JP7110883B2 - 粘着剤組成物、およびそれを用いてなる粘着剤及び粘着シート - Google Patents
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Description
また、加水分解を更に抑制しようとこの粘着剤においてカルボジイミド化合物の配合量を増やした場合、粘着剤層を高温高湿環境下に暴露すると、塗膜中に凹凸が発生してしまい外観を著しく損なうという問題もあった。
そこで、本発明ではこのような背景下において、高温高湿度環境下で使用した際にも、プラスチックフィルムからなる基材や被着体における加水分解に対して優れた加水分解抑制性能を有し結晶化を抑制し、更に粘着剤層に凹凸が発生しにくく、種々の用途に適用できる粘着剤、とりわけ加水分解を受けやすい基材や被着体に適用した場合であっても好適に用いることができる粘着剤、例えば偏光板用粘着剤として好適な粘着剤を得ることができる粘着剤組成物を提供することを目的とするものである。
アクリル系樹脂にカルボジイミド化合物とイソシアネート系架橋剤を使用した場合、カルボジイミド化合物中に残留するカルボジイミド化触媒がイソシアネート化合物をカルボジイミド化してしまい脱炭酸等の反応により粘着剤層に凹凸が発生するのではないかと考えられるところ、脂肪族系イソシアネートや脂環式イソシアネートを用いた場合においては、カルボジイミド化が起こらず粘着剤層に凹凸が発生しないものであることを見出した。
なお、(メタ)アクリルとはアクリルあるいはメタクリルを、(メタ)アクリロイルとはアクリロイルあるいはメタクリロイルを、(メタ)アクリレートとはアクリレートあるいはメタクリレートをそれぞれ意味するものである。また、アクリル系樹脂とは、少なくとも1種の(メタ)アクリレート系モノマーを含む重合成分を重合して得られる樹脂である。
また、本発明でいう粘着剤とは25℃(室温)でタックを有し、手で押しつける程度の軽い圧力で被着体と接着するものである。
本発明で用いられるアクリル系樹脂(A)としては、例えば、アルキル(メタ)アクリレート系モノマーを(さらにはその他の共重合性モノマー)を重合成分とするアクリル系樹脂をあげることができる。
本発明においては、アクリル系樹脂(A)が共重合性モノマーとして官能基含有モノマーを用いたものであることが、アクリル系樹脂(A)の架橋点となり、凝集力を向上し、基材や被着体との密着性を上昇させる点、耐湿熱白化性(湿熱白化:恒温恒湿環境下に曝した後に粘着剤が白化する現象)の点で好ましく、特には耐湿熱白化性の点から水酸基含有モノマーを用いることが好ましい。
ヒドロキシアルキル基を有する(メタ)アクリル系モノマー[例えば、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、5-ヒドロキシペンチル(メタ)アクリレート、6-ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、8-ヒドロキシオクチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3-クロロ-2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2,2-ジメチル-2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートモノマー]、
ラクトン変性モノマー[例えば、カプロラクトン変性2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等のカプロラクトン変性モノマー(例えば、カプロラクトン変性(メタ)アクリル系モノマー)]、
オキシアルキレン変性モノマー[例えば、ジエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート等のオキシアルキレン変性(メタ)アクリル系モノマー(例えば、オキシアルキレン変性(メタ)アクリレートモノマー)]、
2-アクリロイロキシエチル-2-ヒドロキシエチルフタル酸、N-メチロール(メタ)アクリルアミド、ヒドロキシエチルアクリルアミド等のモノマー(水酸基含有(メタ)アクリル系モノマー)が挙げられる。
なお、モノマー(水酸基含有(メタ)アクリル系モノマー)において、水酸基は第1~3級のいずれであってもよい。
1級水酸基含有モノマーとしては、例えば、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、5-ヒドロキシペンチル(メタ)アクリレート、6-ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、8-ヒドロキシオクチル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートモノマー、カプロラクトン変性2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等のカプロラクトン変性モノマー、ジエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート等のオキシアルキレン変性(メタ)アクリレートモノマー、2-アクリロイロキシエチル-2-ヒドロキシエチルフタル酸、N-メチロール(メタ)アクリルアミド、ヒドロキシエチルアクリルアミド等の1級水酸基含有(メタ)アクリル系モノマー等が挙げられる。
2級水酸基含有モノマーとしては、例えば、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3-クロロ-2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等の2級水酸基含有(メタ)アクリル系モノマー等が挙げられる。
3級水酸基含有モノマーとしては、例えば、2,2-ジメチル-2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等の3級水酸基含有(メタ)アクリル系モノマーが挙げられる。
これらは単独で用いてもよいし2種以上を併用してもよい。
また、酸の不純分が少なく基材の加水分解を抑制する点で4-ヒドロキシブチルアクリレートが最も好ましい。
かかる含有割合が少なすぎると、耐湿熱白化性が低下する傾向があり、多すぎると粘着剤とした際の保存安定性が低下したり、リワーク性(リワーク性:粘着シートを基材から剥離する際に糊残りなく、また被着体を傷めない事)が低下したりする傾向にある。
かかる含有割合が多すぎると、基材の加水分解を促進したり、カルボジイミド化合物(B)と副反応を起こし耐久性が低下したりする傾向がある。
アミノ基含有モノマーとしては、例えば、アミノメチル(メタ)アクリレート、アミノエチル(メタ)アクリレート等の1級アミノ基含有(メタ)アクリレート系モノマー;t-ブチルアミノエチル(メタ)アクリレート等の2級アミノ基含有(メタ)アクリレート系モノマー;ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート等の3級アミノ基含有(メタ)アクリレート系モノマー等が挙げられる。
これらは単独で用いてもよいし2種以上を併用してもよい。
Tga:モノマーAのホモポリマーのガラス転移温度(K) Wa:モノマーAの重量分率
Tgb:モノマーBのホモポリマーのガラス転移温度(K) Wb:モノマーBの重量分率
Tgn:モノマーNのホモポリマーのガラス転移温度(K) Wn:モノマーNの重量分率
(Wa+Wb+・・・+Wn=1)
なお、アクリル系樹脂を構成するモノマーのホモポリマーとした際のガラス転移温度は、通常、示差走査熱量計(DSC)により測定されるものであり、JIS K7121-1987や、JIS K 6240に準拠した方法で測定することができる。
カルボジイミド化合物(B)は、カルボジイミド基[-N=C=N-]を1つ以上有する化合物であればよく、例えば、カルボジイミド基を1つ有する単官能カルボジイミド化合物(モノカルボジイミド化合物、モノマー型カルボジイミド化合物という)、カルボジイミド基を2つ以上有する多官能カルボジイミド化合物(ポリカルボジイミド化合物という)等が挙げられる。ポリカルボジイミド化合物は、カルボジイミド基の繰り返し構造を有するポリマー型カルボジイミド化合物等であってもよい。
これらの中でも、粘着剤としたときにブリードしたりせず耐久性が低下しにくい傾向がある点でポリマー型カルボジイミド化合物が好ましい。
-(N=C=N-R)n-
(式中、Rはカルボジイミド構造の残基、nは2以上の整数を示す。)
Rとしては、例えば、脂肪族構造(脂肪族骨格、例えば、アルキレン骨格など)、脂環族構造(脂環族骨格、例えば、シクロアルキレン骨格)、芳香族構造(芳香族骨格、例えば、アリーレン骨格)、これらを組み合わせて有する構造(例えば、アレーンジアルキレン骨格、シクロアルカンジアルキレン骨格等)などが挙げられる。
なお、Rは、nの数によって同一であってもよく、異なっていてもよい。すなわち、上記式で表される構造を有するカルボジイミド化合物は、同一の又は異なるRを有していてもよい。
また、上記式中、nは2以上であればよく、中でも2~30が好ましく、より好ましくは3~20、より好ましくは5~15である。
オキシアルキレン構造としては、例えば、メトキシ基やエトキシ基等のアルコキシアルキル基(アルコキシアルキル構造)、ポリオキシエチレン構造、ポリオキシプロピレン構造、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン構造などのポリオキシアルキレン(ポリオキシアルキレンオキサイド)構造が挙げられる。
カルボジイミド化合物(B)は、これらのオキシアルキレン構造を単独で又は2種以上を組み合わせて有していてもよい。
これらの中でも高温高湿度に暴露した時でも、白化が起こりにくい点でポリオキシアルキレン構造(特にポリオキシエチレン構造)が好ましい。
ポリオキシアルキレン構造の繰り返し数としては、例えば、2~50が好ましく、5~20が特に好ましい。
上記範囲であれば、アクリル系樹脂(A)との相溶性が良好となったり、高温高湿度条件下に暴露した際の粘着剤層の白化を抑制できる傾向がある。
-N=C=N-R-X-
(式中、Xはオキシアルキレン構造を示し、Rは前記と同じ。)
-(N=C=N-R)n-X-
(式中、n、R及びXは前記と同じ。)
繰り返し数が少なすぎると、カルボジイミド化合物が高温や低温で析出しやすい傾向にあり、多すぎるとアクリル系樹脂(A)との相溶性が低下する傾向にある。
なお、本発明において、溶解とは濁りがなく分離していない状態のものをいう。なお、溶解性の下限値は、通常水への溶解性が0.00001重量%である。
かかるイソシアネート基が多すぎると、粘着剤層の物性が安定しにくい傾向にある。
Y-Xの値としては、0.05~1000mmolが特に好ましく、0.10~100mmolが更に好ましく、0.15~70mmolが好ましく、0.20~50mmolが更に好ましい。
カルボジイミド基含有量がアクリル系樹脂(A)のカルボキシル基含有量に対して少なすぎると常温で徐々に反応が進行してしまったり、高温高湿度条件下で基材の加水分解より先に、カルボジイミド基が全て反応してしまい加水分解抑制効果が低下する傾向にある。
イソシアネート系架橋剤(C)は、脂肪族イソアネート系架橋剤及び脂環式イソシアネート系架橋剤から選ばれる少なくとも1つである。
脂肪族イソシアネート系架橋剤としては、例えば、アルキレンポリイソシアネート{例えば、C1-20アルキレンポリイソシアネート(例えば、ペンタメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等のC1-20アルキレンジイソシアネート等)等};及びこれらのアダクト体、ビュレット体、イソシアヌレート体等が挙げられる。
脂環式(脂環族)イソシアネート系架橋剤としては、例えば、イソホロンジイソシアネート、シクロアルカンジイソシアネート(例えば、1,4-シクロヘキサンジイソシアネート、1,3-ジイソシアナトメチルシクロヘキサン等のC4-20シクロアルカンジイソシアネート等)、ジシクロアルキルアルカンジイソシアネート(例えば、4,4’-ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、イソプロピリデンジシクロヘキシル-4,4’-ジイソシアネート等のジC4-20シクロアルキル―C1-10アルカンジイソシアネート等)、キシリレンジイソシアネートの水素添加物、トリレンジイソシアネートの水素添加物(例えば、メチルシクロヘキサンジイソシアネート等)、架橋環式ジイソシアネート(例えば、ノルボルナンジイソシアネート等);及びこれらのアダクト体、ビュレット体、イソシアヌレート体等が挙げられる。
上記範囲であれば粘着剤層が十分架橋し粘着物性に優れ、更には架橋剤がアクリル系樹脂と優先的に反応するため粘着剤層の凹凸発生抑制性能がより良好となる傾向にある。
他の架橋剤としては、例えば、上記イソシアネート系架橋剤(C)以外のイソシアネート系架橋剤(他のイソシアネート系架橋剤)、エポキシ系架橋剤、アジリジン系架橋剤、メラミン系架橋剤、アルデヒド系架橋剤、アミン系架橋剤、金属キレート系架橋剤等が挙げられるが、これらの中でも基材との接着性を向上させる点やアクリル系樹脂(A)との反応性に優れる点で、他のイソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤等が好ましい。
本発明の粘着剤組成物においては、帯電防止性能の点でイオン性化合物(D)を含有することも好ましい。
上記カチオンとしては、無機カチオン及び有機カチオンから選ばれるカチオンであればよい。
テトラメチルアンモニウムカチオン、テトラエチルアンモニウムカチオン、テトラブチルアンモニウムカチオン、テトラペンチルアンモニウムカチオン、テトラヘキシルアンモニウムカチオン、テトラヘプチルアンモニウムカチオン等のアルキル基のアルキル鎖長が全て等しいテトラアルキルアンモニウムカチオン;
トリエチルメチルアンモニウムカチオン、トリブチルメチルアンモニウムカチオン、トリメチルプロピルアンモニウムカチオン、トリメチルデシルアンモニウムカチオン、トリエチルメチルアンモニウムカチオン、トリブチルエチルアンモニウムカチオン、N,N-ジメチル-N-エチル-N-プロピルアンモニウムカチオン、N,N-ジメチル-N-エチル-N-ブチルアンモニウムカチオン、N,N-ジメチル-N-エチル-N-ペンチルアンモニウムカチオン、N,N-ジメチル-N-エチル-N-ヘキシルアンモニウムカチオン、N,N-ジメチル-N-エチル-N-ヘプチルアンモニウムカチオン、N,N-ジメチル-N-エチル-N-ノニルアンモニウムカチオン、N,N-ジメチル-N,N-ジプロピルアンモニウムカチオン、N,N-ジエチル-N-プロピル-N-ブチルアンモニウムカチオン、N,N-ジメチル-N-プロピル-N-ペンチルアンモニウムカチオン、N,N-ジメチル-N-プロピル-N-ヘキシルアンモニウムカチオン、N,N-ジメチル-N-プロピル-N-ヘプチルアンモニウムカチオン、N,N-ジメチル-N-ブチル-N-ヘキシルアンモニウムカチオン、N,N-ジエチル-N-ブチル-N-ヘプチルアンモニウムカチオン、N,N-ジメチル-N-ペンチル-N-ヘキシルアンモニウムカチオン、N,N-ジメチル-N,N-ジヘキシルアンモニウムカチオン、トリメチルヘプチルアンモニウムカチオン、N,N-ジエチル-N-メチル-N-プロピルアンモニウムカチオン、N,N-ジエチル-N-メチル-N-ペンチルアンモニウムカチオン、N,N-ジエチル-N-メチル-N-ヘプチルアンモニウムカチオン、N,N-ジエチル-N-プロピル-N-ペンチルアンモニウムカチオン、トリエチルプロピルアンモニウムカチオン、トリエチルペンチルアンモニウムカチオン、トリエチルヘプチルアンモニウムカチオン、N,N-ジプロピル-N-メチル-N-エチルアンモニウムカチオン、N,N-ジプロピル-N-メチル-N-ペンチルアンモニウムカチオン、N,N-ジプロピル-N-ブチル-N-ヘキシルアンモニウムカチオン、N,N-ジプロピル-N,N-ジヘキシルアンモニウムカチオン、N,N-ジブチル-N-メチル-N-ペンチルアンモニウムカチオン、N,N-ジブチル-N-メチル-N-ヘキシルアンモニウムカチオン、トリオクチルメチルアンモニウムカチオン、N-メチル-N-エチル-N-プロピル-N-ペンチルアンモニウムカチオン等のアルキル鎖長が異なるアルキル基を有するテトラアルキルアンモニウムカチオン;
その他、グリシジルトリメチルアンモニウムカチオン、ジアリルジメチルアンモニウムカチオン、ベンチルトリブチルアンモニウムカチオン、N,N-ジエチル-N-メチル-N-(2-メトキシエチル)アンモニウムカチオン等の芳香環を有する置換基やエーテル結合を有する置換基を持つアンモニウムカチオンが挙げられる。
1,3-ジメチルイミダゾリウムカチオン、1,3-ジエチルイミダゾリウムカチオン、1-エチル-3-メチルイミダゾリウムカチオン、1-ブチル-3-メチルイミダゾリウムカチオン、1-へキシル-3-メチルイミダゾリウムカチオン、1-オクチル-3-メチルイミダゾリウムカチオン、1-デシル-3-メチルイミダゾリウムカチオン、1-ドデシル-3-メチルイミダゾリウムカチオン、1-テトラデシル-3-メチルイミダゾリウムカチオン、1,2-ジメチル-3-プロピルイミダゾリウムカチオン、1-エチル-2,3-ジメチルイミダゾリウムカチオン、1-ブチル-2,3-ジメチルイミダゾリウムカチオン、1-へキシル-2,3-ジメチルイミダゾリウムカチオン等が挙げられる。
1-オクチル-2-メチルピリジニウムカチオン、1-オクチル-3-メチルピリジニウムカチオン、1-オクチル-4-メチルピリジニウムカチオン、1-オクチルピリジニウムカチオン、2-エチルヘキシルピリジニウムカチオン、1-エチルピリジニウムカチオン、1-ブチルピリジニウムカチオン、1-へキシルピリジニウムカチオン、1-ブチル-3-メチルピリジニウムカチオン、1-ブチル-4-メチルピリジニウムカチオン、1-へキシル-3-メチルピリジニウムカチオン、1-ブチル-3,4-ジメチルピリジニウムカチオン、1,1-ジメチルピロリジニウムカチオン、1-エチル-1-メチルピロリジニウムカチオン、1-メチル-1-プロピルピロリジニウムカチオン等が挙げられる。
1-メチル-1-エチルピペリジニウムカチオン、1-メチル-1-ブチルピペリジニウムカチオン、1-ブチル-1-ブチルピペリジニウムカチオン、1-オクル-1-オクチルピペリジニウムカチオン、1-ブチル-1-オクチルピペリジニウムカチオン等が挙げられる。
1,3-ジメチル-1,4,5,6-テトラヒドロピリミジニウムカチオン、1,2,3-トリメチル-1,4,5,6-テトラヒドロピリミジニウムカチオン、1,2,3,4-テトラメチル-1,4,5,6-テトラヒドロピリミジニウムカチオン、1,2,3,5-テトラメチル-1,4,5,6-テトラヒドロピリミジニウムカチオン、1,3-ジメチル-1,4-ジヒドロピリミジニウムカチオン、1,3-ジメチル-1,6-ジヒドロピリミジニウムカチオン、1,2,3-トリメチル-1,4-ジヒドロピリミジニウムカチオン、1,2,3-トリメチル-1,6-ジヒドロピリミジニウムカチオン、1,2,3,4-テトラメチル-1,4-ジヒドロピリミジニウムカチオン、1,2,3,4-テトラメチル-1,6-ジヒドロピリミジニウムカチオン等が挙げられる。
1-メチルピラゾリウムカチオン、3-メチルピラゾリウムカチオン、1-エチル-2-メチルピラゾリニウムカチオン等が挙げられる。
1-ジメチルピロリジニウム、1-メチル-1-エチルピロリジニウム、1-メチル-1-プロピルピロリジニウム、1-メチル-1-ブチルピロリジニウム、1-メチル-1-ペンチルピロリジニウム、1-メチル-1-ヘキシルピロリジニウム、1-メチル-1-へプチルピロリジニウム、1-エチル-1-プロピルピロリジニウム、1-エチル-1-ブチルピロリジニウム、1-エチル-1-ペンチルピロリジニウム、1-エチル-1-へキシルピロリジニウム、1-エチル-1-へプチルピロリジニウム、1,1-ジプロピルピロリジニウム、1-プロピル-1-ブチルピロリジニウム、1,1-ジブチルピロリジニウム等が挙げられる。
テトラフルオロボレートアニオン〔BF4 -〕、
ヘキサフルオロホスフェートアニオン〔PF6 -〕、
ヘキサフルオロアーセネートアニオン〔AsF6 -〕、
ヘキサフルオロアンチモネートアニオン〔SbF6 -〕、
ヘキサフルオロニオベートアニオン〔NbF6 -〕、
ヘキサフルオロタンタレートアニオン〔TaF6 -〕、
等のフッ素含有無機アニオン;
N,N-ビス(フルオロスルホニル)イミドアニオン〔(SO2F)2N-〕
N,N-ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドアニオン〔(CF3SO2)2N-〕、N,N-ビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミドアニオン〔(C2F5SO2)2N-〕、等のフッ素含有イミドアニオン
トリフルオロアセテートアニオン〔CF3COO-〕、
トリフルオロメタンスルホネートアニオン〔CF3SO3 -〕
パーフルオロブタンスルホネートアニオン〔C4F9SO3 -〕、
パーフルオロブタノエートアニオン〔C3F7COO-〕、
トリス(トリフルオロメタンスルホニル)メタニドアニオン〔(CF3SO2)3C-〕、
等が挙げられる。
本発明の粘着剤組成物には、金属やガラス等の被着体に使用した際に湿熱環境下での粘着力の低下を抑制できる点でシランカップリング剤(E)を含有することも好ましい。
上記反応性官能基としては、例えば、エポキシ基、(メタ)アクリロイル基、メルカプト基、水酸基、カルボキシル基、アミノ基、アミド基、イソシアネート基が挙げられ、これらの中でも、耐久性とリワーク性のバランスの点からメルカプト基、エポキシ基が好ましい。
装置:ゲル浸透クロマトグラフィー
検出器:示差屈折率検出器RI(東ソー社製 RI-8020型、感度32)
カラム:東ソー社製 TSKguardcolumn HHR-H(1本)(φ6mm×4cm)、(TSKgelGMHHR-N(2本)(φ7.8mm×30cm)、充填剤材質:スチレン-ジビニルベンゼン共重合体
溶媒:テトラヒドロフラン(THF)
カラム温度:23℃流速:1.0mL/min
3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3-グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3-グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、2-(3,4エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等のシラン化合物であるモノマー型のエポキシ基含有シランカップリング剤や、上記シラン化合物の一部が加水分解縮重合したり、上記シラン化合物とメチルトリエトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン等のアルキル基含有シラン化合物が共縮合したシラン化合物であるオリゴマー型エポキシ基含有シランカップリング剤;
3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリエトキシシラン、γ-メルカプトプロピルジメトキシメチルシラン、3-メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン等のシラン化合物であるモノマー型のメルカプト基含有シランカップリング剤や、上記シラン化合物の一部が加水分解縮重合している、上記シラン化合物とメチルトリエトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン等のアルキル基含有シラン化合物が共縮合したシラン化合物であるオリゴマー型メルカプト基含有シランカップリング剤;
3-アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3-アクリロキシプロピルトリメトキシシラン等の(メタ)アクリロイル基含有シランカップリング剤;
N-2-(アミノエチル)-3-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N-2-(アミノエチル)-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリエトキシシラン、3-トリエトキシシリル-N-(1,3-ジメチル-ブチリデン)プロピルアミン、N-フェニル-3-アミノプロピルトリメトキシシラン等のアミノ基含有シランカップリング剤;
3-イソシアネートプロピルトリエトキシシラン等のイソシアネート基含有シランカップリング剤;
ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン等のビニル基含有シランカップリング剤;などが挙げられる。
これらは単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
「X-41-1059A」(重量平均分子量:2,270、含有官能基;エポキシ基、含有ケイ素原子結合アルコキシ基;メトキシ基及びエトキシ基、含有ケイ素原子結合アルコキシ基量;42重量%、官能基当量;350g/mol)、
「X-41-1805」(重量平均分子量:3,450、含有官能基;メルカプト基、含有ケイ素原子結合アルコキシ基;メトキシ基及びエトキシ基、含有ケイ素原子結合アルコキシ基量;50重量%、官能基当量;800g/mol)、
「X-24-9579A」(重量平均分子量:2,370、含有官能基;メルカプト基、含有ケイ素原子結合アルコキシ基;メトキシ基、官能基当量;510g/mol)、
「X-24-9589」(重量平均分子量:4,700、含有官能基;エポキシ基、含有ケイ素原子結合アルコキシ基;エトキシ基、官能基当量;680g/mol)、
「X-24-9590」(重量平均分子量:13,700、含有官能基;エポキシ基、含有ケイ素原子結合アルコキシ基;メトキシ基、含有ケイ素原子結合アルコキシ基量;9.5重量%、官能基当量;592g/mol)、
「X-41-1818」(重量平均分子量:2,350、含有官能基;メルカプト基、含有ケイ素原子結合アルコキシ基;エトキシ基、含有ケイ素原子結合アルコキシ基量;60重量%、官能基当量;850g/mol)
等を用いればよい。これらの中でも耐久性とリワーク性のバランスの点で「X-41-1059A」、「X-41-1805」、「X-24-9579A」、「X-24-9590」が好ましい。
本発明の粘着剤組成物は、イソシアネート系架橋剤(C)で架橋させることにより粘着剤とすることができ、更に、かかる粘着剤を含む粘着剤層をプラスチックフィルム等の基材に積層形成することにより、粘着シートを得ることができる。
上記粘着シートには、粘着剤層の基材フィルムとは逆の面に、さらに離型フィルムを設けることが好ましい。
〔1〕基材フィルム上に、粘着剤組成物を塗布、乾燥した後、離型シートを貼合し、常温または加温状態でのエージングの少なくとも一方による処理を行なう方法、
〔2〕離型シート上に、粘着剤組成物を塗布、乾燥した後、基材フィルムを貼合し、常温または加温状態でのエージングの少なくとも一方による処理を行なう方法等がある。
これらの中でも、〔2〕の方法で、常温状態でエージングする方法が、熱により基材フィルムを痛めない点、基材フィルムと粘着剤層との密着性に優れる点で好ましい。
かかる粘着剤層が薄すぎると、厚み精度が低下したり粘着力が低くなる傾向があり、厚すぎると粘着シートをロール状にした際に端からはみ出したりする傾向がある。
タックはJIS Z0237(2009年)に規定された傾斜角30°の時のボールタックにより測定される。ボールタックは1以上が好ましく、3以上がより好ましい。かかるボールタックが低すぎると、粘着シートを被着体に貼り合わせる際に密着しにくくなる傾向にある。
更に、加水分解性を示すプラスチックフィルム(例えば、加水分解性を示すプラスチックフィルムからなる基材および/または被着体)に供する場合に、本発明の目的が顕著に発揮される。
アクリル系樹脂(A)のガラス転移温度については前述のFoxの式を用いて算出し、アクリル系樹脂(A)を構成するモノマーのホモポリマーとした際のガラス転移温度は通常DSCにより測定されてなる文献値およびカタログ記載値を用いた。
[アクリル系樹脂(A-1)]
還流冷却器、撹拌器、窒素ガスの吹き込み口及び温度計を備えた4ツ口丸底フラスコにノルマルブチルアクリレート(BA)92部、4-ヒドロキシブチルアクリレート(4HBA)8部、酢酸エチル63部、アセトン42部、重合開始剤として2、2-アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.012部を仕込み、沸点まで昇温し反応を開始した後、2,2-アゾビス2,4-ジメチルバレロニトリル(ADVN)0.012部と酢酸エチル30部の混合溶液を滴下しながら還流温度で3.25時間反応後、酢酸エチルにて希釈してアクリル系樹脂(A-1)(重量平均分子量137万、分散度3.2、ガラス転移温度-54℃)溶液(固形分18.6%、粘度2810mPa・s/25℃)を得た。
カルボジイミド化合物として以下のものを用意した。
架橋剤として以下のものを用意した。
(C-1):ヘキサメチレンジイソシアネートとトリメチロールプロパンのアダクト体(東ソー株式会社製「コロネートHL」)
イオン性化合物として以下のものを用意した。
(D-1):トリブチルメチルアンモニウム N,N-ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(スリーエム社製「FC-4400」、分子量482、融点27.5℃)
シランカップリング剤として、以下のものを用意した。
(E-1):エポキシ系オリゴマー型シランカップリング剤(信越化学社製、「X-41-1059A」)
上記のようにして調製、準備した各配合成分を下記表1の通りに配合し、これを酢酸エチルにて固形分濃度を12.5%に調液し、粘着剤組成物を得た。
得られた粘着剤組成物を用いて、以下の評価を行った。
得られた粘着剤組成物を38μmポリエステル系離型フィルム(東レ社製「セラピールWZ」)に乾燥後の厚みが25μmとなるように塗布し、100℃で3分間乾燥したのち、ポリエステルフィルム(PETフィルム)と位相差機能付きトリアセチルセルロースフィルム(位相差TACフィルム)をそれぞれ積層した偏光板の一方の位相差TACフィルム表面に、セパレーターと反対側の粘着剤層面を貼り合わせ、23℃×50%RH環境下で7日間養生し粘着剤層付偏光板[I]を得た(層構成;離型フィルム/粘着剤層/位相差TACフィルム/偏光子/PETフィルム)。
得られた粘着剤組成物を38μmポリエステル系離型フィルム(東レ社製「セラピールWZ」)に乾燥後の厚みが25μmとなるように塗布し、100℃で3分間乾燥したのち、38μmポリエステル系離型フィルム(三井東セロ社製「SP0338BU」)を貼り合わせ、23℃×50%RH環境下で7日間養生し粘着剤層付セパレーターフィルム[II]を得た(層構成;軽剥離フィルム/粘着剤層/重剥離フィルム)。
得られた粘着剤層付偏光板[I]を用いて、下記の通り、粘着剤の結晶析出抑制効果及び粘着剤層の塗膜状態について評価した。
上記粘着剤層付偏光板[I]を16cm×9.5cmにカットし、離型フィルムを剥離して粘着剤層面を無アルカリガラス(コーニング社製「イーグルXG」:厚み0.7mm)に押しつけ2kgローラーにて2往復して貼り合わせたのち、オートクレーブ処理(0.5Mpa×50℃×20分間)を行い、結晶析出抑制効果の試験用サンプルを作製した。
試験用サンプルを80℃、90%RH条件下にいれ、480時間経過後の結晶の析出の有無を評価した。
また、粘着剤層の塗膜状態については480時間経過後の粘着剤層を目視で観察し、以下の評価基準にて評価した。
○:凹凸なし
△:多少の凹凸が見られる
×:全面に凹凸が見られる
上記で得られた粘着剤層付偏光板[I]を23℃×50%RH雰囲気下で24時間静置したのち、セパレーター離型フィルムを剥離し、表面抵抗率測定装置(三菱化学アナリテック株式会社製、装置名「Hiresta-UP MCP-HT450」)を用いて、粘着剤層の表面抵抗率を測定した。
上記で得られた粘着剤層付き偏光板[I]を25mm幅にカットし、セパレーター離型フィルムを外して、無アルカリガラス(コーニング社製「イーグルXG」:厚み1.1mm)に2kgローラーにて貼りあわせ、オートクレーブ処理(0.5Mpa×50℃×20分間)を行ったのち、23℃×50%RH環境下で(1)24時間(1日間)したものと、(2)480時間(20日間)静置したものとを180°に引きはがした時の粘着力を測定した。
上記で得られた粘着剤層付セパレーターフィルム[II]を用いてセパレーター上に形成された粘着剤層から粘着剤をピッキングにより採取し、粘着剤を200メッシュのSUS製金網で包み酢酸エチル中に23℃×24時間浸漬し、金網中に残存した不溶解の粘着剤成分の重量百分率を測定する事によりゲル分率を求めた。
一方、アクリル系樹脂、カルボジイミド化合物及び芳香族イソシアネート系架橋剤を使用した比較例1~3は、基材の加水分解を抑制できているものの、高温高湿度条件下では粘着剤層に凹凸が発生し外観に劣る結果となった。
アクリル系樹脂にカルボジイミド化合物とイソシアネート系架橋剤を使用した場合、カルボジイミド化合物中に残留するカルボジイミド化触媒がイソシアネート化合物をカルボジイミド化してしまい脱炭酸等の反応により粘着剤層に凹凸が発生するのではないかと考えられる。
脂肪族系イソシアネートや脂環式イソシアネートはカルボジイミド化されづらく、使用したイソシアネート系架橋剤がアクリル系樹脂の官能基と優先的に反応し消費されてしまうためカルボジイミド化が起こらず粘着剤層に凹凸が発生しなかったのではないかと考えられる。
Claims (9)
- アクリル系樹脂(A)、カルボジイミド化合物(B)、及び脂肪族イソアネート系架橋剤及び脂環式イソシアネート系架橋剤から選ばれる少なくとも1つのイソシアネート系架橋剤(C)を含有し、アクリル系樹脂(A)の重量平均分子量が100万~250万であることを特徴とする粘着剤組成物。
- カルボジイミド化合物(B)の含有量がアクリル系樹脂(A)100重量部に対して0.1~30重量部であることを特徴とする請求項1記載の粘着剤組成物。
- カルボジイミド化合物(B)がポリマー型カルボジイミド化合物であることを特徴とする請求項1または2記載の粘着剤組成物。
- カルボジイミド化合物(B)のカルボジイミド基当量が1000g/mol以下であることを特徴とする請求項1~3いずれかに記載の粘着剤組成物。
- アクリル系樹脂(A)が、カルボキシル基含有モノマー由来の構造単位が1重量%以下であるアクリル系樹脂であることを特徴とする請求項1~4いずれかに記載の粘着剤組成物。
- 請求項1~5のいずれかに記載の粘着剤組成物が架橋されてなることを特徴とする粘着剤。
- 加水分解性を示すプラスチックフィルムに用いることを特徴とする請求項6記載の粘着剤。
- 偏光板に用いることを特徴とする請求項6又は7に記載の粘着剤。
- 請求項6~8のいずれかに記載の粘着剤を含む粘着剤層を有することを特徴とする粘着シート。
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