JP2009046535A - 光学部材用の表面保護シート - Google Patents
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Abstract
【解決手段】保護フィルムと、前記保護フィルムの一面または両面に形成された粘着剤組成物からなる粘着層とが備えられてなり、前記粘着剤組成物に、周期表7B族の元素を含有するアクリル酸エステル及び/またはメタアクリル酸エステルと、アクリル酸エステル及び/またはメタクリル酸エステルが少なくとも共重合されてなる共重合体ポリマーと、イオン性化合物からなる帯電防止剤とが含有されている光学部材用の表面保護シートとする。
【選択図】なし
Description
例えば表面保護フィルムは、フラットディスプレイパネルをテレビ受信機や携帯電話機の筐体に組み込む工程や、フラットディスプレイパネルに配線を取り付ける工程において、ディスプレイパネルに貼り合わされた偏光板を保護するために、偏光板等に貼り合わされている。
例えば液晶ディスプレイパネルの表示面に静電気が帯電すると、帯電した静電気が液晶層中の液晶分子の配向状態を乱してしまい、本来には表示性能が合格水準に達しているはずのものが、合格水準を満たさずに不良品と判定されるおそれがある。
また、表面保護フィルムの粘着層に帯電防止剤を含有させた場合には、帯電防止性能を有する粘着層となるので粘着層と別個に帯電防止層を形成する必要はないが、表面保護フィルムに粘着剤組成物を塗布して粘着層としたときに、十分な帯電防止性能が得られない場合があった。
また、従来の表面保護シートにおいては、表面保護フィルムに積層された粘着層の透過率が不十分である場合があった。表面保護フィルムの材質によっては、表面保護フィルムを剥離させずにフラットディスプレイパネルの表示性能を評価可能なものもあるが、粘着層の透過率が不十分であると表示性能の試験自体が不可能になるおそれがあった。
本発明の光学部材用の表面保護シートは、保護フィルムと、前記保護フィルムの一面または両面に形成された粘着剤組成物からなる粘着層とが備えられてなり、前記粘着剤組成物に、周期表7B族の元素を含有するアクリル酸エステル及び/またはメタアクリル酸エステルと、アクリル酸エステル及び/またはメタクリル酸エステルとが少なくとも共重合されてなる共重合体ポリマーと、イオン性化合物からなる帯電防止剤とが含有されていることを特徴とする。
また、本発明の光学部材用の表面保護シートにおいては、前記周期表7B族の元素を含有するアクリル酸エステル及び/またはメタアクリル酸エステルが、H2C=C(R1)COO(R2)(但し、R1は、HまたはCH3であり、R2は、CH2CF3、CH2(CF2)2H、CH2(CF2)4H、CH2CH2(CF2)6F、CH2CH2(CF2)8F、CH2CH2(CF2)10F、CH2CH2(CF2)12F、CH(CF3)2、CF(CF3)2、CH2CH(OH)CH2Cl、CH2C6Br6、CH2C6H3Br3、CH2C6H4Br2のうちのいずれか一種である。)であることが好ましい。
更に、本発明の光学部材用の表面保護シートにおいては、前記共重合体ポリマーが架橋されていることが好ましい。
本実施形態の光学部材用の表面保護シートは、保護フィルムと、前記保護フィルムの一面または両面に形成された粘着剤組成物からなる粘着層とから概略構成されている。粘着剤組成物を含有する粘着層は、通常厚み3〜200μm、好ましくは10〜100μm程度となるように、保護フィルムの片面又は両面に形成されている。
粘着層の塗布形成方法としては粘着テープの製造に用いられる公知の方法が用いられ、具体的にはロールコート、グラビアコート、リバースコート、ロールブラッシュ、スプレーコート、エアーナイフコート、ダイコート法などが挙げられる。
また、本実施形態の表面保護シートは、光学部材が単独で流通する場合のみならず、光学部材がフラットディスプレイパネルに貼り合わされた状態で流通される場合にも使用される。
本実施形態の粘着剤組成物は、周期表7B族の元素を含有するアクリル酸エステル及び/またはメタアクリル酸エステルと、アクリル酸エステル及び/またはメタクリル酸エステルとが少なくとも共重合されてなる共重合体ポリマー{以下ベースポリマーと称す。}と、イオン性化合物からなる帯電防止剤とが含有されてなるものである。
ベースポリマーは架橋剤によって架橋されていることが好ましい。ベースポリマーに帯電防止剤が添加されることによって、保護シートに粘着剤組成物を塗布して粘着層とした場合の粘着層の表面抵抗値が、例えば、1×108〜1×1012(Ω/□)程度、好ましくは1×108〜1×1011(Ω/□)程度になる。
帯電防止剤は、イオン性化合物で構成されることが好ましい。イオン性化合物は、ベースポリマーに対する相溶性を有するとともに、粘着剤組成物の調製時に使用する有機溶媒に対する相溶性を有し、かつ、ベースポリマーに添加された場合に粘着剤組成物の透明性を維持できるものから選択される。また、保護フィルムに粘着剤組成物を塗布して粘着層とした場合の粘着層の表面抵抗値を、1×1012(Ω/□)以下にできるものから選択される。
イミダゾリウム塩としては、例えば、1,3−ジメチルイミダゾリウムクロライド、1−ブチル−2,3−ジメチルイミダゾリウムクロライド、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムブロマイド、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムクロライド、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムメタンスルホネート、1−ブチル−1−(3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−トリデカフルオロオクチル)−イミダゾリウムヘキサフルオロホスフェート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムブロマイド、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムクロライド、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムヘキサフルオロホスフェート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムヨージド、1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリウムクロライド、1−メチルイミダゾリウムクロライド、1,2,3−トリメチルイミダゾリウムメチルサルフェート、1−メチル−3−(3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−トリデカフルオロオクチル)−イミダゾリウムヘキサフルオロホスフェート、1−アリール−3−メチルイミダゾリウムクロライド、1−ベンジル−3−メチルイミダゾリウムクロライド、1−ベンジル−3−メチルイミダゾリウムヘキサフルオロホスフェート、1−ベンジル−3−メチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート等を例示できる。
本実施形態のベースポリマーは、周期表7B族の元素を含有するアクリル酸エステル及び/またはメタアクリル酸エステル{以下周期表7B族の元素を含有する(メタ)アクリル酸エステルと称す。}と、アクリル酸エステル及び/またはメタクリル酸エステル{以下(メタ)アクリレートと称す。}とが、少なくとも共重合されてなるものである。
(メタ)アクリレートの具体例としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、n−ノニル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、n−デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、n−ドデシル(メタ)アクリレート、n−トリデシル(メタ)アクリレート、n−テトラデシル(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、t−シクロヘキシル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。表面保護シート用の粘着剤組成物のベースポリマーには特に、2−エチルヘキシルアクリレートを主成分として含有することが、容易に剥離可能な程度の粘着性を発揮できる点で好ましい。
また、ベースポリマーは、0℃以下のガラス転移温度Tgを有するものであることが好ましく、Tgが−100℃〜−5℃であることがより好ましく、Tgが−80℃〜−10℃であるとさらに好ましい。ガラス転移温度Tgが0℃以下であると、イオン性化合物を含有する場合に十分な粘着力が得られる。
本実施形態の粘着剤組成物は、ベースポリマー、特にベースポリマーの主成分であるアクリル系ポリマーを適宜架橋することで、耐熱性に優れた粘着層が得られる。架橋方法の具体的手段としては、イソシアネート化合物、エポキシ化合物、アジリジン化合物、金属キレートなどアクリル系ポリマーに適宜架橋化基点として含ませたカルボキシル基、ヒドロキシル基、アミノ基、アミド基などと反応しうる基を有する化合物を添加し反応させるいわゆる架橋剤を用いる方法がある。
ベースポリマーと帯電防止剤との合計量に対する帯電防止剤の配合比は、0.01質量%以上1.8質量%以下の範囲が好ましく、0.05質量%以上1.5質量%以下の範囲がより好ましい。配合比が0.01質量%未満だと十分な帯電防止効果が得られず、1.8質量%を超えると被着体への汚染性が増大する恐れがある。
さらに本実施形態の粘着剤組成物には、従来公知の各種の粘着付与剤や表面潤滑剤、レベリング剤、酸化防止剤、腐食防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、重合禁止剤、シランカップリンング剤、無機または有機の充項剤、金属粉、顔料などの粉体、粒子状、箔状物などの従来公知の各種の添加剤を使用する用途に応じて適宜添加することが出来る。
本実施形態の粘着剤組成物の製造方法としては、次の二通りの製造方法を例示できる。 第1の方法として例えば、ベースポリマーの原料である各種モノマーを、酢酸エチル、トルエン、アセトン、ヘキサン類、ケトン類、アルコール類等の沸点が120℃以下程度の有機溶媒に混合し、更に重合開始剤等を添加してモノマーを重合反応させることによって、ベースポリマーを調製する。得られたベースポリマーは、有機溶媒に溶解した状態か、あるいは有機溶媒に膨潤された状態で得られる。
次に、ベースポリマーが含まれる有機溶媒に、イオン性化合物からなる帯電防止剤を添加して、ベースポリマーと帯電防止剤とを混合する。
次に、架橋剤を添加してベースポリマーを架橋させ、更に必要に応じてシランカップリング剤等の各種添加剤を添加する。このようにして粘着剤組成物が得られる。
得られた粘着剤組成物は、保護フィルム上に塗布した後に乾燥することによって粘着層となる。
次に、ベースポリマー及び帯電防止剤が含まれる有機溶媒に、架橋剤を添加してベースポリマーを架橋させ、更に必要に応じてシランカップリング剤等の各種添加剤を添加する。このようにして粘着剤組成物が得られる。
得られた粘着剤組成物は、第1の方法と同様に、保護フィルム上に塗布した後に乾燥することによって粘着層となる。
具体的には、本実施形態の表面保護シートを構成する粘着層のシート抵抗は1×1012(Ω/□)程度、好ましくは1×108〜1×1011(Ω/□)となり、良好な帯電防止性能が得られる。本実施形態の表面保護シートにおける帯電防止性能を向上させる効果は、粘着層の粘着剤組成物を構成する周期表7B族の元素を含有する(メタ)アクリル酸エステルの7B族元素が、強い電子吸引性を有するものであるため、イオン性化合物が粘着層内を移動しやすくなることによって得られる。
周期表7B族の元素を含有する(メタ)アクリル酸エステルとしてトリフルオロエチルアクリレートを0.5質量部と、ブチルアクリレートを40質量部、2−エチルヘキシルアクリレートを58.49質量部、2−ヒドロキシエチルアクリレートを1質量部と、溶媒として酢酸エチルを150質量部とを、還流器及び攪拌機が装着されたフラスコに仕込み、窒素置換を行いながら65℃まで加熱した。次いで、重合開始剤としてAIBNを0.1質量部加え、更に1時間後AIBNを0,05質量部加え、65℃を維持しつつ6時間かけて重合反応を行った。重合反応の終了後、イオン性化合物として1−ヘキシル−3−メチルイミダゾリウムヘキサフルオロフォスフェートを0.01質量部添加し、粘度調整のために酢酸エチルを更に36質量部添加し、室温まで冷却することにより、実施例1の粘着剤組成物を含む共重合体組成物溶液を得た。
共重合体組成物溶液中の粘着剤組成物の濃度は35質量%であり、共重合体組成物溶液の粘度は4000mPa・sであった。表1に、粘着剤組成物の配合比と、共重合体組成物溶液中の粘着剤組成物の濃度と、共重合体組成物溶液の粘度とを示す。
また、ベースポリマーの平均重量分子量を、GPC法によって測定した。結果を表1に示す。
周期表7B族の元素を含有する(メタ)アクリル酸エステルとして、トリフルオロエチルアクリレートと、トリフルオロエチルメタアクリレートと、ヘキサフルオロ−2−プロピルアクリレートと、ヘキサフルオロ−2−プロピルメタアクリレート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルメタアクリレートのうちのいずれか一種と、ブチルアクリレートと、2−エチルヘキシルアクリレートと、2−ヒドロキシエチルアクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレートと、アクリル酸のうちのいずれか1種または2種以上と、溶媒として酢酸エチルとを、適宜配合するとともに、イオン性化合物として、1−ヘキシル−3−メチルイミダゾリウムヘキサフルオロフォスフェートと、N−メチル−N−プロピルピペリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドと、1−エチルピリジニウムブロマイドと、1−ブチル−3−メチルピリジニウム トリフルオロメタンスルホネートのうちいずれか一種を配合したこと以外は、上記実施例1の場合と同様にして、実施例2〜12の粘着剤組成物を含む共重合体組成物溶液を得た。表1に、実施例2〜12の粘着剤組成物の配合比と、各共重合体組成物溶液の粘度と、各共重合体組成物溶液中の粘着剤組成物の濃度と、ベースポリマーの平均重量分子量とを合わせて示す。
周期表7B族の元素を含有する(メタ)アクリル酸エステルとして、トリフルオロエチルアクリレートと、トリフルオロエチルメタアクリレートと、ヘキサフルオロ−2−プロピルアクリレートのうちのいずれか一種を配合し(または配合せずに)、ブチルアクリレートと、2−エチルヘキシルアクリレートと、2−ヒドロキシエチルアクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレートと、アクリル酸のうちのいずれか1種または2種以上と、溶媒として酢酸エチルとを、適宜配合するとともに、イオン性化合物として、1−ヘキシル−3−メチルイミダゾリウムヘキサフルオロフォスフェートと、N−メチル−N−プロピルピペリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドのうちいずれか一種を配合した(または配合しない)こと以外は、上記実施例1の場合と同様にして、比較例1〜6の粘着剤組成物を含む共重合体組成物溶液を得た。表2に、比較例1〜6の粘着剤組成物の配合比と、各共重合体組成物溶液の粘度と、各共重合体組成物溶液中の粘着剤組成物の濃度と、ベースポリマーの平均重量分子量とを合わせて示す。
表1及び表2に示された、実施例1〜12及び比較例1〜6の共重合体組成物溶液中の粘着剤組成物100質量部に対し、架橋剤(B)としてヘキサメチレンジイソシアネート(イソシアネレート型架橋剤、日本ポリウレタン工業(株)製、商品名コロネートHX)を、表3及び4に示す配合比となるように添加し、充分に混合して粘着剤組成物溶液とした。
得られた粘着剤組成物溶液を剥離PETフィルム(三菱化学ポリエステルフィルム(株)製、商品名MRF38)に乾燥後の厚さが25μmになるように塗布し、90℃で3分間乾燥させて、粘着剤組成物からなる粘着層を形成した。そして、粘着層及び剥離PETフィルムを保護フィルムであるPETフィルム(東レ(株)製、商品名ルミラーS10#25)に貼り合わせることにより、実施例1〜12及び比較例1〜6の表面保護シートを製造した。
得られた表面保護シートについて、表面抵抗値、金属腐食性、粘着力、基材に対する密着性、被着体汚染性、低温安定性、粘着剤層の透明性等の性能試験を行った。また、粘着剤組成物溶液における粘着剤組成物の濃度と、粘着剤組成物溶液の粘度を測定した。また、架橋後の粘着剤組成物について、ゲル分率を測定した。ゲル分率は、粘着剤組成物を、25℃の酢酸エチルに1日間浸漬した場合の、初期質量と浸漬乾燥後の質量より、「ゲル分率=浸漬乾燥後の質量/初期質量×100」の式で求めた。これらの結果を表3及び表4に示す。
尚、性能試験の手順は、以下の通りである。
「表面抵抗値」
23℃、50%RHの雰囲気下で7日間放置後の表面保護シートの粘着剤層の表面抵抗値を、マイクロエレクトロメーター((株)川口電機製作所製)を使用して23℃、50%RHの雰囲気下で測定した。
「金属腐食性」
23℃、50%RHの雰囲気下で7日間放置後の表面保護シートの粘着剤層に、アルミホイルを貼り合わせて60℃、90%RHの雰囲気下で2日間放置したときの腐食性を観察した。アルミホイルに変化がない場合は○とし、アルミホイルが白化した場合を×とした。
23℃、50%RHの雰囲気下で7日間放置後の表面保護シートを25mm幅に裁断し、これを偏光板に貼り合わせ、50℃×5kg/cm2×20分オートクレーブ処理を行った。その後、引っ張り試験機を用いて、23℃、50%RHの雰囲気下で、剥離角180度、剥離速度0.3m/分の条件でJIS Z0237(粘着テープ・粘着シート試験方法)に準じて粘着力の測定を行った。そして、保護フィルム(基材)に対する密着性を評価した。粘着層が保護フィルムからまったく剥がれない場合を○とし、粘着層が保護フィルムから剥がれた場合を×とした。
上記粘着力測定前後の偏光板面の接触角を測定した。粘着力測定前後の偏光板面の接触角に変化がない場合を○とし、粘着力測定前後の偏光板面の接触角に変化あった場合を×とした。尚、接触角の測定は、JIS R3257(基板ガラス表面のぬれ性試験方法)に準じて行った。
「低温安定性」
23℃、50%RHの雰囲気下で7日間放置後の表面保護シートを偏光板に貼り合わせし、50℃×5kg/cm2×20分オートクレーブ処理を行った。その後、−40℃雰囲気下で120時間放置した後の外観を観察した。発泡、浮き、剥がれ、または析出物が観察されなかった場合を○とし、発泡、浮き、剥がれ、または析出物が観察された場合を×とした。
23℃、50%RHの雰囲気下で7日間放置した後の表面保護シートの粘着剤層の透明性を、目視で確認した。透明性が良好であった場合を○とし、粘着層に白濁が見られたものを×とした。
また、比較例2〜4の表面保護シートについては、帯電防止剤が添加されていないため、粘着層の表面抵抗値が1015(Ω/□)を示し、帯電防止性能が実施例1〜12の表面保護シートに比べて劣る結果になった。
また、比較例5〜6の表面保護シートについては、周期表7B族の元素を含有する(メタ)アクリル酸エステルが添加されていないため表面抵抗値が1014(Ω/□)を示し、帯電防止性能が実施例1〜12に比べて劣る結果になった。
Claims (3)
- 保護フィルムと、前記保護フィルムの一面または両面に形成された粘着剤組成物からなる粘着層とが備えられてなり、
前記粘着剤組成物に、周期表7B族の元素を含有するアクリル酸エステル及び/またはメタアクリル酸エステルと、アクリル酸エステル及び/またはメタクリル酸エステルとが少なくとも共重合されてなる共重合体ポリマーと、イオン性化合物からなる帯電防止剤とが含有されていることを特徴とする光学部材用の表面保護シート。 - 前記周期表7B族の元素を含有するアクリル酸エステル及び/またはメタアクリル酸エステルが、H2C=C(R1)COO(R2)(但し、R1は、HまたはCH3であり、R2は、CH2CF3、CH2(CF2)2H、CH2(CF2)4H、CH2CH2(CF2)6F、CH2CH2(CF2)8F、CH2CH2(CF2)10F、CH2CH2(CF2)12F、CH(CF3)2、CF(CF3)2、CH2CH(OH)CH2Cl、CH2C6Br6、CH2C6H3Br3、CH2C6H4Br2のうちのいずれか一種である。)であることを特徴とする請求項1に記載の光学部材用の表面保護シート。
- 前記共重合体ポリマーが架橋されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の光学部材用の表面保護シート。
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