性の改善、原料価
格等に鑑み適宜選択して用いる。但し、このような化合
物が24重量%を超えて配合されると、本発明の水性樹脂
エマルションを得るために適切な単量体比率を確保でき
なくなり好ましくない。
【0013】このような化合物としては、アクリル酸メ
チル、メタクリル酸メチル、アクリル酸2-ヒドロキシエ
チル、メタクリル酸2-ヒドロキシエチル、アクリルアミ
ド、N-メチロールアクリルアミド、N-メトキシメチルア
クリルアミド、N-ブトキシメチルアクリルアミド、アク
リロニトリル、スチレン、酢酸ビニル、グリシジルメタ
クリレート、ジビニルベンゼン、エチレングリコールジ
メタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレー
ト、1,4-ブタンジオールジメタクリレート、ポリオキシ
エチレンジメタクリレート、トリメチロールプロパント
リメタクリレート等を挙げることができるが、粘着剤用
ベース樹脂としての特性を著しく損なわせるものでなけ
ればこれらに限定されるものではない。これらの化合物
は、単独あるいは2種類以上の混合物として用いること
ができる。
【0014】水性樹脂エマルション(A) は、上記化合物
を水性分散媒中において常法に従い乳化重合して得るこ
とができる。乳化重合を行う際には、過硫酸ナトリウ
ム、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩
類、過酸化水素やその他の有機過酸化物等の通常の乳化
重合法において用いられる開始剤を用いることができ
る。また、チオ硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、重
亜硫酸ナトリウム、アスコルビン酸、クエン酸等の還元
剤を併用して、いわゆるレドックス系開始剤として用い
ることもできる。重合開始剤の使用量には特に制限はな
いが、重合する化合物に対して 0.1〜1 重量%程度の比
率で用いることが好ましい。一般に、乳化重合に際して
は、原料化合物は重合熱の除去等の点から、一括仕込み
ではなく逐次的あるいは連続的に反応系に添加される。
開始剤は原料化合物に混入しておいてもよいし、また反
応系への原料化合物の添加と併せて反応系に逐次添加し
てもよい。通常、乳化重合は反応温度50〜90℃で行なわ
れる。
【0015】また、乳化重合を行なう際には、通常、界
面活性剤を乳化剤として用いる。界面活性剤としては、
ラウリル硫酸ナトリウム、オクチル硫酸塩、ドデシル硫
酸ナトリウム、ドデシル硫酸カリウム、ドデシル硫酸ア
ンモニウム、ドデシルベンゼンスルフォン酸ナトリウ
ム、ジアルキルスルホコハク酸ナトリウム、ポリオキシ
エチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム等のアニオン
性界面活性剤、ポリオキシエチレンノニルフェニルエー
テル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、
ポリオキシエチレンラウリルフェニルエーテル、ポリオ
キシエチレンアルキルエーテル、ソルビタンラウレー
ト、ソルビタンパルミテート、ソルビタンステアレート
等の非イオン性界面活性剤等が挙げられるが、これらに
限定されるものではない。これらの界面活性剤は、単独
あるいは2種類以上を併用して使用できる。
【0016】なお、アニオン系の界面活性剤を用いるこ
とは、好ましくない場合が多い。また、いわゆる高分子
乳化剤を用いた場合には、一般に得られるエマルション
の粘度が高くなることが多いため、粘着剤に要求される
粘度特性に鑑み適宜選択するべきである。さらに、乳化
重合に際しては、メルカプタン類、有機溶剤類等の連鎖
移動剤を用いて分子量の調整を行なってもよい。
【0017】本発明の構成要素である (B)リン酸および
またはリン酸エステルは、得られる粘着剤に被着体の材
質に関わらない良好な接着性と、被着体に貼着した後の
再剥離性を同時にもたらすものである。その作用機構の
詳細については不明であるが、粘着剤層と被着体界面お
よび粘着剤層と基材界面の双方において何らかの作用を
果たしているものと考えられる。本発明では、水系組成
物中に溶解あるいは分散が可能なリン酸およびリン酸エ
ステルであれば特に制限なく用いることができる。この
ようなリン酸およびリン酸エステル類としては、オルト
リン酸、メタリン酸、ピロリン酸等のリン酸水和物、リ
ン酸モノアルキルエステル、リン酸ジアルキルエステ
ル、リン酸モノ(ポリオキシエチレンアルキルエーテ
ル)エステル、リン酸ジ(ポリオキシエチレンアルキル
エーテル)エステル、レシチン等のリン酸エステル類お
よびそれらの塩等が一例として挙げられる。これらのリ
ン酸およびリン酸エステルは、単独あるいは2種類以上
を併用して使用できる。
【0018】(B)リン酸およびまたはリン酸エステル
は、水性樹脂エマルション(A) の不揮発分 100重量部に
対して 0.001重量部以上 0.1重量部未満となるように配
合する。リン酸およびまたはリン酸エステルの配合量が
0.001重量部よりも少ないと、得られる粘着剤の被着体
への接着性が被着体の材質により大きく異なり好ましく
ない。一方、リン酸およびまたはリン酸エステルの配合
量が 0.1重量部以上であると、被着体の材質による接着
力の格差が大きくなるばかりでなく、得られる粘着剤を
被着体へ貼着した後、再剥離性に劣り好ましくない。
(B) リン酸およびまたはリン酸エステルの配合方法には
特に制限はない。すなわち、水性樹脂エマルション(A)
の乳化重合時に乳化剤として配合してもよいし、乳化重
合された水性樹脂エマルション(A) に直接配合してもよ
い。
【0019】本発明の構成要素である (C)分子内に平均
2個以上のグリシジル基を有するエポキシ化合物は、得
られる粘着剤に被着体に貼着した後の良好な再剥離性を
もたらすものである。詳細については未だ不明である
が、このようなエポキシ化合物は、水性樹脂エマルショ
ン(A) を分子内あるいは分子間で架橋し、強すぎる粘着
性を減ずると推測される。分子内にただ1個のグリシジ
ル基のみを有するエポキシ化合物を使用した場合には、
上述したような架橋構造が形成されないために良好な再
剥離性が発現されないと考えられる。本発明では、水系
組成物中に溶解あるいは分散が可能で分子内に平均2個
以上のグリシジル基を有するエポキシ化合物であれば特
に制限なく用いることができる。
【0020】このようなエポキシ化合物としては、エチ
レングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリ
コールジグリシジルエーテル、1,4-ブタンジオールジグ
リシジルエーテル、ポリオキシエチレンジグリシジルエ
ーテル、ポリ(オキシエチレン/オキシプロピレン)ジ
グリシジルエーテル、ビスフェノールA型ジグリシジル
エーテル、ビス(3-グリシドキシプロピル)ポリジメチ
ルシロキサン等のジグリシジル化合物、トリメチロール
プロパントリグリシジルエーテル等のトリグリシジル化
合物、ソルビトールポルグリシジルエーテル、グリシジ
ル変性ポリブタジエン等のポリグリシジル化合物等が一
例として挙げられる。なかでも、グリシジル変性ポリブ
タジエンは、さらに高度の接着性と再剥離性の両立を実
現させるため、好ましい。グリシジル変性ポリブタジエ
ンの諸特性への作用機構についての詳細は不明である
が、架橋構造に組み込まれたポリブタジエン連鎖の弾性
的特性が粘着剤層の機械的特性を改善し、粘着特性の向
上に寄与すると推測される。これらのエポキシ化合物
は、単独あるいは2種類以上を併用して使用できる。
【0021】(C) エポキシ化合物は、水性エマルション
(A) の有するカルボキシル基 1個に対してグリシジル基
が 0.1〜2 個の割合になるような範囲で配合する。エポ
キシ化合物の配合量がこの範囲よりも少ないと、得られ
る粘着剤中に架橋構造が十分に形成されないため、粘着
ラベル等を被着体に貼着した後の再剥離性が劣り好まし
くない。一方、エポキシ化合物の配合量がこの範囲を超
えると、粘着剤中の架橋構造が過剰に形成され、被着体
との接着性が劣り好ましくない。エポキシ化合物は、粘
着剤組成物を剥離紙若しくは基材に塗布する直前に配合
することが好ましい。エポキシ化合物による架橋構造の
形成は、室温付近でも徐々に進行するものと考えられ、
塗工適性、基材への投錨性等に悪影響を与えると考えら
れるため、エポキシ化合物を配合した後はできるだけ早
く塗布することが好ましい。
【0022】本発明の再剥離型水性感圧接着剤組成物に
は、他の慣用の成分、例えば有機溶剤、着色顔料、染
料、磁性粉、充填剤、増粘剤、アルカリ成分、乳化剤、
消泡剤、界面活性剤、分散助剤、防腐剤、熱安定剤、レ
ベリング剤、クレーター防止剤、沈降防止剤、紫外線吸
収剤、酸化防止剤、難燃剤等を必要に応じて配合するこ
とができる。
【0023】
【実施例】以下、本発明を実施例により更に詳しく説明
するが、本発明の技術思想を逸脱しない限り、本発明は
これらの実施例に何ら限定されるものではない。例中、
「部」とは「重量部」を、「%」とは「重量%」をそれ
ぞれ表す。
【0024】<水性エマルションの合成例1>温度計、
攪拌装置、還流冷却管及び滴下管を備えた反応装置に、
イオン交換水170部を入れ、内温を70℃に昇温し系内を
窒素ガスにより置換し、2.5%過硫酸カリウム水溶液 1.3
部及び2.5%メタ重亜硫酸ナトリウム水溶液 4.3部を入れ
た。滴下管に、イオン交換水 120部、クエン酸ナトリウ
ム 0.1部、アニオン性乳化剤(花王石鹸株式会社製「エ
マール10」)15部、アクリル酸2-エチルヘキシル 390
部、メタクリル酸メチル10部、酢酸ビニル10部、アクリ
ル酸15部及び2.5%過硫酸カリウム水溶液 5部を入れ撹拌
乳化してプレエマルションを作成し、このプレエマルシ
ョンを 3時間かけて反応層に滴下した。プレエマルショ
ンの滴下中には、2.5%メタ重亜硫酸ナトリウム水溶液 1
部を30分おきに 4回添加し、滴下終了後更に 2時間反応
せしめて、不揮発分約 55%の水性樹脂エマルション(a)
を得た。
【0025】<水性エマルションの合成例2>合成例1
と同様の反応装置に、イオン交換水 170部を入れ、内温
を70℃に昇温し系内を窒素ガスにより置換し、2.5%過酸
化物(日本油脂株式会社製「パーブチル−H」)水溶液
3部及び2.5%ロンガリット水溶液 6部を入れた。滴下管
に、イオン交換水 120部、クエン酸ナトリウム 0.1部、
ノニオン性乳化剤(花王石鹸株式会社製「エマルゲン 9
50」)15部、アクリル酸2-エチルヘキシル 300部、メタ
クリル酸メチル20部、酢酸ビニル20部、エチレングリコ
ールジメタクリレート 5部、アクリル酸n-ブチル60部、
アクリル酸20部及び2.5%過酸化物水溶液10部を入れ撹拌
乳化してプレエマルションを作成し、このプレエマルシ
ョンを 3時間かけて反応層に滴下した。なお、プレエマ
ルションの滴下中には、2.5%ロンガリット水溶液 2部を
30分おきに 4回添加し、滴下終了後更に 2時間反応せし
めて、不揮発分約 55%の水性樹脂エマルション(b) を得
た。
【0026】<水性エマルションの合成例3>プレエマ
ルション作成時に、ノニオン性乳化剤「エマルゲン 95
0」15部のうちの 0.2部をリン酸エステル系乳化剤(東
邦化学工業株式会社製「ホスファノールRS-610」)に置
き換えた以外は、合成例1と同様にして不揮発分約 55%
の水性樹脂エマルション(c) を得た。 <水性エマルションの合成例4>プレエマルション作成
時に、アクリル酸2-エチルヘキシル 300部を 250部に、
メタクリル酸メチル20部を45部に、酢酸ビニル20部を45
部に変えた以外は、合成例2と同様にして不揮発分約 5
5%の水性樹脂エマルション(d) を得た。
【0027】<水性エマルションの合成例5>プレエマ
ルション作成時に、ノニオン性乳化剤「エマルゲン 95
0」15部のうちの 0.5部をリン酸エステル系乳化剤「ホ
スファノールRS-610」に置き換えた以外は、合成例1と
同様にして不揮発分約 55%の水性樹脂エマルション(e)
を得た。
【0028】<実施例1>水性樹脂エマルション(a)300
部に 28%アンモニア水溶液を添加してエマルションのp
Hを約 8.2に調整し、増粘剤を粘度が15000cpsとなるよ
うに添加した。なお、エマルションの粘度は B型粘度計
により測定した。これに、オルトリン酸0.1部及びエポ
キシ変性ポリブタジエンエマルション(東邦化学工業株
式会社製「EMR-45EPI 」、不揮発分50%) 6.5部を添加、
撹拌混合し、接着剤(1) を得た。
【0029】<実施例2〜10>水性樹脂エマルション、
リン酸系化合物、エポキシ化合物の種類及び量を表1に
示すように変え、実施例1と同様にして、接着剤 (2)〜
(10)を得た。
【表1】
【0030】<比較例1〜9>水性樹脂エマルション、
リン酸系化合物、エポキシ化合物の種類及び量を表2に
示すように変え、実施例1と同様にして、接着剤(11)〜
(19)を得た。
【表2】
【0031】なお表1および表2中、RS-610は東邦化学
工業株式会社製「ホスファノールRS-610」を、EX-313は
長瀬産業株式会社製「デナコールEX-313」を、また EMR
-45EPIは東邦化学工業株式会社製「EMR-45EPI 」を、グ
リシジル基個数は樹脂エマルションの有するカルボキシ
ル基1個に対するグリシジル基の個数を表す。
【0032】実施例および比較例で得られた接着剤の特
性を、下記の方法で評価した。接着剤を剥離紙上に乾燥
皮膜厚が約20μmとなるよう塗装して90℃で 2分間乾燥
し、上質紙に転写した後、得られた粘着シートを25℃で
1週間保存した。得られた粘着シートを25mm幅のテープ
状に裁断し、アクリル板(PMMA)、塩化ビニル板(PVC) 、
ステンレス板(SUS-304)に貼着し、得られた試験体を25
℃で24時間保存後、JIS Z-0237に準拠した方法で接着力
の測定を行なった。また、再剥離性の評価は、接着力の
評価時と同様に作成した試験体を25℃で 2週間保存後、
被着体より粘着シートを手で剥離し、その状態を目視で
以下のような基準で評価した。 A : 良好 B : 基材上に曇りがある C : 基材上に粘着剤が残る D : 基材上に紙が残る
【0033】
【表3】
【0034】
【発明の効果】本発明の特定の水性樹脂エマルションに
特定量のリン酸あるいはリン酸エステル類と特定量のエ
ポキシ化合物を配合してなる再剥離型水性感圧接着剤組
成物を用いることにより、従来の粘着剤・接着剤組成物
では実現することができなかった各種被着体に対する良
好な接着性、再剥離性を有する再剥離型粘着ラベル等が
製造できるようになった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 植木 克行 東京都中央区京橋二丁目3番13号 東洋イ ンキ製造株式会社内 (72)発明者 三保谷 隆 東京都中央区京橋二丁目3番13号 東洋イ ンキ製造株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A) 炭素数が 2〜14のアルキル基を有する
    アクリル酸エステルおよびまたはメタクリル酸エステル
    80〜95重量%および脂肪族α,β−不飽和カルボン酸 1
    〜5 重量%を乳化重合して得られる水性エマルションを
    不揮発分として100重量部、(B) リン酸およびまたはリ
    ン酸エステルを 0.001重量部以上 0.1重量部未満および
    (C) 分子内に平均2個以上のグリシジル基を有するエポ
    キシ化合物を前記(A) の水性樹脂エマルションの有する
    カルボキシル基 1個に対してグリシジル基が 0.1〜2 個
    の割合になるように含有してなる再剥離型水性感圧接着
    剤組成物。
  2. 【請求項2】(C) エポキシ化合物がグリシジル変性ポリ
    ブタジエンであることを特徴とする請求項1記載の再剥
    離型水性感圧接着剤組成物。
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