JP4248261B2 - 再剥離型粘着剤組成物 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、粘着ラベル、マスキングテープ及びシート、表面保護フィルム等に使用できる再剥離型粘着剤組成物に関し、更に詳しくは、各種の被着体(金属板、ガラス、プラスチック板、紙等)に貼り付け後、長期間放置した後でも再剥離性に優れ、転写加工法を可能とする優れた基材密着性を有する微粘着性の再剥離型粘着剤組成物に関するものである。
なお、転写加工法とは、粘着剤を離型紙上に塗工し乾燥した後、適宜の基材に転写する加工方法をいう。
【0002】
【従来の技術】
【特許文献1】
特公平5−075034号公報
【特許文献2】
特開平7−278233号公報
【特許文献3】
特開昭55−137176号公報
【特許文献4】
特開平8−41432号公報
【特許文献5】
特開2001−131512号公報
【特許文献6】
特開2001−152118号公報
【特許文献7】
特開昭59−159868号公報
【0003】
従来、再剥離型粘着剤組成物は、粘着ラベル、マスキングテープ及びシート、表面保護フィルム等に使用されており、これらを被着体に貼り付けた後、一定時間経過後被着体から剥す場合が少なくない。このとき、粘着剤の一部が被着体に残ることがしばしば起こる。また、被着体が紙、特に、アート紙、キャストコート紙等のコート紙の場合、コート紙の表面が平滑な為に粘着剤が接着してコート紙の表面層を破壊してしまうか、又は基材が紙の場合は、基材が破れてしまうことが多い。このようなことがなく被着体から容易に剥離できるように、架橋剤を添加して凝集力を高くして粘着力を低下させた再剥離型粘着剤が多く提案されている。
【0004】
例えば、特許文献1の特公平5−075034号公報には、特定のモノマー組成、分子量、ガラス転移温度,粒子径の水系共重合エマルジョンにポリグリシジル化合物を配合したことを特徴とする水系感圧接着剤が開示されている。しかし、この感圧接着剤ではアート紙やキャストコート紙に対する再剥離性が不十分である。
【0005】
特許文献2の特開平7−278233号公報には、特定のアクリル系エマルジョン型粘着剤に多官能アジリジン化合物及び多官能カルボジイミド化合物から選ばれる1種以上の架橋剤が添加されたアクリル系エマルジョン型粘着剤が開示されている。この特許で挙げられている多官能カルボジイミド化合物(商品名:ユーカリンクXL−29SE、ユニオンカーバイド(株)製)を使用しても良好な再剥離性や基材密着性は得られない。
【0006】
特許文献3の特開昭55−137176号公報及び特許文献4の特開平8−41432号公報には、溶剤型のアクリル酸エステル共重合体にカルボジイミド化合物を配合してなる感圧接着剤組成物が開示されている。これらは溶剤系であるため、環境衛生上望ましくなく、又、直塗りでは紙基材に対する滲みこみが生じるため転写加工法が行われているが、基材との密着性が不十分なため使用上に問題がある。
【0007】
また、特許文献5の特開2001−131512号公報には、アクリレート系単量体、カルボキシル基含有単量体を主成分とする水分散型アクリレート系共重合体に、カルボジイミド基を含有する架橋剤を配合してなる水分散型再剥離用感圧接着剤が開示されており、特許文献6の特開2001−152118号公報には、(メタ)アクリル酸アルキルエステルを主成分とし、官能性モノマートしてアクリル酸およびメタクリル酸を含んだ水分散型粘着剤組成物に対し、水溶性架橋剤と油溶性架橋剤を用いる粘着剤が開示されている。いずれも凝集力が高く、適度な粘着力を有するが、アート紙やキャストコート紙に対する再剥離性や転写加工法の場合の基材密着性が不十分である。
【0008】
被着体が紙、特に、アート紙、キャストコート紙等のコート紙の場合、粘着力が強いと剥離の際コート紙の表面層を破壊してしまうか、又は基材が紙の場合は、基材が破れてしまうため、微粘着力の再剥離型粘着剤組成物が必要である。微粘着力を示す粘着剤として、微細球型粘着剤のような優れた再剥離性を有する再剥離型粘着剤組成物がある。例えば特許文献7の特開昭59−159868号公報では、炭素数4〜12のアルキル基を有するアクリル酸および/またはメタクリル酸のアルキルエステル、α―モノオレフィンカルボン酸及びその他の単量体成分をカゼインを主成分とする保護コロイドの存在下に、懸濁重合を行って得られる粘着性共重合体微細球を含有してなる再剥離性粘着剤組成物が開示されている。この微細球型粘着剤は、粘着性は微粘着であるため優れた再剥離性を有するが、転写加工法では基材に対する密着性が低いため実用的な粘着紙を製造できず、基材に直接粘着剤を塗工して乾燥させる方法が採られている。しかし、印刷物や色彩が施された基材や感熱層が被覆された基材の場合に乾燥加熱により変色、脱色、発色等の問題があり、通常この場合は転写加工法によらなければならないが、微細球型粘着剤のような微粘着性の粘着剤では転写加工法が出来ないという問題があった。このような背景の下に、微粘着性でしかも転写加工法を可能とする基材密着性に優れた再剥離型粘着剤組成物が求められている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、紙、特にアート紙やキャストコート紙等のコート紙に対する再剥離性に優れ、微粘着でしかも転写加工法を可能とする基材密着性に優れた再剥離型粘着剤組成物を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、鋭意検討した結果、水分散型アクリル系粘着剤にカルボジイミド系架橋剤とエポキシ系架橋剤を併用することにより、カルボジイミド系架橋剤単独では得られなかった微粘着にも拘わらず優れた基材密着性を得ることが出来るため転写加工法が可能となり、また再剥離性にも優れた性能を有することを見出し、本発明を完成するに至った。
【0011】
すなわち、本発明は、アルキル基の炭素数が4〜12の(メタ)アクリル酸アルキルエステルを主成分とし、カルボキシル基含有不飽和単量体を0.1〜8重量%含む共重合体からなる水分散性アクリル系粘着剤に、カルボジイミド系架橋剤及びエポキシ系架橋剤を添加してなる再剥離型粘着剤組成物である。更に、本発明のカルボジイミド系架橋剤は、カルボジイミド結合(−N=C=N−)とエチレンオキサイド部位(−CH−CH−O−)を有する水溶性カルボジイミド化合物からなり、その添加量はカルボキシル基含有不飽和単量体のカルボキシル基1当量当り、カルボジイミド結合が0.01〜3当量あり、更にまた、本発明のエポキシ系架橋剤は、少なくとも2官能以上のエポキシ基を有する親水性エポキシ化合物からなり、その添加量はカルボキシル基含有不飽和単量体のカルボキシル基1当量当り、エポキシ基が0.01〜3当量である。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の構成を詳細に説明する。本発明に用いる水分散型アクリル系粘着剤は、アルキル基の炭素数が4〜12の(メタ)アクリル酸アルキルエステルを主成分とし、カルボキシル基含有不飽和単量体を0.1〜8重量%含む単量体混合物を公知の乳化重合法により得ることができる。本発明に使用するアルキル基の炭素数が4〜12の(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体としては、アルキル基がブチル基、イソブチル基、イソアミル基、ヘキシル基、ヘプチル基、2−エチルヘキシル基、イソオクチル基、イソノニル基、イソデシル基等からなるアクリル酸ないしメタクリル酸のアルキルエステルであり、これらの群より選ばれる少なくとも1種以上使用することができる。(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体の使用量は、全単量体中50〜99.9重量%の割合で用いられることが好ましい。その使用量が50重量%より少ない場合には、初期粘着力の低下を招く。
【0013】
本発明に使用するカルボキシル基含有不飽和単量体は、架橋反応による凝集力を向上させるために必要である。1分子中にカルボキシル基と炭素−炭素不飽和結合を有する単量体、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、クロトン酸等が挙げられ、これらの群より選ばれる少なくとも1種以上使用することができる。カルボキシル基含有単量体の使用量は、全単量体中0.1〜8重量%、好ましくは0.5〜5重量%である。その使用量が0.1重量%より少ない場合には、架橋剤との架橋結合が少ないので凝集力が向上せず糊残り等の原因になる、また8重量%より多い場合は、架橋剤を添加する際、ポットライフが短く塗工作業性に問題がある。
【0014】
上記の単量体のほか、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、メタクリル酸トリデシル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸t−ブチルシクロヘキシル等の(メタ)アクリル酸エステル系単量体、さらに(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキル、ジ(メタ)アクリル酸グリセリンエステル等の水酸基含有単量体、及び、無水マレイン酸、酢酸ビニル、スチレン、(メタ)アクリロニトリル、N−ビニルピロリドン、(メタ)アクリロイルモルホリン、シクロヘキシルマレイミド、イソプロピルマレイミド、(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリル酸グリシジル等が挙げられ、この群より選ばれる少なくとも1種以上を使用することができる。その使用量は、全単量体中0〜43重量%であり、好ましくは0〜30重量%である。使用量が43重量%より多い場合は、再剥離性が低下する。
【0015】
なお、上記の単量体混合物のほかに、粘着剤の凝集力をさらに向上させるため、内部架橋剤として、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、メチレンビスアクリルアミド、1,6−ヘキサンジオ―ルジ(メタ)アクリレート、トリメチロ―ルプロパントリ(メタ)アクリレート、ジビニルベンゼン等の多官能性単量体が挙げられ、これらの群より選ばれる少なくとも1種以上を使用してもよい。これらの多官能性単量体の使用量は、全単量体中0〜2重量%がよい。その使用量が2重量%を超える場合には、基材密着性及び再剥離性が低下する。
【0016】
本発明に使用する水分散型アクリル系粘着剤を得るための乳化重合に際し、重合安定性を確保するため、アニオン系やノニオン系の乳化剤が適量用いられる。乳化剤の種類については、特に制限をしない。アニオン系乳化剤としては、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルフエニルエ―テル硫酸ナトリウム等が挙げられ、ノニオン系乳化剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエ―テル、ポリオキシエチレンアルキルフエニルエーテル等が挙げられる。アニオン系乳化剤単独、あるいはノニオン系乳化剤を併用して使用することができる。また、アニオン系及びノニオン系のいずれにおいても、例えばプロペニル基等を導入したラジカル重合性の乳化剤を用いてもよい。
【0017】
本発明に使用する水分散型アクリル系粘着剤を得るための乳化重合に際し、重合開始剤が用いられる。重合開始剤として、具体的に2,2´−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)二塩酸塩、2,2´−アゾビス(2−アミジノプロパン)ジヒドロクロライド等のアゾ系、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、過酸化水素等の過酸化物、過硫酸塩と亜硫酸水素ナトリウムとの組合せや過酸化物とアスコルビン酸ナトリウムとの組合せ等からなるレドツクス開始剤が用いられる。これらの重合開始剤は、通常は、乳化重合の各段階に所定量を添加して、重合反応を行わせるようにすればよい。
【0018】
また、本発明に使用する水分散型アクリル系粘着剤を得るための乳化重合に際し、重合度を調整するために連鎖移動剤を使用することができる。このような連鎖移動剤として、ラウリルメルカプタン、ブチルメルカプタン、2−メルカプトエタノール、トリクロロブロモメタン等を挙げることができ、これらの群れより選ばれる少なくとも1種以上使用することができる。
【0019】
本発明に使用する架橋剤は、微粘着でしかも優れた基材密着性を得るためにカルボジイミド系架橋剤とエポキシ系架橋剤を併用することが必要である。カルボジイミド系架橋剤を使用して架橋させると、凝集力が上昇して粘着力を有効的に低下させるが、基材に対する密着性も低下させてしまう。一方、これにエポキシ系架橋剤を組合わせ使用することにより、転写加工法に必要な基材密着性を低下させることなく、適度な微粘着性とアート紙やキャストコート紙等に対する優れた再剥離性を合わせ持たせることができる。この効果は、それぞれ単独の架橋剤の使用によっても、また、その他の架橋剤との組合わせ使用によっても得ることができなかった。
【0020】
本発明に使用するカルボジイミド系架橋剤は、分子内にカルボジイミド結合(−N=C=N−)とエチレンオキサイド部位(−CH−CH−O−)を有するものであれば、特に制限することなく使用することができる。該カルボジイミド系架橋剤は、有機ジイソシアネートの脱二酸化炭素を伴う縮合反応を利用する公知の方法により製造したカルボジイミド化合物にポリエチレングリコールを反応させることで製造することができ、市販品としては、日清紡(株)製の商品名カルボジライトE−02、V−02、V−02−L2、V−04、V−06等を挙げることができる。これらの群れより選ばれる少なくとも1種以上使用することができる。
【0021】
本発明に使用するカルボジイミド系架橋剤の使用量は、水分散性アクリル系共重合体に含まれるカルボキシル基1当量当り、カルボジイミド基が0.01〜3当量、好ましくは0.05〜1当量が使用できる。その使用量が0.01当量より少ない場合には、架橋反応不足により凝集力が低く再剥離性に劣り、またその使用量が3当量を超える場合は、水分散性アクリル系共重合体との反応に関与しない未反応の架橋剤が多く残存して、再剥離性が低下する。
【0022】
本発明に使用するエポキシ系架橋剤は、分子内に少なくとも2個以上のエポキシ基を有し、親水性を有するものであれば使用することができる。例えば、ジクリセロールポリグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテル、ソルビタンポリグリシジルエーテル等が挙げられる。これらの群れより選ばれる少なくとも1種以上使用することができる。
【0023】
本発明に使用するエポキシ系架橋剤の使用量は、水分散性アクリル系共重合体に含まれるカルボキシル基1当量当り、エポキシ基が0.01〜3当量、好ましくは0.05〜1当量が使用できる。その使用量が0.01当量より少ない場合には、再剥離型粘着剤の基材への密着性が劣り、またその使用量が3当量を超える場合は、アクリル系共重合体との反応に関与しない未反応の架橋剤が多く残存して、再剥離性が低下する。
【0024】
本発明の再剥離型粘着剤組成物は、必要に応じ本発明の効果を損なわない範囲で、消泡剤、増粘剤、粘着付与剤、可塑剤、濡れ剤、無機粉末や金属粉末等の充填剤、顔料、着色剤の公知の添加剤を使用することができる。
【0025】
本発明の再剥離型粘着剤組成物は、前記の水分散型アクリル系粘着剤に、カルボジイミド系架橋剤とエポキシ系架橋剤とを塗工前に充分に混合して、通常の粘着シ―ト類の製造方法にしたがって使用することができる。プラスチックフイルム、紙、金属箔等の適宜の基材上に直接塗工し乾燥することより、又は転写加工法によりシート状やテープ状等の形態の再剥離型粘着シ―ト類を得ることができる。
【0026】
本発明の再剥離型粘着剤組成物は、通常使用されている塗布装置、例えばロール塗布装置等で塗工することができる。塗布量は、通常塗膜厚で5〜300μmである。用途により塗膜厚を変えて使用することができる。
【0027】
【実施例】
つぎに、本発明の実施例を記載してより具体的に説明する。なお、本発明は以下の実施例により限定されるものではない。また、以下において、部もしくは%とあるのはすべて重量部又は重量%を意味するものである。
【0028】
実施例1
温度計、攪拌機、滴下装置、窒素導入管及び還流冷却管を備えた反応装置に、イオン交換水39部及び窒素を封入し、反応装置の内温を80℃に保ちながら、10%濃度の過硫酸アンモニウム水溶液1部を添加し、予め別途に準備したアクリル酸2−エチルヘキシル98部、アクリル酸2部、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム(花王(株)製 商品名レベノールWX)5部及びイオン交換水58部を乳化した単量体乳化物を、2時間かけて滴下し乳化重合させた。並行して10%濃度の過硫酸アンモニウム2部滴下した。滴下終了後80℃で2時間保ちその後室温まで冷却し、アンモニア水で中和調製して、固形分50%、粘度150mPa・s、pH8.0の水分散型アクリル粘着剤を得た。該粘着剤に、ポリアクリル酸系増粘剤(ローム アンド ハース(株)製 商品名ASE−60)を添加して4000〜5000mPa・sに増粘させ、更に、粘着剤の固形分100部に対して10部(有効成分4部)のカルボジイミド架橋剤カルボジライトV−02(日清紡(株)製 有効成分濃度40%)と0.8部(有効成分0.8部)のエポキシ架橋剤デナコールEX−614B(ナガセ化成工業(株)製)を添加してよく混合して、再剥離型粘着剤組成物を調製した。該粘着剤組成物を剥離紙に塗膜厚が25μmになるように塗布し、100℃で1分間乾燥後、上質紙(55g/m)に転写して、23℃、65%RHの雰囲気で7日間放置して再剥離用粘着シートを作製した。該粘着シートについて各項目を評価した結果、初期及び経時粘着力、再剥離性、基材密着性全て良好であった。結果を表1に示す。
【0029】
実施例2〜6
実施例2〜6は、表1に示すようにアクリル単量体の種類、アクリル酸の量、架橋剤の種類及び量をそれぞれ変えて、実施例1と同様にして再剥離型粘着剤組成物を調製し、再剥離用粘着シートを作製した。該粘着シートについて各項目を評価した結果、初期及び経時粘着力、再剥離性、基材密着性全て良好であった。結果を表1に示す。
【0030】
比較例1及び2
比較例1及び2は、実施例3に使用の架橋剤を1種類にする以外は全く実施例1と同様にして再剥離型粘着剤組成物を調製し、再剥離用粘着シートを作製した。該粘着シートについて各項目を評価した結果、比較例1は、基材に対する密着性が悪かった。比較例2は、初期粘着力が高く、再剥離性が悪かった。結果を表2に示す。
【0031】
比較例3及び4
実施例3から得られる水分散型アクリル系粘着剤に、比較例3は架橋剤の組合せをカルボジイミド系とオキサゾリン系、比較例4は架橋剤をカルボジイミドとアジリジン系との組合せで添加して実施例1と同様にして再剥離型粘着剤組成物を調製し、再剥離用粘着シートを作製した。該粘着シートについて各項目を評価した結果、比較例3は、アート紙に対する再剥離性が悪かった。比較例4は、アート紙に対する再剥離性と密着性が悪かった。結果を表2に示す。
【0032】
【表1】
Figure 0004248261
【0033】
【表2】
Figure 0004248261
【0034】
表1及び2中に、単量体及び架橋剤を下記の略号で示す。
単量体;
Figure 0004248261
架橋剤;
Figure 0004248261
【0035】
試験方法
1.粘着力
再剥離型粘着剤組成物を剥離紙に塗膜厚が25μmになるように塗布し、100℃で1分間乾燥後、上質紙(55g/m)に転写して、23℃、65%RHの雰囲気で7日間放置して再剥離用粘着シートを作製する。該粘着シートをJIS Z−0237の180°引き剥がし粘着力測定に準じて測定する。再剥離用粘着シートを幅25mmに切断し、SUS板、ポリプロピレン板、上質紙(55g/m)及びアート紙(王子製紙(株)製両面アート紙 Nアート)に貼り付け、2Kgのロ―ラで1往復圧着したのち、20分後に測定する初期粘着力と23℃、65%RHで24時間放置した後に測定する経時粘着力をテンシロン万能試験機((株)エー・アンド・デー製)にて、引き剥がし速度300mm/分で測定する。測定値はN/25mmである。なお経時粘着力はアート紙についてのみ測定をする。
【0036】
2.再剥離性
粘着力試験と同様に作製した再剥離用粘着シートを幅25mmに切断し、SUS板及びアート紙に貼り合わせ、40℃の雰囲気に7日放置後、10m/分の速度で120°方向に手で剥離して剥離状態を目視にて観察する。
◎:糊残りや紙破れなくきれいに剥離できる。
○:糊残りが若干見られるが、実用上問題ないレベル。
△:糊残りや紙破れが部分的にある。
×:全面に糊残りや紙破れがある。
【0037】
3.基材密着性
上質紙(55g/m)に転写した粘着層を5往復指でこすり、粘着剤の脱落具合を判定する。
○:粘着剤が基材から脱落しない。
△:粘着剤が基材から少々脱落するが、実用上問題ないレベル。
×:粘着剤が脱落する。
【0038】
【発明の効果】
以上のように、本発明は、水分散型アクリル系粘着剤に特定のカルボジイミド系架橋剤とエポキシ系架橋剤とを特定量配合することにより、被着体、特にアート紙やキャストコート紙等コート紙に対する再剥離性に優れ、微粘着でしかも優れた基材密着性を有する再剥離型粘着剤組成物を提供でき、粘着ラベル、テープ、シート、表面保護フィルム、塗装用マスキングテープ、粘着メモ等として幅広く利用することができる。

Claims (3)

  1. アルキル基の炭素数が4〜12の(メタ)アクリル酸アルキルエステルを主成分とし、カルボキシル基含有不飽和単量体を0.1〜8重量%含む共重合体からなる水分散型アクリル系粘着剤に、カルボジイミド系架橋剤及びエポキシ系架橋剤を添加してなる再剥離型粘着剤組成物。
  2. カルボジイミド系架橋剤がカルボジイミド結合(−N=C=N−)とエチレンオキサイド部位(−CH−CH−O−)を有する水溶性カルボジイミド化合物からなり、カルボキシル基含有不飽和単量体のカルボキシル基1当量当り、カルボジイミド結合が0.01〜3当量となるようにカルボジイミド結合とエチレンオキサイド部位を有するカルボジイミド化合物を添加してなる請求項1に記載の再剥離型粘着剤組成物。
  3. エポキシ系架橋剤が少なくとも2官能以上のエポキシ基を有する親水性エポキシ化合物からなり、カルボキシル基含有不飽和単量体のカルボキシル基1当量当り、エポキシ基が0.01〜3当量となるようにエポキシ化合物を添加してなる請求項1又は2に記載の再剥離型粘着剤組成物。
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