JP2018173550A - プロテクトフィルム付偏光板及び光学積層体 - Google Patents
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Abstract
Description
[1] 偏光子を含む偏光板と、その一方の表面に積層されるプロテクトフィルムとを備えるプロテクトフィルム付偏光板であって、
前記プロテクトフィルムの貼り戻り時間が17秒以上であり、
前記貼り戻り時間は、前記プロテクトフィルム付偏光板から取得した縦100mm×横50mmサイズの測定サンプルの一方の短辺における端部を固定し、前記短辺に対向する短辺側から前記測定サンプルのプロテクトフィルムを前記固定の箇所まで剥離し、これにより、前記固定の箇所を起点として前記測定サンプルの偏光板に対する前記プロテクトフィルムの引き起こし角度が90°となり、前記プロテクトフィルムの引き起こし長さが90mmとなるように前記測定サンプルのプロテクトフィルムが引き起こされた状態を得、この状態から前記プロテクトフィルムを解放したときの当該解放から自重によって前記プロテクトフィルムが前記測定サンプルの偏光板に貼り戻るまでの時間として定義される、プロテクトフィルム付偏光板。
前記プロテクトフィルムは、前記熱可塑性樹脂フィルムの表面に積層される、[1]又は[2]に記載のプロテクトフィルム付偏光板。
前記プロテクトフィルムは、前記樹脂層の表面に積層される、[1]又は[2]に記載のプロテクトフィルム付偏光板。
なお、本明細書において「A〜B」(A及びBは数値である。)との記載は、特記ない限り「A以上B以下」を表す。
(1)プロテクトフィルム付偏光板の構成
図1は、プロテクトフィルム付偏光板の一例を模式的に示す概略断面図である。図1を参照して、プロテクトフィルム付偏光板の一例を説明する。プロテクトフィルム付偏光板は、偏光子(図1において図示せず)を含む偏光板100と、その一方の表面に積層されるプロテクトフィルム60とを備える。偏光板100におけるプロテクトフィルム60側の表面(プロテクトフィルム60が貼合される表面)は、例えば保護フィルム、他の光学フィルム又はフィルム上に付加される層の表面であることができる。
本発明に係るプロテクトフィルム付偏光板において、プロテクトフィルムの貼り戻り時間は17秒以上である。17秒以上の貼り戻り時間を示すプロテクトフィルム付偏光板は、プロテクトフィルムが偏光板の表面から一旦剥離された後に偏光板の表面に貼り戻されるときに、プロテクトフィルムと偏光板との間への気泡の混入が生じにくいことが本発明者によって明らかとなった。気泡混入の抑制は、上述の偏光板表面へのシミ状欠陥の抑制、ひいては偏光板の外観不良の抑制に貢献し得る。
プロテクトフィルム付偏光板から取得した所定サイズ(縦100mm×横50mm)の測定サンプル(枚葉体)の一方の短辺側からから所定速度(330mm/秒)でプロテクトフィルムを剥離したときの測定サンプルの偏光板の表面における剥離から5秒後の剥離帯電圧を「偏光板側剥離帯電圧」、剥離されたプロテクトフィルムの表面における剥離から5秒後の剥離帯電圧を「プロテクトフィルム側剥離帯電圧」とするとき、偏光板側剥離帯電圧とプロテクトフィルム側剥離帯電圧との合計値(和)は、−0.500〜0.500kVの範囲内であることが好ましい。
貼り戻り時間を上記所定の又は好ましい範囲内に制御するための1つの手段は、上述のとおり、偏光板側剥離帯電圧とプロテクトフィルム側剥離帯電圧との合計値(和)を上記範囲内に調整することである。ただし、貼り戻り時間は当該合計値のみに依存するものではなく、他の要素にも依存し得る。他の要素としては、例えばプロテクトフィルムの厚みが挙げられる。プロテクトフィルムの厚みが大きいほど貼り戻り時間は短くなり、プロテクトフィルムの厚みが小さいほど貼り戻り時間は長くなる傾向にある。
プロテクトフィルム付偏光板の偏光板を構成する偏光子10は、その吸収軸に平行な振動面をもつ直線偏光を吸収し、吸収軸に直交する(透過軸と平行な)振動面をもつ直線偏光を透過する性質を有する吸収型の偏光子であり、一軸延伸されたポリビニルアルコール系樹脂フィルムに二色性色素を吸着配向させた偏光フィルムを好適に用いることができる。偏光子10は、例えば、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを一軸延伸する工程;ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを二色性色素で染色することにより二色性色素を吸着させる工程;二色性色素が吸着されたポリビニルアルコール系樹脂フィルムをホウ酸水溶液等の架橋液で処理する工程;及び、架橋液による処理後に水洗する工程を含む方法によって製造できる。
偏光子10の片面又は両面に積層することができる保護フィルム21,22は、透光性を有する(好ましくは光学的に透明な)熱可塑性樹脂、例えば、鎖状ポリオレフィン系樹脂(ポリプロピレン系樹脂等)、環状ポリオレフィン系樹脂(ノルボルネン系樹脂等)のようなポリオレフィン系樹脂;トリアセチルセルロース、ジアセチルセルロースのようなセルロース系樹脂;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートのようなポリエステル系樹脂;ポリカーボネート系樹脂;メタクリル酸メチル系樹脂のような(メタ)アクリル系樹脂;ポリスチレン系樹脂;ポリ塩化ビニル系樹脂;アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン系樹脂;アクリロニトリル・スチレン系樹脂;ポリ酢酸ビニル系樹脂;ポリ塩化ビニリデン系樹脂;ポリアミド系樹脂;ポリアセタール系樹脂;変性ポリフェニレンエーテル系樹脂;ポリスルホン系樹脂;ポリエーテルスルホン系樹脂;ポリアリレート系樹脂;ポリアミドイミド系樹脂;ポリイミド系樹脂等からなるフィルムであることができる。
偏光板100は、偏光子10及び保護フィルム21,22以外の他の光学フィルムを含むことができ、その代表例は輝度向上フィルム50及び位相差フィルムである。偏光板100が他の光学フィルムを含む場合、プロテクトフィルム60は、この光学フィルムの表面、又はこの光学フィルム上に積層される樹脂層の表面に積層されてもよい。
第1粘着剤層31は、プロテクトフィルム付偏光板を画像表示素子(例えば液晶セル)や他の光学部材に貼合するために用いることができる。第3粘着剤層32は、偏光板100を構成する光学フィルム同士(例えば輝度向上フィルム50のような他の光学フィルムと偏光子10又は保護フィルム21)を貼合するために用いられる。第1粘着剤層31、第3粘着剤層32は、(メタ)アクリル系、ゴム系、ウレタン系、エステル系、シリコーン系、ポリビニルエーテル系のような樹脂を主成分とする粘着剤組成物で構成することができる。中でも、透明性、耐候性、耐熱性等に優れる(メタ)アクリル系樹脂をベースポリマーとする粘着剤組成物が好適である。粘着剤組成物は、活性エネルギー線硬化型、熱硬化型であってもよい。
セパレートフィルム70は、第1粘着剤層31を画像表示素子(例えば液晶セル)や他の光学部材に貼合するまでその表面を保護するために仮着されるフィルムである。セパレートフィルム70は通常、片面にシリコーン系、フッ素系等の離型剤などによる離型処理が施された熱可塑性樹脂フィルムで構成され、その離型処理面が第1粘着剤層31に貼り合わされる。
プロテクトフィルム60は、基材フィルム61と、その上に積層される第2粘着剤層62とを含むものであることができる。プロテクトフィルム60は、偏光板100の表面を保護するためのフィルムであり、通常、例えば画像表示素子や他の光学部材にプロテクトフィルム付偏光板が貼合された後にそれが有する第2粘着剤層62ごと剥離除去される。
N−ヘキシルピリジニウム ヘキサフルオロホスフェート、
N−オクチルピリジニウム ヘキサフルオロホスフェート、
N−オクチル−4−メチルピリジニウム ヘキサフルオロホスフェート、
N−ブチル−4−メチルルピリジニウム ヘキサフルオロホスフェート、
N−デシルピリジニウム ビス(フルオロスルホニル)イミド、
N−ドデシルピリジニウム ビス(フルオロスルホニル)イミド、
N−テトラデシルピリジニウム ビス(フルオロスルホニル)イミド、
N−ヘキサデシルピリジニウム ビス(フルオロスルホニル)イミド、
N−ドデシル−4−メチルピリジニウム ビス(フルオロスルホニル)イミド、
N−テトラデシル−4−メチルピリジニウム ビス(フルオロスルホニル)イミド、
N−ヘキサデシル−4−メチルピリジニウム ビス(フルオロスルホニル)イミド、
N−ベンジル−2−メチルピリジニウム ビス(フルオロスルホニル)イミド、
N−ベンジル−4−メチルピリジニウム ビス(フルオロスルホニル)イミド、
N−ヘキシルピリジニウム ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、
N−オクチルピリジニウム ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、
N−オクチル−4−メチルピリジニウム ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、
N−ブチル−4−メチルルピリジニウム ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド。
1−エチル−3−メチルイミダゾリウム ヘキサフルオロホスフェート、
1−エチル−3−メチルイミダゾリウム p−トルエンスルホネート、
1−エチル−3−メチルイミダゾリウム ビス(フルオロスルホニル)イミド、
1−エチル−3−メチルイミダゾリウム ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、
1−ブチル−3−メチルイミダゾリウム メタンスルホネート、
1−ブチル−3−メチルイミダゾリウム ビス(フルオロスルホニル)イミド。
N−ブチル−N−メチルピロリジニウム ヘキサフルオロホスフェート、
N−ブチル−N−メチルピロリジニウム ビス(フルオロスルホニル)イミド、
N−ブチル−N−メチルピロリジニウム ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド。
テトラブチルアンモニウム ヘキサフルオロホスフェート、
テトラブチルアンモニウム p−トルエンスルホネート、
(2−ヒドロキシエチル)トリメチルアンモニウム ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、
(2−ヒドロキシエチル)トリメチルアンモニウム ジメチルホスフィネート。
リチウム ブロマイド、
リチウム ヨーダイド、
リチウム テトラフルオロボレート、
リチウム ヘキサフルオロホスフェート、
リチウム チオシアネート、
リチウム パークロレート、
リチウム トリフルオロメタンスルホネート、
リチウム ビス(フルオロスルホニル)イミド、
リチウム ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、
リチウム ビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、
リチウム トリス(トリフルオロメタンスルホニル)メタニド、
リチウム p−トルエンスルホネート、
ナトリウム ヘキサフルオロホスフェート、
ナトリウム ビス(フルオロスルホニル)イミド、
ナトリウム ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、
ナトリウム p−トルエンスルホネート、
カリウム ヘキサフルオロホスフェート、
カリウム ビス(フルオロスルホニル)イミド、
カリウム ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、
カリウム p−トルエンスルホネート。
プロテクトフィルム付偏光板は、画像表示素子と、その上に積層されるプロテクトフィルム付偏光板と含む光学積層体に好適に適用することができる。この光学積層体においてプロテクトフィルム付偏光板は、粘着剤層(例えば第1粘着剤層31)を介して(セパレートフィルム70のようなセパレートフィルムを有する場合にはこれを剥離除去した後)画像表示素子上に貼合することができる。光学積層体は、画像表示素子と、その片面又は両面に積層されるプロテクトフィルム付偏光板とを含む液晶パネルであることができる。
厚み20μmのポリビニルアルコールフィルム(平均重合度約2400、ケン化度99.9モル%以上)を乾式延伸により約5倍に縦一軸延伸し、さらに緊張状態を保ったまま、60℃の純水に1分間浸漬した後、ヨウ素/ヨウ化カリウム/水の重量比が0.05/5/100である28℃の水溶液に60秒間浸漬した。その後、ヨウ化カリウム/ホウ酸/水の重量比が8.5/8.5/100である72℃の水溶液に300秒間浸漬した。引き続き26℃の純水で20秒間洗浄した後、65℃で乾燥処理を行って、ポリビニルアルコールフィルムにヨウ素が吸着配向している厚み7μmの偏光子を得た。
(1)アクリル系ポリマーの調製
撹拌機、温度計、還流冷却器及び窒素導入管を備えた反応装置に、窒素ガスを導入して反応装置内の空気を窒素ガスで置換した。その後、反応装置に2−エチルヘキシルアクリレート93部、8−ヒドロキシオクチルアクリレート5.5部、アクリル酸1.5部とともに溶剤(酢酸エチル)を60部加えた。その後、重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル0.1部を2時間かけて滴下し、65℃で6時間反応を行って、ポリマー溶液1を得た。ポリマー溶液1に含まれるアクリル系ポリマーの重量平均分子量は50万であった(ゲルパーミエーションクロマトグラフィによる標準ポリスチレン換算値)。
上記(1)で得られたポリマー溶液1に含まれるアクリル系ポリマー100部に対して、帯電防止剤としての1−オクチルピリジニウム ドデシルベンゼンスルホン酸塩2.0部を加え撹拌した後、コロネートHX(ヘキサメチレンジイソシアネート化合物のイソシアヌレート体)1.5部を加えて撹拌混合して粘着剤組成物を得た。この粘着剤組成物を、シリコーン樹脂コートされたポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムからなる厚み15μmのセパレートフィルムの上に塗布後、90℃で乾燥することによって溶剤を除去し、粘着剤層(粘着剤層の80℃における貯蔵弾性率は0.09MPa)の厚さが25μmである粘着シートを得た。その後、一方の面に帯電防止処理及び防汚処理が施された厚み38μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムにおける帯電防止処理及び防汚処理が施された面とは反対側の面に粘着シートを積層して、帯電防止処理及び防汚処理が施されたPETフィルム/粘着剤層/セパレートフィルム(シリコーン樹脂コートされたPETフィルム)の層構成を有するプロテクトフィルムAを得た。以下、プロテクトフィルムA、及び下記プロテクトフィルムB〜Dが備える粘着剤層を第2粘着剤層ともいう。
プロテクトフィルムBとして、厚み38μmのPETフィルム(帯電防止能無)と、その上に積層される厚み20μmの粘着剤層(粘着剤層の80℃における貯蔵弾性率は0.15MPa)と、粘着剤層の表面に積層されるセパレートフィルムからなり、粘着剤層に帯電防止剤が含有されているものを準備した。
プロテクトフィルムCとして、厚み38μmのPETフィルム(帯電防止能無)と、その上に積層される厚み15μmの粘着剤層(粘着剤層の80℃における貯蔵弾性率は0.12MPa)と、粘着剤層の表面に積層されるセパレートフィルムからなり、粘着剤層に帯電防止剤が含有されているものを準備した。
プロテクトフィルムDとして、厚み38μmのPETフィルム(帯電防止能無)と、その上に積層される厚み15μmの粘着剤層(粘着剤層の80℃における貯蔵弾性率は0.16MPa)と、粘着剤層の表面に積層されるセパレートフィルムからなり、粘着剤層に帯電防止剤が含有されていないものを準備した。
第1保護フィルムAとして、コニカミノルタ(株)製のトリアセチルセルロースフィルム(厚み40μm、商品名「KC4UY」)を準備した。プロテクトフィルムとの貼合面のJIS B 0601:2013に準拠する算術平均粗さRaは、0.0050μmであった。第1保護フィルムAは、帯電防止剤を含有しない。
第1保護フィルムBとして、大日本印刷(株)製の反射防止フィルム(厚み40μm、商品名「HLAG8」、トリアセチルセルロースフィルムからなる基材フィルムとその上に積層される防眩層と防眩層上に積層される低屈折率層とからなる)を準備した。プロテクトフィルムとの貼合面(低屈折率層の表面)のJIS B 0601:2013に準拠する算術平均粗さRaは、0.0570μmであった。第1保護フィルムBは、帯電防止剤を含有しない。
第1保護フィルムCとして、凸版印刷(株)製のフィルム(厚み25μm、商品名「25KCHC−TC」、トリアセチルセルロースフィルムからなる基材フィルムとその上に積層されるハードコート層とからなる)を準備した。プロテクトフィルムとの貼合面(ハードコート層の表面)のJIS B 0601:2013に準拠する算術平均粗さRaは、0.0140μmであった。第1保護フィルムCは、帯電防止剤を含有しない。
第1保護フィルムDとして、凸版印刷(株)製の反射防止フィルム(厚み40μm、商品名「40KSPLR」、トリアセチルセルロースフィルムからなる基材フィルムとその上に積層される防眩層と防眩層上に積層される低屈折率層とからなる)を準備した。プロテクトフィルムとの貼合面(低屈折率層の表面)のJIS B 0601:2013に準拠する算術平均粗さRaは、0.0070μmであった。第1保護フィルムDは、低屈折率層中に帯電防止剤を含有している。
第1保護フィルムEとして、大日本印刷(株)製の防眩性フィルム(厚み40μm、商品名「GL−5150」、トリアセチルセルロースフィルムからなる基材フィルムとその上に積層される防眩層とからなる)を準備した。プロテクトフィルムとの貼合面(防眩層の表面)のJIS B 0601:2013に準拠する算術平均粗さRaは、0.1300μmであった。第1保護フィルムEは、帯電防止剤を含有しない。
上記第1保護フィルムA〜Eについて、分光光度計(株式会社島津製作所製「UV2200」)を用いて、反射率Y値を測定した。反射率Y値とは、視感度補正反射率を意味しており、具体的には、入射角12°で光を入射したときの反射角12°における波長350〜900nmの範囲の分光反射率(すなわち入射角12°における正反射率)をJIS Z 8701の2度視野(C光源)により視感度補正した反射率をいう。保護フィルムサンプル裏面からの反射を防止するとともに、サンプルの反りを防止するため、光学的に透明な粘着剤を用いて、プロテクトフィルムとの貼合面とは反対側の面で(プロテクトフィルムとの貼合面が表面となる)サンプルを黒色アクリル板(住友化学株式会社製「スミペックス」)に貼合してから測定を行った。
第1保護フィルムA:4%、
第1保護フィルムB:0.8%、
第1保護フィルムC:4%、
第1保護フィルムD:1%、
第1保護フィルムE:4%。
日本ゼオン(株)製の環状ポリオレフィン系樹脂フィルム(厚み13μm)を準備した。このフィルムの波長590nmでの面内位相差値Reは0.8nm、波長590nmでの厚み方向位相差値Rthは3.4nm、波長483nmでの厚み方向位相差値Rthは3.5nm、波長755nmでの厚み方向位相差値Rthは2.8nmであった。位相差値は、平行ニコル回転法を原理とする位相差計である王子計測機器(株)製の「KOBRA−ADH」を用い、23℃で測定した。
厚み17μmの輝度向上フィルム(3M社製の商品名「Advanced Polarized Film,Version4」)の一方の面にハードコート層を形成して、厚み20μmのハードコート層付輝度向上フィルムを得た。プロテクトフィルムとの貼合面(ハードコート層の表面)のJIS B 0601:2013に準拠する算術平均粗さRaは、0.0150μmであった。このハードコート層付輝度向上フィルムは、帯電防止剤を含有しない。
第1粘着剤層として、離型処理が施された厚み38μmのポリエチレンテレフタレートからなるセパレートフィルムの離型処理面に厚み20μmのアクリル系粘着剤層が設けられている市販のセパレートフィルム付粘着剤層を準備した。
アクリル酸ブチルとアクリル酸との共重合体にウレタンアクリレートオリゴマー及びイソシアネート系架橋剤を添加した有機溶剤溶液を、離型処理が施された厚み38μmのポリエチレンテレフタレートからなるセパレートフィルムの離型処理面に、ダイコーターにて乾燥後の厚みが5μmとなるように塗工した後、乾燥させて、セパレートフィルム付の第3粘着剤層を得た。
水100重量部に対し、カルボキシル基変性ポリビニルアルコール〔(株)クラレ製の「KL−318」〕を3部溶解して、ポリビニルアルコール水溶液を調製した。得られた水溶液に水溶性ポリアミドエポキシ樹脂〔田岡化学工業(株)製の「スミレーズレジン650(30)」、固形分濃度30%〕を、水100部に対して1.5部の割合で混合して、水系接着剤を得た。
次の手順で、図2と同様の層構成を有するプロテクトフィルム付偏光板を作製した。まず、上記偏光子の一方の面に、上記水系接着剤を用いて上記第1保護フィルムAを貼合し、他方の面に同じく上記水系接着剤を用いて、上記第2保護フィルムを貼合した。貼合に先立ち、第1及び第2保護フィルムにおける偏光子との貼合面に、15.9kJ/m2のコロナ処理を実施した。その後80℃で5分間乾燥させ、40℃で168時間養生した。次いで、第2保護フィルムにおける偏光子とは反対側の面に上記第1粘着剤層(外面にセパレートフィルムを有している。)を貼合した。貼合に先立ち、第2保護フィルムの貼合面及び第1粘着剤層の貼合面の双方に15.9kJ/m2のコロナ処理を実施した。さらに、第1保護フィルムにおける偏光子とは反対側の面に上記プロテクトフィルムAを、その第2粘着剤層を介して貼合して、プロテクトフィルム付偏光板を得た。
プロテクトフィルムAの代わりに上記プロテクトフィルムBを用いたこと以外は実施例1と同様にしてプロテクトフィルム付偏光板を作製した。
プロテクトフィルムAの代わりに上記プロテクトフィルムCを用いたこと以外は実施例1と同様にしてプロテクトフィルム付偏光板を作製した。
プロテクトフィルムAの代わりに上記プロテクトフィルムDを用いたこと以外は実施例1と同様にしてプロテクトフィルム付偏光板を作製した。
次の手順で、図4と同様の層構成を有するプロテクトフィルム付偏光板を作製した。まず、上記偏光子の一方の面に、上記水系接着剤を用いて上記第2保護フィルムを貼合した。貼合に先立ち、第2保護フィルムにおける偏光子との貼合面に、15.9kJ/m2のコロナ処理を実施した。その後、80℃で5分間乾燥させ、40℃で168時間養生した。次いで、第2保護フィルムにおける偏光子とは反対側の面に上記第1粘着剤層(外面にセパレートフィルムを有している。)を貼合した。貼合に先立ち、第2保護フィルムの貼合面及び第1粘着剤層の貼合面の双方に15.9kJ/m2のコロナ処理を実施した。さらに、偏光子における第2保護フィルムとは反対側の面に上記第3粘着剤層(外面にセパレートフィルムを有している)を貼合した。貼合に先立ち、偏光子の貼合面及び第3粘着剤層の貼合面の双方に15.9kJ/m2のコロナ処理を実施した。次に、第3粘着剤層のセパレートフィルムを剥離除去した後、剥離によって露出した第3粘着剤層の表面に、上記ハードコート層付輝度向上フィルムを、輝度向上フィルム側で貼合した。貼合に先立ち、輝度向上フィルムの貼合面に15.9kJ/m2のコロナ処理を実施した。最後に、輝度向上フィルムが有するハードコート層の外面に上記プロテクトフィルムAを、その第2粘着剤層を介して貼合して、プロテクトフィルム付偏光板を得た。
プロテクトフィルムAの代わりに上記プロテクトフィルムBを用いたこと以外は実施例4と同様にしてプロテクトフィルム付偏光板を作製した。
プロテクトフィルムAの代わりに上記プロテクトフィルムCを用いたこと以外は実施例4と同様にしてプロテクトフィルム付偏光板を作製した。
プロテクトフィルムAの代わりに上記プロテクトフィルムDを用いたこと以外は実施例4と同様にしてプロテクトフィルム付偏光板を作製した。
第1保護フィルムAの代わりに上記第1保護フィルムBを用いたこと以外は実施例1と同様にしてプロテクトフィルム付偏光板を作製した。
プロテクトフィルムAの代わりに上記プロテクトフィルムBを用いたこと以外は実施例7と同様にしてプロテクトフィルム付偏光板を作製した。
プロテクトフィルムAの代わりに上記プロテクトフィルムCを用いたこと以外は実施例7と同様にしてプロテクトフィルム付偏光板を作製した。
プロテクトフィルムAの代わりに上記プロテクトフィルムDを用いたこと以外は実施例7と同様にしてプロテクトフィルム付偏光板を作製した。
第1保護フィルムAの代わりに上記第1保護フィルムCを用いたこと以外は実施例1と同様にしてプロテクトフィルム付偏光板を作製した。
プロテクトフィルムAの代わりに上記プロテクトフィルムBを用いたこと以外は実施例10と同様にしてプロテクトフィルム付偏光板を作製した。
プロテクトフィルムAの代わりに上記プロテクトフィルムCを用いたこと以外は実施例10と同様にしてプロテクトフィルム付偏光板を作製した。
プロテクトフィルムAの代わりに上記プロテクトフィルムDを用いたこと以外は実施例10と同様にしてプロテクトフィルム付偏光板を作製した。
第1保護フィルムAの代わりに上記第1保護フィルムDを用いたこと以外は実施例1と同様にしてプロテクトフィルム付偏光板を作製した。
プロテクトフィルムAの代わりに上記プロテクトフィルムBを用いたこと以外は実施例13と同様にしてプロテクトフィルム付偏光板を作製した。
プロテクトフィルムAの代わりに上記プロテクトフィルムCを用いたこと以外は実施例13と同様にしてプロテクトフィルム付偏光板を作製した。
プロテクトフィルムAの代わりに上記プロテクトフィルムDを用いたこと以外は実施例13と同様にしてプロテクトフィルム付偏光板を作製した。
第1保護フィルムAの代わりに上記第1保護フィルムEを用いたこと以外は実施例1と同様にしてプロテクトフィルム付偏光板を作製した。
プロテクトフィルムAの代わりに上記プロテクトフィルムBを用いたこと以外は実施例16と同様にしてプロテクトフィルム付偏光板を作製した。
プロテクトフィルムAの代わりに上記プロテクトフィルムCを用いたこと以外は実施例16と同様にしてプロテクトフィルム付偏光板を作製した。
プロテクトフィルムAの代わりに上記プロテクトフィルムDを用いたこと以外は実施例16と同様にしてプロテクトフィルム付偏光板を作製した。
得られたプロテクトフィルム付偏光板(第1粘着剤層の外面にセパレートフィルムが積層された状態)から縦100mm×横50mmサイズの枚葉体を切り出し、これを測定サンプルとした。この測定サンプル(枚葉体)において偏光子の吸収軸方向は、長辺方向と平行である。図5を参照して、測定サンプル1を平面台2に、そのプロテクトフィルム面が上向きとなるように(セパレートフィルム面が平面台2と接するように)載置した。この状態で、測定サンプル1の1つの短辺において、測定サンプル1の端部を平面台2に固定した。当該固定は、当該短辺における端面から10mmの位置でテープ3(スリーエムジャパン株式会社製のメンディングテープ)を巻き付けることにより行った。
得られたプロテクトフィルム付偏光板(第1粘着剤層の外面にセパレートフィルムが積層された状態)から縦100mm×横50mmサイズの枚葉体を切り出し、これを測定サンプルとした。この測定サンプル(枚葉体)において偏光子の吸収軸方向は、長辺方向と平行である。次に、第1粘着剤層の外面に積層されているセパレートフィルムを剥離し、測定サンプルを第1粘着剤層を介してガラス基板(コーニング社製の商品名「イーグルXG」、縦130mm×横76.4mm〕に貼合した。測定サンプルが貼合されたガラス基板に対して、温度50℃、圧力5kg/cm2(490.3kPa)の条件で20分間オートクレーブ処理を行った。
上記(1)で行った貼り戻り時間の測定後の測定サンプル(プロテクトフィルム付偏光板)について、プロテクトフィルム側から目視観察し、以下の評価基準に従って、偏光板とプロテクトフィルムとの間に混入する気泡の程度を評価した。
B:気泡がほぼ存在しない、
C:気泡が多数存在する。
Claims (6)
- 偏光子を含む偏光板と、その一方の表面に積層されるプロテクトフィルムとを備えるプロテクトフィルム付偏光板であって、
前記プロテクトフィルムの貼り戻り時間が17秒以上であり、
前記貼り戻り時間は、前記プロテクトフィルム付偏光板から取得した縦100mm×横50mmサイズの測定サンプルの一方の短辺における端部を固定し、前記短辺に対向する短辺側から前記測定サンプルのプロテクトフィルムを前記固定の箇所まで剥離し、これにより、前記固定の箇所を起点として前記測定サンプルの偏光板に対する前記プロテクトフィルムの引き起こし角度が90°となり、前記プロテクトフィルムの引き起こし長さが90mmとなるように前記測定サンプルのプロテクトフィルムが引き起こされた状態を得、この状態から前記プロテクトフィルムを解放したときの当該解放から自重によって前記プロテクトフィルムが前記測定サンプルの偏光板に貼り戻るまでの時間として定義される、プロテクトフィルム付偏光板。 - 前記プロテクトフィルム付偏光板から取得した縦100mm×横50mmサイズの測定サンプルの一方の短辺側から速度330mm/秒でプロテクトフィルムを剥離したときの前記測定サンプルの偏光板の表面における剥離から5秒後の剥離帯電圧を偏光板側剥離帯電圧、前記測定サンプルの前記プロテクトフィルムの表面における剥離から5秒後の剥離帯電圧をプロテクトフィルム側剥離帯電圧とするとき、前記偏光板側剥離帯電圧と前記プロテクトフィルム側剥離帯電圧との合計値が−0.500〜0.500kVの範囲内である、請求項1に記載のプロテクトフィルム付偏光板。
- 前記偏光板は、前記偏光子に接着剤層又は粘着剤層を介して積層される熱可塑性樹脂フィルムをさらに含み、
前記プロテクトフィルムは、前記熱可塑性樹脂フィルムの表面に積層される、請求項1又は2に記載のプロテクトフィルム付偏光板。 - 前記偏光板は、前記偏光子に接着剤層又は粘着剤層を介して積層される熱可塑性樹脂フィルムと、前記熱可塑性樹脂フィルムの表面に積層される樹脂層とをさらに含み、
前記プロテクトフィルムは、前記樹脂層の表面に積層される、請求項1又は2に記載のプロテクトフィルム付偏光板。 - 前記プロテクトフィルムは、基材フィルムと、その上に積層される粘着剤層とを含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載のプロテクトフィルム付偏光板。
- 画像表示素子と、その上に積層される請求項1〜5のいずれか1項に記載のプロテクトフィルム付偏光板とを含む、光学積層体。
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