JP7033388B2 - 偏光板用粘着剤組成物、およびそれを用いてなる偏光板用粘着剤、粘着剤層付偏光板、ならびに画像表示装置 - Google Patents
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Description
この問題は特に、上記構成(3)や構成(4)のように、TACフィルムよりもガス透過度が低いフィルム(例えばPETフィルム)を保護フィルムの一方に用いた構成の偏光板で多くみられ、加水分解が進むと、粘着剤層中に結晶状の析出物が発生するという更なる問題があった。
アクリル系樹脂(A)が、下記モノマー(a1)~(a5)をモノマー成分中に下記割合で含有するモノマー成分[I]を共重合して得られるものであり、
(a1)ノルマルブチルアクリレート 57.5~74.6重量%、
(a2)水酸基含有モノマー 6~15重量%(ただし、(a4)を除く。)、
(a3)カルボキシル基含有モノマー 0.1~1重量%、
(a4)アミド基含有モノマー 0.5~2.5重量%、
(a5)芳香環含有モノマー 19~25重量%、
アクリル系樹脂(A)の重量平均分子量が80万~200万であり、
イオン性化合物(B)が、有機カチオンと下記一般式(1)で示されるアニオンからなるイオン性化合物であり、
(CnF2n+1SO2)2N-・・・(1)
〔式中、nは1~10の整数である。〕
イオン性化合物(B)の含有量がアクリル系樹脂(A)100重量部に対して2~5重量部である偏光板用粘着剤組成物である。
従って、TACフィルム以外にも、各種保護フィルムを組み合わせてなる種々の構成の偏光板との貼り合せに好適に用いることができる。
なお、本発明において、(メタ)アクリルとはアクリルあるいはメタクリルを、(メタ)アクリロイルとはアクリロイルあるいはメタクリロイルを、(メタ)アクリレートとはアクリレートあるいはメタクリレートをそれぞれ意味するものである。また、アクリル系樹脂とは、少なくとも1種の(メタ)アクリレート系モノマーを含む重合成分を重合して得られる樹脂である。
本発明で用いられるアクリル系樹脂(A)は、ノルマルブチルアクリレート(a1)5
7.5~74.6重量%、水酸基含有モノマー(a2)6~15重量%、カルボキシル基
含有モノマー(a3)0.1~1重量%、アミド基含有モノマー(a4)0.5~2.5
重量%、芳香環含有モノマー(a5)19~25重量%を含有するモノマー成分[I]を
共重合して得られるものである。
モノマー成分[I]は、必要に応じてその他の共重合可能なエチレン性不飽和モノマー
(a6)を含有してもよい。
これらの中でも、親水性が高く耐湿熱白化性に優れる点で、1級水酸基含有アクリレートが好ましく、さらには、アクリル系樹脂のガラス転移温度が高くなりすぎない点で、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートが好ましく、特にはアクリル系樹脂(A)のガラス転移点が高くなりすぎない点で2-ヒドロキシエチルアクリレート、4-ヒドロキシブチルアクリレートが好ましい。
これらの中でも、汎用品として入手が可能でありコストの点、重合時の安定性の点、アクリル系樹脂のガラス転移温度が上がりすぎない点でアクリル酸が好ましい。
これらの中でも、樹脂溶液の安定性の点や、帯電防止剤の移行を抑制する点、湿熱環境下での結晶の析出を抑制する効果が大きい点で、(メタ)アクリルアミド、N-アルコキシアルキル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジアルキル(メタ)アクリルアミドが好ましく、特には、アクリルアミド、メタクリルアミド、N-エトキシメチルアクリルアミド、N-ブトキシメチルアクリルアミド、N-イソブトキシメチルアクリルアミド、N,N-ジメチルアクリルアミド、N,N-ジエチルアクリルアミド、N,N-ジプロピルアクリルアミドが他のモノマーとの共重合性の点で好ましく、更には、N,N-ジメチルアクリルアミド、N,N-ジエチルアクリルアミドが好ましい。
これらの中でも、アクリル系樹脂の複屈折を効率よく調整できる点、アクリル系樹脂のガラス転移温度が高くなり過ぎない点で、ベンジルアクリレート、フェノキシアルキルアクリレート、フェノキシジアルキレングリコールアクリレートが好ましく、重合時に残存したモノマーが粘着剤組成物を乾燥する際に粘着剤層中に残留せず臭気やアウトガスの原因とならない点でベンジル(メタ)アクリレートが特に好ましく、殊にはアクリル樹脂(A)のガラス転移点が上がりすぎない点でベンジルアクリレートが好ましい。
(a1)61.5~71.5重量%
(a2)7~13重量%
(a3)0.5~1重量%
(a4)0.5~1重量%
(a5)20.5~23.5重量%
各モノマーの含有割合が多すぎても少なすぎても、種々の保護フィルムを用いてなる偏光板に対して用いた際に、全ての要求性能を満足することができず、いずれかの性能に劣る傾向がある。
これらの溶剤の中でも、重合反応のしやすさや連鎖移動の効果や粘着剤塗工時の乾燥のしやすさ、安全上から、酢酸エチル、アセトン、メチルエチルケトン、酢酸ブチル、トルエン、メチルイソブチルケトンが好ましく、特に好ましくは、酢酸エチル、アセトン、メチルエチルケトンである。
Tg:共重合体のガラス転移温度(K)
Tga:モノマーAのホモポリマーのガラス転移温度(K) Wa:モノマーAの重量分率
Tgb:モノマーBのホモポリマーのガラス転移温度(K) Wb:モノマーBの重量分率
Tgn:モノマーNのホモポリマーのガラス転移温度(K) Wn:モノマーNの重量分率
(Wa+Wb+・・・+Wn=1)
即ち、アクリル系樹脂を構成するそれぞれのモノマーのホモポリマーとした際のガラス転移温度および重量分率をFoxの式に当てはめて算出した値である。
なお、アクリル系樹脂を構成するモノマーのホモポリマーとした際のガラス転移温度は、通常、示差走査熱量計(DSC)により測定されるものであり、JIS K7121-1987や、JIS K 6240に準拠した方法で測定することができる。
本発明においては、帯電防止剤としてイオン性化合物(B)を用いる。本発明で用いられるイオン性化合物(B)は有機カチオンとアニオンからなり、アニオンが下記一般式(1)で示されるものである。
(CnF2n+1SO2)2N-・・・式(1)
〔式中、nは1~10の整数である。〕
トリエチルメチルアンモニウムカチオン、トリブチルエチルアンモニウムカチオン、トリメチルプロピルアンモニウムカチオン、トリメチルデシルアンモニウムカチオン、トリエチルメチルアンモニウムカチオン、トリブチルエチルアンモニウムカチオン、N,N-ジメチル-N-エチル-N-プロピルアンモニウムカチオン、N,N-ジメチル-N-エチル-N-ブチルアンモニウムカチオン、N,N-ジメチル-N-エチル-N-ペンチルアンモニウムカチオン、N,N-ジメチル-N-エチル-N-ヘキシルアンモニウムカチオン、N,N-ジメチル-N-エチル-N-ヘプチルアンモニウムカチオン、N,N-ジメチル-N-エチル-N-ノニルアンモニウムカチオン、N,N-ジメチル-N,N-ジプロピルアンモニウムカチオン、N,N-ジエチル-N-プロピル-N-ブチルアンモニウムカチオン、N,N-ジメチル-N-プロピル-N-ペンチルアンモニウムカチオン、N,N-ジメチル-N-プロピル-N-ヘキシルアンモニウムカチオン、N,N-ジメチル-N-プロピル-N-ヘプチルアンモニウムカチオン、N,N-ジメチル-N-ブチル-N-ヘキシルアンモニウムカチオン、N,N-ジエチル-N-ブチル-N-ヘプチルアンモニウムカチオン、N,N-ジメチル-N-ペンチル-N-ヘキシルアンモニウムカチオン、N,N-ジメチル-N,N-ジヘキシルアンモニウムカチオン、トリメチルヘプチルアンモニウムカチオン、N,N-ジエチル-N-メチル-N-プロピルアンモニウムカチオン、N,N-ジエチル-N-メチル-N-ペンチルアンモニウムカチオン、N,N-ジエチル-N-メチル-N-ヘプチルアンモニウムカチオン、N,N-ジエチル-N-プロピル-N-ペンチルアンモニウムカチオン、トリエチルプロピルアンモニウムカチオン、トリエチルペンチルアンモニウムカチオン、トリエチルヘプチルアンモニウムカチオン、N,N-ジプロピル-N-メチル-N-エチルアンモニウムカチオン、N,N-ジプロピル-N-メチル-N-ペンチルアンモニウムカチオン、N,N-ジプロピル-N-ブチル-N-ヘキシルアンモニウムカチオン、N,N-ジプロピル-N,N-ジヘキシルアンモニウムカチオン、N,N-ジブチル-N-メチル-N-ペンチルアンモニウムカチオン、N,N-ジブチル-N-メチル-N-ヘキシルアンモニウムカチオン、トリオクチルメチルアンモニウムカチオン、N-メチル-N-エチル-N-プロピル-N-ペンチルアンモニウムカチオン等の、アルキル鎖長が異なるアルキル基を有するテトラアルキルアンモニウムカチオン;
その他、グリシジルトリメチルアンモニウムカチオン、ジアリルジメチルアンモニウムカチオン、N,N-ジエチル-N-メチル-N-(2-メトキシエチル)アンモニウムカチオン等の、芳香環を有する置換基やエーテル結合を有する置換基を持つアンモニウムカチオンが挙げられる。
なお、イオン性化合物(B)の融点は、通常、示差走査熱量計(DSC)により測定され、各社のカタログ等に記載されている。
本発明においては、上記のアクリル系樹脂(A)、イオン性化合物(B)、イソシアネート系架橋剤(C)の他に、湿熱環境下での耐久性を向上させる点でシランカップリング剤(D)を含有することが好ましい。
かかるシランカップリング剤(D)は、構造中に反応性官能基と、ケイ素原子と結合したアルコキシ基をそれぞれ1つ以上含有する有機ケイ素化合物である。
装置:ゲル浸透クロマトグラフィー
検出器:示差屈折率検出器RI(東ソー社製 RI-8020型、感度32)
カラム:東ソー社製 TSKguardcolumn HHR-H(1本)(φ6mm×4cm)、(TSKgelGMHHR-N(2本)(φ7.8mm×30cm)、充填剤材質:スチレン-ジビニルベンゼン共重合体
溶媒:テトラヒドロフラン(THF)
カラム温度:23℃流速:1.0mL/min
3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3-グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3-グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、2-(3,4エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等のシラン化合物であるモノマー型のエポキシ基含有シランカップリング剤や、上記シラン化合物の一部が加水分解縮重合したり、上記シラン化合物とメチルトリエトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン等のアルキル基含有シラン化合物が共縮合したシラン化合物であるオリゴマー型エポキシ基含有シランカップリング剤;
3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリエトキシシラン、γ-メルカプトプロピルジメトキシメチルシラン、3-メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン等のシラン化合物であるモノマー型のメルカプト基含有シランカップリング剤や、上記シラン化合物の一部が加水分解縮重合したり、上記シラン化合物とメチルトリエトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン等のアルキル基含有シラン化合物が共縮合したシラン化合物であるオリゴマー型メルカプト基含有シランカップリング剤;
3-アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3-アクリロキシプロピルトリメトキシシラン等の(メタ)アクリロイル基含有シランカップリング剤;
N-2-(アミノエチル)-3-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N-2-(アミノエチル)-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリエトキシシラン、3-トリエトキシシリル-N-(1,3-ジメチル-ブチリデン)プロピルアミン、N-フェニル-3-アミノプロピルトリメトキシシラン等のアミノ基含有シランカップリング剤;
3-イソシアネートプロピルトリエトキシシラン等のイソシアネート基含有シランカップリング剤;
ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン等のビニル基含有シランカップリング剤;などが挙げられる。
これらは単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
例えば、信越化学工業株式会社製、「X-41-1059A」(重量平均分子量:2,270、含有官能基;エポキシ基、含有ケイ素原子結合アルコキシ基;メトキシ基及びエトキシ基、含有ケイ素原子結合アルコキシ基量;42重量%、官能基当量;350g/mol)、「X-41-1805」(重量平均分子量:3,450、含有官能基;メルカプト基、含有ケイ素原子結合アルコキシ基;メトキシ基及びエトキシ基、含有ケイ素原子結合アルコキシ基量;50重量%、官能基当量;800g/mol)、「X-24-9579A」(重量平均分子量:2,370、含有官能基;メルカプト基、含有ケイ素原子結合アルコキシ基;メトキシ基、官能基当量;510g/mol)、「X-24-9589」(重量平均分子量:4,700、含有官能基;エポキシ基、含有ケイ素原子結合アルコキシ基;エトキシ基、官能基当量;680g/mol)、「X-24-9590」(重量平均分子量:13,700、含有官能基;エポキシ基、含有ケイ素原子結合アルコキシ基;メトキシ基、含有ケイ素原子結合アルコキシ基量;9.5重量%、官能基当量;592g/mol)、「X-41-1818」(重量平均分子量:2,350、含有官能基;メルカプト基、含有ケイ素原子結合アルコキシ基;エトキシ基、含有ケイ素原子結合アルコキシ基量;60重量%、官能基当量;850g/mol)等が挙げられる。これらの中でも耐久性の点から「X-41-1059A」、「X-24-9579A」、「X-24-9590」が好ましい。
本発明の偏光板用粘着剤組成物は、イソシアネート系架橋剤(C)で架橋することにより粘着剤とすることができ、更に、かかる粘着剤からなる粘着剤層を偏光板(光学積層体)上に積層形成することにより、粘着剤層付偏光板を得ることができる。
上記粘着剤層付偏光板には、粘着剤層の偏光板とは逆の面に、さらに離型フィルムを設けることが好ましい。
〔1〕偏光板上に、粘着剤組成物を塗布、乾燥した後、離型シートを貼合し、常温または加温状態でのエージングの少なくとも一方による処理を行なう方法、
〔2〕離型シート上に、粘着剤組成物を塗布、乾燥した後、偏光板を貼合し、常温または加温状態でのエージングの少なくとも一方による処理を行なう方法等がある。
これらの中でも、〔2〕の方法で、常温状態でエージングする方法が、基材を痛めない点、基材密着性に優れる点で好ましい。
かかる粘着剤層の厚みが薄すぎると、偏光板用粘着剤として、充分な応力緩和性を有せず、耐久性が低下する傾向にあり、厚すぎると水分の侵入が多くなり湿熱耐久性が低下する傾向がある。
また、下記実施例中におけるアクリル系樹脂(A)の重量平均分子量、分散度は、前述の方法にしたがって測定した。
アクリル系樹脂(A)のガラス転移温度については、前述のFoxの式を用いて算出し、アクリル系樹脂(A)を構成するモノマーのホモポリマーとした際のガラス転移温度は、通常DSCにより測定されてなる文献値及びカタログ記載値を用いた。
〔アクリル系樹脂(A-1)の製造〕
還流冷却器、撹拌器、窒素ガスの吹き込み口及び温度計を備えた4ツ口丸底フラスコにノルマルブチルアクリレート(a1)69.8部、2-ヒドロキシエチルアクリレート(a2)8部、アクリル酸(a3)0.7部、ジメチルアクリルアミド(a4)0.5部、ベンジルアクリレート(a5)21部、酢酸エチル54.9部、アセトン42部、重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.013部を仕込み、アゾビスイソブチロニトリル酢酸溶液を滴下しながら還流温度で3.25時間反応後、酢酸エチルにて希釈してアクリル系樹脂(A-1)(重量平均分子量154万、分散度5.4)溶液(固形分18.8%、粘度4,900mPa・s/25℃)を得た。
還流冷却器、撹拌器、窒素ガスの吹き込み口及び温度計を備えた4ツ口丸底フラスコにノルマルブチルアクリレート(a1)70.3部、2-ヒドロキシエチルアクリレート(a2)8部、アクリル酸(a3)0.7部、ベンジルアクリレート(a5)21部、酢酸エチル54.9部アセトン42部、重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.013部を仕込み、アゾビスイソブチロニトリル酢酸溶液を滴下しながら還流温度で3.25時間反応後、酢酸エチルにて希釈してアクリル系樹脂(A’-1)(重量平均分子量159万、分散度4.5)溶液(固形分21.3%、粘度7,400mPa・s/25℃)を得た。
還流冷却器、撹拌器、窒素ガスの吹き込み口及び温度計を備えた4ツ口丸底フラスコにノルマルブチルアクリレート(a1)65.3部、2-ヒドロキシエチルアクリレート(a2)8部、アクリル酸(a3)0.7部、ジメチルアクリルアミド(a4)5部、ベンジルアクリレート(a5)21部、酢酸エチル54.9部、アセトン42部、重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.013部を仕込み、アゾビスイソブチロニトリル酢酸溶液を滴下しながら還流温度で3.25時間反応後、酢酸エチルにて希釈してアクリル系樹脂(A-2)(重量平均分子量136万、分散度4.3)溶液(固形分17.9%、粘度5,300mPa・s/25℃)を得た
帯電防止剤として以下のイオン性化合物を用意した。
(B-1):トリブチルメチルアンモニウム N,N-ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(スリーエム社製「FC-4400」、分子量482、融点27.5℃)
(B’-1):アンモニウムカチオンとN,N-ビス(フルオロスルホニル)イミドアニオンの塩(第一工業製薬社製「MP-446」)、融点37℃)
イソシアネート系架橋剤として以下のものを用意した。
(C-1):トリレンジイソシアネートトリメチロールプロパンのアダクト体
(東ソー株式会社製「コロネートL55E」)
シランカップリング剤として、以下のものを用意した。
(D-1):X-41-1059A:X-24-9590=1:2配合物
X-41-1059A(信越化学社製、エポキシ系オリゴマー型シランカップリング剤)
X-24-9590(信越化学社製、エポキシ系オリゴマー型シランカップリング剤)
上記のようにして調製、準備した各配合成分を下記表2の通りに配合し、これを酢酸エチルにて固形分濃度を12.5%に調液し、粘着剤組成物を得た。
得られた粘着剤組成物を38μmポリエステル系離型シート(東レ社製 軽剥離PET セラピールWZ)に乾燥後の厚みが25μmとなるように塗布し、100℃で3分間乾燥したのち、ポリエステルフィルム(PET)とトリアセチルセルロース(TAC)フィルムをそれぞれ積層した偏光板の一方のTACフィルム表面に、離型シートと反対側の粘着剤層面を貼り合わせ、23℃×50%RH環境下で7日間養生し粘着剤層付偏光板[I]を得た(層構成;離型シート/粘着剤層/TACフィルム/偏光子/PETフィルム)。
〔結晶析出抑制性能〕
上記粘着剤層付偏光板[I]を16cm×9.5cmにカットし、セパレーターを剥離して粘着剤層面を無アルカリガラス(コーニング社製「イーグルXG」:厚み0.7mm)に押しつけ2kgローラーにて2往復して貼り合わせたのち、オートクレーブ処理(0.5Mpa×50℃×20分間)を行い、結晶析出抑制性能の試験用サンプルを作製した。
得られた耐湿熱性試験用サンプルを、80℃×90%RH環境下に放置して、結晶状の析出物が発生するまでの時間を測定した。
(評価基準)
○・・・500時間経過時で析出物は発生していなかった。
△・・・400時間以上500時間未満の間に析出物が発生した。
×・・・400時間未満で析出物が発生した。
上記粘着剤層付偏光板[I]を16cm×9.5cmにカットし、離型シートを手で剥離した際のジッピングの有無について評価した。
○・・・ジッピング無
×・・・ジッピング有
また、特定構造のフッ素含有アニオン以外のアニオンからなるイオン性化合物を用いた比較例2,3では、アミド基含有モノマーを含有する特定の組成からなるモノマー成分を共重合してなるアクリル系樹脂を含有するか否かに関わらず、結晶状の析出物が発生した。
さらに、アミド基含有モノマーを特定範囲より多く共重合してなるアクリル系樹脂を用いた比較例4では、結晶状の析出物は発生しなかったが、アクリル系樹脂が硬くなりすぎて離型シートを剥離する際にジッピングが発生した。
Claims (8)
- アクリル系樹脂(A)、イオン性化合物(B)及びイソシアネート系架橋剤(C)を含有する粘着剤組成物であって、
アクリル系樹脂(A)が、下記モノマー(a1)~(a5)をモノマー成分中に下記割合で含有するモノマー成分[I]を共重合して得られるものであり、
(a1)ノルマルブチルアクリレート 57.5~74.6重量%、
(a2)水酸基含有モノマー 6~15重量%(ただし、(a4)を除く。)、
(a3)カルボキシル基含有モノマー 0.1~1重量%(ただし、(a2),(a4)を除く。)、
(a4)アミド基含有モノマー 0.5~2.5重量%、
(a5)芳香環含有モノマー 19~25重量%(ただし、(a2)~(a4)を除く。)、
アクリル系樹脂(A)の重量平均分子量が80万~200万であり、
イオン性化合物(B)が、有機カチオンと下記一般式(1)で示されるアニオンからなるイオン性化合物であり、
(CnF2n+1SO2)2N-・・・(1)
〔式中、nは1~10の整数である。〕
イオン性化合物(B)の含有量がアクリル系樹脂(A)100重量部に対して2~5重量部であることを特徴とする偏光板用粘着剤組成物。 - シランカップリング剤(D)を含有し、シランカップリング剤(D)の重量平均分子量が2,000以上であることを特徴とする請求項1記載の偏光板用粘着剤組成物。
- イオン性化合物(B)が、融点が100℃以下であるイオン性化合物であることを特徴とする請求項1または2記載の偏光板用粘着剤組成物。
- アミド基含有モノマー(a4)が、(メタ)アクリルアミド、N-アルコキシアルキル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジアルキル(メタ)アクリルアミドから選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1~3いずれか記載の偏光板用粘着剤組成物。
- 芳香族モノマー(a5)が、ベンジルアクリレート、フェノキシアルキルアクリレート、フェノキシジアルキレングリコールアクリレート、から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1~4いずれか記載の偏光板用粘着剤組成物。
- 請求項1~5いずれか記載の偏光板用粘着剤組成物が、イソシアネート系架橋剤(C)により架橋されてなることを特徴とする偏光板用粘着剤。
- 請求項1~5記載の粘着剤組成物からなる粘着剤層(X)を有する粘着剤層付偏光板であり、
粘着剤層(X)/保護フィルム(Y)/偏光子/保護フィルム(Z)の層構成を有し、
保護フィルム(Y)がトリアセチルセルロールフィルム、
保護フィルム(Z)がシクロオレフィン系フィルム、ポリエステル系フィルム及びアクリル系フィルムから選ばれる1種であることを特徴とする粘着剤層付偏光板。 - 請求項7記載の粘着剤層付偏光板を用いてなることを特徴とする画像表示装置。
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